― エントランス「円環の間」 ―
ネモ「―――……さっきのPTの戦闘さ、ヤバかったよね…?(エントランスのカフェテリアにてカプチーノ入りの紙コップを片手に
メトロと談笑していた) 」
メトロ「うん……最近、少しだけ目立ってきているよね…『レッドプレイヤー』…。(レモンティー入りの紙コップを両手に不安そうに語っている)同じプレイヤーに対しての攻撃とかアイテムの窃盗…過激な誹謗中傷、他にもプレイヤーにとっての迷惑行為は全般的にルール違反で、エリノラちゃんの忠告を無視した人はみんな総じて『レッドプレイヤー』と呼ばれる。軽いもので一定時間攻略出禁…最悪の場合はゲームへの出場権も剥奪されるんだって。 」
ネモ「どこにもいるよね~、そういう迷惑な連中。私のPTからの一人さ、味方への意図的に毒を打ち込んで退場させられた人とかいたよ。チームの足を引っ張って…何が楽しいんだろうね…?(不思議そうに傾げながら紙コップに口を付ける)……あ、でも…!そんなことよりさ、あの娘、すごかったよね!? 」
メトロ「その様子だと…もしかして、「ニル」ちゃんのことですか…!?ネモちゃんと同じ伐刀者(ブレイザー)の娘でしたよね♪レッドプレイヤーに酷い目に遭っちゃったけど…それにめげずにゲームに立ち向かって、しかもあの危機的状況で勝っちゃうなんて、驚きました…!まだまだ私たちの知らない学生騎士がいて、すごいですね…♪( *´꒳`*) 」
ネモ「確かあの娘が持っていた固有霊装…お父さんが前に見せてくれた、伐刀者専用の汎用武器だった気がする…。アレを使っているということは多分、まだ自分の固有霊装に覚醒していないのかな…?ってことはさ…まだまだ伸びしろがあるってことだよね…!? 」
メトロ「ですねですね!ひょっとすると…その内ネモちゃんをも越える大物になるかもしれませんよ…?ネモちゃんもうかうかしていられないね…! 」
ネモ「むぅ…それは、そうだね……このゲーム、いろんな学園の学生騎士も参加しているみたいだし、今後ライバルもたくさん増えそう…。また『師匠』に稽古をつけてもらう必要があるかも……っていっても、会いたいときに限って『あの人』なかなか会えないからなぁ~…さーてどうしたものか…… 」
メトロ「ネモちゃんの最近の戦績も好調だけど、敵はこれからどんどん強くなっていくからね…!もうすぐ第30層のボス戦も控えていることだし、気を引き締めないと!まじめにプレイしていても、PTが全滅しちゃったら初めからやり直しだからね……一応、チャオスを払ってその階層からコンテニューすることもできるみたいだけど、要求される額は一個人では到底払いきれない程らしいから、"PT全員で出し合ってのトータルクレジット"での支払いもできるみたい。それでも、届くかどうかは怪しいみたいだけどね… 」
ネモ「ゲームとはいっても、戦いは戦い…命を懸けるつもりで、一発勝負に臨むしかないってことだね。燃えてくるじゃん…!私も、悔いのないように全力で一戦一戦と向き合わないとね…! 」
テツヤ(NPC)「お安い御用だ。それにしても、アンタの装備…いや、義手か?ゲームの中とはいえ、なかなか大切に使いこまれているのが俺にはよくわかる。だが、見たところ…現代の技術から到底乖離しているようにも見える。個人的にも興味深い造りだ。差し支えなければどこで調達したか教えてくれるか? 」
フレイミス「知りてえか?そうだな……あえて言うなら…―――――「未来」、かな。(頭上を仰ぎ、それらしく口ずさむように応える) 」
