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◆ 時系列・3時間前
灰色の空、大気の影で淡く煤けた平原、存在の証を刻む石の羅列、冷たく横たわる棺の前に軒を連ねる喪服の数々。そこにその者が在らずとも決別に意味はあると言わんばかりの、形だけの葬式が執り行われていた
[ 人々の営みに安寧を フォルクマール・ロビンソン ここに眠る ]
酒場のマスター「(恰幅のいいちょび髭の男が、この日ばかりは酒場ジョークを控え、飼い主の戻らないブルドックのように鼻を鳴らす。涙腺のダムは昨夜から決壊したままだという)親父さん花…… グズッ けっっっっして誰にも言わなかったが、俺の故郷じゃ有名な『闇払い』だったんだ……。俺の家がDOMANの
百鬼夜行に見舞われた時なんか、俺のかあちゃんだけじゃなく家財とか金になるもんを連れ帰って生活の面倒まで見てくれた……グスッ 」
ディータ「―――――(彼、フォルクマールの息子である青年、ディータは葬儀が一通り終わっても尚同じような内容を延々と酒交じりに話す酒場の男のそれを、しきりに頷き右から左へ流していた)…………。 」
垢の他人の話を聞いているようだった。自分の知る父は、生きるという事柄そのものに後ろめたさを覚え、実の息子にすら未来への希望を捨てるよう勧めた男だ。棺桶の蓋が閉じられる寸前に見たその顔は、むしろそのようにあるのが相応しく収まるべきところに収まったという印象を受けた) 」
ディータ「――――(ふと空を見上げると、そんなディータの心にかかる靄を象徴するようにして、雨雲が一層強くなっていた事に気付く)バーノンさん、ちょっとバーノンさん。今にも降り出しそうだ、早く戻ろう。(背を軽くさすり、酒場のマスターを半ば押すようにして付き添いながら墓標の前を後にしようとする) 」
ディータ「…………。(一瞬だけ、墓石の下に冷たくなった父へ一瞥を送る。父の霊でも立っていないだろうかという予感めいたものがあったが、墓石は相変わらず沈黙し、空き家のポストのように墓参りを期待せずただ待っているようだった。その様子にどこか安堵し、胸をなでおろす)――――今度はよく眠れるよ、休んでくれ……父さん…… 」
―――――ディータと酒場のマスターが、彼の死を惜しんでいた誰もがその場を去った頃、ディータの見立て通り雨は降り注いだ……。ただしそれは黒く………
ボ ゴォッッッッ (棺を血の通わない骨ばった腕が貫通し天へ伸ばされる。まるで慈悲を懇願するように、或いは雨を拒むように何度も振るわれていたが……) ァ ァ ァ………・ ・ ■■■■■■■……!!(慈悲も救いも、安寧すらも許さず雨はその腕を黒く染め上げる) 」
◆ 時系列・現在
――――――一般人からすれば特大冷蔵庫でも言えような鉄の箱が墓標のように並ぶフロア内を、屈強な軍人と白衣に身を包んだ科学者が交互に、慌ただしく行き交う。デスクに向かい合いデータを入力する者、他部所と連絡を頻繁に取る者、そして……各々が職務に当たりつつも幾度となく目配せする、一室の壁を占有するモニターを前に戦慄し佇む将校が一人 」
政府軍オペレーターA「座標S10-771に『重力波』を感知。魔素指数、基準値過。」「データ室より電報、重力波長のパターンから『量子
特異点』と断定! 」
政府軍科学部スタッフ「魔素可視化衛星カメラよりスキャンデータが取れました!スクリーンに写しますッ! 」
政府軍将校A「レゼリア下層部最北部から国境を跨ぐ規模か……前回の『巨人』とは比べものにならない規模だ 」
政府軍将校B「この赤い信号は……複数あるようだが…… 」
政府軍科学部室長「政府軍科学部第七室長、マーゴットです。 落ち着いて聞いてください……あれは…… 」
「――――――量子特異点の『核』です」 」
政府軍将校A「……………待て。念のため確認するが、核は一つの量子特異点に一つしか発生しない。そうだな? 」
政府軍科学部室長「この規模、そして侵食の速度をご覧ください。2年前や昨今観測されたそれの規模と比肩にならない範囲が異界化しているのです。推測に過ぎませんが、『複数の核』による『複合的量子特異点』ではないかと…… 」
政府軍将校「確かか? このような……群体で存在するなど……いやそんなばかな…… 」
政府軍オペレーターB「――――――本部より通達です。『中将1名、准将3名』の精鋭を編隊し対処に当たるように。作成行動完了の猶予は24時間……とのことです。 」
政府軍将校A「24時間!?上は報告に目を通していないのか! 1小隊で駆逐できない化け物が複数体で構成している異界だぞ! 上層部は何を――――――― 」
政府軍オペレーターB「それが……その……。24時間以内に量子特異点の消失が確認されない場合、レゼリア国へ『バスターコール』を発令すると…… 」
政府軍将校A「ふざ、けるなァッ!! なんだ、何を”恐れて”いるんだ連中はッ!!!! 」
政府軍オペレーターC「レゼリア直近支部から緊急の通信です!サブモニターに映しますッ! 」
レゼリア国直近、『東部16支部』。 通信担当はベイル少尉、そう将校は把握していた。しかしモニターに映し出された映像は見知った少尉は愚か、そもそも人の顔が映し出されていなかった。それは人という個ではなく、情景であり……
『CP9より『大将ゲオルグ』へ……繰り返す、CP9より『大将ゲオルグ』へ。状況報告『
バスカヴィル Army1』と合流、■■国への進行を開始。非協力的な住民の排除を遂行、進捗は順調』
声の主の姿は見えないのではない、モニターに映し出されるのは報告する本人の目線なのだと理解するに容易い。慣れた手つきで男女を撃ち殺し、彼彼女の子の腕を掴み、ナイフによって生きたまま■を剥ぎ、効率的に他の住民へ恐怖を植え付け、戦意を削る。
助けを乞う嬌声を上げた者から優先的に射殺する。残った沈黙する一般人を両脇の部下に任せ、視点である彼は鉄の意志を原動力に前へ、前へと進んだ。敵らしき存在はない、ただ異質な点を上げれば、彼が処理する生物が人でないという点だ。人語は発する、しかし肌色は青色であったり耳は細長い、そしてなにより虫の羽を持つという特徴が上げられる。
レゼリアにこのような種族は記憶の限り存在しない。ではこの男はどこから報告しているのか定かではない。そもそも画面右下に表示された日時を思しき数字は、現在よりも遥かに過去に遡るものだ。何より――――――政府軍大将・玄武『ゲオルグ・ハーヴェイ』。 政府軍史上、最も不当なる『バスターコール』を発令した……存在してはならない大将の名を挙げている。
『CP9より『大将ゲオルグ』へ。対象『シャーロット・ヴァンシュタイン』を補足、これより戦闘行動へ移行する。20分以内の報告がない場合、速やかな本隊によるバスターコールの実行を要請する』 」
『ゲオルグ・ハーヴェイ』声の主が相対した一人の『少女』を抹殺するためだけに『和の国』を消失させた将校の名だ。 」
レゼリア国下層部・量子特異点内部
政府軍兵士「 ゥウァアァアァァ――――――ッ!!!!!(量子特異点特有の灰色の情景の最中、マズルフラッシュが瞬き彼の恐怖を代弁するように機関銃がけたたましい音を上げる。狙いも定まらぬまま、ただ自分の身を守る為だけに鉛玉をばら撒き続けた) 」
■府軍■士「 グチッッ ビジュ ┣¨ ジュ……(鉛玉を浴びたそれは”絶命”した。しかしそれは個体の死であって群体、否、軍隊の死ではない。 人の形、軍帽、軍服、その装備からして”政府軍兵士”の”面影”がある”泥の塊”が隊列をなし進撃し続ける。 まぎれもなく泥、コールタールの塊だが人の理性の伴う所作で銃を手により) パンッ (銃剣を敵対する政府軍兵士の喉笛に突き立て、引き金を引いた) 」
政府軍兵士「HQ!HQ!増援はまだか!?もう保たない……住民の生活区画まで侵入されてしまう!至急増援を…… あがッッ」「数が多すぎる……だめだ、一個支部の装備と戦力では歯が立たない!誰でもいい!このおかしな空間の外へ行け!通信が回復する区画まで移動しろッ!!」 」
■府軍■士「 ザグッッ (相対する兵士の首を軍刀による横一線で跳ね、目視だけで絶命を確認。隊列は再び前進を始めた) 」
政府軍兵士「くそォ……ッ!! お前ら退け!ここは俺が殿を引き受けるッ!!」「バカか!?お前一人残ってどうにかなる問題かッ」「どうにもならねえのはわかってるよッ!!俺一人でダメだったら次はお前らの誰かだッ! なんとか繋いで生活区画に行けッ!住民の避難に徹しろッ!!」 」
■府軍■士「(言い合う兵士達の問答など聞こえていないかのように進み続け、彼らの存在を視認するとアサルトライフルの弾薬を装填し――――――) ┣¨ ゴォ (―――――駆け抜けた”雷撃”によって隊列を組んだ■士の首が連続して消し飛ぶ) 」
フェリシア「――――――その役割、私が引き受けましょう。 ガコォンッッ(政府軍兵士達の肩をすり抜け、■士の隊列へ真っ向から挑む。身の丈程ある超重量のパイルバンカーを再装填し、重厚な甲冑が羽織りであるかのような足取りで) 」
政府軍兵士「すっげ……なんだ今の…… え、おい待て!あんたいったい……どこの隊だ!?」「無茶だ戻れ!これは俺たちがやらなきゃいけない仕事で…… 」
フェリシア「互いに!!『民草の安寧を保証する』事が責務だろうッ!!つべこべ言わず住民の避難誘導へ行けッ!!走れないなら投げ飛ばすぞッ!!!!(一瞥もやらず背で一喝すると『槍の束』をパイルバンカーへ連続し、小型ミサイルに比敵する威力のそれを機関銃同然に■士の隊列へ放った) 」
フェリシア「(戦闘行動の傍、耳朶に内蔵したナノマシンをノックし通信を"常時ON"に設定する)―――――
ヴィヴィさん、
デルフィナ。状況は聞いての通りです。 生活区画にまで量子特異点は侵食していますが、実害のある敵対対象はまだそこまで至っていません、何としてもここで食い止めます。しかしこの戦闘行為で得られる成果は、時間稼ぎまででしょう。複数存在する『量子特異点の核』全てを探し出し除去する、これを最優先目標とします。 報告によれば "戦闘行動可能" と認知されている有志もこの量子特異点に巻き込まれているようです、可能であれば合流して……ああクソ!!第二波がもうきたか!! 」
VS【量子特異点再現群体:政府軍兵士】
――――――フェリシアが見据える先。レゼリア国と隣接国を隔てる国境付近から黒い波のような塊が徐々に、確実にこちらへ動いているのが伺える。地上を埋めつくさんばかりの勢いであるそれは全てが先の■府軍■士であった。隊列を組み、"泥の塊のような戦車"や、大砲を引き連れ"殲滅"を大前提に進軍している事が伺える 」
デルフィナ「―――空の業火に包まれてあれ(■士達が小隊を組んでいる建物を、周囲の建物ごと魔力の焔で焼き払い、既に血に塗れた曲刀を手に現れ)……あんまりこういうオープンな場で色々見せたく無いんですけどねぇ、しかしまあ……数が多い。バスターコールはともかく、砲撃支援は貰いたい所ですね 」
■府軍■士「(デルフィナの魔術によって倒壊した建造物の瓦礫を押し退け、旧世代の自走砲を模した泥の塊が出現する。操縦士の他にハッチから歩兵が小銃を構えるが……) その"腕章"……"友軍"の筈では…… 待て、撃つな! 我々は同盟関係にある、その"レールガン"を納めろ!(言葉を発した。デルフィナを明確に感知しながらも、しかし認識に相違のある事を口走る) 」
■府軍■士「 構わん撃て! どうせきな臭い連中だ、流れ弾とでも報告しろ!(自走砲内からくぐもった声が響き、それに合わせ装甲に搭載した機銃がデルフィナへ狙いを定める) 」
ハチキュウ「……よっと(ブースターの出力を乗せてのシールドバッシュ。自走砲をまるで車に撥ねられた鹿のように大きく宙へ跳ね飛ばし、続けて砂埃を巻き上げながら右手でライフルを構え)乗りかかった船だ。本来の目的だった港が見つかるまで乗らせてもらう……ひと段落ついたらこちらの政府機関と落ち合える場所を紹介してもらえると、嬉しいが…… 」
■府軍■士「正体不明の敵機―――――― ジ ジッッ (ハチキュウの姿を確認し通信する兵士の形をした泥の目元に"ノイズ"が走る。テープを強引に引き抜いたような雑音を発し――――)HQ!HQ!こちらコードガリア! "現地住民"の抵抗を確認した。くそったれ、"最新鋭"の自走砲をテッシュ箱みてえに蹴っ飛ばしやがる……ッ! 大佐相当以上の支援を要請する! 敵は2m弱のワーウルフ種!対異能戦闘技術を備えた精鋭が望ましいと判断!(言い換えた。ハチキュウの姿を"正しく認識していない"ような事を口走り……) 」
銀髪の男「 ガッ バスッッッ (瓦礫の陰から悠然と歩み寄り、グリップを通信する■府軍■士の首に引っ掛け、背に足を押し当てて首を引き千切る) ビチッ ……。初めて見る装備だ……"モノリス・オーバーツ"程の技術水準に達するかは疑問だが。それに君の"術"……ああ、それは覚えがあったな。ただ見知らぬ娘が使う術と認知はしていなかった。(顎に手を添え、男は小首を傾げハチキュウ、デルフィナへ一定の間合いを開け問いかける。銀の頭髪、戦場に似つかわしくないイタリア仕立てのスーツに紳士然とした所作。両者を見据えるその目は井戸の底のように深い黒に染まっている)―――――何者かね 」
ハチキュウ「俺に対する認識が弄られているのか……?ん……知り合い?(そう言って周りに目配せし)知らないものと比較されても困るが……力不足ではないつもりだ、何者か分からん相手に詳細を明かす気はないがな(ライフルの引き金を二発切り、桃色の光線を二連。正確に自分に敵意を向けるものを撃ち抜く) 」
銀髪の男「最もだ、礼に欠いた発言だったと詫びよう(SAA、タクティカルアドバンテージのない装飾が施されたリボルバー式の拳銃を引き抜き、銃口をハチキュウへ向け躊躇わず引き金を引く) パァンッ キュ ィ ン ッ (ハチキュウの頭部へ迫った弾丸は鍵状の軌跡を描いて軌道を変え、ハチキュウを避けて彼の背後に迫っていた泥の兵士を正確に撃ち抜く) 」
銀髪の男→
ディミトリアス「――――何者かは瑣末だ、重要視すべきは"何と敵対しているか"だな。とはいえ名前という記号がなければ意思疎通に不便だろう。 ああ、"僕" は"ジェームズ・ディミトリアス"。 親しみを込めてジェームズと呼んでくれていい。今この場においては同じ敵を持った友なのだから(ノールック、敵対象に一瞥もやらずハチキュウ、デルフィナを注視しながら、ステッキと拳銃を駆使し"片手間"に敵対対象を屠る) 」
デルフィナ「(片手に"野球ボール大の火球"を現出させ、見事なサイドスローで■府軍■士の自走砲へと投擲。投げられた火球は自走砲に直撃する直前で炸裂し、自走砲を炎で包む)……歩兵だけじゃ無いんですね…しかしまあ、やっぱり?認知が狂ってる……って具合なんでしょうかね?うーん、精神的な部分が弄られてこうして沸いて来てるなら困ったものです。ああどうも、ご協力ありがとうございます!ディミトリアスさん、ハチキュウさん 」
ディミトリアス「この場において面識があるのは君達だけらしい。困った、有事の際真っ先に切り捨てられるのは高感度の低い僕ということになる(顎に手を当て真顔で大真面目に) 君、口ぶりからして状況の詳細を把握していないようだネ(ステッキのグリップを■府軍■士の首に引っ掛け、引き寄せつつ蹴りを入れへし折り機能停止させたものをデルフィナ、ハチキュウの前へ横たえさせる)例えばこの軍人は"アリタリア国陸軍"の腕章を身に付けている、つい先ほど君が火だるまにした兵士にはペガサス国治安維持局という架空の部隊の腕章を身に付けていた。これは政府軍特務機関、通称"ハウンド"が取る殲滅・隠蔽工作のやり口だ。 」
