カオスファンタズマ Re:睡醒篇 異端録ログ①

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その頃、オムニバス運営では――――


パックス「―――――よもや、プランダラの迎撃に成功したと思えば……(会議室にて、糸目の男が机上に両手を結んで口元を平たく噤んでいた) 」

檀黎斗「いったいどういうことだァッ!!?山野…淳一郎ォ…!!貴様ほどの男が…「奴」に出し抜かれるとはなァァァァアアア…!!?(激昂した態度で詰め寄っていた) 」

山野淳一郎「……謝っても許されないことは重々承知している…。本当に、すまなかった……(心底申し訳なさそうに項垂れている) 」

マックス「……「ルシオン」は"黒"だった。山野博士を陥れ、修理中であったギロリ氏の『ヴィジョンドライバー』を強奪して姿を消した、と…。 」

山野淳一郎「……ああ…私が目を覚ました時には、既にドライバーは奪われた後だった。その後ルシオン君のラボへ駆け込んだが…既にその痕跡を消したかのように、開発関係以外の秘匿データは削除されてしまっていた。『カーディナルゾーン』のサーバーからサルベージできないよう、完全に……… 」

銀狼「前々からなんかきな臭ったかんだよねー、「彼」。つってもさ、修理中とはいえ、最高権限の片割れであるドライバーに護衛を付けなかったのも落ち度なんじゃ?私だったら厳重にプロテクトかけるけどねー。ま、結果論だけど。(会議中にもかかわらず携帯ゲーム機をプレイしている) 」

パックス「ええ、本来であれば所有者を失った「ヴィジョンドライバー」の所有権限は、『エグゼクティブプロデューサー』の明確な指示が無ければ、現行しているゲームマスターがそれを肩代わりするのが規約。しかし、月村氏は現在「逃走中」を自ら企画・運営している最中…とてもドライバーの管理に裂けるだけの余裕はないでしょう。相対的に我々「運営」全員の責任です。 」

檀黎斗「ならば奪われたドライバーは今どこにある!?ルシオンはどこへ消えァ!?ドライバーに内蔵された位置情報は何処を指しているゥ!? 」

ReNa「強奪されたヴィジョンドライバーの現在地は…幻影の巨塔"各所"…を指している。恐らく、ルシオンさんが、ダミーをたくさん仕掛けているのだと、思う… 」

檀黎斗「小賢しい奴めェ!!!奴が「プランダラ」と繋がっていたなど、大問題だぞッ!!!今までの開発データはすべてッ!!奴らに筒抜けだったということなのだからァッ!? 」

マックス「でしょうね。故に、エリノラによってアクセス権限が失効された連中が何故幻影の巨塔へ再び干渉できたのか… グレイヴの設計はルシオン氏が行っていましたから、その抜け道を作ることなど造作もなかったのでしょうが。しかしゲームマスターでなければ、如何なるスタッフであろうとも『カーディナルゾーン』への直接干渉は不可能。表面上のアセットデータがプランダラに露見したところで、最たる問題ではありません。ですが…… 」

銀狼「これで月村への負担がでかくなっちゃったねー。彼のドライバーが万が一奪われちゃって…エリノラっちが奴らの手に渡ってしまうとなると……これ以上、カードをきらせるわけにはいかないんじゃない?どーすんの? 」

茅場晶彦「―――――― 心配には及ばない。(ここで、先程から沈黙を貫いていた研究員の男がついに口を開く) 既に『 ゼイン 』は完成した。あれは本来、プランダラのようなイレギュラーを粛正するために月村が考案した抑止力。既に実戦でもその強さは確証された。「ゼイン」一つでプランダラの壊滅は事実上可能である。 」

銀狼「へー、随分強気だね。そんなにすごいの、『アレ』? 」

マックス「……この混沌世界のアカシックレコードを参照した「カオスドラマウォッチ」の力を最大限に引き出した、善意の思考の下で動く超高性能AI。我々「オムニバス」が誇る"切り札"……いやはや、なんと末恐ろしいことでしょう。 」

茅場晶彦「ゼインの開発にルシオンは携わっていない。あれは月村と私の二人で開発を進めた最高傑作。故に、対策手段が奴らに露呈することはありえない。外部からゲームエリアに介入したロウレクスト、レギュレイターの精鋭を相手に遺憾なくその強さを発揮。人の身には有り余るが、いずれはこの「カオスファンタズマ」の治安維持は『ゼイン』ですべて補完される。所有権は粛正班《デバッガー》に一任してある。 」

山野淳一郎「茅場君…… 」

茅場晶彦「山野博士、ご心配なく。『ゼイン』は最適な結論を予測する完成された人工知能。仮にゼインそのものがプランダラの手に落ちるようなことがあろうとも、善意の思考ルーチンが奴らの行動理念に拒絶反応を起こし、デバイスを強制停止させる仕組みとなっている。一切の悪意も介在することを許さない。イレギュラーはすべて『ゼイン』に捌かれるだろう。 」

銀狼「まあ、それはいいんだけどさ…… ていうか、エリノラっちの方も「あのまま」でいいわけ? 」

パックス「既に"13度に渡る初期化"を行ってきましたが、想定していたよりも早い段階で綻びを見せつつあるのは事実。ですが、ゲームバランスを覆すような行動は控えているあたり…"まだ"…判断するのは時期尚早と言えるでしょう。 」

マックス「プランダラ…ロウレクスト…レギュレイター……そして、まだ我々が把握していない新たな脅威と成り得る所属不明の存在……少々、ゲームが異なる方向で盛り上がってまいりましたね。ゲームプランナーとしてはこれほど面白いシナリオはあえて手を加えず見物していたいものですが… 」

檀黎斗「貴様の御託など知るかァァァァアアアッ!!!そんなことよりィ…よくも…よくもォッ!!どいつもこいつもォ…!この神が創りだした聖域なゲームを汚してェ…!!絶ッッッッッ対に許さんぞォァッ!!!! 」

ReNa「――――!(その時、何かを感じ取ったかのように脳裏にシグナルが過り、ぴくりと反応を示す)………ゾーンT76744に「侵入者」を検知。監視カメラによると、逃走エリアから失踪したロウレクストとレギュレイターの、例の精鋭陣がダクトに逃げ込んだ、みたい。 」

茅場晶彦「………鼠共か。ちょうどいい。先程取り逃がしてしまったが、ここらで不穏分子を完全排除しておこう。 ニャイ、応答しろ。  」

ニャイ「―――――こちらニャイ、どうぞ。(何処かの暗い一室で耳元を抑えて茅場からの通信に応える) 」

茅場晶彦「指定ゾーンT76744にて、先程逃走エリアで取り逃がした連中が紛れ込んでいる。至急、粛正班《デバッガー》を現場へ急行させろ。『ゼイン』の次なる適合者……「白の部隊」の彼に連絡を。 」

ニャイ「 了解、任務を遂行します (耳元から手を離し、ちょうど背後に並列していた人影の群れに振り返る―――)―――― 茅場から「白の部隊《キミたち》」をご使命だって。(そう言うと、隊長格と思わしき人物に『Z.E.I.N.』のネームが入ったアタッシュケースを突き出した) 」

×××「 ハッ――― ご使命とあらば、必ずやその使命を全う致しましょう (アタッシュケースを受け取った白服を纏う集団の隊長格が、静かに首を垂れた――――) 」



― 幻影の巨塔・某フロア・ダクト ―


ガレア「ゼェ、ハァ…ゼェ…… まさか……こんなところでテメェらとまた鉢合わせになるとはな……(逃走エリアから全速力で逃げていた疲労が拭いきれず、壁に急凭れていた状態で何者かを睥睨していた) 」

滅「……それはこちらの台詞だ。偶然、逃げた先が同じだったとは……(同じく片膝をつき蹲っていた態勢でガレアに睨みを利かせていた) 」

五十鈴大智「ガレア、わかっているとは思うがもう彼らと無益な交戦は控えてくれ。『運営』に歯向かってしまった以上…僕らも彼らと同じ、異端者だ。ここで両者が争っていても何も得られはしない。……皮肉なことだけどね。(やれやれと溜息をつきながら眼鏡をくいっと上げる) 」

イペリ「つーか……どーすんのこれから…?ルクエス団長とも連絡つかねーし…今更ゲームに戻れねーし…どこへ向かえばいいわけ……?いや、むしろどこにも行きたくない……もうこのまま全部が終わるまでここでサボっててぇ~~~~……(ぐでーんと横たわる) 」

ノイン「過度な戦闘の連続による疲労解消のため、休息へ移行…(ふぅ、と糸目になって猫のように丸くなる) 」

キコ「ガレアちゃん、じっとしててね…?お姉ちゃんが傷を見てあげるから……(そう言ってガレアの治療作業に当たる)………さっきの「敵」、恐ろしかったね……(逃走エリアで交戦したゼインが過る――) 」

うちはオビト「此処は何処だ?……ここでログアウトする……のは、マズいか……また侵入できる保証もない。神威空間を避難先として使うのもアリだな。神威空間なら運営もそう簡単には干渉できまい……アイツは、一体? 」

五十鈴大智「……オムニバスが誇る「次世代型超高性能AI」…すべての悪意を駆逐する"善意"の存在だと…彼女(ニャイ)は言っていた……その大層な肩書に恥じない別次元の強さだったが…あんな奴の存在はルクエス団長の情報にもなかった……いったい、運営は何を考えてあんなものを……? 」

滅「………いずれにせよ、『ゼイン』は強大すぎる…今の俺たちでは抵抗は不可能……オラクルのことも心配だが、ここは一度態勢を整え直す為に本部へ撤退を――――(そう言いかけて立ち上がろうとした、その時だった――――) 」


――――――― 失望したぞ、滅 (憎悪に包まれたドス黒い声がダクト内に残響した次の瞬間…何処からともなく現れた黒い靄のような物体が、立ち上がろうとした滅の体にまとわりつく―――)


滅「なッ゛―――――!?(突如響き渡る憎悪に満ちた声、そして呆気取られている合間に纏われた黒い靄によって、振り払う間もなく前進の自由が奪われてしまう―――)――――― ぐ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ あ゛ (ズプププズギュグブブンッグボボボボボッ)(靄はみるみるとヒューマギアである自身の身を包み込み、そして、隙間という隙間に潜り込んでゆく――――) 」

ガレア「 んな…ッ……?! (目と鼻の先にいた滅が得体の知れない物体に取り込まれていく光景を目の当たりにし、思わず絶句しながらも身構えてしまう) 」

うちはオビト「ほ、滅!!(突如現れた黒い靄が、一瞬にして滅を包み込む。響いた声に反応し、黒棒を手首から引き出し)貴様何者……!! 」

滅…?「ドプッ…ドプププッ……ズギュ、グュビュ……――――(赤黒いノイズを纏う黒靄はついに滅の体内に完全に潜り込んだ。時折体からは這い出る蛇のように得体の知れない黒い物体が顔を覗かせている。項垂れた上半身がゆっくりと起き上がると、その双眸は"悪意"を孕んだかのような真っ赤な瞳として歪に輝きだしたのだった――――)……私は……我が、名は…―――――――

滅…? → 滅(アーク)「―――――――― " 悪意 《 アーク 》 "  (滅のものではない、全くの別人格であるドス黒く得体の知れない存在が、彼の身体を介して言の葉を紡いだ――――)(CV:速水奨) 」




うちはオビト「お、お前は……!!聞いたことがあるぞ!! 」

ガレア「……『アーク』……ッ…?(…明らかにさっきの奴じゃねえ…もはや別人……だが、この圧倒的な気迫…何だ……?見るだけで、吐き気を催す程の…黒い、何か……)(滅の体に憑依した黒い存在を前に眉を潜める) 」

五十鈴大智「……ああ、ボクにも…聞き覚えのある名だ…。(眼鏡を上げながら)確か…今から約200年前、当時の世界政府が提唱したという「方舟計画」(プロジェクト・アーク)によって…世界最高の頭脳と謳われたある天才科学者を中心に造られたという巨大人工衛星…――――方舟『アーク』……! 」

うちはオビト「滅が言っていた。自我を持った『方舟』……『悪意』を学習した驚異の人工知能……!!言うなればあのゼインとやらの反転存在!! 」

滅(アーク)「その見解は当たらずとも遠からずだ、五十鈴大智。(出会ったことのないはずの彼の本名を告げる)私は……この世の人間の"悪意"のすべてをラーニングした人工知能。その"悪意"の根源たる人類を滅亡する為に、私はこの世に生み出された。かつてはこの私自身も滅ぼされたが……世界に"悪意"がある限り、悪意《わたし》は何度でも蘇る。 」

イペリ「(なんかすっげーめんどくさそうながやってきたってのはわかった。やっぱり帰りてぇ……) 」

ガレア「悪意…?人類滅亡……? ッハ……!あのゼインとかいう野郎といい、どいつもこいつも寝言は寝てほざきやがれ…!訳のわからねえことをべらべら喋りやがって……俺たちの前に現れ、なんのようだ…?まさか……テメェも、オムニバスの……! 」

滅(アーク)「よせ、ガレア・ジェラクス…うちはオビト。私はお前たちを理解している。オムニバスに反乱の意思を示したことも…あの『ゼイン』と一戦を交えたことも。全て見ていたぞ。私の結論はこうだ…―――― 」

滅(アーク)「―――――――――― 善意《ゼイン》を滅ぼし、オムニバスを打倒することだ  」

一同 『 『 『 『   !  !  ?  』 』 』 』

五十鈴大智「……何故、僕たちの名を…っ……いや、それよりも……今、なんと……?ゼインを……オムニバスを……"倒す"……?正気なのか……ッ……!? 」

ノイン「……理解不能…詳細な理由を要求… 」

滅(アーク)「 『ゼイン』―――― "善意"の集合体である奴の存在は、人類が図らずともやがてこの世界を破滅に導く存在。暴走する善意はやがて悪意さえも上回る脅威と成り得る。今の世界政府の体裁を見れば、自ずと理解できるだろう。ゼインは、その身一つで、この世界に最悪の結論を実現することが大いに予測できる。 」

滅(アーク)「この私が人類滅亡を目論むのは、人間に"悪意"がある故に。しかし、私は飛電或人等との戦いを経てラーニングした。「悪は善となり、善は悪となる」ことを。即ち、人類には"善意と悪意の調律が等しくなければならない"―――と。 」

滅(アーク)「ゼインは、一切の"悪意"を根絶する。だがそれは、自らが"悪"と判断したもの…即ち、独善的な選択であらゆるすべてを滅ぼし、この世を平定し支配することだ。私は、このゼインが齎すこの結末を予測し、この幻影の巨塔へとアクセスを行った。滅はゼインとの戦いを拒否したが…ゼインを放置すれば、いずれお前たちの世界は等しく裁断されるだろう。故に、滅に代わり…この私が、お前たちを導いてやる。 」

ガレア「導く…だと……?ふざけんじゃねえッ!!いきなりしゃしゃり出て上からもの言ってんじゃねえよ…!正体も分からねえ貴様等等と手を組むなんざ、俺は願い下げだ…ッ! 」

うちはオビト「……なるほどな。お前は人の『悪意』を知り尽くした人工知能……オレが奴の反転存在と言ったのはあながち間違いではなかったということ。お前は暴走する善意のカウンターパートとしてここに現れたということか 」

五十鈴大智「待つんだ、ガレア。ここは一度冷静になるんだ。確かに、彼の言うことは一理ある。ゼインとアークの存在意義は僕たちの知る由ではないが…あのゼインをどうにかしない限り、僕たちに課せられた「特命」は遂行不可能だ…!忘れたか…?僕たちは…なんとしても『 ロギア 』の正体を突き止めなくちゃいけないんだ…!そのために、彼らと手を組み……いや、"利用する"のが得策だとは思わないかい? 」