テツヤ(NPC)「……?はは…そうか。俺みたいな中古品を取り扱う人間にはほど遠い話だな。ありがとう、良いものを見せてもらった。その「愛着」もな。(立ち去るフレイミスにはにかむように笑った) 」
ラタリア「ねえキミ!?はかせと同じPTに…いや調査兵団に入らないか!?(キラキラの眼差し) 」
アサギ「ちょダメっすよ博士!NPCの方はPT招待できないっすよ!ていうか、何どさくさに紛れてウチ(第3調査兵団)にまで勧誘しようとしてんすか!?(
ラタリアを羽交い絞めにしてメディから引き剥がそうとしている) 」
ラタリア「らってらって!!こんなに精巧な造りをしたアンドロイドは見たことないんらよ!? ここまで本物の人間に限りなく近い挙動や表情をしている機体なんて、今時(※
LAST RESORT時空の話)ありえないんら!!おまけに医療技術のすべてを学習しているなんて…これはもう、メディックの枠として!そして博士の助手としてお誘いするしかないら!!悪いようにはしないからお話だけでも聞いてほしいのら~~~~!!!(ジタバタジタバタ) 」
ロジェスティラ「(押しのゆるふわグッズを購入し続けチャオスが浪費されてゆく) >>まんぞく<< 」
アサギ「はいはいはい、あたしが博士のお話し相手になってあげるっすからね~!(「すいやせん」と申し訳なさそうにメディに会釈してそのままラタリアを引きずっていく) 」
門矢士「―――― ここが『
カオスファンタズマ 』の世界、か…… どうやら、俺が次に通りすがるべき世界に辿り着いたようだ( カ シ ャ ッ )(エントランスに颯爽と現れるや否や行き交うプレイヤーたちを首からぶら下げたポロライトカメラで撮影する) 」
ヒロ「あたりは賑やかだねえ(周りを見渡し) 」
漂う少女「 ヒ タ (体重、靴の素材、床の材質、あらゆる要素を読み取り忠実に再現する仮想世界。行き交う人々の足音は靴と床が接触する際に生じるもの。 だが、この少女の"足音"は、砂利を敷き詰め水で浸した床を、素足で踏むようなそれだった。 それが門矢士の進行方向から響く。 レンズに人影は映らない、しかし彼の"視界内"で、その少女は) じっ……(っと、首を傾げていた。 ツインテールの白髪、白そのものの肌、白のパジャマ。唯一の色彩は、翡翠色の瞳のみ。寝違えてログインしたかのような風貌のそれは、指を口に当てじぃっと彼を凝視している) 」
フラダライイオンのぬいぐるみ「(ロジェスティラのバックの中にみっちり同じ商品が詰まっている) 」
門矢士「―――――?(レンズ越しに映らぬ虚像、しかして眼前には確かに実在する、そんな得体の知れない少女に…「世界の破壊者」は眉を潜めた)……このレンズで遍く世界を写し取ってきた。だが…写しきれないものもそれなりに出会ってきた。小娘、何処から来た? 」
ヒロ「…ゆるふわグッズか、こんなところにもあるのか……(SHOPを見渡し) 」
漂う少女「…………………。(士の問いかけに反対側へ首を傾げ、口元に指を当て俯く)………。 ピッ (ようやく目を見開いて顔を上げると、人差し指を立てそれをゆっくり"床"へ向けた) 」
―――――――彼女が指さした方向、足元には"果ての境界線"まで続く空が広がっていた。太陽と月が共存し早朝から深夜まで、1日の時間を凝縮して鮮やかなグラデーションの空。そこには"
ケイオス"を含むあらゆる天体を模した無数の泡、エントランス一帯を飲み込みかねない、鯨の形をした"宇宙"が漂っており……――――――――――
―――――――彼女が指さした方向、足元には"■の境界線"ま■■■空が広がってい■■と月が共存し早朝から深夜まで、1日の時間■■■■■■デーション■■■こには"ケイオ■■を含む■■ゆる天体を模した無数■■、エントランス一帯を飲■■■■■い、■■形をした"宇宙■■■ってお■……―――――――――