ディミトリアス「国家間の専横にも一定の秩序が定められている。世界政府国際条約によって定められた禁じ手を、政府機関が行う。まあ珍しい話ではないがそういうことだ。ああ、安心したまえ、我々が"泉の国"を防衛する上で彼らを殺害する行為が"対テロ"行為として黙認されるだろう。何せこの作戦は成功するか、そもそも何もなかった事にするかの二択だ(ディミトリアスの指差した政府軍…とされる人の形をした泥は、腕章と認識できるものを身につけていない。彼にはそれが人間、それも衣類を識別できるものと認識できているようだった) 質問はあるかね、なければ早々にここを離れたほうがいいのだが 」
ハチキュウ「…………(頭部の側面に配置されたバルカン・ポッドから弾丸を連射、異様な威力のそれが泥を次々と穴だらけにしていく)ニュアンスしか解らん。現地についての説明はもっと真面目に聞くべきだったか……きな臭いのは分かる 」
デルフィナ「ああいえ、私個人が愛に生きるタイプなので身内を優先したくなる…のは置いといて……我々としては軍の指揮下に居ない方々を援護し死傷を避ける義務がありまして……(ディミトリアスが転がした身体を屈んでまじまじと見つめ)へぇー、詳しいんですねえおじい様。公的な記録を残さない為に架空の部隊をでっちあげる……筋が通っては居ますが、当の彼らがちょっと分かって無さそうなのが気には掛かりますが…… 」
ディミトリアス「いや何、君の理解はさして重要ではない。疑問が戦力を鈍らせるなら取り除かなければならないが。いやしかし……初めて見る兵装をそう当たり前のように広されるとうずくな、いろいろと(顎に手を当て興味深げにハチキュウの戦闘、その動作の一挙一動に好奇の目を向ける) おじぃ…………。…………(一瞬石のように固まり手鏡で地震の顔を二度見する)僕は20なんだが……まあ、いい、のかなあ?ああ話が逸れたな。無論彼らは認識などしていないさ、兵士に疑問は必要ない。いつの時代、どの国においてもそう教育しているものだろう? ただ―――――。その愚直さのまま強固な意志を持つとあのような怪物が生まれるんだが…… 」
ヒュ ル ル ル ル ┣¨ ォ …… ン (遠方から不自然な風切り音が迫り、鉄の塊が一行の付近に"着弾"する。 それを"投擲した"と思われる人影が、政府軍兵士の形をした泥の塊を引き連れ眼前に迫っていた) 」
???「(年齢、推定20後半。 190cm、筋骨隆々、単純な体格で言えば素人目に見ても超人に片足を突っ込んでいる青年が、重責と共に軍服を身に纏い立ち塞がる。)――――レートSクラス相当3名と推測。大佐相当以下は散解、目標の追跡。俺は…… あれらを始末する(右手にレミントンM870 を大型口径の拳銃よろしく構え、左手にコンバットナイフを忍ばせる)――――抵抗は流血を伴うだけだ。 」
ディミトリアス「僕は君達のことを信用していない。あえてここで雑談に興じたのは"巻き込む為"だ。悪いがご助力願おう(ステッキより"抜刀"。眼前に現れた男を遠目に首をひねり鳴らす) "
ジョン・ワイズマン"……僕が知る限り、あれがこの件の黒幕が重用している最高戦力だ 」
デルフィナ「……おっと、失敬……他人の年齢に疎くて……ごめんなさいねなんか… 命令通り、かつ作戦の範囲内で的確に考えて動くのが現代の前線における理想的な兵士です。認識狂ってる時点で集団としては落第と言いたい所ですが……ちゃんと組織立って動いてるんですよねぇ、多分明確に"意志"を持って動いているように見えます。 (近くに着弾した鉄塊に反応し、軽く顔の前に腕を出して防御姿勢を取り)……位の高そうなのが来ましたね、別に巻き込まれた分には良いんですけど……("ジョン・ワイズマン"の名を耳にし、微かに硬直するが、一瞬で取り繕って曲刀を構え)……へえ、名前もご存知なんですか、加えて最高戦力とまで…… 」
ディミトリアス「認識が……? ブツッッ(デルフィナの言葉に疑問符を浮かべた瞬間、彼の目元にもノイズが走り、次の瞬間には場面の一部を添削したかのようにジョンへ微笑みかけていた)都合のいい最高戦力でなければ"友人"を過労寸前まで酷使しないさ。 そうだろうジョン? ところで僕は君が見捨てたもう一人の友人と未だに仲良くやっているが、というかこうして命がけで守るハメになっているがどんな気分だい(それこそ親友に向けるような軽口を向けつつ、一歩後ずさる。) 今ので僕が的になった、無駄にしないでくれ給えよ(一瞬だけ真顔に戻りデルフィナ、ハチキュウへ) 」
???→ジョン「 (ディミトリアスの挑発を合図にレミントンの引き金を引き……)―――――― キュ オ ッッ (放たれた弾丸を "殴り砕き" 通常の速度に倍の圧が掛かった散弾をばら撒く) 」
VS【バスカヴィル:Army0】ジョン・ワイズマン
ハチキュウ「なるほど確かに……実力は確かそうなのが来たな(スッとシールドを構え飛び散る散弾を受け止め、弾く)知り合いか……そして、過ぎ去った仲らしいな……(さっきの、こいつも……)なるほど、確かに印象通りの実力だ……ま、『隊長』に比べればまだ理解の及ぶ化け物だろう!?(そう言うと、シールドとライフルを構え、バルカンと共に三発分指を切る) 」
デルフィナ「…………あれ?何か飛びませんでした、今?(……私が呆けていた訳でなければ、今のは…まるで訂正されたみたいに…)って、知り合い……っていうかご友人…随分とお付き合いの長そうな…あっ(何かに気付いた様に顔を上げ)いぃやまあ…囮になってもらえるのは感謝感激雨あられもいい所ですが、普通に相手がヤバめな感じで…!(曲刀を一瞬だけ巨大化させて弾丸を切り払い、返す一振りと共に炎の刃をジョンに向かって飛ばす)厄介な現場に居合わせちゃいましたねえ!我ながら! 」
ジョン「(その場からすぐには動かず黙してデルフィナの接近を許し) ゴ ンッ (レミントンを1回転、銃身を手に鈍器としノールックで曲刀へアッパーカット気味に叩きつけ受け止め) ダムッッッ (牽制として手に握った薬莢取り出し、"対戦車ライフル同然の圧、回転を効かせた投擲"をハチキュウへ行い牽制しつつ真っ先にディミトリアスへ急接近。その速度、彼が駆け抜けた後に遅れて大気に穴が空くほど)―――――俺は極めて冷静だ、舐めるな(ディミトリアスへ"仕留めない前提"しかし常人であれば骨折はおろか、頭が吹き飛ぶ威力の"ジャブ"を見舞う) 」
ディミトリアス「 ガッッッ ッ ・ ・ …………… ┣¨ グシャ ッッッッ (咄嗟にステッキを縦に構えジャブを刀身で受け止めるも、その威力を殺しきれず後方へ吹っ飛び建物の残骸に背が張り付くほどに叩きつけられる) カ 八 ッ こ ……ノ…… ッ!! 」
ハチキュウ「チッ(投擲される薬莢をシールドで斜めに弾き、そのままバルカンポッドをジョンに向け連射、シールドに内蔵されたミサイルも同時に二発放つ)これが最高戦力?隊長に比べればさぁ!! 」
ジョン「見たことのない兵装だ。口ぶりからして軍属のようだが――――(バルカン砲を察知し腕をハチキュウへ向け) ピッ (最小限、殆ど止まって見える速度で手を動かし弾丸を豆のように摘まみ手放すと)敵だな。問題ない(最初に来たミサイルを掴み取り、それをバットよろしく次弾に叩きつけ相殺。これを刹那の内に行い、右半身が対衝突したミサイルの爆炎に飲まれるよりも前に駆け出し脱出。ほぼ音速、それ以上の速度でハチキュウへ肉薄し) クイ ゴッッ (一瞬、無言で顔をゼロ距離に近づ目を合わせた後、"頭突き"をかましにかかる) 」
ハチキュウ「へッ……!!(ジョンの頭突きを視認し、同じく頭突きを合わせ、組み合うようにして)……元気いっぱいだぜ……!! 」
ジョン「なるほど、俺が戦士であれば力比べに興じるところだが……。(眉ひとつ動かさず、鉛のように固まってしまった無表情のまま。 咄嗟に柔道さながらに踵を絡め重心を強引に崩しつつ組み付き)――――今は兵士でな 」
バス■カヴィ■兵士「(兵士の形を成した黒々とした泥の塊が、ハチキュウへジョンへの被弾のリスクを考慮せず隊列をなし(1970年代における最新鋭の対装甲ライフルを連続で放つ) 」
ハチキュウ「奇遇だな……俺もだ(左のスラスターのみを勢いよく吹かし、同時に腰から筒を取り出しながら高速回転)ッァ!!(組み付きを振りほどきながら、取り出した筒から光剣を放ち回転切りのように弾丸を斬り裂きながら着地) 」
デルフィナ「(ジョンにあっさりと銃身で曲刀を止められ、あまつさえ体制を崩し)ちょ、っと……!(即座に後ろに跳んで再びジョンと距離を離し、炎を纏った右手を振り上げ)向こうの兵士も援護射撃開始ですか、だったら…出力を上げて面で焼き払うまで……!(右手に纏った焔を一瞬で巨大化させると共に、ジョンを周囲諸共薙ぎ払いに掛かる) 」
ジョン「装備の割に柔軟だな。(振りほどかれ、バックステップを踏み間合いを図る。 デルフィナの追撃を察知し片腕を上げ) ヅェァアッッッ!!!!! (ただの手刀を縦一文字に振り下ろす。その余波は炎を、地表を両断し斬撃がデルフィナ、ハチキュウの間を抜け地平に届かんばかりの速度で走り抜ける) 合点がいった……外部協力者のようだな。悪いことは言わない、『ドロシー』の居場所を吐け。知らないならそこで伸びている優男の口を割らせろ。それでこの馬鹿げた紛争も幕引きだ 」
デルフィナ「(異常な威力の手刀、その余波が掠めた腕がばっくりと避け、流血しているのを見やり……眼帯にそっと手を触れ)……あー……ドロシー…?(……聞いた名前ですね、分かってはいましたが特異点が全部繋がっている……それもかなり密接に…) 」
ジョン「 ピンッ (右拳に忍ばせた弾丸を親指で弾き飛ばす。 ライフルと相違ない回転を効かせたそれが、眼帯に手を添えようとしたデルフィナの手の側を駆け抜ける)とぼける演技はしなくていい。 先に断っておくが、仮に俺を倒せるとしても……彼女を守ることは貴様達自身の、いや世界の未来を狂わせ続けるだけだ。 」
デルフィナ「……OK,OKですはい、分かりました……(弾丸が掠め、観念した様に眼帯から手を離し)……まあ、その「ドロシー」って人名もぶっちゃけ私は『別の特異点がそいつの名前を出してた』って位しか知らないんですよねー……人名としてはありふれてるし。仕方ないですねそこな銀髪の彼に聞きましょうか……ああ、まあ…守る義理もありませんしね、特異点とガッツリ関わってそうな人なんか…ねえ?(ディミトリアスに振り返り) 」
ハチキュウ「まただ……また知らん単語が出て来た(光剣を腰へ仕舞い込み、投げ捨てたライフルを拾い上げると同時に腰からグレネードを三発発射、それに続くように拾い上げたライフルから二閃) 」
ジョン「………?『 』……だと?(デルフィナの発した単語、"特異点"を復唱しつつも眉を潜める。そもそもその単語を発することができておらず、本人もその自覚はなく……) ちッ……多芸な事だ。(自ら祖先してグレネードを掴み取り、再度投擲してから"殴る") ボグォンッッッ (拳から放たれる風圧は爆炎と混ざり、ライフルの二閃を散らす)…………。おかしな感覚だ、会話が噛み合っているようで噛み合っていない。認識の相違か……? 」
ディミトリアス「ゲホッッ ゲホッ さっきから……『 』だのなんだの……。(受け身を取っていたのか"死んだふり"を観念し、首をひねりながらクレーターから起き上がる。しかし彼もまら、ジョン同様の症状、反応だった)瑣末な問題……と処理するには惜しいが……。 ふむ、どうだいジョン。私は彼女を諦めるつもりはないが、お前は? 」
ジョン「聞くまでもない。そしてお前の心情を察してやれんこともない。互いに通すべき信条と立場がある。言葉を投げ捨て殺しに行くというのはそういうことだ(問答無用、そう言いたげに弾丸をベルトから引き抜き、拳そのものが銃であるかのように握りしめるが―――――)―――――いらん問答だったようだ、"本人"から出向くとはな。 」
ヴィヴィ?「 コツッ コツッ (瓦礫が積み上がった高台。ジョンの剥き出しの殺気が向かう方角。 黒のケープ、喪服が如く翻る黒のドレス、禍々しく捻じ曲がった杖。 巨人(ブロウンウッド)との戦いでデルフィナ、ハチキュウと共闘した少女の顔そのもの。ただし頭髪も肌色も、色素が抜け落ち白く、燻んだ碧眼というやつれた風貌の少女が佇んでいた)………。………… ―――――(鉛のように重く、冷たく横たわる空を仰ぎ見、再び高台の下に見える知った顔、見知らぬ顔、それらを等しく疲れ切った顔で見下ろす)………(その中で一瞬、疑問符を浮かべるようにしてデルフィナ、ハチキュウに一瞬一瞥をやった) 」
ハチキュウ「君は確か……ヴィ……ん、俺にだって分かるぞ、何かおかしい、何だァ?(ヴィヴィ?に向けて目を細めて) 」
デルフィナ「おっとォ……(こいつら…"特異点"の発音が出来ない……?認識の阻害が効いてる……?"関係者"のこいつらに……?)まあまあ、そうこう言ってるうちにもう一人来てくれたみたいですし……こんにちはぁヴィヴィさん、ちょっとやつれちゃいました?ご飯食べて寝てます? 」
ディミトリアス「……? ……――――― (朦朧とする意識の中で、ジョン、ハチキュウ、デルフィナの目線が一点に向かったことを察し、それを目で追う。 最初は脳震盪が起こす幻覚かと疑ったが、確かに存在するそれに戦慄した)"ドロシー"!! 何故ここに来たッ……オズワルドを連れて引け!!君の存在がここにあると知れたら奴らは即バスターコールを――――― 」
ジョン「そうはならん!!何故なら―――――(ディミトリアスの叫びに被せるように声を張り上げ、踏み出しのみで地響きが発生させ、これまでの比にならない速度でドロシーへ肉薄し拳を振り上げ――――)お前の首がそれを認めないからだ!!(彼女の頭の倍はある拳が、頭蓋を砕かんと肉薄する) 」
ヴィヴィ?「 クン (それに対し、彼女は一歩も動かず腕を前へ突き出し、地を指し示すように人差し指を曲げた。 その"命令"に従い) . , . … ┣¨ ギ ュ オ ゥ ッ . . , . … ("水晶で構成された螺旋状の槍"。形状こそ、そう表現されるものだが、スケールは槍ではなく一本の"塔"。 未知のエネルギーで構成されたそれが降り注ぎ、眼前に迫っていたジョンだったものをすり潰しながら地上ごと串刺しにした)………。どうもこうも……ご飯なら食べてるわ。ご覧の通り健康だもの 」
ジョ■「 ド ジュ ッ ビシャァ (デルフィナの前に腕、ハチキュウの前に足だったものが転がる。 それは先ほどまで交戦していた政府軍兵士を模したそれ同様、コールタールの塊のような黒々とした泥へ変質、或いは"戻り"、溶解した。) 」
デルフィナ「……『ドロシー』『ジョン・ワイズマン』『ディミトリアス』……あと何人か居たりするんです? それにバスターコールって、流石に―――(ジョンの拳がヴィヴィに向かい、反射的に曲刀を振り上げるが……)……それはそれは、何よりです。随分立派な魔術を使えるようになったんですね……圧倒的な質量の一撃、いやはやお見事です(眼前に落ちた腕を拾い上げ、崩れ行く"それ"を眺め)(……何かあるかとは思ってましたけど、流石にここまで規格外の出力とは…) 」
ハチキュウ「…………困ったな、全く状況が理解できんのにヤバい事だけは分かるぞ(転がった肉塊が泥へと変わり、溶けていくのを見て)……どう考えても普通じゃない……よな、前の嬢ちゃんとは雰囲気も違うし、こいつらの呼ぶ、この子を指す名前も『ドロシー』……これ以上混乱させてくれるな、隊長ならいつもの勘の良さで超速理解したりするのか? 」
ヴィヴィ?「…………。(空間を凝縮し生成した無彩色の階段を踏み、髪を翻して悠然と地上へ降り立つ。肉片と化したジョンだったもの、デルフィナ、そして"自らの腕"を順に見やり)――――確認したい。"今は西暦何年"かしら 」