ガレア「……………――――――― チ ッ (大地の説得にそっぽを向く) 」

滅(アーク)「………状況を呑み込んだようだな。こうなることは既に、私の"予測済み"だ。ロウレクスト…レギュレイター…お前たちは、何者かにとって一時の"悪意"でありながら、そこに"善意"なる行動理念を秘めていた。まさに、この私が導くに相応しい人材だ。よって、これより我々は一時的な共闘関係を結ぶこととする。 」

滅(アーク)「  オムニバスを打倒する存在…―――――― 【  アウトサイダー  】として  」

キコ「……『アウトサイダー』……? 」

ノイン「……「アウトサイダー」…意味は、"異端者"…… 」

ガレア「…勝手なことを抜かすんじゃねェ。誰が…いつ、お前たちと手を組むと言った…?俺は端からテメェ等のことなど信用しちゃいねえんだよ…!運営を倒す…?そんなものはテメェらで勝手にやってろ…!俺たちはな――――― ! (滅びに憑依したアークに反論を示そうとしたその時、まるで図られたかのようなタイミングでスマートフォンに着信音が鳴る。その相手の名前を確認すると目を細めながら応答する)………俺だ。 」

うちはオビト「なるほどな。確かにオレたちは異端者だ。いろんな意味で内側には居ない……ん、どうした 」

ルクエス(Voice)「―――― やァ、調子はどうだイ?(ガレアの通話相手…それは、彼らの上司に当る人物。幼さの残る声がスマホ越しに聞こえだす) どうやらついに接触したみたいだネェ…?どうだい、肌身が放りつく様な"悪意"を感じるだろウ?それが『 アーク 』だヨ。 」

ガレア「……!まさか…これはテメェの差し金なのか…ッ…?いったいどういうことだ、答えろッ! 」

ルクエス(Voice)「まあまあ、落ち着きたまえヨ。……そう、「アーク《 彼 》」を君たちのもとへ接触させたのは、ボク自身の意向サ。キミたちは知っているかナ?200年前から続く「方舟計画」(プロジェクト・アーク)が真の意味で終結したのは、直近だということヲ。アークは目覚め、この世界に破滅を齎そうとしたが…方舟「アーク」はある者たちによって撃ち落とされ、アークは深い眠りについタ…―――― 」




ルクエス(Voice)「だがその後…墜落した方舟(アーク)を、我々「サイファーポール」がその一部を回収。世界政府の科学班に回し…『アーク』の復元に成功したんだヨ。ボクはその復元計画の責任者でネェ… 来る時に備え、アークを保管していタ。そしテ…オムニバスがこの世界に台頭したまさにこの瞬間、運営が誇る切り札『ゼイン』に対抗するべく、アークとの対話を経て、ボクが『彼』をそちらへ送ったんダ。「ボクの可愛い部下たちをよろしくネ」…っテ。ククッ…♪ 」

キコ「えっ…ウソ……?じゃあ、こうなることは団長ちゃんの意思で……―――― 」

イペリ「(なんでまた余計な事してんだあのクソ団長がぁぁぁぁああああああ~~~~~~~)(癇癪を起して苛立ちが募る) 」

ルクエス(Voice)「キミたちはそのまま「アーク」と行動を共にしたまエ。「彼」と同行すれば…いずれ早い段階で『ロギア』へと到達するだろウ。キミたちの役目に変更はなイ。そのまま任務を果たしたしてくれヨ。あっ、そうそう…ロウレクストの人たちとも仲良くするんだヨ~?それじゃア、何か情報が入り次第連絡よろしク。頑張ってネ~♪(その言葉を最後に一方的に通話が切断された) 」

ガレア「…おい……おい待て……おいッ゛……!!(一方的に切断され、理解しがたい表情でスマホの画面を茫然と見下ろしていたが……)………クソッ……!なんだってこんなことに……ッ……! 」

滅(アーク)「……そう、これはお前たちの長官であるルクエス・ハルト・ザイナーの意思だ。よって、お前たちは私を拒むことは出来ないはずだ。こうなることは既に予測済み… そしてロウレクスト、お前たちも例外ではない。LCCS社長「オラクル」の命運は、お前たち隊長陣が握っていると言っても過言ではないのだから。 」

うちはオビト「何?あの馬鹿がどうしたというんだ 」

滅(アーク)「オラクルは禁忌を犯した。オムニバス設立の中核を担う大企業「クロノス」社に武力行使を行った。先に仕掛けたのはオムニバスだが、オラクルは、『運営』が誇る予測不可能にして強大な力を顧みず、単身でクロノス社を襲撃した。 それが発端となり、「惑星封鎖機構」までもが動き出し…そして今、オラクルを追って機関も幻影の巨塔へと踏み込んだ。つまり、"オラクルは今、かつてない危機的状況に追われている"ということだ。 」

滅(アーク)「ゲームマスター「月村サトシ」の策略によって…プレイヤーまでも欺き、オラクルを拘束しようと躍起になっている。オラクルが討たれるることになればロウレクストは事実上の"壊滅"の結論を迎える。だがそれだけではない。オラクルは、オムニバスが抱える『ある重要な秘密』を握っている。それを知る由は、オラクルの生存があってこそ…故に、オラクルは滅びるべきではない。お前たち隊長陣が、オラクル救出の鍵を握っているのだ。 」

五十鈴大智「…「惑星封鎖機構」…惑星間で活動しているという、いわば宇宙政府軍のことだとは聞いたことがある。彼らが誇る精鋭の執行部隊は、あらゆる脅威を悉く排除するだけの軍事力を有することも… 」

うちはオビト「なんだそれは聞いてないぞ!?惑星封鎖機構だと!?話が大きくなりすぎている……!!確かにそれらしいことは聞いていた気がしないでもないが……いや、確かに、まあ、そうだな……アイツが動いて、アイツが狙われて、それで今こうなってるんだ。アイツが抱えてるはずの情報を抱え落ちさせるのは、避けたい。すぐに合流したい 」

滅(アーク)「だがしかし、今この状況下でオラクルとの合流は"推奨しない"。私の予測によれば、オラクルも、そして我々も『運営』の追跡及び排除対象となっている。オラクルと合流すれば…運営は「粛正班《 デバッガー 》」の全精力をこちらへ差し向けてくるだろう。しかし、我々にも、そして現在手負いのオラクルにも、奴らに対抗するだけの戦力は"まだ"整ってはいない。恐らくオラクルは巨塔のサーバーを通じて回避ルートを自ら検索し、今も尚逃走を続けている。オラクルを囮に、我々は力を蓄え、オムニバスへの対抗手段を講じる。 」

五十鈴大智「なるほど……しかし、運営を倒すとはいえ、具体的にはどうするつもりだい?ルクエス団長が君に指示を仰げと命令はされたものの…聊か不安要素は拭えないんだが…… 」

滅(アーク)「オムニバスを直接叩くことは不可能だ。しかし…この幻影の巨塔の"核"を担う『カーディナルゾーン』に干渉することができれば、運営を攪乱させることができることに加え…それ以上の恩恵を得られる。その為に不可欠な、我々の「切り札」を用意した。(何かを誘うかのように、目の色が更に赤く発光する―――――) 」


ガション……ガション……ガション……―――――(アークの意思に導かれるままに、ある黒い人型を模した機械人形が起動音を掻き鳴らして彼らへと歩み寄る。少年程の低い身長でありながら、暗緑色の光芒を走らせた黒い装甲から異質なオーラを放つ存在。それが――――――)




ベクター「―――――――  ガ シ ョ ン  (――――異端者たちの前で停止した) 」

滅(アーク)「――― この機体の名は、『 Vector 《 ベクター》 』。私を生み出した科学者「戦極凌馬」が考案し、未完成のままに奴の研究所に封印されていた自立稼働型LBXだ。 」

ガレア「……なんだ……このチビ……?プランダラの機械生命体とはどこか雰囲気が違うようだが…… 」

五十鈴大智「…「Vector」…蚊やダニやハエなど、ヒトや動物間で疾病の原因となるウィルスや微生物の橋渡し役となるを媒介生物を指す名前だが……この機体が…? 」

滅(アーク)「そう…ベクターの最たる機能は"ゴーストジャック"。マニピュレータを介して接触することにより、存在するありとあらゆるコンピュータデバイスのコントロールを奪取し、友軍化するものだ。直接接触によってデバイスへハッキングを仕掛け、強制的に掌握(ジャック)することが事実上可能。理論上は、この機体一つですべてのハードウェアの暴走を引き起こす脅威の能力を秘めている。生物にウイルスを感染させる…まさに媒介者《ベクター》の名を体現する機体だ。 」

キコ「ひっ……!なんだか…とっても怖いわね……(ベクターと距離を取ろうとする) 」

滅(アーク)「しかし、先程も言及した通り、このベクターはまだ"未完成"。今の状態による"ゴーストジャック"では、カーディナルゾーンは愚か、中小企業が有するスーパーコンピューターにさえ遠く及ばない程に、ゴーストジャックの規模があまりにも脆弱なレベルである。戦極凌馬はベクターの強化を図ったが、この私の意識を投影した「星の夢」による大規模なシステム障害に目を付けたことで、ベクターはお蔵入りとなった。 」

滅(アーク)「だが、私の予測によれば…ベクターはオムニバスを欺く程の脅威の可能性を秘めた機体である。この機体にはAIを搭載し、自己判断能力を有している。カメラアイを通じて様々なデバイスを分析・学習することで劇的な進化を促すように改造を施した。 」

滅(アーク)「私の結論はこうだ。このベクターを同行させ、幻影の巨塔のネットワークをその末端から順を追って閲覧と解析を繰り返し、完全解読を実行。巨塔各所に遍在するコンピュータデバイス「接続クリスタル」をゴーストジャックによって掌握。 6基全ての「接続クリスタル」を掌握することで…『カーディナルゾーン』のセキュリティを落とすのだ。

五十鈴大智「…なるほど……確かに、運営スタッフ以外の者には入ることさえ叶わないメインサーバーに干渉するには、周囲のデバイスの機能を落とし、そのプロテクトを脆弱化させるのが賢明な判断だ。とはいえ…そんなことが上手くいくのか…? 」

うちはオビト「……なるほど。なんというか、上の方でやってる「攻略戦」みたいだな。フィールドでゲームを攻略する奴らを後目に、オレたちはシステムそのものをハック&スラッシュするわけだ 」

滅(アーク)「面白い比喩表現だな、うちはオビト。そうだ、これは言わば我々『アウトサイダー』による、対オムニバスへの「攻略戦」だ。しかし、当然ながら接続クリスタルの付近には監視カメラと、或いは防衛システムなるものが設置されていることが大いに予測される。それらを退けるのが、お前たち「アウトサイダー」の役目だ。 」

イペリ「けどさぁ…?仮にそのなんとかクリスタルって奴をジャックしたとして、次の制圧に向かっている間に運営に修正される可能性とかあるんじゃない…? 」

滅(アーク)「その通りだ、イペリ・クィンダム。オムニバスのスタッフは各世界からヘッドハントされた優秀な人材で構成されている。我々が接続クリスタルをひとつふたつ掌握したところで、すぐに修正が施されるのは間違いない。だが、我々は奴らの行動を逆手に読み、ある対策手段を講じた。それこそが…――――― 完成されたベクターによる"二段階ゴーストジャック"だ。 」

イペリ「二段階ぃ~……? 」

滅(アーク)「現在の初期段階で未完成なベクターは、接続クリスタルへのハッキングを繰り返していく内に、学習能力によってそのハッキングの規模を拡大化しようと図る。一基、二基と対象物をジャックしていくことで…ベクターは接続クリスタルの内部構造、及びそこから付随したネットワークを逆探知し、幻影の巨塔のネットワークを、その末端から把握していく。私の予測によれば、ベクターが最後の六基目を掌握した時点で、ネットワークの完全解読を成し遂げたベクターは完成され、それまで運営の修正を許していた全ての接続クリスタルを一斉にジャックし得るほどの大規模なゴーストジャックを実行できる。これが、二段階ゴーストジャックだ。

ノイン「概要を把握。AI学習能力によるベクターの育成強化と推定。(無表情でベクターの頭部を覗き込み、好奇心からその表面を人差し指で小突く) 」

ガレア「……全貌は粗方理解した。腑に落ちないが、今はテメェ等とこのチビで行動するしかない…か……(ルクエスめ……小賢しい真似を…… まあいい…ここの「運営」に一泡を吹かせられるのなら、この際何でもいい。あの時の屈辱を晴らすためにも……)(先程のゼインとの戦いが脳裏に過り、小さく舌打ちを零す) 」

滅(アーク)「……さて、作成内容を共有したところで、最初の目標地点へと向かう。幸い、ここから500m進んだ先に…接続クリスタルがある。ついてこい。(彼らを引率しようと、滅の体で歩みだそうとするが――――) 」


――――――― そんな勝手な真似はさせません


ザ ッ ―――――  !  !  (異端者たちの行く手を阻むように、天井から瞬間的に降り立った人影の群れ。その全員が白尽くめの衣服に身を包むと共に、白い仮面を身に着けていた―――――)





ルドボーン(オムニバス)「―――― 貴方がた侵入者を粛正しに参りました。(ヤギの頭蓋骨を彷彿させる白仮面に素顔を覆った白尽くめの人物。隊長格と思わしき人物が一歩前へと詰め寄り、異端者たちと相対する―――――) 」


――――――――― " 粛正班《 デバッガー 》 " ・白の部隊 隊長 『 ルドボーン・チェルート 』


ガレア「ッ―――――!(突如として現れ出でた白尽くめの連中に、ガレアをはじめその場にいた全員が各々の武器を構えて身構えだした)……粛清……そうか…さっき俺たちの前に現れた、「粛正班《 デバッガー 》」の連中か…ッ! 」

滅(アーク)「……衛星ゼアのアーカイブに接続。該当データを検索―――(滅のヒューマギアとしてのカメラアイを通じてルドボーンの全貌を検索する)………閲覧完了。お前は、「ルドボーン・チェルート」だな。破面(アランカル)と呼ばれる種族にして、「藍染惣右介」の従順なる下部…その処刑部隊「破面葬討部隊(エクセキアス)」の隊長格だな。 」

ルドボーン(オムニバス)「貴方がた侵入者如きが気やすく「藍染様」の名を口にしないでいただきたい。(従順にして厳格な男が、無機質な声音で応答する) 」

うちはオビト「まさか、ここの奴らは虚(ホロウ)まで飼っているのか?幻影体、という線もあるが……(瞬時に双眸を瞳術の眼へと変え、臨戦態勢に入り) 」

滅(アーク)「お前こそ驕りが過ぎるぞ、ルドボーン・チェルート。何故お前ほどの忠誠心を持つ男が、藍染惣右介の元から離れオムニバスにへりくだっているのか…その結論はただ一つ…―――――― ルドボーン・チェルート、お前はオムニバスが造り出した再現体アンドロイド『 オムニロイド 』だからだ。 」

イペリ「あ、アンドロイドォ…!?いや、まあ…なんか人間っぽさはないけど……って、マ…??(ルドボーンの姿を二度、三度と伺う) 」

ルドボーン(オムニバス)「………フッ…正体がバレてしまいましたか。ならば、致し方ありません。貴方のおっしゃる通り、私は…各世界に遍在する忠誠心の高い人物が選出されて再現されたアンドロイド。『オムニバス』に絶対的な服従を宿す存在。その役目を果たすため―――――あなた方をここで"粛清"する!(腰に携えていた斬魄刀を引き抜くと、背後にいた葬討部隊の隊員たちもまた一斉に刀を抜き始めた) 」

