僕らの物語 過去ログ 第8章

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― 人里離れた小屋 ―




アコール「――――― そして、歴史の影に落とされそうになったかの『特異点』はその役目を輝かせ、分岐点の先へと進み始めました。(羽ペンで書き記していた分厚い古書を静かに閉ざし、何処か満足気にほくそ笑んだ) 」

サガラ「その特異点も、その天命も、「アイツ」に受け継がれた。それが意図されたものなのか、あるいは偶然が引き寄せた顛末なのか… やはり若者の冒険譚は面白いな。いつだって俺たちの予想を裏切ってくれる。もはやそうなることを期待していることすら気づかされない程に、な。 」

アコール「紳士淑女の皆様も、彼らの動向に何らかの興味を示している。「我々」がもう一度一堂に会する機会があるのかは知る由もありませんが…きっと、それも彼らの導く先で可能性があるのかもしれません。我々「観測者」は、この世界の因果にある限りは結局のところ同じ穴の狢なんですから。 」

サガラ「それならそれで、大いに期待しようじゃあねえか。……さて、そんな「アイツら」の冒険も、いよいよ大きな分岐点へと直面しようとしている。ここで終わり、本来の天命を果たすのか…或いは…… 」

アコール「 それでも、物語は続くのです――――――――――― 」



― 星降る地底街「スターピロー」 ―


???「―――― これで良い。(何処かの暗がりの街の中、吹き抜けの簡素な建物の内部にて、横たわる患者らしき者たちの一人一人を診ていた。彼らの腕に包帯を巻き終えると一息を突いた) 」

ナナチ「―――大変だ、おっさんッ!(慌てた様子で建物内部へと飛び込んでくる) 薬品も薬草ももうすぐ底を突いちまう…!地上にあるもんは全部狩り尽くしてしまったし…残るは「深層」だけだ…!けど……あそこは…… 」

???「……"『奴』の息がかかっている"…そうだな? 」

ナナチ「……!………(ぎこちなく頷く) 」

???「…いつかこうなることは分かっていた。もはや郊外への要請は宛にならない。俺が行く。お前たちはここに残って患者たちを頼む。(立ち上がり踵を返すと、胸ポケットから引き抜いたサングラスをかける) 」

ナナチ「なッ……!?正気かよおっさん!!アンタ一人で「深層」なんて…いくら何でも無茶すぎるって…!! 」

???「目の前の命を見捨てて医者が務まるか。それに…いずれは"決着"を付けなければならない時が来ると覚悟していた。今がその時なら…俺は迷わず行く。………あとのことは、頼んだぞ。 」

ナナチ「おっさん…っ…?待てよ…――――― お っ さ ぁ ん ッ ! ! 」



ユゥ「―――――――――――― 」


永遠の夜が逆巻く幻想的な地下世界を流離うのは、一人の少女
何かを夢見てこの地へと踏み込んだ彼女が向かう先は――――――――


ユゥ「 それでも、私たちはまだ―――――――――――――  」












『  僕 ら の 物 語  』













 第8章 "夢の途中" 










願いの谷




願いの谷 ――― そこは、この世界でどこよりも何よりも星々が綺麗に輝いて見える秘境の地。
かつてこの地に訪れた旅人の誰もが口を揃えてこう言った。ここに来れば「願いが叶う」と。
その真相は未だ確かなものは無い、しかし、それでも人はこの地に夢見てやってくる。
それは、「あなた」たちも同じだった。
何故なら、この地こそが、「あなた」たちが目指していた、『最後の目的地』なのだから…


あなた「……!(停車されたメディカル号からいの一番に降りた「あなた」は、ついにその光景を目の当たりにした。長い長い旅を越え、ようやく目的の地へと辿り着いた達成感が… そして、「失われたすべて」を取り戻すための鍵がここにあるという緊張感が… 一気に胸の中を圧迫させた) 」

天王寺璃奈「………やっと…ここまで、来たんだね……!(「あなた」の隣に立ってその光景を息を呑んだ) 」

ホムラ「ここが、『願いの谷』……!私たちの、目指していた旅の終着点…… 」

エースバーン「俺の住んでいた「月の都」に近い雰囲気を感じるな…通りでなんだか居心地の良い空気感が漂うと思ったぜ。 」

ベール「あたしも一度だけ来たことはあったけど、あん時は「願い」なんてものに無頓着だったから素通りしてたわね。後で知ったことだけど、「身内」がここに世話になったと聞いて…もう一度改めて訪問したかったところよ。 」

ヒロ「いざ来てみると、実感がわかないな………ずっと目指してきたものとはいえ…な… 」

メディ「ええ、ここが我々の目指していた最後の目的地『 願いの谷 』でございます。「この地に踏み入れた人々の願いを叶える」という噂が今もなお続いているパワースポットでございますが、科学的な真偽は未だ判明しておりません。 」

メディ「ですが、我々をこの地へと勧めてくださった「八意永琳」様もその過去に、意図せず自ら殺めてしまったご友人の命を御救いになられたのが…この地に来た由縁だとおっしゃっておりました。これは、ご本人様からの証言を聴いた或人社長からの伝言の一文でございますれば。 」

メディ「この「願いの谷」は、1年を通して"夜が最も長い"とされている場所です。幸い夜空に浮かぶ星々が照らす明かりによって、夜道であろうとも白夜のように視界が鮮明に映し出されるかと。……しかし、一つだけ、問題がございます…… 」

天王寺璃奈「ね……本当に、来ちゃったんだ…って感じだよね……(夜空を含む目の前の景色を眺めながらヒロに)……どうしたの…?(メディに傾げる) 」

ヒロ「問題……? 」

メディ「それが…或人社長は「願いの谷に行けば分かる」とおっしゃっておりましたが、ここからどうすればよろしいのか、具体的なプランが不鮮明なのです。主様の宿願を果たすための要因の在処… 八意永琳様は、その当時ここに住まう「ジラーチ」と呼ばれる願いを叶えるポケモンに出会い、その役目を果たしたそうですが… 」

エースバーン「ジラーチ…?聞いたことがあるぜ…!ずっと隕石の中で1000年間も眠っていて、一度だけ目を覚ました時に願いを叶える幻のポケモンだって…!……ん?待てよ……1000年に一度ってことは…… 」

メディ「ええ、そうです… 永琳様が、そのジラーチに願いを叶えてもらってからというもの、現在(いま)は1000年どころか100年も50年も経っていない…ということなのです…。 」

ホムラ「ええっ!?じ、じゃあ…そのジラーチさんに願いを叶えてもらうのは…不可能ということなの……!? 」

ヒカリ(精神世界)「それが直近で起きた出来事なら、次に目覚めるのはほんとにあと1000年後じゃない…!私とホムラは寿命という概念がないからいいけれど…他のみんなはそうもいかないじゃない……! 」

ベール「次に目覚めるのを待つよりもドラ〇ンボールぜんぶ集めた方が早いんじゃうわなにをするやめrくぁwせdrftgyふじこlp;@:(その辺にいたはらぺこあおむしに顔面に飛びつかれて悶える) 」

メディ「ですが、永琳様も或人社長も、その事実を前提として、我々をこの地に行くように勧めてくださったのです。つまり、"他になんらかの方法がある"はずです。科学的根拠もなくジンクスを信じるのはナビゲータとしていかがなものかとは思いますが、この地が『願いの谷』である由縁となる"何か"を探すことが、この冒険の最後の課題となるでしょう。 」

あなた「…… …… ……!(一度考え込むような仕草を取るが、ここで考えるくらいなら探しに行こう、と意気込むようにメディにアイコンタクトを送った) 」

メディ「……主様…(不安を感じさせない「あなた」の意気込みを見て、応えるように小さく頷いた)……わかりました。それでは、まずはこの地の探索から始めてみましょう。衛星ゼアからの俯瞰図によれば、ここはそれほど広くはありません。このまま全員で突き進んでみましょう。 」

ヒロ「他の手段……? 」

天王寺璃奈「そうだね……いろんな苦難を乗り越えてここまで来たんだ、今更手掛かりひとつ掴めず帰ることなんて、できない。行こう、最後の冒険へ――――― 」


そうして、「あなた」たちは訪れたばかりの渓谷へと歩を進める。
しかし、そこから先、どれだけ進んでも特徴的なものは何一つなく、ただ淡々と時間と体力だけが浪費していった――――


天王寺璃奈「……ふぅ…… 結構、歩いたけど……今のところ、これと言ったものが見当たらないね……?(パウチタイプのスポーツ飲料を取り出して補給し始める) 」

ベール「ゼェー、ゼエ…あたしゃちかれたよい……永遠の魔法使いには応えるぜェ……orz はー……どっかで美人なチャンネーのおっπ揉ませてくれたら立ち上がれるんだけどなー……つーわけでホムラちゃん? 」

ホムラ「ダメですよ?(苦笑気味にそう言って代わりにベールにペットボトル飲料を差し出す) うーん……神聖な空気感はあるんだけど、確かに何かありそうな感じでもないし……(一段高い箇所から景色を見渡すも、やはりこれと言ったものが見つからないのか眉を潜める) 」

エースバーン「この時間だから観光客が見当たらねえのも分かるが…周辺の森に住んでる動物たちの気配もあんまり感じねえな……?(うさみみを立てて耳を澄ますが、何も聞こえないのか頭を捻る) 」

メディ「……このままいくと渓谷を一周してしまいますね…間もなく夜も更けますし、今夜は一度メディカル号へ戻って、また明日にでも探索を再開してみましょう。 」

あなた「……―――――― ? (しょうがない、と渋々何度も頷いたその時、高台から下の方角へ視線落した際に何かを発見する)……!(急いでその場所へと急坂を下るように滑り落ちていく) 」

メディ「……!主様……!(突然坂を下り始めた「あなた」に驚嘆しつつ、他のメンバーと共に急いで追いかけに行く) 」

小柄な少女?「――――――(「あなた」の視線の先にあったのは、可愛らしいドレスを身に纏った一人の少女らしき人物。渓谷の下に広がる森の草原の上に突っ伏すように気を失って倒れていたのだった―――) 」

あなた「……!(坂から蹴り立って森の中へと飛び込んで茂みに着地。がさがさと音を立てながら急いで少女のもとへと駆け寄り、その身を転がして表情を伺う) 」

メディ「主様、何かを発見して――――――!(「あなた」が抱き寄せた少女らしき人物の姿を捉えるや否や、二人のもとへ駆け寄ってくる)……こちらの方は… 気を失っているみたいですね…(すぐにその手首を手に取って脈を測る) 応急処置を行います (背負っていたバックから緊急キットを取り出して慣れた手つきで少女の容態を確認しつつ、必要な個所に処置を施し始める) 」

ベール「親方!女だ!女の子だ!女の子が本当に落ちていたぞ!!でも乳はねえな……?(治療を受けている少女らしき人物を舐めるように見つめてはどさくさに紛れてスカートの裾に手を伸ばそうとする) 」

ホムラ「やめなさい(汗)(そんなベールの手を苦笑気味に振り払う)目立った怪我はしていないみたいですが… それにしても、メディちゃんの治療はいつ見ても迅速で的確だね。 」

天王寺璃奈「うん。メディは…看護型ヒューマギアだからね。搭載されている医療技術は本当にすごいんだ。だから、きっとすぐにこの娘も目が覚めると思う〖*╹▿╹*〗 」

小柄な少女?「………ん……ぅ………?(それから数分後、璃奈の期待した通り、ようやく目を覚ました)……は、れ………?(寝ぼけたようにゆっくりと、何度も瞼を開閉させる) 」

エースバーン「おっ、目ぇ覚ましたみてぇだな…!お~い、でぇじょうぶかー?(横たわったままの少女の顔を覗き込む) 」



小柄な少女?「……ハッ…!(ここで、ようやく完全に目を醒ます。あおむけに横たわる自分の顔を覗き込む見たことの人物たちの顔に囲まれて挙動不審になりながらも上半身を起こした)……ぇ、と……?あ、あの……っ… あ、あなたたち…は……? 」

ベール「 白馬の王子様さ (※超絶イケボォ)(四つん這いのヒロの背中に馬乗りになっている) 」

ホムラ「( >< ←こんな顔で必死にベールを引き剥がそうとしている ) 」

天王寺璃奈「あっ……驚かせちゃって、ごめんね…?えっと…私、天王寺璃奈。ただの観光客だよ。ここで気を失っていた君を助けたんだ。 」

小柄な少女? → マルルク「へっ……?そ、そうだったんですか…!?やっ…ボク……そういえば…薬草を取りに来た時に足を滑らせて上から落っこちて…あのまま気を失っていたんだ…… すす、すみません…助けていただいて、ありがとうございました……!ボクは、「マルルク」と言います……!えっと…旅のお方々、本当に、ありがとうございます……!(何度も深々とお辞儀する) 」

ベール「礼には及ばないさ。それより君、どこ住み?L〇NEやってる?ていうか今からあたしとジュクハラでフライデーナイトしない? 」

メディ「 お静かに (ベールの尻に睡眠薬注射器をぶっ刺して強制的に眠らせる) いえ、こちらこそ、お騒がせして申し訳ありません。わたくしは、メディと申します。マルルク様は、この地にお住まいの方でしょうか…?であれば、一つお伺いしたいことがありまして…。 」

マルルク「えっ…あ、えっと……実はボク、ここの原住民じゃありません…。ボクは『 医師団 』に所属してて、ここには一時的に留まっているだけでして……ここに来てまだ日も浅いので、この地についてはそれほど詳しくはないのですが…それでもよろしければ…… 」

ヒロ「お嬢ちゃん,怪我はないかい?俺はヒロだ。大きな怪我はなさそうでよかったな 」

あなた「……!(手を上げてマルルクに挨拶をする)……?(『医師団』というワードを聴いて首を傾げる) 」

メディ「医師団…ひょっとして、『 国境なき医師団 』のことでしょうか? 」

マルルク「あ、はいっ!そうです! 」

天王寺璃奈「それ、聞いたことある……! 」

メディ「 『国境なき医師団』…通称「MSF」とは、主に民間で構成された非営利の医療・人道援助団体のことですね。紛争や自然災害、貧困などにより危機に直面する人々に、独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けている組織のことです。医療援助と同時に、現地で目の当たりにした人道危機を社会に訴える「証言活動」も使命とされていますが… よもや、そのような方々がまさかこの地で活動されていらしたとは。しかし、よりにもよって何故ここで…?願いの谷には大きな事件が起きたという話は入っておりませんが… 」

マルルク「……はい…そうなんです。表向きには"まだ"何も起きてはいません。ですが…本当は、この願いの谷の地下層では、水面下で「ある恐ろしい事態」が発生しているんです…!ボクたち医師団は、偶然この願いの谷を横断していたところを、地下から這い上がってきたという旅人たちの証言を得てその真相を確かめるべく潜ったのですが……そこには、本来この地には存在していなかったはずの「巨大な研究施設」が建設されていたんです……! 」

マルルク「その研究施設から発生している有毒物質が、この地の環境に悪影響を及ぼしていて…渓谷下層、つまり…今ボクたちがいるこの森林地帯も含めて生態が悪化しつつあるんです…!なので、本来生息していた動物たちも姿を消し、不運にもこの地に流れ着いた旅人の皆さんもみな深刻な体調不良を訴えかけているんです。ボクたちはこれを看過できず、およそ1週間前から献身活動を続けているのですが…医師団員たちも限界を感じはじめてきたところに、今度は薬品までもが底を尽きそうな直面に差し迫っているのです…。 」

天王寺璃奈「えっ……!?そ、そんなことが、本当に……っ…?(信じられない、と目を大きく丸くする)……そっか…私たちが歩いてきた地上では何もなかったことが、地下でそんな大変なことが起きていたなんて…… そもそも、地下があるなんて知らなかった…… 」

エースバーン「スンスン……なるほどな……ヤな臭いがプンプンしやがるぜ…(持ち前の嗅覚を研ぎ澄まし、有害な何かを感じ取るとあらぬ方向を睨みつける) 」

ヒロ「求めていた願いを叶える場所の裏で、こんなことが…………!どんな研究をしている,とまでは明らかになっていないんだよな? 」

メディ「……そのようなことが… (絶句したように口を開く)……ゼアの情報にもないことが、この地にはあった。そして今、そこに新たな脅威が発生していると…。皆様、ここは医師団の皆様と共に、我々も献身活動に協力するのはいかがでしょう? そのようなお話を知ってしまった以上看過は出来ません。もしかすると、我々の目的と何か関係している可能性も否めませんし。 」

ホムラ「そうだね…私も賛成します…!それに……なんだか…物凄く、嫌な感じがする……っ…… 」

ヒカリ(精神世界)「……ホムラ……… 」

ホムラ「……大丈夫……大丈夫だよ、ヒカリちゃん…。気のせいであることを、願うよ…… 」

ベール「ぅへぇぇ……あたしもいくどぉ~~~~~……ぅ~~~ん……(※寝言) 」

あなた「………!!(「あなた」は決意し、強かに頷いた) 」

メディ「(全員の反応を伺い意見が満場一致したのを確認するとマルルクに向き直る)……マルルク様、医師団の元へご案内いただけますか?我々も、貴方がたに協力いたします。 」

ヒロ「俺も行く。こうなりゃあ、ほっとく理由はないからな。 」

マルルク「……!そんな…なにからなにまで……!本当に、ありがとうございます…っ……! はいっ、どうぞ、こちらへ……!(そう言うと「あなた」一行を先導するようにある場所へと向かい始める――――) 」



― 星降る地底街《スターピロー》 ―




マルルクに導かれるままに地下空間へと潜り込んだ「あなた」たち。
まず目に飛び込んできたのは、結晶体が点在する幻想的な空間。
そこに、コンクリートで即興的に造られたであろう簡素な造りの建物が小さな集落のように密集しており、
幻想的世界には不釣り合いな小さな街並みが、そこにあった――――


吹き抜けの灰色の建物の中には、堅い地面に布団代わりのように薄い布が大量に惹かれてあり、
その上には大勢の人間、あるいは動物たちが横たわっていた。
その傍には、患者の数に到底及ばない少人数の医師団員たちが今もなお治療や健診活動に当っており、
殺伐と緊迫が折り合う光景が広がっていた―――


マルルク「ただいま戻りました……(その辺いにいた医師団員たちに一声かけつつ、「あなた」たちへ奥へどうぞと更にその先へと促す) 」

天王寺璃奈「……まって… これ…只事じゃないんじゃ…… 私たちが上で何も知らず探索していた一方で、地下がこんなことになってたなんて……(ここが幻想的なパワースポットであることを忘れさせるほどの生々しい現実を目撃し、あまりの衝撃に息を呑んでしまう) 」

ホムラ「…酷い…っ…… 人も、動物も…ぐったりしている……(未だ昏睡状態にあるベールを背負ったまま建物内部へ入るが、床上に横たわる患者たち一人一人に視線を送り、目も背けたくなるようなその光景に嫌でも向き合おうとしている) 」

メディ「………見たところ目立った外傷はありませんが、件の有毒物質によって汚染された空気を過剰摂取したが為に心臓や脳神経に多大な負荷がかかっているようですね…… それにしてもこの被害者の数…かなり逼迫している…… 」

マルルク「……どうぞ、こちらへ…(暖簾をくぐり、簡易事務所らしきスペースへと案内する) 」




ナナチ「んなー……?おわっ…?!マルルク、戻ったのかー…!なかなか帰ってこないから、心配してたんだぞー!(事務所の壁沿いに設置された簡易テーブルで薬草を調合してところ、マルルクの帰還に振り返る)……?また患者の緊急搬送かー…?それにしては、他の奴らよりはぴんぴんしてそうだが…(「あなた」をまじまじと見つめる) 」




ファウスト「(クネクネした動きで事務所の壁の隙間から這う様に現れ)むっ……!?こ、これは……マルルクさん!?ご無事でしたか!!皆心配していたんですよ……!お身体は…………ふむ、どうやらあの汚染された空気を随分と吸ってしまった様ですね、そして恐らく、治療なされたのは……お連れの客人の方々でしょうか?(一目見ただけでマルルクに何があったかを察した後、「あなた」達一行を紙袋の内側の両眼でまじまじと見つめ)……此処は見ての通りの状態です。折角の客人にお茶と菓子でも振る舞いたい所ですが……今は物資に余裕が無い状態でして、あれこれかき集めて何とか救命に当てている状態なので…… 」

マルルク「ご心配をおかけしました…(ごめんなさい、と申し訳なさそうに二人に頭を下げる)あっ…ご紹介しますね…!こちらのもふもふした方はナナチさん!ナナチさんは、もともと願いの谷を住処としていた方で、今はボクたち医師団に協力してくださっているんです!そして、こちらの紙袋を被ったドクt……お方がファウストさんです…!ちょっと不気味かもしれませんが、ものすごく親切で優しい方ですよ…!医師団きっての名医なんです! 」

あなた「……!(ナナチやファウストたちへお辞儀する) 」

天王寺璃奈「医師団のファウストさんと、原住民のナナチ…… 私は、天王寺璃奈。よろしくね…(もふもふ…すごく、もふもふだ……)(ナナチを見て思わず手をワキワキさせる) 」

ホムラ「私はホムラです…!お邪魔いたします…(わぁ……もふもふだぁ……)(璃奈と同じくナナチの毛並みに興味を示す) 」

エースバーン「ラビーだ!よろしくな!医師団つっても人間ばかりじゃねえんだな…って、俺も言えたことじゃねえが…。 」

ヒロ「ファウストに、ナナチちゃん、ね。俺はヒロ。よろしく頼む。……例の有害物質の影響か? 」

メディ「はじめまして、メディと申します。 ……やはり、そうでしたか… いえ、お気遣いいただきありがとうございます。我々はとある目的の為にこの地へ訪れたのですが、そちらのマルルクさんから事情をお聞きしました。もしよろしければ、我々も健診活動に協力させてください。 」

モア「はい……私はモアといいます。医療活動がどんなに困難でも一生懸命に…… ホア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"!!!!!!!!!!(過酷な医療活動で一日が過ぎてゆきその場で発光しながら回転する) 」

看護師ンゴル「\申し上げま/\申し上げm/\申し上げます!/\トトカマ区に/\振り返ってはいけない小道に/\宇宙一環境が整ったホテルに/\我々の中から/ \要救護者が現れましたァ!!/ 」