ハチキュウ「せいれ……西暦!?あ、いや、そこは驚く事じゃないか……来る前にこっちじゃ西暦が使われてる事は言われてたしな……で……(デルフィナの方に目線を向け)……俺西暦知らないんだけど今いくつなんだ? 」
デルフィナ「えぇ……?いやまあ、普通に現在は『20--』年ですけれど……(特に捻りも無く、デルフィナが認識している"現在"の年月を応え) 」
ヴィヴィ?「……。にせん…………―――――(デルフィナの装備、ハチキュウの容姿、周囲一帯の順に素早く視界に収め)………。(重い溜息を飲み込んで、口程に物を語る目を瞼の裏に隠し、首を横に振った)"顛末"はわかった。術者の意図がまるでわからないけど……今は私がやるしかない、か(誰に向けてでもなく、自身に言い聞かせるとディミトリアスへ一瞥を寄越す)――――ディミー 」
ディミトリアス「? あ、ああ………(肉片になったジョンを前に唖然としていたが、すぐに我に帰り顔を上げる) 」
ヴィヴィ?「 ┣¨ ズッッ (ノーモーション、予備動作なく螺旋状にねじれた木の杖を逆手持ちにしディミトリアスの左胸部へ串刺しにする)これで"二つ"……残りは一つ。 二人ともちゃんと人間でしょ? 手伝って、恐らく"本体"はこのガワだけの人形のようにうまくは処理できない 」
ディ■トリアス「?…… あ…… (突き立てられた杖、それに対し痛覚がないという違和感、その正体を確認する間も無く思考が失われ) グヂ……… (全身が黒く染まり、ジョン同様コールタールのように溶けて床に広がった) 」
デルフィナ「…いやあ、随分立派になって……(ディミトリアスだったものを一瞬で刺し殺したヴィヴィに感嘆の声を上げ)人間だとは思いますよぉ、ほら見てください斬られたところこんなに血が(ジョンとの戦闘で裂けた腕の傷を見せつけ)お手伝いならば是非やらせて頂きましょう、この状況なんとかしないといけませんし 」
ハチキュウ「ああ、人間……と言っても説得力ないな俺?見た目的に?(そう二人に視線を向けて)一つ……数の目途は立ってるのか。ありがたいな。頼らせてもらうぞ、少し大人っぽくなった嬢ちゃん 」
ヴィヴィ?「………ん(両者へ一瞥をやりくいと首をひねって歩き出す)その口ぶり、私の後継と顔見知りのようですね。(掌の上に緑白色に輝く蝶のような物体を生成し、それをデルフィナ、ハチキュウの程度を問わない傷口に向かわせる。それらが触れた部位は、"時間の逆流"によって元の状態に復元された) そして、その子の存在を"覚えている"。そうですね? 」
デルフィナ「んー、まあ人間の範疇に入れて良いんじゃないでしょうか…… ……言ってみる物ですね、こんなに一瞬で……しかも時間遡行?そんなあっさりやっちゃいます?(綺麗に”戻った”腕をさも珍しそうに見回し) まあ、覚えてますよ。仕事柄人の顔ってちゃんと覚えないとですし 」
ヴィヴィ?「ということは”あなた達の時代の歪み”は修正されていないのね。(遠く、この区画のシンボルとして聳える風車を目指し歩を進める、その足取りは……)―――――――――忘れられる日が来るといいですね(断頭台へ向かう死刑囚のように重く、同時に迷いのないものだった) 」
**************** 」
―― ■■■■北部 廃校舎 ―― 」
――――床、壁、屋根……いずれも建物としての面影こそ残しているが崩れ、瓦礫がt未上がり、折れた木片が垂れ下がり、辛うじて雨風を凌ぐ役割を担う程度の建造物。学習用具、机や椅子から"小学校"であったものだと伺える 」
黒板には幼子の学び舎に記されるべきでない不気味なほどに几帳面に、内容が書き並べられていた。断面図、人体解剖図の写真まで添えられ……。その中でも特に目を引くのは"魔法陣"に関する記述だった 」
理科室だろうか。本来骨格標本が一つ並ぶべきそこには実際の骨と肉が瓶やビニール煮詰められ、溜池に貼られた小さな南極を漂っている。 暗がりの奥、人の気がなかった校舎の中で唯一、原型を保ち生きた少女が二人。ツギハギで形を残しているラジオに耳を傾け、各々の趣味と業務をこなしていた 」
『■月■03時現在の情報です。レゼリア国日下層部に出現した不明現象、以下黒いドームは現在も規模を拡大し居住区まで迫っているとのこと。』 」
『ドームへ取り込まれた市民を救出するべく親衛隊が部隊を結成し現場へ急行しましたが、"政府軍"及び"CP"がこれに対し待機を命令。武力制圧も辞さない構えであることを強調しており現場は一触即発と言わんばかりに緊張状態が続いています』 」
『ドームへ取り残された市民とは通信が遮断されており安否が危ぶまれ……』 」
■■■■「――――キャハハハハ!自分の国も思うように守ることもできないってワケ!世界政府加盟国、だっけ? "植民地"と何が違うってのかしら(手入れのされていないボサボサな赤髪、悪意を刻みつけたかのように鋭い紫色の眼、世俗の苦難を咀嚼するためにあるような八重歯、砂埃が染み付いた緑のジャケットにジーンズ。日常の外に身を置いた風防の少女は、並ぶ標本の内一つの口を"縫い付け"嘲笑う) 」
■■■■■「(深い水底のような青の髪、対象的に明るく、しかし光を失い乾いた金の瞳。着崩したサイズの合わないワイシャツに安全ピンで纏めたロングスカートという世俗より距離をおいた風防の少女。赤髪の少女とは対象的に眉一つ動かさず、ビーカーに浮かべた"眼球"を注視していた)……姉さん、確認できたよ。やっぱりバスカヴィルの犬二匹と例の"星追い人"が潜り込んでいるみたい。このままだと"ポイントマン"と接触する 」
■■■■「あーやっぱりこき使われちゃってるんだ。飼い主は政府かな?それともバスカヴィル?どっちにしろかわいそー……自覚あるのかな?ザコザコなお姉ちゃんを持つと妹達は苦労するよね。 」
■■■■■「どっちでもいいけどたぶん仲間も連れている。あの爺さんを複製したポイントマンじゃ勝てはしない、でも今消されると不味い。どうしよっか 」
■■■■「迎えに行くに決まってるじゃね―か、当たり前だよな。政府がヤケ起こすまではいいとして、そこにお姉ちゃんが巻き込まれたら問題外でしょ。ただ場合によってはバスカヴィルとの交戦になる……『せんせい』の部隊を借りるにしても時間がかかりすぎるし……ベファーナ、何人動かせる? 」
■■■■■「6人、新しい兵隊を"創る"には時間がない。現存の戦力で挑むには少し厄介な相手だと思うよ。 」
■■■■「アタシは問題ねえよ? 最悪現地調達すればいいからな、その場で使い捨てられるし無駄がない。ザコ人類も"エコ"ってほざいてるんだし、流儀は合わせねえとな? 」
■■■■■「了解、ならすぐに発てる。("姉さん"の返答を聞くや指を鳴らす。 それを合図に理科室に並ぶ人体標本、否、"人体"が脈動し……)行こう、姉さん (片腕を上げる。その動作一つで人の形を保った何か達は"銃"を手に立ち上がった) 」
■■■■「ええ行きましょっ、"姉様"を迎えに。そろそろ自分が何かを自覚してもらわねーとな? 」
―――レゼリア国下層部―――
政■軍兵■「(現在のそれより遥かに古い政府軍正規兵の隊服を着用した兵士、その形をした"泥の塊"が、隊列を成し行軍する。甞て守るべきだった者達を、今撃つべき者と認識し、過去の残影は銃口を向け弾丸を降り注がせる) 」
政府軍兵士「 くそったれ……!博物館の置物みてーな装備しやがって……! おいコード2!民間人避難進捗は……は!?まだ俺らの姿が二右岸で見える距離!!くそったれ!!急げ、もう保たねえぞ!!(怒号に次ぐ怒号、敵も味方も、全てをひっくるめ芳しくない状況を構成する状況下で"今を生きる兵士達"が過去の残影相手に応戦し続ける)くっそ……!弾薬が足りねえ……いったいどこからあんな数引っ張ってきやがった!! 」
ヴィヴィ「はいはい伏・せ・て・ください…… ねッ!!(避難する民間人の並をかきわけ、ポニーテールが風になびき尾を引きながら少女が政府軍の最前線に躍り出る。 よく訓練された完璧な投球フォームで小瓶を投擲し) 被弾確認、点火!! (それが割れ、政府軍の形をした泥達にかかるのを確認するやマッチに点火。それを上空へ放り投げ) 転!! (掌を合わせ詠唱する) 」
政■軍兵■「 フッ (液体にかかった瞬間全身が発光し、ヴィヴィの詠唱と同時に隊列の半数が"消滅") ヒュ オ ドシャァァァッッッ バッグォォォォンン(その後消滅した兵士達が遙か上空から、残りの兵士の上に降り注ぎ、装備していた爆薬が落下の衝撃で爆散。連続で誘爆し隊列を大きく崩す) 」
アンゴル「―――申し上げます!!レゼリア国に反抗者が現れましたァ!しばきます!アアアアアアアアッ!!!(しならせた鞭を片手に戦場へと繰り出し、蠢く泥達を叩き、叩き、時に縛り上げては地面に叩きつけてまた叩く!) 」
モア「はい…レゼリアに移住しましても一生懸命に…――――反抗する!!(泥達にタックルをしかける) 」
惑星レゼリアから連れてこられた奴隷共『ニョアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア(上空から降り注ぐ泥達の自爆に巻き込まれる)』 」
ヴィヴィ「ちまちま点でせめてどうにかなる状況じゃないでしょ!人員の半分以上、いや殆どを皆さんの避難誘導に動かして、少数で火力へ行きぶん投げて終わり!これが見本です見やがりましたか!(ヒステリック気味に政府軍正規兵へギャンギャン喚くも、突然現れた肌が緑の奴らに素っ頓狂な悲鳴を上げる) うひえゴブリン!?うわなんか味方っぽいのに身の危険を感じる……!存在がフラグみたいな……! 」
フェリシア「――――その通り。付け加えるならそこに精密照準調整且つ迅速な行動が合わされば言うことはありません(泥の兵士達が進軍してきた方向から日が昇る。否、陽光のような熱エネルギーが迫り) キュオ ン …… ド ォ ゥ ッッ (隊列に沿って熱戦が引かれた後、火のカーテンが泥の兵士達を包み灰燼に帰す。 揺らめく炎は瞬く間に消失し、ロボと見間違うような重厚な鎧を装備した金髪碧眼の麗人が姿を表した) ご無事で何よりです、ヴィヴィさん。 こちらは避難誘導、及び迎撃を一通り済ませました。デルフィナとの連絡が取れない点を除けば概ね状況はいい方向へ向かっていると言えるでしょう 」
ヴィヴィ「フェリシアさん!(見知った顔にホッと胸をなでおろし駆け寄る) そっか、じゃあ量子特異点の核を探すことに注力できるね。念のため領域外まで市民を逃がすまでは見守ろうとは思うけど、それでいい? 」
フェリシア「(ヴィヴィの提案に難色を示し眉をひそめる)それが本来最善ではあります……が、悠長にはしていられないようです。本部の無線を傍受したところ、残り7時間以内にこの現象を解決しなければレゼリア国下層部へ範囲を限定しバスターコールを発令するとのことです。後手に回れば確実にこの国を守れなくなる 」
ヴィヴィ「はあ!?超弩級の軍事攻撃じゃないですか!あれ政府がやるテロみたいなもんなんですけど!?(素っ頓狂な悲鳴を上げるも、フェリシアの様子から上段ではないと受け入れ顎に手を当てる)悠長にはしていられない、すぐに出発しないと……二手に分かれて量子特異点の核を私が壊しに……いやでもそれだと戦力に不安が…… 」
黒衣の戦士「 バ サ バ サ バ サ ァ … ッ … (硝煙が漂う焦げ臭い大地。その上を歩く影がただ一つ。その者は使い古されたローブに身を包み、その頭部と素顔をフードで覆っていた)…………妙な気を感じてきてみれば、些かきな臭い空気が匂う場所だな。(既にその身に握られた兵隊の胸倉をそっと離すと、その足元で弾けて土に返る泥人形には歯牙にもかけず、ただ周囲の光景を細目に眺め渡している) 」
フェリシア「避難誘導は政府軍兵士に任せましょう。あの量子特異点の怪物の並は一旦退けています。戦い方も粗方叩き込みましたので時間稼ぎにはなるでしょう。そもそもこの領域を消さない限りは状況は改善しません、すぐに動きましょう(ヴィヴィとすれ違い、先陣を切るように前へ踏み出すが―――――) 」
ヴィヴィ「ちょ、ちょっと待っ…… (フェリシアの後を追って駆け出そうとする最中、視界橋に黒衣の戦士の姿が入る。 咄嗟に足を止め、彼へ横目をやり一瞬警戒しながら杖を構えるが…)……生きた、ちゃんとした……人……?(泥の兵士をものともしていない、戦える、のかな……)あの……――――(そう声をかけようとした、その時だった) 」
――――――へぇ?このザコそんな大事なんだ。じゃあまだまだここに居残りしなきゃね
カ ッッ (宙空に閃光が弾ける。爆音、光量、経験者ならすぐに"スタングレネード"と察知できる。 懸念点は至近距離ではなく上空に打ち上げれており、目潰しとしては弱いことだったが……)
■■■■「 後ろごめんあそばせー♪ (光が一帯を包む最中、その場に発生した遮蔽物、正確には"政府軍兵士"や"避難中の一般人"に発生したスタングレネードの影から影へと移動し、その影へ"松明"を射し込んで行く) あっははは!ポカーンって!ポカーンって口開けてる!トロールの糞突っ込んでやれそうだったよベファーナ!! 」
■■■■■「――――姉さん、黙って(ベファーナ、そう呼びかけられた方向ではもう一人の少女がフェリシアの背後に佇み、彼女へ向かって手斧を振りかぶっていた) 」
フェリシア「 !? (いつの間に……!?クソ、敵襲か!それも明確に敵意のある人間……) ガンッッッ (小手で斧を受け止め、腕を横に振り払い軽々と■■■■■を払い除ける) 訓練された動きだ。だが何もかもが薄っぺらい、舐められたものだな!(相手は子供か……誰の差金かは知らんが眠ってもらう!!) 」
■■■■■「あなたの装甲が厚かろうが無意味です。もう切りましたから (バックステップを踏みつつ手斧をフェリシアの"影"へ向け投擲。 彼女のお有効射程距離から離れ) 姉さん。一人厄介そうなのは無力化した。 ただそこの……(黒衣の戦士を一瞥し、自身の影から斧を引きずり出しつつ身構える。明らかに警戒しているのか、微動だにせず注視しながら) できるね。おまけに情報が全くない……楽じゃないよ 」
黒衣の戦士「目晦ましとは味な真似を(弾け、広がる光を前に、顔面部に腕をかざす)………妙な気配が色濃く感じる…あの子娘どもか。(現れた謎の姉妹をフードの内側より見据える) 」
フェリシア「なに、を…… (迎撃しようと自身の衣紋を振りかぶろうとするが……) !!? (両腕の感覚がない、その事に今更気づき咄嗟に見やると両腕が"消失"していることに気付いた。 痛みも、出血もない。切断面は黒く塗りつぶされており……)何が……(ばかな、攻撃は防御も回避も間に合っていた……!異能か魔術の類……!?) 」
■■■■「ん、知ってる。"影に触れる隙がない"人間なんて初めて見たよ……あーあ(スタングレネードの効力が切れたのを確認し、ガックリと肩を落としつつ黒衣の戦士から一歩後ずさる)でも目的は果たしたからオッケーね。強襲<ゲリラ>は失敗したから、今度は捕獲<キャプチャー>に移行しましょう。 ね、"姉様"? これでもう…… 背は向けられないでしょ? (ヴィヴィへ横目をやり、視線を促すように兵士や民間人が集まっていた方向へ首をくいとひねる) 」
カンプ「……成程、バスターコールが発令されてるのに俺に出ろって話が来たのはこういう事か……捨て駒扱いでなくて助かったとはいえ…別の仕事を放ってでも、と言われただけあって……確かに、兵卒を並べても無駄に犠牲が増えるタイプの戦場だ(身長2mを優に超える、常人離れした巨躯の男が避難する政府軍兵士達とは逆に、フェリシア達の元へ歩いてくる)……子供二人か、気が進まんな(言葉とは裏腹に、大剣と見紛う程の巨大なボルトカッター状の武器を少女達に向け) 」
