世界は変わった。でも僕は、元に戻ってしまった。
聖剣マスターソードと共に時を超え、魔王ガノンドロフを倒した。
そして現代に戻り、魔王の悪事を事前に告発し、悲劇を未然に防いだ。
魔王は処刑され、未来で巨悪に苦しめられ、殺されるはずだった人を何十人も何百人も守った。
それが僕の勇者としての役割だった。
そして現代に戻り、魔王の悪事を事前に告発し、悲劇を未然に防いだ。
魔王は処刑され、未来で巨悪に苦しめられ、殺されるはずだった人を何十人も何百人も守った。
それが僕の勇者としての役割だった。
でも、そんなことは僕にはどうでも良かった。
平和になった世界で、僕は勇者じゃ無くなってしまった。
当然と言えば当然だ。この世界で魔王は悪事を為す前に処刑され、僕が魔王を倒して世界を救った事実も消えたのだから。
ダルニアやルトは僕を認めてくれるかもしれない。
けれどそれは勇者ではなく、友達や恋人、恩人としてだ。
決して、世界を救った勇者としてではない。
当然と言えば当然だ。この世界で魔王は悪事を為す前に処刑され、僕が魔王を倒して世界を救った事実も消えたのだから。
ダルニアやルトは僕を認めてくれるかもしれない。
けれどそれは勇者ではなく、友達や恋人、恩人としてだ。
決して、世界を救った勇者としてではない。
平和な現代に戻って数日経った後、相棒のナビィが姿を消していた。
何処を探してもいなかった。数少なく、未来での僕を知っている友だったというのに。
何処を探してもいなかった。数少なく、未来での僕を知っている友だったというのに。
(勇者じゃ無くなった僕は、一体何なんだ?)
数少ない友を探す中、僕は気が付いた。
最初は悪に苦しめられている人を助けたくて勇者として戦おうとしたのに、次第に勇者であるために戦い続けていたことを。
最初は悪に苦しめられている人を助けたくて勇者として戦おうとしたのに、次第に勇者であるために戦い続けていたことを。
誰でも良かった。
僕のことを、僕の勇者として生きたことを知っている相手を。
そうじゃなければ、何のためにコキリの森を出たのか分からないから。
僕のことを、僕の勇者として生きたことを知っている相手を。
そうじゃなければ、何のためにコキリの森を出たのか分からないから。
この殺し合いで人を助け、悪を討てば、再び勇者として見てくれる者が現れるかもしれない。
でも、元の世界に帰れば?
助けられた者達とは、もう会うことは出来ず、ガノンドロフを倒して現代に戻った後と変わらないんじゃないか?
でも、元の世界に帰れば?
助けられた者達とは、もう会うことは出来ず、ガノンドロフを倒して現代に戻った後と変わらないんじゃないか?
そんなことを考えながら歩いていると、僕の目の前には知っている人の姿が飛び込んできた。
ハイラル城の中庭で出会った、良く知っている少女だった。
彼女はまだ、僕が勇者だということを知っている数少ない人だ。
僕がナビィを探しにハイラルを発つと言った時に、オカリナを改めて渡してくれた思い出が、ずっと昔のように感じる。
眠っているようだが、起こせばいい。そしてまた彼女を守ろう。
ハイラル城の中庭で出会った、良く知っている少女だった。
彼女はまだ、僕が勇者だということを知っている数少ない人だ。
僕がナビィを探しにハイラルを発つと言った時に、オカリナを改めて渡してくれた思い出が、ずっと昔のように感じる。
眠っているようだが、起こせばいい。そしてまた彼女を守ろう。
「ゼルダ姫!!」
返事は無かった。
こんな場所に急に閉じ込められれば、気疲れするのも無理はない。
こんな場所に急に閉じ込められれば、気疲れするのも無理はない。
「僕だ。リンクだよ。無事でよかった、僕が……」
気づいてしまった。
いや、信じたくないから、気づかないふりをしていた。
彼女の胸部から脇腹にかけて走った、深い裂傷を。
いや、信じたくないから、気づかないふりをしていた。
彼女の胸部から脇腹にかけて走った、深い裂傷を。
彼女の腕を握った。
皮膚は爬虫類のように冷たく、脈は無かった。
あっさりと、こともなげに。
僕が守った証が、僕が勇者だという証が、簡単に壊れていた。
皮膚は爬虫類のように冷たく、脈は無かった。
あっさりと、こともなげに。
僕が守った証が、僕が勇者だという証が、簡単に壊れていた。
「うわああああああああああ!!!!やめろやめろやめろ!!ふざけるな!!!」
辺りに人がいる危険も顧みず、叫んだ。
夢ではない、嘘ではない。
冷たくなった皮膚の感触と、肉の焼け焦げる臭いが、これでもかというほど現実を突き付けてくる。
いや、嘘になってしまった。僕が勇者だったという事実が、嘘になってしまった。
夢ではない、嘘ではない。
冷たくなった皮膚の感触と、肉の焼け焦げる臭いが、これでもかというほど現実を突き付けてくる。
いや、嘘になってしまった。僕が勇者だったという事実が、嘘になってしまった。