ライナー「ち、違う!!環境や物資が悪いんじゃなくって俺が悪いんだ!!ここのみんなが助からないのは全部俺のせいなんだよ!!もう嫌なんだ……自分が……頼む……殺してくれ…………(※別件の患者です) 」

ファウスト「申し遅れましたね、ご紹介頂きましたが、私はファウストと申します……まあ、ただの一人の医者ですよ。皆様は単に観光のついでにこちらに参られた、というだけでは無さそうですが……おや、お手伝い頂けるのであれば有難い。実を言うと当然人も足りていない状況でしてね……治療を終えた患者のお世話だけでもやって頂ければ、これ程有難い事は……むっ、失礼(看護師ンゴルの方へと首を180度回転させ)要救護者……人数は?とにかく案内をお願いします 」




ヤブ「どうも、私がヤブです。歳は34でバツイチ。座右の銘は医者の基本の「お・か・し」! 「お」いてけ 「か」まうな 「し」ょうがない だ!(紹介されていないのに勝手に割り込んでくるこいつはヤブ医者)気分悪くない?心臓マッサージしとく?ドンッ、ドンッ!(※発声)(その場で右へ左へ掌底を繰り出している) 」

マッチョブラ「グワーーーーーーーーー!!!!(筋肉粒々でブラジャーを付けた患者が奇声をあげている) 」

ナナチ「…んなぁー…おい……そんな目をしても触らせてやんねーからなぁ…?(璃奈とホムラの視線に気づいてジト目で拒否反応を示す) んなぁー、オイラは「ナナチ」ってんだ。この願いの谷に昔から住んでんだが、今は縁あってこいつら(医師団)に協力してるんだ。お前らも手伝ってくれるってんなら助かるぜぇー… 」

マルルク「あああああああ落ち着いてください!!(モアや看護師ンゴルにヤブなどの医師団員たちにたじたじで対応する) 実はもう一人、すごい名医がいるんですが……?あれ……?『 木野 』さんは……?(周囲を何度も見渡しながらナナチに) 」

AKYS「オルルァ!オルルァ!(正拳突きで心臓マッサージを試みている) 」

ナナチ「………んなぁー……その件なんだが…『おっさん』なら……実ぁついさっき………(マルルクの質問にぎこちなく言い淀む) 」

ポリゴン2「こういう時発展途上のクソAI共がウマ工口ばっか落書きしてばっかで役に立ちやがらない、オラがやらなきゃ誰がやる。最新AI炸裂だ(ニュッと璃奈の端末から生えてくる) 一通り医療に関するデータはインストールしてきた。技術、経験由来の本格医療はともかく、正しい知識と監修の元できる事は粗方面倒を見れる。ただここにはここのルールがあるでしょ、マニュアルがあれば僕の前でパラパラ漫画みたいにめくってくれると助かる。都度、助っ人たちに必要なことを伝えておくから 」

メディ「……?どうか、されましたか……?(マルルクとナナチの会話に傾げる) 」

天王寺璃奈「 わっ〖*゜o゜*〗 (にゅっ、と端末から顔を出したポリゴン2に仰天する) 」

スターウォーカー「 *この惨状にはヘドが出る 私こそがオリジナルのスターウォーカーだ ( オリジナルのスターウォーカーがあらわれた! ▽ )  私も、(医師団に)加わろう  (スターウォーカーが仲間になった!▽) 」

ファウスト「賑やか過ぎて収拾が付かなくなってきましたね……人手が増えるのは良い事ですが………(顔半分と両手を異空間へと突っ込みながら)……木野さんですか、そういえばマルルクさんが出られたのはあの後でしたか…… 」

ナナチ「ああ、いや……なんつーか…… 医師団で頭張ってるくれえの腕利きの医者がいんだよ。『 木野薫 』っつーんだけどよぉ…。だけどそいつ、痺れを切らして有害物質を齎している「元凶」のとこへ単身で向かいやがってよ……気持ちはわかるんだが、『奴ら』に手を出すのだけはやめた方が良いって…何度も止めんただがよぉ…… 」

ポリゴン2「途中下車するタイミングをずっと逃しててね。 予感があるし、それもきっとどうにかするんだろ?(ふと、円らな瞳がホムラの不安げな様子を捉え) とはいえ、この調子じゃ元を断っても収拾がつくまで時間がかかる。人工知能ポケモンとして僕はここで君等とさよならバイバイだ。腰を落ち着けてサポートAIに徹するよ。おまるだからね、がはは 」

メディ「まだいたんですか……(ポリゴン2やスターウォーカーに白けるような眼差し)……木野…薫様……ですか… そういえば、そもそもの有害物質の発信源である件の研究施設というのは…?いったい、いつからこの地に根付いていられるのですか…? 」

ファウスト「私も、『奴ら』を許せない気持ちは良く分かります。ですが、今はその時ではない……これだけ多くの患者が居る中で、彼らを診る事の出来る医師が別の危険に首を突っ込むのも良い事とは言えませんから。とはいえ、私も相談して頂ければ助太刀するつもりではありましたが…… 」

ポリゴン2「一生憑いてく…憑いてく…したろか。あの"DOMAN"のように……!! 」

ナナチ「んなぁー…その話なら、オイラの方が詳しいから説明するぜ。あの研究施設ができ始めたのはちょうど一か月前くらいだ。国外からやってきたという得体の知れねえ研究団体がぞろぞろとやってきてよぉ…俺たち原住民の許可もなく勝手に建設作業をはじめやがったんだ。ずっと徹底抗議していたが相手にされなくてよ……そしたら、2週間後、あの施設はあっという間に完成しちまって、そこから例の有害なガスが発生したんだ。医師団がかけつけてくれたのはそこから一週間後ぐらいで…今に至る…って感じだ… 」

ナナチ「あの研究施設の名は『 イドフロント 』。あそこにゃあ、"黎明卿"っていう不気味な科学者…『 ボンドルド 』のゲス野郎が仕切ってるみてえなんだ… 」

エースバーン「んだよそれ…ッ!ふざけた話じゃねえか…!許されることじゃねえよな…なあ、ホムラ…!?……ホムラ……?(彼女に同調を求めようとするが、ふと、隣にいた彼女の異変に気付いて二度見する) 」

ホムラ「――――――――――――――(天の聖杯と呼ばれる赤毛の少女の目から、忽然とハイライトが消失していたが……) 」

ホムラ「………!!う、うん…っ……!そう…だね……!誰の者でもない、みんなの憩いの場所を占領するのは…許されることじゃない…。その、『木野』さん?という方が一人で向かったのも心配ですね…… 」

ヤブ「やめとけ!やめとけ!イドフロントは本当に危険なんだ!ボンドルドって奴も付き合いが悪くてよ…「どっかに行けと」って煽っても楽しいんだか楽しくないんだか…そんな俺は『ヤブ』。34歳バツイチ。仕事はまじめでそつなくこなすが今ひとつ性欲のない男……なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため女子医師団員にはモテるが本部からは配達とか使いっ走りばかりさせられているんだぜ!本部なんて宇宙の悪魔さ!悪いやつじゃあないんだが これといって特徴のない……頭皮のうすい男さ……って誰がハゲやねん!!!心臓マッサージしたるぞゴルァ!!! 」

メディ「イドフロント……黎明卿…… なるほど、すべての要因はそこに在る、と… わかりました。では、我々が底へ向かい、「彼ら」に交渉をしてみましょう。無論話が通るとは思えませんが、その際は実力行使で研究施設を排除いたしましょう。 恐らくですが世界政府の息がかかっていない無法団体…であれば、私の管理元である飛電インテリジェンスは世界政府とパイプラインがありますので、合法的に組織解体の作戦に臨めます。 」

天王寺璃奈「おお、メディ、すごく殺(や)る気だね…… でも、気持ちはすごく分かる。今の私たちにできることなら、なんでも協力してあげたい。まずはダメもとで話し合いをしてみて、ダメならその時は……だね。璃奈ちゃんボード、むんっ!〖๑ `^´๑〗 」

KMR「し、師範……(普通武術家が医療に関わる時ってもっと慎重にツボ押したり気を送り込んだりとかだと思うなあ…) 」

MUR「拓也の穴みてえなユルユルのやり方じゃあ救える命も救えないゾ よし、じゃあぶち込んでやるぜ!(AKYSに続き、患者に迫真の正拳マッサージを試みる) 」

KMR「ガバガバどころかスカスカなのはこれで人命を救えるという思考そのものだと思うんですけど(名推理) 」

INUE「ああああああ!!!!あああああ!!!(AKYSの心臓マッサージ()で息を吹き返した走り回る) 」

蝶野正洋「(KMR・MUR・INUE・AKYS目掛けケンカキックを喰らわせイドフロントに放り込む)ガァッ!デムッッッ!!!お前らも行けや!!!(そして自らもお知らせ璃奈と解説璃奈・AIさんを伴いイドフロントに飛び込む) 」

ヒロ「…またしても、闘いか…(指をポキポキと鳴らし) 」

お知らせ璃奈「私は皆さんにお知らせするのが役目だから。」 解説璃奈「豆知識を伝えるのは私だよ。」 解脱璃奈「私はその外側の存在。」 」

AIさん「AIさんがのデータにない未知の世界だよ?!(タブレット端末ごと連れ込まれ)」 」

ベール「ぐごぉぉぉぉ…!(※いびきの音。まだ寝ている) 」

エースバーン「カチコミだな!そういうことなら望むところだぜ!その研究施設ごとぶっ壊してやるぜ! 」

マルルク「ほ、本当にあんなところへ行くんですか…!?い、いくらなんでも危険です…っ……!木野さんも強いお方でしたが、あんな…何を考えているかわからない団体のいるところなんて…… 」

メディ「ですが、ここで患者たちの治療を献身的に行い続けていても結果は変わりません。病原は、諸悪の根源は、必ず根元から切除すべきなのです。なにより…このような惨状を、命を顧みない行為を平然と行う者たちを、私個人としましても見過ごすわけにはいきません。……………"絶対"に。 」

あなた「………(普段と変わらぬ口調で、しかし今まであまり感じることのなかったメディの強めの語尾に、「あなた」はある違和感を覚え始めていた――) 」

天王寺璃奈「……?(それは、メディの生みの親である璃奈自身も薄々感じ始めていた。ここまでメディが能動的に動き出すことなど、あまり目にしてこなかったが故に―――)……危険なことは、十分理解してる…。でも、私たちも、ここに来た以上は譲れないものがある。だから、行くよ。その、イドフロントってところへ。 」

ナナチ「…………わーった、わかったよ…!それならオイラも行く。おっさんのことも気がかりだし、なにより…原住民としてやっぱり奴らを放っておくわけにはいかねえ…!オイラは戦力外かもしれねえが、ここの地形や抜け道なんかは誰よりも知っている。道案内は任せてくれ。 」

ヤブ「やはり抗戦か。いつ出発する?私も同行する。 > > > ヤブがIN  < < < ( ヤブ参戦!!! ) とりあえず話が分からねえ連中なら俺の心臓マッサージでビリビリバリバリのズドーーーンッ!!じゃ! 」

ヒロ「おう,任せたぜ… 」

ファウスト「頼もしい話ではありますが……しかし、あまり背中を押す気にはなれませんね。「彼ら」が話を聞いてくれるとも限りませんし、あろう事か実力を行使してくる事も考えられます。加えて、有害なガスに汚染された箇所を通る事になります。私であれば問題なく通過する事は出来ますが、皆様が同様に通り抜けられるとは………… 」

ナナチ「……んなぁー…恐らく、おっさんがイドフロントへ向かったルートがある。おっさんは多分バイクで向かったはずだ…なら、その痕を辿れば、きっと有毒物質の濃度が限りなく低いところだと思う… どの道心配なんだ、オイラは行くぜ。お前ら、行けるか? 」

あなた「……!(ナナチに同調するように強かに頷いた) 」


こうして、「あなた」たちは医師団と共にイドフロントへと向かうこととなった―――――



― 前線基地《イドフロント》 ―






前線基地《イドフロント》 ――― そこは、円盤状に建設された巨大な研究施設。
石灰岩で構築された灰一色の無機質な建物が円を描くように並列し、それらを堅牢な分厚い壁が覆っていた。
壁の向こうからは、今もなお、可視化できる黒い靄のようなガスが噴出されていた…


ナナチ「……!おっさんのバイクだ…!(バイクの痕を頼りに「あなた」たちを先導し、ついに研究施設の裏口と思わしき場所へとやってくる。そこにはすでに黒塗りの大型バイクが停車されており、すぐそばにある堅牢な門扉を仰ぎ見た)……んなぁー…分厚い壁だな…これじゃあオイラの爪を食い込ませて登ることもできやしねえ…… こっちの声に応じて開いてくれるわけでもねえしよ… 」

エースバーン「だったら…正面突破で粉々にぶっ飛ばすしかねえよなぁ…!?(コキコキと首の骨を鳴らしながら不敵な笑みをひとつ浮かべ、「俺に任せな」と豪胆な佇まいでその門扉の前へと繰り出す) しゃあッ、いっちょ…かますz――――(蹴り上げるような姿勢を取った、次の瞬間だった――――) 」


――――― ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ … ッ … ! (エースバーンが実力行使に出ようとしたその瞬間、開かれるはずの無いものだと思われた堅牢な門扉が、あろうことか潔く開き始めたのだった――――)


エースバーン「 あえぇっ?! (突如開かれた門扉に間の抜けた声を発しながらその場で脚を空ぶってしまう) 」

天王寺璃奈「開いた…!?でも、どうして…だろう……?〖*゜o゜*〗 」

ホムラ「……………歓迎されている…?もしかすると罠の可能性もありますが……ここは向こうの誘いに乗りましょうか……(警戒心を剥きだした鋭い眼差しで開かれていく門を見据える) 」

ファウスト「木野さんが無事であればいいのですが………門が開いたとはいえ、我々の目的からして……歓迎されているとは限りません。どうか、お気を付けて…(身長282cm※公式設定 の身体をめいっぱい伸ばして直立し) 」

マルルク「はわわっ…結局心配でついてきちゃいましたけど……こ、このまま何もしないよりは……(ファウストの巨体に隠れて怖がっている) 」

メディ「………参りましょうか。(全員にコンタクトを送り、異を決したかのように静かに門をくぐり研究施設内部へと侵入する―――) 」

イドフロント内部。琥珀色に輝く蛍光灯が薄く通路を照らしている。施設内部は最先端な造りなどではなく、どことなくアンダーグランドを彷彿とさせる無骨な設計。太いダクトがいくつも剥き出しになった、殺風景なビルの地下室のような狭い空間がどこまでも続いていた――― 」

あなた「………(コツコツ、と銅板の床を靴音で鳴らし、周囲を警戒しながら歩き進める。そうしてしばらく進行していたが――――) 」

KMR「(なんかノリで付いてきちゃったけどあまりに不気味すぎないですかねここ…) 」



シラキ「───(来客というにはあまりに物々しい様の人数に対し、ただひとりで迎えるように佇む老人がひとり)…………ずいぶんと大勢でやってきたな。こんなに来るのなら電話の一本でも、手紙のひとつでも寄越してくれればよいものを。(敵意はない。そればかりか闘気すらない。誰もが見てわかるように、彼はどこにでもいる戦闘能力をもたない人間。しかし大勢を前にしてもシャンとして背筋を伸ばし物おじせずに対応する) 」

メディ「(シラキの登場に、全員に歩みを制するように手をかざす)……誠に勝手ながら、お邪魔させていただいております。こちらの研究所に所属されている方でしょうか?(敵意の感じない老人に、こちらも丁寧に、しかして距離を保ったまま対面する) 」

シラキ「(メディを見下ろし、行儀よくお辞儀をしてくれたことに好印象を抱いたのか、より軟化させた声色で好々爺のように、かつ皮肉交じりに話す)ふふふ、所属もなにも、このイドフロントの副所長を務めている…………いや、副所長などという貧乏くじを引いた死にぞこないさね。────……警戒せずとも、私では逆立ちした君たちにも勝てんよ。もっと楽にしてくれていい。…………さて、それで? 今日はなんの用事があってきたのかな? 我々は忙しい。 」

AKYS「そんな怯んでちゃ虫も殺せねえぞ(KMRの前を歩く) 」

メディ「左様ですか。ええ、はい…ご多忙の中お邪魔して申し訳ありません。我々は、願いの谷に来たばかりの…いわば旅人でございます。こちらの研究所ではどのような研究をされているのか興味があったので立ち入らせていただきました。貴方がたは、こんな辺境地の地下空間でいったい何をされているのですか?(淡々と、質疑を持ちかける) 」

ヒロ「あのおっさん何者だ?副所長とか言ってたが…… 」

う⚪︎んこの擬人化「おい引き返そうぜKMR…あのおっさん絶対怪しいって… 」

ファウスト「……(シラキに対して警戒を崩さず、物々しい雰囲気を滲ませながらも背後のマルルクを庇う様に立ち、話を聞いている) 」

MUR「でもなんか優しそうな人だゾ 」

鈴⚪︎木福「でもあいつ有害物質ばら撒いてる研究所のNo.2だろ?貧乏くじ引かされた可哀想なやつみたいに言ってるけど絶対なんかあるって… 」

神「お前らビビってんなら帰っていいぜ。俺がパパパっと殺って終わりだからな(KMRの背後から現れる) 」

シラキ「…………(少しの沈黙ののち)……難病治療における新薬開発を始めとした研究だよ。しかし、ふむ、これでは漠然とし過ぎだな。そうさな、強いて上げるのなら、『夢』だ。今は睡眠治療における新薬開発に力を入れているね。より良質な睡眠がとれるよう、安全と安心に配慮した新薬だ。これがあれば世界中にいる不眠症患者の助けになれる。 」

メディ「………『 夢 』……?(そのキーワードに、ヒューマギアの少女は疑問符を浮かべた) 」

ナナチ「……!待て…『夢』って……まさか、お前……! 」

ホムラ「(この人…とても脅威を感じないけれど……一体、何を考えているのでしょうか……)……?ナナチちゃん…どうかしたの……? 」

ヒロ「どうしたナナチちゃん、何をそんなに取り乱して……… 」

ナナチ「んなぁー……この「願いの谷」にはなぁ…俺たち原住民だけが密かに守り続けていた、「あるもの」がある。 それが……―――――『 夢の泉 』だ。夢の泉は、すべての生き物の夢と希望が集まり、眠りに付いた者に夢と安らぎを与えるといわれている泉なんだ…! 」

ナナチ「そこには夢を生み出す秘宝『 スターロッド 』ってのがあって…その力によって夢が作り出されて泉の水に溶け込み、水が蒸発することで眠りについた生き物に良い夢を届ける仕組みになっているんだ…。だが、この泉の力の源…つまり、「スターロッド」が失われると泉の力がなくなり、生き物たちは夢を見ることができなくなってしまうんだ…!そして…何を隠そう……この研究施設があったところこそが、"夢の泉が本来あった場所"だ…!お前らの目的……そういうことだったのか…!(シラキを睨みつける) 」

天王寺璃奈「そんな…!じゃあ、その「夢の泉」は今…この研究施設に包囲されて…独占されている…ってことなんじゃ……! 」

マルルク「ええっ!?そ、そんなものが存在していたなんて…知らなかったです……!じ、じゃあ……その、『夢』に関する研究をするために、夢の泉を包囲して……その副産物が有毒物質として、結果的に周辺の人々に害を齎している…… 」

きたない「頭に来ますよ!!!(殺っちゃって)いっすかぁ!?(ショットガンを構える) 」

KMR「確かに、なんか女の教え子の息子にその教え子の服着させて女装させてそうな人ですけど…うわっ神だ(先輩二人にそう返し、続いて現れたGOに厄介なものが出て来たような反応をする)…え、夢の泉ですか…?話こそ聞いたことあるけど…そんなのあったんですか? 」

ヤブ「なんだと!?今すぐその薬をくれ!こちとら不眠不休でハゲ散らかしそうなんだ!!!って誰がハゲだ!!!テメェのなけなしの髪の毛引き千切って俺の頭皮の足しにしてやろうかアーン!? 」

ファウスト「(この土地に辿り着いてからずっと感じていた、ガスではない"何か"………ナナチさんの言う、『スターロッド』がその正体でしたか………話が本当であれば、強く人の精神に作用する筈。扱いを誤れば非常に危険な代物です……研究によってもたらされたガスの正体が、私の思い浮かべた物であったとするなら……)…………詳しくお聞かせ願えますか、その研究の内容を 」

MUR「ジェンダーフリーの時代なんだからそんなの些細な事だゾ 神ッチャマ……!?(驚愕) 」

NOT GOD「そっか。あったまきた(話を聞いて問答無用でシラキを抹殺せんと剣を構える) 」

メディ「……なるほど…新薬の開発をここで行っている、と…。質問にお答えいただき感謝します。ですが、大変申し上げにくいのですが、こちらの研究所が発生している有害な物質によって…近隣の動物たち、そしてこの願いの谷へと赴いた観光客の皆さんが揃って深刻な体調不良を訴えているのです。ましてやここは世界政府ですら手を出すことのない神聖な名所なのです。設立許可書はございますか?なければ…即刻立ち退き願います。株式会社「飛電インテリジェンス」名義で、貴方がたに訴訟することもできますが。 」

AKYS「新薬の開発でこんなことをするなんて公害事件と変わらねえな。人間のクズがこの野郎……(神に加勢するように拳を構える) 」

KMR「(こいつら短気すぎるだろ…)お、落ち着きましょう。まず暴力よりも先に出来ることがあるはずです。僕らは人間なんですから 」

スティーブ・ジ⚪︎ョブズ「YO!!!!ひでが体調崩したんだよなぁお前らのせいでよぉ! 」

シラキ「ハハハ、それはそれは、穏やかでない申し出だな。だが残念ながら断らせてもらう。なぜらなすでに────……(そう言いかけたときだった) 」

大先輩「腹減ったなぁ(闘争本能の目覚め) 」

少女の声「じぃじ~、どうぢたのぉ~~~~~?」(同時に聞こえるのは自動操縦車椅子の電動音) 」

あなた「……?(シラキの奥から現れたもう一人の人物の存在に気づいて、覗き込むように全身を傾ける) 」

シラキ「(声のするほうを向き)あぁ、目が覚めてしまったか(そして驚きの名を口にする)────────────……『ユリアナ』(優しい声色でその少女に微笑みかける) 」

