LAST RESORT 過去ログ.2

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空を自由に飛びまわる鳥にあこがれていました。


白く美しい鳥は、つばさを羽ばたいて空気をうって、すうっと青空をかろやかに飛んでゆきます。


どろまみれで地面に横たえたわたしは、お日さまからかげを落とす白鳥を、ぼうっと見あげていました。







さむいさむい、雨の日のことでした。
か細い糸のように、しとしとと雨が落ちています。


わたしは、自分とは背丈が倍くらいもちがう人たちがたくさん通っている学び舎の、いちばん高いところに立っていました。


ここなら物をぶつけられませんし、聞きたくない雑音はどこからも聞こえてきません。
たったひとつの居場所です。


今日はどこにも鳥が飛んでいませんでした。それもそのはずです。
どんな鳥だって、わざわざ雨のなかを飛びたいとは思わないでしょう。


イーティス「だったら……わたしでも、ジャマにならないかな 」


ちょうどいい日だと思いました。わたしは目を閉じて、つばさを開くように両手を広げます。……その時でした。









傘を差した男性「――――――『イーティス・センシオン』……君だね。ようやく見つけた 」





イーティス「…… …… ……? 」

傘を差した男性 → ノイマン「『ノイマン』だ。研究者をしている。キミを……探していた 」


見たことのない大人が、わたしに声をかけます。やさしそうな声です。


こういった大人が、最初にやさしい声をかけてくるわけを、わたしは知っています。


親や周りの人には、とてもありがたいと感謝していました。
人を信頼するとどうなるかを、身をもってわたしに教えてくれたからです。


イーティス「鳥になりたいんです。お願いですから、わたしのことは放っておいてください 」

ノイマン「復讐かい?

イーティス「…… …… …… 」


その問にわたしは答えませんでした。
いいえと答えても強がっているようで、はいと答えても自分のよわい心をみとめてしまうような、そんな気がしたからです。


ノイマン「……キミに、見せたいものがあるんだ。羽ばたいてみるのは、その後からでもできるだろう 」

ノイマン「だから、最後に……すこしだけ。僕のワガママに付き合ってくれないだろうか? 」


ノイマンと名乗った大人は、そう言ってわたしに傘を差し向けてきました。


イーティス「…… …… …… 」


学び舎のてっぺんを下りて、その傘のもとに入ったのは、おなじ研究者としての好奇心か、みじめにも救いをもとめていたからか、
それとも……ただ、自棄になっていただけかもしれません。


さむいさむい、雨の日のことでした。
それが、わたしをきたない湖から連れ出してくれた、ノイマン先生との出会いだったのです。















『 LAST RESORT 』








#2:蟹が這い波が浚う













― ライブハウス ―


アングラな空気感が漂う、こじんまりとしたライブハウス。
そのステージ上に、4人の人物が互いに互いを見渡せるように、各々に楽器を構えて並び立っている。


カン、カン、カン――――(ドラマーのスティックが演奏の合図をリズムよく鳴らすと、一気に演奏者たちより爆発的なメロディが解き放たれ、サーチライトが彼らを照らしだした)




ライオット「 ♪    ♪ ♪   ♪ (手繰るエレキギター・SGより切り裂くような鋭いハードロックなリードギターを掻き鳴らし始める。基盤のメロディーラインを紡ぎ出し、力強いヒステリックなサウンドを爆発させながらも、周りの楽器の音色を拒まない「One for all All for one」な調和を形作っていく) 」

アサギ「  ♪ ♪    ♪    ♪  (ジャズベタイプのエメラルドカラーなベースを手に、高速スラップから重々しい音色を捻り出す。細く際立った滑らかな指先から奏でられるものとは思えないほどの重低音。それでいて、下から抱き上げるような繊細さを兼ね備え、ライオットが紡ぐメロディラインに寄り添う。音色に重厚感が増していく度に、メロディアスなコントラストが更に際立っていく) 」

アルタール「    ♪♪ ♪    ♪ (青々とした輝きを放つディンキーをジャカジャカ弾き鳴らす。同じギター担当のライオットが奏でるそれは異を成しながらもシンクロし合うメロディを刻み、シャウトする様に身も心もバイブレーションに震わせて激しい音波を放つ。自分自身の人間性にも似た、良い意味での変態的なリフを利かせて、その身を躍らせる) 」

レヴィ「  ♪♪   ♪♪    (ギター、ベースに呼応するかのような快感でパワフルなドラミングを叩きつける。畳み掛けるような苛烈さを表現しながらもその熱烈なビートは無法地帯なロックミュージックを包み込み、一本道に突き進ませる。自らのロールに徹しながらも、アグレッシブなフィルやシンバルさばきで独自のソウルも相乗りさせるように刻みつける) 」


歌のないインストゥルメンタルミュージック。
だが、荒々しくも繊細なロックチューンから掻き鳴らされるそこには
バンドマンである彼らのロックな叫びが聞こえてきそうなほどに、轟いている。


ライオット「 ♪ ♪ ♪ (フルスロットル全開の蒸気機関車のように止まらない前進感のあるサウンドが魂を焦がし、静かなる空気さえも熱を灯して熱狂させる。猛烈で、騒々しく、混沌とし…既存や常識に囚われず突き進む様は、まさに―――暴走《ライオット》 ) 」

ライオット「    ♪   ♪   ♪    (上下左右に激しく揺れる頭から撒き散る汗が、サーチライトに照らされ煌めきを帯びる。止まることなく高鳴り続ける高揚感に、ドクリと心臓が大きく脈打つ。鼓膜にまで殴りつけるようにガツンと響く。ボルテージは絶好調。アサギも、アルタールも、レヴィも…全員を巻き込んで絶頂へとぶち上がろうと、最後のフィナーレへ―――) 」


♪――――(すべてを巻き添えに渦巻く嵐のような激しい演奏が、鳴り止む。ライブハウスのステージを照らすサーチライトが暗転。四人の影は余韻という名の残響と共に消えていくのだった―――)



― 居酒屋 ―


「「「「 かんぱーーーいっ!!!! 」」」」


ライオット「っくぅ~~~~~~~!!!!!ライブ終わりの一杯くそうめぇぇぇぇぇぇええええええーーーーッ!!!(レモンサワーを豪快に喉へと流し込み、痛快な表情を浮かべる) 」

アサギ「先輩、親父臭さ全開っすよ~。(梅酒を口に含んでライオットの脇腹を小突く) 」

アルタール「けど、ああ~…!!やっぱり四人揃ってのバンド演奏は最ッッッッ高にHIGHって奴だな!!!(宇宙ヘルメットを被りっぱなしにもかからわらわず何故か普通にレモンサワーをぐびぐび飲んでいる) 」

レヴィ「えぇ…アンタのヘルメットのそれ、どうなってんの……(何故か飲めているアルタールを節目に軽く退いた眼差しを向けつつ、ジントニックを口に含む)でもほんそれっ。四人で集まってこんなはしゃいだのいつぶりだろう?思いきり叩けて楽しかったー! 」


第2調査兵団・戦闘員 ――― 『 レヴィ・アンナネッタ 』


アサギ「3か月ぶりじゃないっすか?ほら、あれ、先輩の誕生日会でテンション上がりまくってそのままライブハウスへ直行したじゃないっすか!(あれあれと、指差しながら) 」

ライオット「そういやそんなこともあったなぁ~…!あんときはべろんべろんに酔ってあんまり覚えてなかったが、なんかすっげー清々しい気分だったことだけは鮮明に覚えてるぜ。そう…あれはまさに、圧倒的な魔王に屈し、絶望の淵に立たされた時に新たな力に覚醒した英雄のような気分だった…!(厨二病発症) 」

レヴィ「(ライオットのあの感じ相変わらずなわけ?)(アルコールを摂取しながらアサギに耳打ち) 」

アサギ「(そっすよ。まああたしはなんかもう慣れちゃってますけどね。)(ライオットを小馬鹿にするようにけらけら笑いながら答える) 」

ライオット「そう…「新たな力」……?(いつものお道化た調子でつい口にしたことだが、つい先日、本当の意味で新たな力に覚醒した自分には既視感しかない。)………(傍らから取り出した懐中時計。先日のイーティスとの邂逅、交戦が流れるようにフラッシュバックする) 」



「 な、なんで…ッ……――――なんでアンタが『ソレ』を持っているのよ…ッ!? 」


「 俺にも、できるのか…?アイツのように…?いや、できるはずだ…! 」



ライオット「―――――(リフレインする記憶に、ただただ茫然と懐中時計を見つめるばかりであった) 」

アルタール「俺なんかもうずっとライブがやりたくてうずうずしててよぉ~…!!禁断症状が出かかって深夜にシャウトしかけたことが幾つもあったことか…!(二杯目のレモンサワーをヘルメットの中へ流し込む) 」

レヴィ「アンタはいつでもどこでもシャウトしてばっかじゃねーか、このNASA野郎が(アルタールのヘルメットを鷲掴んで前後に激しく揺らす) 」

アルタール「OHHHhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhhYEEEEEeeeeeeeeeeeeeaaaaaaaaaaaaaAH!!!!!!!!!宇宙が揺れてる!!!!地震だ地震だ、アースクエイクだーーーーーーー!!!!(シェイクされる) 」

アサギ「っはははwww ………??(レヴィとアルタールのコントに噴きながらも、どこか遠い目をしているライオットの様子に気づいて目を皿にする)…… …… ………先輩!もう酔っちゃったんですかぁ~?じゃあ先輩の焼き鳥、貰っちゃうっすよー♪(ぱくっ)(ライオットの手元にあるねぎまを一本かっさらう) 」

ライオット「―――!(アサギの声にはっと我に返る)だーーーっ!やめろお前!!そいつぁ俺の好物なんだよ!! 」

アサギ「先輩が何考えてんのか知らないすけど、余韻に浸かるならライブのことだけにしてくださいっすね。難しいことは師匠やはかせに任せといて、あたしたちは「今」を楽しんでいればいいんすから♪(んーっ♪)(美味しそうにねぎまを頬張る) 」

ライオット「……アサギ…(後輩の気遣いに、やれやれと自嘲気味に笑みをこぼす)……ん?そういや、師匠とはかせは…? 」

アサギ「あれ、知らないんすか?今はなんか、「団長会議」に出席中みたいっすよ。 」

レヴィ「ああ、それ…ウチの団長と副団長もその会議に召集されて席を外してるんだ。ほら、この間の大規模事件でいろいろあっただろ?そこで得た情報を共有し合い、今後の方針を決めるんだとかなんとか…って話さ。(摘まんだ焼き鳥で指し示しながら) 」

アルタール「ああ、あれか~!あれも大規模野外ライブのような感じでなかなかにスリリングだった!オーディエンスがいないことを除けばエクセレントだったなぁ…! 」

ライオット「……そうなのか……そうか…(ぐびっ、とレモンサワーを流し込む)………これから、どうなるんだろうな…―――(それはレギュレイターの運命か、この国の運命か、はたまた自分の運命か…あらゆる未来への期待と不安が入り混じった複雑な心境だった―――) 」



― ラステルム王国・世界政府駐屯エリア・大会議室 ―






招集されたレギュレイターの主要メンバーたち
その中でも、11人の大物が大きな円卓を取り囲む光景は、傍から立って眺めている者たちにとっては圧巻の一言であった―――


ティネル「―――時間だ。定刻通り、これより団長会議を始める。(10人の団長たちを取り仕切るは、レギュレイター総司令官の銀髪の麗人。円卓の上座に座し、曲者揃いの面々を凛とした佇まいで見渡した)」

ガトウ「こうして「団長全員」が一堂に会するのは初めてなんじゃねえのか?俺の知らねえ顔ぶれも中にはいるみてえだが…(第2調査兵団・団長の筋肉質な大男はこの緊迫した空気の中でも豪快に笑みを浮かべている) 」

ラタリア「んあ~…♪ドーナツうんま…♪(もっしゃもっしゃ)(こんな中でも悠長に茶菓子を頬張るのは、第3調査兵団・団長を兼任する科学者の幼女。食べかすと一緒に、今回の会議で使用するものと思われる書類が目の前に散乱している) 」

エクレイル「先日の一件で、各々知り得た情報が混在している。状況整理も兼ねた良い機会と言えるだろう。(第7調査兵団・団長の男は背筋をこれでもかと伸ばして腕を束ている) 」

ヘザー「そうですね、個人的に話したい所もありますから……(第6兵団・団長として、普段使っている車椅子を傍らに停め、他の隊長達と同じ様に椅子に座り、眼前には整然と書類が並べられている) 」




セイン「初めてお会いする方には、ここでひとつご挨拶を。お初にお目にかかります、「セイン・マーカス」と申します。以後、お見知りおきを。(第8調査兵団・団長を務めるは、容姿端麗な赤髪美青年な騎士。紳士的振る舞いを欠かさない一挙一動で事の成り行きを静観する) 」


第8調査兵団・団長 ――― 『 セイン・マーカス 』




オアシム「………(「はらぺこあおむし」―――の、雑貨な置物が一つの席の前に置かれてある。だが、これは知る人ぞ知る、第5調査兵団・団長の「表の姿」。当の本人はこの雑貨に見立てた可愛らしいスピーカーを通じ、会議に出席しているのである。姿も名前も包み隠すこの謎の存在が明かされる日は来るのだろうか―――?) 」


第5調査兵団・団長 ――― 『 オアシム・ハペコラ 』(※偽名)


片桐「まァー……なんだ…………。イレギュラーが立て続けに陳列されたからなァァァ……。 各々共有しておきたい、確認したいあれもあるだろうがァァァ………。……………スゥゥゥゥ……(はあああああ、アルコール摂取してェなァァァァ) 」

コンラード「うむ。団が結成され日は浅いが問題点、改善点も確認できた。今我々が直面している問題について把握している情報を共有した上で、現体制の見直すべき点も認識を共有し対策に努めたいのだが……… スt(ふとオアシムに一瞥を送り、何もなかったように手元の資料に視線を戻す)(ちょっとおおおおおお!!聞いてないよああいうのがいるって!外部協力者が何だかんだ多い組織だけども!仮にも政府の管轄じゃなかったっけ!?大丈夫なのこれ!?)」




ルクエス「へぇ…珍しいねぇ…普段忙しくてめったに顔を出さないラタリア氏に、もはや幽霊部員ならぬ幽霊団長と言われた第5の団長さんまでご出席なさるなんて、ネ。ま、かく言うボクもこうした場に顔を出すのははじめてなんだけどモ…まあ、良しなに頼むヨ。アハハ。(第9調査兵団・団長の肩書を持つ、中性的な顔立ちをした人物が愉快気に微笑む) 」


第9調査兵団・団長 ――― 『 ルクエス・ハルト・ザイナー 』


アレックス・ディノ「……始めよう。こうして皆が顔を合わせるのも久しぶりだ……有意義な話にしたい(第一調査兵団、一の番を冠する兵団の団長……暗いゴーグルの中、確かに瞳を湛えて、アレックス・ディノが座る) 」

ティネル「早速だが、議論に入ろう。先日、五大国全域で起きた大規模襲撃事件について。あの一件で我々はまた一つ、いや…一つどころではなく、多くの事実を知り得た。一つずつ情報を共有し、今後の対策を講じたい。まずは…――― 」


円卓の中心部に浮かび上がるホログラムモニター
そこに、白銀色をした一人の少女―――あの『 イーティス 』と名乗る人物の映像が映し出された


ティネル「『 イーティス・センシオン 』――― この者が、これまで我々が追い求めてきた反復現象《オーバーラップ》を引き起こした首謀者であることが判明した。彼女の詮索を行ってくれたセインより、詳しい話を聞こう。(彼にアイコンタクトを送る) 」

セイン「はい。(書類を片手に起立する)「イーティス・センシオン」…現在は22歳。本住所は不明で、年単位に移籍を繰り返していた模様。その若さでありながら卓越した頭脳を持ち、幼少は飛び級を繰り返し、学生時代には既に大企業の技術研究所に就職。数多くの業績を残し、テクノロジー部門でも最たる偉業を残してきたとされています。 」

劉狼「……(あの者…少女の身でありながら、恐るべき実力を秘めていた。これだけ大規模な事件を引き起こすだけの絶対的な自信が備わっているのも頷ける…)(ラタリアの背後で泰然たる佇まいで仁王立ち、団長陣の議論を静観する。その中で、モニターに流し出されるイーティスを目に先日の戦闘がまざまざと記憶に蘇る)」

ガトウ「…これはまた、ずいぶん若ぇ姉ちゃんじゃねえか。この間の事件を起こした首謀者とは思えねえくらいだが…(はーっ、と感心するような溜息をつく) 」




嵐千砂都「………(ふぅん…あの娘が、今回の事件の黒幕…なんだ。)(ガトウの背後より離れた箇所にて、壁に背凭れかかりながら議論に耳を傾けつつ、映像のイーティスをそのまんまるとした目に捉える) 」


第2調査兵団・副団長 ――― 『 嵐千砂都 』


ヘザー「技術者としての地位と実績があり、現在住所不定……成程、色々自由に動ける立場なのね(映像のイーティスを眺めながら)……で、この首謀者と思しき人物と、第3兵団は交戦した……と 」

ラタリア「あぁ~~~~~~…な~~~んか…どっかで見たことあるな~~~と思ったら…そう言えば、数年前に参加したテクノロジーサミットで、最年少部門で評価を得ていた娘だったのを今思い出したら…!(ただでさえぼさぼさな髪をもさもさしだす) 」

アレックス・ディノ「ああ。黙っていたが……オレも記録していた。黙っていたことは必要なら詫びよう(そう言うとハロを一台取り出し、カンカンと指で叩く) 」

コンラード「くっ……!テクノロジーサミット……すまんが今会議でそれは禁句にしてくれ……その娘といい頭痛がしてくる……ッ ぐぬぬぬ……なぜ私が発明した万能牛肉霜降り化マシーンがノミネートされなかったのだ……!(きゅっと眉を顰め拳をわなわなと震わす) 」

片桐「首謀者かどうか、真偽はさておいてだなァ……生産ラインあるだろォ……となれば単独とは考えにくいよなァァァ……。 最たる偉業ていうのも気になる。技術屋って言ってもいろいろあるだろォ……霜降りマシーン作るやつとか、変形する男の子が好きな武器作るチビとかァァァ……。 」

セイン「しかし、いずれの場所においても人間関係等のトラブルから長居した形跡はなく、事あるごとにその姿を眩ませてきたそうです。そんな彼女が最後に確認されたのは――――『 ゼレオロス帝国 』だということが、ラステルム王国に属する複数の衛兵からの証言で明かされました。 」

エクレイル「『ゼレオロス』…―――確か、アルガンドーラの中心部に広がり、五大国に囲まれるように存在する帝国だと聞く。上空から俯瞰すれば、ただ工場地帯が広がっているだけの…とても帝国とは思えない景色が広がっているはずだが… その女は今、そこに潜んでいるというのだろうか…? 」



ラタリア「おい今チビっつったか?(身を乗り出そうとしたところに劉狼に取り押さえられ子どもようにジタバタ暴れ出す) 」

ルクエス「……「あそこ」は……へへっ、そんな良い噂聞かないよぉ~…?(「ゼレオロス」のワードに耳にした途端、フッと乾いた笑みを零しだす) 」

アレックス・ディノ「落ち着けお前ら。今輪を乱すことはないだろ。後でやれ……ゼレオロス、か。確かに……“らしい”な。アレの出どころと考えて、不自然のない場所だ。……そこに彼女が潜んでいるとしたら……少し骨が折れるかもしれないな……(何かを隠した様子で、目を泳がせながら) 」

ウィルバー「……………………。(ルクエスの背後。黒のレザーコート、ボサボサの金と茶の頭髪、乾ききった瞳孔。何より会議のモニター、集った面々、いずれの対象にも目を向けず黙したまま置物のように佇むこの、第9調査兵団・副団長。彼は会議開始前から現在に至るまで何一つ視界に入れていなかったが……)………………。(ラタリアの暴れる音に反応し、首をわずかに動かし彼女……ではなく"第3調査兵団"の一点の身を注視し、そのままの姿勢で硬直した) 」


第9調査兵団・副団長 ――― 『リチャード・ウィルバー・アーミテイジ 』


ヘザー「ゼレオロスは広大な土地を持つ、機械帝国……立派な工業国。確かに良い噂は聞かないけれど、"機械人形"の生産をしているとしても納得が行くし、彼女の拠点としても十二分に考えられる……それと気になるのが……第3兵団と彼女の、『戦闘記録』について……詳しく聞きたいのだけど 」

セイン「ここで、「ゼレオロス帝国」について少し触れます。世界政府より派遣され日もまだ浅い我々は、五大国や帝国についてまだ周知していない事実がございますので。ゼレオロス帝国は他の五大国の倍以上の面積を誇る機械帝国とされ、数多の工業施設が密集しております。外敵から身を守るために城や住宅施設などの都市は地下に設けられており、地上にあるのはその殆どが兵器開発工場で占められているそうです。自然環境は非常に劣悪で、地上は有毒物質を含む排気ガスで充満しているほどです。 」

セイン「一方で、鉱物資源が豊富で、兵器の生産、またエネルギー事業が進んでおり、外国との貿易を介さずに兵器の製造、それに必要とされるエネルギーの充填を自国のみで完結させています。この通りテクノロジーにおいては優れているものの、劣悪な環境から食糧問題については重大な課題となっているそうです。これらに適した環境を得るためにも他国の征服に積極的になっていたそうですが…それも数年前の話…――― 」

セイン「今では、帝国の国境は、五大国が持つ純粋魔法で膨大なエーテルより生成した強大な魔力壁「エーテルベール」で包囲されており、そのため帝国は地上から他国を攻めることもおろか国外へ進出することが不可能な状況です。近年でも、ゼレオロスが五大国に攻め入ったという事件は全く起きておらず…故に、今帝国がどのような状況になっているのか、それを知る者はいません。話が脱線しましたが、彼女…イーティス・センシオンは、そんなゼレオロスに潜伏している可能性が大いにあると考えています。 」

セイン「現在彼女の列記とした素性を今も詮索中です。此度の機械生命体の軍勢を構えたのは紛れもなく彼女自身であることは、本人の口から明言されています。片桐様の仰る通り、他に仲間や協力者がいる可能性も否めません。現状は彼女を指名手配し、レギュレイターでも総力を挙げて捕獲に専念したいところです。(そう告げて着席する) 」

ガトウ「…ゼレオロス、か……これはまた、とんでもなく厄介なところへ逃げ込んだものだ…(後頭部へ腕を回し、天井の一角を仰ぐ) 」

コンラード「…………(セインの解説に耳を傾けていたが、徐々にその表情に影が落ち、贅肉で埋もれた肩の骨が筋張って居ることが伺えるほどに怒気を滲ませ押し黙っていた)……………。以前だが、我が社が食事情改善に向け様々な提案を試みた。どれも徒労に終わったがね……あれは…………人が、生物が住む環境とはとても思えん………。 」

片桐「望み薄だなァ……。あの塀の向こうのお偉方とナシを付けられるカードがあればいいがァ……アテはあるのかァ、 者引き渡し協定結んでたっけかあそこはァ……(今にも机に顎が着きそうなほどに項垂れながら) 」

ティネル「セイン、ご苦労だった。要警戒対象として、彼女の詮索については引き続き行うものとする。そうだな…では、そんな彼女と直接交戦した第3調査兵団より、幾つか知り得た情報を話していただこう。ラタリア。 」

ラタリア「あい~。(だぼだぼな袖を上げて返事)はかs……「私たち」第3が得た情報を、三つに分けて共有するら。(プライベートでの一人称を捨て、砕けた口調ながらも政府の人間らしい眼差しに切り替わる)まずは、これを見るらよ。(そう言って徐に取り出したのは、その黒幕「イーティス」が残していったアタッシュケース。ケースを開き、その中に収納されていた砂時計を模した小型装置が一同の前に露わになった) 」