「僕の大切な人を返せ!!でなきゃ誰も彼もぶっ殺してやる!!!!」
涙は止め処なく溢れ、声が枯れるまで叫んだ。
分かっている。それが勇者らしくない言葉だって。
彼女の分まで前を向いて生きると、そう言えればいいって。
でも、僕はこの世界で勇者になって、また元の人間に戻ってしまう事実より、ハイラルで勇者だった事実の方が大事だった。
大切な人も守れず、勇者の名声も失い、僕が積み上げたものは無くなってしまった。
分かっている。それが勇者らしくない言葉だって。
彼女の分まで前を向いて生きると、そう言えればいいって。
でも、僕はこの世界で勇者になって、また元の人間に戻ってしまう事実より、ハイラルで勇者だった事実の方が大事だった。
大切な人も守れず、勇者の名声も失い、僕が積み上げたものは無くなってしまった。
いや、在るとするなら。
――優勝者にはどんな願いも叶えてみせる。
許しがたい悪の誘いに乗るなんて、少し前の僕なら思ってもいなかっただろう。
でも、あの時確かに掴めた理想を、再び掴めるのなら。もう見られないはずの彼女の笑顔を見られるというのなら。
でも、あの時確かに掴めた理想を、再び掴めるのなら。もう見られないはずの彼女の笑顔を見られるというのなら。
人を殺すことになったとしても、最後の一人になろう。
今までずっと他人のために生きて来た。今ぐらいは自分の願いを叶えるために戦っても良いじゃないか。
今までずっと他人のために生きて来た。今ぐらいは自分の願いを叶えるために戦っても良いじゃないか。
は、と冷たい笑みがこぼれた。
何の皮肉か、目的もなく、幽鬼のようにふらふらとしていた僕が、久方ぶりに目的を手にしたのだ。
何の皮肉か、目的もなく、幽鬼のようにふらふらとしていた僕が、久方ぶりに目的を手にしたのだ。
「さてと、行こうか。」
支給された袋に入っていた、毒々しい色をしたナイフを腰に差し、歩き始めた。
これは、僕という人間が、再び勇者になるまでの物語。
これは、僕という人間が、再び勇者になるまでの物語。
【ゼルダ@ゼルダの伝説 時のオカリナ】死亡
【リンク@ゼルダの伝説 時のオカリナ】
[状態]:精神崩壊(大)
[装備]:こあくまのナイフ@DQ8 空と海と大地と呪われし姫君
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝し、勇者だった自分に戻る
[備考]
エンディング後、子供時代への帰還~ムジュラの仮面開始までのいずれかの時期の参戦です。
[状態]:精神崩壊(大)
[装備]:こあくまのナイフ@DQ8 空と海と大地と呪われし姫君
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝し、勇者だった自分に戻る
[備考]
エンディング後、子供時代への帰還~ムジュラの仮面開始までのいずれかの時期の参戦です。
ゼルダの死骸があった場所から、1ブロックほど離れた所。
ランドセルを背負った少年が、ゼルダの支給品を開けていた。
その姿は、学校からの忘れ物をしてないか確認している少年そのものだ。
だがぎらついた両目と、歪んだ口元は、殺人者だという証左だった。
ランドセルを背負った少年が、ゼルダの支給品を開けていた。
その姿は、学校からの忘れ物をしてないか確認している少年そのものだ。
だがぎらついた両目と、歪んだ口元は、殺人者だという証左だった。
(まずは1人…思ったより楽だったがまだ先は長そうだな。)
彼はずっと、一人で家族を求め続けた。
そのために力を手にし、何でも願いを叶えてもらえる禁貨を集めようとした。
そのために力を手にし、何でも願いを叶えてもらえる禁貨を集めようとした。
この殺し合いは、元の世界にあったバンカーサバイバルとは違うとはすぐに分かったが、彼のやることは変わらない。
今も昔も、アンチョビは家族を取り戻すために、戦い続けるだけだ。
今も昔も、アンチョビは家族を取り戻すために、戦い続けるだけだ。
【アンチョビ@コロッケ!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~6(ゼルダの分もあり)
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝し、家族を取り戻す
[備考]
バンカーサバイバルで、コロッケに敗れた、海岸に打ち上げられた後からの参戦です。
究極体の制限の有無は、後続の書き手にお任せします。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~6(ゼルダの分もあり)
[思考・状況]基本方針:殺し合いに優勝し、家族を取り戻す
[備考]
バンカーサバイバルで、コロッケに敗れた、海岸に打ち上げられた後からの参戦です。
究極体の制限の有無は、後続の書き手にお任せします。