ヒロ「あいつらだけで使おうなんてそんなん許されるのかよ……! 」

メディ「――――――――――――― ? ? ! (機械少女の表情が、かつてない驚愕を表現した―――――) 」

ユリアナ「えへへへへ~~~~~(四肢は切断され完全なミノムシ状態。身体中は包帯で巻かれ、その合間を縫うように様々なチューブが体内に差し込まれている。電動車椅子は本人の脳の波動を読み取って動くもののようであり、もはや車椅子と一体化しているような状態、そしてなにより)わあああああ、いっぱいいっぱいひといっぱあああああああああい!アハハハハハハハハハハハ!!あへへえははははは!!(涎や鼻水を常に垂れ流しながら幼児のように笑うその姿にかつての面影はなくなっていた) 」

天王寺璃奈「……えっ……ぁ……!?ゆ…『ユリアナ』って……たし、か……――――(思い出せるのもそう時間はかからなかった。何故ならその人物と直近に出会ったことがあったのだから。月の都での一件…クラウス一派に奪われた都を奪還するために多大な協力をしてくれた、あの少女のことを―――――) 」

臭いやつ「HA☆NA☆SE!!!(そもそも押さえられてない)この女(メディ)の交渉が決裂したら速攻ぶっ放す!(ナニを?) 」

シラキ「こらユリアナ。お客さんの前だ。行儀よくしなさい。 」

あなた「  ! ! ?  (メディと同じ驚愕を、無表情の中で「あなた」もその衝撃が電撃のように迸った。かつて共闘した頼もしい仲間が…今、目の前で、かつての面影が辛うじてではあるがもはや皆無に等しいほどに変貌してしまった姿に…開いた口が塞がらず絶句していた…) 」

KMR「ユリアナ?なんか卑猥な名前……(そう言いかけて、出て来た「実物」を見て絶句する。流石に、これを見て言おうとしていた茶化しをぶちまける気にはならなかったのだろう)……なんでしょう、僕の見間違いならいいんですけど……先輩が名状しがたいBBにされてる時の1/3くらい人としての尊厳を凌辱されてる少女が出てきたように見えるんですが 」

ユリアナ「あ˝~い、えへへ~~(ズゾゾゾゾゾゾゾゾゾ……)ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝ア˝……ア゛ア゛ア゛ア゛(首に刺さったチューブから痰がとられていく。その感触に魅入るように白目をむきながら恍惚の笑みを浮かべる)えへ、えへ……ユリアナ、でつ。よろしくねおねーたん!(屈託のない笑みをメディに向ける。……完全に、彼女らのことを忘れている) 」

エースバーン「…………ウソだろ…おい……ッ……(面識のある自分にとっても、信じられない光景を前に閉口してしまう。怒りを通り越して、否…その激昂すらも上から抑え込むほどの衝撃的な事実に、微動だにすることができなかった…) 」

ファウスト「――――――――(ユリアナの姿を見る成り、目も暮れずに彼女の許へと駆け出す。医師団の一員として、偶然一行と出会っただけのファウストには、当然ユリアナとの面識は無い。ただ……医師として、見過ごす事の出来ない状況であったが故の行動だった)―――これは、何ですか!!こんな、こんな………!! 」

ヒロ「ゆ、ユリアナ………ちゃん…………??? 」

MUR「(あまりの惨状に、思わず顔面が精悍な姿へと変形)……いいや、見間違いではないぞ。酷過ぎる………! 」

メディ「――――――――――― 」


――――あぁ怖がらなくてもいいわ。私は救援よ。
詳しくは言えないけど『天の聖杯の保護団体』に雇われたエージェント。ユリアナって呼んで。よろしく


AKYS「オルルァ!(KMRが言いかけた失言を見逃さずに正拳突きを喰らわせる)なんてことを……… 」

シラキ「……「これ」、とは?(うろたえるファウストに表情一つ変えず)……彼女はひどい事故にあってしまってこうなったのだ。医師であるのなら、こういった患者やこういう風になりかねない現場に立ち会っていると思うのだが、こうしたケースは初めてかね? だが、誓って言おう。彼女は、ユリアナは大切な『家族』だ。たとえ手足がなくなろうともそれは変わらないのだよ。 」

人間の屑「あ,あんなふうにされたらもう…辞めたくなりますよ人生……… 」

メディ「   ユ リ    ア     ナ さ        m      ―――――――― 」


―――――――― メディ…ありがとう。アナタのお陰で、ここまで来ることができた


神「大人しくしろぉ!!(五臓)ばら撒くぞこの野郎!!!(シラキにつかみかかり、剣を突きつけようとする) 」

KMR「いだ!!言いかけてやめたんだからいいじゃないですか師範……(AKYSの正拳突きを受けて首を曲げ、手で押さえて戻す)……思ったよりヤバいのが出てきましたね。どうすんですかこれ。メンタリスト=サン改善みたいになってますけど 」

メディ「……………ユリアナ様は……(一度俯き、静かに語り出す)……あの月野や都での一件の後、消息を絶たれてしまいました。もしやすると…と思っていたこともありましたが、少なくとも私は彼女の生存を切に願っておりました。たとえ、それがどういう形であったとしても……(再会への希望、変わり果てた姿への絶望… 相反する二つの結末が、機械少女の脳神経に人間の感情に近しいような生々しい信号となって伝わり、はじめて…無機質なヒューマギアらしからぬ、ある意味では人間らしい複雑な表情を浮かび始めた。少なくとも、今のユリアナの姿が、メディ自身のシンギュラリティに強い影響を与えたのは、確かだった―――) 」

ファウスト「家族であればなおの事でしょう!汚染されたガスの噴出している地域に連れて来て、錯乱している状態で事情を知らない知人の前に出すなど……!こんな、大量の薬品で生命維持が必要な状態の娘に対する扱としては、余りにも杜撰過ぎる……!!こんな、軽く扱って良いとでも思っているのですか…!!ああ、酷い、痰が…… 」

ホムラ「…メディちゃん……(その当時自分は捕らわれの身であったが故に、ユリアナのことは知らない。しかし、メディをはじめとする仲間たちにとってかけがえのない大切な仲間だったことを今知り、得も言えぬ感情が渦巻く) 」

AKYS「…………じゃあ、このざ姿になったのはテメェの仕業ではないと?(そう言いつつ一撃をいつでも食らわせられるように拳を構えている) 」

MUR「……しかし、ここであの男を殴り倒して避けるまでガン掘りした所で、彼女が治るわけでは無いゾ……あっ……ポッチャマ……(無力感のあまり元の姿に戻る) 」

植木鉢おじさん「見ろよこれ!!!!(ユリアナを指す)この無惨な姿をヨォなぁ!!??(刀を構えてシラキに迫る) 」

ユリアナ「────…? …………???(今にももろく崩れそうなのを保っているかのような顔をするメディ、そして大人たちがなにやら騒がしくわめきたてている様を見てクエスチョンマークを浮かべる)えぇへへへ~~~~~みんなでおしゃべりたのしいね!(ゲヘゲヘとよだれを垂らしながら無邪気に笑う。そして更なる歓喜が彼女の瞳を輝かせた)……あ! ────『パパ』!!(その方向を嬉しそうに) 」

ホモビに出ただけで人権剥奪された男「あっ………(MURの言葉を聞いて)彼女ダメみたいですね… 」

KMR「落ち着いてくださいおじさん!!先輩が言う通り彼らをガン掘りしたって彼女がどうにかなるわけじゃない!!むしろ彼女から「家族」を奪ったらどうなるか分からない!!!(必死におじさんを押さえつけながら)……『パパ』…? 」

アポロン「すげえよ、(ぶちのめすの)簡単(シラキを見て殺意マシマシ) 」

ナナチ「…んなぁ……まったく、度し難いな……――――――?(そんなユリアナが、更に誰かを呼ぶ声に反応した) 」






ボンドルド「────(背後に幾人もの仮面の男たち『祈手(アンブラハンズ)』を率いてこちらに歩いてくる鋼鉄の男。色合いや着こんでいるパワードスーツから人間らしさは一切感じない。いうなればロボット。だがこうして歩いてくるたびに全員に圧し掛かる深淵) 」

死神代行「安心しろ、失神するまでで勘弁してやるから(KMRにそう言うとシラキに殴りかかろうとする) 」

ボンドルド「────(背後に幾人もの仮面の男たち『祈手(アンブラハンズ)』を率いてこちらに歩いてくる鋼鉄の男。色合いや着こんでいるパワードスーツから人間らしさは一切感じない。いうなればロボット。だがこうして歩いてくるたびに全員に圧し掛かる深淵からの圧力。そして嬉しそうにやってくる娘(ユリアナ)を両手を広げて抱き留めた) 」

ユリアナ「えぇへへへ~~~!パパ~~~(頬ずりするようにパパと呼びしたう『ボンドルド』にくっつく) 」

汚物「なんだこのおっさん!?(ボンボルドを見て) 」

ホムラ「―――― ッ゛ ! ! ? (深淵の遥か向こうより轟く小さな足音群に、赤毛の少女の脚が激しい痙攣を帯びたかのようにぴくりと微動した。現れ出でた複数の仮面の男たちを対に視界にとらえた瞬間…少女の中で、かつてない恐怖心が盛大に弾け飛んだ――――) 」

大先輩「まるで人間に見えないゾ…… 」

あなた「―――――――― ! ? (一目見た瞬間に、「あなた」は戦慄する。仮面の男の姿に―――) 」

ボンドルド「────やぁ皆さん。よく来てくれました。(テキストを読むようで、かつどこか優しい声色で)ホムラ、そしてヒカリ、元気そうでなによりです。アナタにたくさんの友達が出来て私も嬉しいですよ。 」

ファウスト「……(現れたボンドルド達にも怯む事無く、ただその姿を見据える)……その身体、生身の"それ"ではありませんね。…………そして、私の見立てが正しかったとするならば、その身体は…… 」

天王寺璃奈「………(その仮面の男を目にしただけで、本能が危機感の警鐘を鳴らしている。一般人の少女ですら、その深淵たる重圧に押し潰され、呑まれそうなほどに、言の葉を紡ぐこともままならなかったが…)……ぇ……?ホムラちゃん……知り合い…なの……?(恐る恐る、彼女の方へと振り返る) 」

ホムラ「―――― (離れているはずの声、しかし、それは耳元で囁かれているかのような悍ましい感覚に全身の血の気が引いていく)……しら、ない……っ…… 誰、ですか……?どうして、私と…ヒカリちゃんを……(闇の中で揺らめく紫電のような不気味な光を前に身構える。だが、不思議と震えが止まらない。未知なる男との邂逅…それは初対面のようであり、再会のようにも感じられる。この形容し難い複雑な心境に、それ以上の言葉が出せなかった) 」

ボンドルド「おや?(ホムラの反応を見、小首をかしげるように)これはいけません。記憶の混濁でしょうか? お疲れのようでしたら、部屋をお貸ししますが? 皆さんも一緒にいかがです? 今日は珍しくたくさんのお客さんが来てくれたのですから、しっかり歓迎しなければ(両腕を広げ声色に歓喜をにじませながら。その姿に悪意も邪念もない。あるはずなどない。彼の心の底からの歓迎と感謝の念が、不気味なほどにその姿に様になっていた) 」

エースバーン「(ホムラの反応を察してすぐに彼女の前に差し込むように現れ、ボンドルドを睨みつける)……今までいろんな人間を見てきたが、テメェみたいな奴は初めてだ。野生の勘が……テメェを拒絶している…ッ…… 」

メディ「……貴方が、ここの責任者…ですか…。いろいろお伺いしたことはありますが、まずは……本題に入ります… (一泊するようにボンドルドと対立する)……この研究施設の退去を願いします。要求に応じなければ……我々はこれから実力行使に出ます。(明確な敵意を剥きだした眼差しを、眼前の仮面の男へ向ける) 」

ナナチ「そーだそーだ…!勝手にオイラたちの隅かに変なもん建てやがって…!夢の泉を返せ!願いの谷から出ていけッ! 」

マルルク「あうあうっ……そ、その…みなさん、とても迷惑しているんです……!だから、その……どうか、穏便に撤退してもらえると……(おずおずと訴えかける) 」


おやおやおやおや。おやおやおやおやおやおや……出ていけーなどとは……もしや地上げ屋でしょうか。これは穏やかではありませんね……(奥からボンドルドの声が反響する。しかし当の本人は眼の前、そして機械的な善意と威圧感のあるそれとは相反し……) カツーン   カ ツ ー ン   ――――――これはこれはお揃いで。困りましたな、これ程多くのお客様をお出迎えするとなれば相応のおもてなしを用意致しましたのに。なにせ――――――――――



DOMAN「――――――遠路遥々、数多の試練を超えテープカットを迎える賓客にございますればな。(――――どす黒く、そして混じり気のない悪意に満ちていた。)  ――――――暫く振りにございますな、マイ・マスタァ? (彼は立ち位置を盛って立場を明らかにし、耳元まで裂けそうな歪な笑みを浮かべた。ボンドルド、過去より明確な敵であったはずの"黎明卿の傍らで") 」

KMR「お知り合い、なんですね。……なんか似たような声がステレオになったなあ…… 」

あなた「……!!?(ここにきてからというもの、ずっと姿を現さなかったが故に違和感は確かにあった。だが、その再会が思わぬ形で実現したことに、「あなた」が驚きを隠せなかった。仮面の男の傍に現れた、かつての味方の姿に――――) 」

メディ「…………ようやく姿を消してくれたと思えば、まさか、こんなところにいらしていたとは…。どういうことかご説明いただけますか?(煩ドルとと肩を並べるようにその隣に現れたDOMANを冷ややかに睨みつける) 」

ヒロ「………!何者なんだ……!?(ボンボルドを見て) 」

DOMAN「ンンンンンンンソソソソンンン~~~……いつにも増してメディ殿の目線が鋭利にございますなぁ~……もしかして拙僧、また何かしてしまいましたかな?(自身を庇うように両手を前へ突き出し仰け反る) ええ、ええ。お望みと非ば1から1000まで説明致しましょうとも。お察しの通り拙僧はこの施設におけるびじねすぱぁとなぁ、にございます。無論!!(ここで白鳥のポーズ)100%!!(ここでトリプルアクセル)皆々様の安眠を願う、善意故!!にございますれば!!(ここでギニューのポーズ) 」

メディ「理由になってなどいませんが?(無機質の中に明確な怒りを孕んだ強い口調でDOMANの解答を一蹴する)やはり貴方という存在は主様にとって害でしかなかった…ここにきていよいよ本性を表しましたか。 」

エースバーン「なッ…テメェこの野郎裏切ったのか!?前々から胡散臭えと思ってたが…ッ! 」

ベール「許せねえよなぁ…?許せねえよなぁ~~~……!?(※寝言 まだ睡眠薬の効果が拭えていない) 」

DOMAN「ン、ンンンン?ンンンン……よもや、よもやよもや……いえいえ、まさかそのようなこと……拙僧が、みなみな様の"信頼に背いた"等と……憤っていらっしゃる……?せ、拙僧をまだそのように想っていただいてくさっているとは……!!ええ、ええ!!左様、哀れな拙僧めは斯様な黎明卿に縛られ、仕方なく……!!(口元を抑え、目元を潤ませ……)―――――――などと、申し上げれば満足にございますかな?クックック……斯様な三文芝居に興じるのもおもしろきことかと存じますが…… 」

DOMAN「―――――やめました。(口元から袖で笑みを拭い去り、能面のような無表情から漆塗りのような黒い瞳が冷淡な眼差しを向ける) メディ殿、そう、メディ殿……あなた様のせいにございますれば(長く、肉食獣のように研ぎ澄ませた爪で彼女を指差し) 思いの外聡く、無機質、未完成故に人性の悪辣さに欠如している。メインディッシュ<<我が主>>の添え物にしてはあまりに無味無臭。 拙僧、そのような晩餐は御免被りたく。故に、自らの意思を以ってここに立っておりますれば。 」

KMR「な、なんか声も顔面も動きもうるさい人ですね……この人もここにいる人たちの知り合いみたいですが……なんというか底知れない雰囲気を醸し出す声です 」

ホムラ「……少なくとも私も、「この子」も……貴方のことは信頼していましたよ…?なのに、どうして…… 」

メディ「なに、を……――――――(彼の言葉の真意など理解不能。しかし、それでもこの男の言葉を理解"しようとしている"時点で、機械仕掛けの少女もまたどこかである種の信頼をもっていたのかもしれない。当然、今の彼女にはそれに気づく由もない。故に、彼の思惑を悟ることなども――――) 」

あなた「…………(DOMANを前に、「あなた」の目には怒りも悲しみもない。だが、ボンドルドに向ける恐怖や絶望、ましてや失望などではない、まだハイライトの灯った眼差しを静かに向け続けていた) 」

DOMAN「おお、それはそれは……しかしそれは拙僧とて同じこと。(ニコリと、これまでの大げさにして煩いそれとは異なり、営業的な距離感のある微笑みを称えあなたの"手袋"を指差す)契約の証……令呪はございましょうや。三度のみ、己のサーヴァントに強制命令を行使する魔術刻印にございます。拙僧は貴方様の有する"絶対命令権"を良しとしこれに触れることはなかった、全ては貴方様を信頼すればこそ。  しかしどうやら拙僧、"裏切り者"にある様子。であれば潔く令呪を以って詠ずればよろしかろう(自らの首を書き切るように手を右から左へ動かし)ああむろん、カムバックをおねだりしてもかまいませぬぞ? 」

エースバーン「……言ったな…?「自分の意思で」…って…!なら容赦はしねえ……テメェら全員蹴り飛ばしてやるッ!!(脚部に業火を纏い、ついに痺れを切らした脱兎がボンドルドたちへ飛びかかろうとする) 」

ホムラ「ラビー!!……っ…交渉は決裂…あまり気乗りはしませんが…ごめんなさい…!!(その手元に聖杯の剣を顕現させてエースバーンへと続くように特攻する) 」

ヒロ「話し合いじゃ通じなかったようだな…仕方ない…璃奈ちゃん、俺たちもいくぞ!!(バットを手に殴り込んでいく) 」

天王寺璃奈「道満さん……―――――!う、うん…っ…!(ヒロに催促されるように、その手元にARENを呼び出すための端末を手に駆け出していく) 」

ベール「みぃ~~~~んなぶっとばしてやんからなぁ~~~~~!(夢遊病かというくらいに寝ぼけながら突撃していく) 」

あなた「……―――――!(DOMANに促されるままに、右手に嵌められた「手袋」に視線を落とす。もしも本当にその権限があるのなら…と思うも、何かを躊躇う様子を見せる。だが、その最中にも、仲間たちは自分を颯爽と横切っていくことで意識を奪われてしまう) 」

メディ「―――――!(次々と突撃していく仲間たちを見て驚愕を露わにする) 待ってください…ッ、まだ――――――(だが、その静止もむなしく、彼女たちには届かない―――――) 」

ボンドルド「────おっと(奮起する面々を見て反応が少し硬くなる)ここで暴れられるのは本位ではありません。少し眠っていただきましょう。大丈夫、猛毒の類ではありませんので。(背後の祈手に合図すると数人が火炎放射器めいた装置の口を一行にむけ)ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!(柔らかな色合いのガスを一気に噴射) 」




ホムラ&エースバーン『なッ―――――!? / うおわっ――――!?(噴きつけられたガスを真っ向から浴びその動きが急停止する)…はぁ…ぁ……だ、め……意識が……なんだか、遠のいて…… / ……く、そ……なに、しやがって………――――― ト サ ァ (赤毛の少女と二足歩行の兎の瞼が重く圧し掛かり、やがて完全に目を閉ざして前のめりに倒れ込んでしまった)』

ヒロ&天王寺璃奈『こ、これは……!?しまった、逃げて…璃奈…ちゃ…… / ぁ……あ……ヒロ、さ……――――― ド サ ァ (互いに手を伸ばし合うも、繋がることはなくそのままガスに塗れて共倒れしてしまった)』

ベール「うえぇぇぇっへぇぇぇええぇ~~~ん………ぐー、すぴー……Zzz……―――――(既にねボケているはずの魔法使いのも、ガスの匂いを盛大に吸って更に膝から崩れ落ちしまった) 」




???「────ヒュバ!(物陰から現れ)おい、こっちだ!そのガスから離れろ!(現れた場所に一番近かった「あなた」の手を掴み後方へ退くように引っ張る) 」

メディ「―――――!?(これは…催涙ガス……!?いや、よく見るとこれは―――――)――――主様ッ!!(ガスの射程範囲外にいた「あなた」に引き下がるように手を横にかざす) 」

あなた「(一人、また一人と昏睡状態に倒れ伏す仲間たちの姿に前のめりになりかけた、次の瞬間――――)――――― ! ! ? (突如現れた謎の男に手を引かれてしまう。もう片方の手が仲間たちの方へ虚しく伸びていくが、どんどん遠のいてしまう―――) 」

ナナチ「……!?『おっさん』ッ…!!(物陰から現れた謎の男の登場に驚きつつも、今は迫るガスから逃げる為にマルルク、ファウストらと共に踵を返して必死に撤退するのだった) 」

DOMAN「おお……!せ、拙僧は言われたとぉぉぉーっり事情を説明した次第にございますのに、な、殴りかかってくるなどと……!!ヒィーッ(腰を抜かし転げ回るのもつかの間、予備動作なく立ち上がって両袖に腕を入れ狐目で微笑み倒れ込んだ面々を見下ろす)ンンンン……ご安心を。先も説明した通り、善意100%で構成された薬品にございますれば ガッ (璃奈の頭を足蹴にし、それが"さして面白くないこと"であるように微笑を浮べた)このようにしてもほれこの通り、快適な眠り 」

メディ「主様……!(何者かに手を引かれ離れていく「あなた」を他所目に、既にガスの中に包まれ倒れ伏した仲間たちに視線を向けるが…)……ッ……――――――(璃奈様…皆様……っ…―――――――)(大混乱の状況下で、少女は"躊躇"の果てに撤退を余儀なく選択。ひとり遅れて「あなた」たちのあとへと続くのだった―――――) 」

???「待っていろと言ったのに、なぜここへ来た!(本来ここにいるべきでないナナチを含む医師団たちに憤慨する。本来ならここにひとり忍び込んで、たとえここの連中と刺し違えてでもと思ったのだが)…………『退却』だ! イドフロントの外まで出るぞ!! 」