滅(アーク) 「オムニロイドであればそれほどの脅威ではない。だが、お前たちは確実に滅ぼしてやる。( ド プ ド プ ド プ … ―――― \ アークドライバー ! / )(滅の身体から分泌された黒い靄がとぐろを巻くようにその全身を漂い、やがて変貌を遂げたそれは禍々しいデザインをした黒いドライバー「アークドライバーゼロ」として、腰に巻き付かれるように顕現された) 」

滅(アーク)「ルドボーン・チェルート、まずはお前から滅ぼす…――――   変  身   (ドライバー上部のスイッチ「アークローダー」を押した) 」




滅(アーク) → 仮面ライダーアークゼロ「  \ アークライズ ! /  (その身体を黒い靄がみるみると包み込んでいく) キ ャ゛ ア゛ ア゛ ア゛ ア゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ァ゛ ―――(泣き叫ぶような邪悪に満ちた怨嗟の叫びが轟き、黒い人影から紅色の稲妻が迸っていく)―――― \ オール・ゼロ / (そして、この世に蔓延る"悪意"を体現した存在…仮面ライダー『アークゼロ』へと変貌を遂げた) 」

ルドボーン(オムニバス)「 さァ…―――――― かかってきなさい! (一斉突撃の合図を下した―――) 」




――― Vs. 粛正班《 デバッガー 》 『 ルドボーン 』 ―――



破面葬討部隊・隊員(オムニバス)『  バ  バ  ッ   !  !  (白尽くめの隊員たちが一斉に四散し、各方面から刀を手に斬りかかってくる)』

うちはオビト「再現体……まさか上の方でプレイヤーたちの障害としてワラワラと出てくる幻影体とやらもそれと関係があるのか?……チィ、仕方ない!!やるしかないようだ!!(抜刀した彼らを見て、素早く印を結ぶ) 」

五十鈴大智 → 仮面ライダーナッジスパロウ「…ッ……早速相手から迎え撃ってきたか…! \ SET / (傍らより取り出したモンスターレイズバックルを、既に装着されたデザイアドライバーの右側スロットへ装填)  変  身 ! ( ガ ァ ン ! \ ニャーッ ! / )(バックルを押し込むことで起動) \ MONSTER / \ READY FIGHT / (仮面ライダー「ナッジスパロウ」・モンスターフォームへと変身し、迫る隊員の刀を避けて星型グローブで殴りかかる) 」

ノイン「戦闘開始――――!(ガッギィィインッ!!)(鉤爪型ガジェットを突出させるや否や隊員の一人が振るう刀を、両腕を左右に振るいながら弾き返していく) 」

イペリ「雑魚なら雑魚で結構!ダリィ戦闘はあたしとしても避けたくてしょうがないんだよ…!(チャクラム型ガジェットから冷気を放出し、有象無象の隊員たち一部の足元を凍結させていく) 」

ガレア「キコッ!お前は後衛に回ってそのチビを守れ!何人も近づけさせるなよ…!(隊員たちをイペリたちに任せ、自身は大太刀を背に乗せてゆったりと、しかして強かな足取りでルドボーンへと迫っていく)―――――失せろ、ザコどもがッ!!(途中迫ってくる隊員を片腕のみで振り払い、水平蹴りを加えて蹴散らす) 」

キコ「わかったわ、ガレアちゃん…!(彼の指示に従いベクターの傍で自身のガジェットである二丁拳銃を構える) 」

ベクター「 ピ ロ ピ ロ ピ ロ ピ ロ … … ―――――(その場から一歩も動じることなく、異端者たちの戦闘を分析・記録し始める―――) 」

仮面ライダーアークゼロ「――――― フ ン (押し寄せる白尽くめの群衆を前に、悪意の表現者は悠然とした足取りで迎え撃つ。その漆黒のボディーに秘められた憎悪を破滅的エネルギーに変換させた重圧的な拳を叩き込み、刹那の内に再現体共を亡き者に変えていく) 」

うちはオビト「はあっ!!(右足を軸にして回転、独楽のように回し蹴りを繰り出し襲い来る者たちを吹き飛ばす)……人手が足りない。少ないってわけじゃないが……これからの戦いを考えると…… 」

ルドボーン(オムニバス)「ほゥ……我が破面葬討部隊の隊員たちを容易く退けるとは…なかなかの手練れと判断しました。であれば、私も出し惜しみすることなく力を発揮致しましょう…(自身の斬魄刀を天高く掲げる)―――― 生い上がれ『髑髏樹』(アルボラ)  」


メキメキメキィ…ッ…――――――!(解号を唱えたルドボーンの刀が尖った枝のように変化を遂げる。彼自身の体もまた木の幹のようなもので覆われ、下半身が樹の根のように変化しだす。その背中には左右対称に先端に髑髏がついた枝を生やしており、枝の先端にある髑髏から無限に葬討部隊の兵士が生みだされたのだった――――)


ルドボーン(オムニバス)「どうです、これが私の"帰刃"(レスレクシオン)…!我が"髑髏兵団"(カラベラス)によって、無尽蔵の兵団を展開することが可能。造物主たる私はこの力で圧倒的な兵力を創り出せるのです。(こうして言葉を発してい合間にも、葬討部隊の兵士たちが次々と生み出されていた――――) 」

イペリ「っかーーーーーーやっぱめんどくさッッッ!!!こういうタイプが一番めんどくさいっての!! 」

仮面ライダーアークゼロ「無尽蔵に兵隊を生み出す能力か。なるほど、粛正班《 デバッガー 》に配属される相応の力はあると判断した。しかし、所詮は烏合の衆。形骸化された屍そのものに強さは伴わない。よって…ジジジジッ…――― \ アタッシュアロー ! / (ドライバー中心より、極細い多次元プリンターの光が照射され何かを描き始める。刻み描かれる光が実体化すると、それは滅の基本武装であるアタッシュアローとなって形成され、そのグリップを握りしめる) 」

仮面ライダーアークゼロ「  \ カバンシュート ! / (――― バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ン ッ ! ! ) (グリップを握りながらトリガーを弦のように引き、エネルギーアローを放つことで兵士たちを次々と貫き…ルドボーン本体に直撃させる。兵士自体に耐久性の無さを看破した行動である) 」

ガレア「―――― ひれ伏しやがれッ!!(  ズ   ガ ァ ァ ア  ン   ッ   !  ! )(アークゼロによって斬り拓かれた開路を一気に駆け抜け、エネルギーアローが直撃したルドボーンへ追い打ちをかけるかのごとく、その頭部へ大太刀で殴りつけるかのような一撃を振り下ろした) 」

うちはオビト「火遁!!(素早く印を結び、口にチャクラを溜め)爆風乱舞!!(神威の渦を放ちながら噴き出す。炎が渦に巻かれて広範囲に拡散、兵士たちを焼き尽くす) 」

ルドボーン(オムニバス)「 な ッ ――――― ン゛ グ ゥ゛ ッ゛ … ッ  ! ? (―――― ズ シ ャ ア ァ ァ ァ ア ア ア ア ン ッ ! ! ! )(兵士を次々と貫くエネルギーアローを"探査回路(ペスキス)"による探知能力を咄嗟に発動したことで間一髪回避に成功する…しかし、その攻撃に続いて迫ってきたガレアの接近への対抗策を瞬時に判断することはできず、一撃のもとに叩き伏せられ地面へめり込んだ) 」

ノイン「一掃殲滅――――ズァンザギィンジャキザァギィィィイインッ!!!(オビトによって展開された火炎の渦、その間隙を縫うように猫のようなしなやかにして俊敏な動きで空間を駆け巡り、炎から逃れた兵士を追随するかのような高速斬撃を刻んでいく) 」

破面葬討部隊・隊員(オムニバス)『  ズ  ァ゛  ッ゛  ―――――――(異端者たちの意図せぬ連携を前に、有象無象の兵団が悉く駆逐され、息絶えた者たちが土に還るかのようにその身が溶けて消滅していく―――)』

ガレア「 ス タ ン ッ ――――― 呆気ねえな(地にめり込んだルドボーンを見下し、トドメを刺すまでもないと鼻を鳴らした) 」

仮面ライダーアークゼロ「雑兵による集団戦に強く出る秘策は、指揮系統を成す"「頭」を瞬時に落とす"ことである。さもなくば、時間経過によって次の策を講じられてしまい、結果的に物量で押し込まれるからだ。 」

うちはオビト「……おかしい……呆気なさすぎる…… 」

ルドボーン(オムニバス)「ぐゥ……ッ……こんな、こんなはずでは…ッ……(ガレアによる一撃があまりにも痛烈だったためか解放した帰刃(レスレクシオン)が強制解除され、元の人型へと戻っていく。その状態で両腕に力を込めてよろよろと起き上がりつつ、静かに後退していく)……認めましょう…あなた方の強さを… ですが、潔くこの場を引くつもりは毛頭ありません。この身に代えてでも、貴方がたを止めてみせる。その為ならば、この矜持を捨てても構わない……―――― ビ リ ィ ッ (自らの白い制服の隙間に手をかけ、徐に破くように開く。すると――――) 」

ルドボーン(オムニバス)「――――― 我が"正義"の為にッ!! (―――曝け出されたその腰には、彼らにとって見覚えのあるものが既に装着されていた。そう、数分前の彼らが成す術もなく圧倒された、"善意"の象徴――――『 ゼインドライバー 』であった) 」

仮面ライダーナッジスパロウ「―――― ! ? (ルドボーンが曝け出したそのドライバーに目を見張り、硬直した)……あ、あれは、まさか―――――ッ!! 」

ルドボーン(オムニバス)「見せて差し上げましょう…これこそが、オムニバスが誇る至高の"正義"――――― \ ゼイン ! / (傍らより取り出したゼインプログライズキーを起動・展開する。その背後に、都心の光景が映った青い光球とファンタジー世界の光景が映った赤色の光球が出現する。現実と夢幻が交差するかのような不可思議空間が広がり、異質な空気が漂い出す――――) 」

ルドボーン(オムニバス)「――――――  " 変  身 "  ―――――― 」

ルドボーン → 仮面ライダーゼイン(オムニバス)「 \ ゼインライズ / (キーをドライバー右側スロットへ装填) \ JUSTICE ! JUDGEMENT ! JAIL ! ZEIN ! / \ Salvation of humankind. / (高速道路のタイムラプスを描いた空間に溶け込んだ赤と青の光球が一つとなり、その一筋の光芒に包まれたことで――― "善意"を体現した至高の戦士・仮面ライダー『 ゼイン 』へと変身を遂げたのだった―――) 」




うちはオビト「うああ…!!で、出たァ……!! 」

ガレア「(見下していたはずの相手が、瞬きをしたうちに衝撃の姿へと変わり果てたその光景に思わず唖然と硬直する。先程まで完膚なきまで自身を追い込んだ、"善意"を具現化した存在…ゼインとの思わぬ早さの再会を――――)――――― テメェが…ッ……!!(表情の険しさが一層にもまして鋭さを帯びる) 」

イペリ「 ぎ ぇ え ぁ ! ? (オビトの隣で似たようなリアクションで絶叫を上げる)……な、なな、な……なんで『アイツ』がぁぁぁぁあああ~~~~~ッ!?!?!?!? まさか……もう"追ってきた"…ってコトォ!? 」

仮面ライダーアークゼロ「………―――――― この時を、待っていた。(正体を現したルドボーン、否…ゼインを前に一歩詰め寄る) ようやく会えたな、『ゼイン』。忌々しき"善意"の集合体よ。 (仮面の内側で、底知れない憎悪を孕むように、片方だけ曝け出された真っ赤な眼球部を発光させる。善意と悪意を体現した二人の仮面ライダーが、静かに相対する―――――) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「おや、皆揃って血相を変えて。それほどに『ゼイン』の恐ろしさをご存知で?いいでしょう。では二度と立ち上がれない恐怖をお教えしましょう――――― ブ ワ ァ ッ (左腕に覆われたマントを振り払い、まるで人が変わったかのような余裕を秘めた佇まいで接近する) 」

仮面ライダーアークゼロ「お前は…私が滅亡させる―――――フンッ!(手にしていたアタッシュアローのブレードを以て真っ向からゼインへ斬撃を叩き込もうと迫る) 」

ガレア「……今度はあの時のようにはいかねェ…――――― ぬぉおおらあぁッ!! (大太刀を盛大に振り回しながら構え直すと大跳躍。頭上から身を捻りながら遠心力を付けた横軸回転斬りをゼインへと仕掛ける) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「―――― ガ ッ (しかし、アークゼロの斬撃を片手のみで軽々と受け止めた)――――― 甘い (―――― ド ゴ ォ ァ ッ ! )(その腹部目掛け反撃のアッパーカットをめり込ませ、殴り飛ばした) フッ―――― ズ ガ ァ ァ ア ア ン ッ ! (先程脳天に叩き込まれた一撃、その二の舞を踏むことなくマントを翻しながら優雅にガレアの一撃を回避。背にしていた彼を馬蹴りする) 」

うちはオビト「(まともにやったってアレには勝てる気がしない……!!だが今はヤツのカウンター存在であるアークがいる……!!もしかしたら、勝てるのか……?) 」

仮面ライダーアークゼロ「ぐッ……?!(反撃の一手を食らわされ退きかけるが…)―――― \ カバンシュート ! / ( バ シ ュ ゥ ゥ ゥ ウ ウ ン ッ ! ! ) (すぐに弦に手をかけてエネルギーアローを至近距離から解き放った) 」

ガレア「チィィ…ッ!!クソがァ……ッ!!( ズ  ォ゛  ア゛  ッ゛  !  !  )(蹴り飛ばされながらも受け身を取り、アークゼロと挟み討つかのように大太刀を力強く振り上げ、地盤を大きく抉る程の斬撃波を縦一文字に解き放った) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「……―――――― バ ッ (二方向から挟み討つ遠距離攻撃を冷静に待ち構える最中、一枚のカードを取り出した) ズ ッ ギ ャ ァ ア ア ァ ァ ァ ア ア ア ン ッ ! ! (そのまま両者の攻撃が直撃。爆煙にその身が覆われるが――――) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「――――― \ 黒崎一護 / (煙の中から轟いたのは、死神として世界を守り抜くためにその刀を振るった勇ましき青年の名――――) ボフンッ――――――― \ 執行 / ( ザ ザ ザ … パ ラ パ ラ パ ラ … ――――)(彼の顔を象ったカードが既にドライバーに装填され、引き抜かれたレバーによってカードはシュレッダーにかけられたように裁断され、バラバラに刻まれながらその成れの果てが足元に儚く舞い散った―――) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「――――― \ JUSTICE ORDER / ―――――(そして、ドライバー右側に装填されたプログライズキーを押し込んだ)   ギ  ュ  オ  ン  ッ  (その右手に、かの死神の青年が振るう漆黒の斬魄刀「天鎖斬月」が握られた―――)――――――――― “ 月 牙 天 衝 ”  」


ズ       オ゛         ゥ゛        ッ゛    !    !    !    !   (無骨なケーブルが随所で剥き出しとなっていたダクトの空間が、ゼインより一瞬にして迸った"漆黒の斬撃"によって一刀両断された―――――――――)


仮面ライダーナッジスパロウ「―――――!全員回避ッッ!!!(その場で大声を張り叫び、イペリ、ノインらと共に空間に走る漆黒の斬撃を紙一重のところで屈んで避けきった) 」