エクレイル「それは…!?(ラタリアが取り出した謎の装置に目を見張る) 」

ラタリア「――――『ヘリックスシリンダー』。ご丁寧に、装置にその名前が記載されていたのら。けど、見てほしいのはこの「中」ら。(砂時計のガラス容器、底には積られた黒い砂粒のようなものがある) 」

ガトウ「んだそりゃあ…?ただの砂時計…じゃねえのか…?(目を凝らすように黒い砂粒へ食いつくように凝視する) 」

ラタリア「一見はただの砂時計らね。けど、そう誤認させるようにデザインしたとするなら、開発者の彼女のセンスを評価するらよ。実際、より評価できる点はもっとあるけど…それが、この砂粒のようなもの。この正体はナノマシンら。この装置の名前から因んで、恐らくこれは――――『 ヘリックス 』と呼ばれるものらろうね。 」




ラタリア「ヘリックス(Helix)とは、「螺旋」を意味する言葉ら。その意味が齎す通り、このナノマシンに感染された人間こそが、反復《オーバーラップ》に陥ることになってしまったと結論付けていいら。何故なら…―――(そう言うと何らかのデータが事細かく記載された書類を見せつけるように取り出す) 」

ラタリア「解析班に出していた被検体の検査の結果が返ってきたのら。全員、その後頭部から脳にかけてナノマシンが侵入したと思われる極小の穴が検知されたのら。ナノマシンは人間の脳に寄生し、何らかの信号を与えて対象者に反復《オーバーラップ》を齎し、役目を終えたナノマシンは元の経路から体外へと脱出し、このシリンダーのもとへと帰っていくみたいらね。 」

ラタリア「このヘリックスと呼ばれるナノマシンは、起動時には赤い光を発することから…私たちが任務にあたっていた際、現場で度々目撃していた蛍火のような赤い光とも直結するんらよ。反復現象が起きる場所には機械生命体だけでなく、赤い光を放つナノマシン「ヘリックス」もまた存在していたということになるら。 」

ヘザー「……成程、彼女が置いて行ったものですか…中身は砂状の物質の様に見えますが……博士、つまりそれが……ナノマシンで、反復《オーバーラップ》を引き起こしていた、と……!? 」

ガトウ「…ってことは、俺たちが破壊してきた機械生命体は、そのヘリックスを守るために生み出されたものだったのか。通りで奴らが直接民間人を襲うことなく、ただ徘徊しているように見えたわけだ… 」

エクレイル「実際、機械生命体が民間人に襲うような挙動こそはあったが、奴らに抵抗しようとした我々レギュレイター以外には一切負傷した件は上がっていない。不自然なことだが…それが、ナノマシンの防衛を最優先に命令されていたというのならば…合点はいく。 」

コンラード「とするとあれかね……。機械生命体はある意味では民間人を守っていたことになるのかね……?無論、反復《オーバーラップ》現象の被害者のみだが……それではまるで"被験者"を保護する研究員のような……。 」

アレックス・ディノ「つまり、俺たちが今まで追ってきた事象は怪奇現象でも何でもなく、タネが割れてみればこれまた単純な、ナノマシンを利用したバイオテロだったわけだ。俺たちが科学的な手段で感知できたのも頷ける。そもそもがオカルトの類ではなく、しっかりと道理の通る現象だったわけだからな…… 」

ラタリア「―――コンラード!!!(いきなり大声を上げる)……鋭いらね。(と思いきや、急に落ち着いた声音で彼を賞賛する) そのことについてらけども、これまでの機械生命体の行動パターンも洗い晒してみたのら。キミたちの言う通り、機械生命体は出現時にはただ徘徊する挙動しか見せない。襲い掛かろうものならば防衛機能が発動し、戦闘態勢に入るようプログラムが仕込まれていたんら。そして、民間に迫る機械生命体の行動パターンには、ある共通したものが発見されたら。 」

ルクエス「共通の、パターン…?(興味深そうに顔を覗かせる) 」

ラタリア「それは、機械生命体は民間に直接危害を加えることはない。らけども、「襲う」姿勢を見せつけることで、民間人のパニックを煽りつつ、その逃げ場を防ぎ…彼らを一か所にまとめるように促していることら。恐らくこれは、ヘリックスの感染を効率よく行わせるためのものらと思うらね。 」

コンラード「(正直すっげえビビった…………)う、うむ……ま、まあ一応団長だからね私……。ゴホンッ 共通点……?まるで統率された軍隊そのものじゃないか、オカルト要素はなかったな本当に。誰だね宇宙人の侵略だのと噂したのは 」

セイン「なるほど、あの機械生命体にはそのような命令が施されていたのですね。あれだけ大規模な戦力を投下したところを鑑みると、いかにナノマシンの防衛に重きを置いていたのかが理解できます。機械生命体はあくまでフェイク。最たるは、ナノマシンによる反復現象の発動…(顎元を摩る) 」

アレックス・ディノ「追い立てて、固まらせて、感染を拡大させる。ありがちなやり方だ。お前たち、ゾンビ・パニックものの映画を見たことはあるか?(唐突に、無関係のようにも聞こえる話を振る) 」

ガトウ「おう、それならテレビで見たことあるぜ。だが、それがどうしたんだ…?(脳筋故か、自分で考えようとはせずアレックスに尋ねる) 」

コンラード「ははははアレックス君キミィ……時と場を選んで発言したまえよ。言いたいことはあれだろう?感染源が大規模であるほど拡大スピードが上がり広がりやすくなる。ゾンビ映画、いい得てその通りだがこれは"ナノマシン"によるものなんだろう?あれはウィルス、こっちはマシン!感染なんてあるわけないじゃないかねはっはっは……はっは………。あのッ……?ないよね????やめないそういうの???? 」

片桐「あるぞォ……こないだ見た007は感染するナノマシン型殺人マシーンが出てきたァ…… 」

アレックス・ディノ「奴らが行っていることは、あの類の映画のそれに近い。ゾンビ・パニックものは、感染した者自体が『追い立てる側』になることで、陸の孤島を人為的に作り出し、必然的にショッピング・モールなどの閉鎖地帯に追い込み……そして、更にそこから纏めて感染を広げる……この場合、それと違うのは……追い立てる役割がその感染するものとは別個にあることだ。『追い立てるものと感染するものが別々』というのは、利点も欠点もある。利点は『追い立てるものが侵入しなくても、追い立てることに成功した時点で感染を図ることができる』……欠点は、『追い立てるものが感染に比例して増えない』、と言ったところか 」

ヘザー「……民間人をキャリアーにして反復《オーバーラップ》を感染させてる……だったら確かに確かに納得が行くけど、それを人為的に行っているとしたら、危険極まりない状況だわ…… (軽く頭を抱え) ……B級映画の代表みたいなジャンルで例える様な楽観的な状況ではないと思うけど……確かに、反復《オーバーラップ》を広げる為に機械兵を使っているならば、別個に対策を立てることが出来る……これが分かったのは光明ね 」

エクレイル「博士…反復現象に陥った者たちは、完治できるのか…!?治療法はまだ見つかっていないのか…!?(友人が反復現象の被害者であることから、強張るような表情を見せつける) 」

ラタリア「落ち着くら。反復現象の正体がナノマシンによるものだと分かった以上、対策も治療法も変わってくるら。これについてはまだ時間が欲しいら。なんたって…今回の件で、判明したことは山積みなんらからね…(散乱した書類に「うげー」と舌を出す) 」

ラタリア「ナノマシン、機械生命体…これららけでも脅威ではあるんらけろも…彼女は更に切り札を隠し持っていたのら。それこそが、彼女自身が口にしていた――――『 ユナイタル 』ら。 」


モニターが映り変わり、ユナイタルと呼ばれる西洋騎士のようなパワードスーツを装着して戦うイーティス
そんな彼女の戦闘映像が映し出さる―――


ラタリア「調べて分かったことは、それは工学有機結晶体で構成された戦闘強化スーツら。装甲パーツは粒子データとして、この『ユナイタルウォッチ』に格納され…起動することで装着を可能にする、と…(懐中時計型デバイス、そのレプリカを取り出して一同に見せつける) 」

ラタリア「装着することでエネルギーブレードのような武器に、異能力の類に匹敵する機能(アビリティ)を取得するみたいらね。実態としては、大気中に分散するエーテルエネルギーを吸収し、それを武器の生成やエネルギーの出力等に還元しているようら。あとは彼女本人も言ったけれろ、ユナイタルは核爆発にも耐えられる強度を持つと計算されている。故に、はかs…私が開発したガジェットによる攻撃は一切通用しなかった。そうらね、劉狼?(背後に立つ副団長の人狼へ振り返る) 」

劉狼「はっ。恥ずかしながら、我々のガジェットを用いた攻撃では、彼女のスーツには傷一つ付けることも叶いませんでした。どれだけ策を講じて連携を叩き込んでも、それすらを払拭させる強靭なボディ。あれは…一筋縄では攻略できませぬ。(口惜しそうに目を伏せる) 」

ガトウ「ほほう…!?そいつぁ興味深い…!俺のガジェット…いや、俺の鍛え上げたマッスルパワーなら、ワンチャン奴の身体を粉砕できるかもしれねえぜ…!(しゅっしゅっとシャドーボクシングをし始める) 」

片桐「こいつ(ガトウ)なら装甲は砕けなくても関節技で捩じ切るとか冗談じゃ済まなそうなのがイヤになるんだよなァァァ……実現できてもマネしねえからなァ誰もなァァァ 」

嵐千砂都「……(・・;)(団長…ほんと緊張感ないんだから……)(額に手を当て呆れている) 」

マルガレーテ「(核爆発に耐えるですって?ふん、くだらない。真の音楽の力を以てすれば、核はおろかユナイタルすら無意味)(ふふんと得意げにひとりわらう) 」

アレックス・ディノ「核爆発にも耐えるとなると……それ以上の火力は、用意以前に使用に高い制限がある。一般的な核爆発以上となると、周辺の大きな被害は免れない。使用するのは厳しいだろうな 」

ラタリア「けれろも、そんな彼女に一矢報いることができた。……うちの、「とある団員」のお陰でね。 」


ここで、イーティスと瓜二つのユナイタルを装着したライオット
そして彼が呼び覚ました彼自身のユナイタルが映像に切り替わる―――


ラタリア「……これについては、私も、更には彼女自身も予想外らったみたいら。彼が例の時計を持っているのは、団長として身近に接してきた私もよく知っていたらよ。本人はまるでお守りのように、その壊れた時計を肌身離さず持っていたけれろも…。ここで疑問なのは、何故、うちの「ライオット」が彼女と同じウォッチを所持していたのか。そして何故、このタイミングで覚醒したのか… 」

ラタリア「当の本人に問い詰めてみたけれろも、「気が付いたら持っていた」、「起動した理由は分からないが、彼女の真似をしようとしたら何故か起動できた」…と、曖昧な解答を貰ったら。それも仕方ないら。ライオットはもともと、記憶障害を患っているんらよ。「身に覚えのない記憶が度々過る」んら。そのことがウォッチとどんな関係があるのかはまだ知らないけろも。 」

ラタリア「まあそれ以上問い詰めてもわからないものはわらかないんら。とりあえず彼が持っていた不良品のウォッチを一時的に預かり、内部解析を行った結果わかったのが、以上のことら。らけろも、あの娘の技術力はやはり目を見張るものがあるラ…正直なところ、「現代の科学ではつくり出せないもの」がある。らからなんろうか…どうやらウォッチは適合者でなければ起動できないみたいら。複製はほぼ不可能ら。 」

アレックス・ディノ「身に覚えのない記憶、『虚憶』というやつだろうか。いや、あるいはその時計を持っている理由を知らないというのなら……或いは、特殊な記憶喪失か?今のところはどっちにも取れるな 」

ガトウ「…ライオットのことは、俺も先輩として士官学校から面倒を見てきた。がさつながらも可愛げがあり、まだまだ成長の兆しもある。正義感だって誰よりも強い野郎だ。そんなあいつだが、時々強い片頭痛が起きて、その度によく病院へ連れ出したこともあったが…そう言うことだったのか… あいつ、無茶しやがって… 」

ヘザー「ガジェットが効かない、というなら私はお役御免になる所でしたけど、どうやらそれは避けられそうですね……記憶への障害、という点に置いては、反復《オーバーラップ》現象とは関連性を見いだせなくもないですが……本人、ライオット隊員は今どうしているのですか?拘束とは言わずとも、常に目の届く場所に置いておくべきでは……?(怪訝な目付きに変わり)彼の身辺も改めて洗い直すべきです、身元の曖昧な隊員も何人もいる中でこういう事を言うのは少し憚られますが 」

ウィルバー「…………。(手元の資料、イーディスの項目を開き再度モニター上のライオットを視認)………(しばらく両者の情報を交互に見た後、黙したまま目を伏せた) 」

セイン「彼の活躍は他の団長様から小耳にはさみました。とても優秀な団員をお持ちだそうで。第3調査兵団は構成員が他部隊よりも圧倒的に少ない中…ガジェット開発者のラタリア様、ロクスベルク事件の英雄である劉狼様、士官学校でトップクラスの成績を納めたというアサギ様と、みな数々の功績を残してきた方ばかり。ライオット様への期待も高まりますね。 」

コンラード「ま、まあ気持ちはわからないでもないが事を急いでは元も子も無くすよキミィ……。記憶障害、という事であれば当の本人が最も苦しんでいるだろう?仮にも本件の功労者だ、確かに謎が多いが……仮にだよ?仮に本件の当事者だったとして我々が疑いの目を向けていると悟られればそれこそ"ユナイタルを用いた強硬手段"に走るかもしれない。で、白だった場合は元々苦しんでる若人に精神的負荷をかけることになる。ここまで私のいいた事わかってくれるかね?………く、くれますよね???? 」

ラタリア「彼はうちのところで大人しくしているらよ。あの一件でいろんなことがあって、本人も気が滅入っているらろうからね…今は、少し休息を与えているら。(彼に少なからず疑いの眼差しを向けられる現状を理解し、表情を曇らせながらも言の葉を紡ぐ) 」

ラタリア「……さて、話を戻すらよ。例の戦闘で、もう一つ分かったことがある。それは…――― ユナイタルの破壊は、同じユナイタルの装着者でなければ困難らということ。現状、彼女に対抗できるのは…似た力を持つライオットのみと言える。 」

ラタリア「らけろも、彼一人にその責務を負わせるわけにはいかない。今回の戦闘記録を基に、私からひとつ提案があるら。 それは…各団員が持つガジェットの「アップグレードプロジェクト」。今はまだ開発中らけろも、きっとそんなに時間はかからないら。ユナイタルの戦闘データを基に生み出したこれがあれば、各団員の潜在能力を、現時点から数倍以上に飛躍させることも理論上可能。今後予期されるユナイタルとの再戦に向けて計画を進めている最中らから、もう少し待ってほしいら。 」

片桐「核兵器でさえ傷をつけられないオモチャかァ……ライン・トイレットくんが何者かより……ハッキリしてるのはそんなブツが俺達の手元に、寝首をかける距離にあるってことだァ……。兵器は誰の手に渡るかで次、誰が死ぬか左右される。それが敵さんであれば良し。 排斥せず管理徹底するべきっていう意味では技術屋の嬢ちゃんに同意だなァァァ…… 」

アレックス・ディノ「それも分かるがな。彼が功績を上げた以上……手荒にするのも良くない……それに……(指先で回していたハロのスイッチを押し、イージスに変形させて、自分の席のそばに控えさせ)今考えるべきは彼のみに戦力を依存しないことだ。次からは彼にイージスに変形するハロを付けたい。彼が戦力として特記できるものを見せた以上……敵としても彼に目をつけるはずだ 」

エクレイル「なんと…もうそこまで手が回っていたのか…!相変わらず、博士は仕事が早い…!ひとまず、それを聞いて安心した。そのユナイタルは勿論のこと、機械生命体以外の脅威性を持つ敵が現れるおかしくはない。敵の目的や行動パターン、戦力などが分かった以上、我々も現状を維持するだけではだめだ。更なる改善を目指さなければな。 」

ガトウ「えッ!?それってさァ…?俺の筋肉が、今よりもっと進化する…ってコト!? 」

ルクエス「へぇ…面白いね、彼。ちょっと興味湧いてきちゃったかモ。(モニターに映るライオットの横顔に舌なめずり)ガジェットの強化…やるじゃん。早く完成するといいネ。(まるで他人事のように淡々と口にする) 」

ヘザー「……白であるならば、それはそれで危険です。彼単体を狙って来る可能性がある……現状最重要人物といって過言ではない… ですが、博士が言うのでしたら、その判断に任せます。 …!ガジェットのアップデートですか!!(カッ、と目を見開き顔の周辺に小さくキラキラのエフェクトが入り)……失敬。お待ちしています、戦闘記録を確認した限りでは……対抗策が絶対に必要ですから 」

片桐「あー……うちの若いのも幾らかマシになるなァ……。 マルガレーテ、お前アレだ、スーパーボイスで高層ビルぶっ潰せるようなガシェット作ってもらえ。うちの火力不足を補えるのが今氷川の謎爆発しかねェ…… 」

ウィルバー「所感でいいか(突然挙手し口を開く)——————自爆系デバイスは予算が釣り合わない。推奨できない(>>真顔<<) 」

マルガレーテ「ちょっと音楽の力は崇高なのよ!なによスーパーボイスって!超音波のこと!?ソニックムーヴ!?音楽を理解(なめ)ないで(くわわ)……あの人たちの爆発って火力にカウントしていいの?なんか複雑なんだけど(汗) 」

オアシム「――――― 一つ聞きたい。(ここで、ずっと無言を貫いていた芋虫…の雑貨型スピーカーから、男女とも判別できないノイズ音が発せられる) 今回の事件の首謀者である彼女と、瓜二つの力を持つライオットという青年。二人の因果関係はあるのか?

ラタリア「………何が言いたいんら?(今更発言をしだしたアオシムに睨みを利かせる) 」

オアシム「単純な疑問だよ。黒幕と同じ力を持つ彼。両者には必ず「繋がっているもの」があるはずだってこと。その関係が、果たして「黒と白」だって断言できるのかい?「黒と黒」である可能性も、そこには孕んでいるはずだと、少しの疑惑はあったほうがいいと思うんだけd―――(ここに居る誰もが薄々過る疑念をいけしゃあしゃあと口に出すが…) 」

ラタリア「―――― ライオットは私の大事な「 家族 」ら!!!!(コンラードに叫んだものとは比較にならないほど、ヒステリックな怒号を上げる)………彼の面倒は、団長である私が責任を持って看るら。万が一のことがあったとしても、私がすべて負う。あの子に変なちょっかいをかけたら…―――私が許さない。(俯き、蔭る顔から発せられる低トーンな声音。だが、普段から子どもじみた彼女にはない、「母性」とも「大人」とも取れる大きな責任感を、その身から感じるのだった) 」




劉狼「………―――(ラタリアの怒号に、再び目を伏せる。誰よりも彼女に寄り添ってきた人狼の男は、彼女の思うところを誰よりも理解している。今自分がここに立っていられるのも、元はといえば彼女の存在があってこそなのだから―――) 」

コンラード「——————(オアシムの発言を受け急激に青冷める。次のラタリアの反応は容易に予想できることだ。案の定という結果になり……) バンッ  (両腕を突いてテーブルを叩き席を立つ。ラタリアのそれとは比較にならない程迫力のない、うだつのあがらない"大人"の顔で)あー……。その、なんだ……。"会議の趣旨"をはき違えてはいけないよ君ィ。彼に関しては不確定情報が多すぎる。その仮説は肯定情報こそあるが状況からして"否定状況"の方が強い。何せあの場で一騎打ちをする理由が見当たらん。今は……今はそう!前向きに戦力増強について話し合うべきでないかね!なあ博士君!!私でも扱えるガシェットでもできたかね! 」

アレックス・ディノ「……迂闊だぞオアシム。人には踏み入ってはならない部分が存在する。そういう話だ。……少なくとも、俺は彼を信じる。同じ状況で信じてもらえず、苦しんだ者を……俺は知っているからな…… 」




ガトウ「……ライオットは俺にとっても大事な後輩だ。団こそは違うが、俺はあいつのことも大事に思っている。なあに、心配すんな。あいつはお前らが思ってるほど弱ぇ奴じゃねえよ。バカなところもあるが…偽善を嫌い、守りたいもののために自分の身を犠牲にできる奴だ。俺はそういうところを、何度も見てきたからな…(ふっ、と暖かな眼差しを向けつつ目を伏せる) 」

ルクエス「うおっ…やっば……(小声で囁きながらわざとらしく委縮する) 」

セイン「まあまあ、皆様、どうか穏便に…(あははと苦笑しながら凍てついた空気を宥める) 」

片桐「デカの身分で言わせれば論より証拠だ。刑事ドラマでカンでを頼りにするのは対外素人だァ……な、マルガレーテくん。お前のスーパーボイスの方がまだ説得力あるよなァ……(………。とは言ったが、アレを野放しにしていい筈もない。適合者ってだけで既にきな臭いからなァ……) 」

ヘザー「……(敬愛するラタリアの肩を持ちたいが、しかしオアシムの発した疑念の言葉をやはり頭では捨て切れずに顔を歪め)……庇う気持ちは分かりますが、これは隊員達の生命に関わる事案です。先程は引き下がりましたが……せめて彼は監視下から外さない様にするべきです。それで疑惑は幾らか晴れますし、彼本人が口封じに狙われるリスクも減らせます 」

嵐千砂都「………(……「家族」、か……なんだかとても、あたたかい響き。会ったことはないけれど、こんなに愛されているなんて…きっと、素敵な人なんだろうな)(ラタリアの横顔から、出会ったことのないライオットを羨むように目を細める) 」

オアシム「…………失礼した。不用意な発言をお詫びする。(ラタリアの責務を含んだ一声からその熱意を受け取ったのか、引き下がる) 」

マルガレーテ「ねぇお願い私の歌を火力兵器にカウントしないで。これから歌えなくなったらどうするのよ(汗)……。(ま、監視をするっていうのはセオリーよね。敵との因果関係もそうだけど、いつ力が暴走するかとか、そういうのも視野に入れないと。第四は警察メンバーが多いから確保とか追い込みとかは得意そうだけど……いざとなったら総動員よねぇ) 」

コンラード「ぐぬ……ぬぅ……(ヘザーくんの論にも一理ある、むしろ"正論"だと私も思う。だが……だがやはり疑念を理由に組織内部の結束が乱れるのもまた全体の危機なのだ!!と私は声を大にして言いたいが言える勇気はない……ど、どうすればいいのかなぁこれぇ!?) 」

ラタリア「……言われなくても、そのつもりらよ。(視線こそ合わせずヘザーに言い捨てると、目元をぐしぐしと拭い、ぱんぱんっと頬を叩いて気を改める)……コンラード!君はその前に、ガジェットを扱える体系を目指すらよ~!(精一杯取り繕った無邪気な顔で冗談を吐く)……と、とりあえず!第3からの報告は以上ら!ふうっ、いっぱい喋って疲れちゃったな!なんかおいしいお菓子が食べたいらよ~(はははとぎこちなく笑みを零しながら着席する) 」

アレックス・ディノ「だからな?このイージスをな?彼の側につけてな?護衛兼監視としてな?何よりこいつは先の戦闘データを踏まえて、先行して俺が独自に強化した特別な個体で……(と、謎のプロモーションというかセールストークというかそんな感じのアレを始める) 」