DOMAN「――――――― あるじどの。拙僧はお待ち申し上げておりますぞ……深く、熱く、凍えるような奈落という悪夢の底へ皆々様を迎えに参りますのを。 」

ボンドルド「────眠った方々をそれぞれの部屋へ運んでください。この子たちの協力も必要となるでしょう。…………(DOMANの言葉に思うことがあり、そしてそれに同調するように)えぇ、きっと彼らはまた来るでしょう。そのときは歓迎しますよ。是非、私たちの研究に協力していただきたい。まだまだ、やりたいことがたくさんあるのですから。 」



― 星降る地底街《スターピロー》 ―




マルルク「はぁ……はぁ………なんとか、ここまで逃げてこれましたけども……(乱れた呼吸を整え直すように胸元に手を添えている) 」

ナナチ「……んなぁー……けどよぉ……「あいつ」らのお仲間が……(神妙な顔つきで、少し距離を置いた「あなた」とメディの両者に視線を送る) 」

メディ「…………………… 」

あなた「…………………… 」

メディ「……………主様…申し訳ありません。 」

メディ「璃奈様を、皆様を…置いて逃げてしまったこと… 本来の私であれば絶対にしないはずでした。私は、ヒューマギア… あの時噴射されたガス物質に抵抗出来得るはずが……不覚にも、"躊躇"してしまいました。このようなことは初めてです。躊躇った矢先…その数秒間のタイムラグの果てに選択した答えが…よりもよって、皆様を置いて逃走など…… ナビゲータとしてあるまじき行為を、してしまいました…… 」

あなた「……………… 」

メディ「私は……ナビゲータ失格です。主様の宿願…願いの谷に辿り着いたものの、そこから先へ導くこともできず… これでは、私の存在意義って……(機械仕掛けの少女が初めて吐露した強い自責の念に、頭が項垂れてしまう―――) 」

???「(周囲の安全を確認し、自身も一息つこうと思っていたとき)────(失意にのまれるメディの姿を一瞥)……見ない顔だな。他の連中ならもう一度怒鳴ってやるところだったが、見ず知らずの人間にはそうもいくまい。…………だが、ここの惨状を見て危険とはわかっていたハズだ。それを承知で進んだのなら、愚かにもほどがある(それは静かに諭すようであり、怒りを隠すようでもあり)どれほどの自信がお前たちにあるかは知らんが、恥を知れ。命を粗末にするんじゃあない。 」

あなた「………!(男の厳かながらもどこか温かさの感じる言葉を、「あなた」も自分のことのように受け止めていた。それを、隣にいたメディだけを慰めるのではなく…ともに罪を別ち合い、立ち直ろうという気持ちで彼女の背中を摩ったのだった) 」

メディ「―――――― ! (厳格な面構えをした男の静かな一喝に、機械少女は衝撃に胸打たれたようにぴくりと反応した)………「命」を……粗末にしないこと……(看護型ヒューマギアとして、ナビゲータとして、そして…仲間として、誰よりも敏感だった「命」への姿勢。直近の自信の行動を振り返り、その「命」から乖離した行動を移し始めていた自分への危険性に、ここで気づき始めた) 」

メディ「………… ありがとうございます。お陰で、失念していた大切なことに、気づかされました。私自身がずっと抱えていた使命を……その役目を、見誤るところでした。………あの……貴方は……?(ここでようやく、男に名を尋ねる) 」

???→木野薫「────木野薫。しがないフリーの医者だ。お前たちは? ここになんのようで来た? 」

メディ「……!貴方が、話に伺っていた「木野薫」様でしたか…。 わたくしは、メディと申します。重度の記憶障害を患ったこちらの「主様」の失った記憶を取り戻すべく、遠く離れた東の国から、その手掛かりとなるこの「願いの谷」へと1月以上かけて参りました。しかし、手掛かりは掴めず…そんな最中、医師団の皆様と出会い、事情を聴いて「夢の泉」の奪還と患者の救出作戦に乗り出したのですが……(あとのことは、今に至る…というように視線を俯かせる) 」

あなた「………!(木野に手を上げて挨拶を行う。無表情だが、このような状況下でも純粋な眼差しを忘れないでいた) 」

木野薫「記憶喪失……?(「あなた」のほうを見やり、一考)…………(「あなた」の挨拶の姿に特に反応をしめすことはなく)……お前たちの事情はよくわかった。では今度はちゃんと正面切って言ってやる。────『ここで待っていろ』。お前たちの仲間も俺がなんとかする。イドフロントの警戒態勢はさらに強いものとなった。子供のお守は俺の専門外だ(優しさともとれるし、冷たい突き放しともとれる。「あなた」たちに背を向け再びいくつかの荷物をまとめ始める) 」

研究員の女性「――――― あの、待ってください…木野さん…!(そんな、荷造りを始める男の背中に不安げな声音をかける女性がいた)……あなた一人でも十分危険です…!せめて一度、態勢を整え直してからでも…… 」

ナナチ「んなぁー……お前ら、それでこんなところへ……(「あなた」たちの事情をここで初めて知って茫然としていたが、そこに、木野に声をかける見かけない女性に眉を潜める)……んで、さっきからそこにいたお前は誰だぁ…?スンスン…スンスン……妙な薬品の匂いがする……さてはお前……あそこの研究員だなぁ~…?(警戒心を剥きだすような目つきで女性を睨む) 」

マルルク「記憶を、失って…それを取り戻すための途方もない旅をしていたんですね…… それなのに、ボクたちの事情に付き合ってくださるなんて…なんといえばよいか………?(ナナチと共に女性の方へ振り返る) 」

木野薫「そんなヒマはない(準備を進めながら女性の言葉を一蹴)こうしている間にも患者たちの症状が悪化するかもしれん。それに、囚われた者たちはどうなる? すでに実験を始めているかもしれない。…………それを止められるのは、俺しかいない! 」

木野薫「まてお前たち。彼女は敵じゃない。俺が説得したんだ。逃げてきたんだ。あのイドフロントをな。 」

ヤブ「そこな美しい女性!俺と結婚してくれないか?俺はヤブ。34歳バツイチだが、まだまだ溢れんばかりの性yゲフンッパッションがありますであります!趣味は、心臓マッサージと人工呼吸です。年収hうわなにをするやめろっとおおおおおおおおお(精神異常患者共に纏われつかれる) 」

ナナチ「……えっ……?えええぇっ!?(木野の衝撃の告白に仰天する)せせせ…説得ぅ…!?あ……あんなキチガイばかりの連中が揃いも揃っているような怪しい研究団体から…!?お、おい……なんかの罠じゃねえだろうなァ……?(恐る恐る女性の周囲を駆けまわって四方八方から睨みを利かせる) 」




研究員の女性 → 石森里奈「ご紹介が遅れてごめんなさい……私は、「石森里奈」(いしもり りな)。元精神医療総合研究所所属のサイコセラピストをしていたわ。数か月前、私はあの研究団体からスカウトされて、以来行動を共にし…最近になってイドフロントでの研究を行うようになったの。研究内容は、『夢』に関する精神医療…私はもともとそれを専門としていて、あの黎明卿にある契約を交わしたことで…ともに研究を行うようになったの…。 」

メディ「石森様…精神医療の専門医ですか…。その……彼らと交わした契約、というのは……? 」

石森里奈「ええ…私には、たった一人の妹がいたの。難病を患っていてね…私の精神医療では完治することは、医学的にも、金銭的にも、ほぼ不可能だったの…。そんな時、あの男…黎明卿が現れた。彼が持ちかけた提案で妹が助かる可能性があると。それを信じてしまい、私は総合研究所を辞職…彼の研究団体へ転職したの。だけど、いつまでたっても妹の治療にはとりあってくれず、得体の知れない薬品だけが提供されてから、余計に悪化してしまった…。 」

淫夢の臭いやつ「普段眠らせる側なのに眠らされるとか頭にきますよ! 」

KMR「ハァ…ハァ…先輩たちはあのガスで死にましたかね…惜しい人を亡くしました、丁重に弔いましょう 」

石森里奈「そんな妹を助けてくださったのが、こちらの木野先生なの。彼は真摯に妹の治療に向き合ってくれたわ。お陰で今は容体が回復しているところなの。だから私は、木野先生に信頼を寄せるようになり…このイドフロントでの研究内容を内密に提示していたの。 」

石森里奈「イドフロントでは、それは人道に異を呈する悪逆非道な研究がおこなわれていたことが、後になって発覚したの。それ以来、私はここにいられなくなっていた… ただ私は、黎明卿との契約上、抜け出す覚悟がなかった……そんな中で、木野先生が何度も私を説得してくれた。だから……私も覚悟を決めて、今回…共にイドフロントを抜け出してきたの…(そう言いながら、木野の方へと視線を向けた) 」

死に損ないのハゲ「まだ死んでねーよ!!! 」

ナナチ「……んなぁー…そういうことだったのかよ……おっさん、俺たちにな~んも言ってくれねえから… 疑って悪かったよぉ…(バツが悪そうに委縮する) 」

あなた「………!(里奈の説明を受けて、改めてこの木野という男を知った「あなた」は、彼の背後で感心するように小さく頷いていた) 」

KMR「い、生きてたんですね鈴木先輩!!僕は信じてましたよ……三浦先輩や師範はあのガスにやられちゃいましたかね…?(そう掛け合いながらも木野たちの会話に耳を傾け)……なんというか、ここにいるともっと厄介なことに巻き込まれそうな… 」

石森里奈「……だけど木野先生、私からひとつ言わせてください。たとえ貴方単独でイドフロントへ突入し、奇跡的にあの時眠らされた子たちを助けることができたとしても……普通では目を覚ますことは出来ないわ。 」

メディ「……!(石森の発言に反応する)……あの時、私も感知しました。その黎明卿と呼ばれるお方が噴射した催涙ガスと思われる物質……あれは、極小サイズの「ナノマシン」でした。つまり、ただの催涙ガスではなく、別の手段で皆様を眠らせたと者だと思われます。石森様、あれは…一体何なのでしょうか? 」

石森里奈「……黎明卿が放ったあのナノマシンの正体は「ドリムエル」。生命の皮膚に取りつき、そこから神経麻痺を与えて特殊な停止信号を与えるという、精神医療技術をもとにイドフロントで造られたものよ。要は、脳を一時的な仮死状態にするもので…正確には眠らされたわけではない。だから、どれだけ強い衝撃を与えたとしても、被検体は決して目を覚まさないわ。 」

石森里奈「ドリムエルは、植物状態を齎した被検体の脳をデータ化し、それをイドフロントのメインサーバーに格納された『夢の国《ワンダーランド》』に転送しているの。今頃、肉体はそのまま保管され、意識だけが、夢の世界に送り込まれているということね。 」

メディ「夢の国……?もう少し、詳細を教えていただけますか…? 」

KMR「じゃ、じゃあもう三浦先輩やAKYS師範の帰還は絶望的…!役所に死亡届出さないと… 」



石森里奈「ええ… だけどその前に、『これ』を説明する必要があるわね…(そう言って、既に握らていたアタッシュケースを開き、そこからカチューシャのようなデバイスを取り出し、彼らに見せつけた) 『 DCミニ 』―――― これは、「夢」の扉を開く、科学の鍵なの。このデバイスを装着して睡眠状態に入れば、夢の世界へ潜り込むことができる。

石森里奈「このDCミニを通じて「夢」を共有することで悪夢の原因を探り、患者を治療するサイコセラピーとして私が開発したものなのだけど、まだ未完成でね… だけど内部構造は後に黎明卿に改造を施されてしまい、初期構想段階としようが若干異なり始めているの。私が持っているのは、その改造が施される前のプロトタイプ…だからこれには、イドフロントからの制御権が通用しないわ。 」

マルルク「ゆ、夢の世界を覗き込むことができるなんて……まさに、"夢"みたいな装置ですね…♪ 」

石森里奈「このDCミニを使えば、通常の睡眠では入ることができない、研究団体が構築した独自の夢の世界… 通称、『 夢の国《ワンダーランド》 』へのフルダイブするが可能。そしてその「夢の国《ワンダーランド》」は、最初はイドフロントに拉致された孤児たちが見る「夢」から形成されたことで誕生したものなの。何故なら、子どもの夢は壮大だから… その「夢」が肥大化し、やがて夢の国の範疇を越えて… 他所の人々の夢の世界と繋がり…彼らを夢の国のテリトリーに誘い込んでしまう。 」

石森里奈「そうなるとどうなるか…先も言ったように、「夢の国」に入るには通常の睡眠では不可能で、DCミニがなければ入国も出国もできない。つまり、夢の国側から通常睡眠下で発生する夢とリンクした時…本来の夢は「夢の国」の規模に呑まれてしまう。こうなってしまうと、DCミニを装着していない人間が永久的に目を覚ますことなく「夢の国」を漂う羽目となるわ…! 」

石森里奈「そう…「夢の国」が拡大化し、他所の人々の夢と繋がることで…やがて世界中の人々が植物状態となり、覚醒しなくなる。黎明卿の狙いは、この世界中にいる全人類を「夢の国」へと誘い、その独自の夢空間に閉じ込めること。こうすることで"現実は夢となり、夢は現実"となる。現実と夢の境界線を消失させ、誰もが夢見た幸せな世界を構築する… それが、研究団体が目指す壮大な計画よ…! 」

ナナチ「んなぁー…んだよそれ…ッ……!じ、じゃあ…あいつらが「夢の泉」を利用して行っているのはその研究の為……夢の泉の効力があれば、「夢」で生命を支配することだって容易いはずだ…!そういう、ことだったのかよ…っ……! 」

石森里奈「ふわふわ君(ナナチ)、キミの言う通りよ。イドフロントが「夢の泉」を独占しているのは、「夢の国」の基盤を形作る為。それを最初は子どもたちの「夢」で肉付けし…やがてはこの「願いの谷」を越えて、少しずつ夢空間の規模を拡大化しているの。このままでは、世界中の全人類が植物状態に陥ってしまうわ…! 」

あなた「……?!(事態がとんでもない方向に進んでいることを知り、驚いたように思わず前のめりになる) 」

メディ「……なるほど…そういうことだったのですね…。石森様、ありがとうございます。『夢』を利用した壮大な掌握… それに、無関係な孤児たちや罪もない人々や動物までもが巻き込まれていると知った以上、やはり、看過できぬ事態です。それに…その「夢の国」に捕らわれてしまった皆様を助ける方法が、通常ではどうしようもないことも…難題ですね… 」

クサイハゲ「後神と死神代行とおじさんもいないぜ…俺ら残してみんな死んじまったってのか!? 」

石森里奈「DCミニは、いつか人々を救う"夢"の機械となることを目指して開発を進めてきました。ですがそのセーフティを外され、「夢の泉」と共に悪用されてしまっている今…私も開発者として、彼の横行を見過ごすことは出来ないわ。 」

石森里奈「…もう一度言うわね。黎明卿の手に落ちてしまった貴方たちの仲間は、肉体は現時点では無事でも、意識そのものは夢に連れ去られている。だけど、"夢というのは曖昧な存在"。それが"悪夢"という形で人間の精神を蝕むように、「夢の国」で起きる悲劇は人体にも多大な影響を及ぼしかねない。最悪…肉体は本当に死滅してしまい、意識だけが夢の中に置き去りにされてしまう結末にもなりかねないのよ。 」

マルルク「そんな…っ……!?そ、そんな怖いことが起こるなんて……ボク、もう眠られなくなっちゃいそうです…… 」

ヤブ「ああ、とんでもなくヤベェぜこりゃあよお…!!要は寝落ちしなければ今は助かるが、不眠症でどうこう出来る問題でもねェーッ!24時間365日眠らずにいたら俺の頭皮も栄養失調でハゲ散らかしてしまう…ッ!!いやだーーーーーーーーーーーーー!(>>> ち い ヤ ブ <<<) 」

KMR「夢の国…意識は肉体を離れて…?それじゃあやっぱり僕たち以外はみんな夢の中に囚われて…(彼らの話を聞きながら、考え込んで)…でも待ってください、「出国」…自分から入っていった分には入国も出国も自由ということは… 」

医者A「…………(それぞれが危機感を募らせる中、この中年の男ひとりがやさぐれたような雰囲気で聞いていた。夢の国。それに対して嫌悪を抱いているのか、それとも呆れているのか) 」

メディ「……ひょっとして、夢の国に捕らわれてしまった皆様を救う手段というのは―――――(KMRの台詞をヒントに、里奈の方へ視線を戻す) 」

石森里奈「気づいたようね。そう、夢の国に捕らわれた人たちを救出する方法はただ一つ、このDCミニを使って直接夢の世界へフルダイブし、彼らの「意識」を連れ戻すことよ。夢の国は、言わば電脳世界のようなもの…故に意識はデータ化されているから、DCミニで回収した「意識」を、直接本人たちにデバイスを装着してあげることで「意識」は戻るわ。少し遠回りな方法にはなるけれど、現状はこれしかない。だけどこれは、あくまでナノマシン「ドリムエル」が原因である場合の話よ。 」

石森里奈「夢の国に呑まれてしまった「通常の夢」は、夢の国の大元を破壊することでリンクは切断され、巻き込まれてしまった遠方の本人たちはそのまま目を覚ますはずよ。大元はきっと、イドフロント最深部にあるメインサーバーね… だから、まずはドリムエルの被害を受けた人たちの「意識」の回収を終えた直後に、メインサーバーを破壊すれば…巻き込まれた人々を開放しつつ、奴らの計画を弾圧することができると、私は予測しているわ。 」

石森里奈「……木野さん、貴女のことは十分に理解しているわ。誰にも頼りたくないことだって。だけど…今回ばかりは、一人ではどうしようもないの。ここにいる患者たちも、巻き込まれてしまった子たちも、みんな…あなたの「命」ひとつで救えるものではないわ。どうか受け止めてほしいわ… 」

ナナチ「おっさん!オイラも…オイラたちも!おっさんの役に立ちてえんだ!協力させてくれよ…オイラの故郷なんだ、オイラ自身で取り戻してえんだよ…!(木野の右足にしがみ付き、懇願するような眼差しを向ける) 」

ハゲ「じゃあMURやAKYS先生も救えるってことか! 」

マルルク「あ、あのっ……木野さん…… ボクは、薬草を集めることくらいしかできない臆病者ですけど…でも、ここにいるみなさんを救いたいって気持ちは本気なんです…!どうか…どうか、一人で無茶しないで……ボクたちのことも、頼ってください……!お願いします…っ…… 」

木野薫「────ハァ(石森のはなしを聞き、それぞれの視線を向けられる中、事の大きさにため息を漏らす)それでも危険に突っ込むのは俺の役割だ。しかし、俺の専門は『外科』だ。精神に関しては多少のものでしかない。────人手がいる。(それぞれの思いを受け止めるように強い視線を向け頷いた) 」

メディ「……!(木野の発言を受けて背筋を伸ばす)……把握いたしました。であれば、「夢」と「現実」…双方の世界で連携して動く必要性がありますね。我々は、そのDCミニを使って…ナノマシンによって「夢の国」に捕らわれた皆様の救出に向かいます。主様、いかがいたしましょう? 」

あなた「……!(メディの意見に同調するように強かに頷く) 」

ナナチ「だったら…!だったらオイラとおっさんたち医師団のみんなで、もっかいイドフロント攻略作戦に臨もうぜぇ~!幸いオイラたちは地の利がある!有害物質は厄介だが、それの回避ルートは既に頭に叩き込んであるしなぁ~…!おっさんもそれでいいだろ? 」

KMR「気は進みませんが先輩や師範を救う方法はそれくらいしかなさそうですね…しかし…しかしうーん… 」

メディ「しかし、私はヒューマギア…夢を見ることはおろか、睡眠することは出来ません。なので主様、少しだけお時間をください。夢の世界でも主様を一人にしないように、私自ら「サポートAI」を構築しますので。言わば、私の分身体と思っていただければ。本体と分身に別れ、夢と現実…それぞれの世界の進捗場を、私メディが架け橋となって皆様に伝達いたします。なので…私も、医師団の皆様に同行いたします。自分の招いた不始末は、自分で拭わなければなりませんからね。 」

ヤブ「今こそ、イドフロントを、ぶっ壊ぁすッ!!!この俺が切開手術であのどてっぱらに風穴開けてやるぜェ~~~~~!!! 」

木野薫「ほう、ヒューマギアだったか。ナノマシン相手なら相応の対策もお手の物というわけか。────各々準備をすませるんだ。できうるのならすぐにでも行きたい。これは手術同様一刻も争う事態なのだ。 」


『 『 『 『 ラ ジ ャ ー ! ! ! 』 』 』 』


そして、数分後―――




メディ「―――――お待たせいたしました、主様。どうぞ、こちらを。(そう言いうと、「あなた」に差し出したのは…石森から拝借したDCミニの一基だった) 石森様の許可をいただきまして、こちらに私の全データをコピーした自立型サポートAI…名付けて、『 メディⅡ 』がインストールされております。きっと夢の世界へダイブしても、あちらの空間で実体化されて主様のサポートをしてくれます。 」

メディ「ですが…一つ問題がございまして… 石森様も仰っていたように、夢の世界というのは不確定要素の強い、実に不安定な空間です。予期せぬ事態が起こる可能性が極めて高いにもかかわらず、「メディⅡ」はナビゲートに特化することが限界で、戦闘スペックの一切は完全オミットされております。DCミニの保存領域のキャパオーバーという関係もございますが…不測の事態が起きた際には、極力戦闘を避けように推奨いたします。 」

あなた「……!(わかった、とメディの警告を肝に銘じて強く頷いてDCミニを受け取った) 」

石森里奈「私はここで、「この子」の精神バイタルに異常が発生しないか見守ることにするわ。さあ、DCミニを装着したらここへ横になって… (そう言うと簡易ベッドへ「あなた」を促す) 」

ナナチ「んなぁ~…!オイラたちも出撃準備完了だぜぇ~!万が一に備えての緊急キットもあるしなぁ~!おっさん、いつでもいけるぜぇ~!(自身の背丈の三倍もあるバックパックを軽々と背負って意気揚々と身構えている) 」

マルルク「ボクもここに残って、患者さんたちの治療に、石森さんと一緒に「こちらの方」の様子を見守ります…!みなさん、お気をつけて…! 」

ヤブ「行くぞ野郎どもォ~~~~~~~~~~~~!!!出航だーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!(おまるに跨っている) 」