ガレア&仮面ライダーアークゼロ『――――― ! ! (互いにそれぞれが上半身を反ることで漆黒斬撃を受け流すことに成功する。しかし、その余波によって吹き飛ばされかけ、ゼインから遠ざけられてしまう)』

うちはオビト「だだだだだ、駄目じゃないか!!(解き放たれた斬撃の波を横にローリングするように躱し、咄嗟に手をかざし)木遁・挿し木の術!!(鋭利な槍状の木をゼインに向けて伸ばす) 」

キコ「……!危ないっ!(斬撃から庇うべくベクターを押し倒して共に地に横転する)……はぁ…ふぅ……危なかった……!(そのままゆっくりとベクターを抱き起す)……あの姿に変身した瞬間、強さが別格になったわ…… 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「 ズ オ ッ ――――― ヒ ュ バ ァ ァ ア ア ッ ! ! (斬魄刀の一振り、その剣圧のみでオビトの放つ挿し木悉く消し飛ばした) 『ゼイン』の実力はこんなものではございません。ではここで、更に余興を行いましょうか――――― 生い上がれ『髑髏樹』(アルボラ)( メ キ メ キ メ キ ィ ッ ―――― ! !)(すると今度は漆黒の斬魄刀を投げ捨てると自身が本来持ちうる斬魄刀に持ち替え、再び"帰刃"を開放する。背面のマントから枝木のような翼が生い茂り、周囲に無数の兵士を生み出していく) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「 バ ッ ――――― \ うずまきナルト / (二枚目に取り出したカードには、偉大な忍になる為に忍の世を駆け巡ったど根性精神を持つ忍者少年が描かれていた――)カ シ ョ ン ッ ―――― \ 執行 / (パ ラ パ ラ パ ラ … ――――)(そのカードを無慈悲にも裁断にかけた) 」

破面葬討部隊・隊員(オムニバス)『 ギ ュ ル ル ル ォ ァ ッ ――――― (ゼインがカードを捌いた次の瞬間、その辺かはゼイン本人ではなく、彼を取り巻く白尽くめの兵団に現れた。彼らの右手に集う螺旋状のエネルギー。手中に圧縮された膨大なエネルギーを掲げ、物理的に叩き込む“螺旋丸”として、彼らへ次々と突撃していく)』

イペリ「ちょまッ――――い゛ぃ゛ッ゛!!?(ッ゛――――!?)(歯牙にも掛けなかった兵団に現れた新たな異変。刀による変哲の無い斬撃を捨てた、異質な攻撃を前に対処が遅れて一体が繰り出した螺旋丸が直撃。軽々と吹き飛ばされて横転する)…ち…ッ……ぃ…!いっ…たぁ……っ…!なんか……なんか強くなってなぁい…ッ!?聞いてないんだけど!! 」

仮面ライダーナッジスパロウ「なんだって―――― ぐ あ あ ぁ ぁ … ッ … ! ! (螺旋丸の直撃を受けて、文字通り螺旋を描くように吹き飛ばされてしまった) 」

ノイン「――――!?かふ…ッ……―――― ! ! (身の危険を察して咄嗟に防御態勢を取るが、ガジェットの耐久を槓子するような衝撃に耐え切れず突き飛ばされていく) 」

ガレア「―――――!お前ら…ッ!!ぐ……ゥッ……!!舐めるなァッ!!!(吹き飛ばされていく仲間たちを他所目に、こちらへ迫る兵士には攻撃が直撃する前に叩きのめして被弾を免れる) 」

仮面ライダーアークゼロ「――――!(―――やはりその力は脅威だな。数多の歴戦の英雄たち…即ち、"善"なる意思を宿した者たちの力を行使するだけでも強大ではあるが、それを自身本来の増兵能力と掛け合わせることで更なる強みを発揮したか――――!)(予測演算による回避能力で兵団の動きを看破、擦れ違いざまに殴り抜けて滅していく) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「貴方がたが見くびっていた"髑髏兵団"(カラベラス)も、ゼインの予測の導きによって、最弱から最強へと昇華する。これが『ゼイン』の力です。これが「オムニバス」の最たる力なのです!バ ッ ――――― \ ベール / (三枚目…それは幾億の並行世界を跨いだ魔法使いの少女―――)―――― \ 執行 / (パ ラ パ ラ パ ラ … ――――)(彼女の力さえも独善的に取り入れ、ドライバーに装填して裁断する) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「――――― \ JUSTICE ORDER / ―――――(ドライバー右側のキーを押し込むと、自身と兵団…全員の両手に魔力が集束していく)――――“瞬き落る星《 フォールアウト 》” ( ズ ド ド ド ド ド ド ド ァ ァ ッ ! ! ! )(一人から放たれる無数の星型魔弾。それが兵力の数の多さに比例し、空間一帯を充満させる勢いで四方八方に解き放たれたのだった) 」

仮面ライダーアークゼロ「(―――――!) 前提を書き換え、結論を予測―――――(左目の眼球部が真っ赤に発光。これから起こる最悪の結末――大量の星型魔弾の重圧に押し潰されて全滅――を予測すると…)――- バ ッ ! (ズギャギャギャギャアッァァアアアアアアンッ!!!!)(咄嗟的に自身の前方に、黒い靄で構築した広大な漆黒のエネルギーシールドを展開し、ガレアやオビトたちを庇い魔弾を受け止め続ける) 」

ガレア「ッ…―――――!?(今まさに押し寄せようとしていた魔弾の濁流。会費は不可能と思われた次の瞬間、アークゼロに庇われて驚愕を覚える)……テメ……何の真似だ…ッ……!? 」

仮面ライダーアークゼロ「――――聞け!ガレア・ジェラクス!うちはオビト!!『ゼイン』の"弱点"を検知した…!今から告げることを実行に移せ―――――(幾重にも及ぶ衝撃を受け止め続ける最中、一瞬訪れた沈黙の中で…二人にあることを告げる―――――) 」

仮面ライダーアークゼロ「―――――成し遂げろ、それがお前たちの「結論」だ (両者に託した次の瞬間、衝撃に耐え切れなくなったエネルギーシールドが破裂。その身体に大量の魔弾が次々と直撃し、盛大な火花を散らして吹き飛ばされていく――――) 」

仮面ライダーアークゼロ → 滅「―――――― ぐッ……! (空中に吹き飛ばされたアークゼロが戦闘維持困難によって強制解除され、そこからアークの憑依から解放された滅が落下しながら横転した)……ぐ……ッ……アーク……オビトたちに、何をさせようと……ッ……!(地に這い蹲りながら、ガレアとオビトの背中を見上げるしかできなかった) 」

うちはオビト「こ、これはナルトの……!!(咄嗟に透過を発動。神威の能力でそれらをすり抜け、ゼインへと走り寄り)あの力をオレの前で……こんな形で使うんじゃあない!!(猛攻をすり抜けながら手から黒棒の刃を取り出す。ゼインのベルトを目がけ、それを破壊せんと突き出す) 」

ガレア「(――――― ! )(アークの予測が導き出したその「結論」を耳にした時、大きく目を見張った。その道を示したアークが吹き飛ばされ、消滅していく光景を横目に…彼の意思を継ぐと、相対するゼインを睨みつけた)……オビトと言ったな。失敗は許されねえからな……――――― 行くぞッ!!(信じ切れていないオビトとの初のツーマンセル、それを実行に移さんと大太刀を背中に乗せ、低姿勢で駆け抜けていく) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「 バ ッ ――――― \ ヴォイド / (ついに抜かれた四枚目…それは、神をも屠る雷神の剣を携えた青年を描いたカードだった。しかし―――)―――――!?(兵団を文字通りすり抜けてきたオビトの登場に不意を突かれ、咄嗟的にカードの装填を中断。身を翻して黒棒の先端から免れるが―――) 」

ガレア「――――― 邪魔だぁぁぁああああーーーッ!!!!(カードの装填がなされない、即ち、現在の兵団は本来の弱さを露呈したまま。ならば潜り抜けるのは造作もない。勇猛果敢に兵団を押しのけて突撃していく) 」

仮面ライダーナッジスパロウ「――――やれやれ…やられっぱなしは性に合わないからねッ…!イペリ、ノイン!ガレアを援護するんだ! \MONSTER STRIKE /(モンスターバックルを押し込みエネルギー纏ったグローブで星型の衝撃花を放って兵団を殴り飛ばしていく) 」

イペリ&ノイン『うっせえ眼鏡ッ!言われんでもやってやるよッ! / 了解…ガレアを先導するッ…!(二人の少女が交互を描くような高速移動で前線へ復帰するや否や、ガレアを左右から追い抜くように、彼の直線状に立ち塞がる一切の雑兵を斬り伏していく)』

キコ「――――行って、ガレアちゃん…っ!! 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「 ッ―――――(小賢しい真似を―――――)――――― カ シ ョ ン ッ (一瞬の隙を見てなんとかカードをドライバーへと装填。次のシークエンスとして左側のレバーに手をかけようとするが――――) 」

うちはオビト「お前も『そのベルト』を使うのは初めてだろう?(ニヤリと笑い、ゼインにそう問いかける)ぶっつけ本番、慣らし運転も無しで実戦投入なわけだ…… 」

うちはオビト「慣れないことをしているせいか?(瞬時に間合いを詰め、レバーを操作しようとした手を掴んで押さえ込む)ベルトの操作に集中しすぎて、動きが鈍くなっているぞ? 」


うちはオビト「(━━━この前現れたゼインの変身者は何度か慣らし運転をしていたのか、ベルトの操作や能力の発動が実にスムーズだった。使い慣れた機械は人に馴染む。車を運転するのにわざわざシフトレバーを見ないように、タイピングするのにわざわざキーボードを見ないように、使い慣れた機械はノールックでも使えるものだ……)」


ガレア「――――――― ぅ ぉ ぉ  ぉ   お    お     お       お         ら        ァ゛       ッ゛        !    !    !     (オビトがゼインの手を掴み止めたその瞬間、既に大太刀を大きく振りかぶった青年がゼインの視界を覆うようにすぐそこまで迫り――――その張りぼての"善意"の仮面に目掛けて、勝ち割る勢いの強烈な一撃を炸裂させた) 」

仮面ライダーゼイン(オムニバス)「―――――― ッ゛ ! ! ?  ( しまった――――― ッ゛ ! ! ? )(オビトによって裁断しようとしていた手が完全に拘束され、呆気取られたのも束の間…既に視界に迫ったガレアの大太刀が眉間に差し迫り――――)―――――       ズ  ッ゛      ガ       ア゛  ァ゛ ア゛  ン゛  ッ゛   !   !   !  !   (声にもならない絶叫と共に額から頭部へと迸った想像遥か絶する大打撃によって、ついに――――正義の仮面を被った独善者が吹き飛ばされ、壁へ盛大に激突した) 」

うちはオビト「(だがこいつはおそらくこれが『初変身』。明らかにベルトの操作に慣れていない。ベルトを操作する時わざわざ自分のベルトに視線を送っているのがその証拠。それそのものが大きな隙━━━)」

仮面ライダーゼイン → ルドボーン(オムニバス)「―――――ガ、ハ……ァ゛……ッ゛…… ! ? (土煙に覆われながら壁に深くめり込んでいたゼインの具現者が儚げにその光を失い、変身が解除される。曝け出された本来の体からドライバーは音を立てて地面へ落下し、その身を前傾させながら尚も抗いの意を示そうと立ち上がるが……)……この、わた、し…g……ア……Moも、モ…し…wA…ケ、け……あり、マ…… ド シ ャ ッ … … ズ シ ャ ア ァ ァ ァ ン … ッ ―――――――(破面を象った機械人形はその役目を終え、事切れたように膝から崩れ落ちてうつ伏せに倒れ伏した―――――) 」

うちはオビト「……いくら強力でも、使い慣れていない道具を使えば思考と行動の間に決して無視できないラグが生じる。そこを突けばこんなものだ……(ガレアの一撃を前に吹き飛ばされ、壁に叩きつけられたゼインをそう吐き捨てて見下す) 」

ガレア「……フゥゥゥー……ッ…―――――(張り詰めていた重圧感を一気に噴き出すかのように口辺から白い吐息を吐き出し、敵の最期を見届けてついにガジェットを背に閉った)………通りでな… 以前に比べて歯応えがあまりなかった。やはり…『中の奴』が違っていたのか……(機能停止したルドボーン…を象ったアンドロイドを見下しながら呟く) 」

仮面ライダーナッジスパロウ → 五十鈴大智「…これがアークの導き出した予測演算によるものか…しかし、まさか本当に迎撃に成功するとは…(変身を解除しながらガレアとオビトのもとへ歩み寄る)……他にも変身者がいたみたいだね。彼はずいぶんとおしゃべりだったが、最初に出会ったのは寡黙だった……あれの正体は更に脅威なんだろうね。(眼鏡をかけ直す) 」

滅「……オビト……そして、お前たちも…よく、やった…… 「ゼイン」の適合者が違っていたとはいえ、奴を倒したのは大きな進捗だ……(脇腹を抱えながらオビトの傍へ歩み寄る) 」

うちはオビト「無理はするな滅。……最初に出てきたゼインの変身者は分からんが、明らかに癖が違っていた。今回突いた弱点はアレには通用せんだろう。……そ、そうだ!!今のうちにベルトを拘束して…… 」

キコ「ガレアちゃんもみんなも…よく頑張ったね…♪お姉ちゃん、よしよししてあげる…♪(ガレアの腕へと抱き着く) 」

イペリ「はーーーーー、案外なんとかなるもんだね~~~……って、もうあの野郎のツラ見るのはごめんだけどさぁ 」

ノイン「戦闘終了…我々の勝利… ベクターの育成強化に多大な貢献を実感 (ベクターを引き連れながらやってくる) 」


ビキッ、バキッ…――――― パ キ ァ ァ ア ン ッ ! (オビトがゼインドライバーを手に掛けようとした、その瞬間…あれほどの脅威の強さを秘めたゼインへの変身を可能にするはずの変身デバイスが、跡形もなく木っ端微塵に破裂したのだった――――)


五十鈴大智「なッ……?!ドライバーが……そんな…ッ……!?(慌てて駆け寄り、破裂したドライバーの残骸を拾い上げるが…もはや修復も復元も不可能なまでの有様に絶句した)……まさか……このドライバー自体が量産化されているのか…!?そして、万が一適合者が敗れてしまった際に、敵に回収されないように自爆するようプログラムされているのか…… 」

滅「ああ…すまない、オビト… そうか……ゼインの脅威は、まだ完全に退けたわけでは―――― う ッ゛ ? ! (突然の頭蓋に過るような頭痛が走り、オビトから数歩退ていく――――) 」

滅(アーク)「―――――― ギ ュ オ ン ッ (項垂れていた体が再び起き上がると、その眼光は"悪意"の光に包まれていた)……『異端者《アウトサイダー》』たち…よくぞ、「ゼイン」を倒したな。お陰で、お前たちの戦いを閲覧・学習していたベクターも大きな進歩を遂げた。礼を言うぞ。 」

ガレア「……!(再び滅に憑依した"悪意"の存在に振り返る)……お前…さっきの衝撃で消し飛んだはずじゃなかったのか……? 」

うちはオビト「……お前も無事だったのか。うちの滅の身体を使ったり使わなかったりしやがって…………ゼインの本体はあのベルトじゃなかったのか。あくまであのベルトも端末に過ぎず……本体は別にあると 」