劉狼「………(…博士……)(彼女が抱く窮屈な思いを、その痛みを背中から感じ入る。会議が終わったら、いつものように甘味をご馳走しよう。それで、少しでも気が晴れるのなら… そんなことを思い巡らすのだった) 」

ヘザー「(言うべきは言ったけれど、嫌われたな……)……考慮して頂いて、有難うございます(ラタリアとは対照的に彼女の顔を見据えながら)……機械に監視を任せるのは悪くないとは思いますが…  とりあえず、我々第6隊からは……以前の魚型の機械兵についての報告以外に、我々から言うべき事は現在ありません 」

ウィルバー「………………。(普段表情こそ見せないが、目の前のルクエスを見下ろし顎に手を当て)…………悪いが、副団長の身分だが発言の機会を貰いたい。"中立的"提案があるのだが 」

ルクエス「うちの副団が口にするのは珍しいね。(「はいみんな静粛に~」と片手を上げてウィルパーへの視線を促す) 」

ウィルバー「"戦術交換という名目上"で"第3"へ"他団員"を1~3名程度配置する事を提案する。短期間、定期的に別の団の人員と交代するという前提でだ。共通認識として、第3は少数精鋭でありながら目覚ましい成果上げている。その戦術ノウハウを習得し団へ持ち帰り、共有するという"名目"で向かわせるものとする。無論、配置する団員はこの会議の内容を認識しないという前提だ。また、配置された団員には第3の行動を監視という意図は持たないようカモフラージュした題目で観察、記録報告するよう義務付ける。」

ウィルバー「これによりラタリア団長が懸念するライン・オーレット団員への組織内部からの弾圧、ヘザー団長の危惧している客観性を欠いた擁護……双方をカバーできるのではないだろうか。 第3へ配属された他団員は、監視しているという意図は知らないし、我々がこの会議で得た情報も一部のみ秘匿とされている。 定期的に団員を交代することで無駄な情が芽生えることもある程度は緩和できると思うが 」

劉狼「ふむ…それは名案ですな。事実、先日の件で我々には手が回らない事態があったのは事実。第3の構成員については…博士、否…ラタリア団長自身の強い希望があってのことでまかり通ってきましたが、此度の一件で考え直す必要もまたございましょう。複雑な内情も介在しないとなればまた良し。若き団員たち同士、切磋琢磨し合える環境づくりができるのまた良し。いかがいたしましょうか、博士。(ラタリアへ囁くように尋ねる) 」

ラタリア「ん~~~~~~………(一瞬難しそうな顔こそは浮かべるが、前のめりな劉狼の様子を見てそれを無碍にすることもできないと首を傾げた末…)――――わかった。そういうことなら、いいらよ。ただし、派遣団員の書類選考は私が行うらよ。それでいいらね? 」

ルクエス「へぇ…面白いこと言うネ。そういうの、好きだよ、ボクは。ボクとしても許可を出そうじゃないか。(にたにたと口角を上げる) 」

ガトウ「うおおおおおおおおおおおおお!!!羨ましいなああああああああ!!!俺もライオットのとこへ行って一緒に筋トレ生活してえなあああああああああ!!!!(うるせえ) 」

嵐千砂都「団長は対象外なので無理ですよー(ガトウに耳打ち) 」

ウィルバー「ライン・オーレット団員、第3の心身の負担軽減、コンディションの維持にやや偏る。他団員からの監視、潔白の保証という点を効果が薄れる点を認識しているのであれば問題はないと判断する。元より"提案"だ、団長に意見をする気はない。—————副団長の身分で悪かったな、発言の機会に感謝を(そう業務的に淡々と発すると一歩下がり) スン…… (再びどこを見ているか理解できない目に戻る) 」

エドガー「(あいつがこんな喋るの初めて見た……という顔でドン引きしている) 」

マルガレーテ「なるほど。確かにその手があるわね。監視はもちろんだけど、本当にノウハウが持ってこられて戦力増強にもつなげられるかも……。 」

アレックス・ディノ「ウィルバーの言うことには賛成だ。ところでこの俺の作った新型イージス「トダーmark2」の採用をば(諦めない) 」

ルクエス「んまー、もろもろのことは団長のボクが面倒みるからいいとして… うん、じゃあ"そういう"ことにしましょうかね。ラタリア団長。よろしくネ☆(愛嬌のあるウインクを飛ばす) 」

片桐「——————客観的、という観点で言えばうちの団員の配属は疑問が残るなァ……うちはデカが多い、職業病どうしても…… あ っ  (脳裏によぎる氷川さんの謎爆発)………。(待てよ、爆弾を近くにおけるという意味では有力候補なのでは……?) 」

コンラード「(うわぁぁぁまばたき一つしないよこの人!!こわいんだけど!!あれと一緒にいて平気な第9ってなんなのぉ!?) う、うちも呑み込みが早くて自慢なメカニックがいてな!是非とも博士と技術交換させたと思っていたのだよぉー!ぜ、ぜひ書類選考では一発で合格通貨してくれたまえよ!はは、ははははは……(第10にかえりたい……ほかの団こわい……) 」

ヘザー「断る理由は……ありませんね、確かに、今の所利点の方が大きい……私の隊からも何人か書類を出させます(丁度良い隊員……メディックは二人居るけど、片方はアレとはいえ出来れば置いておきたいが……まあ、後で顔を見て考える方が無難か…)トダーってあの変な形の……?」

ティネル「ラタリア、情報共有の方ご苦労であった。ルクエスについても、その件については会議後に詳細事項を記した書類を提出。私の承認を得て決行するとしよう。……さて諸君。今回の議論を踏まえて、我々レギュレイターの新たな課題がいくつも出てきた。今回の件を経て、各団・団長より、今後の方針を発表してもらいたい。 」

ルクエス「(やっべめんどくせえことになった…)(だる) 」

エクレイル「我々第7調査兵団は、管轄対象国の防衛体制の強化を図りたい。陸海空…様々な場所から、いつまた機械生命体が攻めてくるか分からないからな。 」

ガトウ「俺たち第2は、ガジェットの強化に伴う団員の強化育成期間を設けたい。要は…――― 追い込み筋トレだァ!!!!(脳筋アホ丸出し) 」

嵐千砂都「("追い込み"されるんだ…)(だる)……(ま、身体動かすのは好きだから良いんだけど!) 」

セイン「我々、第8調査兵団は、管轄国と連携して引き続きゼレオロス帝国に関する情報収集に当たります。敵の根城と思わる場所を突き止めておけば、対策も講じやすいでしょう。 」

ルクエス「第9は~……あー、そっかあ…第3への団員派遣についての詳細な取り組みを立案してぇ…まあ言い出しっぺだしぃ、その管理をウチで行っていくようにしましょうかねぇ…?(背後のウィルバーに一瞥を与えながら) 」

ウィルバー「 ウィーン (一瞬で再起動し)承知した。これに関しては俺の発言の責任がある。公平性・客観性を考慮し他団長・副団長への情報共有も担当する。(それだけ貸すと再びどこを見ているのかわからないうつろな目に戻る) 」

オアシム「第5調査兵団は、ナノマシンの詮索活動に当たり、首謀者が標的としているポイントのパターンを算出。敵の動向を探り当てる分析活動に入る。 」

コンラード「あー……ん”ん”!(後ろ手を組み胸を張って顔だけキリッとする)我々第10調査兵団は一連の騒動について住民への説明、各報道機関への報道規制、管理を行いレギュレイターの組織としての補強へ注力。これに関しては後程総団長へ確認を行い公開可能な情報と秘匿情報の振り分けを行う所存。以降は兵営設備に点検、他負傷団員へのカウンセリング、医療・食料物資の確認と補強、予算案見直しを行いつつ、戦術共有の場を設け他団と連携しつつ組織力向上に勤しむ!以上! 」

ラタリア「第3は…まあ、これはろっちかという私自身の課題みたいなもんなんらけろ、ガジェットのアップグレードおよびナノマシン「ヘリックス」の治療法を模索する開発作業に徹するら。あとは…うちのライオットのこと、よろしく頼むらよ。 」

アレックス・ディノ「第一、こちらも装備・設備の強化、各員の強化補修に努める。また、現存するイージスを利用してマークされている地点の探索を行う。安心しろ、しくじりはしないさ 」

片桐「あァ……第四はァ……各所警察への連携、民間人の避難誘導生活支援等、そういったウチでなくてもいい公務において助力を得られるよう提供可能な範囲の情報を共有。後はァ………… うちの若いの、こいつらバシリアの極北にでも投げてしばくか、なんか気合入るだろ。いいよなマルガレーテ。その間の雑用お前に投げるが 」

ヘザー「我々第6兵団は、ゼレオロス帝国の調査……潜入も視野に入れて、ゼレオロス領周辺への配備を進めます。レギュレイターの目的は反復《オーバーラップ》への対抗、そして政府隷下として市民を守る事……これを達成する為、博士が後方で調査と研究をしてくださっているのならば、我々に出来ることは前線に立つ事ですから 」

マルガレーテ「いいわけねぇだろ(おこ) 」

エドガー「(団長に丸投げって訳にもいかないな……うちの情報屋もフル稼働するか。"ゼレオロス"内部にパイプがあるかもしれない……望み薄だが……) 」

ヒロ「(第1兵団事務所内)(休暇提案してくれねえかな)() 」

ティネル「……よろしい。総員、各方針に基づき活動に徹しよ。五里霧中であった状況から一縷の希望を見出したが、我々レギュレイターの戦いはまだ始まったばかり。ここからが正念場だ。心して任務に当たれ。以上を持って、団長会議を締めくくる…―――― 解散! 」


―――― ガ タ ッ ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! (10人の団長が起立、彼らの背後についていた副団長もまた一斉に踵を返し、会議室を後にするのだった―――)



─ 第1調査兵団事務所前 ─


ヒロ「新兵〜!マコ来たら狼煙あげて〜、俺キャッチボールしとくから(その辺にいた兵士にそう言い、ミアとキャッチボールを始める) 」

エドガー「ザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッザッ(ヒロに託を受けた兵士の近くまで早歩きで近寄り肩を掴む) マコトはヒロがいないと暴走する可能性がある。奴が来たらわかるな?  そ の ま ま 会 わ せ て お け (すんげえ剣幕でそいうと、真顔に戻り兵士の肩を叩き)よし、パン屋いこ…… 」

ヒロ「……起きてくるまでの肩慣らしとはいえ、バレたらまた大変なことになるからな…!(ミアにボールを投げる) 」

ミア・テイラー「ふぁぁ…(ボールをキャッチ)流石に寝てる間にキャッチボールしてるのバレたくらいでそんな暴力とか振るったりしないだろ…(ヒロにボールを投げ返す) 」

ヒロ「まぁ、それもそうだなー…(ボールをキャッチ)……(おや?)(ふと開いた窓が目に入る) 」

ミア・テイラー「………どうした?早く投げなよ(ヒロの様子を見て) 」

ヒロ「…………いや、あそこ窓開いてたっけって思って… 」

ミア・テイラー「えっ、いやこんな時期に開けっぱなしにするやつなんて……あっヒロ後ろ! 」

マコト「(新兵を振り切り、超高速でヒロに迫る)兄貴いつからそんなことするようになってん!!!(思いっきり助走をつけてヒロに飛びかかり、馬乗りの状態になる)薄情もの!何で起こさなかったぁー!!(そのまま引き摺り回す) 」

ヒロ「(うそだろぉ〜?)新兵ちゃんと狼煙あげろy…上がってない(引き摺り回される) 」

ミア・テイラー「(思ってたより8000倍キレてる…)落ち着け、こんなところで揉めるな!(マコトを取り押さえて止めようとする) 」

鬼塚夏美「にゅふふー、今日もやってますの〜(物陰に隠れて様子をスマホで撮影している)"第1兵団、崩壊!?"なんて見出しをつけたら再生数が上がりそうですの… 」


第5調査兵団・オペレーター ――― 『 鬼塚夏美 』


マコト「離せぇ!そもそもお前g…(NT音)(ミアを振り払い、夏美のいる物陰に飛び込む) 」

ヒロ「………(よくわからんけど今のうちに逃げるか)(マコトが物陰に飛び込んだのを見てそそくさと逃げ出す) 」

ミア・テイラー「……部屋戻るか(部屋に戻っていく) 」

マコト「まったく、盗撮なんて悪趣味な……(物陰から出てくる)………あれ、お兄!?……あっちか!(ヒロの逃げた方向に向かって走り出す) 」

鬼塚夏美「うぅ、酷い目に遭いましたの…戦闘員なだけあって襲われたら勝てませんの…(泣きながら立ち上がる) 」

桜小路きな子「大丈夫っすか?うちの兵団であの人達と渡り合えるのは団長と副団長とメイちゃんしかいないから無理は禁物っすよ…(夏美の手当てをする) 」


第5調査兵団・メディック ――― 『 桜小路きな子 』


鬼塚夏美「私だって闘おうと思って闘ったわけではないですの…(手当てを受けながら) 」

若菜四季「兄が絡む時の第1兵団のマコトの戦闘力は計り知れない(謎のメガネをかけたまま栗オーレを飲んでいる) 」


第5調査兵団・メカニック ――― 『 若菜四季 』


米女メイ「盗撮バレてボコボコにされるって何やってんだよ…他兵団にあんまり争い事を持ち込むなよ(歩いてくる) 」


第5調査兵団・戦闘員 ――― 『 米女メイ 』


腹筋崩壊太郎「YAーーーーーーーーーーー!(四人の間に割り込む)ダメじゃないかー!!筋肉を鍛えないとすぐにぼろぼろになっちゃうよーーーーー!力こそパワー!!!さぁ、今からみんなでトレーニングしよーーーー!!POWERーーーーーーーーーーーーーーー!!! 」


第2調査兵団・戦闘員 ――― 『 腹筋崩壊太郎 』


米女メイ「な、なんだ!?(腹筋崩壊太郎を見て) 」

桜小路きな子「な、なんすかぁ~!?‘(トレーニングに参加させられる) 」

腹筋崩壊太郎「椅子なんてものを発明するから、人間の足腰は退化していくんですよ!スクワット1万回はじめましょー!YAーーーーーーーーーー! 」

鬼塚夏美「なんでこんなことに~(泣きながらスクワットしている) 」

若菜四季「Heavy…(スクワットをしている) 」



― 居酒屋 ―





ラタリア「 び え え ぇ ぇ ぇ え え え ん ! ! ゚(゚`ω´ ゚)゚(号泣しながらどでかいビールジョッキを小さい両手で抱えてぐびぐび飲んでいる) 」

ライオット「………(幼女がデカいビールジョッキを持ち上げ豪快に飲酒してるという絵面的にアウトな一面に唖然とする)……はかせ、団長会議から帰ってきてからずっと泣いてんだけど…なんかあったの……??(汗) 」

劉狼「……大人には大人の事情というものがあるのだ。察せられよ。(ラタリアの隣に座って宥めるようにその小さな背中を摩る) 」

アサギ「ちゃー……アレっすかね…?またいつもみたいに子ども扱いされて全然話取り合ってくれなかったとか…すかね…?(泣き上戸なラタリアを他所目に、気まずそうにカシスオレンジをちびちび飲み始める) 」

ラタリア「ううぅぅっ…はかせらってぇ…ぐずっ、立派な大人なんらよぉ…!?責任の一つや二つくらい、もってみせるらよ…?それなにぃ…みんなしてはかせのことを…ぴえぇぇぇええ~~~~!!(脳内にて、団長たちが怖い顔をしてラタリアをイジメているという、子供が落書きしたようなテイストで描かれた構図が広がっている)」

ラタリア「自棄酒だバカぁぁぁぁ~~~~!(グビッッッッッッ)ダァンッ――――生お替りッ!!!あとそこのアルバイト!今お前の顔を見るとすっごいイライラするから他の店員に持ってこさせるら!!! 」

はらぺこあおむし「 (だる) (居酒屋でハロウィンのアルバイトをしていたがすごすごとバックヤードへ戻っていく) 」

ライオット「 ダメだこりゃ (呆れ顔)…てか、結構長い時間かかってたけど…どういうこと話してたんだ?まあ、だいたいは察しつくけども…(他ならない自分のことも含まれているだろうと委縮しながら) 」

劉狼「貴殿等が気にすることではない。それよりも、後日二人には重大な話がある。今は…(泣きべそかきながら飲酒しているラタリアを一瞥)……その話題に触れないでおこう。して、貴殿らは充実した休息を堪能していたか? 」

ライオット「え?あ、あぁ……うん。まあ、楽しかったよな…な?(アサギにコンタクトを送りながらお通しの酢の物を口に運ぶ) 」

店員「ヘェイお待ちぃ~!!!解放丼でぇ~す!これな店員からのサービス(ラタリアの前に醤油ダクダクの丼を置く) 」

アサギ「めちゃ楽しかったっすよ♪学校のバンドメンバーでライブしてぇ~、打ち上げで朝まで飲んでぇ~、二次会にカラオケしてぇ~…なんか大学生のノリみたいな?あ、ていうかリアルJDなんすけどね、うちら。(愉快に笑う) 」

ラタリア「ううぅっっ…しょっぺえ……うめうめ……(ぼろ泣きしながら丼を喉へ流し込んでいく)えーーーー!?はかせもカラオケに打ち上げいきたかったーーーーー!いいないいなー!若いっていいなーーー!はかせなんか…もう辛くて辛くて……大人になんかなりたくなかったら……園児に退化したいら……(ずぶずぶ沼っていく) 」

アサギ「 (だる) (やっべキラキラした話題もNGじゃん…)(えっと、あのーと話題を無理矢理変えようと目くばせする)あ…!そ、そうだ!!はかせー!今度回転寿司行こうって先輩と話してたんすよ!よかったらぜひ一緒に!師匠も入れて四人で、ね…!? 」

ラタリア「おーーーーーー!✨(嬉し泣き)おしゅし!!!はかせ、おしゅし、だーーーーいすき♪ もちよもちよ!絶対食べに行くらよ!回らないおしゅしも回ってるおしゅしも大好きなのら!!ぃよーーーし、今日は今日でたくさん飲むぞ~~~!お前も飲むらよりゅーらーん!(劉狼の頬にビールジョッキをぐいぐい押し付ける) 」

劉狼「いえっ…拙僧は下戸故…酒は飲めませぬ…(丁重に断ろうとするが…) 」

ラタリア「るせー!上司の酒がいただけないってかー!(無理矢理飲ませる) 」

劉狼「いえ!そういうことではなkウボボボボボッ(口内へぐびぐび注がれる) 」

ライオット「ちょ、待て…!確か師匠に酒を飲ませると…(表情が青褪めていく) 」

劉狼「アオーーーーーーンッ!!!(アルコールを摂取したことで自我を失い、獣としての本能を剥き出す。そのまま向かい席のライオットへ涎を撒き散らしながら「襲う」) 」

ライオット「理性を失って「発情」するって――――うわあああああああああああ(「襲われる」) おおおおおおいやめてくれえええええ!!!このままだとヤバいって!!!はかせ!!例の薬!!はやく!!! 」

ラタリア「ほーん…?ああ、気持ちよくなるお薬ならここにあるらよ~(ぽえ~)(すっかり泣き止んだ朗らかな表情でビールジョッキを差し出す) 」

ライオット「アルコールのことじゃねえよ!!!!!おいアサギ!!はかせからあの薬取ってこい!!! 」

アサギ「…先輩と師匠の人間×人獣CP… ヤバ…これはこれで、滾ってきそう…❤(ハアハア)(※「腐」の感情駄々洩れでそれどころじゃない) 」

ライオット「お前まで発情してんじゃねえよ!!!!うわーーーーーー誰か助けてくれーーーーーーー!!!!! 」


そのあと、なんやかんやあって南瓜頭の店員によって事態は収まりましたとさ―――



― 第3調査兵団・事務所 ―




劉狼「―――さて、本日のミーティングだが、先日口にした重要な話について、だ。まずは、貴殿等に紹介したい者たちがいる。……入ってきなさい。 」


ザッ、ザッ、ザッ…―――――(劉狼の紹介を経て、事務所に数人がぞろぞろと入室してくる)


劉狼「――― この度、レギュレイターに新たな制度として「団員研修配属制度」を設けることとなった。 」

ライオットアサギ『だんいん、けんしゅー、はいぞく、せいど……???(第3メンバー以外の顔ぶれの登場に驚く中、劉狼が口にした聞き慣れない用語に、二人とも首を傾げる)』 」

ハロ「ハロ!ハロ!ケンシュー!ハイゾク!ハロ!ハゲ!ハロ!(ピョコピョコ跳ねている) 」

ヴァニタス「—————第3は少数精鋭。指で数える限りの僅かな人数でありながら目覚ましい成果を上げている(事務所の窓枠に飾られた過敏を眺め背を向けながら、団長の誰かを意識したドスの利いた声を発し)……なーんてっ 噂になってるんですよ。これから"模範"になるんですから自覚持ってくれませんか、センパイ方?(くるりと軽い足取りで踵を返し方をすくめ微笑を浮かべる) 要するに、センパイ方と一緒に短期間お仕事して真鍋って制度ですよ 」

バンレッジ「入って良いか?(筋骨隆々とした身体に救護衣、軍規格のボディーアーマーを装着した男が、軽く一礼しながら現れ)知っているとは思うが、第6兵団メディック……バンレッジだ。暫く世話になる……少数精鋭で活躍する君達に後れを取らない様、精進させて貰うつもりだ、よろしく頼む 」

桜小路きな子「だ、第5調査兵団から研修で参りました!さ、桜小路きな子っす…!!よ、よろしくお願いするっす…!(がちがちに緊張しながら敬礼) 」

劉狼「見聞を深める為に他部隊に短期移籍することができるというものだ。先日の大規模襲撃事件の反省を受け、第9調査兵団の提案の基、総司令官の承認を得て正式に取り組まれることとなった。 皆のもの、しばしの間だがよろしく頼んだぞ。(研修員たちに) 」

ハロ「ハロ!ハロ! ハロハモトカライタダイサンタントウノハロダ!ヨロシクナ!ヨロシクナ!ハロ!ハロ! 」

アサギ「い、いきなりっすね…(・・;) うーん…でもまあ、確かにあの時は他の部隊に応援要請できないくらい余裕なんて全くなかったから、人手が増えることは助かるっちゃ助かるんすけど…(目の前に並ぶ研修員たちに委縮したのか、ライオットの背中に隠れる) 」

ライオット「いいじゃねえか、アサギ。せっかく来てくれたんだ。歓迎してやろうぜ。ライン・オーレット…気軽にライオットって呼んでくれ。よろしくな!(研修員たちに気さくな笑顔を向ける) 」

アサギ「あー…えと、胡桃田浅稀っす… よ、よろしく~…ははは~…(ぎこちない笑みでご挨拶) 」

ヴァニタス「あ、自己紹介する流れでしたか。第10調査兵団所属戦闘員、ヴァニタス・クライム。士官学校から出向の飛び級生ですねー、どうぞよろしくー(模範的な敬礼をしたかと思えば軽く手をひらりとふり) いやー興味あったんですよね第3!センパイ方のお話はかねがねって感じで夢のようなお話だったんで団長に無理言って押しかけてしまいました、短い間ですがお世話になりますーっ 」

桜小路きな子「ひ~…!><(夏美ちゃんもメイちゃんも四季ちゃんもいない…私一人だけ離れて研修って…うぅっ…やばい…緊張で、お腹が……こんなことなら、朝から牛乳飲んでくるんじゃなかったっす…) 」

劉狼「博士…否、ラタリア団長は研究開発に勤しんでいるが故、今は席を外している。よって、今まで通り拙僧が研修員たちの指揮を執る。よろしく頼むぞ。早速だが、貴殿等にはある任務に当たってもらう。先日、ラステルム城下街のとある自治会より、我々レギュレイターに応援要請が入った。内容は、追って現場で聴収せよとのこと故、拙僧にもその詳細は分からぬ。反復現象に関する事件の可能性も否めない。よって、これを引き受けることにした。 」