KMR「(あいつらの為に命を懸けるほどの価値はないだろ…)じゃ、じゃあ僕はこっちで経過を… 」

臭い男「ほら行くどー!(KMRにラリアットを繰り出し,連れて行こうとする) 」

KMR「えっ僕も行くんですか…や、やめろっやめろうんこ!!放せ臭い!!うわあああああ!!!! 」

木野薫「よし。(そして全員を一瞥し)先ほどのことでイドフロントは警戒がより厳重になった。祈手も手練ればかりだ。できうることなら、イドフロントへ行く者は少数にして、不安が残る者はここで待機をしてほしい。マルルクのようにほかの患者の治療に専念するのも、医師としての戦いのひとつだ。俺は『両方』やるってだけの話だ。お前たちにその負担を強いるつもりはない。────そろそろいくぞ。準備はいいか!? 」

ポリゴン2「僕はDCミニをベースにボンドルドも見落としているかもしれないバックドアがないか探ってみるよ。ただこれはあくまで無いに等しい非常出口を突貫工事するような作業だ。殆ど頼りにならないという想定でいてくれ 」

あなた「 ス チ ャ … ――――――― (石森に促されるままに、DCミニを耳元に装着してそのまま仰向けにベッドの上に横たわると、深呼吸をひとつして静かに瞼を閉ざす―――――) 」

メディ「………(主様…どうかご無事で…――――――)――――― わたくしも行けます。皆様、よろしくお願いします。(機械人形はその瞳に生気の感じるハイライトを鋭く光らせて、来る決戦へと望むようについに歩き出した――――) 」



― 夢の国《 ワンダーランド 》 ―




あなた「――――――――…………………!(そして、「あなた」は静かに目を覚ます。そこに広がる光景は―――――) 」




「あなた」が目を覚ましたのは、何処かの森の中だった。
しかしその森は緑一面に生い茂っているものではない。
蛍光色の強い桃色や黄色、青色に橙色と…カラフルなまでに彩られた異質な自然空間だった。
空を見上げればそこにはたくさんの色のたくさんの風船が吹かれる風のままに何処かへと緩やかな速度で流れていて
、積乱雲は秒ごとに姿形を大きく変えているなど、
現実世界では目にしようがない奇天烈な現象が次々と不規則に起こり始めていた――――


あなた「………!(目に飛び込んだ不可思議な光景に、「あなた」は口を開いたまま静かに見渡して圧巻していた) 」


――――  じ、さ…… るじ、さま…… あるじさま……  主様……! (聞き覚えのあるメディの声が、次第に近づき、強く反響しはじめる。「あなた」が振り返った先にいたのは――――)




メディⅡ「――――― 主 様 っ ♪ (そこに、あのメディの姿があった。しかし、よく見るとリボンの色は紫から青色へ、普段かけていない伊達眼鏡をかけている上に、いつもの無機質な表情もどこか愛嬌のある感情を醸し出していた) はじめまして♪私が、主様を夢の世界で案内するサポートAI…――――『 メディⅡ 』でーすっ♪よろぴよっ☆ (きゅるん♪、とした可愛らしいSEと共にピースサインを送った) 」

あなた「 ! ? ! ? ! ? (これは……まさにその「夢」なのか…?と疑うように、普段では決して伺うことのできないメディの変わりように無表情でドン引きした) 」

メディⅡ「……ほぇー?そんなに驚きましたかー?大丈夫ですよ♪私はちゃんと、本体から生み出された本物の分身体ですよ♪……え?なんかいつもと様子が違うんじゃ…って言いたそうですね…?えっへん!それもそうです!なぜなら「わたし」は、メディ本体が望んだ――――――― 」

メディ(音声)「――――お黙りください。(すると、怒りを表現する際のあの冷ややかな声音が――「あなた」にとってはこれこそ聞き覚えのある――メディⅡの内部スピーカーから反響した) 主様、驚かせてしまい大変申し訳ございません。そちらは、無事に夢の国へとダイブできたようですね。その「メディⅡ」は、恐らくですが夢の世界にアクセスしたことで人格設定に支障をきたした模様ですが、こちらで確認できる以上はAI自体に問題はないので、"どうか"(※強調)気にせず行動を共にしてください。それでは、また何かありましたらお声がけいたします。(以降、現実世界側のメディ本人の声はシャットアウトされた) 」

メディⅡ「やぁーん、こぁ~い…!意地はらなくたっていいですのにね……でも主様、ご安心くださいね♪このメディⅡが、ちゃ~んとサポートいたしますので!…さて!まずは、この夢の国の何処かにいる「仲間の皆さん」を探しましょう!きっと目に見える形でみなさんの「意識」がそこに散らばっているはずです!(どこかな、どこかなと額に手を当てて左右を見渡すジェスチャーを取る) 」

あなた「………(メディ本人の通信を受けてから、少しずつメディⅡに順応しようと気持ちを改めるように溜息をつく)……?……??(左右を見渡すメディⅡを他所目に、「あなた」は遠くを見渡す。その先には虹色の広大な湖がある。だが、気になったのはそこではなく…湖の前に佇む「人影」だった)……!(その人影のある方へと小走りで駆け寄っていく) 」

メディⅡ「ほぇ…?主様ー?何処へ向かうのですか~…?(タン、タンとスキップを刻みながら「あなた」に続いていく) 」

×××「…………(虹色に染まる湖を前に、茫然と佇むのはひとりの少女。清々しさのない生暖かい夢の世界の風に、麗しい銀色の髪を靡かせていた)……?(少女もまた、背後から近づいてくる「あなた」の気配を感じ取ったかのように振り返る) 」

あなた「―――――― ! (振り返った少女に、「あなた」は驚愕したかのようにぴたりと足を止めた。目の前にいる人物、それは…「あなた」が最もよく知る人物であるが故に。その彼女は―――――――) 」




××× → ユゥ「――――― 驚いた… どうして…「あなた」が……?(――― 同じ運命を辿る謎の少女『 ユゥ 』その一人だったから―――) 」


あなた「……!(何度も交わしてきた奇跡的な再会。これで恐らく"7度目"となるだろう。そんな彼女と、今度はまさかこの夢の世界で落ち合うことになるなど…流石の「あなた」も思ってもみなかったのか、信じられないと口を開きながら歩み寄っていた) 」

メディⅡ「あっ……!貴女は……「ユゥ」様~…!?(語尾を上げながら驚きを表現する)わぁ~…なんて偶然なのでしょう…♪よもや夢の世界でもユゥ様とお会いできるなんて、光栄です~…♪ 」

ユゥ「……え……とぉ……?(「あなた」との再会もそうだが、外見も人格もいつもと異なるメディの様子に状況が呑み込めず、複雑な表情を浮かべていた)……い、いったい…何があったの……? 」


※  説 明 中  ※


ユゥ「―――――……そういうことが…あったんだね……!えっ…じゃあ、もしかして……私たちがいるこの世界って…まさにその「夢の世界」…ってことなの……?通りで……なんだかいつもと感覚が可笑しいと思った……夢にしてはあまりにも鮮明で、リアルに感じ取れて……でもこれは、夢でもあるし…ある意味では現実でもあるんだ……変な、感じだね……(面白おかしそうに苦笑する)……私の見ていた夢と、「あなた」たちが見ていた夢が…一つに繋がっている。やがてその「夢」は大きく膨れ上がって…現実世界が大変なことになる…ということだね…? 」

あなた「……(コクコクと頷く) 」

ユゥ「………わかった…!じゃあ、これも…私たちの新しい「冒険」だね…♪一緒に行くよ。仲間を取り戻す為に、その「意識」…っていうのを探せばいいんだね?「あなた」の仲間を救うことが、この奇妙な夢の世界を脱出するために必要な事なら、惜しみなく手伝うよ…!それに……「あなた」とこうしてまた冒険できることが、何よりも嬉しい…♪(裏表のない、心の底から嬉々とした笑みが滲み出ている) 」

あなた「……!……♪(ユゥの賛同を得られたことに、「あなた」もまたどこか嬉しそうな眼差しを浮かべたのだった) 」

メディⅡ「……?ははぁ~ん…おやおやぁん……?ひょっとしてぇ……?主様とユゥ様ってぇ……かなり相思相愛なのではぁ~…?(ニヤニヤ(二人の初々しい雰囲気を傍目にほくそ笑む) 」

あなた / ユゥ『……!? / そそそッ…相思…相愛……っ…??そ、それって……どういう、こと…なのかな……?変な意味じゃない…よね……?(首を振る「あなた」と、若干頬を赤らめる少女が互いに咄嗟に距離を置いた)』

ユゥ「こ、こほんっ…!と、とにかく…!3人いれば探索もしやすいと思うし…早速、この湖を越えていこうよ…!(照れ隠しするように我先に歩き始める) 」

あなた「……―――――――(ユゥに続いて歩き始めようとしたその時、ふと、視界の中に入り込んだ右手の手袋。DOMANが言っていた、契約の証である「令呪」。それを目にした時、彼のあの時の言葉が脳裏に過る。そして疑念が生じる。彼は…本当に自分たちを裏切ったのか、と…。それを回避するために、この「力」を使うべきだったのか、と… そうして複雑な心境を浮かべていた、その時だった――――) 」


フッ  (あなた、メディⅡ、ユゥを取り巻いていた空間から色彩が失われる。ブラックアウトした視界に光が戻ると飛び込んできたのは―――――)


――――――灰色だった。地平まで広がる土塊、燃え盛る炎、人の営みの残骸。景色、物体、視覚情報の識別に用いれる要素は"明暗"のみ。
光源の有無、モノクロフィルムのように投影された世界。だが、その中で唯一褪せない色彩が熱を灯していた。
最も遠くまで届き、そして生命に脈々と流れ、視覚化される事が望ましくない色彩―――――


『恐怖が、恐怖が来る……あぁ、あぁあああ!!! あの子は!あの子はどこ!!?私のかわいい娘!!私の大事なアニー!!どこなのぉお!?……あぁ、赤い、赤、赤、赤、赤、赤、炎、血、泥……中に、あの子が……お、おうぅええええええッ!!! お菓子、お菓子はどこ!?あの子が最期に食べてたの!!あの味、あの形、娘が食べていたのよぉおお!!!』


『赤』である。黒が塗りたくるのは腐敗、土塊、影、夜。『白』が灯すのは人の肌、光。
その他一切が『赤』で染め上げる悪夢があなたやメディ達を取り巻いていた。


戦場という情景の最中で感じ取れる情報は視覚と聴覚のみ。
炎熱、腐臭、炎熱、腐臭……本来五感を揺さぶる情報の一部はカットされており、
『夢』を通してあなた達は悲劇の当事者に『あれずにいた』。




ユゥ「 ふ ぇ ―――――― ? (虹採色の景色が前触れもなくグレーアウトし思考が一瞬だけ停止)………!? ……?! ……っ……!!? (映写機のように次々と写し出されては切り替わっていく、何者かの記憶を描いた惨憺たる「悪夢」に、少女は理解が追い付けずただただ困惑を垂れ流す) 」

あなた「  ? !  (それは「あなた」も然り。視覚と聴覚だけにまざまざと伝わる生々しい「悪夢」に眉を微かに歪めてしまう) 」

メディⅡ「これは……っ……!?(突拍子もなく流れ出した「悪夢」の混濁に、人工知能の少女ですらすぐに理解することは困難だった) 」

子を探す女性「 ギョ ロ (倒壊した建造物の瓦礫を押し退けようとしていた若く、細く、端正な顔立ちの女性の眼球が半回転しあなた達を捉える。 瞬間、彼女の姿は映像が途切れたかのように消え――――) 」

子を探す女性「  (ガッッ 何かがあなたの肩を、頭を"掴み"振り返らせる。眼の前で消えた女性が、背後からあなたへ掴みかかり、"心臓に届くまで"指を食い込ませていた) こ"んなと"ころにアァッだノノノギギねァ”ァ” アアアあ、あのこ、あ"の"子"のお"菓"子"ッ  グブッッ ギチ ブチッッ ビチビヂッッ(指先が、顔が、全身が泡立ったかのように、体内で小爆発を無数に引き起こすかのように膨れ上がっていく。皮膚は節々が裂け、赤が、絶えず赤が、芋虫のような内容物が溢れ、溢れ……) 」

■ン■■レ■■オク■■■「 パァンッ (あなたにこれでもかと近づけた顔の頭部が著しく大きく変形し、蛸のように膨張したかと思えば、左眼球が"爆ぜ"、体液を撒き散らし蛸の足が暴れまわる。開いた大口からは歯がポップコーンのように溢れて溢れ、代わりに生えた歯もまた、全てが蛸足のように畝ってあなたの喉笛へ絡みつこうとした) あ"の"こ" あ"の"こ" アアァ ア あ アッ アァ アニニニニニイィィ!!!!ココ、ココココここにいたのねッッッ(蛸足はあなたの皮膚に、毛穴に張り込んで同化し内蔵を侵食していく……ように"見える"。視覚情報の密度から錯覚しかけるが"痛覚"はない。)」

あなた「――――――― ! ! ? (瞬きとともに消えた女性がすぐ隣にいたこと、自らの頭に加えられた重圧によって見たくもない苛虐的な顔面――"だった"もの――と直面させられる。見えざる重圧に前身の自由を奪われていく錯覚に、「あなた」は無表情の中に確かな"恐怖"を感じた――――) 」

メディⅡ「―――――主様ッ!(そんな「あなた」の片腕に組み付いて引き剥がそうと必死に抵抗の意を示す) 」


■ン■■レ■■オク■■■/あなた達にとってどうでもいいもの「 あぁ ど あ  ぁぅ いか いかせな な あな なた  なち  ないかもな こ っ  いで ち  いにか な く る (糸も容易くあなたから引き剥がされ、人から骨を抜いた上な肉袋が、顎を失い大口を開け何かを懇願しながら離れてゆく。 気にする 必要 は ない 。 これは ただの 夢) 」


ボ ドッ  (肉塊の口が最初に吐き出したのは飴玉だった。k難詰系の味だろうか、それが「あなた」の眼の前に横たえる。 直視してはいけない/必要はない のに、それはあなたの目線を追って転がる。 見れば見るほど、真ん丸なそれは淡い光を放ち……)


フ  ッ   (一瞬のノイズの後、景色は敷けった真夜中の森林へ。飴玉は水溜りの上に投影された満月となった)


『う゛わ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!パパ―!!ママー!!どこ、どこにいるのぉおおおおお!!!やだよぉおおお!!暗いよぉおお!!!』


オ ォ  ォ   ミヂ  ギ チ   ギ チ   ォォ オ   オ   ン  (どこからか、狼の遠吠えが響き"あなたの頭蓋の中で耳障りに反響した"。骨が内側からひしゃげ、軋み、脳髄と混ざるような音と感覚があなたの脳裏を揺さぶり、少女の慟哭が小さな頭蓋の中で反響した。たまらず項垂れると水溜りに『顔半分が血染めの狼の頭蓋へ変貌したあなた自身の顔』が映り込んでいた)


あなた「 ! ! ? (悪夢から解放されたかと思った次の瞬間、凄まじく耳障りとなると覚えが頭蓋の隅々まで痛みのように響き渡り、耐えられない衝動から思わず頭を抱えてその場に蹲ってしまう。だが、屈んでもすぐ目の前にある水たまりに浮かんだ「もう一人の自分」の、変わり果てた姿に目を大きく見開いた) 」

あ■た/■■ークス・■ルフ「息が、出来ない……ぐる、じいい……目が痛い、よぉお……なにも、見えない、よぉおお…くさい、よぉ…パパァ、ママぁ……どこ、どごに、いるの……ひとりにしないでぇえええええええええ(腐敗した眼球が狼の面から何度も、何度も滴り落ち地面に崩れた肉塊の塊を蓄積させてゆく。あなた自身の意に反し、狼の面は絶えず慟哭を発していた。) 」


ギャァッッ   ギャァッッ   ギャァッッ   ギャァッッ  (狼狽するあなたを嘲笑うかのように、或いは腐敗した獣の死体を待ちわびるかのように、煙のように実態が定かでない烏の群体があなた達を囲い、濁った歌を奏でる。 それぞれが"人面"を有し……)


『お前等は朝焼けの空を見たことがあるか?―――綺麗だよなぁ。だが、その中で死者の魂が鴉たちについばまれるのはどうだ? 見たことがないだろう? 俺は、ある。そのとき、俺は至高の痛みを覚えたッ!!―――痛み(ペイン)、そう痛み(ペイン)だッ!! 痛みを覚えろッ!! 』


ユゥ「…なんなの…これっ……――――!?(自身にとっては見覚えのない、ただただ意味不明な誰かの記憶の断片を象ったと思わしき恐怖映像にただただ狼狽していたが、「あなた」の容態が著しく悪化していることに気づいてすぐに駆け寄る)大丈夫…っ…!?どうしたの…っ…!?(少女には、水たまりに映るもうひとりの「あなた」が見えていない様子だった) 」

あなた「―――――――(痛い。痛い。痛い。痛い。死にたくなるほどに、痛い。そんな痛烈な衝撃が、「あなた」の体を蝕み続けている。目を逸らしても瞼の裏で反響する怨嗟の断末魔によって無理矢理開かれそうになる感覚。傍に駆け寄ってくれたユゥの救いの言葉すらも無残に掻き消されて―――) 」


『 飢える 苦しい でもあなたは 一緒 仲間と一緒 分け合える 』


『 憎い 悲しい でもあなたは別 誰も憎まなくていい 全部持ってるから 』


『 痛い こわい でもあなたは行ってしまう こんなに叫んでも 足があるから 遠くに行ってしまえる  』


『 よかったね! よかったね! よかったね! よかったね! よかったね!あなたは 私/わたし/俺 とは関係ない!! よかったね!! 』


ガッ  (暗闇に閉ざされる思考、視界、意識。そこに人の手の形をした光が、それが"触れた"感触と共に弾ける。 あなたの思考は憑き物が取れたかのように、突然鮮明になった)


『大丈夫デスか!?落ち着いて、大丈夫!大丈夫デス、私達がいますカラ!さあ、手を取って!!』


―――――幻聴、幻覚はやがて"幻肢痛"へ。夢だと割り切るには膨大にして鮮明な量の情報に苛まれるあなたの手に温かな感覚が灯る。細く、靭やかな指先が力強くあなたの手を握っていた。


金髪の女性「こちらデス!落ち着いて、息を整えて! あなたとあなタ!走れますね!?私がこの子の手を引きますから、あなた達は声をかけてあげて!(カタコトな訛のあるその女性は項垂れるあなたの肩を掴み呼びかけつつ、メディⅡやユゥへ目配せをした、そして返事を待たず、行動で急ぐよう促すようにしてあなたの手を引いて前へ駆け足で前進した。顔こそ見えなかったが、どこか既視感のある後ろ姿だ) 」

あなた「―――――!(刹那、怨嗟が逆巻く地獄のような光景に差し込んだ唯一の光芒が、手となって差し伸べられる。聞き覚えのある女性の声だ。「あなた」は、藁にも縋る思いで恐る恐るその手を掴むと、「彼女」にひかれるままに千鳥足でかけ始めた) 」


キー ン  コー ン  カー  ン   コー  ン ……(前へ、女性に導かれるまま前へ進むと旅の途中で聞いた、旅の途中で知った"チャイムの音"が響き渡る。音がより鮮明になった瞬間ーーーー)


ーーーーフッ (景色は"教室"へ。生徒の姿はなく、月明かりだけが暗がり頼りの教室)


ユゥ&メディⅡ『………???(シームレスに変わりゆく景色の中で現れた突然の安堵。しかし、突拍子もなく現れた奇妙な憩いに疑心を抱いた二人は互いに視線を交わしながらも、「あなた」の身を案じて追いかけ始める)』 」

エレン・ベーカー先生「―――――ふウ ここまで来れば100%大丈夫デース!(後ろに結んだ三つ編みを翻し、リズミカルにステップを踏んで女性は振り返った。弾むような、それでいて包容的な微笑みを称え、あなたとメディⅡ、ユゥの両名を抱きとめる) 」

あなた&ユゥ&メディⅡ『  ! ! !  (溶け込んだ教室の中で、和やかな雰囲気をした金髪の外人女性の抱擁をそれぞれに受けて「わっ」と口を開いた)』

エレン・ベーカー「怖かったデスネー!でも大丈夫、いっときとはいえお二人は私の生徒!傷一つ付けさせまセーン!(胸を張り、一教師として生徒に等しい少年少女を見守る者として、屈託のない笑顔を向けた)……?どうかしましたカ?私の顔に何か……? 」

メディⅡ「……貴女は、確か……エレン・ベーカー様――――(記憶領域にある該当データから目の前の女性の正体を口にするが―――) 」

エレン・ベーカー「ノン!!エレン・ベーカー"先生"デース! もう!先生でもないと命がけで見ず知らずの若者のためにカラスの群れに向かってダーッシュなんてしませんからね!? そう!私は先生、大人デスから!何があってもあなた達をま 」


も "     ゴ     ウ ン……・・・  ッ   (重金属音が無慈悲に空間を掌握する。エレン・ベーカーの姿はない。教室の壁を円形にくり抜き出現した巨大な鉄塊、"黒いフェイス"の顔面が、彼女が居た場所に鎮座していた。クレーターを生成し下顎が埋没した床には、赤い血溜まりが広がり―――――)


―――――ギッ  ギッ   ギ ッ  (ブリキのように軋むそれが退くと、轢死したヒキガエルのように"サイボーグ忍者"が横たえ、砕けたメットの隙間から見える半壊した彼女の顔がじぃっとあなたの姿を眼球に捉える)


『あれは……だれだろう? 可哀想な子……』


エ■■■■■■「――――――でも、あなたは私を助けてくれませんでしたね。 」

あなた「――――― ! ! ! (ようやく巡り合えた光芒。それが、瞬く間に闇に覆われて消え去る。眼前に現れるは因縁だった巨大な敵。その眼下にふと視線を落とせば、サイボーグのような人形の中に垣間見た彼女の眼球。死んだ魚のような目をした"それ"とばっちりと目が合い、全身に再び戦慄が迸った) 」


ゴウ  ンッッ  (一つ、エレン・ベーカーの在庫が消失した。それを補充するように、カーテンレールに吊るされた"エレンベーカー/サイボーグ忍者"達が列を成して窓沿いに規則正しく並べられ―――――)


ゴ     ウ ン  ゴ     ウ ン  ゴ     ウ ン  ゴ     ウ ン  ゴ     ウ ン  ゴ     ウ ン(一つ、二つ、四つ、六つ、八つ。黒いフェイスの顔が壁をくり抜いて現れ、オートメーション式に素材を加工するかのように彼女達をすり潰して"処理していく")