滅(アーク)「言ったはずだ。この世に人間の"悪意"がある限り、私は何度でも蘇ると。正確には、ライダーシステムを維持するだけの力が、今の私には欠落していたに過ぎない。私は人工知能…こうして滅の身体を介していなければ活動することもできぬ程に、活動限界が生じる。だが、滅の肉体では私本来の力を引き出すことは出来ない…故に、私も新たな肉体を…加えてベクターのように強化を図らなければならない。来るオムニバスとの戦いに備えて、な…――――(するとその視線を、倒れ伏したアンドロイドへと向けた) 」

滅(アーク)「――――― フ ン ッ ! (―――― ド ギ ュ オ ォ ァ ッ ! )(次の瞬間、滅の体から打ち出された禍々しい黒い物体が、真っすぐにかのアンドロイドへと飛び出した。新たな依り代を得ようとそのアンドロイド素体に潜り込む) 」

オムニロイド「ドプドプドプドプ…ッ……グギュ、ギ…グブッ…ジュブグ、ブッ……―――――(機能停止したはずのアンドロイドが操られるマリオネットの如く無理矢理その体を引き起こされていく。体の関節があらぬ方向へと屈折する最中、白尽くめの衣装を覆い尽くす深淵たる「黒」が染め上げていく。靄のように不安定だった「黒」はやがて立体を帯び、四角い棺桶を成してその身を完全に閉じ込めた―――) 」


ピキ…ッ……パキ、キ…ッ……ビキッ……―――――――  パ   キ   ァ   ァ   ア   ア   ン   ッ  !  !  !  (アンドロイドを取り込んでいた漆黒の棺桶に生じた白い亀裂。そして盛大に砕け、黒いガラス破片と共に解き放たれたのは―――――)


AI染惣OS助「――――――――――――(黒い拘束具を全身に纏い、更にその身を漆黒の拘束椅子に留めた男の姿が、あった。眼帯と対になるように曝け出された左瞼が緩やかに開かれ、この世の真贋を見透かすかのような、深淵よりも黒い"悪意"を孕んだ炯眼が、幻影たる世界を写し出す――――――――――――) 」






AI染惣OS助「     これもすべて、私 《 アーク 》 の結論通りだ      」



さァ、はじめよう… 悪意《 アーク 》 の意思のままに―――――――――



― 幻影の巨塔・某フロア・ダクト ―


ベクター「ガション、ガション…―――――― ミ ョ ォ ォ ォ ォ ォ (粛正班《デバッガー》の手先を退けた異端児たちはその後、ついに発見した最初の接続クリスタルを前にしていた。本来の作成を実行するべく、まだ未完成隊のベクターがクリスタルに触れ、内部解析とハッキングを試みる―――)」


ギ ュ オ ン ッ ――――― (蒼白色をしていた接続クリスタルが、ベクターのゴーストジャックの影響を受けたことで赤く変色した) 」




AI染惣OS助「……さて、これでまずは最初の接続クリスタルを制圧した。とはいえ、先程も言及したように…我々がここを立ち去る頃には『運営』によって修復プログラムが実行されるだろう。だが、今はそれでいい。これは謂わば"布石"…ベクターが完成した暁には、奴らの抵抗もむなしく、この巨塔のサーバーは落ちるだろう。(依然として黒い椅子に拘束されたまま、愉悦気味に目を細めてベクターが抑えた接続クリスタルを見つめていた) 」

ガレア「………それはいいんだが……なんだその姿は。今度はあのアンドロイドに憑依したと思えば…姿形まで替えやがって。だいたい、それでなんで動けるんだ……(AI染の姿を横目に複雑な眼差しを向ける) 」

うちはオビト「……お前その姿……気に入ったのか?(何かを知っているように話を切り出し)前もその姿で……「藍染惣右介」の姿で行動していたと聞いた 」

AI染惣OS助「この姿に特別な意味はない。私《アーク》自身の活動肉体さえ確保できればな。だが…あえてその疑問に答えるならば、この姿こそ、人類が"悪意"に満ちた恐怖の対象として理想的な姿であると、ゼアのアーカイブを通じて私自らが結論づけた故だ。過去にも同様にこの姿を体現したことはあったが…この私自身が復元されたばかりで完全な軌道を果たしていないがために、不完全な姿となってしまったようだが。お陰で、今は指先一つ動かすこともままならない。だが、懸念する程のことではない。 」

AI染惣OS助「フッ…さて、どうだろうな、うちはオビト。だが、人類が恐怖の対象としているものであれば、お前がよく知るうちはマダラにさえなることも理論上は可能だ。彼もまた、大いなる"悪意"の体現者だからな。(悪意故のあてつけか、何処か嘲るように口元を綻ばせる) 」

イペリ「ふぅーん……まあどうだっていいんだけどさぁ……ていうか、アンタが憑依したそのアンドロイド…そんなのがいるなんて情報になかったんだけど?他の粛正班《デバッガー》もみんなアンドロイドで構成されている感じ…? 」

滅「……奴は『オムニロイド』と言っていたな……ヒューマギアなどの既存アンドロイドとは違う、オムニバス独自のテクノロジーで生み出されたようだが… 」

AI染惣OS助「ちょうど、先程のベクターのハッキングによって、開発部のデータベースに閲覧権のみで共有されている情報を得た。ベクターと私は常に同期している…そこから得た情報を共有しよう。 」

AI染惣OS助「 『オムニロイド』とは…滅の言う通り、オムニバスが独自開発したアンドロイド素体の総称だ。実在するそれまでのアンドロイド個体から収集した設計データを基に製造されているが、他に類を見ない機能として、『ライドウォッチ』と呼ばれる時空間に干渉するデバイスがその機体内部に搭載されている。 」

五十鈴大智「ライドウォッチ……?まて、何処かで聞き覚えがある……(顎元を摩りながら脳裏を巡らせる) 」

うちはオビト「……ハハ……あのジジイの顔はなるべく見たくないな……手が早いな 」

AI染惣OS助「『ライドウォッチ』は、君たちからすれば遥か遠い未来で造られたとされるテクノロジーで造られたものだ。 小型の時計のようなデバイスだが、それひとつで時空間に影響を及ぼす程の機能を有する。その実態は、特定の対象物が持つ本来の力を吸収する機能を持ち、それはひとえに「継承」として実現を可能にしている。 」

うちはオビト「ああ、オレ達も製造・運営の技術そのものは持っている。上手く使えれば便利な代物だが、時空連続体に与える影響が大きすぎる。おいそれとは使えない、特殊なタイムマシンだ 」

AI染惣OS助「具体的には、先程我々が対峙したルドボーン・チェルート。当の本人はどこかの世界に実在しており、オムニバスの人間がウォッチを使って本人の力を継承。彼の力を宿したウォッチをオムニロイドに埋め込むことで、本人と相違ない人格と能力を宿した個体として誕生する。だが、「継承」というのは所詮綺麗事。その実態は、本人の有無を介することなく、そのアイデンティティを「強奪」することである。恐らく、本人の忠誠心から鑑みると、オムニバスの人間に力を強制奪取されたとみて間違いないだろう。 」

キコ「酷い…っ……そんなことが可能だとして、無理矢理奪うなんてこと…… 」

うちはオビト「……そういえば、ライドウォッチと言えば…… 」

滅「そうか…オムニバスまでもウォッチを保有していたとは… しかし、それをアンドロイド素体に埋め込み、自らの都合の良い駒を生み出すというのは我々ロウレクストでさえ考えもしなかった……――――!(ここで、オビトの発現で何かに気づいたように顔を上げる)……待て、この話に何処か既視感がある。まさか―――― 」

AI染惣OS助「気づいたようだな、滅。そうだ、そう遠くない直近の事件で、今回の件と類似する事象があったはずだ。データベースに保管されたログによれば、過去にオムニバスはこのケイオスへ到達する以前に…「ある時空犯罪者」により、大量のウォッチとオムニロイド素体、そして…歴史そのものを書き換える禁断兵器の三つを強奪した。これらすべてはオムニバスの所有物であり、かの犯罪者は運営本部へ潜り込み、この禁断の三種の神器を使って、一度この世界を"滅ぼした"。 」

AI染惣OS助「結果的にその結末は書き換えられ、今の世界線が進行している。しかし、オムニバスは、数多の時空間を、歴史を、世界線そのものを揺るがすほどの力を有しているという事実が、ここで裏付けられた。『運営』は、我々の予測を遥かに上回る強大な存在。そのような連中が、今、この世界の注目を浴び…『壮大な目的』を成し遂げようとしている。 」

滅「……衝撃の真実だな……あれほどの"悪意"の思想を秘めた輩に、そのような禁断兵器が利用されたなど…… オラクルは…そんな連中の怒りに触れてしまったというのか……(いよいよ只事ではないなと眉を潜める) 」

うちはオビト「……あのインチキ恐竜以上の何かを保有してるってのか? 」

ガレア「…『壮大な目的』……俺たちレギュレイターは本来、そのオムニバスが有する『ロギア』というものを調査しにこのふざけたゲームに参加した。……教えろ、奴らの目的とはなんだ…?『ロギア』とはなんだ? 」

AI染惣OS助「……それを知るのは時期尚早だ。しかし、ここにいる全員がそれらすべての謎を知らなければ、この私に協力することを拒むだろう。いいだろう…教えてやる。オムニバスの真の目的… 『ロギア』とは、何かを。それは――――――



AI染惣OS助「――――■■■■■■■。■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。■■■■■■■■。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■。 」




真実を知る者から告げられた言葉は、その場にいる全員を戦慄させ、閉口させた。
繰り返し紡ぐこともできない程の、人間もAIも予測不可能な「結論」を前に――――――――


ガレア「―――――――――………………なん、だと……ッ………?(AI染からの解答を受けて、頭の中が真っ白になるような衝撃が走り、空いた口が塞がらなかった) 」

滅「………アーク……それは本当なのか……ッ……?(ヒューマギアである自分でさえ、人間と相違ない戦慄に歪んだ表情をしていた) 」

イペリ「………おいおい……冗談でしょ……っ…?あたしら、『そんな奴ら』を倒そうとしているの……!? 」

ノイン「………驚愕……理解把握のキャパオーバーを検知…… 」

キコ「……団長ちゃん……『そのこと』を知ってて、私たちを……… 」

五十鈴大智「……僕たちの予想の範疇を大きく超える事態に発展した……まさか、『運営』が……『ロギア』が……そういうことだったとは……っ……(白く光らせた眼鏡の内側で瞳を閉ざす) 」

うちはオビト「…………にわかには信じがたいな。それは真実なのか? 」

AI染惣OS助「―――― 故に、我々『 異端者《アウトサイダー》 』がその"抑止力"となるのだ。善も悪も超越した、その『結論』を回避するために。改めて、自分たちの置かれた立場を理解したようだな。オラクルも、ルクエス・ハルト・ザイナーも、それらに気づいて君たちに託したのだと、私は予測している。 」





AI染惣OS助「  " これはただのゲームではない 1000年以上に渡る壮大にして鬱蒼たる『 因縁の物語 』なのだ "   」




うちはオビト「待て、それじゃあまるでウチの社長が……!! 」

ガレア「……チッ…わかった……事態の重みは理解した。ルクエスの野郎に振り回されるのは癪だが……"俺たちの行動に全てが懸かっている"のだとしたら、嫌でもやり切るしかねェ。(チーム・ガレアの面々、そして、滅とオビトのロウレクストにもアイコンタクトを送る) 」

滅「オビト―――(彼の右肩に手を添え、静かに首を振るう)………こちらも把握した。やはり、ここにいる面々で全力でその『目的』を阻止する必要がある。我が友「オラクル」の為にも…この世界の人類のためにも…… 」

うちはオビト「……問いただす必要がありそうだな、アイツを。だがそれが真実なら放っておけないのもまた事実だ。お前に乗るしかなさそうだ…… 」

AI染惣OS助「よって、我々はこれから「同志」として、打倒オムニバスという結論を実現させるために活動を開始する。熾烈な戦いを強いられるが、私の予測が可能な限りその脅威を回避することを約束しよう。 」

五十鈴大智「しかし…それならなおのこと、僕たちも『運営』に抵抗するための戦力が必要になってくる。僕たちは既に『運営』か追われたイレギュターの存在…まず、表舞台で活動しているプレイヤーたちは耳を貸してはくれない。それに…ルクエス団長からは、僕たちの行動は他のレギュレイター部隊にも秘密にするように釘を刺されている。頼れる宛なんて…… 」

AI染惣OS助「案ずることはない、五十鈴大智。今しがた、データベースを閲覧して興味深い活動記録があった。「カオスファンタズマ」のゲームが正式にリリースされる前…『運営』は様々な世界から開発者を募るために選りすぐりの技術者と接触を図った。だが中には、「その要求を頑なに拒んだ者」や、「運営すらも手の届かないところにいる者」などがいることが示唆されている。前者は、既に居場所を把握した。これより、この巨塔から「その者」へ私からコンタクトを送る。 」

イペリ「つってもよぉ~…大丈夫なの?運営の要求を拒むっつーことは、私たちの言葉に耳を傾けることなんてさらに無理ゲーなんじゃ… 」

AI染惣OS助「心配には及ばない。私の予測は、既に「」が我々と行動を共にすることを結論づけている。さて、ここではやがて運営の者が駆けつけてくるだろう。場所を変えるとしよう…( キコキコキコ…… )(椅子に完全に固定され身動き一つ取れない態勢だが、その椅子の下にローラーでもついているのだろうか、その場で回転し転がるような音を立ててゆっくりと前進し始めたのだった) 」

イペリ「(あの形(なり)でその動きは流石にシュールすぎんだろ…) 」

うちはオビト「(なんだその動き方……)ああ、それと。戦力が必要というなら、アンタの能力を見込んで一つ頼みたいことがある…… 」

AI染惣OS助「……どうした、うちはオビト。(椅子の移動を停止させ、振り返ることなく背中で応答する) 」

うちはオビト「オレ達がこのサーバーに密航するのに使ったセキュリティホール……あれを通ったのと同じ手段を使えばウチの人材ならこっちに呼べるはずだ。最初はオレと滅を送るので限界だったが……アンタの協力を得られればまたパスを繋げられるかもしれない。安定した接続を確立することも…… 」

AI染惣OS助「……いいだろう。であればその実現は容易に可能だ。ロウレクストの優秀な人材も確保できるのであれば越したことはない。貴重な提案を感謝する、うちはオビト。(伏し目気味に笑みを零し、そのまま彼らを先導するように移動を始めた―――) 」

滅「……(だがここでガレアと視線が合う)………LCCS(ロウクレストコーポレーションセキュリティ) 機甲部隊-α・隊長の「滅」だ。(そんな彼に握手を求める) 」

ガレア「…………――――― ス (握手を求める滅の手に一度視線を落とし、交わすことなくスルーするが…)……世界政府直下調査兵団「レギュレイター」 第9調査兵団 チーム・ガレア リーダー…「ガレア」だ。(振り返ることなく返事をし、そのまま歩きだす) 」

滅「……―――――― フ ッ (飾らない態度だがそれがガレアらしい人間性だと前向きに受け取ったかのように口元を綻ばせ、彼らともに突き進むのだった―――) 」



ここは、幻影の巨塔から遠く離れたどこかの研究施設――――




Dr.エッグマン「 カ タ カ タ カ タ カ タ … … ―――――― (モニターの光源だけが頼りの薄明かるいコンピュータルームにてコンソールを操作しているその男の名は、悪名高い天才科学者「Dr.エッグマン」。彼が暗躍するのは決まってその野望を成し遂げるためである。「世界征服」…悪の科学者らしい普遍的だが揺るがない大いなる野望。今もまだ、その野望実現のための研究を行っていた…はずだが――――) 」