黒衣の戦士「――――(ベファーナが齎した謎の力に動揺するフェリシアに一瞥を与える)……珍妙な能力(ちから)だ。敵に未来を背付け苦悩させる、なかなかに厄介な宇宙人とも戦ったことはあるが…この星にも妙な奴らがいたものだ。 」
政府軍兵士&市民「 ァ"が ……あ……!?」「なんだ、なにが ギ ィ"…… あが……ッ!!」「あ" ァ" か ァァァ……!!熱"い"……"溶ける"……ッ!!!!」(全員には及ばなかったが、殆どの市民が地面という十字架に貼り付けになったかのような異様な体制で倒れており、"爪先"から焦げ、"消失"を初めていた。 身悶え一つ出来ず、聖人が焼かれるそれのように動けぬまま焼失の痛みに悲鳴を上げていた) 」
ヴィヴィ「……!!(姉様。その呼び名に眉を顰めるが示された状況を把握し、困惑や憤りよりも"状況に対処する"という考えが優先される) ! (政府軍の増援、デカい……それにあの佇まい。場数を踏んでいる……! それにあの黒人に対する反応……) そこの黒い人にマウンテンな兵士さん! その二人『影呪い』使いです!影に与えたダメージや行動制限をその影の持ち主に反映させる。代償は自身の寿命……。術者を無力化させれば呪いで受けたダメージはなかったことになる。そうだよね(姉妹へ睨みを効かせ『お見通しだ』と強調するように目力を強める) 」
■■■■「へー!アルカノスなんて通ってるのにこんな陰気臭いぶっ殺し専用呪術なんて知ってるんだ―!ひょっとしてぇ……結構ストレス貯まる人生送ってた?カワイソー……(八重歯を見せ笑う、憐れむように八字眉で項垂れる。表情豊かに振る舞い少女は兵士や市民を指差した)でもこんなのザコにしか通用しないってそこの黒いのが証明してるじゃん、だからもう使う余地はないよ安心して?こっからはお行儀よく姉様と遊んであげるからさー! 」
■■■■■「姉さん、時間がない。"姉様"の回収をして迅速に撤退するべき。(姉さんへ冷ややかに一瞥をやりつつ、"そうならない"と察しているのか"手斧"を構え黒衣の戦士、カンプへ明確な敵意、いや殺気を向ける) 」
黒衣の戦士「………「影」…?(ヴィヴィの解説に眉を顰めるような疑問的な声音を上げる)……そういうことか。そこな小娘よ、何故お前が奴らの能力(ちから)を知っているのかはこの際どうでもいい。だが…奴らはこの俺が屠る。戦いあるところに「サイヤ」あり、「サイヤ」あるところに戦いがあるからだ。 ブ ワ サ ァ ッ ! (フードを振り払い、その素顔を露わにする―――――) 」
■■■■「姉様が大人しくついてきてくれれば……ね。それに連れて帰ったらもう本当に私達の姉様になるんだから遊べないでしょ?立場上敵として。(舌なめずりをすると、"鉄の杭"が装填されたボウガンらしき銃器を手に取り、ヴィヴィを含む全員に睨みをきかせる)ベファーナ、対象は"生きていればいい"とするよ、他二人は可能な限り殺処分。(表情を消し、冷淡な"兵士"としての側面を垣間見せ耳打ち。すぐに戦場らしからぬ無邪気な笑みを見せ) そういうわけなの姉様!無理矢理でも連れて行くけどぉ、できる限り頑張って抵抗して? 」
黒衣の戦士「 そして――――― (そこにあるは、漆黒の髪をした強面の漢。その眼光の内に静かなる闘志を滾らせ、ただ眼前の相手を捉える。虎視眈々と獲物を狙う、虎狼のように―――)―――― この俺こそが、「サイヤ人」だ! (ハァ!と両拳に力を込めた途端、大地を一度震わせる大きな衝撃波のような気を放出し、戦闘態勢に入った) 」
カンプ「影、か……俺は的が大きくて不利だな……だが、有難う。お陰で対応策は考えられそうだ…(ヴィヴィに向き直り) 一応言っとくと…撤退したいなら、今すぐ尻をまくって逃げた方が賢い選択だ。でないと……(言い終える前に、巨体に見合わぬ身のこなしで一息に二人との距離を詰め……)ふ ん っ!!(巨大なボルトカッターを横薙ぎに振り、姉妹を二人纏めて斬り伏せに掛かる) 」
ヴィヴィ「!?(サイヤ人……!? えっ、あの変な錬金術師の息子ォ以外にも居たの!?ていうか雰囲気ぜんぜん違うし……!)えーっと……理屈はよくわからないけど、味方……なんですよね?(口橋を引きつらせつつ杖を身構え) 悪いけど私、事情とかそういうのは"殴ってから聞く"タイプだから。邪魔するなら痛い目見るのは覚悟してよね!(そう言いつつ真っ先にカンプへ"杖を振り身体能力強化"のエンチャントを掛け、それに追随するように駆け出す)後誰が姉様だ!お前らみたいな祖業の悪い妹は知らねーのです!! 」
■■■■■「 コピー<了解> (姉さんへそう返すと、自身はその場から動かず片腕を上げる。それを合図に……) 」
マレフィキウム「 ▲▲▲▲▲▲……(姉妹を囲うようにして甲冑に包まれた"人形に類似した何か"、そこに発生した6つの影から這い出る。 甲冑に包まれて入るが、明らかに縫い合わせた首が前後に一つずつ、腕が4つ、両足は巨大な鳥の足に付け替えられた醜悪極まる"死骸の継ぎ足し"であった。 それらは"ミニガン"を片腕に一つ、合計4つを携え、内井一体がカンプの攻撃を受け止め、もう一体が挟み撃ちにするように銃弾を乱射。 残る三体が機敏に立ち回り、黒衣の戦士へオールレンジ攻撃を仕掛けようとする) 」
■■■■■?ベファーナ「 影遊びは終いだ。殺してやる……殺してやる……(自身はロングレンジライフルを軽々と携え空中へふわりと、重力に反し浮遊。 冷淡な子供のように振る舞うも隠しきれない憎悪をむき出しにし、銃口を向ける)『外界の楽園・魔女の杖 西風<クリティアスヘイブン・ウィッチロッド・ゼフュロス>』……ベファーナ・モルガナ、出る 」
黒衣の戦士「 ゆくぞ…――――― ド ォ ゥ ッ ! (地を蹴り上げて肉薄する様は砲弾の如き速さと圧倒感。それをもって突撃していく) ヒ ュ ――― オ ゥ ―― ヒ ュ ン ッ ――― オ ン ッ !(四方八方より乱射される銃弾、その間隙を瞬く間に潜り抜けていくと――) ド ッ ド ド ド ッ ゴ ッ ギ ッ ――― ド ォ ッ ! ! (固く握り込まれた両拳を交互に突き出しながら進撃。空気抵抗を無視する速度から繰り出される打撃はその空気さえも砕かん勢いで次々と迫り、マレフィキウムを圧倒。その醜悪な肉体の表面をボコボコに凹ませていく) 」
■■■■?イユンクス「同じく『外界の楽園・魔女の杖・南風<クリティアスヘイブン・ウィッチロッド・ノータス>……イユンクス・モルガナ、出る(獲物を両手に地を蹴り、マレフィキウムの先陣を切り前へ。 カンプ、黒衣の戦士、ヴィヴィの"影"へ"燃える炎の釘"をボウガンから射出する) 」
VS【外界の楽園・魔女の杖】 イユンクス&ベファーナ
ベファーナ「流石戦闘民族。耳障りですが破壊力は凄まじい、脅威と認めましょう(ロングレンジライフルで黒衣の戦士へ援護射撃しつつ、片手に指揮棒のような杖を手に取り先端を光らせる。光に"騎士のキーホルダー"をかざし、そこから伸びる影を、破壊されたマレフィキウムの"影"へ向ける) 」
マレフィキウムA「 ボゴンッッッッ (騎士のキーホルダーから伸びる影が自らの影に重なった瞬間、黒衣の戦士に破壊された部位が膨張し”自己修復”するどころか、更に全身が肥大化しより屈強な肉体を得る。二本の腕で黒衣の戦士を掴もうと伸ばし、もう二本の腕で固定したところを粉砕せんとばかりにジャブの連打を放ってくる) 」
ヴィヴィ「 "ルーモス・リムクト"!!(杖からテニスボール大の光の玉を射出。それはヴィヴィ、黒衣の戦士、カンプの順に背後へ移動し"影"を消してイユンクスの影呪いから回避させる)コンフ……リンゴォ!!(接近してきたイユンクスへ向け杖を振り下ろし被弾すると爆発する赤い光弾を投げ飛ばす) 」
カンプ「召喚タイプの魔術か…!趣味の悪い見た目の様だが……!(ボルトカッターを受け止められたと見るや、即座に手を離して強烈な前蹴りを前方の一体に放ち、挟む様に現れたもう一体が放つミニガンの弾丸を背中に仕込んだ装甲板で受けながら振り向かずに目の動きだけで位置を確認。即座に拳銃―――としては規格外のサイズを誇るそれを懐から抜き、ミニガンを持つマレフィキウムに撃ち返す)ゴ ガ ァ ン! 」
碧「………観光に来たらこれか(近くを通っており、戦闘に気がつく) 」
黒衣の戦士「――――!(イユンクスより放たれた炎の釘を受け流すように避けるが、その漆黒の髪に掠り、抉られた数本の髪の毛が空中分解するように灰と消えた)……俺は女・子供だろうと容赦はしない。だが、貴様等から感じる気はそれとは違う。遠慮なくやらせてもらうぞ…―――― ブ ワ ァ ッ ! (身を翻すように前傾した態勢から一回転し、その最中にライフル弾を受け流すが…)……!(そこに両腕をマレフィキウムに掴まれ、曝け出された無防備の態勢にジャブが叩き込まれる。しかし…――――) 」
黒衣の戦士「―――― もう終わりか? むぅんッ! (そのジャブが終わったタイミングで顔を上げると自らを掴んでいたその腕を振り払い――それだけに留まらず敵の両腕を粉砕し――掌底を全身に炸裂させる) 傷を追う毎に回復し、強化する…まるでサイヤ人《俺たち》のようだが、それでは止められん。 跡形もなく木っ端みじんにしてやる (そう言うとマレフィキウムを強く蹴り飛ばし、上空へと打ち上げる) ド ォ ウ ッ ! (その後を追うように自らも高く跳躍する) 」
ベファーナ「(対戦車ライフル……いや、彼個人の専用装備か) ダイブ (短く詠唱すると地上に落ちる自身の影へ急降下) ソプンッッ(液体へ潜るかのように自身の影へ沈み、瞬く間にカンプが破壊したマレフィキウムの背後へ出現。対洗車ライフルでこじ開けられた穴にロングバレルライフルの銃身を通し) ゴガギィンッッ ゴガギィンッッ (すかさず至近距離からカンプへ向け二発打ち込む) 」
イユンクス「メタってくれるじゃん。姉様性格悪ぅ……めっちゃ陰湿じゃーん(ヴィヴィを脅威とみなしていないのか、爆裂呪文を空中で宙返りし回避、あっかんべーで返すが追撃はせず) へえ?私らの正体になんとなく気づくんだ、面白いじゃん(黒衣の戦士を追い急上昇、打ち上げられた) そぉ……れッッ!!(槍の如く鋭く伸縮するヒールを向け、マレフィキウムAゴト黒衣の戦士へ踏みつけをしようとする) 」
黒衣の戦士「 舐めるなよ小娘ッ! ( ド ォ ゥ ン ッ ―――― バ チ バ チ バ チ ィ ッ ! ! )(拳を振り抜いたアッパーカット、それがイユンクスのヒールと激突し――挟まれたマレフィキウムごと――上空に赤黒い稲妻が迸る) 」
凪沙「…………やるしかないか(碧の隣を歩いている) 」
カンプ「"影"の対応ありがとう、だが……!(振り返らずにヴィヴィに一声かけ、撃ち抜いたマレフィキウムを確認)…!奴本体も"影"を利用できる、か…!(連射の利かない銃が故、ベファーナへの反撃は早々に諦め……太い腕に仕込んだ装甲版で急所をカバー。強引にロングバレルライフルの弾丸を受け切る)……流石に、重いな… 」
イユンクス「(挟まれたマレフィキウムは赤黒い気の本流と内圧で内側からひき肉にされ……) うっそマジ……やっ――――――(事もあろうに強度に自信があったのであろうヒールが木の枝のように折られ、その衝撃で木の葉のように空中へふっとばされ無防備を晒す) か、はッッ…… 」
黒衣の戦士「 ガ シ ッ (吐血したイユンクスへ間髪入れずその華奢な足を掴むと――)――― 堕 ち ろ !(大地へ勢いよく投げ飛ばし、墜落させようとする) 」
ベファーナ「図体がでかい癖にきっちり身を固めるんですね……私達なんかそこらの子供のお小遣いで買える装備なのに……腹が立ちますね…… ドグン (自身の影から黒い矢印が伸びる。それが胸部を貫き口橋から赤が流れるが……)ダビング(短い詠唱と同時に、カンプが原を貫いたマレフィキウムが溶解し骨だけが残る。"代償"の"転移") まあ撃ち込み続ければ死にますよね、ほら……死.ね(ロングレンジライフルの銃口に魔法陣が展開。そこから機関銃さながらに、本来ありえない短い間隔で弾丸が続け様に放たれ)シネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネシネ(乾いた瞳に敵影を捉え、呪詛を呟き続ける) 」
イユンクス「 !! (回避も防御も間に合わない。激突すれば受け身を取っても軽減できるダメージ量じゃない、そう判断したのか)アベスター<転写>!(イユンクスから床へ落ちていた影が"独立行動"を取り、マレフィキウムの影へ移動) ド ッッゴオオオオオオオ………(直後、地面へ凄まじい速度で激突し余波だけで周囲の建造物を破壊する爆風が一帯へ広がる) 」
マレフィキウムD~E「(Aは黒衣の戦士に、B・Cはカンプによって破壊。残る三体の内凪沙・碧の背後から出現し、四本の腕に携えたミニガンで蜂の巣にしにかかる) 」
黒衣の戦士「―――― ス タ ン ッ … (静かに着地し、落下地点に漂う土煙のもとへ歩み寄り、その中を注視するが…) 」
マレフィキウムF「 ビシャァァァ ッッt ッ ビチ ッ (黒衣の戦士がイユンクスを地面へ投げ落とした瞬間だった。ほぼ同時にマレフィキウムFが"独りでに爆散"し鮮血が飛び散る) 」
イユンクス「―――― ザコザコ人類のくせにやるじゃ~~ん(土煙の中は愚か、その周囲ですらない。"黒衣の戦士の背後、4m先"で燃え盛る槍をロングレンジライフルに装填し、彼へ向かって照準を合わせていた) マレフィキウム使い切っちゃった、12体でもいてもいなくても関係ねーやって感じ?まあいっかァ!!(炎の槍を射出。その瞬間の映像をループされ、結果的に高火力兵器が機関銃のような感覚で黒衣の戦士へ放たれることとなる) 」
碧「……!(ミニガンによる攻撃に気付き、咄嗟に後ろを向いて固有霊装を構える)はぁっ!(グルグルと円を書くように回し銃弾を弾いていく) 」
カンプ「図体がデカいからこうして重い装備で身を固められるんだ、生憎お前たちと違って装備に金も掛けられる……よし、"耐えらえる"事は分かった……有難う、道を開けてくれて……!(マレフィキウムが溶解し、ベファーナへの直線状に邪魔する物が無くなった事を確認し、微かに笑みを浮かべ……)ふ ん っ!!(装甲を仕込んだ腕で頭部を守り、後は全身に仕込んだ装甲板、そして分厚い筋肉の鎧に身を任せ……地面が抉れる程の勢いで一気に踏み込み、弾丸を物ともせずに一瞬でベファーナへとタックル。身体の大きさと速度で、彼女の身体を文字通り轢き潰しに掛かる) 」
凪沙「碧!そのまま銃を防いで!(碧が銃弾を防いでいる隙に固有霊装を構え、マレフィキウムD?Eの腹部に一閃) 」
黒衣の戦士「(気配が一瞬だが消えた…奴は何処に…――――)―――――後ろか!?(ガガガッ、ドッ、ガッ、ガガッ!)(その気を感じて振り返った頃には眼前に無数の炎の槍が迫っており、咄嗟に腕を交差して防御態勢に入る。全身に突き刺さっていく槍による痛みは焼けるように痛感し、今も静かに耐え続けている) 」
ベファーナ「!?(魔素は感じない……持ち前の撃たれ強さか……!) ツ"ッ"ッ"……!!!!(タックルが正面から直撃。両足が地から浮き、しかしふっ飛ばされず文字通りカンプの巨体に轢き潰されるように、されるがまま押されていく) 」
イユンクス「キャッハハハハハ!!ロウソクが10、20、40、50……もう100は行ったかなぁ!?クソザコ人間!!もう何回バースデー迎えたんだよ、いい加減逝けよなァ!!(無邪気、ベファーナのような憎悪も悪意もなくただ純粋無垢に、玩具を壊す乱暴な子供のように笑い、ジャケットから"起爆スイッチ"を取り出す)ハッピーデスデイ……ってな >>カチッ<< (スイッチが押された瞬間、黒衣の戦士に刺さった槍の灯る火が肥大化し、一斉に爆ぜる) 」
