「どうしよう、またへんなことにまきこまれちゃった……」
そうポツリとこぼすのは金髪パッツンの10歳ほどの少女。魔法の世界は銀の城のお姫様、フウカはしきりに首輪を気にしながらトボトボと赤い町を歩いていた。
ことはつい先日、母親に没収されたゲーム機を取り返しに行ったら封印されていた闇の魔女を復活させてしまったことにある。あの時も外れない腕輪をつけられて、謎の遊園地で心と体を殺しに来る闇の魔女・メガイラに襲われた。幸運なことに、巻き込んでしまった頼りになる仲間たちが助けてくれ、数々の殺人アトラクションからメガイラの心の闇とその中にある光に気づき、フウカ自身も光の魔法に目覚めたことで事なきを得た。
しかし、今回はもっと危険な何かを感じていた。
ことはつい先日、母親に没収されたゲーム機を取り返しに行ったら封印されていた闇の魔女を復活させてしまったことにある。あの時も外れない腕輪をつけられて、謎の遊園地で心と体を殺しに来る闇の魔女・メガイラに襲われた。幸運なことに、巻き込んでしまった頼りになる仲間たちが助けてくれ、数々の殺人アトラクションからメガイラの心の闇とその中にある光に気づき、フウカ自身も光の魔法に目覚めたことで事なきを得た。
しかし、今回はもっと危険な何かを感じていた。
────とここまではマイナーなキャラにありがちな原作あらすじ説明である。
このままでは禁断の登場話二度打ちになるので、詳しくは劇場アニメ『らくだい魔女 フウカと闇の魔女』のホームページを見てほしい。
最近の児童文庫の映像化はかつての読者だった大人をメイン層にしがちであるが、このアニメは本編も60分で内容も子どもに向けたストレートな友情と優しさの物語なので、ぶっちゃけPVを見れば繋ぎぐらいなら書けるし、1時間で把握もできる。もちろんめちゃくちゃ面白い。
更に原作本を読めばより詳細なバトルの水準や設定を理解でき、元となった原作での2巻までは新装版で本屋さんに並んでいるので入手も容易だ。
コマーシャルもねじ込めたので本編に戻る────
このままでは禁断の登場話二度打ちになるので、詳しくは劇場アニメ『らくだい魔女 フウカと闇の魔女』のホームページを見てほしい。
最近の児童文庫の映像化はかつての読者だった大人をメイン層にしがちであるが、このアニメは本編も60分で内容も子どもに向けたストレートな友情と優しさの物語なので、ぶっちゃけPVを見れば繋ぎぐらいなら書けるし、1時間で把握もできる。もちろんめちゃくちゃ面白い。
更に原作本を読めばより詳細なバトルの水準や設定を理解でき、元となった原作での2巻までは新装版で本屋さんに並んでいるので入手も容易だ。
コマーシャルもねじ込めたので本編に戻る────
「あのノアって男の子、メガイラと似てる感じがした。つらくて、かなしいって気持ち……あの子もメガイラみたいに……?」
この前の冒険を通しての成長がフウカにそう感じさせる。
奇しくもメガイラの境遇は、長年一人だけの世界にいるしかなかった故の孤独から狂気に染まり、その狂気を向けた者たちの友情と結束を見たことで人の優しさと温かさを取り戻したというもの。
それはかつてアルカトラズで遊戯たちに破れ人間として死んでいった乃亜と重なるものだ。
だからだろう、ノアからはメガイラと同じものを感じずにはいられなかった。特殊な境遇であるがゆえに、纏う空気や言動まで似通うのかもしれない。もちろんフウカにそこまでのことがわかるはずもないが、ただ豊かな感受性が直感としてノアの歪められた心を感じていた。
奇しくもメガイラの境遇は、長年一人だけの世界にいるしかなかった故の孤独から狂気に染まり、その狂気を向けた者たちの友情と結束を見たことで人の優しさと温かさを取り戻したというもの。
それはかつてアルカトラズで遊戯たちに破れ人間として死んでいった乃亜と重なるものだ。
だからだろう、ノアからはメガイラと同じものを感じずにはいられなかった。特殊な境遇であるがゆえに、纏う空気や言動まで似通うのかもしれない。もちろんフウカにそこまでのことがわかるはずもないが、ただ豊かな感受性が直感としてノアの歪められた心を感じていた。