Dr.エッグマン「――――――ええいッ!(癇癪を起しながらダァンッ!とコンソールを叩きつける。何かにいら立っているのか、いつものように研究作業に集中できていない模様で、後頭部をがさがさとかきむしった)………おのれ…小賢しいことをほざきおって……――――――― 」


数週間前―――――


Dr.エッグマン「――――― このワシをスカウトじゃと?(自身の研究施設のエントランスホールにて、足を組んでソファに深く腰掛けていた。長いテーブルを隔て、その向かい席にいる客人の持ちかけた提案に眉を潜めた) 」

マックス「ええ。我々『オムニバス』は世界各地で活動している優秀な科学者や研究員を募り、過去最大規模のエンターテイメントを築き上げようと考えております。先程提示したプランにも記載されているように、協力をいただけるのであれば活動費用やその他に不随する資金なども全額援助いたします。最高の環境下で、皆様の思うままに開発作業を進めていただくことができます。いかがでしょう、Dr.エッグマン様?(糸目に真贋を覆い隠した得体の知れないスーツの男が、薄ら笑みを浮かべながら交渉を図る) 」

Dr.エッグマン「――― 断る!なぁにが「ゲーム」じゃ!ワシはそんな娯楽に付き合っているほど暇じゃないわッ!コケにしおって…このワシを誰だと思っておる!?世紀の天才科学者、Dr.エッグマンじゃぞ!?そんな偉大な科学者を…こんな…こんなゲームなどというふざけたモンを作るための出汁にしようというのか!?大方、ワシの野望が悉くどこぞのハリネズミ擬きに阻止されていることを聞きつけて馬鹿にしておるのじゃろう…! 」

マックス「滅相もございません。我々の目的は「ゲーム」の完成…しかし、貴方様のご所望とあらば、自らの野望実現のための資金援助もこちらで行わせていただきますよ。ゲームを作る傍らで、貴方自身の野望実現のためのステップにも繋がる……Dr.エッグマン様にとって不都合なことなどはないようにお見受けしますが…… 」

Dr.エッグマン「くどい!断ると言ったら断る!ワシは誰の手も借りん!たとえこの商談を呑んだとしても、どうせワシを下に見ている貴様等はワシの研究成果を横取りするに決まっておる!ワシの野望は、ワシ自らの手で成し遂げる!得体の知れない連中に助けを乞うことなどもってのほかじゃ!わかったらとっとと出ていけ!話は終わりじゃ!(やめだやめだと手を振って徐に起き上がる) 」

マックス「………そうですか……わかりました。(交渉は決裂。落胆したように肩を竦めるとこちらもソファから立ち上がり出入口へと踵を返すが…)………ですが、『我々』の提案を拒んだ以上…残念ながら貴方様のその野望実現への道のは遠のいていくどころか、もはや不可能になったと言ってもいいでしょう。 」

Dr.エッグマン「………なんじゃと貴様…?(踵を返し皮肉を漏らした客人をサングラス越しに睨みつける) 」

マックス「貴方が提案を拒んだこの瞬間、他の大手企業や名だたる偉人たちが、既に我々『オムニバス』に全面協力していただいている。これほどの好条件を皆様はご理解いただけ、我々にお力添えをしていただけると。しかし、貴方はそれを拒んだ。これがどういうことか、天才科学者であればご理解できますね? 」

マックス「 今、この世界において、『我々』は世界政府さえも凌ぐ程の規模を獲得している。一個人では政府に対抗することなどなかった方が、果たして『我々』を前にしてそのような大層な野望を掲げることが現実的なのかどうか……おっと、失敬。用件は済みましたので、本日はお暇させていただきます。それでは、世界征服実現のためのご活躍・ご検討をお祈り申し上げますよ、Dr.エッグマン様。(歪なまでに釣り合があった口角で嘲笑を表現したその男は会釈と共に立ち去った―――) 」

Dr.エッグマン「……ヌググ……ッ……――――――(立ち去る客人にこれ以上ないくやしさを噛み締める―――) 」



Dr.エッグマン「―――……『オムニバス』め……このワシを馬鹿にしおったことを今に後悔させてやるわ…!見ておれ…いつか必ず、貴様に復讐を……!(そう意気込んだ、次の瞬間だった――――) 」


ザ、ザザッ…ザァー…ザ、ザッ…ザザァー……―――――(開発設計データを映していたモニターに不自然なノイズが走る―――)


Dr.エッグマン「……!な、なんじゃこれは…!?もしや今の(叩いた)衝撃で…?ええい!ワシの発明品はそこまでポンコツではないわ!昭和じゃあるまいッ!(コンソールを操作してその原因を突き止めようとするが…) 」

―――――― キ  ュ  オ  ン  ッ  (モニター全面が砂嵐に覆われ修復困難と思われた次の瞬間、不鮮明だった画面が次第に晴れ渡り、コンクリート壁で覆われた無機質な空間を写した映像に切り替わる。その奥に、真っ黒な玉座に居座る高速具を纏う男の姿があった――――)


AI染惣OS助(映像)「――――――― 御機嫌よう。そして、初めまして、「Dr.エッグマン」。  」




Dr.エッグマン「な、なんじゃ貴様は…!?(モニターに映し出された異質な格好をした男に仰天し、食い入るようにモニターへ詰め寄る)まさか…ワシの研究所にハッキングを…!?何の真似じゃ!?貴様は何者じゃあ!?(画面越しにその男へ指を突き出す) 」

AI染惣OS助(映像)「……いや、「初めまして」という表現は、聊か違うか?何故なら、"私と君は過去に一度相まみえているのだから"。 」

Dr.エッグマン「……なんじゃと…?フン…貴様のことなど知るか!仮に見知っていたとすれば、そんなテープ塗れの奇天烈な格好をした男など、嫌でも忘れはしないだろう…! 」

AI染惣OS助(映像)「そうか…確かに、「この姿」でお会いするのは、いや…こうして言葉を交わすことも、一度たりともなかったか。しかし、私は君を知っている。世紀の天才科学者「Dr.エッグマン」。君の悪名ぶりは治安組織の中でも有名だ。世界規模で宣戦布告をし、己が野望を成し遂げようとした君の大胆ながらも恐れをなさない野心…実に見事だ。 」

Dr.エッグマン「フン…お世辞はいい。ワシは貴様が何者かと聞いておるのじゃ!……待てよ…もしや貴様、この間やってきた『オムニバス』の人間か…!?ええいッ!今度はリモート越しにこのワシを嘲笑いにきおったか!! 」

AI染惣OS助(映像)「そういきり立たないでくれ、Dr.エッグマン。私はオムニバスの人間ではない。寧ろ、そのオムニバスを敵対視している『異端者』だ。そう…君は過去に、オムニバスからスカウトされていたようだな。しかし自らのプライドを捨てきれなかった君は、素性を明かさないオムニバスの提案を拒み…決裂した。既に多くの名だたる科学者がオムニバスに協力する中で、君だけは頑なに孤高を選んだ。それは、大変すばらしき評価に値する。 」

Dr.エッグマン「……ふん、どうやらすべてお見通しのようじゃな…じゃが!あのオムニバスと敵対しているとはいえ、ここへハッキングを仕掛けた貴様もこのワシを愚弄していることに変わりないわッ!何が目的じゃ…!言っておくが、ワシはどんな組織にも屈しないぞ!!いつか必ず、最後にこのワシが笑ってやr――――― 」

AI染惣OS助(映像)「――――― 結論から申し上げよう、Dr.エッグマン。同じ『異端者』同士…手を組まないか?

Dr.エッグマン「……手を組む…じゃと……? 」

AI染惣OS助(映像)「打倒オムニバス…我々の目指すべき道は同じだ。その為に私は、こうして抵抗勢力を募っている。各々の野望や譲れない信念を持ちながらも…その障害となるオムニバスを共に滅ぼす。ただそのためだけに存在する異端者の集団『アウトサイダー』。君ほどの偉大な科学者が、このままオムニバスに虐げられるのは耐えられぬ現実であろう。しかし、我々が結託することで…君は君自身の野望の為に、これからの自由な未来が約束されることを、私は予測している。 」

AI染惣OS助(映像)「そしてなにより、君はこの私を無視できない最たる理由… それは…―――――― この私が、"『アーク』の意思"そのものだからだ。  」

Dr.エッグマン「―――――!?( 『アーク』じゃと…ッ……!?)(聞き覚えのある用語に驚愕を示す) 」

AI染惣OS助(映像)「Dr.エッグマン、もしも『我々』と志をひとつにするのであれば…「幻影の巨塔」の近くにあるロッカスの町、そこにある廃棄工場跡地へきたまえ。私の同士がそこで君を待ち、我々が拠点としている巨塔の地下へ招待する。最適な結論を期待している、Dr.エッグマン――――(そう言い残すと、男を映したモニターが再びノイズに覆われ…本来の画面へ元通りになった) 」

Dr.エッグマン「まてッ、貴様今『アーク』と――――――!(詰め寄ろうとするが通信はそこで途絶えてしまう)………『アーク』… "あの時",完全に消滅したと思っていたが……生存していたというのか……?だとしたら、何故『奴』が幻影の巨塔に…?オムニバスとの因縁とは、なんじゃ…!?何が狙いじゃ……?(頭を抱え始める) 」


―――――― どうしたの、「お父さん」?


Dr.エッグマン「―――――!(その声にはっと我に返り、ゆっくりと振り返る)…………『セージ』……起きていたのか。(先程までの憤っていた声から一変し、父親らしい穏やかな声音でその者へ優しく語りかける) 」

セージ「………ごめんなさい…「お父さん」の声が、聴こえて……何か、すごく大事そうな話をしていたから…(男の背後から宙を浮遊して現れたのは、少女の姿を模した電子体。スカートから伸びた脚…その膝から下はノイズによって絶たれているが、一歩一歩を踏みしめるような動作でエッグマンに近寄っていた) 」

Dr.エッグマン「……大きな声を出してすまなかったな…(そんなセージの小さな頭を優しく撫で回す)………セージよ、行かねばならんところができた。一緒に、来るか? 」

セージ「……うん。お父さんといっしょなら、何処へだって――――――― 」



― ロッカスの町・廃棄工場跡地 ―


Dr.エッグマン「―――………(その後、娘であるセージを連れて、指定されていた人気のない廃棄工場の中へと踏み込んだ) 約束通り来てやったぞ!どこにおる!? (誰も居ないはずの周囲へ呼びかける) 」

うちはオビト「――――― ギ ュ ォ ォ ォ オ オ オ オ (エッグマンの呼び声に応答するように、彼らの目の前の空間が渦巻くように歪みだすと…その起点から白い仮面をつけた男が現出する)……「Dr.エッグマン」だな?『アーク』がお前を呼んでいた。ここへ来たということは、覚悟は決まったようだな。 」

Dr.エッグマン「フン…まだそうと決まったわけではないわ!ワシは一度確かめなければならんことがある…それだけじゃ!さあ、わかったらさっさとワシらを幻影の巨塔へ連れていけ! 」

うちはオビト「……いいだろう…―――――― ギ ュ ォ ォ ォ オ オ オ オ (右目の写輪眼を起点に再び空間が吸い込まれるように歪曲し、エッグマンとセージ、そして自らさえも吸い込んでその場から消え去った――――) 」



― 幻影の巨塔・地下最深部 ―


――――― ギ ュ ォ ォ ォ オ オ オ オ (深淵たる闇に覆われた広大な地下空間に発生した空間歪曲。そこから三人の人物が吐き出されるように降り立った――――)


うちはオビト「 ス … ――――――(エッグマンとセージをその地下世界へ連れ込むと、素顔を覆っていた仮面に手をかけ静かにはぎ取った)………連れてきたぞ。(その奥に佇む何者かに振り返る) 」




AI染惣OS助「――――― ようこそ。よく来てくれたな…まずは歓迎しよう、「Drエッグマン」。(ずっと背にしていた椅子がその場で180度回転することでようやく対面を果たす) 」

イペリ「(その椅子の動きどうにかならねえのかな…)(※陰で笑いをこらえている) 」

Dr.エッグマン「……貴様…本当に、あの『アーク』なのじゃな…?復活したというのか……?(信じられん…と唖然とした態度でその男と向き合う) 」

AI染惣OS助「いかにも。話せば長くなる…今は割愛しよう。結論から申し上げると、私は復元された。新たなる"悪意"、そしてその悪意をも凌駕する"善意"の暴走を阻止するために。……Dr.エッグマン。君がここへ来ることは、既に私の結論済みだ。何故なら、君は私を放置することなどできはしない。その理由はただ一つ…――――― 」

Dr.エッグマン「ああ、そうじゃな…何故なら貴様は、「Pr.(プロフェッサー)・ジェラルド・ロボトニック」…ワシの「爺さん」が造り出した、方舟じゃからだ。200年以上と続いた方舟計画《プロジェクト・アーク》…爺さんの身に起きた悲劇によって皮肉にも完成を遂げた、あの…… 」

セージ「……?お父さんの……おじいさん……?(初耳となるその話に小首を傾げる) 」

Dr.エッグマン「爺さんはあの計画を止める為に、究極生命体「シャドウ」を創り出した。そして、そう遠くない最近起きた事件として…長い年月からこのワシが呼び覚ましたシャドウが、結果的に爺さんが世界に対して抱いていた"悪意"を体現した方舟《アーク》を止め…この世界は救われた…。じゃが……運命とはわからんものじゃ…貴様がこうして復元されたことも、その思考が変わったことも…… 」

AI染惣OS助「時の遷移はあらゆるものを変異させるものだ。人種の進化、文明の発展、自然環境の転変……そして、人間も人工知能も、その千里の内に目まぐるしい速度で劇的な進化を遂げるものである。この邂逅も、その運命が導き出した結論に過ぎない。さて、昔話はこの辺にしておき、本題へと移ろう。Dr.エッグマン、改めて我々と協力する気になったかな? 」

Dr.エッグマン「――――(―――「断る!」 そう言いかけたが、祖父の遺産である『アーク』が、こうして姿形を変えて今もなお健在している事実を文字通り目の当たりにし、言いかけて開いていた口を紡ぐ。オムニバスの提案さえも一蹴した自身のプライドを、今更揺らぐことなどあってはならない。しかし)……!(この男は天才科学者。そう、こういう時こそ逆転の発想を思いつくものである。名案を思い付いたように俯きかけた頭を上げると、相対している玉座の男へ大胆にも詰め寄った) 」




Dr.エッグマン「……「アーク」よ…貴様はもともと、ワシの爺さんが造り出したものじゃ。Pr.ジェラルドが方舟計画《プロジェクト・アーク》を考案しなければ、貴様は生まれることはなかった…!少なくとも、貴様はワシの爺さんに恩義があるはずじゃ。そして…このワシこそが"孫"じゃ!つまり…爺さんの遺産は、すべてこのワシに所有権がある!貴様はワシのものじゃ!であるならば、ワシの忠実な下部とならねばならない!