カンプ「流石に、痛いな……吹っ飛びもしないのはショックだ、が…… (全ての弾丸を装甲版で止める事は出来なかったのか、身体の彼方此方から出血しているが……台詞以外はまるで意に介しても居ない様子で、横合いからベファーナの頭部に右手を伸ばし……そのまま大きな手で彼女の小さな頭を掴み、握り込もうとする) 捕 ま え た 」
マレフィキウムD~E「 ザ ン ッッ !! (凪沙の斬撃が胴体へクリーンヒット。揃って上半身が下半身と泣き分かれるが……) ガッッ (四本の腕の内二本を足代わりに着地。残る二本の腕に斧を碧、凪沙へ振りかぶる) 」
ヴィヴィ「 プロテゴォォォォ!!!!(咄嗟に碧、凪沙の両名へ杖から青白い光線を放つ。それが体に触れた瞬間"防御結界"が展開され、マレフィキウムの攻撃から守るばかりか、反射で弾き空きを作る)今だァー!! 」
チ ュ ド ガ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (無数の炎の槍が突き刺さる黒衣の戦士を注視に、激しい爆炎が噴火のように沸き起こり、辺り一面に衝撃と土煙、火花が散乱していく。核爆発のような激しい轟音が徐々に鎮まっていく――――) 」
黒衣の戦士「 ブ ワ ァ ッ ! (―――だが、その火柱の中に浮き彫りになるは黒い人影。それは太陽の表面にある黒点の如く、高熱を通さない肉体を維持したまま彼女の前に姿を現していく)―――― なるほど、小娘にしてはなかなかなもんだ。(炎の槍は確かに漢に刺さった。だが、よく見ると貫通したのはフードだけであり、その屈強な肉体には微塵も通っていなかったのだ) 」
黒衣の戦士「だが所詮はこの程度…この俺を「ただの人間」と見たことが誤算だったな小娘。俺は…――――― 「 サイヤ人 」だ!! ( ド ォ ウ ッ ! )(砂塵を巻き上げながら肉薄。イユンクスの懐へ一瞬で潜り込むな否やその首を掴み、周囲の岩石へ豪快に叩きつける) 」
ベファーナ「…………。(頭部を大きな手がすっぽり覆う形で掴まれ、糸の支配権を奪われた人形のようにぶら下がっていた。だが、カンプの手で両目が見えなくなってはいるもののその表情に陰りは見えず)……"捕まえた"(そっくりそのままセリフを返す。ノールックでジャケットのポケットからガラケーを取り出す。内カメラのライトをオンにし、自らにかざし……) 」
オ ン ッ (黒く濁ってこそ居るが半透明な、カンプの身の丈程はある巨大な "手" が、彼の背後から彼を握りつぶさんとばかりに迫っていた。そのイェの正体こそは…… )ニフ"ニフ"ニフ"ニフ"ニフ"ニフ"ニフ"……(ベファーナが地面に投影した、自身の手の影。それがカンプの影を鷲掴みにしている) 」
碧「……!(斧に対して身構えようとした瞬間ヴィヴィの結界に守られる)は、はい!(ヴィヴィの言葉に応え、リンゴ一切れのような形をした太刀筋でマレフィキウムに攻撃) 」
イユンクス「 えっ ゴキッッッッ (絶句。言葉を紡ぐ間もなく首を掴まれ、その時点で骨が"逝く"手応えが黒衣の戦士の手に伝わり……) ド グ ォ オ ン ッ !! (岩石へ叩きつけられ、それすらも貫通し遮蔽物を破壊しては更に遠くへ吹っ飛び) ドチャ ッ ガンッッ (地面に打ち捨てられ、バウンドし、横たえても尚転がる。 ようやく勢いが収まる頃には鮮血の赤が道を作り、その先では少女だったものが…… ) いっ ……たァァァ……("少女が"、原型を保ちぼやくように呻いていた) 」
マレフィキウムD~E「 ザ ン ッッ (見事な太刀筋が両腕、首を捕らえ極刑を成す。) ビグンッ カタ、カタカタカタ(ヒトの形を模した怪物ではあったが、致命傷も模倣しているのか、頭部を失うと一瞬だけ痙攣したような動作を見せ……) コトンッッ (地に倒れ伏し機能を停止した) 」
黒衣の戦士「…ゴキ、ゴキ……(イユンクスの首を掴んでいた手を何度も握り直しながら首を骨をゴキゴキ鳴らす)……丈夫だな、今ので"逝った"と思ったが…(依然戦闘態勢は崩さず、腰を低く構えてその様子を伺う) 」
イユンクス「"精霊種"って聞いたこと……ないか。ああ、"お母様"してたわねサイヤ人……戦闘民族、そういう知り合いのハナシ。通りで…… "私ほど効いていない" ワケ(ピッ と黒衣の戦士を指差す。屈強な肉体を持つ彼には深刻なダメージには感じられなかったが最初に首を掴まれるような感覚、そして全身を打ちつけられるような痛みが走る。 まさに今、イユンクスに与えたダメージのそれが)クスクス……クソ人間に殺されるなら道連れにしてやる。そういうアレなんだけど……まあテメエのおかげで助かったけどな? 」
カンプ「……そうか、デカい影が出来たな……(既に抵抗する手段が無い事を察し……)残念だ(回避も防御も間に合わない、故に"術者を沈黙させる"事を優先。つまり……)ぱ ん っ (ベファーナをの頭を右手で掴んだまま、空いたもう片方の手で、見た目通りの人間離れした膂力を持って……"拍手"する様に、彼女の小さな手、そして頭をプレスする) 」
凪沙「……やった…!?(固有霊装を構えながら)あ、ありがとうございますお姉さん!(ヴィヴィに) 」
ベファーナ「ッ!!……ッ……ッ…………(確かに人の頭を潰す手応えだった。鉛のように硬い頭蓋でもない、問題なく沈黙させられる筈だ。だが……)…………。(頭部から赤を流し、尋常ではない量の流血を伴っても尚少女の表情は変わらない。冷淡な仮面に煮えたぎる憎悪を潜ませたそれを変えず)我慢比べというわけですか……いいですよ。口から硫酸を流されたこともある、電気椅子で一ヶ月を過ごしたことも、電子レンジに詰められプレスされたこともある……人間、お前達は個体の死で逃げられる。幸せだな("影"で握る力を強める。だがカンプの攻撃が全く無意味ということもなく、痙攣する手では拘束力が明確に弱まっている) 」
黒衣の戦士「―――――!(首元に感じる違和感に眉間に皺を寄せた直後、全身に迸る叩きつけるような衝撃に驚愕する)……小賢しい真似をしてくれる。(イユンクスを睨みつける。だが、最初からローブに覆われていた口元だけは見えない。少女が齎す異質な力を前に閉口しているのか、あるいは…得体の知れない相手を前に高揚して口角を上げているのか、さえ―――) 」
黒衣の戦士「ならば僅かばかり"上げ"ようか――――(そう言うと右手を開く。そこに光の粒子が集い、瞬く間に手中に光弾を作り出す―――)―――― ハ ァ ! (自らの気を練り上げて気弾をボーリングの容量で下から掬い上げるようにイユンクスへ投げ飛ばす。気弾は緩やかな螺旋を描くように、凄まじい速度で彼女に襲い掛かる) 」
イユンクス「(理解した、気の概念……お母様の言ってたそれと照らしわせれば辻褄は通る。) トンッ (サイドステップ。魔術の絡めてではなく純粋な反応速度、身体能力で紙一重ながら回避し) "ゲノッド<奪え>" (自身は指で銃を作り黒い魔力弾を射出する。破壊力はない。だが被弾した者の生命力と同化し、その上で消滅することで相手の体力を奪う性質を持つ) ……(ベファーナは私なんかより比べ物にならないほど打たれ強いけど……どういうわけか分が悪いわね。チッ……) 」
ヴィヴィ「う"ぉ"!?おおおお、おねえさ……!?(思わぬ敬称(と思っている)に変な声が出るが慌てて咳払い)いえ、さっきのは敵の眷属です。本隊を倒さないと終わったことには……! 兵隊さん!!(拮抗状態にあるカンプ、ベファーナの方向へ駆け出す)ッ……!(拮抗、いや密着状態。下手に手を出せば……どうすれば……!) 」
黒衣の戦士「 フンッ ――― チ ュ ボ ォ ン ッ ! ! (更にもう一発放つことでイユンクスの魔力弾を相殺する) 余所見している暇があるか? (相方に一瞥するイユンクスの目と鼻に迫り、その腹部に水平蹴りを叩き込んで蹴り飛ばす) だだだだッ! ( ドドドドドドッ!! )(そして、蹴り飛ばしたイユンクスに無数の気弾を乱射する追い打ちをかけていく) 」
カンプ「がっ……ふっ……!!("影"の拘束に寄って、着実に身体が軋み始め……自慢の肉体も流石にダメージが露になって行くが、当然の様に彼女の身体を"潰す"手も止めず)根性やタフネスといった類じゃ無いな……どんな仕掛けかは知らんが……!!(叩き付ける、投げ飛ばす……否、寧ろこいつを自由にさせる時間を作る方が不味い……ならば…!)(軋みを上げる身体を、此方は気合で無理矢理に動かし……掴み、締め上げたままのベファーナに向けて、更に膝蹴りを放つ) 」
イユンクス「ヅッ……(水平蹴りを受けるも体軸をズラしダメージを軽減、ふっ飛ばされることなく地に足をつけ後退)妹の方が野郎の面よりよっぽど目に優しいからなァ……クソ陰気だけどさァ(指で手銃を作り向かってくる気弾へ狙いを素早く定め) ギュ オッッ (常人にはほぼ同時に見える魔力による赤い光線の連射。直線状に伸びるそれは半ば切断するようにして気弾を"貫通"し黒衣の戦士へ襲いかかる) 」
ベファーナ「 ガンッッッ ガンッッ ……(手応え、手応え。膝蹴りは喉笛を捉え、そして潰す。本来なら致命の打撃になり得る、だが……)おもイ だセ (その度、『何故』と問うような、何も知らない無垢な少女の目の色を見せては、憎悪に染まる。これを繰り返し) "思い出せ" "思い出せ" "思い出せ" "思い出せ" "思い出せ" "思い出せ" (その度に、カンプを拘束する力が"絞め殺す力"に変わっていく) 」
黒衣の戦士「――――!(前傾体勢から最初の赤い光線を受け流し、疾走。スライドするように左右に切り替えながら光線を回避しつつ接近していく) …「妹」か。貴様等のような種族にも血の繋がるがあるとはな。だが、俺には関係ない。(シュダダダッ、ドッ、ドゴゴッ!ゴッ、ドゥンッ!)(そのまま彼女へ目にも留まらぬ速さでの打撃を叩き込んでいく。分散する残像拳、時に脚部をしならせてのニーキックを叩き込みながら、容赦なくラッシュを打ち込んでいく) 」
ヴィヴィ「っ……!(敵ではあるが体格差のある大人に、外見子供である少女が痛めつけられるような山上に目を伏せかける。しかし、"死なない"。何度も何度もベファーナは死なない、その状況に違和感を覚えた)不死身?いや……そんなはずはない、痛みを感じるなら……それは命に危険があるという概念を身体が覚えている証拠……でも再生はしていない……(死なない?いや……)(『"精霊種"って聞いたこと……ないか。』)精。霊種……(『思い出せ』)……!! 兵隊さんダメ!!その子は"死んでいる!!"何度も!!その度に"次代"に生まれ変わって魂と記憶を引き継ぎながら強くなってる!!」
イユンクス「 は? ―――――(脳がバグったのか?そう錯覚した。その速度は戦闘民族との戦闘経験がない彼女にはあまりにも早く……) ガッ (そして速度は破壊力、一発一発が致命の一撃に近い。その度に彼女は『死ぬ』)(あれ?なん、で……わたし……) 『忘れるな』 (黒衣の戦士にも、否、純粋なサイヤ人なら見覚えがある。これは力無きもの、虐げられ、踏みにじられる寸前の弱者の顔だ。それを一瞬垣間見せるが、すぐに元の残虐な純真さが戻る声色で囁き、眼がギョロリと黒衣の戦士を捉え) 」
イユンクス「 思いした、よくも、よくも好き勝手ミンチにしてくれやがったな……だが覚えたぜ。もう忘れねえ(ラッシュの最中、先までサンドバックにされるだけだった彼女が八重歯を見せ微笑み) キュ オ ッッ(頬を抉られるほどに紙一重だが"反応した"。黒衣の戦士の攻撃速度に、別人のように対応し) 死 ね ェ!!(血管を魔力で青く光らせながら前蹴りを放ち無理やり黒衣の戦士との間合いを離し……) ソギュ オッッ!!(先よりも洗練された殺傷力の高い光線を指先から雨のように降り注がせる) 」
カンプ「ガッ……ブッ……!!("影"が絞め上げる力を更に上げた事で、限界が近付いる事を示す様に口から血を噴き出しながらも、ヴィヴィの声に振り返り) ……成程、子供相手は命を奪わずに済ませたいと最初は思っていたが……それが正解だったか……(既に此方側も幾つか骨が折れ始めている中…彼女の身体を潰しに掛かっている腕の力を緩め…先程と比べれば遥かに小さな力で、彼女の首…正確には器官と頸動脈を押え、"失神"による無力化を狙う)死なせない、か… 」
黒衣の戦士「むッ――――!(強い前蹴りに突き放され態勢を整え直すが…)……気が高まったか…?いや、これは…―――!(バク転を繰り返しながら雨の如く降り注ぐ光線を回避していく) グ ッ ―――― メ ギ ィ ッ ! (握力を強めた拳を大地に叩き込むと一直線上の大地が次々と隆起し、それは盾のように光線をやり過ごす) ム゛ ン゛ ッ ! (そして攻撃をやり過ごすと眼前の岩壁を殴り壊し、その残骸破片がイユンクスへ吹き飛んでいく) 」
ベファーナ「う"……ぁ”……・・・・・・ ・ ・ ・(自身の正体を見抜かれたばかりか、その最善手の一歩手前を的確に決められる。落ちる、意識が落ちる。そう確信するも持ちこたえようと精神が"無駄な"抵抗をする)…………なん、で……お ま ン か が………(寸前、"ヴィヴィ"を見た。純粋な殺意、憎悪とは似て非なる……それよりも強い感情。"愛憎"、それと"恐怖"。言葉以上に物を語る眼で、確かにヴィヴィ一点を捉えた) 」
ヴィヴィ「……………――――――――――――――。―――――――― 」
その眼には覚えがあった
私はいつもその眼をしていた
なぜいつも私が なぜいつも私だけが なぜいつまでも私達だけが 宛のない問いかけを繰り返し、無言の闇に絶望しながら膝をつく
私の知らない私が、いつもその眼で遠ざけたい明日に追いつかれる度、溜池を覗き込んでいた
あの私は――――――― この子達は――――――
――――わたしたちだ――――
―――― 『楽園の追放者』 ――――
ヴィヴィ「ア”ァ”ァ” あ" あ” ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”―――――!!!!!(嗚咽。悲鳴とも怒号とも取れるそれを内蔵ごと吐き散らかすように叫びながら、杖を振りかぶってカンプへ向かって駆け出し) ド ゴォッッッッ (杖に重力付加魔術をかけベファーナを、カンプの手事ごと殴りふっ飛ばしていた) 」
ベファーナ「 ――――。 (致命傷……を避け、次代に継がれることなく後頭部に打撃をくらい、カンプの手から離れイユンクスの方向へ殴り飛ばされていく) 」
碧「強くてニューゲームを繰り返してるってこと…!?(固有霊装を構え、急所を避けて攻撃を仕掛ける) 」
イユンクス「ら”ァ"!!(先の彼女より増して純真、かつ凶暴な好戦的な笑みとともに叫びを上げ、黒衣の戦士が放った瓦礫を殴り落とす)……!(同時に、吹っ飛んできたベファーナを確認し急降下。保護を優先し、黒衣の戦士から大きく間合いを離す)………(表情が消えた。イユンクスと重なってみる冷淡な眼差しをヴィヴィへ向け、彼女の様子を凝視する) 」
カンプ「(ベファーナが意識を失う様を見て、"賭け"に勝った事、そして全身の痛みも手伝い……完全に油断した所でヴィヴィに手毎ベファーナを殴り付けられ、結果体制を崩す勢いで手を弾かれ、勢い良く吹っ飛んでいくベファーナを一瞥し)……おい、何しやがるんだ嬢ちゃん………痛ってぇ…… 」
ヴィヴィ「は……ハ………ハ……… (やってしまった。政府軍の作戦を明確に妨害してしまった。なんで、こんな、敵のために……ばかばかしい……こと)……はは、はははは(肩で荒い呼吸を繰り返し、表情が見えないよう頭を垂れてたが、乾いた笑いが溢れ) 」
黒衣の戦士「………(イユンクス、そして彼女が救護に入ったベファーナの二人を見据える) 」