ハロ「ハロ!ハカセ!シゴトネッシン!ハゲトオナジ! ハロ!ハロ!ワカラナイコトガアッタラキイテイイゾ!ハロ! 」

アサギ「研修員を交えての任務っすか…てか、内容聞かされてないって、どうなってんすかねー…。 」

バンレッジ「……(うちの隊長が俺を指名した時には大分思う所があったようだが……恐らく隊長会議でラタリア隊長と何かあったんだろう、状況的に……)劉狼副隊長、ライオットくん、アサギくん、だな…短い間になるだろうが、世話になる 」

バンレッジラタリア隊長は多忙と聞く。致し方ないだろうが……分かっているのは場所だけか。とにかく現地で直接……機密に振れる可能性もあるな 」

ヴァニタス「んー……… あらら、ひょっとして皆さん緊張してらっしゃいますか? ロボットが反逆を訴えるほどのプレッシャー、ゼペット爺さんも涙を禁じえませんね可哀そうに(清潔な布でハロのボディを拭きながらきな子に暖かいボトルのレモンティーを渡し、バンレッジと強引に握手) 各団隔たれてますが同じレギュレイターなんですからっ、こうして親睦を深める機会に恵まれたのは望ましい事じゃないですか、そうそう!ご飯食べに行きましょうご飯、食卓って面白……  楽しい場ですからすぐ打ち解けますよー! 」

ハロ「ハロハロハロハロ…(研修勢に続いてもう一体ハロが転がってくる)オレハハケンサレタガワニツクハロダーヨロシクナー 」

ライオット「ま、行きゃあなんかわかんだろ。賑やかなのは嫌いじゃないしな。任務が終わればここにいるみんなで飯食いに行こうぜ。飯代は経費で落ちるだろうから問題な……ハロ増えてね??? 」

劉狼「ただいまより、研修員を含めたこの第3調査兵団で、現場へ直行する。万が一に備え、各自準備を怠ることなかれ。では、15分後に再びここへ集合せよ。各自出動準備に当たれ。 」


新たに配属された研修団員を交えての任務に向けて、準備を整えた第3調査兵団は現場へと向かうのだった―――



― ラステルム王国・城下街・自治会本拠 ―


自治会長「んんんんんんん~~~~っ!いやいやいやぁぁぁぁ~~~、よぉぉぉぉぉく来てくれたねぇぇぇぇ~~~!待っていたよぉぉぉぉぉぉおん~~~~!(くっそ甲高い声をしたちょび髭の中年男性が、猫を抱きかかえて第3調査兵団の面々を迎え入れる) 」

猫『 \ ニャー!/ \ ゴロゴロ… / \ ミャ゛ァ゛ァ゛ァ゛ーッ! / \ ダマレ コゾウ !オマエ ニ アオムシ ガ スクエルカ !? / \ ミャァ~ン! /(広々とした室内には、101匹わんちゃんならぬ100匹のネコちゃんが所せましに存在していた)』

アサギ「うっはー……なんすこれ、やばいっすね(「おー、よしよし」と近寄ってきた一匹を抱きかかえる) 」

ライオット「……フッ、なるほどな、だいたい読めたぞ。今回の任務はつまり、我が僕(しもべ)となる召喚獣との邂逅…その契約を結ぶというものだな…!(キリリッ)(数匹のおネコにもみくちゃにされながらソファに座っている) 」

劉狼「………(何故か自分の周囲にはネコがおらず、狼故か避けられているものだと察する)……して、自治会長殿。今回、どのようなご依頼を…? 」

桜小路きな子「わぁ~~~♪可愛すぎるっす~!ここは…天国っすか~~~~?✨(先程までの緊張っ館が嘘のように吹き飛び、寄り添ってくるたくさんの猫に癒されている。体質故か、はたまたそのような引き付けるオーラがあるのかどうかは不明だが、どの猫もきな子に対してだけは異常なほどに懐いている) 」

バンレッジ「……随分沢山の猫が居られますね……(野良では無いだろうから衛生面で問題は無いだろうが…)(劉狼の後ろで直立し) 」

ハロ「バカ!ヤメロ!コロガスナ!アーーー!!!(大量の猫にわちゃくちゃにされている) 」

ヴァニタス「えぇ……………………(びっくりするぐらい猫が寄り付かない) あのこれ……101匹目を探してくるとかじゃないですよね? 」

米女メイ「はわわぁ〜、たくさんの猫だぁ〜(窓から覗き込んでる) 」

鬼塚夏美「………ここに来ている理由を忘れないでほしいですの(横目でメイを見ている)きな子が心配だからと言って様子を見にきましたのに…(カメラ片手に覗き込む) 」

ニャオハ「( だる )(100匹猫ちゃんに紛れているが自治会長に干されているため立てない) 」

自治会長「んんんんんんんーーーー!よぉくぞ聞いてくれたねぇぇぇ~~~~!じぃぃぃつはねぇぇぇぇ~~~! せぇぇぇんじつの大事件で、うちの可愛い愛猫の「チミーちゃん」が行方不明になってねぇぇぇぇ~~~~!その子をなんとしても探してほしいのよねぇぇぇぇl~~~~!(どさくさに紛れて「その通りだよぉぉぉぉぉ~~~~~~~ん!」とヴァニタスに零距離で近寄ってくる) 」

劉狼「     は?      」

アサギ「     え?      」

ライオット「     あ?      」

バンレッジ「(無言で頭を抱え) 」

ハロ「フザケンナヤメロバカヤメヤメアーーーーー(猫に妙に懐かれ、寄ってたかってペシペシされている) 」

劉狼「………そ、そういう御用件でございましたか…!💦( うそだろぉ~? )(呆気取られながらも頷く)なるほど……か、かしこまりました…我々で良ければ、謹んでお受けいたします…( だる ) 」

アサギ「( うそだろぉ~? )(えっ???まさかあたしらに飼い猫の捜索をさせる気っすか???それを引き受けるって正気っすか???警察とかに任せとけばよくないっすか???てかこんなにいて1匹いなくなったとかわかるもんなんすか???あと一匹うちで貰ってもいいっすか???)(ライオットに耳打ち) 」

ライオット「( うそだろぉ~? )(上の命令でここに来るよう言われたんだからしょうがねえだろ!師匠だって唖然としてんの、顔見ればわかるし…。確かになんで俺たちがこんなことやらされなきゃなんねえんだ。あとあのおっさん(自治会長)絶対記憶力バケモンだから盗んだら即バレんぞやめとけって)(小声でアサギに) 」

ヴァニタス「(ちくわ大明神(紛れ込む誰だこいつ) まあ" 調査" 兵団ですからね……そういうあれと認識された可能性ありますね……) 」

若菜四季「猫探しみたいね(医者がつける聴診器のようなものを壁に当て聞いている)きな子ちゃん1人でも問題ない気がするけど… 」

自治会長「こぉぉぉぉ~~~の子がウチの自慢の愛猫のチミーちゃんだよぉ~~~~~~ん!(「Chimmy」の名前が掘られた青い首輪をしたロシアンブルーの猫の写真を劉狼に差し出す)私はこう見えてとぉ~~~~~~~っても忙しんだ!だぁから是非とも君たちに協力してほしいんだよぉぉぉぉぉぉ~~~~ん!よろしく頼んだよぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~ん! 」







劉狼「―――……と、いうわけだ。これより、自治会長の飼い猫の捜索任務にあたる。 」

ライオット「マジで引き受けんのかよ…( だる )まあ、流石は自治会長だな…謝礼はたんまり貰えるみたいだし…。ここ最近は反復現象に関する事件は起きていないみてえだから、小遣い稼ぎにはちょうどいいだろな…。 」

劉狼「如何なる任務とは言えど、油断することなかれ。先日の襲撃事件を境に行方不明になった猫だ。猫も人間と同じく反復現象に陥るケースもある。その被害を被っている可能性も無きにしも非ず。総員、慎重に任務に取り掛かるのだ。 」

ライオット「師匠は相変わらず生真面目が過ぎるというお堅すぎるというか… はぁ…わーったよ。(やれやれと溜息をつく) 」

桜小路きな子「任せてくださいっす!動物の気持ちなら誰よりも理解できる自信があるっすから、その辺の猫ちゃんやわんちゃんに聞いてみるっす!くぅ~~~っ…!私、調査兵団で初めて大活躍できそうな予感がするっす…!(気が付けば自信満々に満ち溢れていた) 」

アサギ「めちゃくちゃ好待遇なバイトだと思ってやればいいっすよ~。(すっかり腑抜けている)あわよくばその猫ちゃんを餌付けしてあたしたちから離れられなくして、しゃーなしであの自治会長から譲ってもらえれば万々歳っす。はかせも猫好きだからきっと喜ぶっすよ。 」

バンレッジ「………うちの隊長が渋る訳だ……ゴホン、確かに、猫が中心となって反復現象が発生しているケースは十分考えられる。可能な限り猫は捕獲だな 」

ヴァニタス「自称とはいえ101匹の猫を管理していて、内1匹が消えるわけですからね……イレギュラーにはイレギュラーですが。 とりあえずこの子を囮に使いますか(それとなくハロを持ち上げながら) 」

劉狼「自治会長殿は避難誘導を受けていた際に101匹のネコをまとめて引き連れていたようだ。( うそだろぉ~? )対象の飼い猫が行方不明になったのはその道中。即ち、先日の襲撃事件にて我々レギュレイターが避難ルートにしていた、このBブロック区域の何処かにいる可能性が高い。拙僧は自治会本拠周辺を詮索する。貴殿たちは、ここから離れた箇所での捜索を頼む。何かあれば早急に連絡せよ。(「それでは任務開始」と片腕を上げる) 」

ハロ「ハロ!ハロ!(ピョコピョコと跳ねるとそれに集まるように人数分のハロが現れ)ニンブウブン!ヒトリイチダイ!テワケスルナラソレゾレヒトリイチダイ!ナニカアッタラスグニレンラク!ハロ! 」

バンレッジ「……避難時に全匹同時に引き連れていたのか……確かに、避難ルートをたどるのが良さそうに見えるが……そうだな、ハロを使うのは良いかもしれない……後は……マタタビが欲しいな。狭い所を重点的に、そして匂いで寄せられれば猶更良い 」

ライオット「へいへいへ~~~い。(間の抜けた返事をして踵を返す)とはいってもだなぁ~~~…楽な任務とはいえ、、そう簡単にその飼い猫が見つかるもんなのかよ。(予めスマホに写しておいた対象の飼い猫の写真を見つめながら) ……まあやれるだけやってみるか~…。マタタビ…なるほど、道具を使うのもいいな。おいアサギ、お前はどっから攻めるんd―――(そう尋ねようと彼女の方へ振り返る) 」




アサギ「 にゃ? (ライオットが振り返った先に、猫耳カチューシャを付けた後輩がいる) 」

ライオット「………なにしてんの…?(啞然) 」

アサギ「あ、これっすか?さっきあの自治会長が「んんんんんん~~~~!チミーちゃんは可愛い女性に懐きやすいからねぇぇぇぇ~~~~!こぉぉぉぉぉれを付けていくといいよぉぉぉぉぉ~~~~ん!」って言って、貸してくれたんす。どっすか?似合ってます?(にひひと笑いながら猫耳を強調するように全身を左右に揺らす) 」

ハロ「ハロ!ハロ!(二回飛び跳ねてコロリと転がって)ヒロ。(口をパカっと開いてそこからヒロを模した人形を飛び出させる) 」

ヴァニタス「   (うわ。)  (と言いたげににっこりと笑いつつアサギから目を逸らす) 前回の避難の時から……なら相当お腹空かしてそうですね。マタタびは確かに効果的……おっと(ふと視界橋にコンビニが映る) ちょっと失礼 \ファミファミファミ~ファミファミマ~バブー アザッシター / (数分でレジ袋を人数分ひっさげ戻ってくる) マグロ、ご期待ください(ドスの利いた声)お刺身買ってきました、ご飯で釣れば生き物なんてだいたい寄ってくるでしょ畜生……   にゃんこなんだし? 」

ライオット「そんなんで見つかれば苦労しねえよ……(額に手を当てる)お~!良いチョイスだ!ありがとな!(ヴァニタスから刺身を受け取る) とりあえず俺はこの中央公園ってところへ行ってみる。(マップの図面を指し示し、自分の分のハロを右肩に乗せる) 」

バンレッジ「(ハロを一台手に持ちながら)……猫耳か……相手が動物である事を考えれば、多少なりとも見た目を彼方に寄せるのは良い手かもしれないが……(苦笑いしながらアサギ達を見) 刺身……買って来たのか……だが助かる、これなら猫も反応するだろう 」

アサギ「刺身ー!なんかお寿司食べたくなってきたっすね…あでもでも、お寿司は博士と四人で行くって決めたから、それまで我慢っすね。えっとじゃー…あたしは避難ルートにも重なってる、この学園の通学ルートを辿るっす。ガキんちょから聞いてみるのもいいかもしれないっすからねー。 」

桜小路きな子「きな子は、商店街通りに行ってみるっす!こういうところには野良の動物がたくさんいるはずっすから、その子たちの声を聴いてみるっす!(いつもの一人称に戻ったあたり、すっかり緊張感は解れたようだ) 」

ヴァニタス「いえいえ、凡策なので効果は保証しませんよ  それじゃあ僕は近隣の団地、マンション街を当たりますかね。独り身が多そうな場所で地域猫なってるかもしれませんし。まあ商店街が一番確率高そうな気がしますが(ひらりと手を振って面々を見送り、自分も踵を返して歩き出す) 」

バンレッジ「……おや、この辺り……住宅地を通って居るな、俺はそこに向かうとしよう、何かあれば連絡をくれ 」

ライオット「おっしゃ!じゃあ、行きますか~~!(各々が決めたルートへと踵を返し、一時解散するのだった―――) 」



一方、第1兵団事務所内…


ヒロ「あぁ〜…(ポテチがプリントされたクッションを真上に放り投げながらソファーに寝っ転がっている)あー、俺もあっち行ってみたかったー… 」

ミア・テイラー「まーだ言ってる(片膝を抱えながら椅子に座ってスマホをいじっている)マコトに聞かれたらシメられるぞ… 」

ヒロ「うーん、そうなんだよな。純粋に気になってるだけなんだけどな…(ゴロゴロと転がり)………どんな感じか第3兵団とこ行って見てみるか? 」

ミア・テイラー「………本気か? 」

ヒロ「なぁに、ちょーっと様子見に行って戻るだけだ。今あいつ遠めの店まで買い物に行ってるからもうしばらくは戻ってこないし…行ける行ける… 」

ミア・テイラー「………ボクはいいや。作曲でもしてる(部屋から出ていく) 」

ヒロ「…ん、そうか…?まぁ、俺1人で行くか… 」



― ラステルム王国・中央公園 ―






ライオット「ほぉ~~~~~れ、チミー。飯だぞ~~~~~。(ヴァニタスが用意してくれたマグロの刺身を構えて待ち伏せているが、一向に現れる気配がない)……………なんか虚しくなってきたしこれ食ってもいいかな?……あ、でも醤油ねえじゃん。お箸もねえ。詰んだわ。(オワオワタン♪)(白目で撃沈) 」


ニ ャ ァ ~ ォ … ! (そんな中、中央公園を象徴する噴水広場から和むような猫の声が聞こえてくる)


ライオット「――――おっ (人生詰んだ(?)と思われた次の瞬間、ようやく聞こえた猫の声に振り返る)………いやいやいや~。そんなまさかだろ。狙った飼い猫が都合よくいるわけが…――――(そう言って噴水の方へと覗き込もうとするが…) 」




茶髪ボブの少女「お~~~よちよちぃ~…♡ 愛いのう、こいつめ~♪(ライオットの視線の先には、第3調査兵団に捜索を命じられた猫――チミーと、噴水広場でたわむれる少女の姿があった) 」

ライオット「……なぁんだ…別の飼い猫か…(てっきりその猫が少女のペットだと思い込んで踵を返そうとするが……)……ん、ちょと待て。確かあの猫の特徴って…(スマホに撮っていた対象の猫の写真を確認し、遠目に少女と戯れているそれと見比べる)……灰色…青い首輪……んでもって…―――(そろりそろりと少女の後ろへ回り込み、覗き込むように猫の首輪の名前を確認する)――――――だぁーーーーっ!!やっぱりそうじゃねえか!!!(最後にチミーの名前が掘られていることを確認し思わず大声を上げてしまう) 」

茶髪ボブの少女「ひょえぇ!?(背後から上げられたライオットの大声に、漫画のように目を白黒させてビックリ仰天) び、びっくりしたぁ~……なあに? 近くで急に大声を出さないでよぉ――――(「猫ちゃんが驚いちゃうじゃん」と、ぼやきながらライオットの方へ向き直る。そして今度はかすかに息を呑み、目を丸くする)(この人は――――)………えへ~。あたしと、この猫ちゃんに何かご用か…にゃん?(わずかに白い歯を見せて笑み、チミーを抱き上げながら) 」

ライオット「…あ、ああ……悪ぃ…!💦(ばつが悪そうに後頭部を掻きむしる)あ~~~…その、あれだ。その猫を探すように依頼されてんだよ。なんかすげえ猫好きの会長さんからなんだけどさ…ほら、そいつの首輪…(ロシアンブルーの猫を指しながら)……(汗(「にゃん」って…アサギみてえなことすんな… アイツと歳も近そうだし、なんかそう言うのが流行ってんのか…?) 」

茶髪ボブの少女「あれま、この猫ちゃん迷子だったんだ~……たしかに、外猫にしては毛艶も良いし……(まあ、すぐに返して彼とサヨナラすべきなんだろうけど……)……あ~でもチミーちゃん、まだあたしと遊びたいって。ね~っ♪(一瞬の思考の末、ただのいたずら心に彼を困らせてみることにした少女の声にチミーが「にゃ~」と同調する) ねえねえ、返してほしい~? ど~しよっかな~?(抱いたチミーをなでこなでこしながら) 」

ライオット「ぬぐ……(少女の悪戯な笑みに口元を引き攣らせる。猫も猫で彼女に懐いている為、邪険に返してもらうわけにもいかないと眉間をしわを寄せた結果…)…わーった、わーった!もう少しだけ付き合わせてやるよ…ったく…(参ったと言わんばりに頬をポリポリ搔きながら辺りを見渡し、何かを見つけて「おっ」と声を漏らす) 」

ライオット「…ちょっと待ってな(そう言うと駆け出した先には自動販売機。しばらくして飲み物を二つ手にして彼女のところへ戻ってくる)……ミルクティーとコーラ、どっちがいい?まあ、その…見つけてくれたお礼だ。受け取ってくれよ。(ペットボトルを二つ、彼女に差し出す)お前はこっちだぞ~…(そして猫にはコンビニ袋から取り出したマグロの刺身をタッパーごと地面に置いて食べさせる) 」

茶髪ボブの少女「えへへ~♪(困った様子のライオットがおもしろく、楽しそうに歯を覗かせる) あっ、……ご、ゴメンね。タカろうとかそんなつもりじゃなかったんだけど……じゃあミルクティー、いい?(さすがに申し訳無さそうにし、差し出されたミルクティーのペットボトルを指差して受け取り、「ありがと~」と笑顔で) おやおや~、ゼータクなやつめっ。お刺身なんて羨ましいぞ~?(ライオットがタッパーを置いたと同時に、抱いていたチミーを降ろしてマグロの刺し身を食べさせる)ほら、お食べ~ 」

茶髪ボブの少女→リベル「……ね、あたしは『リベル』っていうんだけどさ。こうして出会ったのも何かのご縁だし、キミの名前も教えてくれない? 」

ライオット「気ぃすんな。実際、まさかこんな形で猫が見つかるなんて思わなかったからな…それに謝礼ももr…ゲフンッ…と、とにかく、見つかってよかった…! おうっ(ミルクティーを差し出し、そのまま二人で付近のベンチに座り込む)俺か?ライン・オーレット―――「閃光のライオット」とは俺のことよ。(フッ…と"寒い"笑みを零す)……リベルか、よろしくな。この辺に住んでんのか?(大好物のコーラの蓋を開け、ぐいっと一口飲む) 」

リベル「「閃光のライオット」……あ~~……!(「そっち系の人か~…!」と、おっとりした顔のまま全てを理解(?)する) うん、よろしくね~閃光の……あ~、ライオットくんでいいや~(糸目わはー顔になりながら)ううん、ちょっと遠くから……観光?みたいな?(ミルクティーを飲みながら)街並みがキレイで素敵なとこだよね~……キミこそ、この辺りに住んでるの? 」

ライオット「ちなみに、この名前が付けられたのには深い理由があってな…そう、あれは俺が中学生二年生の頃だった…俺はあの時――――あ、俺??(厨二全開なシリアス顔で語り出そうとしたところに尋ねられ間の抜けた顔になる)いや…俺も実はこの街の人間じゃねえんだ。出身は南のハナユラって町の…まあ、田舎なとこだなー…。政府の士官学校入学を理由に都会へ上陸し、んで今はわけあってこの王国に駐屯してるわけだ。 」

リベル「(話を遮れてよかった……)(と内心ホッとしたリベルであった)へ~……政府の兵士さんなんだ!かっこい~じゃん~(感心したようにぱちぱちと拍手し)ま、最近はちょっと……色々物騒だもんね。政府の兵士さんが駐屯してるのも頷けるかな……(ん…… …… ……。)―――そんな兵士のライオットくんから見てさ、この国の治安は…どう?やっぱり何人かでパトロールとかしてるの?(横髪を指でさわり、なんとなしに視線を右上にやりながら) 」

ライオット「そうだろう?かっこいいだろ、俺( なんやそれ )んまー、そうだな…この間だってえらい目に遭ってな…内心マジでやべえなと思うくらいには… けど、心配いらねえぜ。なんたって「俺たち」がいる。俺たち「レギュレイター」がいる限り、何者の手にも汚させはしねえよ。……ああ、俺が所属してる組織の名前だ。イカすだろ?この俺に相応しいネーミングだと思うんだが。(リベルとは対照的に、眼下にいる猫の食事に目を向けている)」

リベル「(「俺”たち”」……「レギュレイター」……)…うんっ、ちょーかっこいいと思う!テレビのドラマで見る、特殊部隊みたいな感じでさ~……ねぇねぇ、他にどんな人がいるの?会ってみたいな~……言わば街のみんなを守るヒーローでしょ? サインとかもらえたらさ、皆に自慢できそうだと思わない?(ずい、とベンチに手をついて前のめりに身を乗り出して顔を近づけ、上目遣いにライオットを見上げる) 」

ライオット「だろだろっ。戦隊ヒーローとか、特殊部隊のそれみたいで―――― うおっ!?💦(急に前のめりになって距離を近づける少女に困惑し「えっと…」と上目遣いに目を泳がせる)そ、そうだな…たくさんいるぜ。全部で10部隊いてな…この間新設されたばかりだが、切りよく10だ!まあ、中でも俺の部隊は他に比べて少数勢力でな…この間も、凡そ人手不足が原因でどえらいことになって…今日なんか、その埋め合わせとして他の部隊のやつらが派遣されて来てさ…なんか、慣れないことばかり起きて大変だわ…(んぐんぐとコーラを飲んでいく) 環境の変化?って奴か。急に変わると落ち着かねえもんだろ?」