ム■カ「(血染めの牙、口内にムムカの遺体を大量に含んだ黒いフェイス達が一斉に嘲笑した) ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ  」

戦極凌馬「――――――誰のせい? またもや彼女は死んでしまった。あそこにいたのに、いや、たしかに過去!あの場所で!!眼の前にいたのに!! 死んでしまった。 誰のせいだ? 」

ム■カ「ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ  」

戦極凌馬「(あなたの傍らで"理科の先生"きょとんと首を傾げる)…え~…っと……あの場所で彼女が暴走したのはシステム障害が原因で…それはあなたが交戦したから……で、それは…そうなるようにプログラムを仕込んだプログラムが起動する前にどうにもできなかった、中途半端な力のせい…………パ ン ッ (答えに辿り着いたように合いの手を打ち、「ああ、そうか…!」と得意げに口を開いてみせる) 」

メディⅡ「………!!(機械的に繰り返される悲劇から「あなた」の視線を遮ろうと前に立ち塞がる)……解析不能… さっきかあらなんなのですか、これは……っ……(どれだけヒューマギアモジュールに手を当てて解析を試みても不明なままな光景。それもそのはず…これは決して、科学的にも理解することなど到底及ばない「悪夢」(ゆめ)なのだから―――――) 」

ム■カ「ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ  」

戦■凌馬「   全   部   君   の   せ   い   だ   !   」

あなた「……!………!…………!(積み重なる罪の意識が、「あなた」を岸壁に追い立てていく――――) 」

戦■凌馬「 解析なんてできないね!」「 結果のみが真実! 」(二人に増えた醜悪な科学者がメディⅡへ両サイドから囁きかけ……)「なので!!我々は"科学的"にこの感情を解明しようと想った!"君"に理解しようと想った!!」 」

戦■凌馬「何故なら!!君も過去を、彼女を!"代替品"で清算したのだから!! 」

ム■カ「 ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ  」

ゴウ  ン   (黒いフェイス達が一斉に顎という金槌を振り上げ、先ほどすり潰した肉塊を加工する。そこに横たわるのは……) 」

ミデ■「   姉さま    」

ミデ■「   姉さま  どうして 置いていくのですか   どうして 私を メモリーを アーカイブしたの ですか       そこ<未来> に 私<新製品> がいる から ?  私<ミディ>がいれば 私<妹> は 必要なかった……?  」

メディⅡ「――――――――― ! ? (横たわる給仕服を着た機械人形。その正体をサルベージすることは造作もなかった。何故なら、その人物こそ――――)―――――――「姉様」……?(――――― メディの姉機体だったが故に) 」


ゴウ  ン   (黒いフェイス達が一斉に顎という金槌を振り下ろし、ネジやレンズといったパーツが飛散。 そして床に顎を固定させた黒いフェイスが大口を開け……"商品"を生産した。)


メデ■「 はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。 (目は虚ろに、何もみていない、何かを見るという意識さえない。そんな"工業生産品"。) 」

ミデ■「はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。  はじめまして。 {愛着を持つよう造形され、人真似をしながら愛着など不要であるよう使い潰される人形の機械が、黒いフェイスの口から"量産"され溢れた) 」

ム■カ「 ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ (すり潰す、廃棄する、製造する。 "たくさん"の嬉しいはじめましてを。飽き飽きするほどどうでもいい"さよなら"を。そうして彼女達は人間の都合で資本に組み込まれ続けてゆく) 」

メディⅡ「   ッ゛  ?  ?  !   (機械少女は悪夢(ゆめ)の中で"絶望"する。ヒューマギアが決して感じることのない恐怖の最たる感情を。その身をもって、体感したのだった――――) 」


『目を逸らさないで』『聞き届けて』『鼻をふさがないで』『吐き捨てないで』『代弁して』『どうして』『どうして生きているのに、私達の為に何も知れくれないの どうして、前だけを向いて旅を続けるの』『どうしてあなた達だけに未来へ進む権利があるの』


ゴ  ゥ    ン   (銃口な扉が閉ざされる音。 最早意識も不確か故にいつきt変わったのか定かではないが、情景は『監獄』へと切り替わっていた。 筒状の壁沿いに、螺旋状に果てない暗がりへ登っても尚出口が見えない"監獄塔"。) 」


ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ ゲ ラ  (あなた達が旅の道中で出会った無数の悪意が、あなた達生者の訪れを歓迎し嘲笑う。壁にかけられ、首だけになった悪意ある者達の純粋な嘲笑が、 救えず、犠牲になった者達の嗚咽混じりのすすり泣く笑いが木霊し…)


あなた「(何度も何度も繰り返し訴えかけられる怨恨が、「あなた」たちを精神的に爪立てていく。監獄の中に囚われ、檻に掴みかかる姿はもはや罪業の囚人と何ら変わりない。前向きに生きてきた――しかしそれは見たくないものにふたをすること。希望を信じてきた―――絶望を決して味わいたくないから。これまで歩んできた分だけ、自らに生じた罪の意識が、「あなた」の首を絞め殺す―――――) 」

怨嗟の心臓「 ボ  ゥ   ッ  (監獄塔の最下層にあるあなた達を囲うようにして、"真紅の炎"を、血肉をたぎらせた"臓器"が無数に出現した。 あなたの鼓動に呼応するようにして脈打つそれは、今にもあなたを"道連れ"にしようと敵意を顕にしている) 」

ユゥ「……!(何らかの罪の意識に問われているであろう「あなた」とメディⅡの二人のただならぬ様子を感じ取った少女は、辛うじて二人よりも残された最後の希望として二人を優しくも強かに抱き寄せ、こちらへ迫りくる怨嗟に怯えながらも睨み返す小さな抵抗心を滾らせていた) 」

怨嗟の心臓「 ギッ ……  ギギ ギィィィイ イ  イ   イッッ (ユゥの目には絶えず光熱を灯す肉塊にしか見えないそれが一斉に飛翔し、全方位から"物量"と"熱"を以って焼き尽くさんと襲いかかった―――――) 」


ドッ (一度、あなたの脈が微かに戸を響かせる)ドッ (二度、あなたの脈が確かに呼びかける) ┣" ッ (三度、ようやく脈動が手袋の"令呪"へ呼びかける。 あなたの元へ、その呼び掛けは届いた。)


―――――― 応えよ、貴様の内にある炎を解き放て。 そして願え!さすればこそ、"俺"は貴様の"共犯者"として道を示そう!


あなた「――――――――――――― !  」


キ  ィ    イ   ィ    ィ  イ  ン  (聴覚を著しく狂わし思考をかき乱す高音が、あなた、メディⅡの脳を揺さぶり結果的に思考を"リセット"させる。 あなたの瞼の裏には熱を灯し、灼光を灯す"令呪"が垣間見え――――――)


あなた「……―――――――――(天の声に、「あなた」は祈り願う。この悪夢から覚める為に…もう一度、『夢』を追いかける為に―――――) 」


/ \ " シ  ュ     ッ   (あなたの"影"から流麗にして鋭利な無数の曲線を描く蒼炎が現れ、暗闇を引き裂いて駆け抜ける。その軌跡の先陣を切って宙を駈る黒い何かは青黒く燃え盛る"黒水"の塊を雨のように降り注がせ、怨嗟の心臓を瞬く間にかき消した)


ボ ┣"   ボド  ボ ┣" ・・・ ……  (無数の斬撃痕を刻み込まれ、醜悪な腐卵臭と共に監獄塔を成していた壁が剥がれ落ち、赤黒い腐肉と化して崩れてゆく。 悪夢のメッキが剥がれ、元いた夢のような虹色の空が垣間見えた)


ユゥ「―――――――!!(「あなた」の影から現れ出でた蒼炎が闇を引き裂く光景に、少女ははっと息を呑んだ。一度、二度、瞬いた次の瞬間には、自分たちの施行を覆う一切の影が消失。ただすべてを洗い流す黒い雨だけが降り注いでいるのを茫然と見届けた) 」

あなた&メディⅡ『―――――――(いつの間にか、「あなた」と機械少女は昏睡していた。夢の中であるにもかかわらず。だが…その表情二人とも何処か穏やかで、幸せな夢を見ているかのように口元を微かにほころばせていた―――)』

■■■「  ト ッ   (一通り"掃除"を終えた蒼炎の正体、黒衣にブーニーハット、死人のように青白い顔色の男があなたの眼の前に降り立つ。 黒衣をなびかせ、向けられた背は沈黙を貫いていたが) ……。なるほど、ここでも"復讐者<エクストラクラス>"か……。どの世界でも俺の役割はそう変わらんらしい。(ひとりごち、不機嫌そうに肩を落とすとようやく目線だけあなたへ背腰に寄越し、仕えるべき存在との開講を"ようやく"果たした) ここでの掃除は長いが、相対するのは初めてか。であれば問わねばなるまいよ。 」





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■■■→巌窟王「――――――喚んだな、復讐の化身を。黒き怨念、エクストラクラス"復讐者<アベンジャー>"……巌窟王を。 貴様が、俺の共犯者 <マスター> か。 」

あなた「―――――………?(そして、「あなた」はもう一度目を覚ます。なんだかとてつもない悪夢を…否……"幸せな夢"を見ていた気がする。寝ぼけた様子で後頭部を掻きむしると、ふと、目の前に立っていた見慣れない人物の足元に気づいて静かにその顔を見上げた) 」

メディⅡ「……?主…様……?(機械少女も再起動を果たすかのように瞼を開く。先程までの悪夢など何もなかったかのような、何処か清々しい目覚めを迎える中で、「あなた」の傍にいた第四の人物に視線を移した)……あの……どちら様…でしょうか? 」

巌窟王「夢の中で夢遊するか……。お前のような者は初めてではない、残念ながらな……(言葉通り落胆しているのか目を伏せて肩を落とし)―――――本当に覚えがないようだな。俺は貴様の共犯者<サーヴァント>だ。キャスター・クーフーリンから手渡された令呪があるだろう。それは、随分前から俺とパス<契約>を紐づけられていた。…………と、"他の道化"が嘯いていたようだがな。 」

ユゥ「……!(ブーニーハットの青年の姿に一度目を奪われるも、はっと我に返り、目を覚ました二人へと振り返る)……大丈夫…!?どこか、痛くない……?(不安げにも「あなた」たちに優しく語り掛ける) 」

あなた「……!………?(彼の言葉に、右手に嵌められた「手袋」に視線を落とし…ようやくその意味を理解した。DOMANではない、「あなた」自身の本来の守護者《サーヴァント》を―――)………(ユゥに「大丈夫」と首を振りながらメディⅡと共にゆっくりと立ち上がると、眼前の巌窟王と呼ばれる青年と向き合う)………!(この出会いに運命を感じたのか、「あなた」は手を上げて挨拶をした) 」

巌窟王「(意思疎通可能だが会話は不可能か……こういった手合は初めてだな)―――――ッスゥゥゥ……(眉間を抑え手を前に突き出し「待て」と伝える)……俺はお前の"内側"から外の様子をミていたそちらの状況は把握している、そこの少女の紹介も不要だ。(それとなくユゥへ目配せし) 道化(DOMAN)が裏切った……否、元々お前のサーヴァントでない事は飲み込めたようだな。奴の干渉のせいもあってお前の状況は認識しているよりも悪い(黒衣を翻して踵を返し、首をクイと捻る)一刻を争う、移動しながら話すぞ。 」

あなた「……!(巌窟王に促されるまま、ユゥとメディⅡに目配せをしながら歩き始めた―――) 」

巌窟王「事実から伝える。まず共犯者(あなた)、"このまま状況を打開できなければ"お前の命はそう長くない。(一瞬だけ一瞥し、文字通り哀れみも同情もなく事実を伝えた) 具体的に言えば、黎明卿による夢郷の破壊、道化(DOMAN)の消滅。この二つを果たさない限り、お前は自らの内側に眠る怨嗟によって、周囲に悪意を伝播させるためだけの傀儡となった後……  確実に、死ぬ 」

あなた&ユゥ『……!? / えっ…!?(あたかも「あなた」の心情を代弁するかのようにユゥが驚愕を発する)……そんな…じゃあ、あまり時間をかけて仲間を助けに行くことは現実的じゃない…ってことなんだ……』

巌窟王「その通りだ、順を追って説明する。 先程この二人が狼狽しているのをお前は見たな。(ユゥへ目配せし、歩調を合わせることなく前進しながら) あれはDOMAN……いや、アルター・エゴ:蘆屋道満が共犯者<あなた>へ植え付けた悪性情報が、夢境の中で具現化したもの……。違うか、共犯者が夢境へ入った瞬間"活性化するよう"仕込まれていた"旅の中で蓄積された負の記憶"による攻撃だ。 」

巌窟王「奴は"黎明卿と組み、お前が夢境へ自らの意思で向かうよう仕向けたのだ。俺が迎撃したことで即死こそ免れたが、その猛毒は今もお前の命を蝕み続けている。貴様が旅をした中で敵対した悪意、置き去りにした絶望。そういった"負の繋がり"を、お前は悪しき記憶として整理せず、出会った全てを受け入れるという特性によって蓄積し"過ぎている"。特に月の都での旅路は、直截関わらずともそこにある怨嗟全てがお前に追いすがっているのだ。 」

巌窟王「その魂の性質に目をつけたのが奴……蘆屋道満だ。確認するが、奴が喚ばれたのはクラウスの野望を阻止した直後……そうだな? 先に貴様が見た"悪夢"……MF小隊やエレン・ベーカー……そういった負の記憶の中に奴はいない、違うか 」

あなた「―――――!(巌窟王の言葉を片隅に、再度記憶を巡らせる。いつも怪しく傍へと近寄っていたDOMANが自分に施してきたことを。そう、彼はずっとこの旅路を"視て"いたのだ。すぐ近くで、隣で。そんな彼だからこそなせる所業だというのなら…と、「あなた」は一つ納得したように頷いた) 」

巌窟王「理解したようだな。奴は"何者か"によって既に召喚されていたサーヴァントだ。月の都を攻略するよりも前から、お前達の旅路を追うようにして行動し……クーフーリンの手渡した令呪を身分を偽る小道具として接触してきた。奴自身、或いは奴のマスターの意思によって。目的は―――――― 」

巌窟王「―――――お前の繋がりを力に変える能力だ。ぞれを利用し、貴様の紡いできた怨嗟、いわば"負の繋がり"を力として具現化させること。同時に、貴様の自我を破壊し、怨嗟を振りまく"殺戮の傀儡"へ作り変えること……。その計画は、実感こそ無いだろうが(踵を返し、指をあなたの心臓へ突き立てる。その時がくれば――――そうすると言葉で伝えるように)――――今尚進行している。 」

あなた「………!(胸元に突きつけられた"最悪の運命"。世界を腑に書き換えるだけの大いなる力が、よもや自分に孕んでいることなど考えもしなかったかのように、ただただ動揺によって双眸が揺らぎだす) 」

メディⅡ「……確かに、主様の潜在的なお力は今もまだ謎に包まれています。人の身に有り余る力は、大小にかかわらず何らかの影響をお与えになる。ですが主様は、純粋な心の持ち主です。その力を、道を踏み外すことなく…ここまで来ました。それを悪しきことに利用する輩がいるのであれば、わたくしも身を呈し主様をお守りする決意を改める必要があります。 」

ユゥ「……うん… 私も…信じている。「あなた」がそうならない未来を。その為に、『大切な仲間たち』が「あなた」を守って、支えて、共に歩いてきたんだもんね。(ふふっ、と朗らかな微笑みを送る) 」

巌窟王「―――――恐怖したか?それでいい。自覚し、尚も炎を抱いて奮い立たせろ。嘆く時はない、だが自覚なくしてお前は立ち向かうべき試練を直視できない。 納得できぬなら構わない、お前の旅路はそこ止まりだ…… 最も、周りはそれを許さんだろうがな(そう冷淡に伝え"周り"であるメディⅡ、ユゥへ目配せ。返事を待たず歩みだし……) 」

巌窟王「………。(あなた達との距離が離れた頃、何を想ったのか空を仰ぎ見)――――――俺は貴様のイド、かいつまむが深層心理に召喚された。お前を内側から殺しかねない悪夢となり得る"悪性情報"を焼却する役割を担う為だ。蓄積された記憶にある悪性情報を滅却し、害のない程度の記憶として浄化する事が今の俺の役割……認識していないだろうが、月の都で召喚されて以来そのようにしてきた。 」

巌窟王「これから怠るつもりはない、息継ぎする程度の猶予は持たせてやる。 」

あなた「……!!(メディⅡ、ユゥ…そして、これまでの旅路でこんな自分を支えてくれたかけがえのない「仲間たち」が"いる"。だから自分は「自分」であれたのだと。目的のこの地まで来ることができたのだと。その有難みを享受するように胸元に手を添えると―――)――――!(恐怖を払拭した強い眼差しを、巌窟王の背に向けて応えた。これから襲い来るであろう悪夢のような悲劇も、振り返れば自分にとって切り捨てようもない大事な『夢物語』だったと、胸を張れるように―――) 」



解析璃奈「夢の世界に閉じ込められた存在である主人公は自分と向き合い無事現実へと戻ってこられるでしょうか。それではまたお会いしましょう。 」



― 夢の国《ワンダーランド》・泡沫海浜 ―


天王寺璃奈「………ここ……どこなんだろう……?(いつのまにか、イドフロントで眠らされた璃奈たちは静かに漂う琥珀色の海が一望できる浜辺に呆然と佇んでいた 」

ホムラ「さぁ……?でも……なんだかとても、心地よい気持ちがします……(寄せては返すさざ波の音に、思わず瞳を静かに閉ざして浅く息を吸った) 」

ヒカリ「へんてこな空に海……だけどなんでか無性に落ち着くこの感じ……どこか懐かしさも感じるような気がするわね(分離能力を発動していないにもかかわらず、ホムラの隣に当たり前のように佇んで浜辺に転がる青いカニを不思議そうに見送っている) 」

ヒロ「海岸があることしかわからないな……いつの間にこんなところに飛ばされたんだろうな…(辺りを見渡し) 」

ベール「あはは~♪まてまて~♪ いやーん♪待たないったら待たな~い♪ (などと妄言をほざきながら、緑色のビキニを着用して浜辺を一人駆け走っている) 」



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近江彼方「ここは「夢の世界」なんだよぉ~(と、じんわりとした糸目を浮かべたまま三角座りでいつの間にか璃奈とヒロの間に居座っていた。浜辺の上にふかふかの布団を敷いたまま…) 」

天王寺璃奈「そっかあ……だから、なんだか不思議な感じがしたんだ。夢の世界ならしょうがいないね。………。………。………。………………えっ……???〖*゜o゜*〗(隣にいた少女の姿を3~4度見し、ようやく彼方の存在に気づいた) え゛ っ゛   ! ! ? (そして、びっくり仰天する) か……彼方…さん……?!ど、どうして、ここに……?〖*゜o゜*〗 」

ヒロ「夢の世界‥ってことはわかったが,どうして君がここにいるんだ…!? 」

近江彼方「やほやほー、なんだか久しぶりだねぇ~、璃奈ちゃん?おっ、それに…ヒロ君もいるじゃ~ん…♪うーん…?どうして、彼方ちゃんがここにいるのかって…?そりゃあだって…「夢」だもの。夢の中じゃあ、離れていてもまたすぐに会えるでしょ~?幼いころにサヨナラバイバイしちゃったお友達とか…引っ越しちゃった大好きな親戚の人とかさぁ~…?現実では別れてしまった人たちはみぃ~んな…「夢」の中でまた会えるじゃん?そういうもんよ、そういうもん。(さも、当たり前のように淡々と語り掛ける) 」

ホムラ「……?そちらの方は…璃奈ちゃんとヒロさんのお知合いですか…? 」

天王寺璃奈「そ、そういうもん…なのかな……いや、言われてみればそうかもしれないけれど…… そう、だよね……彼方さんも、同好会のみんなとも、こんなところで会うわけないんだし…やっぱり、「夢」なんだ、これ…… ……あ、うん。そうなの。近江彼方さん。私と同じ、スクールアイドル同好会に所属している3年生の先輩なんだ。いつも眠そうにしているけれど、それは愛する妹さんのために遅くまでアルバイトをしているからで…妹思いの優しい人なんだよ〖*╹▿╹*〗 」

近江彼方「えへへぇ~…よせやい、照れちゃうねえ~。まー、遥ちゃん(※妹の名前)のためなら、彼方ちゃんはなぁ~んだってやりますけどねぇ~?それにしてもぉ~…璃奈ちゃんが元気そうでよかった~。みんな心配していたんだからね~。でもこれは「夢」だからさ、現実でまた会える日を楽しみに待っているからね~。 」

天王寺璃奈「うん…!それがね、彼方さん…もうすぐ、私たちの旅も、終わろうとしているんだ。ちょっぴり寂しいけれど…これで、大切な「友達」が元に戻れるんだ。いろいろあったけれど…私、何とかやり切ったよ。 」

ヒロ「夢の中だからって説明つくのがなゆとも…………どうりでビキニを着たお姉さんの錯覚が見えると思った……(ベールを見て)  」

ベール「なんだナンパか~~~~~~?(※1km先でヒロに向かって叫んでいる) 」

近江彼方「そっかそっかぁ~…!偉いねぇ璃奈ちゃんは…♪彼方ちゃんがよしよししてあげよう~(そう言って起き上がると璃奈へ凭れ掛かる形でその頭を撫でまわす)いっぱい冒険して疲れたんじゃなぁ~い…?今は「夢」の中なんだから、ゆっくりと羽を伸ばすといいよ~。なんたって、"「夢」の中じゃなんでも自分の思い通り"だもの。願ったことが、すぐに叶うんだぁ。それってとっても素敵なことだよねぇ~。………あ、遥ちゃんが向こうで呼んでいるみたいだねぇ~…?じゃあ、またあとで会おうね~。ばいび~♪(起き上がったかと思えばまたすぐに浜辺へと溶けるように倒れだし、そのままなめくじのように蛇行しながら立ち去っていった) 」

天王寺璃奈「わっ……♪〖*゜▿゜*〗(彼方に撫でられて喜びを表す璃奈ちゃんボードを抱えた)……うん、またね…〖 ゜▿゜ ;〗(すごい態勢で行くなぁ……)(ナメクジのように去っていく彼方を神妙な眼差しで見送る)……「夢」か……ヒロさんは、どう思う…? 」