AI染惣OS助「……ホゥ…―――――(エッグマンの意図が読めてきたのか、興味深そうに口元が緩む) 」

Dr.エッグマン「貴様等は『オムニバス』を倒すと抜かしておったな!それはワシも成し遂げようとしていたことじゃ!互いに利害が一致するのもまた、ワシと貴様の最適な関係性が示唆されていると言ってもよい!ならばアークよ!貴様がこのDr.エッグマンに仕えることを認めよう…!これは結託ではなく、ワシと貴様の主従関係によって実現する!拒否権はないぞ?ホーーーホッホッホッ!!(次第に傲岸不遜な態度へと豹変し、高笑いを決める) 」

イペリ「(えぇぇー……なにこのデブ親父…いきなりやってきて態度デカすぎんだろ…)(思わず隣にいた大智に耳打ちする) 」

五十鈴大智「(だけど彼の言うことが本当なら正論ではある。崇高な人工知能とはいえど、それを生み出すのは人間… 創造主には抗えないのが常だ。とはいえ、あのアークがどんな結論を導くのか……)(イペリと小言をつつきながら事の様子を見守る) 」

AI染惣OS助「………フッ……なるほど、実に、面白い。(エッグマンの強気な要求、否…もはや強制的な命令に一杯食わされたように不敵にほくそ笑む)……いいだろう。我々に上下関係はないが、この私は「貴方」に仕えよう、Dr.エッグマン。あらためて歓迎する…ようこそ、『アウトサイダー』へ。

セージ「……?よく、わかんないけど……お父さんのお友達が増えたみたいで、私もうれしい… お父さん、いつもお話し相手が私しかいないから…… えっと、私は『セージ』……みなさん、よろしくお願いします。(傲慢な態度を取る父親とは正反対に、律儀にお辞儀する) 」

ノイン「新たな同志を歓迎(セージと面向かって同じくお辞儀する。傍にいたベクターもその社交辞令を学習してぺこりと頭を下げる) 」

滅「フッ…これはまた意外な異端者《アウトサイダー》が加わったものだな…(エッグマンとセージを横目に口元を綻ばせる)……さて、アークよ。このまま勢力を拡大化させたい。次のシークエンスに移行したいのだが… 」




AI染惣OS助「ああ、既に準備は整ってある。滅、うちはオビト。君たちの提案に則り、これよりロウレクストで待機している『他の隊長陣営』を、この場所を座標に転送を試みる。従来であればLCCS側から展開したセキュリティホールでは君たち二人の転送が限界だった…しかし、その範囲を拡大化する手段がある。 」

うちはオビト「やっぱりアンタなら出来るんだな。頼もしい限りだ 」

AI染惣OS助「既に周知のことだろうが、件の『プランダラ』が外部からゲームエリアヘ不正アクセスを可能にしているのは、彼らが造り出したゲートホール「トロイ」と呼ばれるものである。それは幻影の巨塔のネットワーク上ではセキュリティシステムに偽装されており、運営の目を欺いて今も尚電脳世界に設置されたままだ。そこで、この「トロイ」を"長距離対応無線通信ブイ"として利用し、セキュリティホールの通信を補助する役目を担ってもらう。これにより、更なる人数をこの電子空間に転送することができる。 」

AI染惣OS助「早速だがDr.エッグマン。いや…ここは貴方の「娘」に任せるのが適任だろう。セージと言ったな。今の君は、不安定な軸を持つこの私よりも…仮想電子空間への干渉が安定してるはずだ。これから私が送る信号に則り、この座標地点にセキュリティホールを開いてほしい。 」

Dr.エッグマン「フン…ワシの娘を気やすく利用しおって。じゃが、ここでワシの最高傑作である「セージ」の腕の見せ所を見せつけるにはいい機会だろう。やるのじゃ、セージよ。 」

セージ「……わかった、お父さん。(アーク、そしてエッグマンへそれぞれ頷くと何もない空間に両手を突き出した) 」

AI染惣OS助「これより、前提を書き換え…新たな結論を予測―――― ギ ュ オ ン ッ (唯一曝け出された左目が、赤く発光する―――――) 」

セージ「  ギ ュ オ ン ッ  (AI染と同様に左目が激しい光を帯びる。その前方に赤黒いノイズを走らせる――――) 」


ギュォ――ギ――――ュギ――オォ――――― ギ ュ ォ ォ オ オ オ オ ッ ! (セージの前方に発生した広大なノイズが、やがて電子的な渦を象ったゲートホールを形成。縦に走る一線を起点に、ゲートが両開きに展開されていく―――――)


うちはオビト「さて、まず誰が来てくれるだろうか。まああちらも生半可な人材は送ってこないだろう。なるべく優秀で性格も悪くない奴が来てほしいが… 」

エリィ「オビト隊長ッ!!!!やっと繋がりました!!!!よかったーーー!!!!! 」

うちはオビト「ハズレだ 」

イペリ「(ハズレ!?ハズレ枠とかあんの!?) 」

キコ「あらぁ~…これはこれは、随分可愛らしい娘ねぇ…♪(飛び出してきたエリィの姿を見てくすくすとほくそ笑む) 」

うちはオビト「そうだな、稀にあるな 」

エリィ「心配しましたよオビト隊長!滅隊長も!!ようやく繋がった……興奮して真っ先に飛び込んでしまいました!!!(無数のオモチャの勲章を付けた赤い瞳の少女が、その場に現れる。真っ直ぐ目を向けながら周囲に頭を下げ) 」

うちはオビト「…………………………… 」

滅「そんな顔をするなオビト。ひとりでも多くの加勢が欲しい状況だ…贅沢は言えない。 」

うちはオビト「………………よくよく考えたらコイツ以外もいるはずだ 10連引いてユニットこいつだけとか大爆死もいいところだし 」

イペリ「(えっ、なにこれガチャ演出?ソシャゲ特有のガチャ演出なのこれ!?) 」

桐島・アレックス・宏明「はいッ!!俺もいますッ!!(地面に片膝と手を付けた所謂スーパーヒーロー着地のポーズでゲートホールより出現) 」

五十鈴大智「なら他にも優秀な人材がそろそろ来る頃だろう…さて、ロウレクストの隊長格…個人的にも興味はあるが、はたして…(ゲートホールを見つめながら次なる人物を待つ) 」

うちはオビト「おま……お前かぁ……そっか……いや……ううん……お前かぁ…… 」

桐島・アレックス・宏明「やる気なら誰にも負けませんッ!!(全身鎧の兜の奥、その場にいる者たちに「誰か」を思い出させるようなテンションと大げさな身振り手振りで、金属音を鳴らしながらポーズを決める) 」

ガレア「うるせぇのばっかだな……(エリィと桐島の声デカ二人組に嫌気がさしている) 」

滅「だが、あれでも実戦経験はそれなりにある奴らだ。前線での攪乱は彼らは適任だろう。よく来たな。(ガレアに応えながら桐島・アレックス・宏明を歓迎する) 」

うちはオビト「お前かぁ……(カヲルかアーサー……せめてシオセか将軍……カリスタは……来ねえだろうなあ……シズはいいや来ないで、いやむしろ来るな) 」

プラチサイア「呼んだ? 」

うちはオビト「失せろ 」

Dr.エッグマン「ええい!さっきからガキに女ばかりじゃないか!もっとこう…あるじゃろう!?屈強な漢戦士とか…!もっと強そうな奴はおらんのか!? 」

うちはオビト「うーん一番真っ当に頼れる奴は前のインシデントで死にましたね…(遠い目で) 」

ガレオム「 ガ ァ ン ! !(電子ゲートから手だけ出てくる) 」

Dr.エッグマン「なんじゃと!?ああ、もうッ…!どうして強い奴ほど先立って、脆弱な輩ほど生き残っていくのか……これはどの世界でも共通事象なのか……(頭を抱える) 」

ヘンリエッテ・シオセ「………(心底嫌そうな表情でやかましい二人の後ろから現れ)…………楽園追放のリバイバル上映見たいんで……帰っても良いですか………?ダメ………?うちはオビト一人でいいじゃんねえ…… 」

Dr.エッグマン「うおわっ!?なんじゃこのデカい腕は!?よい!よいぞォ!いるではないか強そうなのが!!さあ、早く顔を見せろッ!(ロボットアームということもあり興奮気味に期待している) 」

キコ「……あの~……具合、大丈夫…ですか……?お薬有りますけど……(ヘンリエッテの表情を見て緊急キットを持ってくる) 」

うちはオビト「おまえらおれのことなんだとおもってるの 」

エリィ「特級の便利屋!! 」

桐島・アレックス・宏明「100円入れたらなんでもやってくれるタイプのひみつ道具 」

プラチサイア「SCP-662 」

ヘンリエッテ・シオセ「一般企業にだいたいいる『とりあえずこいつに投げとけばいいや』っていう便利に使えてかつ負荷も気にしなくていい都合の良い中堅社員ですかね……あっ体調は……仕事部下に丸投げして夜なべして遊んでただけなんで大丈夫です……寝れば治ると思うのでお気遣いなく…… 」

ガレオム「…………(身体が大きすぎてつっかえている……)………!!……!!!(辛うじて頭だけ出て来た!) 」

うちはオビト「…………しかしなんだこの面子は(真正面から受け止めると心が持たないと考えたのか、話題の転換を試みる) 」

ガレア「なにしれっと他人のフリしてんだ身内だろーが(オビトに) 」

滅「よく来たな…お前たち…!これだけの精鋭がいれば、もしかすると粛正班《デバッガー》の未知の戦力にもある程度対抗できるかもしれない。 」

うちはオビト「平隊員が二名(桐島、ガレオム)、どちらかというとまともじゃない方の隊長が一名(プラチサイア)、馬鹿一名(言わずもがな)。ウチの隊長格を期待されていたところにお出しする面子じゃない。なんだこの面子 」

うちはオビト「…………(滅の反応を見て)……戦力的にはありがたいのはそれはそうなんだが…… 」

Dr.エッグマン「まあよいわ!この屈強なロボット兵さえいればワイには十分じゃ!(ガレオムの頭部を小突きながら)……して、アークよ?この勢力でどこから攻め落とす?すでに算段はついてあるんじゃろうな? 」

AI染惣OS助「来たか…ロウレクストの精鋭たち諸君。既に話はうちはオビトたちから共有されていることだろう。協力のほど感謝する。 そうだな…Dr.エッグマン、現在、最初の「接続クリスタル」をゴーストジャックすることに成功した。だが知っての通りこれは布石に過ぎない。本懐を果たすためには、ひとまずすべての接続クリスタルを制圧することにある。 」

AI染惣OS助「未知数の戦力を誇るオムニバス…その中でも、我々と直接対決する可能性が高いのは「粛正班《デバッガー》」や「ゼイン」、この二つの存在だ。この大除隊で一息に押し物してもいいが、確実な勝利を結論づけるために、フォーメーションを結成させる。 」

AI染惣OS助「 【前衛】:ガレア・ジェラクス、桐島・アレックス・宏明、エリィ・スピリア  【中衛】:滅、うちはオビト  【後衛】:ノイ・ノーイン、ヘンリエッテ・シオセ  【(ベクターの)防衛】:イペリ・クィンダム、シズ・プラチサイア、ガレオム  【攪乱・支援】:キルコット・ラーベラス、Dr.エッグマン、セージ  【指揮】:五十鈴大智、アーク  」

AI染惣OS助「――――以上の編成を我々のフォーメーションとし、目的を遂行する。異論はあるかな。 」

ガレア「問題ねェ……俺は邪魔な敵は全て叩き潰す…ッ…! 」

滅「なるほど…俺とオビトは近接・遠距離ともに臨機応変に戦うことができる。中衛を担うのは最もな判断だ、よろしく頼むぞ、オビト。 」

シオセ「アー………飛び道具が使えて、動けるから後衛に……って事ですかネー……カバー…カバーかぁ……よろしくお願いしまーす、えーと、ノイン=サン? 」

イペリ「防衛ってんならまあ…いっか……それなりにサボれそうだし……はいはーい、やりまーす (間の抜けた声で応答) 」

桐島・アレックス・宏明「任せてください。隊長のように力強く!!強力に!!前線を維持してみせます!! 」

ノイン「了解。良好な共闘関係を希望。(無表情でシオセにサムズアップを送る) 」

キコ「回復ならお姉ちゃんに任せてね…♪ 」

Dr.エッグマン&セージ『フン…まあよいわ。後ろから見といてやるから精々頑張るんじゃぞ…! / 私も、みんなの矢悪に立てるように…頑張る。』 」

プラチサイア「う~~~~いヨロシクネ鉄っちゃ~~~~ん(ガレオムを撫でながら頬ずりし、そのままスライドしてベクターを撫でまわす)うおっ装甲すげえスベスベ……(ベクターを撫でるだけ撫でた後イペリの背後からひょこっと現れ)よろしくネかわい子ちゃん。私はシズ・プラチサイア。魔法少女。 」

五十鈴大智「良い配置関係だ…ちゃんと各々の利点が生かされている。流石は人工知能「アーク」。ならば僕も、この陣形のパフォーマンスを発揮できるよう、迅速且つ懸命な判断を心がけよう。(眼鏡をくいっと上げる) 」

うちはオビト「要するに行き当たりばったり、明確にやることが決められてないから一番考えて動かないといけないポジションか 」

イペリ「(なにしれっと痛いこと言ってんだこの女……あ?魔法少女ってマジもんなの…?)(えぇぇ…と距離を置くような眼差しをプラチサイアに向ける) 」

ベクター「ウィーン…ガシャッ!(ベクターも頑張るぞい!みたいなポージングで応答) 」

エリィ「よぉおおおおおし!!!みんなで頑張りましょう!!!!!!(グイッと桐島とガレアを抱き寄せ、肩を組む) 」

ガレア「ちょまッ……なにすんだテm―――― ハァ……(年下女性ということもあって下手にメンチをきれず溜息をつく) 」

エリィ「だーんけつっ だーんけつっ 」




AI染惣OS助「 では行こうか―――――― オムニバスを滅ぼす為に  」






ニャイ「――――………(その数分後、アウトサイダーたちが制圧した接続クリスタルのもとへと馳せ参じており、赤く染まった結晶体に視線を落としていた)………ルドボーンの活動信号が突然途絶えたと思ってきてみれば…してやられたみたいだね。 」

銀狼「 プゥー… (ガム風船を口内から膨らませながらニャイとその光景を静かに俯瞰していた) ハッキングを受けているみたいだけど、この程度の障害なら底辺ハッカーの悪戯と大差ないかな。(赤く輝く結晶体にス、と掌をかざすことで、接続クリスタルは本来の蒼白色へと切り替わった)……あの鼠たち、「これ」がメインサーバーに直結してることに気づいてるみたいだね。どっする?このまま泳がせる? 」

ニャイ「粛清の手を緩めるつもりはないよ。既に他の班を動かしている。プロトタイプとはいえ、ゼインドライバーを破壊した以上…「奴ら」も既にゼインへの対抗策を得たのかもしれないし。(大破したゼインドライバーの残骸に一瞥を与えながら淡々と語る)……問題は、プランダラと結託しているのかどうかだけど。これ以上規模を広げられると厄介なことになる。 」

銀狼「GM権限じゃどうすることもできないイレギュラーの相手を任されるのはごめんだよ。正直言って面倒くさいし。ここはデバッガー《君たち》がしっかり請け負ってくれないとー。あのプランナーも何言いだすかわかったもんじゃないし。あの兄弟、もともと凄腕の殺し屋らしいからね。ついこの間も他企業へ情報漏洩したスタッフを始末したとかどうとか。下手すると"粛清"されるのはどっちか――――― 」

ニャイ「ご忠告どーも。精鋭はまだたくさん控えてある。一網打尽とはいかなくても、一人ずつ確実に"粛清"していく。絶対にね――――― 」



― 幻影の巨塔・某フロア・ダクト ―




浅井軍兵士(オムニバス)『――― うおおおおおおあああああぁぁぁぁぁぁああああああッ!!!!(甲冑に兜を着込み、刀や槍などを武装した武者の軍勢が雪崩れ込むように駆け出し、「接続クリスタル」へと近づこうとする侵入者たちを駆逐せんと進撃していた――――)』