リベル「(「レギュレイターは10部隊で構成」……「俺の部隊は少数」……「人手不足解消のため他部隊から派遣」……「それもたった今日」……)…へ~、ライオットくん大変だったんだね~……確かに、慣れないことが起きると疲れちゃうよね。環境の変化は特に~……あたしもちっちゃい時、お引っ越しとかでクタクタになっちゃったっけ。懐かしいや……(自身の過去を視るかのように目を細め、チミーの背をゆっくりと撫でる)―――さて!イタズラで引き止めちゃってごめんね。旅先で年が近い男の子とお話できて、良い思い出になったや(ベンチから立ち上がり、く~っと伸びをする) 」

ライオット「引っ越しか…わかるわかるぞ、俺もまあ…人生ではさっき話した二回くらいの移動しかした事ねえけど、ダルいもんだよなぁ…(ふと公園の時計台が目に入ると「うげぇ」と絶句する)…っと、悪ぃ…!そろそろ集合時間なんだ!とりあえず、助かった!いいっていいって…!俺もまあ、たまには外部の人間と話していい気分転換になれた。今度何処かで会ったら飯でも食わせてやるよ。(「よいしょっと」と飼い猫を抱き上げる)――――またなっ(気さくな笑みを浮かべ、猫を抱えたまま走り去った) 」


♪~(ライオットと別れた直後、リベルのスマートフォンより着信音が鳴り渡る)


リベル「お、言ったね?約束だぞ~ チミーの飼い主さんにもよろしくね~!(口元を緩めてライオットを見送る)―――――……ピッ(スマートフォンに応答する)…ハッ。……えぇ、滞りなく。……思わぬ収穫も得られました――――



その後、ライオットのお陰で飼い猫は無事自治会長のもとへと届けられた。
謝礼を多く受け取った第3調査兵団はその夜、研修員たちを交えて焼肉を食べに行き、
慣れない研修生活一日目は充実したスタートを切ることができた―――


翌日―――


ライオット「いやぁ~…昨日も昨日で飲み過ぎたなぁ…(頭をガンガン叩きながら事務所の広間にやってくる) 」

アサギ「先輩は最近飲み過ぎなんすよー。たまにはほどほどにするっすよ。せめてノンアルにするとかさー。(朝礼前なのでソファに横になってスマホゲームをしている) 」

桜小路きな子「それにしても、ライオット先輩すごいっす!きな子たちよりも先にチミーちゃんを見つけ出すなんて!きな子なんて、街中の猫に話しかけてたら…たくさんの猫たちがついてきちゃって、それどころじゃなかったっす…!(てへへと照れ臭そうに苦笑する) 」

アサギ「まさか先輩に先越されるとは思いもしませんでしたけど…でも結局、猫ちゃん譲ってもらえませんでしたね。またどっかで拾ってきたらいいっすけど。(そろそろ時間か…とスマホに表示された時間を見て起き上がる) 」

ライオット「そだなー…博士にゃ悪いが、猫はまたの機会だ。つーかあの会長のおっさん、声高すぎだろ…w ずっと聞いてるとキンキンしてきて割と頭痛になりかけたんだが…(けらけら笑う)っと…そろそろか…(姿見で髪型を整えながら劉狼の到着を待つ) 」


だが、そこから20分が経過―――


ライオット「…………………(スマホをいじりながら待っていたが、一向に現れない劉狼に周囲を見渡しながら首を傾げる) ……なあ、師匠遅くねえか?あの人、時間に鬼厳しいはずなんだが… 」

アサギ「……………ハッ!す、すいません!ゲームに夢中になってて気づかなかったっす!あ……ほんとだ…どしたんすかね?猫アレルギーでも発症したんすかね。 」

桜小路きな子「 Zzz… (律儀に棒立ちして待っていたがうとうとしている) 」

ハロ「オッカシーゾォー?オッカシーゾォー?(ピョコピョコ 」

劉狼「―――― ダ ァ ン ッ !(その時、慌てた様子で事務所へとなだれ込む)遅くなってすまない…!緊急事態が発生した!王国内の発電所周辺に機械生命体反応が確認された!総員、すぐに現場へ急行するぞ!

ライオット「――――!?(マジかよ、いきなりすぎんだろ…!) 」

アサギ「あっ…!師匠おはようございm―――あぇぇ!?マジっすか…そ、そんな朝から…急すぎるっす…!💦 」

桜小路きな子「 う ひ ゃ あ っ ! ? (あわただしい物音に強く反応して跳び上がる)すすすす、すみませんっす!きな子、つい居眠りしてて……って、ひょぇぇええええ~~~~!?!?!?(いきなりの事態に驚きすぎてムンクの叫びみたいな顔でくるくる回り出す) 」

バンレッジ「(既にライフルと防弾装備を装着した姿で劉狼に続いて事務所へと入り)……準備は出来ている、急がなければ…! 」

ハロ「イクゾー!イクゾー! 」

ライオット「ッ……ああ、いくか…! 」



― ラステルム王国・発電所エリア ―




劉狼「――――……今回発見されたのは、今より向かう発電所のみと聞いている。先日のように他国での一斉襲撃はないが、念のため既に他の団にも応援要請を出している…!現場に近い我々は先に現場へと急行。機械生命体の排除に移行!ナノマシンにも警戒せよ!(自身の後を付いて走る団員たちへ叫びながら目的の場所へと向かう) 」

ライオット「了解…!……――――(機械生命体、そこから、例の「イーティス」の顔が横切る)……(今度こそ、真相を確かめなくちゃならねえ…!)(意を決し、劉狼真っすぐに後をつける) 」




機人《 ヒトガタ 》『――― ガ シ ャ ァ ア ン ッ … ! ! (そんな彼の前に、複数体の機械生命体が立ち塞がるように建物高台より降り立ってくる。既にその手にはエネルギーブレードが握られており、交戦態勢に入っていた)』

ハロ「ライオット!ライオット!(ライオットの後をつけるように一台、赤と金で彩られたハロが跳ねる)ライオット、マモル!ライオット、ミマモル!ハロ!ハロ! 」

ヴァニタス「やー昨日は肩透かし食らいましたけどようやくレギュレイター第3調査兵団って感じがしますねえ!ご指導のほどよろしくお願いしますねセンパイ方!(めっちゃにっこにこで並走しながら)あ!せっかくですからできるだけ多くの攻撃パターン、戦法、あと……  " 個性 "を見せていただけますか!報告シートの項目今日中に埋めたいんですよねー! "ガシェット以外"も何か第3ならではのスーパーパワーがあったりするんですか—————— ね (にっこーと張り付いた笑みで道中、耀様ライオットへ目くばせをする) 」

アサギ「前方に敵機出現!その数、12体っす!(ブレーキをかけるとその場で大型重火器ガジェット・爆破《 スターマイン 》を手繰り寄せる) 」

バンレッジ「(大口径のライフル銃を構え、一歩引いた立ち位置で機人達に銃撃)了解だ!敵は既にこちらを視認しているな……! 」

ライオット「(なんか俺すっげー見られてんだけど…どゆこと…???)(右からハロ、左からヴァニタスの視線を感じて冷や汗をかく)っ…早速きやがったか…!閃光《 グリント 》ッ!!(両手に顕現した光を双方に分断し、二対のナイフ形に変形させて構える) 」

機人《 ヒトガタ 》『 ド ッ ド ド ド ド ド ッ ―――― ! ! ! (12体の機械生命体が、一斉に牙を向いて襲い掛かる)』




機人《 ヒトガタ 》A「 グ ゥ ォ ン ッ ――― ズ ゥ ア ン ッ ! ! (その内の一体が大跳躍。後方に構えるバンレッジのもとへと一気に飛びかかり、上空から光剣を振り下ろしかかる) 」

機人《 ヒトガタ 》B「 ダ ダ ダ ダ ダ ッ … ――― ズ ォ ッ ! ! (助走をつけた一体がヴァニタスへと急接近し、刺突を繰り出そうと迫る) 」

桜小路きな子「きな子、後方で待機するっす!なにかあればすぐ救援に向かうっす!(メディック故、物陰に隠れて緊急キットをいつでも使用できるようにツールを広げだす) 」

劉狼「――― 戦闘開始!(ガントレット型ガジェット・牙突《 ウォルファン 》を起動。野を駆ける狼のような俊敏さで機械生命体の群れへと突撃し、その陣形を内側より崩さんと刃を縦横無尽に振り抜いていく) 」

ヴァニタス「ようし!じゃあ早速業務開始ってこと—————で。(ガシェット・因果《トゥーラ》を発動。手にした三節棍の先端にエネルギーブレードを纏わせ短槍形態切り替え) そい (ヒトガタBの喉元を串刺し、そのままポールのように時計回りに1回転させ頭部から叩きつけ、ひしゃげた首をボールのように蹴とばしもう一体へ放つ) 」

ライオットアサギ、きな子を守れ!俺は師匠と前衛に回る! とぁッ!! (真っ向から機人とぶつかり合い、鍔迫り合いに持ちかける)ギャリリィッ…―――はッ!!(蹴り飛ばし、その間隙を突くように交差したナイフを振り抜いてまずは一体を撃破。そのまま次の獲物に狙いを定めて迫っていく) 」

アサギ「ラジャーっす!(援護射撃を行いながら後ずさりし、なるだけきな子の傍から離れないよう周囲を警戒する) 」

機人《 ヒトガタ 》B&C『ザクンッ――― チ ュ ド ガ ア ア ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! ! (喉元をやられそのまま頭部を持っていかれた一体が叩きつけられた衝撃で爆散。後方に構えていたもう一体の腹部にBの頭部がヒットし、転倒する)』

機人《 ヒトガタ 》D「ダンダンダンッ…――― ブ ゥ ォ ン ッ ! ! (叩きつけるような進撃から勢いをつけた大車輪による蹴りをヴァニタスへと見舞う) 」

バンレッジ「こいつは戦闘用じゃあないんだが……(機人の光剣をサイドステップで避けつつ、フックの様に左拳を機人Aに叩き付け)――先陣包帯《 ヴァンガード・バンデージ!》(殴ると同時に、左手に仕込んでいた分厚い包帯が伸び、機人の頭部へと巻き付き……締め上げると共に、バンデージの許へと強く引き込む!) 」

機人《 ヒトガタ 》・増援部隊『(複数体が劉狼とライオットに蹂躙される最中、よく見るとレギュレイターの面々と交戦している他にも、更に10体以上の機械生命体がその先の発電所の前を徘徊している。増援部隊かと思われたが、次の瞬間――――)――― ズ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! (なんと加勢には向かわず、唐突に発電所に向けて射撃を行い、その破壊活動を開始したのだった) 」

機人《 ヒトガタ 》A「 ギ ィ ッ ――― メ ギ メ ギ メ ギ ィ … ッ … … ! ! (殴打を受けて怯んだ隙に包帯に締め上げられ、その全身から火花を散らしながら、今にも潰れそうな軋む音を立てていく) 」

ヴァニタス「ん……?(眉を顰めヒトガタDの行動パターンを注視、直前まで構えたまま観察し、左腕で蹴りを受け止める)アクロバットだねキミ……もしかして行動パターンをアップデートでもしてるのかな。 "輪廻《ユガ》" アクティベート(声帯認証で起動するチャクラム状のガシェット、輪廻が彼の背に浮遊し、ドラグーンよろしく光剣型のファンネルを蜘蛛手のように伸ばしDを串刺しにする) って……ちょ、おお!? なんか解体作業してますけどセンパイ方!ひょっとしてここ探られたら困る系の場所だったりするんじゃないですか! 」

劉狼「(ムッ…あれは、敵の増援部隊か―――)――――!?(だが、加勢に向かわず発電所を攻撃し始めた増援部隊に大きく目を見張った)不味い…ッ、発電所が襲撃を受けている!ライオット!ここは拙僧に任せ、奴らを仕留めるのだ!!(どういうことだ……先日の団長会議によれば、機械生命体が直接破壊活動に乗り出すなどなかったはずだが…!?)(例外的な行動を目にし困惑しながらも目の前の一体一体を確実に仕留めていく) 」

機人《 ヒトガタ 》D「 グ サ グ サ グ サ ァ ッ …――― チ ュ ボ ガ ア ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! (蜘蛛手のようなファンネルに串刺しにされ、盛大に爆散する) 」

機人《 ヒトガタ 》E「フォンフォンフォンッ――― ズ ン ッ ! ! (Dの破壊後、すぐに爆煙の中からヴァニタスに向かって鮮やかな回転蹴りを繰り出しながら襲い来る個体。まるで、彼らを足止めるかのような意地にも近い行動理念に則って活動しているかのようであった) 」

バンレッジ「先ずは一機…!(ガジェットで機人Aを締め上げたままもう片方の手で拳銃を抜き、機人の身体へと連射した後に止めと言わんばかりの強烈な蹴りを放ち) ――何だと、発電所を直接……!?今までに無かったパターンだ!どうなってる!! 」

ハロ「ハロロ!ヤベーゼアニキ!(そういうと複数のハロが集まり)ボウギョシールドキドウ(それぞれの間に防御シールドが張られる) 」

ライオット「にゃろう…ッ!!ふざけた真似しやがってッ!!(劉狼の指示を受け、交戦していた一体を踏み場に一気に増援部隊のもとへと跳んでいく)――― や め ろ ォ ッ ! ! (ナイフの付け根を合体させて瞬く間に棒状に、そこから長槍に変形させて上空から一体に目掛け投擲。爆発の衝撃で鳥羽漁れた長槍をキャッチすると同時に着地し、そのまま発電所前に立って増援部隊を追い払うように豪快に薙ぎ払っていく) 」

鬼塚夏美「むむむっ、これは尾行どころではなくなりましたの…!(敵が現れたのを見て) 」

機人《 ヒトガタ 》F「 ヒ ュ ン ッ ―――(困惑するバンレッジの死角から、既に光剣を振り下ろした態勢の個体が迫ろうとしていたが―――)―――― バ キ ュ ゥ ン ッ … ! ( ズ ボ ガ ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! )(その胸部に風穴があき、彼の頭上で爆散した) 」

アサギ「――――危機一髪っすね…!(バンレッジに襲い掛かろうとしていたFを撃ち抜いた態勢から、ガジェットのスコープを再び覗き込み、今度はライオットが交戦している増援部隊に狙いを定めると…)―――バキュンッ、バキュンッ、バキュンッ!!(遠距離からの狙撃を行い、彼の援護射撃を行う) 」

ヴァニタス「こんなショッカーの上位互換みたいな動きしたっけ!? っと……!ありがとねおチビさん!(Eの回転蹴りをハロの防御壁が受け止め、そのハロを踏み台にし跳躍、ヒトガタEの頭部を蹴り潰しつつ飛び越え……) (真意を測る必要はありそうだ、乗り気じゃないけどここは使わせてもらおう) 『フレーム2解放』 (項から脚部、脳にかけて電流が駆け抜け、緑白色の残像を残し"時が加速"しているかのような挙動と速度で道中のヒトガタを搔い潜り、発電所まで距離を詰め) 邪魔だ!!(およそ人の脚力ではないケンカキックで複数まとめて潰しつつ進もうとする) 」

機人《 ヒトガタ 》A「ダキュン、ダキュン、ダキュンッ――― ド ゴ ォ ッ ! ! ( ズ ギ ャ ア ァ ァ ア ア ァ ン ッ ! ! )(バンレッジにハチの巣にされた挙句トドメに蹴り飛ばされた個体が上空で破裂した) 」

劉狼「バンレッジヴァニタスはそのままライオットの援護へ!拙僧はここを片付けてすぐに向かう!ゆけッ!!(残された複数体と交戦しながら) 」

機人《 ヒトガタ 》・増援部隊『――― ズ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! (一部がライオットと交戦している中、もう半分の個体たちが腕部に搭載されたマシンガンを突きつけるように構え、こちらへ迫ろうとするヴァニタスバンレッジに向けて一斉射撃を開始する)』

ヴァニタス「キリがないな……。あ、バンレッジセンパイ、効率的に行きます……よ!(加速を維持したままスライディング、増援の足を払いながら駆け抜け、ヒトガタ達を浮遊させ身動きを封じにかかる) 」

バンレッジ「(機人Fへの対応が遅れ、なんとか身構えようとした瞬間……アサギの助太刀によって事なきを得、小さく息を吐き)……ありがとう、助かった!(アサギの居る方向に向かって大きくハンドサインで感謝を伝え)――了解した!彼の援護に向かう!ヴァニタス!言うまでも無いだろうが前衛を頼む!!(ライフルを構え直し、機人の増援部隊へと駆ける) 」

ライオット「ッ―――悪い!(加勢に来てくれたヴァニタスバンレッジに視線を向けると、上空に飛ばされた複数体を見据えるように見上げる) ここで一気に決めるぞ!!(大道芸人さながらのアクロバティックな大車輪で地上の敵機体を蹴散らしつつ、槍の先端を地につけて勢いをつけた跳躍)―――ずぉぉぉぉおらああああーーーーッ!!(直線状に重なった三体に狙いを定めると豪快に振り抜き、凄まじい一閃を刻んでまるごと殲滅する) 」

若菜四季「……いや、あれはもう少しで……(出てこようとするメイと夏美を制する)きな子ちゃんはなんとか大丈夫そう… 」

ヒロ「えぇい、今交戦ええ感じやねん!!(なぜか3人の後ろにいる) 」

バンレッジ「(即座に伏せ、ヴァニタス達が動きを止めた機人達の頭部目掛け……次々にライフルの銃弾を正確に撃ち込んで行く!)よし、行けるぞ……! 」

機人《 ヒトガタ 》・増援部隊『 ズ ボ ッ ガ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ン ン ッ ! ! ! (ライオット、バンレッジ、ヴァニタス…三位一体の連携の前に悉く蹂躙され、人型は瞬く間に焦げ臭い残骸へと成り下がり、地面に散乱するのだった―――)』 」

劉狼「三人とも、大丈夫か…!?(初めに交戦していた前線部隊を全滅させて発電所前に集合する)発電所の損傷は……うむ、ゲートだけに済んだのは不幸中の幸い…。しかし…(散乱する機械生命体の残骸に視線を落とし、渋い表情をひとつ浮かべる) 」

桜小路きな子「みなさ~ん…大丈夫っすか~…!?(慌てて合流する)はぁ、はぁ……ふぅ… それにしても…バンレッジ先輩!同じメディックなのに前線で叩けるなんてすごいっす!きな子は、戦闘能力が皆無だから…そういうことはできないっすけど… あ、他の団員の皆さんも、すごかったっす!怪我もなさそうで安心したっす…! 」

アサギ「ふぅ…毎度毎度ヒヤヒヤするっすね。(重々しいガジェットを軽々と抱えながらゆったりとした足取りで合流) にしても…あの赤い光…ナノマシンでしたっけ?あれは今のとこ目撃されていないようっすけど…?(辺りを見渡し、機械生命体の残骸以外何もないことを確認する) 」

ライオット「ふぃー……(ひとまずは全滅を確認し、長槍を消滅させる)初めてながらいい連携だったな、俺たち…! ……?師匠、どうかしたのか…?(その渋い顔を覗き込む) 」

ハロ「ハロハロハロ!ケワシーカオ!ケワシー!ケワシショウ! 」

ヴァニタス「ええ!第3の一員と錯覚してしまう程に!(バンレッジ、ライオットを始め駆けつけた面々へハイタッチをしながら満面の笑みで)…………。(そりゃ渋い顔もする。せいぜい人に対し攻撃をする程度に認識されていたこれらが、統率の取れた動きで建造物の破壊に走るなど前代未聞だ) 」

劉狼「……先だっての団長会議で発覚した機械生命体の活動についてだ。貴殿等も周知のとおり、奴らはナノマシンの護衛を最優先に活動する機体だ。民間の襲撃はあっても直接的な害を与えた事例は今までなかった。だが、今回"は"違う。現に今、発電所を襲撃したのだ。アサギの報告通り、今現在ナノマシンの反応はおろか、反復現象《オーバーラップ》発生反応も本部より出ていない。つまりこれは、従来の機械生命体の行動パターンと、明らかに矛盾点がある、ということだ。

バンレッジ「……前線で動けなければ、救えない生命もあるからな…俺はこうして動くのが性に合っているんだ、だが君も後方で控えていたからこそ、我々が全力で動ける。これからも頼むぞ(きな子を見据え、軽く拳を突き出し) ……明らかに挙動がおかしかった上に、例の残滓も無い……今までの機械兵とは別の存在……?