「ノアも同じなのかも。いったい、どんな子なんだろう。あ、そうだ。」
相手のことを知ることは、相手のしたいことを知ることに繋がる。なにかノアのことがわかるものはないかと考えたところで、気がつけば自分の近くにあったカバンに思い至る。あまり最初の話をしっかり聞いていなかったが、たぶんこれはノアからのアイテムとかだろうと思って開けてみた。
中身はあまり面白みのないものだ。タブレットはなんか高機能そうだが、他は質は良さそうだけど高級そうには見えない文房具に、水と食べ物。殺し合いというよりはピクニックみたいな用意だが、それなの陰にあったものを引きずり出した時に唖然とした。
中身はあまり面白みのないものだ。タブレットはなんか高機能そうだが、他は質は良さそうだけど高級そうには見えない文房具に、水と食べ物。殺し合いというよりはピクニックみたいな用意だが、それなの陰にあったものを引きずり出した時に唖然とした。
「うわぁ、きゅうに大きくなった! 魔法がかかってたんだ。」
「で、これって……土の入った、ふくろ?」
「で、これって……土の入った、ふくろ?」
出てきたのは土嚢だった。水害が起きたときとかに川に積まれる馬鹿でかいタイプのあれである。
なんだってこんなもんをくれたんだろうとフウカは困惑する。もしかしたら中に何か特別なものが入っているのかもしれないが、パッと見は単なる土嚢である。
なんだってこんなもんをくれたんだろうとフウカは困惑する。もしかしたら中に何か特別なものが入っているのかもしれないが、パッと見は単なる土嚢である。
「ほ、ほかにもなんかあるよね! えっと。くだもの?」
次に出てきたのは、いわゆる『悪魔の実』というものである。ちなみにちゃんとなんの実かも書かれた紙が貼ってあったのだが、土嚢を出すときにどっかに行ってしまっている。
いったいこれはなんの果物だろう、なんか普通じゃなさそうだし美味しくもなさそうなのでとりあえずカバンにしまうことにした。
いったいこれはなんの果物だろう、なんか普通じゃなさそうだし美味しくもなさそうなのでとりあえずカバンにしまうことにした。
「ほ、ほ、他にもなんかあるよね! 土とくだものだけってわけじゃ……きゃっ!」
「クソっ、ハズした。」
「クソっ、ハズした。」
カバンにしまうために屈んだことがフウカの命運を分けた。頭の上を何かが通り過ぎっていった。思わず尻餅をついて見上げると、背後にあった土嚢の外側に何か鉄っぽいものが突き刺さっている。それがクナイという武器だとはわからないが、それでも聞こえてきた声からわかる。
自分は今、攻撃されている!
自分は今、攻撃されている!
「あ、あなただれ!? もしかして、あたしを襲ったのって。」
「え、そりゃ、そうだよ! オレだよ!」
「な、なんでなんか投げたの?」
「そりゃころ、殺すためだよ。」
「ええっ!? じゃ、じゃあ殺し合いに乗ってるの?」
「いや、乗ってるわけじゃ、いや、乗ってはいるんだけど、ああもう調子狂うな! とにかく今からお前殺すからな!」
「そんなのやめようよ! なんでもするからゆるして!」
「そんなこと言われても……ん? 今何でもするって言ったよな? じゃあお前、なんでもいいから知ってることを話せ。あのノアって奴のこととか、誰かと会ったとか。」
「なんでもいいから知ってることって言われても、会ったの君がはじめてだよ。」
「お前使えねえな!」
「そんなこと言わなくたっていいじゃん! カバンの中見てたんだもん!」
「じゃあもう何が入ってたか話せ!」
「これと! これ!」
「どれだよ!」
「だから! この土と! くだもの!」
「土と果物!?」
「え、そりゃ、そうだよ! オレだよ!」
「な、なんでなんか投げたの?」
「そりゃころ、殺すためだよ。」
「ええっ!? じゃ、じゃあ殺し合いに乗ってるの?」
「いや、乗ってるわけじゃ、いや、乗ってはいるんだけど、ああもう調子狂うな! とにかく今からお前殺すからな!」
「そんなのやめようよ! なんでもするからゆるして!」
「そんなこと言われても……ん? 今何でもするって言ったよな? じゃあお前、なんでもいいから知ってることを話せ。あのノアって奴のこととか、誰かと会ったとか。」