―――――――彼女が指さしたのはただの床だ。なんの変哲のない、常連プレイヤーなら親の顔より見たエントランスの床。これに該当するものは里帰りを推奨されるだろう
漂う少女「 ヒ タ (チャオスで購入可能な"花冠"、ステータス的アドバンテージのないそれを、士の頭に背伸びして被せ) ヒタッ ヒタッ ヒタッ ヒタッ (彼と肩透かしすれ違い足音が遠のく。ある利点で背後から聞こえていたそれがパタリと途絶えると、少女の姿はそこにはなく…) ヒタ (小さなクラゲが空を漂い、それもまた透過して消滅した) 」
門矢士「………(少女が指し示す方角に視線を落とし、その意――瞬き一つの間、その刹那の内に巡る有為転変――を察したかのように小刻みに頷いた)……!(そんな時、少女が被せてくれた花冠にはっと気づかされて一瞬目を奪われるが、気づいて振り返った頃には少女を見失っていた―――)―――― なるほどな、"だいたい分かった"。(いつもの口癖を零す。本当に理解しているのかどうか、それは世界の破壊者のみぞ知る―――) 」
門矢士「どうやら俺も「お前」も、誘われるべくして誘われたというべきか。この、『幻影の巨塔』に――――(フン、と鼻を鳴らし、男は花冠を頭にかぶったまま人混みの中を通りすがるように消えていった) 」
ヒロ「……(どういう、ことなんだ…?)(一連の光景を見ながら立ち尽くしている) 」
ニル「はふぅ……(メディカルステーションで回復を終え、ようやく一息つく) 」
ヒロ「……ん(一息ついたニルに気づき、彼女の方を向く)やぁ、ニルちゃん。調子はどうかな? 」
ニル「あ、ヒロさん……!はい、おかげさまで…昨日よりも、気持ちがすごく楽になった感じです……♪(心なしか、柔和な笑みを浮かべることも多くなった模様) 」
ヒロ「それはよかった。ずっと心配していたから……(彼女のそばに行く)治療は終わったのかな? 」
森ノ宮「スケールがデカすぎて何が何だか分かんねえな……ああいう演出じゃねえの?違う……?(チャオスで修復した小太刀を反射させながら、辺りの床を見まわし) 」
肆々玖「演出か、何なのか……まあ、別にいいか。(興味半分、面白半分といった視線で周囲を見ている)……結局このチャオズとかいうものは一体何なんだ。 」
笠間「んん~~~~~~~…………私はあんまりやらないジャンルっすけど、まあ演出と言えば演出っぽい気はするんすけどね……(周囲の床に小さな炎を飛ばし、消えて行く門矢達を見送り)……知ってそうな人は居そうなんですけど、これも……演出なのかなあ、っていう……分かんないんすよねぇ~~…… 」
ランドウ「(水がない場所で釣り糸を垂らし)人・・・すべての生き物は生存本能にのっとり戦いを止めず。 」
ウェルド「………意図していたかどうかはさておき、単なるゲーム的な演出じゃあないと思いますよ。色々、気掛かりな点が多すぎますし……え?チャオズの使い方? ……要するにこのゲーム内の通貨ですよ。あんな風に武器をどうこうしたり治療したり、活躍すると多く貰えるとかで……(当然のように森ノ宮と笠間の間に割り込み、ついでに肆々玖に説明をはじめ) 」
リトル・マック「(チャオスでチョコバーを箱買いする) 」
肆々玖「餃子……じゃなかったんだな。そうなのか、かなりハイカラだな。(天然ボケなのだろうか、本気なのだろうか。どちらか怪しい反応だ)しかしそれだと固有霊装は修理が必要なものに該当するのか?だとすると維持費がかかってしまうな。 」