アサギ「ナノマシン…反復現象以外の目的とか、あるんすかね?でも、あの娘(イーティス)はそれ以外のことを口にしてなかったし、あんなに自信満々に宣戦布告しといて他に何か隠しているとは思えな……あ!まさか、この間の反省から、敵もやり方を変えてきた…とかっすかね…?おんや……?(何かを発見したのかその場でしゃがみ込み、残骸の一つを拾い上げる) 」

ライオット「そういや、そうだったな…―――(その話を耳にする中で、あの時のイーティスの語りがフラッシュバックする。確かに、他に何か含んでいるような感じはしなかった。ナノマシンを拡散させ、それを機械生命体に守らせ、万が一の事態には首謀者自らが直接手を下しに来る…頭の悪いライオットですら、単純明快な行動パターンであった)……?どした、アサギ? 」

鬼塚夏美「よかったですの〜……さて、気づかれる前にずらかりますの〜(一安心したように)…あなたも早く行きますの(ヒロの裾を引っ張りつつ離れる) 」

桜小路きな子「……!は、はいっす…!(バンレッジの期待の声に目を輝かせ、敬礼する)……な、なんか、嫌な予感がするっすね…!(ううっ…急に第5が恋しくなってきたっす…!) 」

アサギ「ん~~~~……… あ、いや…なんだろう……「こんなの」、前に見た覚えなかったすよね…?(拾い上げたのは、機械生命体の腕部のものと思われる装甲。その表面には、何かの紋章が彫り込まれている) 」

若菜四季「………(アサギが何かを拾い上げたのを見て)私はもう少し見ている。 」

劉狼「なんだ……?(アサギが拾い上げた「それ」を睨みつけるように見つめる)……それは、何かの紋章か?確かに、我々はこれまでに何度も機械生命体と交戦してきたが、外見にはそれらしい特徴的なものは見当たらなかった。もしもそのようなもの(紋章)があれば、すぐに認識できるはずだが… これまでの戦いに慣れてしまったがために、今回は迂闊にも見落としてしまっていた。上出来だ、アサギ。それは第3で回収し、至急本部へ提出だ。……しかし、この紋章、どこかで見覚えが……(顎元を摩りながら思考を巡らせる) 」

米女メイ「………わかった。少し離れたところで待ってる…(四季を見て2人と共に物陰に隠れる) 」

ライオット「……っし、とりあえず敵は片づけたんだ。手掛かりになりそうなものも見つかったし、ひとまず撤退しようz-――(そう言いかけた次の瞬間)――――ッ゛…?!(頭蓋に響き渡る、痺れるような激痛。例の記憶障害が起きる予兆が、今になって襲い掛かる)…ぐッ……ゥ……!なんで、今……こんな…っ……!?(激痛に歯を食いしばりながら前進が傾倒しかける) 」

ハロ「ハロ!ブンセキ!ブンセキ!(破片をスキャンするように光を広げて)データ!ソウシン!ハゲトハカセニ!データソウシン!(ピコピコと目を光らせて通信に入る) 」

アサギ「ういっす!(ひとまず残骸をポケットに回収する)……!?先輩…!?ちょ、"また"っすか…!(倒れかけるライオットを支える)最近なんともなかったのに……(そんな彼の背中を摩って宥めようとする) 」

若菜四季「………….(謎のメガネをかけて紋章を見る)………… 」


ザ ッ  ザ ッ  ザ ッ  ザ ッ  ―――――(すべてが一件落着したと思われた、その時だった。徐々に高鳴っていくなにか…進軍する軍靴の音が無機質に響き渡る。音が近づき、大きくなっていくにつれて、微かに地響く大地。発電所、その前に立ち並ぶレギュレイターの面々に向けて、真っ黒な群衆が近づいてくる)




バンレッジ「……その紋章はとりあえず本部で調べて貰うとしよう、それよりも……ライオット!大丈夫、か……(ライオットを解放しようと駆け寄り……迫り来る"音"、そして群れに気付き)……ついてないな、これは……! 」

謎の黒軍隊『 ザ ッ  ザ ッ  ザ ッ  ―――――    ザ   ッ   !  (彼らの前に現れたのは、蟻の大群を彷彿とさせる黒尽くめの軍隊。漆黒色の軍服にフルフェイスのマスクを覆い、肌身という肌身を一切曝け出さない程整った装備。その腕章は、知るものぞ知る何処かの「帝国」の象徴が刷り込まれていた。そう、それこそが――――)』

劉狼「ライオット――― ! ! (頭痛に苛まれるライオットへ手を伸ばしかけた次の瞬間、突然出現した軍隊に目を見張りつつ、副団長としての責務から団員たちを庇うように一歩乗り出す)……貴殿等、ラステルム王国の衛兵……ではないな。(既に面識がある王国の衛兵の服装と明らかに相違するその外見に訝しむような眼差しを向ける)……!それは……!(そして兵士の腕章に視線を釘付けにされる。見覚えがある紋章…そう、それこそが先程アサギが回収したものと類似する他ならぬものであることに気づいたのだ。そして、その合致からひとつの事実を思い出す――) 」

劉狼「……そうか…拙僧としたことが、今、ようやく思い出したぞ。その紋章…貴殿等――――『 ゼレオロス帝国 』の者だな。(野生の勘によるものか、眼前に広がる軍隊に身震いを起こし逆立つ毛並み。鋭い眼光を露わに、強い警戒心を剥きだす) 」

ヴァニタス「あー……頭痛持ちでしたもんね確か(横目で群衆を見据え、ライオットアサギを庇うように立つ。ゼレオロス、その単語を耳にし口端を吊り上げ)製造元さんですか? 廃品回収お疲れ様です 」

ライオット「ぜぇ……ぜぇ……―――― ゼレ、オロス……?(現れた軍勢、そんな彼らに睨みを利かせる劉狼の発言を拾い上げて囁くように反復する) 」

ハロ「ハロ!テーコク!テーコク!!ハロハロハロ… 」

バンレッジライオット、しっかりしろ……!意識はあるか、俺達の顔は分かるな……!深呼吸をしろ、ゆっくり……!(ライオットを介抱しながらも、拳銃に片手を添えながら"軍隊"を見据え)……どうする、副隊長。我々の身分を明かすか?向こうが正規の軍事行動をしているなら、下手に手は出してこないかも知れないが… 」

アサギ「あわわわっ…ななな、なんなんすか…これ…!?💦 ちょ、先輩…無理しないでくださいっす…!(ライオットに懸念の眼差しを向けつつ、ちらちらと軍勢にも視線を配る)マジっすか…てことは、じゃあ……この機械生命体は…―――(悪い予感が過り、足元に広がる残骸に視線を落とす) 」

桜小路きな子「ひっ、ひぃぃぃいいいいいっ!!(不気味な軍隊を前に絶叫し、大柄なバンレッジの背後に身をひそめる) な、なんかヤバい雰囲気がプンプンするっす…!!メイちゃんたち、助けてぇ~…!!>< 」

仮面を被った少女「 フ ワ ァ … ――――― ! (漆黒に広がる軍隊、隊列を成し形成された道から、比較的小柄なひとりの少女らしき人物が黒い外套を揺らめかせながら出現する。夜叉烏のような仮面によって目元だけが覆われており、曝け出された口元は一切開かれる気もないほど固く閉ざされている。何より目立つのは、その背に帯びた…彼女自身を象徴するような大きなガンブレード。その白銀色の獲物が、太陽の光に反射され不気味な輝きを放っている) 」

ハロ「ハロ!ハロ!ナニモノダ!ナニモノダ!! 」

劉狼「…待たれよ。帝国は、反復現象に関係性を持っている可能性がある。下手に我々の素性を明かすわけにはいかん。ここは拙僧に任せよ…―――(バンレッジに小言し、遅れて馳せ参じた仮面の少女と相対する)――― 此度の襲撃事件の引き金は、貴殿等によるものか。答えよ…!(少女に𠮟責する様な声を荒げる) 」

ライオット「……あ、あぁ…今、何とか収まってきた……(バンレッジに応え、アサギから離れて地に足つけるようにしっかりと立ち上がる)……!あいつが……リーダーなのか…?(どう見ても幼いじゃないか。そう続けてしまいそうに唖然と口を開けたまま、仮面の少女の姿を見つめ続ける) 」

仮面を被った少女「 ス チ ャ ッ ――――― (背に帯びていたガンブレードを引き抜き、その銃口をレギュレイターの面々に突き付けると、躊躇いもなくそのトリガーに指引き――――) 」


――――  バ  ァ  ン  ッ  !  (凶弾が、青空に残響する―――)


鬼塚夏美「!(トリガーを引いた瞬間咄嗟にきな子に飛びつき伏せさせる) 」

若菜四季「!(夏美とほぼ同時にきな子の前に立ち、彼女の身長ほどの大きさの鋼鉄の傘を展開させる) 」

米女メイ「おりゃあああ!!!(2人と同時に飛び出し、猫の手のようなガジェットを展開させつつ仮面の少女に飛び込む) 」

桜小路きな子「っ!(自身を伏せさせた夏美ら助けに来た三人を見て)た、助けに来てくれたっすか…! 」

ライオット「―――――!?(構えられた銃口に思わず咄嗟に身構えるが、しばらくしても全身に何事も起きないことに気づき、恐る恐る目を開ける。だが、そこに飛び込んだものに思わず驚愕を覚えた) 」

劉狼「――――(あの一瞬の最中、凶弾がライオットに向けられたものだと見抜き、それを見越して身を呈し彼を庇ったのだ。左肩に貫通することなくめり込む銃弾、噴き出す鮮血。苦悶に瞳を細めて身を仰け反りながらもライオットを庇うためにただそこに立ち続けようとする) 」

ライオット「―――― 師 匠 ッ ! ? (我が身を呈して自分を庇ってくれた恩師に目を大きく見張りながら、悲痛に叫ぶ) 」

劉狼「ぐゥ……拙僧なら、問題ない… これしきの傷など……ッ……!?(だが、片膝を突いて崩れる。鍛え上げられた強靭な肉体を持つ人狼が、たった一発の銃弾程度…それも、致命傷を免れているのなら、屈することはない。それは、第3メンバーであろうと他の部隊の団員であろうと察することができる事実。しかし、人狼の身に起きた悲劇はその事実を覆し、自身ですら理解し得ぬ激痛に、ただ屈するしかできなかった――)」

ライオット「……ッ゛…――――アサギッ!!師匠を連れて発電所の中で隠れてろ!!きな子、師匠(の治療)を頼むッ…!! 」

アサギ「先p―――――はいっす…!!(いつになく切羽詰まったライオットに口答えする余裕もないと知り、ただ言われたままに劉狼の肩を担ぎ始める) 師匠、立てますか…っ?一旦引くっすよ…!(そのまま彼と肩を組むように発電所の中へと身を潜める) 」

ライオット「――――(アサギが劉狼を連れて行ったのを確認し、帝国の軍隊…仮面の少女へと振り返る)――― ぜってぇ許さねえ…ッ…!!(未だ見せたことのない怒りの形相を露わに、鋭い眼光を彼女に突き付けて…青年は両手に顕現した光の長槍を握りつぶす勢いで構えだす) 」

桜小路きな子「は、はいっす!(発電所に向かって走り出す)) 」

帝国兵士A「―――― ガギィィィイインッ!!(仮面の少女へと飛び込んだメイを妨害するかのように割り込み、銃剣の刃で彼女の攻撃を防ぎ、火花を散らす。一国の兵士でありながら、その反射神経と忍耐力は機械生命体のそれに比肩し、メイを押し返した) 」

米女メイ「うあっ!(勢いよく押し返され吹っ飛ばされる) 」

ヒロ「…………っと!(スッと現れ、吹っ飛ばされたメイを受け止める)………あいつらなかなかやるな、ただの新米とは思えん…もしかして、こいつら全員おんなじくらいつええってのか…? 」

仮面を被った少女 → リベル「  …… …… ……。  (ライオットの鋭い眼光と視線を結ぶも、その鉄仮面は一切無表情を崩すことはない。再びガンブレードの切っ先を持ち上げ…ライオットへと照準を合わせた) 」



――― Vs. 【ゼレオロス帝国】 リベル ―――





リベル「 バ ァ ン ッ ! バ ァ ン ッ !! (再びトリガーを引き絞り、ライオットを始めとしたレギュレイター陣営に射撃を浴びせる) 」

ヴァニタス「"性能テストだ。"……実践以上の結果を出してくれよ(リベルが引き金を引くと同時に自らのうなじに手を添え) 【フレーム: 3 】 (時間の流れがさらに鈍重に錯覚される領域内、 ヴァニタスの脳処理速度、運動性能、あらゆる時間が飛躍的に加速し、緑白色の残像を無数に残しながら弾丸を紙一重で回避。 複数を掴み取りリベルへ投げ返す) 」

ライオット「 づ ゥ ッ ! ! (ギィンッ、ガッ、ギィィインッ!!)(乱れる時計の針のように長槍を回転させつつ銃弾を弾きながらリベルへの距離を詰めると―――)――― っるおらァ!!(手にした槍よりも鋭い蹴りを見舞おうと跳び出す) 」

帝国兵士B「スチャ――― ド パ パ パ パ ッ ! ! (機械生命体を彷彿とさせる無機質な挙動から、ヒロやメイたちに向けてM16を構えて射撃を開始) 」

帝国兵士C&D『 ヒ ュ オ ッ ! ドドドドドッ…!(一人はナイフを手に疾走、もう片方はアサルトライフルによる援護射撃を行い二人同時にヴァニタスへと襲撃する)』

バンレッジ「(即座に左手からガジェットーー『先陣包帯』を劉狼の左肩に向かって飛ばし、被弾した箇所に撒き付け)こいつで止血は出来る、大して邪魔にもならないが、これ以上貰うなよ……!(同時に機械兵の残骸を盾に、大口径のバトルライフルで帝国兵士達に反撃)……くそっ、数が多すぎるぞ!! 」

帝国兵士E「ダァンッ、ダァンッ、ダァンッ!(銃剣を構えながら射撃を加えた接近でバンレッジを追い込んでいく。近すぎず、遠すぎず…絶妙な距離感を保つ様は、軍隊としての立ち回りを意識したものと思われ、一国兵と言えども侮れない姿勢であった) 」

リベル「バサァッ! チュインチュインッ…!(纏う外套をひらめかせ、ヴァニタスから投げ返される弾丸を外套で受ける。その材質は弾丸を通さず、金属音を鳴らして弾丸を無効化した)ガチャ バ ァ ァ ン ッ!!(すぐさま追撃射撃をヴァニタスに放つ)  ズザッ!ガシッ ―――!!(正面から駆けてくるライオットの攻撃を容易に見切り、迫るライオットに自らあえて踏み込む。出始めの蹴りがトップスピードに至る前に抑え込み、ガンブレードの銃床を彼の胸に叩き込まんとする) 」

ヴァニタス「 鈍い (ビデオのスロー再生に対し自身は早送りをするかのような速度で駆け出し、前進しながら通路の壁→天井と飛び移り帝国兵士C&Dの首筋へ向け双剣形態のガシェットによる交差斬りを振りかざす) 」

ハロ「ハロロロロロロ!!!!キンキュージタイハッセイ!!!ゼンタイニツータツ!!!!ゾウエンモトム!!!ゾウエンモトム!!!!(ピコピコと鳴りながら跳ねて通信を行なっている) 」

ライオット「――――ッ!?(こいつッ―――!!)(鋭く研ぎ澄まされた飛び蹴りの勢いを殺され、反撃で回ってきたガンブレードを紙一重で体を反って回避)――― ッ!(その態勢からオーバーヘッドキックのようにガンブレードを蹴り飛ばしつつ、バク転後退)ズザザァー…――― っらァア!!(すぐに態勢を整え直すと、突き出した長槍による高速乱れ突きを繰り出し、リベルを圧倒しようと迫る) 」

ヒロ「……っと!!(メイを受け止めて抱えたまま銃弾を回避していく) 」

米女メイ「………(いい加減降ろせ!) 」

帝国兵士C&D → G&H『――― ブ シ ャ ァ ァ ア ア ッ ! (ヴァニタスに書き切られた首筋より鮮血を噴き出しながら無言で倒れていく二人の兵士。そんな彼らを歯牙にもかけず、背後から進撃するもう二人がヴァニタスへと肉薄。阿吽の呼吸で両者ともにしたナイフを振り回し、時々蹴りを交えて前進する。そのアクロバティックな挙動は、機械生命体のそれとは一線を画し、着実に彼一人のみを追い詰めていく)』

帝国兵士A&B『 ヒ ュ ッ ―――!(傍らより合流した二人でメイを抱き上げるヒロを左右から挟み込む。銃撃…では仲間を誤射する可能性があると踏み、すぐに切り替えたナイフで振り下ろしかかる)』

リベル「ガギ、ギィン! ガッ、ガギンギャイン! (ライオットの苛烈な連撃を、ガンブレードを巧みに操り払っていき、) ――― ヒ ュ オ ッ … … ! (ひとつの突きを半身引いて回避。伸びた槍を引き戻す、一瞬の”戻りの隙”に合わせて踏み込み、顎を狙ったハイキックを繰り出す)  」

鬼塚夏美「……左右から来ますの! 」

若菜四季「……(帝国兵士A.Bに対し、どこからか取り出したライフルで狙撃する) 」

ヴァニタス「 ッ   (鮮血の死角から振りかざされるナイフを首をひねって回避するが、更に死角から放たれる蹴りに反応できても対応が間に合わない。蹴りを腹に受け体をくの字に曲げながら吹っ飛び壁に打ち付けられる)よく訓練されている……資源を惜しまないじゃないか。そぉらがんばれがんばれムシケラ。得点上げれば名前ぐらいはご主人様からもらえるかもしんないぞ(ダメージを受けてもそれを感じないのか、にやつきながら不敵な笑みを浮かべ) ガンッ (先ほど切り伏せた兵士の銃をG蹴り放ち、同時にHの首へ飛び掛かり足の関節で固定。ねじ切りながらGへ倒れつつの斬撃を見舞おうとする) 」

ハロ→AEGIS《神楯》「…………(ハロのうち一台がイージスへと質量を無視して変形、脚からビームサーベルを発振させ、それを振るうと同時に地すら割る巨大な斬撃を飛ばす)……『手こずっているようだな。手を貸そう』 」

アサギ「師匠…今治療中なので絶対に動かないでくださいっすよ…!(横たわる劉狼に寄り添う) 」

劉狼「ハァ……ハァ…… グゥ……ッ…(冷たい地面の上で横になってきな子の治療を受ける中、左肩にめり込んだ銃弾が摘出される) 」

ヒロ「えぇい、こいつで……!(ガジェットのバットを出そうとした時にメイを抱えたままなのに気づく)あっ、抱えっぱなしだった!(慌てて降ろす) 」

米女メイ「……気づくのがおせーよ!!(両腕の肉球から兵士めがけて猫の形をしたボムを放つ) 」

バンレッジ「訓練された動きだな、それなりの部隊を連れて来たと言うことか……!(機械兵の残骸を盾に前進、帝国兵士Eと距離を詰め……一瞬の隙を狙い、拳銃で帝国兵Eの身体へと射撃)……うちの隊が間に合ってくれるといいが……喰らえっ!! 」

ライオット「ヒュドドドドッ――――ッ゛ゥ゛!!(一心不乱の乱れ突きを繰り出す最中、伸ばした槍を引き戻嘘としたその瞬間を突かれて顎を蹴り上げられる) …ッ゛……!(こいつ…ただもんじゃねえ…!身のこなしが軽すぎて、攻撃をいとも容易く受け流されてちまう…!)――――!(尻込みする最中、ハロ…否、それが変形したことで顕現されたAEGISに目を見張る)その声は……ああ、すまねえ…!!(再びリベルと対峙し、疾走。彼女の周囲を描きまわるようなダッシュでその死角を見つけると――)―――ダンッ!!(一本槍の鋭い突撃を仕掛ける) 」


キ イ イ  イ  ィ   イ     イ     ン ン    (遠方からジェット機さながらの高音が発電所に急接近。限りなく近く、大きく響き渡ると————————) >>  デ デ ー ン   << (直径6mはくだらない"黄金のハロ像が天井を突き破って兵士達を押しつぶさんと襲い掛かる")


帝国兵士G&H『ガッ―――(蹴り飛ばされた銃が顔面に衝突するG、飛びかかってきたヴァニタスに拘束されるH。そして、Hごと倒れてくるヴァニタスの不意を付けた斬撃にGが斬り飛ばされる)  バ ッ  (だが、Hはここで驚くべき行動に出る。ジャケットに忍ばせていたダイナマイトを起動。その身諸共凄まじい光を帯び始め―――我が身犠牲に自爆しようとする)』

帝国兵士E「ドムッ、ドムッ…!(銃弾が全身にめり込み、仰向けに倒れ――――ない。)―――ダァンッ!(そうきゃきうに力を込めて意地でも起き上がり、仰け反った態勢からバンレッジに反撃の一弾を浴びせようとする) 」

メイヴィス「ダカダカダカダカダカダカダカダカダカダカ(土煙を上げアコールさながらの全力疾走。入口からヘッドスライディングで突入し、兵士達とは交戦しよとせずスライディングとドリフトでやり過ごし、劉狼の傍で急ブレーキを踏む)———急患要請受信しました!メイヴィス!これより救助行動に入ります!(無線で第2調査兵団オペレーターへ繋ぎつつ、医療バックからスプレーを取り出す)傷口を塞ぐ前に毒物の有無を確認します!発熱、嘔吐の症状はありませんか!(呼びかけつつ左手の袖から注射器を取り出し慣れあ手つきで採血しながら) 」

帝国兵士A&B『 ボッガアアァァアアン――― ヒ ュ ォ ッ ! ! (四季の銃撃とメイによる猫の手爆弾に巻き込まれノックダウン…したと思われたが、すぐに爆煙を払いのけ、メイとヒロへ殴りかかる)』

劉狼「貴殿は、第2の…―――うむ…かたじけない…っ… それらならば、問題はない…"だが"…―――(ここで言い淀む)……その鉛玉…不用意に触れることなかれ… "一瞬で、力を吸い取られた"……!(きな子に摘出された血だらけの銃弾を指し示しながら) 」

帝国軍隊『 チ ュ ガ ア ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! (進撃しようとしてきた兵士たちが、頭上からの黄金のハロ像に押し潰され、或いはその落下衝撃に伴い吹き飛ばされていく)』

AEGIS《神楯》「…………(敵陣に飛び込むと、そのまま踊るようなステップで飛び交い、敵の攻撃を掴んで無理やり宙に引き摺り出して振り回し、他の敵に投げ飛ばす。その次の瞬間襲ってきた敵の攻撃をかわしサーベルで切り裂くと、そのままの勢いで背後を蹴り飛ばし、さらにもう一人首根っこを掴むとそのまま投げ飛ばし、そこから足払いに繋げて複数巻き込み、そのまま巻き込んだ全員を刺し貫くように蹴りを放ち、踏み台にして飛び上がると勢いよく着地、着地点の敵の攻撃を最小限の動きでかわして叩く) 」

ヴァニタス「—————(驚嘆はなかった。だが爆炎に飲まれる刹那嘔吐反応にすら近い"嫌悪感"を剝き出しにし)ムシ…… ケラ が!! 【輪廻《トゥーラ》】!!(刹那的に緑白色の瞬きを残し、全身が爆炎に飲まれる) 」

バンレッジ「があっ…!!(帝国兵士Eの銃弾を受け、後方に倒れ込みながらも追撃の銃弾を撃ち込み)硬い奴だ…だが、こちらの増援も間に合ったか…!! 」

リベル「―――……!(現着し始めるレギュレイター陣営の応援に意識が向き、弧を描くように高速で駆けるライオットへの反応が一瞬遅れてしまう)―――ブシュ…ッ…!!(死角からの奇襲を受け、急所は免れたものの露出した肌が裂け血霞みが吹き上がる)ガチャ  ガ ァ ン ッ !! (しかし、そんなダメージは歯牙にもかけず、空いた手で接近したライオットの胸ぐらを掴んで動きを制限し、ガンブレードを”彼の耳”に密着させて銃声を轟かせる。弾丸は明後日の方向へ放たれていくが、気を張っていなければ平衡感覚が狂うレベルの爆音がライオットの鼓膜を襲う) 」

ヒロ「すまん…!(殴りかかってきた兵士に対し先端からレーザーライトを出して切り込む) 」

メイヴィス「力を……?スタンガンのようなものでしょうか、この状況では解析できませんね……(容器に内部の血液に含まれるデータが一瞬でテキストとして印字され、それを一瞥するだけで確認する) 止血します!直ぐに動けるようにはなりますが体力は御身の退避に残してください!(先ほど取り出したスプレーを傷口へ散布。 "人口肉"が付着し傷口を塞ぎながら体の一部として同化していく) 」

ヴェスパー「ハッピイイィィィィィーーーーーーーーー!!!!!バレンタン!!!!!(黄金のハロ像の上で天上を指差し高らかに謎宣言を発する) おうおうおうおうおう!救援要請を聞きつけてきてみれば空き地でドンチキやってんじゃん!だが私は混ざらないズェ?今日の私ちゃんは……インテリ《ノーベル》だからだから(ファサァ……) おら!!これがノーベル賞の……パワァァー!!!!(巨大ピコハンで黄金のハロ像をかっ飛ばし帝国兵士Eを狙う。なお避けないとバンレッジも巻き込まれる) 」

ライオット「掠った――――うおああぁッ!!?( ッ゛ ! ! ! ? )(突然胸倉を掴まれたかと思えば、密着された鋼の冷たさを感じるる間もなく轟く銃声に、鼓膜が破られるような感覚に陥る。否…それどころか、気を失うレベルの眩暈が一気に襲い掛かる感覚ともいえる。音を忘れ去った空間の中で辛うじて意識を保ち、眼前の少女を睨みつける) 」

ライオット「ッ……(この間のあいつ(イーティス)といい、機械生命体よりも強ぇ…!だったら…)―――― ガ バ ッ ! (破られかけた鼓膜が戻りかける最中、「もう一度試してやる」と、あの懐中時計『ユナイタルウォッチ』を徐に取り出し、前方へ突きつける)――――― 変 身 ッ ! ! (その天面ボタンを押し、起動する) 」


シ ー ー ー ー ン … … ―――― (だが、ライオットとリベル、双方の間に沈黙が流れる。そう、"何も起きなかった"のである)


ライオット「………?……??……!?(もう一度ウォッチを起動しようとボタンに指をかける。しかし、何も起こらない。何度試しても微動だにしない時計に狼狽する)…なんでだよ…ッ…!?動いたじゃねえかよ…!?動け、もっかい動け…ッ…!!くッ、動けって……!!(もはや目の前のリベルをそっちのけて時計と睨めっこするようにガチャガチャと無益な行動を繰り返す) 」

帝国兵士E「――― ズ シ ャ ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ン ッ ! ! (ヴェスパーに飛ばされてきた黄金ハロ像に一瞬で潰される) 」