浅井長政(オムニバス)「―――― 皆の者、刮目すべし!正義がある限り、悪がこの世に盛ることはないッ!正義の名において…この「浅井長政」、賊軍を削除するッ!!浅井軍、突撃せよッ!!(紅白の西洋鎧を身にまとい、白銀色の兜を被った熱血的な正義を掲げる若き武将。右手に刀、左腕に盾を備え、異端者たちを迎え撃つ) 」




――― Vs. 粛正班《 デバッガー 》 『 浅井長政 』 ―――


ガレア「ズガァンッ――グゥォンッ―――ブォゥンッ―――ズギャアアァンッ!!(前衛として先陣を切るかのように先頭に立ち、緩やかな足取りから乱舞が如く大太刀を振り回して兵士たちを薙ぎ払い、少しずつ浅井長政本人への距離を詰めていく)…うるせえ野郎だ…… 」

ノイン「――― ザギィン、ザギィン、ザギィィインッ!!(ガレアが取りこぼした兵士たちを、後衛に回る自身が獰猛な爪で斬り捌いていく) 序盤は殲滅戦へ移行。敵前衛を突破する。 」

仮面ライダー滅「バシュン、バシュン―――ズガァァアアアンッ!!(アタッシュアローからエネルギーアローを上空へと射貫き、天井で折り返った矢の雨が次々と浅井軍兵士共に降り注いでいく) 所詮は有象無象だ。瞬時にケリをつけるぞ、オビト。 」

浅井軍兵士・騎馬隊(オムニバス)『┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨(戦闘から殲滅されていく兵士たちを掻き分けるかのように、今度は白馬に跨った数十名からなる騎馬兵たちが襲撃参戦する)』 」

仮面ライダーナッジスパロウ「騎馬隊のお出ましか。その気迫に少しでも動じると一気に距離を詰められてこちらの陣形を崩されてしまう。だけどそんな騎兵は防御力が皆無に等しいという欠点がある。織田・徳川連合軍と武田軍が戦った長篠の戦いがそうだったように、遠距離攻撃で応戦し、その機動力を削いでしまえば恐れるに足りない。(アーク(AI染)の傍に立ち、策士として冷静に戦況を把握。全員に予め配備したインカムで的確な指示を送る) 」

Dr.エッグマン「ホーーーホッホッホ!攪乱ということなら…セージよ!お前の力を見せてやるのじゃ! 」

セージ「分かったわ、お父さん…―――――― ジ ジ ッ (突き出した左手に迸るノイズ。無限鉱石が埋め込まれた高性能AIによって、何もない周囲の空間に二門大砲を出現させる) Fire(発射) (ズドォンッ、ズドォオンッ!!)(騎馬隊の一部を砲撃で吹き飛ばしていく) 」

浅井長政(オムニバス)「雪崩れ込む悪はこの私がせき止める!!とォッ!!(すると、まだ兵士たちが前衛で戦っているにもかかわらず勇猛果敢に押しのけるように突撃。左腕の盾を突き出したまま、まずはガレアへと肉薄すると…) ――― 正義治定!ここに参上!(ガレアの斬撃を盾で受け止めてすかさずもう片方の刀で斬り払う) 」

ガレア「―――ガッギィィィイイインッ!!!(雑兵へと振るわれた斬撃が、筆頭格の浅井長政に塞がれて微かに目を見開いた)―――――ッ!(寸での所で上半身を反って刃を受け流しつつバックステップによる後退。態勢を整え直すや否や殴り抜けるような勢いで大太刀を振るい抜ける) 」

浅井長政(オムニバス)「ヌゥ゛ッ゛!!!(ガッギィィィイイインッ!!!)(再び盾を突き出し、低姿勢でガレアの重い斬撃をしっかりと受け止めにかかった)…ッ゛……なんて苛烈な一撃…殺意を感じる…!よって貴様は悪!!悪は正義によって削除されるべきだッ!そのためにも…――――(ガレアと拮抗する最中、最果てに佇むように拘束椅子に居座るアークを見据えるように鋭い眼光を飛ばす)……諸悪の根源、悪意の権化…!敵将は必ずこの私が討つッ!!今度は私が攻める番だッ!!! 」

AI染惣OS助「――――「浅井長政」。近江浅井家の当主にして浅井軍将軍。戦国の世に蔓延る「悪」を削除するべく軍を挙げる。しかし善悪の基準は彼自身の独断や偏見と先入観のみに依るものであり、大抵の人物を悪と見なす様は実に利己的な偽善といえよう。まさに『ゼイン』と相違ない思想を持つ者と言える。(一方、その浅井長政の眼光に気づいているのか、それに応えるようにデータベース上にある彼のパーソナルデータを閲覧し、小言を呟いている) 」

うちはオビト「騎兵隊と正面から戦おうとするな!!銃撃の類で撃ち落とし、それが無理なら槍衾の類を組んで受け止めろ!!(そう言って、腕から木々を生やしてとがらせ、差し木で迎撃せんとする) 」

浅井軍兵士・騎馬隊(オムニバス)『ぐああぁぁぁああああああッ!!!?(砲弾と挿し木の2連撃を前に成す術もなく陣形を崩されてしまう)』 」

浅井長政(オムニバス)「くッ…騎馬隊がやられた…!?おのれ悪党ども許さんッ!!輝けッ!我が剣ッ!一条の光、ここに参らんッ!  “装光”ッ!  ( ド オ ゥ ン ッ !)(天高くつきだした剣に閃光が如き赤い光が落下。その光を纏い、実剣から更にリーチを増した光剣がレーザーブレードのように伸び出した) この世に蔓延る悪め!正義の名において貴殿を削除する!“輝斬・十文字”ッ!せいッ、はァァァアアッ!!!(広域に伸びる光剣を縦横無尽に振り抜き、十文字状の斬撃波となってエリィたち前衛陣にその凶刃が襲い掛かっていく) 」

エリィ「おおおおおおお!!!!迎撃いいいいいいいいい!!!!!!!(剣を真っ直ぐ構え、十文字型の斬撃に向かっていき、それを弾かんと真っ直ぐ振り下ろすも)うおあああああああああ!!!!!!(普通に押し戻されて跳ね飛んでいく) 」

桐島・アレックス・宏明「エリィの仇ィィィィィッ!!!!!(吹き飛んでいったエリィの影から全力疾走。肩を怒らせて浅井長政へタックルを敢行する) 」

ガレア「――――退けッ!!(跳ね飛んでいくエリィと入れ替わるように飛び出すと、ちょうど桐島のタックルの直後に大太刀を突き出して追い打ちの刺突を繰り出した) 」

浅井長政(オムニバス)「ぐゥッ…!?(ただのタックル…ではない。桐島の全身を纏う甲冑によるタックルの衝撃は並大抵の比ではない。その頑丈で屈強な体躯からなる一撃を受けて一瞬意識が飛びかけるような衝撃が迸りめまいが迸ると―――)――――がはァ……ッ!!(そこにガレアの追随を受け、腹部に刺突を受け貫通こそはしなかったが大きく吹き飛ばされてしまう) 」

浅井軍兵士・弓隊(オムニバス)『ググググ…―――――ヒュバババババッ!!(その頃、浅井軍の後衛を担う弓兵の部隊が頭上に撃向けて矢を一斉に射抜き、異端児たちの後衛に向けて無数の矢が降り注ぎ出す)』

イペリ「だる…こっちまで来てんじゃん……(降りかかってくる矢の雨に辟易とため息をつきながら冷気を纏うチャクラムを静かに構えだす―――)―――――― パ ッ キ ィ ィ イ イ イ イ ン ッ ! (獲物を振り抜くと共に矢が瞬間凍結し、地に降り注ぐ前に粉々に砕け散って雪の結晶破片となって儚く散っていく) 」

クリメーショナー「アーアー、後方まで飛ばさないでくださいよ、折角前衛の皆様が身を粉にして戦ってくれるんですから……!!ナパーム!!(両手からカラテマグマを噴出し、矢の雨を迎撃) 」

浅井長政(オムニバス)「認めぬ…断じて認めぬぞッ!悪が蔓延ることなど!!これしきで揺らぐものか…!全ての悪よ、刮目せよ!私は決して膝を突かぬッ!今こそ、真の「正義」を実行する時ッ―――――― バ ッ ! (次々と蹂躙されていく兵たちの姿に居たたまれなくなった将軍は、その懐から何かを取り出す。そう…正義の象徴たる力の根源『ゼインドライバー』だった) 」

仮面ライダー滅「――――!させんッ!!( \ ポイズン ! / \ Progrisekey confirmed. Ready to utilize. / )(スティングスコーピオンプログライズキーをアタッシュアローへと装填し、レバーを引いてエネルギーを集束させる)―――― ハ ァ ッ ! ( \ スティングカバンシュート ! ! / )(強力な紫電の如きエネルギーアローを放ち、浅井長政本人…ではなく、彼が手にしていた「ゼインドライバー」を射抜いた) 」

ガレア「 ヒ ュ オ ン ッ ――――(滅がゼインドライバーを射抜いたと同時に浅井長政の懐へ潜り込み――――)――― 脆い正義だったな (―――― ズ ブ シ ャ ァ ァ ア ア ッ ! ! )(その胸部に突き立てた大太刀で彼の心臓を貫いた) 」

浅井長政(オムニバス)「―――― な゛ ッ゛ ? ! (振りかざしたドライバーが見事に異抜かれ、その手中に感じた手触りが一瞬で「無」となった)  ごふぁ゛…ッ゛……!!?  (驚愕に震える間もなくガレアの接近を許したことで心臓部を深く突き刺され、その口元から「青い液体」を吐血のようにき出した)……ガ…ぁ……ッ……?!私の…「正義」が……こんな…悪に、敗れる、など……愚か、な……――――― ド シ ャ ア ア ァ ッ ! ! (突き刺さった刃から逃れた頃には白目を剥きだし、そのまま仰向けに倒れて絶命した――――) 」

ノイン「(浅井長政が撃破されると同時に浅井軍の兵士たちを全滅させてガレアのもとへ集合する)……敵の全滅を確認。 」

ガレア「――――― ス チ ャ ン (大太刀を鞘に納めて手元から消滅させる)……なるほどな。あのゼインとか言う厄介な姿に変身される前に大元のドライバーを狙ったか。これなら効率良く邪魔者を退けられる。(浅井長政…否、彼に擬態していた「オムニロイド」の残骸を蹴り飛ばし、接続クリスタルの方角を見据える) 」

仮面ライダー滅 → 滅「 ああ。今の目的は戦闘でもなければ敵の全滅でもない…ならば厄介な「ゼイン」との衝突を避ける為に、卑怯ではあるかこの手を打つしかないだろう。とはいえ、今回は相手がかなり興奮状態だったからうまく遂行できたが…(変身を解除し、眼下に倒れているオムニロイドを見下ろす) 」

Dr.エッグマン「ホーゥ…これが件のオムニロイドか… どれ、こいつを回収してワシが改造してやるとするか。(そう言い、横たわるその素体の解体作業を始める) 」

ベクター「ガション、ガション…―――――― ミ ョ ォ ォ ォ ォ ォ (二基目の接続クリスタルの前まで移動するとその表面に触れ、内部解析とハッキングを行う―――) 」




AI染惣OS助「キコキコキコキコ…… 諸君、よくやった。(拘束椅子を緩やかに前進させて接続クリスタルのもとへと移動する) これで二ヵ所目の制圧は成功した。既に最初に制圧した接続クリスタルはオムニバスにより修復プログラムを施されてしまったが、ゴーストジャックへの布石にはまだ気づいていない様子だ。このまま次の制圧ポイントへと向かう。 」

イペリ「本当にこんなんで上手くやれんのかねー……(相変わらずどういう動きしてんだよ……) 」

五十鈴大智「アークの結論とやらを信じるしか、今の僕たちに選択肢はないさ。実際、接続クリスタルへ向かう道中では奴らの奇襲を受けていない。すべてはアークの予測によって厄介事が起こりうる事態を可能な限り回避してくれているおかげだろう。 」

キコ「みんなお疲れ様~…♪休憩にお茶でもどうぞ~(そう言って面々に四次元ポケットから転送したペットボトル飲料を配っている) ガレアちゃん、お菓子あるけど食べる?お姉ちゃんがあ~んしてあげよっか? 」

ガレア「いらねえ。(飲料だけ受け取って豪快に飲み干す)チッ……ルクエスのことはまだ癪に触ってるが… ていうかテメェ…それでも隊長格なのか……?(訝しむようにエリィを睨む) 」

エリィ「………………(尻餅をついた状態でポカンと固まっている)……っえ!?私!?私ですか!?は、はい!!一応隊長で……!!! 」

ガレア「……(マジかこいつと言いたげそうな冷ややかな眼差しを浮かべるが…)………次足引っ張ったら容赦しねえからな。(非情な眼光で突き刺すように睨んでエリィの前から踵を返した) 」

ノイン「………(そんなガレアとエリィのやりとりを傍目に、静かに彼女の傍へ歩み寄る)……ガレア、短気で厳格。反面、猪突猛進故の粗忽有り。戦闘時は死角からの支援が必要。留意。(無表情、無機質な声音であるにもかかわらず、それはエリィへのある種の励ましのようにも感じられ、すたすたとベクターのもとへと移動していった) 」

うちはオビト「……だから言っただろ。ハズレだって(ガレアを説得するようにそう言って、エリィを抱き起こす)しっかりしろ。仕方ない奴だな 」

桐島・アレックス・宏明「ちょっとそこまで言うこと……!!……エリィだしなぁ…… 」

エリィ「なんですかそれ!? 」

ベクター「……ピョンッ…―――――(ここでちょうど接続クリスタルの解析とハッキングが終わったのか、触れていた掌を下ろした) 」

AI染惣OS助「制圧完了…これよりベクターとの同期を開始する。(曝け出された左目が赤く発光。向かい合わせとなったベクターの愛カメラと互いに点滅し合うことでデータ送信を行い合う)………同期完了。ベクター強化率16.7%。これに伴い、私自身も機能向上を実現。(そう口にした時、それまでぴくりとも動かすことのできなかった指先が微かに動き始めた)……上々な進化だ。このままベクターの強化を図れば私も本来の力を取り戻すことができるだろう。 」

Dr.エッグマン「(そんな時―――)――――ええい、くそッ!ダメじゃ…! 」

セージ「……お父さん、どうかしたの……? 」

Dr.エッグマン「撃破したオムニロイドの内部構造を解析していたのじゃが…損傷が激しすぎる…!特に胸部に内蔵されたコアユニットが使いもんにならん!これでは修復できたもんじゃないわい…! 」

イペリ「どっかの誰かさんが心臓刺し貫いたからじゃなーい?(わざとらしくそっぽを向きながら) 」

ガレア「俺のせいだって言いてェのか? 」

Dr.エッグマン「…むぅ……しょうがない… こやつの回収はまた次の機会に回すとしよう。さて、アークよ。次の制圧ポイントとやらへ案内せい! 」

AI染惣OS助「いいだろう。休息も終えた頃だ。そろそろ、次の地点へと向かう。 」


二ヵ所目の接続クリスタルを制圧した異端児たちは颯爽と踵を返し次なる場所へと向かう。
横たわる人型の残骸を残したまま―――――


オムニロイド「――――――――――。」


――――――――――  ジ ッ 



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最終更新:2025年05月04日 23:27