島村卯月は走り続けていた。先ほどのゴブリンたちや奇妙な言葉を話し続ける女性から逃げるために走り続けていた。
(怖い……怖い……怖い!)
今の彼女は恐怖におびえており、その顔にはいつもの笑顔はどこにもなかった。
そうして走り続けたことにより彼女の足は限界を迎え、そのまま転んでしまった。
そしてその時、彼女のデイバッグから氷を思わせるデザインをしたビンが飛び出してきた。
卯月は転がり落ちたそのビンと、それに付属していた説明書を読んだ。
その説明書の中には「飲んだ人の身体を、理想のボディに作り変える」と書かれていた。
正常な判断力があればおかしいと思い絶対に飲まないはずなのだが、彼女はこの異常な状態に疲弊しておりそんな判断力は残っていなかった。
そして彼女は折れてしまった鼻を直したいと思ってその怪しい薬を飲んだ。飲んでしまったのだ。
彼女が怪しい薬を飲みほした後、その身体には大きな変化が現れた。
まず彼女の髪が次第に白くなっていき、茶色がかった銀髪へと変化した。
そしてそのあと、彼女の肌が雪のように白くなっていった。
そうやって身体の変化が終わった後、彼女は突然頭を押さえ始めた。
「あ、頭が割れるように痛い!………わたしは……わたしはだれなんですか!?」
なんと、先ほどの怪しい薬の副作用として彼女は記憶を失ってしまったのだ。
そして彼女の叫び声とともに、再び彼女の周りにはゴブリンたちが集まってしまった。
彼らは頭を押さえている卯月に対して舌なめずりをしていた。
彼らは逃げ続ける彼女をずっと見ていた。そして、彼女が動けなくなる絶好の機会を待っていたのだ。
そうして絶好の機会が現れたので、彼らは卯月の前に姿を現したのだ。
しかしそんな彼らに対し、頭を押さえるのをやめた彼女は冷ややかな目でそれを見つめていた。
まるで相手を凍てつかせるような冷たい目だった。
そして彼女は自分のデイバッグから、先端が雪の結晶のようになっている杖を取り出して彼らへと向けた。
そしてその瞬間、彼女の周りに集まっていたゴブリンたちの身体が凍り付いた。
彼らは凍り付いた自分の身体に驚いていると、突如として彼らの頭上に巨大な氷が降ってきて彼らはそのまま砕け散ってしまった。
そうして砕け散ったゴブリンたちの身体を、彼女は見下ろしていた。
いや、厳密には彼女は死んだゴブリンたちに何の関心も寄せておらず、その死体たちを見下していたのだ。
「ふんっ……全く、汚らわしいですね。なんでこのような生き物が存在するのか不思議です」
彼女は吐き捨てるかのようにそう言った。その姿に彼女が持っていたはずの優しさなど、どこにも存在しなかった。
「しかし……わたしはだれなんでしょうね?……確か、ここは殺し合いの会場で……ここにいるみんなを殺せばどんな願いも叶えてくれるんでしたよね?」
そして卯月は、自分の失われた記憶についてたどりながら、ここがどのような場所でどのような状況にあるかを整理していた。
「では……優勝して自分の記憶を取り戻しましょう。……今はそれしか方法がありませんし」
自分がたどった記憶からこの殺し合いと優勝した際の報酬のことを思い出し、彼女は失われた記憶を取り戻すべく殺し合いに乗ることにしたのだ。
―― こうして太陽のような笑顔をした『シンデレラ』は消え去り、代わりに氷のように冷酷な『雪の女王』がこの地に誕生したのだった……。
【7-H 砂浜/深夜】
【島村卯月@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:『禁断の薬』による記憶喪失および性格・容姿の変化
[装備]:フリーズロッド@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:自分の記憶を取り戻すべく、優勝する。
1:頭が…痛い…。わたしは……わたしはだれなんですか!?
2:ここにいるみんなを殺せば……わたしの記憶は戻るんでしょうか……?
[備考]
『禁断の薬』を飲んだことにより記憶喪失となっています。またそれに伴い冷酷な性格に変化しています。
そして薬の効果により全身が"氷の魔法使い"として作り替えられたため傷が完治しております。
【島村卯月@アイドルマスター シンデレラガールズ】
[状態]:『禁断の薬』による記憶喪失および性格・容姿の変化
[装備]:フリーズロッド@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1
[思考・状況]基本行動方針:自分の記憶を取り戻すべく、優勝する。
1:頭が…痛い…。わたしは……わたしはだれなんですか!?
2:ここにいるみんなを殺せば……わたしの記憶は戻るんでしょうか……?
[備考]
『禁断の薬』を飲んだことにより記憶喪失となっています。またそれに伴い冷酷な性格に変化しています。
そして薬の効果により全身が"氷の魔法使い"として作り替えられたため傷が完治しております。
【ランダム支給品】
【禁断の薬@モンスター烈伝オレカバトル】
ある人魚が「愛する人と一緒にいたい」と思い、母である『氷の魔皇』から盗んだ薬。
ある人魚が「愛する人と一緒にいたい」と思い、母である『氷の魔皇』から盗んだ薬。
しかし人間になる代償として『愛する人との記憶』と『優しい心』を奪われ、そのまま母に洗脳され人類の敵となる結果を招いた。
そして最終的に「愛する人」が彼女たちを倒すために怪物となり『氷の魔皇』ともども彼女を殺した後、
怪物となった代償として次第に人の心を失っていき、その結果新たな魔王として君臨するなどありとあらゆる悲劇の引き金となった。
怪物となった代償として次第に人の心を失っていき、その結果新たな魔王として君臨するなどありとあらゆる悲劇の引き金となった。
なお原作では死ぬ間際に『記憶』と『優しさ』を取り戻したが、今回の殺し合いではどうなるか不明(後続の書き手にお任せします)。
【フリーズロッド@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド】
ヘブラ山山頂の氷を精錬して作られたといわれる超低温の冷気を広範囲に発射する魔法の杖。
ヘブラ山山頂の氷を精錬して作られたといわれる超低温の冷気を広範囲に発射する魔法の杖。
本来は込められた冷気が尽きると砕け散り使用不能となるのだが、"氷の魔法使い"となった卯月は自在に冷気を生み出すことができるため
実質無制限に使用可能となっている。
実質無制限に使用可能となっている。
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るりまの刃 チョコレート味 | 島村卯月 | 022:炎と氷 |