帝国兵士A「 ギ ィ ン ッ ! ! (殴りかかる態勢から、咄嗟に手の甲のガントレットでヒロの斬撃を受け止める防御体制に切り替える)――― ゲ シ ィ ッ ! ! (その間隙を突いて水平蹴りを見舞う) 」

AEGIS《神楯》「……『やはりか、想定していた通りだな』(そう零すとライオットに向けて駆け寄りながら何人か蹴り飛ばし)『ライオット!!』(そこに割り込むように脚からサーベルを発振して飛び込む) 」

バンレッジ「うごおおおおお!!危なああっ!!(辛くもボディアーマーで銃弾が止まったが故に動く事が出来、気合でゴロゴロと転がってヴェスパーから逃れ)……とりあえず、ありがとう 」

ヴァニタス「  ヒュ  オ  ッ    (爆発で黒煙がくすぶっていた場所から低空飛行で飛び出し、ヒロと拮抗する帝国兵士Aの後頭部目掛け飛び膝蹴りを仕掛けようとする) 」

米女メイ「…謝ってる暇はないぞ!(ヒロの薙ぎ払いの後すぐに猫の手で兵士をひっかきにかかる) 」

リベル「 …… …… ……(防御姿勢を取っていたが、ライオットのウォッチが起動しない様子を見て静止していた)――――チャキ…!(が、絶好の機会。鈍く光るガンブレードを振りかぶり、殴りつけるようにその鋼をライオットに振り抜く)――――!!(しかしAEGISの乱入によって、凶刃がライオットに届くことは無かった。数メートル飛び退き、出方を窺うように臨戦態勢を整える) 」

ルクエス「―――やー、やー、やー。これは思った以上の大盛況だネェ。(帽子の鍔に指を駆けながら、マントコートをはためかせて現場へと馳せ参じる)彼らが噂に聞く帝国の回し者かナ。この数は壮観だネェ。これじゃあいつどこから寝首をかかれるかわかったもんじゃないヨ…(やれやれと両手を広げて溜息をつく中、その言葉通り、背後には既に帝国兵が自身の背中を討たんと迫っていた。だが、気づいているのかどうかは定かではないが、振り返ろうとはしない。何故なら、自身の背後には常に――――右腕《ウィルバー》がいるからである) 」

ヴェスパー「いいってことYO★(巨大ピコハンを肩に引っさげウィンクし投げキッスまで飛ばす) って……ゲェ!?第6のイケメンじゃん!?さっきのオフレコにしてくんない!私あの隊長の説教耐えられる自信ないわ!特に正座とか!!  ってあ”---!!あのなんかバンドの厨二くんじゃーーん!!え!?なに!?ウチにいたっけ!?ていうかピンチじゃーん!!オラ!!今助けてやっぞ  ぐえーっ!! (止めに入ろうとするが帝国兵士の攻撃に巻き込まれ横へかっ飛ぶ) 」

ライオット「――――ッ!?(「しまった」―――と目を見張るが、そこにAEGISの介入を受けて事なきを得る)……ッ……(『ユナイタル』が…発動しねえ……どういうことだ…ッ…?)(手に握られた懐中時計に視線を落とす。時計の針は、1時を指したまま停止している) 」

帝国兵士A「 ゴ ッ ――― ザシュゥゥウッ!!(ヒロを蹴り飛ばした直後、その後頭部をヴァニタスに蹴り飛ばされ、更にはメイのひっかきに全身を切り裂かれ、ついに倒れ伏した) 」

若菜四季「…死角からの攻撃…!(どこからか構えたスナイパーライフルで帝国兵士Aの足を狙撃) 」

ウィルバー「  ピン  パ ンッ   (手榴弾のピンを抜き床へ落とす。それを踵で後方へ蹴り…… 自動小銃を引き抜き、兵士が懐へ忍ばせている筈のダイナマイトを、視認できるはずのないそれを、背を受けた魔ノールックで狙撃。爆炎をバックに悠然と歩を進める)———————。 」

AEGIS《神楯》「『危惧していた通りだ……お前の力はあまりに俺たちの知らないところが多すぎる。こうやって肝心な時に使えないというのも……想定していた』(そう言って四本のサーベルを発振させ、リベル相手に構える)……『無理はするな。お前とその時計がこれからの鍵を握っている……』 」

ヒロ「ぬおっ!!!(蹴っ飛ばされる)あと1人は…! 」

ヴァニタス「チッ……フレーム3の対応限界はこの程度か。まだまだ経験値不足だな……(倒れ伏した兵士に唾を吐き、ライオットへ一瞥をやる)よかった。見所はまだ来ていなかったようだね…… 」

帝国軍隊『 ザ ッ  ザ ッ  ザ ッ  ザ ッ  (次第にその姿を現すレギュレイターの増援部隊。それに比例するように減っていく帝国兵士。その数は20を下回るも、臆することも躊躇う様子もなく、ただ進撃していく)』

鬼塚夏美「……兵隊はなおも接近を続けてますの!(あたりを見て) 」

ルクエス「面白いものが見られそうかと思ったけど、どうやら期待外れかナ?それともボクの運が悪かっただけなのカ…いずれにしても、彼に秘められたモノは興味深いヨ。(「キミもそう思うだろう?」と、振り返ることなくウィルバーに背中で尋ねる) 」

ライオット「……っ…!(AEGISから聞こえてくる男性の声に、眉間にしわを寄せる。言い返すこともできないほどに、事実そのものだからである)……だったら…――――ッ!!(頼れるのは己自身の力のみ。リベルへと再び肉薄し、長槍を分断させて二刀流ナイフに切り替え、高速剣戟を叩き込んでいく) 」

ウィルバー「…………………。(普段であれば問いかけ、声掛けには最低でも生返事を返すがこの時は閉口していた。首をくいと捻り、20名ほど残った兵士を確認し)20。 ■■■■と■■■■は馬鹿ではない、散会し退路に魔井伏される可能性がある(あろうことか兵士の名前を上げ、その危険性を説明すると、ダイナマイト4~8個程取り出し、それをコートに忍ばせ) 退路を確保する。すぐに戻る (とだけ告げ、散歩にでも向かうような足取りで兵士体の増援へ歩を進め、迎撃されそうになるもものともせず———————) 」

嵐千砂都「キキィーーーッ…―――― バ ァ ン ッ ! ! (第2のマークが施された装甲車が現場に到着。急ブレーキをかけて停車するとと同時に、その反動を利用したかのような勢いをつけて跳び出す)   ぃ よ っ !  (ヒロの死角から襲い掛かる帝国兵に強烈な跳び蹴りを見舞い、更に押し寄せる兵隊たちをプロダンサーさながらのアクロバティックな大脚転で薙ぎ払っていく)大丈夫!?応援に来たよ!(そして、ヒロに満面の笑みを浮かべる) 」


カ    ッ        (ウィルバーが居た場所を中心に閃光が弾け、一帯が爆炎に飲まれる)


ルクエス「 バ サ バ サ バ サ ァ … ――――(ウィルバー"が"生み出した火柱を背に、帽子をの鍔をくいっと上げて不敵に笑む) ―――― それはそれとして、心地良いものだヨ、戦場に鳴り渡る場音ってのはサ。(中世的な顔立ちをした人物は、加勢する様子もなく、ただその場の殺伐とした雰囲気を楽しむように愉快に口元を綻ばせるだけであった) 」

バンレッジ「そいつはどうも……!(再び立ち上がってライフルを構え)数はかなり減っているが、撤退する様子は無い……!!だが形勢はこちらが有利だ、このまま戦………自爆する気だ!離れ……!!(ウィルバーの狙いに気付き、叫びながら後方へと飛び退き) 」

リベル「ガチャ カランカラン……ガチャリ(ガンブレードのシリンダーから排莢し、新たなソイル―――エーテルを帯びたクリスタルの粉末を収めた「ソイル」を込めてシリンダーを戻す)………(対峙するAEGISの4本ものサーベルを警戒し、ブレードの柄を握り直す)……!!(再びライオットとの剣戟を立ち回り、勢いに少々圧されて後退りながら火花を散らす) 」

リベル「――――――  ザギンッ!! ザ ァ ア ン ッ !! (一際のチカラを込めてライオットを弾き飛ばす。それから間髪入れずに、後方に建っていた鉄塔を斬り崩す。鉄塔は徐々に傾き、ライオットとAEGISもろとも圧し潰そうと鉄塔が倒壊する) 」

AEGIS《神楯》「『手を貸すぞ、息を合わせろ』(全身のサーベルを光らせ、ライオットに合わせるようにリベルの背後に回り、あびせ蹴りのように脚のサーベルを振るい、縦回転しながら体勢を直しくるりと横回転に切り替え、腕のサーベルを振るう) 」

帝国軍・自走砲「 バ ッ ―――――!(一人の指揮者が手を上げ、合図を下す。それと同時に現れたのは、ゼレオロス帝国の国旗が建てられた一台の戦車)―――― ズ ド オ オ オ ォ ォ ォ ォ オ オ オ オ ン ッ ! ! ! (一度はなたれば、半径25mを吹き飛ばす凄まじい砲撃を行い、レギュレイターの面々を蹂躙せんと進軍する) 」

AEGIS《神楯》「……『そう来たか』(鉄塔の崩壊を見ると弾くように距離を取り、異形の姿へ変形、そこから赤い光線を砲撃して鉄塔を爆砕、ライオットの救助を図る) 」

ヒロ「…!あ、ありがとう…(千砂都の満面の笑みに見とれたかのように一瞬硬直)…残りの兵から気合マックスじゃいくぞぉ!! 」

リベル「ガチャ バ ァ ン ッ !!(恐らく視界の役割を担っているであろうAEGISの頭部のレンズに狙いを定め、引き金を絞る) 」

ガトウ「―――― ズ ギ ャ ア ア ア ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (鋼鉄鎧の武具を纏った筋肉質の漢が現場へと馳せ参じ、"真っ向から自走砲の砲弾を受け止め"にかかる)――― シ ュ ゥ ゥ ウ ウ ッ … ! ! (立ち込める硝煙の中で、突きつけるように構えていた盾型ガジェットを下ろす)―――お前らァ、気張れッ!!!(怒号にも近い雄叫びを上げると、果敢にも自走砲へ向かって突撃していく) 」

ライオット「 ……? (あいつ、今何をした…!?)(剣戟の最中、リベルが何かを武器に装填したのを見逃さなかったが…)――― ッ゛ ゥ゛ ! (強く弾かれ、火花と共に後方へと退かされる)   ! ! ?   (鈍い斬撃音と共に過る違和感に、ふと振り返る。視界を覆う影――切り落とされた鉄塔に大きく目を見張るも)……!(その巨大な残骸を蹴散らしてくれたAEGISの助けを得て安堵し、そのままリベルへと跳びかかる。接近の最中、赤く発光する自身のガジェット―――) 」


―― ⚠RELEASABLE⚠ ―― (ライオットのガジェット、その表面に「解除可能」のアラートが表示される―――)


米女メイ「あれは…!センパイ、援護に来てくれたのか!(千砂都を見て)…(わっかりやす~…)(ヒロをジト目で見つつも残りの兵隊に対しボムを撃ち込む) 」

エドガー「   ザ  ッ     (ベーカリーの紙袋をめちゃくちゃ大切そうに抱えながら帝国洗車の前に仁王立ち。紙袋を隣の兵士に) 落としたらシメるぞ(と短く告げ渡し、ガシェットを取り出……)    。(せない。基地に忘れてきてしまった) 悪い博士、ほんとごめん。次回はちゃんと活かすようにするよ    メッッッッッッッ         ゴ  ォ  ッッッッ   !!!!      (クレーターを生成し地を蹴り、戦車から放たれた弾丸へ急速接近、速度を殺さず……)        せいッ     (シンプルなジョルトブロー、砲撃第二射撃が来よう物ならそれごと殴り飛ばす勢いで戦車を破壊しにかかる) 」

ライオット「 (飛ばすぞ―――)――――" ブ ー ス ト " ォ ッ ! ! (その一声をトリガーに閃光《グリント》は強い光を帯び、僅かな粒子を零して潜在的な力を解禁する) こっからが俺の…――― 暴走時間《 ワンマンライブ 》だッ!! (赤く発光する二刀ナイフでリベルに斬りかかる。振り下ろされる斬撃は先程の比にならない程に重く、固い。まるで一段階上乗せされたかのように、秘めたる力を爆発させたガジェットを振るいリベルを圧倒していく) 」

AEGIS《神楯》「『まだだ、まだメインセンサーがやられたくらい……!!』(攻撃を受け弾け飛ぶ装甲、カメラが直接露出しながらも、破片を振り払うように首を振って)……『ライオットは!?』 」

片桐「(その頃の片桐おじさんは……)えぇぇぇぇ~~~~……。旧発電施設に備え付け得られていた予備電源が暴走、それが整備不良のガスパイプに引火し爆発が連続で発生しておりますゥゥゥ……えー…… 周辺住民の皆様におかれましてはァァァ……現在本庁が地元警察と連携し避難誘導を行っておりィィィィ (増援を部下に任せ、マスコミ対応に追われていた) 」

ガトウ「―――― ッシャアァ!!よくやったァッ!!!(エドガーの参戦によって自走砲の第二波を受け止めずに済んだことで口角を上げ、彼に並ぶと―――)――――  貫 け ェ ッ ! ! (盾に内蔵されたパイルバンカーを射出、自走砲を突貫する) 」

バンレッジ「(爆炎で消し飛んだ……?違う、奴はアレを隠れ蓑にして逃げたのか…!)(兵士達をライフルで狙い、確実に一発ずつ発砲しながら)数の上では苦しい、が……これは有難い、屈指の武闘派たちがやってきてくれたか…! 」

帝国軍・自走砲「 メ ギ ィ、 バ ギ ィ ッ … ――――――      ド     オ     ゥ     ッ     !    (エドガーとガトウの連携によって、硬い装甲で覆われた戦車が瞬く間に拉げ、スクラップを成した途端に盛大な火柱を上げて無残に散るのだった) 」

鬼塚夏美「……(スカウターのようなものを右目につけて戦車をみる)あの戦車の砲弾は回避が容易ではない…被害が生じる前に本体を破壊する方を優先した方がよいですの! 」

若菜四季「…バックアップは任せて(ヒロ、メイ、千砂都にそう告げ、どこからか取り出したバズーカを構える) 」

帝国軍隊『 ド ド ド ド ド ッ … ! ! (気が付けば、帝国兵の数は10人を下回っていた。だが、隊長格のリベルが退かない限り、彼らもまた撤退する様子はない。最後まで重火器を構えてレギュレイターを迎え撃つ)』

リベル「――――!!(今までのそれとは明らかに違うと、ライオットの覚醒を肌で感じる) ガ ギ ン ッ ! ガ ゴ ォ ッ ! ! ギ ィ ン ッ ! ! ! (ライオットによる強力な一撃を受け止める度に、リベルの身体ごと圧され尋常では無い衝撃が全身に響き渡る) ギ ャ イ ィ ン ッ ――――…ッっ……!!(ついに得物を大きく弾かれる。口唇を僅かに歪め、その日初めて呻くような呼吸音を漏らして決定的な隙を晒してしまう) 」

若菜四季「……重火器には重火器。(バズーカで軍隊に対して攻撃) 」

鬼塚夏美「敵兵はあと10人ほどですの! 」

コンラード「 ド  グ ォ オ  オ   ン   (路地からでたらめなドラテクで装甲輸送車が飛び出し、帝国軍隊の弾丸を防ぐ壁になる)ひぃぃぃぃ!!救援要請があったらこれだもの!! お、おい君達!!なるべく早く奴らを片付けくれないかね!?負傷兵を連れて早く帰りたいよもー!!(運転手からの悲痛な叫び) 」

機人《 ヒトガタ 》『 ガ シ ャ ガ シ ャ ガ シ ャ ガ シ ャ ッ ――――― ! ! ! (だがそこに、帝国兵の埋め合わせをするかのように機械生命体の増援部隊が出現。レギュレイターの団員たちへ殺気立てて襲い掛かろうとするが―――)』


――――― ザ  ギ  ィ  ィ  ィ  イ  イ  イ  イ  ン  ッ  !  !  !  (迸る鋭い一閃が、機械生命を瞬く間に残骸にへと変えていく)




セイン「―――― ス チ ャ ン (機械生命体の群れを一瞬で消し飛ばした「剣」が、鞘に収められる)これ以上、貴方がたの思い通りにはさせませんよ。(堂々たる佇まいにマントをはためかせ、青年騎士は不敵に口角を上げる) 」

バンレッジ「すごいな…!(ライオットの暴れっぷりに目が行くが、コンラードの乗って来た装甲輸送車に向かって振り返り)怪我人と非戦闘員から優先してアレに乗れ!退ける人間は退くんだ! 」

エドガー「ったく……。オフの日ぐらいは馬鹿でいさせて欲しいよ   あっ  (上着の胸ポケットに忍ばせていたパン屋のお買物券が焼け焦げている事に気付き)  あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!!(膝と肘を突いて断末魔のような悲鳴を上げ)あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!!(八つ当たりといわんばかりにマトリックス顔負けの反射神経で弾丸を回避しながら帝国兵をサンドバックしに行く) 」

アギト「は ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ あ あ あ あ あ あ あ あ あ!!(謎爆発を背景に二台のバイクが宙を舞う)でやぁぁああああああああああああ!!!(氷川さんと一緒に巧みなライディングテクで敵を轢き倒していく) 」




ルクエス「世界最強の剣士と名高い実力…あれは見事なもんだネ(セインの登場にわざとらしく感心する)ははっ、コンラードのおっさんも頑張って仕事してるネェ~。んじゃまあ…ボクもそれっぽいことしておこうか、ナ―――― ニ カ ッ (にかっと白い歯を見せたと思えば、口内に忍ばせていた黒い飴玉―――自身の「ガジェット」を咥える形で露わにする)――― 踊れ、侵攻《 ハーメルン 》 (その一声で空気に溶ける飴玉、それと同時に周囲に顕現される無数の黒い剣が浮遊し、残された帝国兵へと飛来。鋭い曲線を描きながら追尾し、容赦なく突き刺して殲滅していく) 」

ライオット「――――― ゥ ォ ォ オ オ オ ラ ア ア ア ア ア ーーーーー ッ ! ! !( ズ シ ャ ア ア ア ア ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! )(ナイフの付け根を合わせて再び得意な長槍を形成。頭上で華麗に振り回し、遠心力を付けたことで先端に収束するエネルギー。それを纏う槍を振りかざし、豪快にリベルに向けて振り下ろす) 」

AEGIS《神楯》「……『ライオット……ここで成ったか!』(ズザザと横滑りしながら、脚のサーベルを横に振り、黄色い光波を飛ばす) 」

リベル「――――!!!(身体を引いて直撃を免れようとするが既に遅く、) ズ ッ シ ャ ア ア ア ア ア ッ … … … ! ! ! (袈裟がけに肩から腰までに深い一閃を刻み込まれ、血霞みが辺り一帯に撒き散らされる) ピシ ピシピシピシッ バ リ ン ッ ……! (ライオットが放ったエネルギーの奔流に鉄仮面が耐えきれずに一部が破壊され、素顔の半分が曝け出される)グ………ぅっ……(致命傷足りうる攻撃―――膝をつきそうになるのを何とか堪え、少女の顔は苦悶に耐えるように眉間に深い皺を刻み、レギュレイターの面々から後ずさるように下がる) 」

リベル「…… …… ……作戦は失敗。全部隊、直ちに作戦行動を中止し撤退を(展開する全ゼレオロス帝国部隊に撤退命令を通達し、リベルを保護するように帝国兵が陣形を整える)――――――……我がゼレオロス帝国に楯突くなら……相応の報いは覚悟して。(レギュレイターの面々を睨みつけながら捨て台詞のように吐き捨て、帝国兵と共にその場を退く) 」

ライオット「ハァー…ハァー……ッ…!(解放された力が時間切れに伴い消失。元光を取り戻したガジェットを握りしめたまま荒い呼吸を繰り返していたが―――)――――!?(ふと、その呼吸を忘れさせる衝撃の事実が自身に襲い掛かる。眼前の敵がつけていた鉄仮面が割れ、露わになったその素顔に、驚愕する。その正体こそ、先日出会ったあの「リベル」という少女であったのだ―――) 」

バンレッジ「……しかし、こうして見ると見事な腕の救援が来てくれたな…(ライフルの照準を帝国兵に合わせながら、撤退するリベルを見据え)……敵は…退いている様だな… 」

鬼塚夏美「………?(ライオットの方をふと向く。その驚いた反応を見逃さなかった) 」

ウィルバー「 ザッ (爆発の中心そのものであったにも拘らず何事もなかったかのようにライオットの近くまで歩み寄り、横目で一瞥を送る)………。(続けて帝国兵が撤退した方向を見やり、誰に向けてでもなく言葉を発した) 呼吸を整え目線を前に、装甲車へ乗れ。平常であることを推奨する(そう告げ、踵を返し歩を進める) 」

ライオット「 ……ッ゛……?! (理解が、追いつけない。生死を賭けて戦った相手が、あの無垢な笑みを向けてくれたただの少女であった、その衝撃の真実に。信じられない事実を突きつけられ、呼吸は更に乱れる。撤退していく彼女たちを追いかける余裕すらない。膝を突き、崩れ落ち、項垂れる。)………ウソだ……ッ……―――― 」


ライオット「  嘘  だ  ぁ  ぁ  ぁ  あ  あ  あ  あ  あ  あ  あ  ッ   」


青年の悲痛な叫びが青空に木霊する。
こうして、帝国軍による発電所襲撃事件は落着したものとし、レギュレイターは本部へと撤退していくのだった――――



その頃―――


― 第3調査兵団・事務所・研究施設 ―




帝国軍隊『 バ ァ ン ッ ――― ダ ダ ダ ダ ッ … ! (30人ほどの黒尽くめの軍隊が、不在の事務所へと雪崩れ込む。各々に室内を見渡し、クリアリングしながら奥の通路へと突き進んでいく。そして、普段は不用意な立ち入りを禁じている「ラタリアの研究部屋」へと繋がる長い通路を走り抜け、その奥地へと進軍するが――――)』


―――― ズ ギ ャ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (先頭を走っていた5~6名の兵隊が突然迸った衝撃に吹き飛ばされ、床に叩き付けられたり壁に激突したりする。突然勃発した事態に警戒心を剥きだし、重火器を構えだす兵士たち。その視線に先に広がる硝煙の中から、一つの小さな影が揺らめいている―――)


ラタリア「――――― ガ ギ ョ ン ッ … ! (通路に立ち込める硝煙より姿を現したのは、小柄な幼女。その右手には、幼い彼女には到底似つかわしくない巨大な鈍器が握られている。普段前線に立つことがない科学者の彼女が誇る最強のガジェット「震激《 タイタン 》」の起動音が微かに鳴り響く―――) 」

ラタリア「 キミたち、ふほーしんにゅーはお断りしてるらよ。 (寝起きで機嫌の悪そうな表情をひとつ浮かべて、普段決して見せることのない眼光炯々たる瞳に賊共を捉えると―――)――― ガ ォ ン ッ ! ! (物々しい鈍器をその小さな腕で軽々と振り回し、威嚇。仁王像を彷彿とさせるオーラを放ち、意地でもこの先へは通さないという強い意志を孕んだ眼差しを向ける) 」

帝国軍隊『 ズ ダ ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! (たとえ相手が幼女だろうと、その皮を被った怪物だろうと関係ない。任務を全うするためだけの冷徹な兵士としての構えを取り、たった一人の少女に向けて容赦なく発砲を繰り出した)』