ヴィヴィ「はははっはははは!一発かましてやった! オラ!的が一つに纏まってやりやすくなった!!精霊だろうがなんだろうが細胞編残さず燃やせばみんな消えるって相場が決まってるんですよバーーカ!!今から焼き尽くしてやる!!覚悟しろ**(確認後掲載)!!あは、あはははは!!(誰がどう見てもやぶれかぶれだった。誰がどう見ても、自身を欺くために、泣かないために笑っていた。虚勢を張り、イユンクス達を指差して笑っていた) うるせえですね!!悪戯に敵強化してた兵隊さんが何言ってるんですか!!メガ粒子砲でももってきてくださいよ、かめはめ波でもぶちかましてみなさいよ!!はは、ははははははははは!!!! 」
イユンクス「 あーーーーーーーーーーー………あ (ほくそ笑んだ。してやったり、目的を果たした。とでも言うかのように少女はほくそ笑んだ。それは悪意によるものではない、何か、愛しい者を見守るかのような慈愛を含んだ、悪戯な笑みを浮かべ目を細める) "思い出しちゃったんだ"? 自分が何者なのか。お母様のこと、あなたにとってのお姉ちゃんのこと……ううん。思い出すわけ無いか……でも、自覚はできちゃった、そうだよね? 」
ヴィヴィ「は、はは……は……………。…………………。――――――――(見透かされている。自分が誰よりもわかってしまった。否、自覚しても実感が無いため遠ざけていた事をより強く再認識してしまった。それを、自分以外に肯定する者が目の前に居てしまった)……ち、がう……。私の一生はこれっきり、最初で最後…… 違う、あなた達なんか、知らない……!!(それは否定というよりは困難だった。涙さえ流せないほどに、感情をむしり取り、あるべきでない場所に飢えるような痛みの伴う真実より、何も感じない無知の安らぎを肯定することを懇願するような……) 」
イユンクス「この量子特異点の核。その名前は『フォルクマール』……ううん、本当の名前はないの。お母様には『スケアクロウ』と呼ばれた、人殺ししか脳がなかった剣士の名前。『トト』の餌当番で、シュークリームが好き。『ブロンウッド』の剣の師匠。『レイオネル』とは技を高め合う中だった("覚え"のある単語を並べ立てる。そうして彼女の心を抉るその様を、愛情たっぷりに楽しむように) この先でお母様を待っているわ。それはお姉様でもいいの…… それじゃあね、『まだお姉様なあなた』。 今度会う時は、私達のこといっぱい甘やかしてね(今ある彼女を否定するように、さけずむ笑みを見せ、ベファーナを抱きかかえたまま飛び去る 」
カンプ「(拳銃に弾丸を込め直し、二人のやり取りを遠目に見ながら)……そいつは悪かった、確かに……ああいうのは生きてる限り動くものだと思っていたからな。死なせずに済むなら俺としても有難かったんだが……結果は良くない方向に行ってしまったな… とりあえず、犠牲者が出てしまったが政府軍が撤退する時間は稼げた……俺としてはまあ、無理に追わなくても良いが……訳アリの様だなあ、お嬢ちゃん 」
黒衣の戦士「…逃がしたか、まあいい。(飛び去る姉妹を他所目に、ふとヴィヴィの方へ一瞥を与える。彼女に対し思うところがあるのかどうかは分からないが、ただ静観するように目を細めている) 」
ヴィヴィ「…………(沈黙。或いは言葉が見つからない、自身を納得させるための言葉が。故に膝をついて空を仰ぎ見ていた。カンプ、黒衣の戦士に背を向けていた彼女がどんな表情をしていたのか定かではなかったが、そう時間を要さず立ち上がり、踵を返した時には) 」
ヴィヴィ「――――さあ?ワケっていうか……知ってます?政府軍異能対策課。私、そこに雇われたこの現象を解決するプロフェッショナルなんですけど!(自身の胸に手を当て、あっけらかんとした、寧ろこれまでになく晴れやかな笑みを称え得意げにそう語った)ああでも戦うのは専門外でして……ああそうだ!よかったら兵隊さんもそこの黒いあなたも手伝ってくださいよ!この先につええやつがいるんだ!ワクワクすっぞ!? 」
――――――――我々は己の存在を自ら証明できない。誕生の瞬間を記憶せず、自らの意志で誕生できず、自らを記?し続ける術を持たない。 我々が誰か出なかったという証明も、これから誰かになるという約束もできない。 過去は影であり、現在は刹那にさえ存在せず、未来は確定しないからだ。
故に、我々は―――――――
―――レゼリア国下層部 北東区画―――
政府軍兵士A「――――HQ、HQ!こちらスワロウ小隊から本部へ……!民間人を戦線より避難誘導完了!正体不明の黒霧範囲外へ輸送させたい、至急輸送部隊を…… 」
政府軍兵士B「(建物の残骸を遮蔽物に、身を守りながら通信を試みる兵士の方からより建物の原型が残っている場所へ移動。そこに待機している他兵士達へ向け首を横に振る)ダメだ……電波は生きているが本部からの応答がない。減給覚悟で管轄外の部隊にも繋ごうとしたが…… 」
政府軍兵士C「(慣れた手付きで弾倉に再装填し、アサルトライフルを杖代わりに立ち上がる。肩に負った傷を意に止めていないが、この状況に顔色を悪くしたようだった)どういうことだ。電波が生きていればどこかしらの部隊が通信を拾うだろう。やはり噂は本当だったのか? 」
政府軍兵士B「(兵士Cの返答に狼狽えつつも拳を手に当て思考を巡らす。しかし慌ててその考えをもみ消すように手を左右に振って声を荒らげた)馬鹿言え!レゼリア国だぞ!民間人も残っているのにバスターコールだなんてある訳…… 」
政府軍兵士C「ガッ(兵士Bの口を鷲掴みにし、物音を立てないようその場で押さえつけ指を立てる)声に出すな……ッ 一般には知られていない作戦コードだが……万が一だ、万が一この意味が民間人に知られてみろ、収集が付かないどころじゃない 」
政府軍兵士B「(兵士Cの肩を繰り返し叩き拘束を解かせる。頭に手を当てがっくりと肩を落とした)クソッ! どうする、いっそのこと俺等だけで避難誘導に徹するか? 第二波が来たら状況はより悪化する、むしろ今が好機なんじゃないか 」
政府軍兵士C「そうだな……。無線を取っているカルロに伝えろ、5分後にこれからの行動指針を民間人へ伝達、すぐに出発――――――(そう言い踵を返そうとしたその刹那だった) 」
ヒュ…… ボ ゴ ォ ン (遠方から風切り音を立て"何かが"、兵士達が駐屯している建物残骸から近い見張り台に激突。土煙を広げ塔が真っ二つに折れ、レンガがスピンを効かせ四散する)
政府軍兵士C「―――――!! 伏せてろカルロ!!(素早く政府軍兵士Aの側へ移動、彼の頭を押さえつけつつヘッドスライディングし飛来してくるレンガをやり過ごす)チッ……奴らもう来やがったのか……! 」
―――――物体が飛来してきた方向を注視する。その先にはレゼリア国下層部を包む黒い霧とは異なる、質量があるかのように濃く、輪郭を帯びて渦巻く霧が立ち込めていた。中には何か、不定形に歪む影が確かに存在していた
ガカ ラン ガカ ラン (下駄の音。石造りの床を削るように、引きずるように、下駄を履いた何かが霧の中で蠢く。先までの政府軍フォ模した泥とは異なる存在が接近していることが伺えた)
政府軍兵士C「 カチャ (兵士Bにアイコンタクトを送りアサルトライフルを手に取る。霧の中に微かに見える存在をスコープに収めるが)……?………?(引き金に指を添えられない。否、"指がない"事に気がついた。 ) 」
政府軍兵士C「 ? / ? (続けざまに視界が半分に"ズレ"る。それを認識する頃には) ボド ン (兵士は縦に両断され、半身が石塊の中に沈んでいた) 」
政府軍兵士B「 ボ ド ン (自身も腕の感覚がないことに気付く。ふと、横目をやると先まで政府軍兵士Cだったものが横たえており、声にならない悲鳴を上げていた。絶命こそ免れたものの、"それ"の間合いに入っていることを本能的に悟り腰が砕けてしまう) 」
ガカ ラン ガカ ラン (下駄の音が一層大きくなる。 霧の中から姿を表したのは)
スケアクロウ「――――――― リーン… 暦シ費シ包シ費ス茨シ リーン… 費シ包ス茨ス暦シ斐∴?呻ス茨ス励 リーン… ○?斐▲?費ス茨ス暦シ斐∈?難シ包ス費ス呻ス奇ス暦シ輔§繧?ス費 リーン… シ厄シ輔≧?暦ス費シ厄ス奇ス茨シ (破けた三度笠、役目を果たしていない丈の長い血染めの和装、皮膚は全て腐食し、代わりにコールタールと焼けただれた包帯が外皮を担う身体、半分は既に白骨化し、半分は強制ギプスのような仮面で覆った頭部の人形を模した何か。 それが打刀を肩に引っ提げ、鈴付きの杖で絶えず床を突き、経めいた呪詛を吐き散らかし、足を引きずって行進する) 」
政府軍兵士A「たッ……隊長ォ!!(崩れた兵士の残骸を前に這いつくばる。この三名の中で最も現場慣れした兵士の、当然の死を前に絶望が身を覆い、動けなくなった) 」
スケアクロウ「豁サ縺ッ謨第ク医〒縺ゅk縲ょァォ蜷帙r蛛ス繧翫?∝ァォ蜷帙r豸郁イサ縺励?∝キア縺ョ逕溷多繧呈オェ雋サ縺吶k縺ィ縺?≧鄂ェ迥カ繧定サス縺上☆繧九b縺ョ縲よ腐縺ォ蜿励¢繧峨l繧医?∵腐縺ォ蟾ョ縺怜?縺輔l繧医?√◎縺ョ鄂ェ繧偵?√%縺ョ鄂ー繧偵?ゅ〒縺ゅl縺ー縺薙◎險ア縺昴≧縲√◎縺ョ鄂ェ繧 (抜刀、斜めに振り払った刃を兵士Aの首筋に当て、位置を確かめ、再び振り下ろそうとした) 」
ヴィヴィ?「 キュ オ ッ (先の見張り台。何かが激突した場所から一筋の閃光がスケアクロウへ降り注ぎ、それが一人の少女の形を成す。それは手にした瓶の蓋を親指で開け、中から漏れ出た液体を"両刃剣"の形へ固定させ――――) 『聖水剣』!! (浮遊状態で回転し、輪を描く斬撃をスケアクロウの頸動脈目掛け振り払う) 」
スケアクロウ「 カンッッ ッ 邇句・ウ繧貞弍縺上□縺代?縺薙→縺ッ縺ゅk縲ゅ□縺梧ご縺励>縺ェ縲∫視螂ウ縺ョ蜑」縺檎ァ√r謇薙▲縺滉コ九?縺ェ縺 (鈴付きの杖で斬撃を受け流す。逆手持ちにした打刀を振り上げる→振り上げた刃を返し、袈裟斬りを下ろす→回避を前提とし、上体を捻って回転し横薙ぎを振り払う) 」
ヴィヴィ?「チィ……相!変わ!らず!小言臭いッ……!(切り上げに対し斜めに振り下ろす回転斬りで刃を叩きのめす→回転を効かせての横薙ぎで袈裟斬りを弾く→相手の横薙ぎをきりもみ回転で体を捻りながらやり過ごし) ド ゴ ォッ (魔力強化<エンチャント>を効かせたドロップキックを鳩尾に叩き込み、スケアクロウを遠くへ吹っ飛ばす)できるだけ離れて!!こいつの斬撃はいちいち見境がないから!! 」
政府軍兵士B「ッッヅ……!(眼の前で繰り広げられる剣戟に息を呑みつつも、ようやく正気を取り戻しよろめきながらも立ち上がる)き、君は一体……いやそれよりッ!一般人を置いて引き下がるわけには…―――― 」
ヴィヴィ?「うるせーですよ!!!!(口を真四角に開きギャグチックな三白眼で吐き捨てる)私はぶちのめす魔術においてプロですが、人を護るのは専門外です!役割分担しましょう役割分担! 戦えない人はあなたも含めてどこか安全なとこへ!!非事は任せなさい!! 」
一般人『う、うわあぁぁぁああ!!に、逃げろ…逃げろォーッ…!! 早く向こうへ!いそげぇ!! わ、わぁぁあ…っ…!!(喧騒の中、避難誘導に従い住民らが慌てて逃げ惑う)』 」
スケアクロウ「 ガ リ ザザ ザ ザ …… (打刀を地面に突き刺し勢いを減速させつつ後退。 刃を振り払い、切っ先をヴィヴィ?へ向け、刀を水平に構える)邇句・ウ繧貞弍縺乗?縺玖??h繝サ讌ス縺ォ縺ッ豁サ縺ェ縺帙s縺樞?ヲ窶ヲ (水平に構えた刃が"揺らめく"。二重、三重にブレて見えるそれを、床へ向けゆるやかに下ろすと……) ザ グ ン ッ (斬撃が三閃、 地を削って駆け抜けヴィヴィ?の背後にある建造物を瞬く間に両断。その余波は避難する民間人の付近にまで届いた) 」
一般人『ヒッ、ヒィィィイイイイイイイイイ―――――(鋭い余波が迫ろうとした、次の瞬間――――)』 」
デルフィナ「(紫色の焔と共に面々の前へと降り立つや否や、非難する民間人達と政府軍兵士、彼らとスケアクロウの間に手を翳し……瞬く間に分厚い"壁"を形成し、スケアクロウの攻撃を遮りに掛かる)―――土煙に、一般的なコンクリート構造物……これも、余り衆目には晒したく無かった手品なんですが…まあ、仕方ない。サービスです…皆さん命拾いしましたね、今日の幸運を?み締めてください 」
×××「――――――――― ス … (斬撃を逃れた高い建造物の屋上。そこに、避難に乗り遅れた人物が立っている。否、その落ち着いた様子からはじめから避難するつもりなど毛頭もないのだろうが。そんな人物は片腕を水平に突き出して華奢な指先を揺らめかせる。その人差し指の先には、一般人に迫る凶刃――――) 」
―――― パ キ ィ ィ ィ イ イ イ イ ン ッ ! ! (獰猛な獣の如き勢いで迫るスケアクロウの放つ斬撃を、見えざる障壁が遮り、民間人を庇う。その衝撃で透明色の壁が、その多角形の輪郭を浮き彫りにした)
スケアクロウ「………。(斬撃の内一つがデルフィナの防壁に、内一つが謎の人物の張った結界に打ち消され、刀の峰を方の上で弾ませ両者を静観)……… キンッ (逆手持ちにした鈴付きの杖を背に忍ばせ、打刀の切っ先を正面に向ける独自の構えを取り、相手の出方を伺う) 」
×××「 あの子もこの子も星の子も、みんな仲良く踊り舞え―――― (民間人を庇ったその人物がその様子を見届けると、静かに言の葉を紡ぎ出す。それは呪文のように。) 」
ヴィヴィ?「(下三連……!しまった、失念してた……)やッ……(自身に向けられた斬撃を聖水剣の横薙ぎで難なく弾くが、側を駆け抜けた二閃に意表を突かれ思わず振り返る)……。助かりました、援護感謝します(落ち着き払って軽く頭を下げ礼を伝え)ドッッ(冷や汗を大量に長真ながらスケアクロウを注視する)どなかたは存じませんが注意してください……。精霊国において一、二を争う使い手ですから 」
キ ラ ン ッ ―――――――― ヒ ュ ド ド ド ド ド ド ォ オ ァ ッ ! ! ! (天空に煌めく一番星。その光が一瞬の内に弾けたと思えば――――それは無数の星々を呼び寄せるトリガーとなりて、天蓋より星型の大きな魔力弾となってスケアクロウ、奴諸共その周辺の大地へと一斉に降り注いだ)
××× →
ベール「―――― “ 瞬 き 落 る 星 《 フ ォ ー ル ア ウ ト 》 ” ―――― (そして、その身に包まれた"ベール"が明かされる。屋上に現れたのはヴィヴィ?とは異を成す魔法使いの少女。翡翠色の髪と瞳を持つその者は、魔女のように冷ややかに、艶めかしく、妖しく口の端を上げていたが――――) 」
ベール「ぎゃーーーーーははははは!!!ざまあねえぜ!!!正義のヒーローただいま参上ってな!!腐れ外道の眉間の上から高笑いキメてやるぜ!!!きゃぁ~~~~ははははは!!!だがしかし!しかしだが!!あたしゃ高所恐怖症なんだよい!!!あーーーはっはっはははは!!こえええええーーーよおおおーーーー!!!!タチケテーーーーーーーーーーー!(喋り出した途端にすべてを台無しにするこの始末。屋上で独り涙目でぷるぷる震えている) 」
スケアクロウ「 クン…… ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ヴ ン (刃を返し、今度は全身の像が二重、三重にブレる。 そして構えたままの彼の像とは別に、様々な斬撃を振るうスケアクロウの残像が無数に重なり……) キ ィ ン ッッ (無数の斬撃による結界が発生、降り注ぐ星々を尽く斬り伏せ、周囲の地面が抉れ、消し飛ぶ中唯一残った狭い平地の上に平然と佇むばかりか……) カカカカカンッッ(ベールの足場である建物が輪切りにされ、緩やかに崩れ始める) 」