「なんでもいいから知ってることって言われても、会ったの君がはじめてだよ。」
「お前使えねえな!」
「そんなこと言わなくたっていいじゃん! カバンの中見てたんだもん!」
「じゃあもう何が入ってたか話せ!」
「これと! これ!」
「どれだよ!」
「だから! この土と! くだもの!」
「土と果物!?」
半ギレになってフウカは後ろの土嚢とカバンから取り出した悪魔の実を見せる。既に襲われたことは頭から半分消えて、変なものを渡された挙句知らない男の子にバカにされた怒りでムキになっている。
「ほら、これ! このおいしくなさそうなくだもの! あとは文房具と水と食べ物とタブレットだよ!」
「お前……」
「お前……」
なのでカバンを持って男の子の前まで行き広げてみせる。それを見て、男の子ことうちはオビトは毒気を抜かれた顔になった。
まさか手に武器を持つ自分の間合いまで入ってきて、ムキになってカバンの中身を見せてくるとは。その気になれば次の瞬間に、このクナイを首に突き刺せるというのに。
まさか手に武器を持つ自分の間合いまで入ってきて、ムキになってカバンの中身を見せてくるとは。その気になれば次の瞬間に、このクナイを首に突き刺せるというのに。
「お前バカなんだな。」
「なっ! バカって言う方がバカなんだよバカバカバカバカ!」
「なっ! バカって言う方がバカなんだよバカバカバカバカ!」
写輪眼を解除して呆れて言うオビト。更にムキになるフウカを前に、気がつけばクナイをホルスターに戻していた。
「わかった、俺がわるかったよ。ゴメンなさっきは突然襲って。落ち着いて話聞かせてくれればいいからもう。」
「ウルルル……」
「ウルルル……」
面倒くさくなって宥めて話を聞くことにする。なおも威嚇の声を上げるフウカを丸め込もうとする声からは殺気が消えていることに、フウカは気づいていてもオビト自身は気がついていなかった。
「クソっ、何だったんだ、さっきの。あれも幻術なのか? それともこっちが幻術か? チクショウ! 頭もおかしくなっちまったのか!?」
バトル・ロワイアルの会場に解き放たれた当初のオビトは混乱の真っ只中にあった。
昇進したはたけカカシをリーダーに野原リンとのスリーマンセルで挑んだ任務で命を落とした。と思ったらなぜか生きていた伝説の忍うちはマダラに助けられ、体の半分をこれまた伝説の忍千住柱間の細胞を移植することで再生、リハビリした。と思ったら今度はリンがカカシに殺されるところに遭遇、その場にいた霧隠れの忍共を殲滅したと思ったらあのノアとか言う奴に殺し合えと言われていた。
あまりに色々起こりすぎて自分が何か幻覚を見せられているのではと疑ってしまう。彼の一族でも限られた者が持つ万華鏡写輪眼ならばこれほどまでに精密な幻覚も見せれることもあり、今のこの現状が果たして真実なのか自信がない。
昇進したはたけカカシをリーダーに野原リンとのスリーマンセルで挑んだ任務で命を落とした。と思ったらなぜか生きていた伝説の忍うちはマダラに助けられ、体の半分をこれまた伝説の忍千住柱間の細胞を移植することで再生、リハビリした。と思ったら今度はリンがカカシに殺されるところに遭遇、その場にいた霧隠れの忍共を殲滅したと思ったらあのノアとか言う奴に殺し合えと言われていた。
あまりに色々起こりすぎて自分が何か幻覚を見せられているのではと疑ってしまう。彼の一族でも限られた者が持つ万華鏡写輪眼ならばこれほどまでに精密な幻覚も見せれることもあり、今のこの現状が果たして真実なのか自信がない。
「どっからが幻術だ? そういや、リン達のところに行くときに変なのが見えたけど、アレからか?」
「だったらヤバい。早く解かねえと。でもどうすればいい? 言われたとおりに殺せば解けるのか……」
「だったらヤバい。早く解かねえと。でもどうすればいい? 言われたとおりに殺せば解けるのか……」
悩むオビトだったが、忍特有の感覚が微かな振動を捉えた。今の彼は裸足なのもあり、フウカが土嚢を出したときの振動を逃さず感知したのだ。
町のビルや家の屋上を跳ねるように駆ければ、直ぐにフウカを見つけられた。写輪眼で確認してみる。変わったチャクラだが、中々の量を持っていそうだ。おそらく忍だろう。