ウェルド「まあ、そうなりますかね……固有の武器をこちらに持ち込んでいるのであれば……いや、固有礼装?それは……ああ、いや、該当するでしょうね……じゃあ、かかりますねえ、維持費…… 」
森ノ宮「(詳しいなこいつ……いや、知らなかったらそれはそれで不安だが……)……替えの利かない複雑な武器より、シンプルなものを安くつかう方がコストパフォーマンスは良さそうに見えるが……性能も差が出るんだろうな、安物は全然斬れなかったし 」
ニル「あ、はい……!武器の方も、先程鍛冶屋さんに直してもらって………ぁ…!(ヒロとの会話中、ふと振り返った先に肆々玖がいたのを発見する)……あのっ……(彼のもとへ小走りで駆け寄っていく)……先程は、ありがとうございました……!私に、かけてくれた言葉のお陰で……少しだけ、勇気を持つことができました……! 」
肆々玖「……厄介だな、それは。まあ、別にいいか。(維持費がかかると聞いてか、面倒げに表情を歪めた)……?ああ、そうか。あんた、さっき頑張ってたもんな。だったら礼より先に俺からは"こう"だ。(すっ、と握りこぶしを差し出し、フィスト・バンプを誘う) 」
ニル「ふぇ……?ぁ……!(突き出された拳に最初は意図が分からなかったが、すぐにその意を察したかのようにはっとなる。そして…)――――― コ ツ ン (肆々玖の拳に、自身の小さな拳を突き合わせた) 」
ヒロ「……?(話の途中で駆け出したニルの様子を見たのちに肆々玖が目に入る)あいつはさっきの……… 」
肆々玖「それでいい、よくやった。(ニッ、と微笑む)あんたの拳は、いつか俺より大きくなりそうだ。……固有霊装、いつか出せるようになったらいいな。 」
笠間「……なんか、爽やかで良いっすね…………おじ二人が"闇"を感じてるのと違って……普通にゲーム感覚で良いと思うんすけどね~~ 」
薬師寺九龍「なあああ~~~~誰かチャオス貸してくれよぉおおお~~~~~。ビール飲みてぇええんだよぉおおおぉぉおおおおおお~~~~~~~(エントランスをあてもなく彷徨う) 」
うちはミハリ「ううう泣(チャオスが差し引かれてクソキモボイスで泣いている) 」
ウェルド「まあ、こういう闇を感じざるを得ない身の上でして……笠間さんも気を付けた方がいいですよ、色々…… おっ、と…どこぞで見掛けた問題児の警察官が居ますね。ほら、森ノ宮さん、あれが噂の 」
森ノ宮「まあ、ウェルドの言う通りだ。お前も身の上考えりゃあ色々敏感になって然るべきだぜ、こういうのは(笠間の頭をこん、と軽く叩き) ……アレが噂の。じゃねえよ……不良で有名なのは片桐の野郎……ともう一人居たな、確かに有名だわ(薬師寺が目に入り) 」
ペンギン「(アーニャに奪われたチャオスを回収)お前が奪った俺のチャオス返してもらったぞ。(社畜パワー全開) 」
ニル「……!はいっ……!(今はまだ、地中に眠る「種」。肆々玖の言う通り、いつかは「芽」を出し、そして「花」咲かす日が来るまで、少女はまた一つ決意を改めるのだった) 」
それからも、「ゲーム」の進行は続いていく
各々の目的のために攻略に励むプレイヤーたちは、次々と迫りくる幻影たちを退け、階層を踏破していく
闘いに慣れてきたプレイヤーたちにとって、『カオスファンタズマ』は絶好の駆け出しを迎えたと言えよう
…………だが、彼らは知る由もなかった
この「ゲーム」が、少しずつ、得体の知れない何かに侵されていることを
やがてそれは、幻想郷に紛れ込んだバタフライのように…
その環境が、徐々に綻びを見せようとしていた―――――
最終更新:2025年05月03日 20:03