ヴィヴィ?「星属性魔術……?それもかなり高位の……"先の時代に"これだけの神秘を司る魔女がいただなんて……ってあ"あ"!!シマラナイ!!いい感じにシマラナイ系の魔女だくそうシンパシー感じるッ!!足場崩れますよ―!!(高所で泣き笑いするベールに声を荒げ)……で、"こっち"は……(デルフィナに横目をやり、眉間に皺を寄せつつも聖水剣を構え直す)(帝国由来の気配がする……。でも先の時代の人物、のはず……ならどうしてここに……) 」
デルフィナ「(斬撃を受けた壁を軽く一瞥し、威力を確認)……やっぱり防いで正解ですねえ、幾つものスプラッタ人形が出来る所でした……ああいえお構いなく、私もお仕事でここに居る身なので気を使わないでくだされば……(包帯を巻いた手でヴィヴィにひらひらと手を振りながら返し) 向こうは本当に知らない人ですね……大丈夫ですかー?避難が必要なら直ぐにでも……っとぉ!(スケアクロウの動きに素早く反応し、一気に距離を取り……軽口を向けたベールの足元が派手に斬られたのが目に入り)あー……明らかに"一般人"じゃないので大丈夫でしょうが、ちょっと心配ですね流石に 」
ベール「う、うわああああああああああああああああやめろおおおおおおおおおおおおおおおおお!やめろバカヤローーーーーーーーーーーー!テメェあたしがそういうこと(高所恐怖症)だって知っててやってんだろ!!!こっちは直接斬られた方がまだマシなのよ!!わかったらとっとと助けやがれ!助けやがってください!お願いします!何でもしますから!(何でもするとは言っていない)うわあああああああああああああああああああ!(輪切りにされた瓦礫と共に落下し、その体は砂塵に覆われてしまう) 」
蓮花「どえらいことになりましたね…((辺りを見渡しながら現れる) 」
ヴィヴィ?「落ちたのはお前のせいです、あーあ( 自 己 責 任 )まあ、まああれぐらいの魔術師なら受け身なりなんなりするでしょ……(それとなく回復作用のある雨をベールの落下地点に巻きながら) ええ、いや本当に助かりました。"アレ"の攻撃で関係ない人にまで被害がこれ以上及んだら……まあ、別に感じないんですけど、何も……(デルフィナに再度頭を下げ、スケアクロウに向き直る) (で、あれは手の形からしてブレイザー……?危ない、けど下手に声をかけたらあれに感知される……)生身が混ざってるってことは……本物の死体と混ざったんでしょ。ジジイになったなら潔く死になさい、みっともない 」
スケアクロウ「 ギ ギ ギ ギ ッ (ヴィヴィの言葉の何かがトリガーになったのか、全身が大きく痙攣し骨の軋む音が広域にまで響き渡る)……。 キンッ (それが収まると、足元の濃い霧を刀に纏わせ……) フ オ ン (デルフィナ、ベール、蓮花、ヴィヴィ、それぞれを狙い撃つように枝分かれして伸びる斬撃を、横薙ぎ一閃で広域に飛ばした) 」
VS【量子異合種04】亡刀の案山子 / スケアクロウ
ベール「――――っぷは…!チ、チヌカトオモッタ……(プルプル…)(瓦礫の隙間から顔を出す)……?……??あれ???帽子!?帽子どこぉ!?(慌てて辺りをきょろきょろ見渡す)……っちゃー……(額に手を当てて数秒後、帽子を断念したように溜息をついて瓦礫の山から飛び降りる)…まーあとでゆっくり探しますか。とりあえずそこの腐れゾンビ!一矢報いてやるからそこを動くn――――!?(スケアクロウの太刀筋を見抜き、上半身を反って間一髪斬撃から逃れる) 」
ベール「――――っはぁ!!「動くな」って言いかけただろうがッ!!聞けよ!最後まで!!(ぐぬぬ顔で睨みつける)…あったまきた…成り行きでちょっかいかけたつもりだったけど、コテンパンにしたげるわ。 パ シ ン ッ (魔法の箒「箒星」をどこからともなく手繰り寄せては片手で器用にくるくる回しながら歩み寄っていく) 」
蓮花「はぁっ!(斬撃を固有霊装で斬撃を受け止める)…思ったより強い敵が来ましたね… 」
デルフィナ「まあ、とにかく今私達は共同戦線を敷いてるって事で……仲良くしましょう、お互いに(ヴィヴィへと笑顔で返した後、曲刀を抜き、魔力を変質させた紫の焔を纏わせ……)相手はも相手で、少々面倒そうですし――fayr...ter...fol(微かにしか聞き取れないであろう、一般的な発音とはかけ離れた呪文と共に、曲刀を振り上げ…斬撃を弾くと共に、スケアクロウ目掛けて放射状に紫の焔が放たれる) 」
スケアクロウ「 ク ン (下段の構えを取り正面から歩み寄るベール、デルフィナの一連の動作を注視。間合いの外にある間は地蔵のように動かなかったが) カ"ァ” ア" イ"ッッ (彼女の足、紫の炎が交差領域に踏み入った瞬間、"斬撃の柱"とも言えような、霧のように煤けた軌跡を縦一文字に二閃、地から宙空へ刻みつける。炎を両断、ベールの行く手を阻みつつ飛翔)カ ァ" ァ"ーーーーーッッッ!!!!!(刃を突き立てるようにしてデルフィナ目掛け急降下→着地した瞬間、絶えず回転する三日月のような斬撃をベール、蓮花へ飛ばす) 」
ヴィヴィ?「ええ、未来永劫敵仲良くありたいと思ってます……よッ!(左手の小枝を振るい詠唱。デルフィナ、ベール、蓮花を覆うように外部からの干渉を遮り、内側からの攻撃や動きを阻害しないヘキサゴン状の魔導防壁で覆い守りを固める) そこッ!動くな!!(自身を囲むように十字形に輝く魔導弾を3つ生成、それをスケアクロウへ飛ばす) 」
ベール「 ッ…! (迸る斬撃の衝撃に耐えまいと額部に腕を掲げ、腕の隙間から敵を注視する) “永く閉す星《 シャットアウト 》”ッ!! ( パ キ ィ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! ! )(スケアクロウに向けて掌をかざすと、幾重にも展開された見えざる多角形型障壁が両者の間に顕現。苛烈な回転斬りをその何重にも重ねた障壁で受け止めにかかった)―――舐めんなッ!(障壁を破裂させて斬撃を相殺。崩れ落ちるガラス破片のような残骸を潜り抜けていく) 」
ベール「へぇ!こりゃあいいね…♪(ヴィヴィに施された防御魔法に口笛を鳴らしつつ、スケアクロウに狙いを定めると―――)――― ダ ァ ン ッ ! (放ったのは魔力弾ではなく、なんと銃弾。咄嗟に懐から引き抜いた拳銃を至近距離から撃ち放ったのだ)…魔法使いがチャカなんかぶっぱさねーだろと思ったら大間違いだよ!あたしゃこー見えてインドアでデジタルな現代人だよい! 」
スケアクロウ「 パ ァ ンッ (結界の破裂と同時に燃え盛る"鉛玉"がベールの耳を僅かに掠める。鈴付きの杖をかなぐり捨て"火縄銃"を、刀を持つ腕を交差させるようにして彼女へ向けていた。初撃こそ照準を合わせていなかったが) ドズッッ ダッッダッッ ダンッッ!!(今度は狙い撃ち。自身はベールの放った弾丸を受けよろめくが、奇しくも同系統の獲物による打ち合い。サイドステップを踏みつつ三発連続で鉛玉を放ち) シッッ ギィ ェ? ア"ッッ!!!!(獅子舞のように荒々しく刀を振り回しつつ回転し、ヴィヴィ魔導弾を難なく弾き落とす) 」
デルフィナ「(斬撃、にしても少し芸細が過ぎる…恐らくこれも魔術の類か……それとも古い技術と言う奴か)っとお!大人しく燃えてくれるとは思いませんでしたが……!(身を屈めて前方へと駆け、落下してくるスケアクロウの身体を避けつつ、すれ違う様に曲刀で斬り付け) 有難うございます便利な防御壁まで用意してくれて!ハニカム……じゃないですねこれ…まあいいや あ、あれ……?見た目の割にパワフルと言うか何でも使うタイプなんですねえ!?(普通に銃を向けたベールに思わず目を丸くしながら) 」
ハチキュウ「っし、追いついた(軌道線を引くジャンプでその場に現れると、辺りを見渡し)状況は……アレが敵でいいんだな(周りに確認を取りながら盾を構え、背部スラスターを一気に解放、現れた時と同じように蒼い線を描きながら突っ込む) 」
スケアクロウ「 ビスッッッ (ヴィヴィ?に向かって袈裟斬りを下ろそうとするが、デルフィナの放った鋭い返しの斬撃が遅れて影響を与え腕から黒々とした、それでいて泥のような鮮血が吹き出し後ずさる) フゥゥゥゥ……ッ!!(憎々しげに面々を血走った眼球で見渡すと、打刀を背に忍ばせた鞘へ納) フ ォ …… ガ コ ン ン (霧から"十文字槍"を生成、それを軽々と一回転させると、柄頭を地に突き立てる。右手に長槍、左手に火縄銃。間合いを制することに特化した武装を構えると) 」
スケアクロウ「 ヴ ン ッ (向かってくるハチキュウへ縦一文字に槍を肩腕で振り下ろす。あまりにも遠く、掠めすらしなかったが……) ド ゥ ゥ ン ("分厚い斬撃の壁"とでも言えようなそれが降り注ぎ、飛来するハチキュウへ襲いかかる) 」
蓮花「……(固有霊装がサイレンの光の如く回転する)行きます!(スケアクロウに対して回転切りを繰り出す) 」
ヴィヴィ?「(やっぱり……彼の全盛期の状態を再現している……!)サイボーグさん!奴の正面はデッドゾーンと考えて!装甲に自信がなければだけど!!(聖水剣を水平に構え、蓮花とタイミングを合わせ駆け出す。魔力ドで脚力を補強し、あえて彼女より前に出……)っしゃァ!!(回転斬りしつつ急接近、あえて敵の間合いで正面からの撃ち合いに出る) 」
ベール「チィ…!コイツめぇー…ッ!(燃ゆる鉛玉を掠めた翡翠色の髪が数本焼け落ちながらも、それを意に介さず射撃に躍り出る)……ん?あたし、器用なもんでね!まあ見てろって。(デルフィナに白い歯を浮かべると咄嗟に両手を地面につける)…右も左も巻き呑む空腹の嵐、軈て竜巻となりて更地に帰れ――――“惹き寄る星《 テイクアウト 》” ( ギュオオオォォオオ…ッ…!! )(地面に展開した魔法陣から、自身が構築する異空間に格納した多種多様な重火器が伸び出す様に次々と顕現される) 」
ベール「さぁ~て…―――― チ ャ キ リ ッ (手始めに、最初に手を伸ばしたショットガンを構えると―――)―――こいつはどうよ!?( ダ ア ァ ン ッ ! ! ! )(火縄銃を遥かに凌駕する散弾銃を撃ち放つ) ポ イ ッ … タ ン ッ !(手にした獲物を乱雑に投げ捨てると今度は足で器用に蹴り上げたアサルトライフルをキャッチ) ズダダダダダッ!!! (乱射。そして…) ガ ッ ――― ボ ォ ン ッ ! ! ! (開いた片手で掴んだグレネードランチャーをすかさずぶち込み、間髪入れず重火器で攻め落としていく) 」
スケアクロウ「 !! ン ラ" ァ" ア" ァ"ッ!!!!(ヴィヴィに間合いの内側に入られ十文字槍による反撃が通らなくなる。咄嗟に火縄銃を回転させ銃身を握り) ガンッッ !!!!(それを鈍器のようにして振るいヴィヴィ?を弾き返す。だがその一瞬の隙に蓮花の固有霊装が脇腹を抉る)ン"グァ"……!! ドンッッ!! ドドドドドドドドッッッッ(そしてベールの展開する重火器の一撃が頭部を捉え大きく仰け反る。十文字槍をプロペラのように回転させ続けざまに襲いかかる弾幕に対応するが、咄嗟のそれであるため完璧な防御とならず徐々に身体が抉られ始める) 」
雛乃「……蓮花先輩、援護します!(突如現れ、スケアクロウに回し蹴りを喰らわせる) 」
デルフィナ「追い付いてきましたか、流石の機動力って所でしょうか……味方で良かったって所ですね…!(ハチキュウを一瞥するなり、スケアクロウに向かって構え直し) ……(出血の仕方がおかしい、私の魔力も込みでああいう風にはならない筈……)……っと、格好良い武器ですね…(戦法を変えて来たか、ちょっと面倒になって来たな……機動力では多分勝てない、仕方ない…撃ち合うか) 嫌いじゃないですよお、その魔力で銃火器ぶん回すスタイル…対抗する訳じゃありませんが、私はあくまで魔力で対抗しようかと(自らとスケアクロウを結ぶ直線上、その中空に幾つも"紫色の雲"を生成。そこから炎を纏った棘をスケアクロウに放つ) 」
ベール「おー、効いとる効いとるー!SAMURAIが現代銃に勝てるわけねーだろ!(と、大胆不敵に腕を組んで意気揚々とした体勢から右足を踏み鳴らすと、魔方陣から戦車の半身が顔を出し、銃砲がスケアクロウに狙いを定めると―――)――― ってぇぇぇぇーーーーーーッ!!!( ズ ド オ ォ ン ッ ! ! ! ! )(轟音と共に砲弾が発射される) これが令和のNAGASHINO WARS(※「長篠の戦い」のことだと思われる)だ!ざまーみろ!えんがちょ! 」
スケアクロウ「 ドグオッッ (一瞬の隙を見て反撃に出ようとするが回し蹴りが命中。よろめき、弾丸の雨に晒され更に後退。そしてーーーーー)ーーーー!!(前方にはベールの放ったグレネードランチャーとトドメの砲撃、デルフィナの放った紫色の炎。現代科学、魔術の織りなす業火の合わせ技が目前に迫り) ド グ ォ ッッ (スケアクロウの立っていた足場とその一帯が独自の色彩で盛大に爆ぜる) 」
ヴィヴィ?「うっひぇ……数と火力の暴力……!!惚れ惚れするほど効率的……!(弾かれた際に痺れた腕をさすりつつ、眩く爆ぜる炎に視界を上でで覆う)…………。(おかしい、何か忘れて……) 」
ゴ ゥ ゥ ン ン …… (大太鼓のそれが遠方から届くような轟音。視界を覆うような瞬きと雷鳴が轟く。 先まで黒一色だった空に、灰色の濃淡が混ざり、雷雲が覆い尽くしていた)
スケアクロウ「 カ ッッ (雷閃。大木のように聳える雷を背に、爆炎から焼け焦げた状態で飛翔し、両腕に十文字槍を振りかぶる)■■シ …… 雷■シ……・・ ・ ・ 」
ヴィヴィ?「 ゾッッ (悪寒が走る。曖昧かつ霞みかかった記憶に埋もれていた情景。彼女の知るスケアクロウの "絶技" ……違和感の正体は、彼が一度もそれを使用していないことだった)まずい…… みんな!!私の側に!!(杖を水平に構え両手を添え声を荒げる。金切り声にも似たそれには、明確な恐怖が混ざっていた) 」
ベール「―――――ッ…?!(お茶らけていた表情が一変。張り詰める緊張感に眉間が微動し、目を鋭く細める)……来るな…なんか、ヤバそうなのが――――!(その時、ヴィヴィの叫び声に振り返り今はその声に従うまま彼女の傍へと駆け寄っていく) 」
蓮花「………雛乃!(回し蹴りを仕掛けた雛乃を引っ張りヴィヴィ?の方に逃げる) 」
ハチキュウ「あーなんだって!!(盾で攻撃を凌ぎながら、頭部横のバルカンを放って攻撃を試みているが)……!! こ、の、感覚!!(瞬時に推力を利用しバックステップ、長距離を一気に飛んでヴィヴィ?の傍に入る)あれを凌げる策があるんだな!!信じるぞ!! 」
デルフィナ「何か言ってますが、多分うわ言じゃないですよねー……(軽口を叩きながらも、スケアクロウからは目を逸らさずにヴィヴィの言に従い、彼女の背後へと駆ける) 」
ヴィヴィ?「 ピキッッ (全身を駆け巡る魔力。それにより頬に亀裂が走る。だがそれを意に介さず魔力を杖に凝集し続け、その場の"生ける人間"が術の範囲内に入ったと革新すると) 月よ、我らが星を護り給えェ"ェ"ェ"ーーーーーッッッ!!!!!! (詠唱、喉が焼ききれんばかりに声を上げ) キ ィ イ ン (無数のヘキサゴン状の推奨が織りなす巨大なドーム状の魔力結界を展開。それが自信を含む仲間全員を包み……) 」
スケアクロウ「 【 絶剣:雷返し 】 (初めて人の声を発した。それを合図に落雷が手に携えた十文字槍へ落ちる。雷は全身を伝い焼け焦げる筈が、超自然が織りなす天然のエネルギーを刃の先端に留め……) フ ッッ (それを三日月の軌跡を描いて振るい、解き放った) 」
ギ ャ ゴ ォ ッッッ (スケアクロウから放たれる斬撃と天然の雷の合せ技。絶剣と称すそれに恥じない威力を誇り、魔力結界を尽く刳り、その周辺を破片へ、破片から灰へ、灰から無へと消し飛ばしてゆく)
…・・・ ・ ……。