ラタリア「 フ ッ … ――――― シ ュ ド ォ ン ッ ! ! (前のめりに傾倒する姿勢から、大砲の如き勢いでその身を解き放つ。床と平行に飛び出しながらその小さな体を利用して銃弾の嵐を掻い潜り、瞬間的に軍隊との距離を詰めると――)――  ズ ォ ン ッ ! ! (斧を模した打撃形態から放たれる一撃を振りかぶり、一掃。その余波が後方に並ぶ兵士すらも貫き、ボーリングのように次々と吹き飛ばしていく) 」

帝国軍隊『――― ダ ダ ダ ダ ダ ッ ! ! (吹き飛ばされていく前衛たちを割り込んで、後衛に構えていた部隊が射撃を行い続ける)』

ラタリア「 ガ ギ ョ ン ッ ――― キィンッ、カキィンッ、キュンッ、キィンッ…!!(頭上で一回転させた斧を前方へ構えるように地面へ叩きつけると、それは一瞬で盾形態へと変形。分厚い装甲は銃弾の嵐をものともせず、少女を守る。) ガ ギ ョ ン ッ ――― (銃撃が止んだタイミングを見計らうと再びガジェットを持ち上げ頭上で振り回す。その一瞬の最中に銃撃形態へと変形したそれを利き手の反対へと構えると―――) 」

ラタリア「――――  バ  シ  ュ  ゥ  ゥ  ウ  ン  ッ  !  ! (トリガーに指を引き、曝け出された砲口からレールガンが射出され、直線状に立つ兵士共を消し飛ばす。ここまでの一連の流れを、彼女は顔一つ変えず成し遂げ、軍隊を相手に一人で華麗に迎撃していく) 」

帝国軍隊『 ダ ッ ―――― !(銃撃戦では埒が明かないと踏んだ一部の兵士がナイフなどの近接武器を手にラタリアへと迫る)』

ラタリア「 よっ… ガ ギ ョ ン ッ ――― ザ ギ ィ ィ イ イ イ ン ッ ! ! (重量感の誇るガジェットを片腕のみで軽々と一回転させると、今度は薙刀を模した斬撃形態へ。ナイフなどでは到底及ばない長いリーチを利かせた獲物を振り回し、兵隊が繰り出すよりも先に振るい薙ぎ払っていく) 」

帝国兵「 フ ォ ン ッ ――――(だが、ラタリアを相手にしている兵士たちはあくまで「囮」。本来の目的を遂行するべく、一人の兵士が隙を見てラタリアを横切り、そのまま奥の部屋へと全速力で突っ走っていく) 」




ラタリア「(―――!?)しまっ――――!(一瞬の最中、一人の兵士が横切っていくのを決して見過ごさなかった。しかし、尚も襲い掛かる囮たちに背中を向けることはできず、迎撃に専念せざるを得ない状況に追い込まれて初めて小さく舌打ちする)――― 邪魔らッ!! (何をトチ狂ったのか、ヤケクソ気味に自身のガジェットを兵隊に向けて投擲する。すると―――) 」


―――― ズ ガ ア ア ア ァ ァ ア ア ア ア ア ア ン ッ ! ! ! ! (彼女のガジェットに内蔵された火薬が、投擲された衝撃を感知して内部で押し潰され、一斉点火。軍隊を丸ごと呑み込む凄まじい爆発が巻き起こる)


ラタリア「 パ シ ン ッ ――― ! (爆発の衝撃でブーメランのように帰ってきたガジェットを片手でキャッチする。ジュウ…と焼け焦げる音と匂いを放つ鈍器はあの爆発を発動しても尚微塵も損傷しない頑丈さを誇っていた) っ……! (兵隊の全滅を確認すると、急いで奥へ向かった兵士を追いかける) 」

帝国兵「  ガ ッ  (ラタリアの研究部屋に到達した兵士。慌てる様子もなく冷静に周囲を見渡す中、そこに発見した目的のものに手を伸ばす。それは、イーティスが残した、あの「ヘリックスシリンダー」が格納されたアタッシュケースであった) 」

ラタリア「――― それをどうするつもりら? (なんとか帝国兵に追いつくとその背後に佇み、ガジェットをいつでも振り回せる態勢でじりじりと距離を詰めていく) 」

帝国兵「……――――(たった一人で30人も及ぶ兵隊を退けた少女を相手に挑むほどの器量はない。しかし、逃げられる状況でもない。壁際まで追い込まれた兵士が選んだ行動は、彼女にとって思いがけぬものであった―――) 」

帝国兵「――――  ジ  ャ  ラ  ァ  (懐から取り出したのは、『懐中時計』。そう…かの青年・少女が保有していた唯一無二であるはずの『ユナイタルウォッチ』…それに酷似した代物だった)  カ チ リ ――― キ  ュ  ィ  ン ! (時計の天面ボタンを押すと、薄暗い研究室を激しい光が覆い尽くす) 」

ラタリア「(―――― ! ! ? ) (兵士が取り出した『ソレ』に驚愕の眼差しを向けた)……お前、それは――――ッ!?(迸る閃光に目を伏せる) 」

帝国兵《 アクイラ 》「 カ チ ャ ガ チ ャ ガ ギ ャ ン ッ ―――― ! (瞬く光が弱まっていくと、帝国兵の姿はない。代わりに、彼の立っていた場所にはあの機械生命体・機人《 ヒトガタ 》とまったく同じ姿をした存在が顕現される。手に握られたままのアタッシュケースから、姿が入れ代わったのではなく…"機械生命体の装甲をその身に纏った"ことを裏付けていた) 」

帝国兵《 アクイラ 》「 グ ワ シ ャ ア ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! (強靭なパワードスーツを纏った兵士はラタリアと交戦することなくそのまま踵を振り上げて壁を突き破り、異常な脚力をもって颯爽と撤退するのだった―――) 」

ラタリア「ッ…――― 待つのらッ!!(そう叫んで止まるはずもない。開かれた大穴へ駆け寄った頃には、風のように去っていく兵士をすっかり見失う)………不味いことになったのら……(貴重なナノマシンを奪われた挙句、思いがけぬ一面を目撃してしまい、双眸を泳がせる) 」

ラタリア「……―――――――― 事態は一刻を争うら (吹き抜けの壁に噴きつける風にぼさついた髪や白衣が靡く。次々と山積みになる課題に、白衣の幼女は険しい表情をひとつ浮かべ、ただ茫然と佇むのであった―――) 」



― ラステルム王国・世界政府駐屯エリア・大会議室 ―




ティネル「………(肘を机に立てて両手を組み合わせ、険しい表情をひとつ浮かべていた)………ゼレオロス帝国の襲撃、か… 」

セイン「はい。先日報告したように、ここ数年にゼレオロス帝国が五大国に姿を現したという報告はございませんでした。 しかし…―――― 」

エクレイル「――― 『奴等』は再び現れた。それも、我々が敵対していた機械生命体を引き連れて…(円卓の中心に置かれた、アサギが回収した機械生命体の残骸の一部。そこに刻まれた、ゼレオロスの紋章に視線を向ける)これまで機械生命体は直接破壊活動を行うことはなかった。だが今回の事件で、その認識が覆された。 」

ルクエス「連行された帝国兵の捕虜は、それからどうなったのかナ?(手袋の爪先で突き合うように手遊びしている) 」

セイン「尋問には応じませんでした。それどころか…「皇帝陛下万歳」の一言だけを叫び、"自ら舌を嚙み千切って自決してしまいました"…。並々ならぬ忠誠心によるものか、あるいは暗示によるものかは定かではありませんが…捕らえた帝国兵がみな一様に……(表情を曇らせながら) 」

ヘザー「……かなり強度の高い思想教育が行われていそうですね、文字通りの末端兵士として扱うならある程度使い勝手は良いんでしょうが……(車椅子でなく面々と同じ様に椅子に座り、険しい顔でセイン達を見ながら)……とにかく、今回の襲撃は最早機械生命体による謎のテロではなく、国家の下に置かれた"正規の軍隊による攻撃"……戦争ですよ、これは

片桐「並大抵の国家なら世界政府の総力が抑止力として機能する。だがよりによってアレとはなァァァ…… 政治背景もクソもないスクラップ処理係でいた方が楽だったなァァァ……(頬杖を突き今にも何かに寄りかかりそうな不安定な姿勢で項垂れる) 」

ガトウ「……幸い民間人に被害はなかったし、襲撃された発電所も大した実害が出なかったのは良かったが… 第3の副団長が軽傷を負っちまった… 今はうちのメイヴィスが面倒を見ているが、命に別状はないという。とはいえ、本人曰く…力が一時的に入らないらしい。しばらくはうちで預かるが…ラタリア、問題はねえか…? 」

ハロ「ハロ、ハロ(ピョコピョコと跳ねながら、パカっと開いて)ハロロ(戦闘によって得られたデータをまとめて空中に投影する) 」

ラタリア「助かるのら。劉狼のこと、よろしく頼むら…(ガトウにぺこりと頭を下げる)…そうら、その娘(メイヴィス)の証言に気になることがあって調べてみたのら。ウチの劉狼が打ち込まれた銃弾…それを解析した結果、わかったことがあるら。 」

ラタリア「帝国が使用している銃弾…それには、属性エーテルを帯びたクリスタルの粉末を納めたソイルが搭載されていたことら。本来エーテルとは…気体から液体へ、そして液体から固体へと変質する。このエーテルが結晶化したものが「クリスタル」になり、それを砕いて弾頭に混ぜ込んでいたみたいらね。これはつまり、「外付けの魔法機関」と言っても過言ではないら。劉狼はその弾丸を受けたことで、力を大きく削がれてしまったのら… 」

セイン「発達した科学は時に魔法と見分けがつかないと言われています… ゼレオロスほどの技術力があれば頷けますね…。機械生命体のことも含めて、帝国は我々が予想しているよりもかなり脅威の力を持っていると警戒するべきですね。彼らの目的が何にしても、次の襲撃に備えて対策を講じる必要があります。それこそ、戦争に発展してもおかしくはない。 」

嵐千砂都「……っ…(「戦争」……)(物騒な用語にごくりと息を呑み込む) 」

ルクエス「劉狼氏のことも気の毒だけど…ラタリア氏、御宅のことも大丈夫なのかナ?発電所を襲撃されている間、第3の事務所までも襲われたって聞いたけド…? 」

ラタリア「……その通りら。事務所はボロボロ(※主にやらかしたのは博士だけどあいつらのせいにしとこ…←)、挙句の果てに解析中だったヘリックスシリンダーまでも奪われてしまったのら… 」

セイン「無理もありません。我々が総動員して発電所で迎撃活動に当たっている一方で、ラタリア様はたったお一人で帝国兵を退けていたのですから。 」




コンラード「認めたくはないが……そうなるのも時間の問題と言えるな……。 エーテルによる不可侵の絶対防壁から分かるように外交による解決は望み薄だ。あちらには玄関は愚か、戸口すらない。その癖白昼堂々と国旗を掲げた勢力が他国において武力を行使しあまつさえ政府軍、正規兵と発表こそされていないがその関係者に攻撃の意思を示した。 "戦争になる”ではない……。戦争に"なった"のだ……。   くそッ!! (拳を卓上に叩き付け歯を食いしばって出かかった罵詈雑言を飲み込み、震えて耐える) 」

ラタリア「けどその時、衝撃の事実を目撃してしまったのら。ヘリックスを持ち去った兵士が…ライオットやあの娘(イーティス)のものに似た「ウォッチ」を持っていたのら。それらけじゃない…ウォッチを使って変身したのは、あの機人《 ヒトガタ 》と全く同じ姿だったら…! 」

ヘザー「……劉狼副隊長が被弾したと聞いてはいましたが、成程……毒の様な効果を持つ魔法を仕込んだ弾丸、ですか……似た様なアプローチの兵器はあるとは言え、向こうはそれを実戦で問題無く使える程度の技術を持っている……か、長距離砲でも要請しておこうかしら、諸々の事を考えて……  そうです、怪我は無さそうに見えますが……何とか撃退できたんですね、私が応援に良ければよかったんですが(ラタリアに振り返り) 」

ガトウ「どういうことだ…!?帝国兵が、機械生命体に変身したってのか…!?そんなバカな…ッ… あのロボットは自律稼働するタイプじゃなかったのか…!? 」

エクレイル「もしかすると、我々の実力を図り、従来の機械生命体では歯が立たなくなったと結論付けた帝国側が新たに開発したものかもしれん。一個人でもそれなりの実力を持つほどに訓練された帝国兵が、機械生命体と癒着することになってしまえば…それこそ、奴らの戦闘能力は大幅に増強することとなる! 」

マルガレーテ「少数精鋭のこっちと、帝国。物量でこられたらジリ貧ね。長期戦にでもなれば勝ち目は…………(苦い顔をながら呟く) 」

片桐「留次しているのが姿形、運動性能までならまだいい……仮に期待強度が敵の狩る"ユナイタル"と同程度だった場合がクソゲーだ……(ラタリアに横目をやり) 各団の"支部"規模じゃ守護れねぇ……。『ラタリア』、お前"本部"に泊まれ。生きてるならラボ毎移動しとけェ……必要なら他兵団からメカニックを召集。総力を挙げて『アップグレード』を済ませろォ…… 」

アレックス・ディノ「…………(少し薄汚れ、少々服の焼け焦げた状態で入室)……すまない、遅れた。今までの話はハロを通じて聞いた……オレも……奴らの動きについては確認、していた……(そのままゆっくり、倒れ込むように椅子に腰掛ける) 」

ラタリア「その気遣いで充分らよ、ありがとね。(ヘザーに)片桐…… 分かったのら。(しょぼんと項垂れる) 」

ルクエス「…発電所の襲撃、エーテルを含んだ弾丸、奪われたナノマシン、機械生命体との癒着…一瞬の出来事でこんなにヤバいことが明かされたんじゃあ、悠長に事を構えてる場合なんてないんじゃないノ?あちらさんは今も水面下で動いているよ、きっとネ。(いつものように他人事な口ぶりで煽動する) 」

ヘザー「……(頭を抱え)機械生命体と同じ姿に、か……参りましたね……いや、予想しておくべきだったか…シリンダーも奪還された、か…いえ、当然の気遣いです。お気になさらず…… 早めに動く必要はある、しかし戦力も要る……政府軍本部に応援を頼むべきかもしれないわね、うちの副隊長も帰ってこないし……アレックス?何よその恰好… 」

オアシム「迎撃にこそは成功したが、ここ最近我々は彼らに翻弄されている傾向にある。守りを固めようにも、今の第3調査兵団は副団長の劉狼氏が治療中、ラタリア氏も開発に解析と団長業務に手が回らない中、その活動に限界が生じている。 襲撃された事務所も修理中だが、しばらくはかかるだろう。 」

ティネル「オアシム、そのことに関してはラタリア本人から事情を把握している。よって、しばらくの間、「第3調査兵団は活動を停止」。劉狼は治療に努め、ラタリアはこれまで通りの開発作業を本部で行うことにする。そして…戦闘員のライオットとアサギについては、団員研修配属制度を用いて他部隊に一時的に移籍してもらうことになった。 」

ティネル「また、第3が活動停止の間、 レギュレイターの組織条例に則り…―――― 補欠部隊『 第0調査兵団 』の発足を考案する。現在、我々世界政府で審議を行い、そのメンバーを選定している。 」

エクレイル「……まさか、こんな形で『 第0 』が動き出すことになるとは…ッ……(険しい顔つきをひとつ浮かべる) 」

ガトウ「どうせ動くことはねえだろと思い込んでいた幻の部隊が… こりゃあ、マジでヤバイことになってきたな…(腕を束て椅子に深くもたれかかる) 」

嵐千砂都「あ、あのっ……!(ここで、ガトウの背後から団長陣に挙手する)…えっと…その、『第0調査兵団』って言うのは、何なんですか…?レギュレイターは、第1から第10までしか存在しないはずじゃ…?

アレックス・ディノ「……気にするな……少し……野暮用があってな(ヘザーにそう返すと、目を落として)……第0……か……オレのいない間に……事態はどんどん大きくなっていくようだな…… 」

セイン「…そうですね、これに関しては団長しか共有されていなかった事実。私から改めて説明いたしましょう。(起立し、千砂都に優しい笑顔で答える) 」

セイン「―――『 第0調査兵団 』…それは、組織条例・第151条に基づき、何らかの事態で一部隊が壊滅、もしくは活動停止を余儀なく無くされた場合に発足される、最強の補欠部隊。総司令官の申請で世界政府上層部より設立許可が下り、政府軍将校内で人選が決定する。即ち、一部隊でありながら"バスターコールに匹敵する軍事力を持つ"とされています。第0が動き出すということは、それだけ緊急事態に陥った…ということなのです。 」

コンラード「1国家を相手にするのとは規模が違う、バスターコール相当でも火力に懸念がある程だ。オーバーラップを"災害"と捉えていた頃は第151条なぞ必要性すら疑う声が挙げられていたものだよ……。まあ主に私なんだが…… そうか……これは"人災"なのか……(両手を重ね顔を覆い視界だけでも事実から無意識に逃れようとしてしまう) 」

ルクエス「大げさな物言いだけどね、戦争に飛躍してしまったからこそ『 第0 』が動くことになったと言ってもいい。ボクが所属していたサイファーポール…その最上機関がCP-0であるように、レギュレイターにも緊急時における秘密組織が予め組み込まれているんだヨ。まさに、"最後の切り札"ダ。 」

ヘザー「こういう事態に対応する為の、文字通りの切り札……故に『第0』が動く状況は、まさに:有事:と言って差し支えない 」

嵐千砂都「…そんなものが組織にあったなんて…知らなかった……(団長陣の話を聞くだけでもそのスケールのでかさに唖然と立ち尽くしてしまう) 」

セイン「総司令官のお考えとあれば、我々も受け入れましょう。では、我々第8調査兵団は後日、ゼレオロス帝国について有益な情報を握っているラステルム王国・『女王陛下』のもとへ謁見に参ります。イーティス・センシオンと、ゼレオロス帝国…両者の関係についても明らかにしなければなりませんからね。 」

ガトウ「俺たち(第2)は変わりねえ。敵が強くなるのなら、こっちはそれ以上に強くなるための取り組みを行うだけだ。(脳筋故の考え) 」

ラタリア「―――コンラーーーーーードッ!!!(クッソデカイ声で叫ぶ)……………うちのライオットを、よろしく頼むらよ。(急に落ち着いた表情に戻ったと思えばぺこりとお辞儀する) ガトウ君も、アサギのことよろしくね。あんまり過度な筋トレだけはさせないであげてほしいのら… 」

片桐「第0が動くなら他公務機関との接触は避けたい。第4は本庁へ本件に対し一切干渉しないよう念入りに釘を刺してから、相手の出方次第で動く。まあ手柄第一の上がどう動くかは未知数だがな……。(頬杖を突き癖で酒を飲もうと虚を掴みながら) 」

ヘザー「……我々も変わらず、前線でゼレオロス帝国近辺の調査に向かう。中長距離砲を仕入れる事も考えて、連中の動きを即座に捉える必要がありますから 」

ガトウ「おうっ!確か、ライオットの後輩ということは…俺からすれば後輩の後輩になるな!ああ、あいつみたいに可愛がってやるさ!(ガハハと豪快に笑う) …というわけだ千砂都。お前も面倒見てやってくれよな。 」

コンラード「ええっ!?うち!?うちなのォ!!?(ギャグ調に上ずった悲鳴を上げ)……はぁ、まあ組織の外堀を固める作業は区切りが着いた。人員に余裕があるのは私の団だが……。あー……あれだ、博士のところにうちの団員を何人か貸そう。第10は通常業務に加え、本部の警備に人員を提供する。構わないかね 」

嵐千砂都「はいっ…!(第3の研修員、か… どんな娘か楽しみだな。) 」

エドガー「(兄妹喧嘩の緩衝材としてうちに欲しかったな……。男ならあの妹も暴れないだろうし……  という顔) 」

ラタリア「それは頼もしいらね、是非ともお願いするのら。今は猫の手も借りたい状況らからねぇ…とにかく、帝国軍に対抗するためにいち早くガジェットのアップグレードを完成させなきゃら。 」

ルクエス「うちとは違って、他所は賑やかだネェ。ま、あんまり騒ぎを起こされても困りものだけド…(ボソッ) その研修員制度も固まったことだし、ボクたち第9は第6に連携し、帝国の諜報活動に移行するヨ。「ボクたち」は…影に潜んでいる方が性に合ってるからネ。 」

ヘザー「(普通は気にもなるでしょうが、ここ隊長会議なのに……まあ、詮索しない方が良さそうね……)……まあ、そう言うならそれ以上聞かないけど、事態は悪化してるわね……  あら、第9がうちに……でも助かるわ、情報収集に長けた、陰で動ける人間が居るのは心強い 」

ウィルバー「(相変わらず目線はどこに向かっていなかった……が、ラタリアとコンラードのやり取りを耳にし……)……。(コンラードへ一瞥をやり、何かの"意思決定"をしたかのように小さくうなずいた) 」

ティネル「不測の事態に陥ったが、我々は、反復現象の尻尾を掴んだのだ。相対すべきは「ゼレオロス帝国」。世界政府、並びに五大国と連携して奴らを弾圧し、この地に平穏を齎す。総員、直ちに任務に当たれ。以上をもって緊急団長会議を終了する…――― 解散! 」

アレックス・ディノ「……後で少し……いいか……?(立ち去ろうとする時、ラタリアとティネルへハロを投げ渡すように)……第一は今まで通りだ。オレは少し……頑張る 」



― 赤十字病院・病室 ―


ラタリア「―――…体調はどうら?(パイプ椅子に座って床に届かない短い脚をぷらぷらさせている) 」

劉狼「依然変わりなく。しかし、左腕にはまだ微かに痺れがあり、医師からは完治にはもうしばらくかかるとのことで… 」

ラタリア「……ごめんね。劉狼に何もかも背負わしちゃって… 」

劉狼「これしきのこと、拙僧は問題ありません。それよりも、博士こそ無理をなさらず。貴女に課せられたものはあまりにも多い。レギュレイター全員の命を預けていると言っても過言ではないのです。貴女がいてくれたからこそ、ヘザー殿や拙僧のような者が救われたのです。ライオットアサギもまた、貴女に拠り所を感じている。体調を崩されてはなりませんぞ。 」

ラタリア「……わかってるらよ。相変わらず口うるさいらね。(などと面白おかしそうにほくそ笑む) ……そのライオットアサギを、他所に移しちゃうけろも… 」

劉狼「ええ、話は伺っております。しかし驚きました。貴女のことです。決して彼らを手放すことはないと思っていたのですが…何か御考えが…? 」

ラタリア「……私たち第3の事務所が襲われた時、察したのら。あそこに事務所があることも、私の研究施設があることも…そして、回収したナノマシンがあることは―――― "身内しか知らないはず"なんら。 」

劉狼「……!まさか……いえ、そんなことは……っ…(ラタリアの発言からよからぬことを察知する) 」

ラタリア「これは科学者の勘じゃない、私自身の勘ら。レギュレイターに…「ゼレオロスと繋がっている者」がいるら。ライオットとアサギの二人にはそのことを話し、総司令官には適当なことを言って他所の部隊に潜らせることにしたのら。 」

劉狼「……これは、由々しき事態になりそうですな… 」

ラタリア「大丈夫ら。私の可愛い「子どもたち」なら、きっと上手くやってくれる。それに、あの子たちはキミが育ててくれたんら。心配には及ばないらよ。 」

劉狼「……博士… 」

ラタリア「…劉狼、あの時の「誓い」はきっと果たされるらよ。「私の」勘に間違いはないら。 」

劉狼「……ええ。(いつかの遠い思い出を脳裏に過らせて、人狼はふっと柔らかな笑みを零す)――― ならば拙僧も信じましょう。貴女と共に。
















 #2:蟹が這い波が浚う 























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最終更新:2025年06月02日 20:06