町のビルや家の屋上を跳ねるように駆ければ、直ぐにフウカを見つけられた。写輪眼で確認してみる。変わったチャクラだが、中々の量を持っていそうだ。おそらく忍だろう。
「……気づくなよ。」
まるで素人のように口に出して言う。手の震えが止まらない。とりあえず一人殺す、殺して幻術か確かめる、どうせこのあたりに火の国の民間人はいない、そう思ってるのに、体が言うことを聞いてくれない。
「クソっ、似てねえだろ全然! 全然リンには! 髪の色ぐらいじゃねえか!」
ここに来る直前、自分が持っていた死体の重さを感じてしまう。片思いの相手は、自らライバルに殺されることを選んだ。あの光景は夢なのか現実なのか判然としなくても、あの感触、あの重さは真実である。
もう一度フウカを見る。変なくだものを引っ張り出している彼女の金髪が目につく。前髪パッツンの髪型など彼女には似ていないのに、ただ金髪、金髪であるだけで震えてしまう。
もう一度フウカを見る。変なくだものを引っ張り出している彼女の金髪が目につく。前髪パッツンの髪型など彼女には似ていないのに、ただ金髪、金髪であるだけで震えてしまう。
(当たれっ!)
オビトは振り払うようにクナイを投げた。これ以上彼女を見ていると自分の中の最後の何かが壊れてしまいそうになる。
「──っていうことがあったから、ノアもメガイラみたいな……って聞いてる?」
「……ああ、悪い、少し考え込んでた。」
「……ああ、悪い、少し考え込んでた。」
フウカの声でオビトは我に返った。
あのあと結局オビトはフウカを殺すことができず。なし崩し的に情報交換となっている。その過程で彼女が忍界とは別の魔法の国なるところで暮らしていることを知り、完全に殺すタイミングを逸していた。辺境の方では忍術とはかなり毛色が違う術もあるらしいので、そういうものだと納得する。フウカが風の魔法を使ってみせたことで、それを風遁の変形だと認識したため勘違いが拡大していた。
あのあと結局オビトはフウカを殺すことができず。なし崩し的に情報交換となっている。その過程で彼女が忍界とは別の魔法の国なるところで暮らしていることを知り、完全に殺すタイミングを逸していた。辺境の方では忍術とはかなり毛色が違う術もあるらしいので、そういうものだと納得する。フウカが風の魔法を使ってみせたことで、それを風遁の変形だと認識したため勘違いが拡大していた。
「オビト、だいじょうぶ?」
「……! ヘーキだって! ほら、それよりお前の仲間について聞かせてくれよ。」
「……! ヘーキだって! ほら、それよりお前の仲間について聞かせてくれよ。」
フウカに顔をのぞき込まれて慌ててごまかす。どうしても、彼女の姿が死んだリンに重なる。そして金髪の風遁使いというのが、師である波風ミナトを思い起こさせる。
気がつかないうちにフウカを殺せなくなっていることに無自覚なまま、オビトは心をかき乱され続けていた。
気がつかないうちにフウカを殺せなくなっていることに無自覚なまま、オビトは心をかき乱され続けていた。
【フウカ@劇場アニメ らくだい魔女 フウカと闇の魔女】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、土嚢@現実、悪魔の実(不明)@ONE PIECE
[思考・状況]
基本方針:まきこまれてる子たちといっしょににげる。
1:オビトと話す。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、土嚢@現実、悪魔の実(不明)@ONE PIECE
[思考・状況]
基本方針:まきこまれてる子たちといっしょににげる。
1:オビトと話す。
【うちはオビト@NARUTO─ナルト─】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:とにかく情報集めて幻術かどうか判断する。
1:フウカと話す。
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:とにかく情報集めて幻術かどうか判断する。
1:フウカと話す。