ヴィヴィ?「・・・・・・・。・・・・・・・(結界が倒壊。ガラス片が崩れ落ちる最中、水平に構えた杖……の残骸を握り両腕を前へ突き出したまま仁王立ちし続ける。 体表には亀裂が無数に走り、眼球は打ち捨てられたドールのガラス玉のようにひび割れ、硬めに至っては砕けていた) ハッ……"生前"じゃこんなん、受ける機会すらありませんでしたが……ハッ 青二才が……立派に成長しやがりまして…… 」
スケアクロウ「 ヒュ オ ド ゴ ォッッ!! (遠方から響く風切り音。遅れて地を砕き、両断し、肩に十文字槍を引っ提げヴィヴィ?の間合いに直接落下する。)フシュ ー …… フシュ ー …… (先の集中砲火が尾を引いているのか、全身に無数の風穴を作り、外皮を保護していた包帯は殆が落ち、辛うじて人形を留めているような有様。だが……) ジョ… オウ、ジョ 王。女…… 王女…… 何故だ、何故我らを見捨てだなんだ……ッ!!(残った眼球がギョロリと動き、明確な敵意のみを燃料に駆動、ヴィヴィ?の背後に集まった面々を見回し、再び十文字槍を振りかぶる) 」
ヴィヴィ?「ト……(掌を眼前のスケアクロウに当てる。それに握られていたのは、聖水剣を生成するための小瓶。それを胸に押し当て) 抉れ (ゼロ距離で、無数の剣を生成しスケアクロウの体内から直接串刺しにする) やれ……やれ……! 殺れェェェーーーーッッ!!(ノイズ混じり、壊れた蓄音機のような声で、背後の面々へ音割れせんばかりに声を張り上げる) 」
デルフィナ「……確かに、貴方の指示に従ったのは正解でしたね……そこら中丸裸にしてしまうレベルの、桁外れの威力の雷撃……そしてそれ完全に防いでしまう貴方の防御術…何か種がありますよね、個人的に是非話を伺いたい所なんですが……(曲刀を地面へと突き立て、降り立ったスケアクロウに向かって振り返り)……王女、ですか。忠心深かったんでしょうが……(地面に突き立てた曲刀スケアクロウの足元へと、魔力の"線"が一瞬で地を這う様に伸び)今や反転アンチって所でしょうか、諸行無常とはこの事ですよね(先程より明確に出力を増した、魔力の焔が一気に噴き上がり……紫色の火柱となって、スケアクロウの身体を燃やしに掛かる) 」
ベール「(―――おいおい…お姉さん、無理してない…?)……(なんて言葉は今においてナンセンスだった。自分とはかけ離れた、何か大きな責務や覚悟のようなものをヴィヴィのその横顔から感じ取ったのだ。ならば自分にできることは―――)―――― ト ン (その肩にそっと手を添えて、もう片方の手で魔力を練り上げる) 」
ベール「――――借りるよ、あんたの魔力《 ケツイ 》 (ヴィヴィ?から得た僅かな魔力と自身のものと結合し、練り上げた魔力が更なる強い光を帯びていくと―――)―――― “ 刺し貫く星《 ホースアウト 》” ッ ! ! ( シ ュ ッ ド オ ォ ン ッ ! ! ! )(その魔力を込めた掌をスケアクロウへと突きつけることで光の槍として解き放たれ――大気さえも抜けて――突貫する) 」
スケアクロウ「■■■■■■!!■■■■■ー■―――――――!!(言葉にすらならない嗚咽。憎悪一色に染まったそれを吐瀉し、焼かれようと、貫かれようと、かろうじて残る腕で、ヴィヴィ?を切り捨てようとするが……) 」
ザグンッッ (剣の形をした青い液体。"聖水剣"が、"背後"からスケアクロウの左胸部を串刺しにし……内側から黒く濡れた"心臓"をえぐり出していた) 」
ヴィヴィ「 バシャッ (水溜を靴底が弾く音が沈黙を破る。散乱する瓦礫の一部に手を当て体重を預け、息を切らしながら戦地だった場所へ合流し……) ハッ ハッ ハッ ……(切っ先に心臓を引っ提げた聖水剣を、スケアクロウの身体から引き抜く。引導を渡した張本人ではあるが、その顔色が優れず、むしろ瞬く間に蒼白に染まってゆく) 」
スケアクロウ「 プ ツ ガクンッッ(心臓を抉り出され、糸が切れた人形同然に機能停止。両膝を突き、外皮を覆っていたコールタールが溶解して砂に帰る。 その最中一瞬だけ…・・・)…… シュ ……ーム………… ああ、終わりの景色が…… み…… (老いさらばえた、老人の顔の断片が一瞬だけ姿を見せ、それも溶解し……黒い池のみが残った) 」
ヴィヴィ「 フォルクマール……さ、ん……? (崩れ行く老人の残骸、その一部に"シュークリームをご馳走してくれたおじいさん"の面影を見た。泥へと帰るそれを視認し、糸が切れたかのように片膝を突く。)ッ……!(駆け寄り、黒い泥の池に、フォルクマールだったそれに手を沈め、それ以外に何もない事を確かめた)……。(黒く滴るそれをすくい上げ、見知った顔、そうでない顔が並ぶ面々を見渡した。その中に……自分の似姿そのものである少女の姿があり目から光が失われる) 」
『 ブ―――――― コチ ――― ――― ――― こちら本部!スワロウ小隊、聞こえるか!こちら本部! レゼリア国を覆っていた黒い霧が消失したことを確認した! バスターコールに向かっていたと"思われる"艦隊も次々と帰投している……!やったぞ、やったんだ!!おい、聞こえるか!!』(先の兵士が遺した無線からけたたましいノイズと、感極まって声を荒げる兵士の声が聞こえる。 その内容になぞる様に、空を覆っていた黒一色の霧が晴れ……)
ポツ ザァァァァァァァ……(生憎の正午の曇天。 霧雨が足音を立て、先の喧騒を洗い流すように降り注ぐ)
ハチキュウ「…………ふう。これで前と同じく仕留めた、ということでいいのか?(号令に応じて放った攻撃。その余韻が銃口と盾のミサイルランチャーから漏れ出る。その機械そのものが残心を帯びたように) 」
デルフィナ「(崩壊していくスケアクロウを見ながら、軽く溜め息を吐いてヴィヴィ(?)の肩を叩き) いやあ良かった、お陰様で余計に犠牲者を出さずに済みました……身体の方は大丈夫です?ぶっちゃけあんまり心配はしてないんですけど……っと(遠くに見えた、もうひとりのヴィヴィが目に入り)……んー……こんにちは、ヴィヴィさん。えぇっと……挨拶は「こんにちは」でいいです?(2人のヴィヴィを交互に見ながら) 」
ベール「……溶けた、か… なんだったんだろうな、あれ……っと…!そうだ、ちょっとあんた、大丈b――――?(ヴィヴィに声を掛けようと振り返ったその時、そこに瓜二つの姿をしたもう一人の彼女が視界に入り二度見、三度見してしまう)……………おい。おい!!!!!!やめろって、そういうの!あたしゃドッペルゲンガー恐怖症なんだよい!! 」
ヴィヴィ「デルフィナ、さん……?それにハチキューさんに……ええっと……("初対面"であるベールや蓮花達を前に言い淀むが、先の怪物の討伐に一役買ってくれたのは明らかである為深く頭を下げ……)うひぇ!?ドッペルゲンガー!?あ、会うと消えるっていうあれ、どーりで……(素っ頓狂な悲鳴を上げ慌ててヴィヴィ?から後ずさろうとするが、そもそも既に何も置きていないことを悟ると、より一層恐怖が増し) 」
ハチキュウ「……あー………やっぱり別人だった感じ?この一瞬で急成長したってのはないと思ってた、いやちょっとあると思ってた……(二人のヴィヴィを見て、煩く稼働音を鳴らしながら首を傾げ)……で、君は俺の知ってるあの子? 」
ヴィヴィ?「ヒタ…………。(逆に、その黒泥を踏み潰すようにヴィヴィと正面から向かい合い……)…………。(哀れなものを見るような、それでいて、鏡に映る"自身"の醜さに当惑するような、冷たい眼差しを送る)…………。(デルフィナ、ベールの声掛けに一瞥はやるが、別人のように熱を失った瞳は再びヴィヴィの方へ向き) 」
ヴィヴィ「………コクコク(ハチキュウに対し、何度もヴィヴィ?を二度見してから繰り返し頭を縦に振る) ……なの…… 誰なの、この人……(その場に集った面々、特に顔見知りであるデルフィナ、ハチキュウへ縋るような眼差しを送り)……誰なの、あなた……!("その答えを知っている"。だがそうでないことを祈るような、弱々しく怯えた眼差しで目の前に佇む、鏡合わせのような存在に問いかける) 」
デルフィナ「……ああ、まあ……"こちら"のヴィヴィさんは何となく違和感があったんですよね~……実は双子だったとかなんです?いや違うか、反応からして知らなそうですし(微かに魔力を帯びた手で、先程ともに戦闘していた"ヴィヴィ(?)"の肩をもう一度軽く叩き)(困ったな……色々知ってる奴があんまり何人も居ると、ちょっと仕事が増える…)誰なの、と言われましても……私からすればヴィヴィさんが何故か二人居る、みたいにしか感じられなくって……ああ!だからと言って仲良くするつもりが無いとかではないんですけどね! 」
ヴィヴィ?「(全てを知っている。少なくとも、眼の前の弱々しい少女の全てを見透かしている。故にこそ"憐憫"しているような眼差しを送り、口を閉ざしていたが)…………。 ドロシー 」
ヴィヴィ?→ドロシー「……(既に君は知っているだろう。そう言いたげにヴィヴィを見下していたが、その考えを訂正するように首を横に振る。) 忘れて。 世界が 私を あなたを いつか 忘れてくれますように (切実に願う。それを臨んでこそいないが、そうなればいいと願うように目を伏せる。それに合わせるように、全身に亀裂が迸り) 」
カシ ャ ン (そこには、砕けた瀬戸物しかなかったかのようにガラス片が散乱した。ドロシーを名乗る少女の姿は影も癩もなく、"一人"になったヴィヴィが、その場に残されていた) 」
ヴィヴィ「………。(伸ばした腕が空を切る。握っては放し、握っては放し。何もない、"自分の姿をした何かが跡形もなく砕ける様"に、未来の自分を見ているかのようで)―――――。 は ハ アハ ハ ハ ……ハハハ ハ ハ ……ッッ(蹲って、精一杯の狂人を演じ、すすり泣きと、嗚咽混じりの虚しい笑いを捻り出す) 」
…… ド ドッ ドッッ ド ッッ (沈黙。少女のすすり泣きだけが木霊する沈黙を遮るように"エンジン音"が遠方から木霊する。 それは徐々に、徐々に大きくなり)
バ グ ォォォーンン ・・・ ・ (マンホールの蓋もかくやと言わんばかりの巨大な車輪を誇る"ジープ"が、瓦礫の積み上がる戦場の跡地に乗り上げた)
ウィルバー「 ギャ ギャ ギャッッ (瓦礫の山に乗り上げたジープのドアから顔を出し、窓枠に腕を乗せぐるりと一帯を見渡す)―――――"CP(サイファーポール)"の姿はない。乗り遅れ半分、間に合った半分。そんなところか…… (ふと、その場に居合わせた面々と目が合い) 丁度いいタイミングには違いないようだ。 」
ハチキュウ「嬢ちゃん?嬢ちゃん……?(その様子に、どうすればいいのか分からず、取り敢えず声掛けだけを試みる)……ドロシー……?あれが、さっきから妙に聞く……ああ、おい!嬢ちゃんが……俺が下手なことするよりアンタらの方が……(思考を巡らせながら、”自らの尊敬する人”がやる事とはまず違うことをする自分の無様さを噛み締めるように。走って来たジープに、話しかけながら歩き寄る) 」
ベール「………あー……その、なんだ…… まあ、元気出せよ。食べる?シュネッケン。泣く気も失せるクソマズグミ。(自分なりのヴィヴィへの気遣いなんだろうが、不器用なせいかどことなくぎこちなく苦笑している)おお、なんか来たぞ。死んだ魚のような目をした奴が。(ウィルバーと目が合う) 」
ディラン「 ヒュー♪ そいつはアンラッキーだ、どう考えても"巻き込まれた"ってことだろ?不幸中の幸いってのは不幸が大前提になるんだぜ、兄弟(助手席から口笛を吹いて身を乗り出し、ウィルバーを押しのけ奥から男が姿を表す。 肩まで伸びるブロンドの長髪、黒い革の
ロングコート、髑髏の首飾り、緋色に光を反射するサングラス。どこか時代錯誤な出で立ちのその男は、その場に集った面々をぐるりと見渡すと八重歯を見せて笑う) 乗るか?ブラザー。 損はないと思うぜ、足早にこんな湿気ったところから離れられるし、あー……その嬢ちゃんも尋常じゃない様子だしな。隊長さんに連絡するなら電話貸してやってもいいぜ 」
ディラン「っておいおいおい!上玉がいるじゃねーか!裸を見せろ、そいつの裸を見たいぜ俺!(ゲラゲラと笑いながらベールを指差しガンガンとウィルバーの頭を殴る) 」
ヴィヴィ「…………。(蹲ったまま、声掛けに言葉では何も返せずにいたが……) ヒョイ (ちゃっかりハチキュウの背に張り付く) モッキュモッキュ グエ(当然のようにクソマズグミを口に含み苦い顔をする) 」
デルフィナ「ええ、まあ、何かしらアクションを起こすべきなの位は間違い無いんですが……どうしたものかちょっと考え込んでしまいまして……"ドロシー"さんもまた、少なくとも犠牲者を出さない為戦ってくださった訳ですし……(ヴィヴィの後ろへと立ち)……多分、迎えが来てくれたみたいです。そうですよね?(ウィルバーへと声を掛け)……事情はまあ、多少推測は出来ますが……私達にはわかりません。ですが……彼女にも、貴方にも助けてもらった身です。何かして上げられる事がありますか? 」
ウィルバー「………。その装備、ロクレストかその辺りの人間か……加えて、お前は……(ベール、ハチキュウと順番に視界に入れ、最後にデルフィナを一瞥する) 何も言わず来てくれ。利害の一致、身柄の保証…… そして"組織ではなくあんた個人"に利益のある話の用意がある。ここで油を打っても、"CP"が後始末に駆けつけ連戦となるだろう。(そう言うや、ろくに説明もせず後部座席のドアを開け、"乗れ"言わんばかりに首をひねった) 」
ベール「 なんだァ?てめェ…… (―――――魔女、キレた!!!!) 」
ディラン「まあ、迎えではあるがなんつーか……今風で言う"ティンと来たって奴だ"。勧誘だよ、その嬢ちゃんは俺らのことなんざ微塵も知らねえだろうからな(ケラケラと笑い)おおそうだ、まずは (助手席から飛び降り、デルフィナの前へ正面から立つ。) 初めまして、だ。俺は礼儀正しいからな("何か"を挑発するように"握手"を求める) 怒んな怒んな!せっかくのべっぴんが老けるの早くなるぜ(悪かったと身振り手振りで伝え)そう暴れないでくれ、あんた目立っちゃ困る立場の人間なんじゃね―か?キレーな魔女さんよ 」
ベール「……!……テメー、脅しのつもりかァ?そのタマキン引きちぎって去勢送りにしてやろーかアーーーーーン??????(更にドス黒いオーラ全開) 」
ハチキュウ「ロ……?えっと何か勘違いしてないか、俺は……言っちゃ駄目か……あーどうすんだよこんな面倒くさい状況で……早く本部に連絡しないと……(頭を抱えながら、ジープに歩み寄り)……もしかしてなんか都合よく手配してくれるタイプ? 」
ウィルバー「互いに"都合がいい"というのが理想的だろう。ここで対立する理由はない、可能な限りの要求に答えよう、脅迫と受け取っても構わんが(ハンドルを握り淡々と言葉を紡ぐ)ああそうか、こちらの身分を明かさねば信用は得られないか。(窓枠に肘を乗せ再び姿を見せ)異能・魔術災害対策チーム『α7』所属・リチャード・ウィルバー・アーミテイジだ。 」
デルフィナ「げっ…(やられた…普通の政府の部隊かと……こいつら一般兵とは別ラインの組織か……しかもこの二人、思い出した…)(暫く経ってから、二人の顔に見覚えがある事に気付き…その口上に思わず顔を顰め)”初めまして"、デルフィナ・エランゲルと申します……色々とご配慮、有難うございます(ディランの露骨な"挑発"に敢えて乗る形で、ほんの微かな魔力を帯びた手で"握手"を返し)ご丁寧にありがとうございます(こいつら……間違いない…アルカノスの流れの…) 」
ディラン「同じく、『α7』所属冒険家……あー……偽名だがジョー・ディランだ。ようこそα7へ、歓喜するぜブラザー。 」
←―――――To be continued…
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最終更新:2023年08月19日 13:23