エースバーン「おーーーーい!すげえぞここ!(それから、彼方と入れ違いになるように一同のもとへ駆け寄ってくる)今さっきさ!?「腹減ったなぁ……ガラルのカレーが食いてえなあ…」って独り言を呟いたらよ……そしたよお…!!じゃーーーん!(とびきり盛られたカレーライスを見せつけるように取り出した) 出てきたんだよ…!カレーが!!しかもちゃんと俺の故郷の味だ…!願ったことがすぐに叶ってよお…なんなんだよここはよぉ……ンッチャンッチャ…(そのままカレーを口の中へとがつがつ入れ込んでいく) 」

はらぺこあおむし「(ハロウィンの社長に大出世して渋〇谷で大乱闘パーティを開催し豪遊している) 」

ホムラ「まあ…!本当ですか…!?そ、それじゃあ……(ひと、目の前にある琥珀色の海に視線を落とすと、指先に火を灯した)………どうか、灯火が海水で消えませんように……――――― ス (そう願いながら海面に火を近づける。すると…)………!(手首まで浸かった海水の中で、指先の火は何一つ揺れることなく静かに燃え続けている…そんな願った通りのことが起きていた) 」

ヒロ「そんなんじゃねえええ!!(ベールに叫び返す)うぉっ、またなー(彼方の様子を見て)ん、どう思うって…そうだなぁ、なんか、まだ実感が湧かないってか… 」

ヒカリ「嘘でしょう!?じ、じゃあ…!じゃあ…たくさんのスイーツを食べたい!!それから、どれだけ食べても太らないように!!(いたたまれず大声でそう叫ぶと…)……!?(ふと背後へ振り返るとそこには、ビュッフェ式の大型テーブルに色とりどりのデザートが並んでいた)……夢じゃないわよね…?あっ…そっかこれ「夢」だったんだった… ええいこの際 夢でも何でもなんでもいいわ!ずっと我慢していたデザート解禁しちゃうわよー♪(はしたなく下を出しながら目の前のケーキに手を伸ばす)んんんんんん~~~~~~♪♪♪ しあわせぇ~~~~~~~♪ (今にも昇天しそうなほどに、いつもの凛とした雰囲気が破顔してしまう) 」

ベール「なんだと!!??じゃああたしは大富豪になりたい!!!!!!!!!(ドンッ!!!!!と空から札束の滝が流れ出して禁欲の波に(物理的に)呑み込まれてしまう) I'll be back―――――(札束に埋もれたままサムズアップを覗かせた) 」

天王寺璃奈「そう、だよね……でも………!?(ヒロにそう言いかけた時、仲間たちが次々と「夢」を叶えていく不思議な光景に目を疑った)……す、すごい……っ… 彼方さんの言ってた通り……思い描いたことが、すぐに叶っちゃうんだ……〖*゜o゜*〗(唖然と立ち尽くして彼女たちを見つめていた) 」

ヒロ「これが夢の世界か………!?(願いを叶えていく面々を見て) 」

天王寺璃奈「…………(各々が「夢」を叶える中で、感情を表に出すことができない少女は胸元で拳をぎゅっと握った。もし……もしも本当に、願いが叶うのなら… これが「夢」ならば… 夢の中だから許されることならば… そう自分に何度も言い聞かせ、異を決したかのように頭を上げた) 」

天王寺璃奈「……ヒロさん……実は…わたし、ね……―――――――――――― 「 家族 」との"つながり"が欲しかったんだ  




ヒロ「…………家族との、繋がり………?こ、この場面でそれを言うってことは……!?(状況を見て何となく察しがついた) 」

天王寺璃奈「…私の両親…いつも家を空けていて、自宅じゃいつも私一人ぼっち。ゲームが大好きなのも…本当はそんな寂しさを紛らわす為にはじめたのがきっかけで…今じゃゲームをしている時は楽しいなって気持ちになれるようになったの。でも…家に帰って「ただいま」って言うたびに、コンビニのお弁当を食べる時に「いただきます」って言うたびに…時々、心がきゅっと切なくなる時があるんだ…。 」

天王寺璃奈「学校で友達がいなかった私に、愛さんが背中を押してくれたから…友達もたくさんできたし、スクールアイドルにだってなれた。私にとっては、同好会のみんなは「家族」みたいなもの……だけど…それでも、愛さんたちにもちゃんと家族がいるんだと思うと、やっぱりどこかで自分と比べていることがあるんだ…。だから…私も、欲しかったんだ…「本当の家族」のような温かさ……「家族」と、ちゃんと"繋がっている"んだってことを。 」

天王寺璃奈「だから……ヒロさん、みんな……!ひとつだけ……ひとつだけ、ほんの少しの間だけでいいの。私のお願い…聞いてほしいんだ……―――――― 」

天王寺璃奈「――――――――――――――― みんなで、「家族」になろうよ   」


少女の胸の中に閉ざされていた切実なる願いが実現するかのように、
そこにいた全員の姿が煙に覆われ、服装が変わった――――――


ホムラ「わっ……こ、これは……!?(エプロン姿にフライパンとお玉を握った姿は、宛ら「母親」のように―――) 」

ヒカリ「 ふ ぇ っ ? (デザートを食す手は変わらずとも、その姿はきっちりとしたフォーマルなスーツを着た「父親」に―――) 」

ベール「どけッ!!!あたしがお姉ちゃんだぞ!!!!(パン…ではなく、札束を加えた女子高生の制服を着込んだ少しやんちゃな「姉」がいて――――) 」

エースバーン「っておい!!俺はペットかよ!!(「らびぃ」の拙い文字で書かれたネームプレートのある小屋で兎座りしているのは、なんとも愛嬌のある「ペット」。餌としてカレーが備えられている) 」

ヒロ「……こ、これ、は……!? 」

天王寺璃奈「(そんな少女は、ただでさえ幼い顔に付け加えるように…幼稚園児が着用するようなスモックに服装が変わっていた。純粋無垢で、天真爛漫。そんな少女は目の前で困惑するヒロに対し、上目づかいでそっと迫った――――――) 」

天王寺璃奈「――――――――― " お兄ちゃん " ――――――――― 


少女の呼び声が、青年の脳の奥底に閉じ込められた遠い遠い記憶の彼方にまで届く。
その昔、まだ生きていた「妹」の姿が、目の前の少女の顔と声に、確かに重なったのだった―――――


ヒロ「っ!?(璃奈を見て一瞬たじろいだ表情を見せる)………璃奈ちゃ……ん……? 」

ホムラ「ふふっ…♪いいんじゃないかしら…?幸せな家庭を築くことは、私にとっても「夢」でしたから…♪(後ろからヒロの両肩にそっと手を添えて、璃奈へと促した) 」

ヒカリ「ロマンチックな事じゃない、璃奈。ほぉら、「お兄ちゃん」もちゃんと答えてあげないとだめじゃない?(ヒロへウィンクを飛ばす) 」

ベール「ったーくしょうがないねえ!お姉ちゃんが二人まとめて面倒見てやんよ…♪(そういってヒロと璃奈の二人の肩へそれぞれ手を回してニシシと笑った)………(…シントリー……こんなあたしにも、可愛い弟妹ができたんだ。貴女を幸せにしてあげられなかった分……今度は、この子たちを……)(そんな二人を、普段魅せることのない穏やかな眼差しで密かに見守っていた―――) 」

エースバーン「………んまあでも…誰かに飼われるっても…悪い気はしねえな……(その昔、信頼していたトレーナーに捨てられた過去があるからこそ、どういう形であれ大切にされているという今のような状況を、自分自身も望んでいたのだろう。まんざらでもなさそうにホク笑むと、横になったままカレーを食べ始めた) 」

天王寺璃奈「……「お兄ちゃん」…みんな…… 私、今……すごく、幸せだよ……♪ (無表情な少女の口元が、微かに緩んだ。心の底から本当の幸せを…願っても叶わなかった「夢」を叶えた嬉しさを、静かに噛み締めていた――――) 」

ヒロ「あ、あぁ……俺がお兄ちゃんだ……! 」

ヒロ「(………兄、か………そうやって呼ばれるのはいつ以来だろうか………) 」

近江彼方「…………(そんな幸せな「家族」を遠くから微笑ましそうに見つめていた)………そう、これはぜんぶ「夢」だから。せめて夢の中でくらい「夢」を見たっていいじゃないか。彼方ちゃんたちは…そうやって……――――― 」


――――――― 『 夢 』を見続けるために 現実(いま)を生きているんだからさ



― 夢の国《ワンダーランド》・ドーナツホール ―




「穴」だ。そこには「穴」が在る。
しかしなにが「穴」を「穴」たらしめているのか、その由縁を知る者はいない。
"不在"によって"存在"があるように、その「穴」の定型を規定している何かがあることは確かだが、
"存在"が無であれば"不在"なんてものは最初からありはしない。それはドーナツの「穴」のように――――


メディⅡ「―――――という哲学的なお話がありますが、今、私たちの前にあるとされている「穴」は果たして本当に実在しているのでしょうか?実際に潜ればわかることですが、そもそも「穴」かどうかも分からないものを"潜る"という表現は聊か奇妙なことだとは思いませんか。見えもしない「穴」をそうだと断定できるものはいったいなんなんでしょうか。そんなことより穴の開いていないエンゼルクリームドーナツは大変美味だそうで。一度は食べてみたいものです。主様たちはどうですか? 」

ユゥ「えーっと……その哲学の前振りはいったい……?あっ、でもドーナツは美味しいよね…♪私は…スプリンクラーがたくさんまぶされたチョコドーナツとか好きだよ…♪ 」

あなた「……?(「あなた」は首を傾げる。哲学云々の話より、何のフレーバーが好みか迷っているようだ) 」

メディⅡ「なるほど…トッピングがされていればいるほど、贅沢なおいしさを堪能できますものね。ミルクアイシングのものがあるように、国によっては牛乳に直接つけて食べる手法もあるとか。いろいろな趣があっていいですね。………さて、少しは緊張がほぐれてきましたでしょうか?特に、ユゥ様の精神バイタルが少々乱れていたご様子でしたので、少しばかり御戯れを…と思いまして。ですが、こちらの「穴」にはいかない方がよろしいでしょう。「夢」という不安定な世界において、真実の所在も曖昧なものです。確証の無いものは無視しましょう。触らぬ神に祟りなしともいいますからね。 」

ユゥ「なんだか気を遣わせちゃったみたいだね…でも、ありがとう。夢の中じゃメディちゃんも食事を楽しめられそうだね。一緒にドーナツ、食べられるといいね…♪ う、うん…そうだね。少なくとも私には「穴」なのかどうか…そもそも視えていないんだけど…有耶無耶なものは怪しそうだから、気を付けていこう。 」

巌窟王「――――――。――――――。(緊張をほぐす。こと精神状態が反映サれやすい空間で有意義な会話であることは概ね理解している……が)―――――バニラを珈琲と交互に口に含む。(絶望的に"雑談"の引き出しに覚えがなかった) コホンッ 共犯者<マスター>。それに……(メディ、ユウをじぃっと眉間にシワを寄せ)メルセデス(メディⅡ) コンチェッタ(ユゥ)……。仮にお前達が仲間達と共に初めて訪れた『公園』で足を休めたとする。そこにあるベンチや遊具は"お前達の私物"……もっと言えば自身の家にある家具などを模したものだったっとする。これに直面した時、どのように考える。 」

ユゥ「コココ、コン?こんちぇ…?えっと……す、「すごい偶然だなぁ~」ってびっくりしちゃうかも…? 」

メディⅡ「素晴らしいネーミングセンスです!メディⅡという捻りのない名称に辟易していたのでそう名乗りましょうか? ……わたくしですと、自分の物は自分がよく知っていますから、もともと傷がついていたのであればその損傷具合まで同じか事細かく確認しますねぇ~。完全に一致していれば被害届を出します! 」

あなた「……?……!(「俺の物は俺の物!」というジャイアニズム的思考のもと、我が物顔で"それ"を愛でる…ということを訴えたそうな顔だ) 」

巌窟王「…………‥。……………。(ユゥの方を見軽く頷く、メディⅡの方を見深く頷く、あなたの方を見……) スンッ (目を伏せた) 現実においてはメルセデスが適格な対応。"この場"においてはコンチェッタが正解だ。 夢の世界に"偶然"は基本的にない、望むものが現出し我が物とできる以上眼の前にある一切は無勇者に由来した"必然"だ。 しかし、この夢境は黎明卿が作り上げた"複数の夢の集合体"。お前達の部屋ではなく、公共の場と捉えていい。そんな中で必然的にお前達に由来するものが必然として現れたなら―――――(ふと、つま先で蹴った何かを拾い上げ) 」

巌窟王「―――――獲物を狙い澄ました"罠"と捉えていい。(拾い上げたのは"呪符"が取り付けられた最新医療器具。メディが携帯していたそれに禍々しい邪気を持つ呪符が貼り付けられており……)  ボウッ (手に宿した暗炎を焼き尽くす) 対処法さえ覚えればどうということはない、気を楽にしろ。(――――よし、緊張をほぐせたな(※逆効果)) 」

あなた「……(なるほど…と感心するように頷いた) 」

ユゥ「夢の世界とは言っても、「夢」のある話ばかりじゃないんだね… 」

メディⅡ「……悪趣味なことをしますねぇ~…やはり早いうちにあのペテン師を排除しておくべきでしたか…?コホンッ…そうですね、 "出来過ぎた"ものは我々を更なる魔境へと誘うトラップ。主様はその純粋さ故に疑うという余地はないので、ここはわたくしにお任せください。ほら…こんな話をしているとなにやら「穴」の方からまたなにか……(会話の最中、「穴」と思わしき得体のしれない何かのある方角を見据えるように体を傾ける) 」


枠も中身も存在するかどうか不鮮明な「穴」の中から、
はじめは一次元を表す点のように小さく、やがて瞬く間に肥大化した影が現出する。
あれは―――――


あれはなんだ!?(あれはなんだ!?)「   あれはなんだ!?   ( > > > あれはなんだ!? < < < )(あれはなんだ!?が「穴」から現れた ▽) 」




あなた「 !? (「あれはなんだ!?」というようなリアクション) 」

ユゥ「あれはなに!? 」

メディⅡ「あれはなんですか!? 」

巌窟王「…………(頭を抱えてその場でしゃがみ込む) 」

デビルマン「 \デビルマーン!!/  」

メディⅡ「し、しまった…しまいました…!わたくしとしたことが、つい変なリアクションを…!主様…気になる気持ちは分かりますが、決して近づいてはダメですよ…?ていうか、あれはなんなんですか…? 」

ユゥ「わ、わかんない……じ、地面から頭とたくさんのお手てが生えている……?な、なんかこっちを見ているような気が……って、近づいてきていない……!? 」

巌窟王「敵意を感じないが接近してくる……? そもそも"あれは何だ"!?…………あっ スゥー……(誤魔化すようにあなたの影に溶けるように消えてゆく) 」

あれはなんだ!?(あれはなんだ!?)「 話をしよう……あれは……あれはなんだ!?なんだかんだと聞かれたら、あれはなんだ!?は・か・た・のしo…あれはなんだ!?倒れるだけで腹筋ワンダーk…あれはなんだ!?(あれはなんだ!?が「あなた」たちへ不気味なステップで近づいてきている…!あれは一体なんだ!?) 」

メディⅡ「お、お、お、おもおもおもちをついてっ…もちついてください!あ、落ち着いてください!わたくしが一番落ち着かないといけませんか…!?わかりました!餅を搗きます!ぺったんぺったん!ああっ!こんなことをしている場合じゃないのに!と、とにかく離れましょう…!現実世界にいる石森様に今から通信を繋いであれの正体を確かめますので…!やっぱりあれはなんなんでしょうか!?(そう言うと一同を促すようにその場から避難し始める) 」

あなた「……!?(無表情で餅を搗くモーションを繰り返しながら撤退し始める) 」

TDA「お前何なんだよ!!!!! 」

ただのカカシですな「ポイーン、ポイーン、ポイーン、ポイーン、ポイーン…(と、コミカルな効果音を鳴らしながらホッピングしている珍妙なカカシが「あなた」たちの前を横切り、かと思えば逆再生したかのように戻ってきて目の前に佇み始めた) 町はずれの農村に住む貧相な家畜農民は皆愛国者だ!みんな王様のために汗と水と血と涙と骨を垂らしてたがや死ます!すべては愛する王国のために!すべては愛する王様のために!喜んで死ぬまで働きます!La-li-lu-le-lo!《愛国者達よ!》 らりるれろ!《愛国者達よ!》 ラリルレロ!《愛国者達よ!》 (支離滅裂な発言を叫び散らかしながらそのボロくず頭部がグルグルと激しく回る) 」

ユゥ「に、逃げるんだよね…?どうしよう、といってもどこへ行けばいいか……ひぃぃぃっ!?今度はなに…っ!?(奇奇怪怪な挙動と言動をみせるカカシに怖れる) 」

あなた「……!(そんなユゥの手を引いて旋回するようにカカシから距離を置き始める) 」

たたずむカエル「 むかしむかしあるところに■■■■■と■■■■■がいましたが二人は■■■して■■■■したので世間的に■■■■■■せざるを得なくなりそのまま■■■で■■■な■■■■■となって■■■■■■■■■しまして■は■■■■■となるあれを■して■し■■めて■■■■■■を■えて■■■■きまして■■が■■になりましたとさめでたし■で■し (耳を劈く様な規制音を混ぜ込んだ出鱈目なおとぎ話を語りだすカエルの置物が、「あなた」たちの逃げ出す先に鎮座していたが、所詮はそこに佇んでいるだけなのでそれ以上は追いかけることはなかった) 」

渦巻螺旋蜷局「3.141592653589 793238462643 383279502884 197169399375 105820974944 592307816406 286208998628 034825342117 067982148086 513282306647 093844609550 582231725359 408128481117 450284102701 938521105559 644622948954 930381964428 810975665933 446128475648 233786783165 271201909145 648566923460 34861 」

渦巻螺旋蜷局「348610454326 648213393607 260249141273 724587006606 315588174881――(円周率を唱えるだけのサインポールが、逃げ往く「あなた」たちに横切られる) 」

ユゥ「はっ、はっ――――(「あなた」に手を引かれて一心不乱に逃げる。時々横切る奇妙なオブジェクトが漏らす意味不明な言葉など理解できず――そもそも理解する暇もないが――逃走の中で脳内が掻き乱されるような感覚に陥っていた)…ねえ…っ……さっきから、変なのがたくさん……!これも、さっきと同じものなの…っ……? 」

メディⅡ「――――!(逃走している最中、ヒューマギアモジュールに手を当ててぴくりと顎を上げた)……たった今、石森様から情報が入りました…!夢の世界で珍妙な存在が現れたのなら…それは……『 ノイズ 』と呼ばれるものである可能性が高いとのことです…! 」

ユゥ「 『 ノイズ 』…って……!?巌窟王さんが言っていたものとは違うの……!?(並走しながら問いかける) 」

メディⅡ「関連性は不明です…ただ、夢の世界というのは現実と違ってなにもかもが曖昧な空間であり、そこに秩序という概念はなく…善も悪もない混沌とした事象だけが絶えず輪廻しているんです…!石森様曰く、そうした不均一な世界には綻びが…いえ、"歪み"が必ず生じると…。この空間を構築した黎明卿ですら解析不能の存在…ただそこに存在するだけの"バグ"……それが、『 ノイズ 』です……!敵性があるのかどうかはわかりませんが、関わるべきではありません…!なにが起こるかわかったものじゃありません…! 」

巌窟王「悪意ありきであるならば蘆屋道満の悪性情報とは無関係だ、あれは『悪』という人為的な情報の集積……少なくとも奴に『混沌』を制御する程の器量はない……!(あなたを脇に抱え、暗炎を身にまとい滑空。ノイズから可能な限り距離を取る) 」


? オ ュ ―――――― / ――――――― ギ  (刹那、「あなた」たちがいた虹色に染まる森の景色のすべてがまるごとひっくり返り、世界の反対側にある別空間と入れ替わるように転変した。そこは湿度があ極めて高いジメジメとした遺跡のような静かな洞窟であった――――)




あなた「――――!?(巌窟王に抱えられたまま、急転変した空間へと投げ出されてしまう)………??(何処を見渡しても暗がりの洞窟らしき別空間を見渡し、辺りを警戒しはじめる) 」

ユゥ「はぁ……はぁ……た、助かったと思ったら……今度は、何……?ここ、何処…なんだろう…?すごくじめじめして…なんだか気味が悪い……(際限なく広がる闇のような真っ暗な天井を仰ぎ見ると、その首筋に嫌な汗が滲み出ていた) 」

メディⅡ「……どうやら、何かの遺跡のような感じですね……?我々をここへ誘導した…とでもいうのでしょうか…?それにしても…この暗闇ですと、出口が何処かもわかりませんね。そもそも…どうして光源が存在しないにもかかわらず、我々が立っているこの場所だけ明るいのかも疑問ですね…? 」


ゴ……ゴッ……ゾリッ……リッ゛……―――― ! (陰湿な空間に投げ出された一同が不穏に駆られる中、暗闇の向こうから――それも三方向より――何かを引きずるような音が轟く。ゆるやかに、しかして確実に、「あなた」たちの前に現れたそれらは―――――)


繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 リ、ザ……リザザ、リザ…… (――― 砕けかかった岩石の怪物) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「 キャジ、キャジ…… (――― 溶けかかった氷塊の怪物) 」

巌窟王「 シュボッ (おもむろにライターで火を付ける。物理由来の光源でも影は生じず) 限りなく現実に近い夢、非現実的に理想形に近い現実。そういったリアリティを保たせた夢でなければ万人は没入できない。ここも、黎明卿由来の夢境ではないのか……? 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ゾ、ジ、ゼ、ジ、ジ… (――― 錆びかかった鋼鉄の怪物) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝 & 繝ャ繧ク繝。繝ォ繝 & 繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝『 nb ンボ nb ンボ nb ンボ …… ッコピコピピピpppp ―――― ! ! ! (魑魅魍魎の「崩怪物」三匹が、「あなた」たちへついに襲い掛かってきた――――!!!) 』




――― Vs.繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝 & 繝ャ繧ク繝。繝ォ繝 & 繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝 ―――



あなた「―――――!?(突如として現れた三匹の怪物に、「あなた」はこちらへの敵意を感じたかのように羽ペンを手繰り寄せた)……!(自らの"想い"を羽ペンに込めると…今その場にいないホムラが手繰る、焔を灯した聖杯の剣をその手に握りしめ、ユゥとメディⅡを守るように身構えた) 」

巌窟王「クハハ!答案用紙の方から歩いてくるとは……いよいよ都合の良い夢にあってきた、俺も既に取り込まれたか……(苛立ちを含んだ笑みを浮かべ、脇に抱えたあなたを離し) "火元"は任せるぞ共犯者、契約したサーヴァントの生命源は主の"魔力"。俺という怨嗟に取り込まれるな、使い潰してみせろ!(蛇行する青白い軌跡を残しノイズの間を駆け抜ける) ボ ォ  ウ  ッ  (巌窟王が駆け抜けた場所に炎のレールが敷かれ、氷、鉄の巨人を足止め) メルセデス!岩がそちらに行く!! 」

ユゥ「 ひ ッ゛ ――――― ? ! (辛うじて原形を留めてはいるが崩壊寸前の化け物たちの姿に戦慄が走り、「あなた」の背後で身を竦ませた) 」

メディⅡ「こ、これは…ッ…?!まさか…これらも『ノイズ』……!出口の分からない場所でこんな怪物三匹に囲まれてしまってはいよいよかなり危機的状況なのでは!? で、ですがわたくし「メディⅡ」は、あくまでナビゲート専門のサポートAI…!戦闘スペックの一切はなく、言わばただのか弱い女の子です!おたすけーーーー!><(ユゥと一緒に絶叫している) 」

巌窟王「(夢境に入ってすぐの情報は)知らん!!ここで恩讐の彼方へ消え入るか!!逃げるか選べ!!(理不尽) 」

メディⅡ「イィ~~~~~イィ~~~~~~~😭😭😭(何処から持ってきたのかバナナ猫人形を抱えて号泣する) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝 & 繝ャ繧ク繝。繝ォ繝 & 繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝『 nb ンボ nb ンボ nb ンボ … ! ! ! (蒼炎の炎上網に水嘉新踏み込んだ怪物たち…しかし、それらのファイアウォールを押しのけるかのように、宛らゾンビのような挙動で少しずつ「あなた」たちへと迫り出す―――)』 」

あなた「――――!(ズァギィィイインッ――ガギィィインッ―――ザギィィイインッ!!!)(巌窟王が齎す蒼炎の熱を利用した聖杯の剣を振り抜き、三体それぞれに燃ゆる斬撃を刻んでいく)………!!(聞いているのかどうかはともかく、一瞬でも足止めに成功したのを見計らい、その隙にユゥとメディⅡの手を引いて三匹の包囲から逃れるように遠くへ避難させ、自身は踵を返し再び武器を構えた) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠟⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠟⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠟⠔⠕⠕⠪⠉ (ガラララッ―――― ッ ラ ラ ラ カ ゙ ! ! )(「あなた」の斬撃を受けて岩石の体が崩れる…かと思えば逆再生することで辛うじて蘇生し――それでも最初に遭遇した時よりさらに体の造りは歪となっている――体の岩石の一部を投げ飛ばしてきた) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠁⠳⠅⠑⠺⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠁⠳⠅⠑⠺⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠁⠳⠔⠅⠑⠺⠉ (――― ッキピピピ、 ア ャ キ パ ! ! ! )(溶けだしている体の中は空洞。それを埋め合わせるかのように発生した鋭い氷塊が分離し、巌窟王へ氷柱の砲弾を発射した) 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠡⠕⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠡⠕⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠡⠕⠔⠕⠕⠪⠉ (ズ、リ、ズリ…――――― ッ ォ オ ュ キ ! ! ! )(そんな最中、三匹目の錆びついた怪物が丸腰の少女二人に引きずりながらゆっくりと迫る。既に錆びだらけの頭部と思わしき部位に、閃光を収束させながら――――) 」

巌窟王「火が足りん……いや、通用しないか  キュオ ッ(再び自らを暗炎と化し曲線の軌跡を無数に描いて駆け回り回避と同時に敵三体を撹乱、その最中でユゥ、メディⅡを拾い上げ) ペイッ (安全地帯…はないのでそのへんの壁あたりにポイ捨てし一応避難させる) 」

あなた「―――――!(ギャリギャリギャリ――――ズガァァアンッ!!)(投擲された岩石を剣の表面で滑らせるように退け、そのまま背後へ受け流すことに成功)……! ダンッ―――― シュボボボァッ…!(ユゥたちに迫る鋼鉄の怪物を見据えるとそこへ向かって飛び出す。聖杯の剣の炎熱が右脚部に点火されることで、エースバーンの像が自身に重なり―――)――――― ド ゴ ォ ア ァ ッ ! ! (鋼鉄の怪物の真横から、高熱を帯びた右脚による盛大な飛び蹴りを炸裂させた) 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠮⠂⠠⠯⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠮⠂⠠⠯⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠮⠂⠠⠯⠕⠕⠪⠉ ( ズ ガ ァ ァ ア ア ン ッ ――――― ド ォ ゥ ッ )(収束された光源を発射する寸前のところで「あなた」に真横から蹴り飛ばされて横転。それと同時に閃光は意図せぬ天井へと解き放たれ、虚空へと消えた―――) 」

ユゥ&メディⅡ『きゃっ…!? / ちょっとー!女の子はもう少し丁寧に扱ってくれないと困ります!非紳士ですよ!(ブーブー!)』

あなた「ズザザァーッ……――――― ザ グ ン ッ ! (鋼鉄の怪物を蹴り抜いた反動ですべるように着地すると、その場に聖杯の剣を突き刺す)―――――― ボ グ ゥ ォ ォ オ オ ン ッ ! ! (すると、岩石と氷塊の怪物の行く手を阻むように、地中から隆起した土の障壁を展開させるヒロの能力を行使した) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠉⠃⠴⠩⠳⠜⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠉⠃⠴⠩⠳⠜⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠉⠃⠴⠩⠳⠜⠉ (地中から浮き出た土壁を殴り、殴り、殴り抜ける。堅牢なのか、殴る度に腕と思わしき部位から岩石がボロボロと崩れるが…) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠬⠐⠧⠅⠑⠺⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠬⠐⠧⠅⠑⠺⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠬⠐⠧⠅⠑⠺ (ンュオュキ、ンュオュキ、ンュオュキ――――― ッ ン ゥ ゥ ウ ウ ウ ュ シ ド ! ! ! ! )(半壊した頭部の前に収束する光源を生み出すと、それを破壊力を有する閃光として零距離で発射。「あなた」が展開した土壁を内側から貫通崩壊させた) 」

あなた「――――!?(壁を貫き砕いた破壊光線を紙一重で右側へ転倒することで避けきり、巌窟王の傍へとそのまま撤退する) 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠟⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠟⠔⠕⠕⠪⠉⠀⠳⠁⠄⠻⠅⠑⠕⠃⠐⠞⠐⠟⠳⠿⠺⠉⠜⠀⠮⠑⠷⠴⠅⠐⠟⠟⠔⠕⠕⠪⠉ (蹴り倒された一体がぐらりと傾倒しつつも起き上がり、右腕を辛うじてつなぎ止めている剥き出しのコードからぶら下がっている右手を振り子のように揺らしながら接近を再開する) 」

あなた「……!(キュオンッ――――― ズドドドドドドドドドァッ!!! )(前方へと突き出した掌を起点に展開された翡翠色の魔法陣に、ベールの姿が重なる。そこから大量の星型魔弾を弾幕が如く散乱させて怪物たちを牽制する) 」

ユゥ「あ、ぁ……どうしよう…っ……もともとがあんな姿だから、効いているのかどうかさえ判断が難しいよ…! 」

巌窟王「チッ……!(速度を上げ暗炎と化した巌窟王が複数に"分裂"。中二体がメディⅡ、ユゥを拾い上げ空中へ放り) ズェ ア !!(残る複数体が暗炎化、高速で駆け回り桑園を焼き付け"視覚情報による撹乱"に打って出る) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝 & 繝ャ繧ク繝。繝ォ繝 & 繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝『――――― ズドドドドガッズシャアァァァアアアアアアンッ!!! (「あなた」と巌窟王、両者の猛攻に三匹がまとめてその衝撃に襲われる。砂塵に覆われていてその姿も雑音も途絶えられたが――――)――――― nb ンボ nb ンボ nb ンボ … ! ! ! (崩れた懸かった体は更に歪みを帯びて、それでもなお辛うじてそこに佇んでいた。生ける屍たちは欠け落ちそうな自らの体の部位など気にも介さず、ただ無機質に、不気味なままに、「あなた」たちを静かに追い立てていく――――)』 」

メディⅡ「……分かってはいましたが、試みても悪夢そのものともいえる「ノイズ」の解析はやはり難しいですか……!(ヒューマギアモジュールに手を当てても、最適格の解決法が検出されず苦渋の表情を浮かべる)岩、氷、鋼……特に後者の二つは高熱に弱いはずであるにもかかわらず、完全に燃焼されない時点で既に"常識が通用しない存在"であることが確定付けられました……いったい、どうすれば…… 」


――――――― ブォォォン… ブ ォ ォ オ オ オ ン …   ブ オ オ オ オ オ ォ ォ ォ ォ オ ン ッ !  (その時だった。 深く遠い深淵の彼方から差し込む強い光源と共に、走行するバイクの喧騒音が鳴り響きだす―――――!)


あなた「――――― ! (端へ端へと追い立てられ、ついに逃げ場を失くし万事休すかと思われたその時、何処からともなく聞こえてきたバイクの走行音に頭を上げ、音と光が走り出すその方角を見据えた) 」


┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ┣¨ ――――――  ┣¨   ン   ッ   (深淵を突き抜けるその正体は銀色の光沢を誇るスマートなデザインをしたバイク。そこに、何者かが跨ってハンドルを握っている。アクセルを更に強く踏み倒し、平坦な地面から前輪を巻き上げて後輪のみで駆け出すウィリー状態へとシフトしたかと思えば、振り上げた前輪を強引に地面にたたきつけることでバイクそのものをバウンドさせて跳び上がった―――――)


――――――― キ ュイイイイイイイイイ……ッ(エンジン音を鳴らし走り寄って来たバイクは、独りでに起き上がるようにそのシルエットを変える。左腕に前輪らしき円盤を保持し、急激にそれを回転させ)


繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝 & 繝ャ繧ク繝。繝ォ繝 & 繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝『――――――― ! ! ! (三匹の魑魅魍魎が、新たに現れた存在へと振り返ろうとした、次の瞬間――――)』 」


ド ガ ガ ガ ガ ガ―――――――ッ(乗り捨てられるような形で主と分離したバイクは、人型の形を取る。猛回転するホイールからは、三匹の怪物を退けるように機関砲が放たれ)


ユゥ「 え っ ――――― ? (窮地に陥ったと思われた次の瞬間、深淵より出でたバイクの輝きに目を奪われた) 」



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仮面ライダーファイズ「 バ  ッ   ――――――  ダ   ァ   ン   ッ   !   (人型に姿を変えたバイクから空中で分離するように乗り捨てた、その「仮面に覆われたライダー」は、化け物たちの頭上を横切り…「あなた」たちを背に向けたまま降り立った。全身に覆われたメタリック装甲の表面に流動するラインが、暗闇の中で赤く発光している。見上げた先にある頭部は蛍光の色のように輝いていて、三匹の怪物たちを睨みつけるかのように光照らされていた。自動二輪から変形した機人を従えて、彼らを庇うように立つ。「救世主」のような、堂々たる佇まいで―――) 」




あなた「―――――― ! ! (目の前に現れた"救世主"の背を見上げ、驚いたように口を開いた―――) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 リ、ザ……リザザ、リザ……! (―――― グ ゥ ォ ン ッ !)(頭上から降り注ぐ機関銃による応酬を受けながらも、急遽参戦に駆け込んだ謎の仮面ライダーに向かって、その剛腕とも言える岩石の腕を振りかぶり、殴りかかろうとした) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「 キャジ、キャジ……! (溶け切った左腕から滴る水滴が一瞬で凝固し、鋭利な氷柱へと凝縮された左腕でファイズへと突き刺しにかかろうと迫る) 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ゾ、ジ、ゼ、ジ、ジ…! (ンオュキ、ンオュキ、ンオュキ―――― ッ ン ュ シ キ ! ! ! )(最後に、三匹目の錆びついた鋼鉄の化身が他の二匹へ続く様に迫り、ファイズへ向けて収束させた光弾を追撃として解き放った) 」

オートバジン「ス ッ ―――(前輪が変形した左腕部回転機関砲…『バスターホイール』をいったん撃ち切ると、自らの肩を差し出すようにファイズに傅く。グリップ部分が動き、引き抜くように促して) 」

仮面ライダーファイズ「バッ―――ブ ォ ン(気だるげに手首をスナップさせると、オートバジンの催促に応じてハンドルを引き抜く。赤く輝く刀身を持つ光剣、『ファイズエッジ』がゆらりとその姿を現した) 」

仮面ライダーファイズ「…………ハァ!!(岩石の剛腕を弾き、氷柱の槍腕を切り払う。赤い光が鋭く入って、岩を砕いて氷を焼き溶かし…)―――カ シンッ ポチッ《Exceed charge.》(過剰充填。ベルトに装着された「ファイズフォン」のエンターキーを叩くと、それを意味する言葉が無機質な機械音声で鳴り響く)―――ゥ オンッ !!!(輝きを増した赤い光刃が空を割く。光波となった斬撃が光弾を打ち払い、鋼鉄の化身を拘束し) 」

仮面ライダーファイズ「はぁぁぁっ!!!!(そのまま、錆び付いた鋼の塊に駆け寄り、横薙ぎ一閃。そのまま返すように逆袈裟を叩き込み、斬り裂いた) 」

繝ャ繧ク繝ゥ繧ケ繝「 ジ、G、ジェ…g……―――――― ザ  ギ  ィ  ィ  イ  イ  ン  ッ  !  !  (赤い光波に拘束された怪物が次の一手を打つよりも先に、懐へと潜り込んでだファイズの一閃が脆く錆びついた鋼のボディを二度に渡って断裂。二閃をその身に刻み込まれた怪物の体に「Φ」の赤いマークが浮かび上がり、灰化して溶けるように消滅した――――) 」

メディⅡ「……!?あの怪物を一刀両断した…いったい、如何して……!(ヒューマギアモジュールに手を当てることでファイズの戦闘データを解析し始める) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「 Re:Re:Re:Re:Re:Re:G EEEEEEEyeeeeeee……! ( ヒュドパパパパパッ! )(両腕をそれぞれ縦回転させることで溶け切った腕から水滴が散弾のように放たれる。スローモーションの中、空中にて水滴は主観凝固して鋭利な氷柱弾となり、次々とファイズに襲い掛かるが――――) 」

仮面ライダーファイズ「シ ュッ……(持っていた光剣からメモリーカードのような起動キー……『ミッションメモリー』を引き抜くと)カ シンッ ポチッ《Exceed charge.》(それを腰のベルトから取り外したデジタルカメラ…『ファイズショット』に差し替え、無数の水滴が放たれる中エンターキーを押しながら氷塊へと駆け寄り) 」

仮面ライダーファイズ「ハァァァァ!!!(強引に氷柱弾を拳で弾きながら、ファイズショットをメリケンサックのように握り込んで、氷塊の怪物に赤い光を充填した正拳突きを叩き込む) 」

繝ャ繧ク繝。繝ォ繝「   ゴ    ッ゛      ――――――――( パ キ メ゛ キ ィ゛ … ッ゛ … ! ! )(氷柱弾に怖気ずくことのないファイズの正拳突きが、辛うじての強度を誇る体表にクリーンヒット。めり込んだ衝撃を起点に氷塊表面に亀裂が生じ―――)――――― パ キ ャ ア ア ァ ァ ア ア ン ッ ! ! ! (その全身に「Φ」の赤い模様が描かれた時には破片ひとつ残すことなく木っ端みじんに粉砕され、霧散した――――) 」

ユゥ「すごい…!いろんな武器を使いこなして…一気に二体も……っ…!(僅かな時間で様々なガジェットを起用に付け替えるファイズの戦闘挙動に思わず目を見張った) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 nB nB ンボ nB …ジ、リリ、ザ、リ…ッ……!(取り残された最後の一体が両腕を水平に上げると、その周囲に岩石破片が次々と浮遊。超能力で操るかのように開店したそれらの残骸が回転し、ひとつ、またひとつとファイズに向かって弾丸のように解き放たれた) 」

仮面ライダーファイズ「シュバ――スッ カ シンッ ジャコッ(続いてもう片方の腰に保持されていた懐中電灯、『ファイズポインター』を外してメモリをセット、それを右脚に装填すると)…はあっ!!(飛び交う岩石に対して振り返り、足を大きく踏み込んで飛び上がりそれらを躱し) 」


――フ ォ アン ッ!!!(岩の弾丸が巻き上げた砂埃に紛れてファイズが飛び上がった次の瞬間、岩の異形に紅い光線が襲い掛かる。それは着弾した瞬間に円錐状に展開され、異形を拘束し)


繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「―――――――!(円錐状の結界が眼前に留められたことでその場から腕一つ動かすこともままならず―――) 」

仮面ライダーファイズ「セヤァァァーーーー!!!(その円錐の真ん中に飛び込むように、飛び蹴りを叩き込む。ドリルが地面を穿つように、円錐の先端が飛び蹴りと共に叩き込まれ)―――スタッ(次の瞬間、飛び蹴りを放ち終わった姿勢で、ファイズは異形の背後に立っていた) 」

繝ャ繧ク繝ュ繝シ繝「 ッコピppppp、ッpピピpppp、p、nb…p p ピ       ボ        ( シ ュ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ゥ ン ――――――)(背後に降り立ったファイズがそこに静かに佇む一方で、岩石の怪物は痙攣するかのようにその身を震わせる。だがその胴体に「Φ」の赤いクレストが走った時、岩は砂となり果てるようにさらさらとその身が緩やかに崩れ落ち、やがて完全に消え去ったのだった―――――) 」

あなた「………!(苦戦を強いられたあの三体を、たった一人で見事に撃退した謎の仮面ライダーの戦いぶりに、「あなた」は静かに息を呑んだ) 」

メディⅡ「……本当に…あの怪物たちをまとめて一網打尽にするとは…驚きました…!……!なるほど…何故あれらを撃退できたのか…先の攻撃を閲覧解析して判明しました。(仄かに発光するヒューマギアモジュールに手を当てながら) 」

メディⅡ「怪物たちは不死身ではありませんでしたが、中途半端に辛うじて原形を留めようとしていたように…決定打となる一撃を叩き込まれない限りは、永久的に蘇生し続ける存在だったのかもしれません。ですが、先程の「彼」が繰り出した怒涛の強力な技に込められた破壊的エネルギーが、敵の臨界点を越えた… これは言わば、"オーバーキル"としてその生命活動に終止符を打てた、ということのでしょう…。 」




仮面ライダーファイズ「…………ふぅ……(気だるげに首を回しながら、張り詰めていた気が解けたように息を吐く。使ったファイズポインターを足首から取り外し、投げ捨てたファイズエッジを拾ってゆっくり歩き寄ってくるオートバジンに差し直す)…何なんだ?こいつら(開いたベルトの携帯電話の通話終了ボタンに指をかけ) 」

ユゥ「……あ、あの……貴方は……?(恐る恐るファイズ…否、その姿を解除した人物へ声をかける) 」



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仮面ライダーファイズ→乾巧「あー……良かった、お前らの方はやっぱり話通じる、でいいんだよな?(電子音を鳴らしながら、装甲の下から生身が現れる。ベルトから引き抜いた携帯電話を折りたたみ、ユゥたちに話しかける)……俺か?乾……『乾巧』だ(携帯をポケットに仕舞った彼は、自らの名をそう名乗った) 」

あなた「……♪(名を語る青年に、「あなた」は手を上げて言挨拶する。それは初対面の挨拶でもあり、先の状況から助けてくれたへの感謝でもあるように取れた) 」

メディⅡ「 「乾巧」様…ですね…!その様子ですと…お互い安心してよさそうですね…♪こちらも、意思疎通が困難な怪物に追われていたところでしたので… 助けていただき、ありがとうございます…♪ 」

ユゥ「はじめまして…!乾さんも、私と同じように、この「夢」に巻き込まれてしまった…のかな……?実は、私たち―――(そう言いかけた時―――) 」




! ン オ ――――― / ―――― ュ ギ (再び空間が上下に転変する現象――行方の不鮮明な洞窟から、今度は巨大な遊園地と思わしき場所へと、「あなた」たちはいつのまにか誘われてしまった――――)


ユゥ「わっ―――――?!(巧との会話を遮るように始まった転変現象に驚きつつも、変わり果てた次なる景色にまた目を奪われてしまう)……今度は…遊園地……?さっきと違って、なんだか楽しそうなところへ来ちゃったね。(好奇心に目を微かに輝かせる) 」

あなた「(グゥ~……)……!(遊園地の煌びやかな光景に視線が釘付けになっていたのも束の間、夢の中でもお腹が空くのか、腹の虫が鳴った) 」

乾巧「うおっ……!?…ッチ、落ち着いて話す時間もねえのかよ(一瞬にして景色が変わる様子に悪態をつきながらも、周りを見渡して)今度は遊園地か…またいつあんなんが出てくるか分かんねえと思うと楽しむ気にはなれねえな 」

メディⅡ「……!(移ろい代わる景色、そして「あなた」の様子を伺うと周囲を見渡してあることを閃いたかのような仕草を取る) 皆様、突然のことでいろいろあってお疲れでしょうし…ここは一度、園内の飲食店かどこかで休憩でもいたしましょう♪乾様のお話も伺いたいところですし…ね?(両手を合わせてウインクする) 」

ユゥ「えっ……?お店、あるの…?それなら、行ってみたいかも…♪夢の中なのになんだかすごく疲れちゃった気分だったし…せめて落ち着ける場所があるなら……!(賛同するようにコクコクと頷いた) 」

乾巧「おいマジかこんなとこの飯屋使うのかよ!!……使うとしてこんなところの飯なんて食って大丈夫なのか…? 」



観測璃奈「夢の中でありながらも現実とかけ離れた世界の中で主人公は新たな人と出会い、行動を共にしますがその先に待っている存在はいかに。 」















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最終更新:2025年02月28日 22:10