下町シンは、不幸に見舞われた少年だ。
彼は父を早くに亡くし、病弱な母を新聞配達で養う生活を送っていた。
だがその生活を苦に思っていたわけではない。
本当の不幸は、その後だ。
ある日突然母が発狂し、車道に飛び出して交通事故で死んだ。
その出来事は、小さな心を絶望で塗りつぶすには充分だった。
シンは、自らも死を選ぼうとしていた。
彼がバトルロワイアルに参加させられたのは、そんなタイミングだった。
彼は父を早くに亡くし、病弱な母を新聞配達で養う生活を送っていた。
だがその生活を苦に思っていたわけではない。
本当の不幸は、その後だ。
ある日突然母が発狂し、車道に飛び出して交通事故で死んだ。
その出来事は、小さな心を絶望で塗りつぶすには充分だった。
シンは、自らも死を選ぼうとしていた。
彼がバトルロワイアルに参加させられたのは、そんなタイミングだった。
◆ ◆ ◆
「どんな願いでも……叶う……」
虚な瞳で、シンは呟く。
「優勝すれば、どんな願いでも叶える」。
乃亜のその言葉に、シンの心は揺らいでいた。
「優勝すれば、どんな願いでも叶える」。
乃亜のその言葉に、シンの心は揺らいでいた。
(実際に、あの子は一度殺した子を生き返らせた……。
あの子は、死んだ人間も生き返らせられるんだ。
なら、母ちゃんも……)
あの子は、死んだ人間も生き返らせられるんだ。
なら、母ちゃんも……)
本来のシンは、優しさと正義感を持った人間である。
彼が万全な状態なら、殺し合いに乗ろうなどとは考えなかっただろう。
だがここにいる彼は、極限まで追い詰められた状態だ。
悪魔のささやきに耳を貸してしまっても、無理はない。
彼が万全な状態なら、殺し合いに乗ろうなどとは考えなかっただろう。
だがここにいる彼は、極限まで追い詰められた状態だ。
悪魔のささやきに耳を貸してしまっても、無理はない。
「どうせ生きてたって仕方ないんだ……。
やってやる……勝ち残ってやる……」
やってやる……勝ち残ってやる……」
拳を握りしめ、シンは決意を口にする。
「へえ、君も勝ち残るつもりなんだ」
その時、シン以外の声がその場に響いた。
シンが声の方向に視線を送ると、そこには派手な色の服と帽子を纏った少年の姿があった。
見た目の年齢はシンと同じくらいか、少し下だろうか。
シンが声の方向に視線を送ると、そこには派手な色の服と帽子を纏った少年の姿があった。
見た目の年齢はシンと同じくらいか、少し下だろうか。
「じゃあ、まずはオイラと勝負しようぜ」
少年の言葉に、シンは焦る。
まだ自分は、持ち物のチェックすらしていない。
なんの武器もない、素手の状態だ。
対する少年は、勝負を挑んでくるくらいだから何かの武器を持っているはず。
正面からやりあっては、分が悪い。
まだ自分は、持ち物のチェックすらしていない。
なんの武器もない、素手の状態だ。
対する少年は、勝負を挑んでくるくらいだから何かの武器を持っているはず。
正面からやりあっては、分が悪い。
(ここはいったん、逃げた方が……)
決断を下すシン。
だが彼がその決断を実行に移すより早く、金属の塊が彼の顔面を砕いていた。
だが彼がその決断を実行に移すより早く、金属の塊が彼の顔面を砕いていた。
「え……?」
自分に何が起こったのかもわからないまま、派手に血をまき散らしてシンは絶命した。
◆ ◆ ◆
「なーんだ、ただのザコか。だったらもうちょっといたぶってから殺せばよかったよ」
物言わぬ死体と化したシンを見下ろしながら、少年は呟く。
彼の名は、鈴駒。
見た目では人間と区別がつかないが、妖怪である。
しかも幼い容姿に見合わず、高い戦闘力の持ち主でもある。
彼の名は、鈴駒。
見た目では人間と区別がつかないが、妖怪である。
しかも幼い容姿に見合わず、高い戦闘力の持ち主でもある。
「強い敵と戦いたいわけじゃないけどさー、絶対勝てるザコ相手でもつまんないよねー。
適度な手応えっていうかさー」
適度な手応えっていうかさー」
そう愚痴る鈴駒の姿は、とうてい人を殺した直後には見えない。
当然だ。妖怪に人間の倫理観は備わっていない。
当然だ。妖怪に人間の倫理観は備わっていない。
「せっかくの楽しいイベントの前に、無理矢理連れてきたんだからさ。
その分は楽しませてもらわないとね」
その分は楽しませてもらわないとね」
鈴駒は「六遊怪」というチームの一員として、妖怪たちの格闘大会である「暗黒武術会」に参加するはずだった。
そこで見せしめである人間のチームと1回戦で当たるという幸運に恵まれ、楽しみにしていた。
しかしその直前に、彼はここに連れてこられてしまった。
そこで見せしめである人間のチームと1回戦で当たるという幸運に恵まれ、楽しみにしていた。
しかしその直前に、彼はここに連れてこられてしまった。
「じゃあ、そろそろ行くか。
あ、その前にあいつの荷物を回収しておかないとね。
使い慣れてるヨーヨーが支給されてたのは良いんだけど、なんでこんなに重いのさ、これ。
妖力流せば、なんとか使えるけどさー。
やっぱりいつものやつの方が……」
あ、その前にあいつの荷物を回収しておかないとね。
使い慣れてるヨーヨーが支給されてたのは良いんだけど、なんでこんなに重いのさ、これ。
妖力流せば、なんとか使えるけどさー。
やっぱりいつものやつの方が……」
文句を垂れ流しながら、鈴駒はシンのランドセルをあさる。
結果として、彼が望むようなものは見つからなかった。
結果として、彼が望むようなものは見つからなかった。
「まあ、そう都合よくはいかないか……。
いざというときは、素手で戦えばいいんだし……。
切り替えて、次に行こう!」
いざというときは、素手で戦えばいいんだし……。
切り替えて、次に行こう!」
飄々とした態度を崩さずに、鈴駒はその場を去った。
【下町シン@妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS 死亡】
【鈴駒@幽遊白書】
[状態]健康
[装備]キルアのヨーヨー@HUNTER×HUNTER ×2
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~5
[思考・状況]基本方針:優勝を目指す
1:いつものヨーヨーがほしい
[備考]
※参戦時期は暗黒武術会1回戦の開始直前
[状態]健康
[装備]キルアのヨーヨー@HUNTER×HUNTER ×2
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~5
[思考・状況]基本方針:優勝を目指す
1:いつものヨーヨーがほしい
[備考]
※参戦時期は暗黒武術会1回戦の開始直前
【キルアのヨーヨー@HUNTER×HUNTER】
爆弾魔との戦いに備え、両手を負傷していたキルアが調達した武器。
特殊な合金でできており、1個50㎏という異常な重量を誇る。
爆弾魔との戦いに備え、両手を負傷していたキルアが調達した武器。
特殊な合金でできており、1個50㎏という異常な重量を誇る。