コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

不良と良子

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匿名ユーザー

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 もしそこを通りかかる人間が居れば、そのあまりの怒気に恐れ慄くだろう。
 海馬乃亜、殺し合いと言われたこの状況、自分が誘拐され首輪を付けられている事実、最初の会場で起きた惨事。全てが彼女の逆鱗に触れるものだった。

「畜生ッ!」

 メイド服にスカジャンを装った奇抜な格好の少女。名は美甘ネルと言った。

「まんまとやられちまったなぁ…………。チッ、ちょっと落ち着かねえと」

 ネルの性格上、自分だけならまだしも他人の命を弄ばれるとなると、到底許されないものとなる。ましてやルフィとエースという少年に行われた悪趣味極まりない行為。キヴォトスという物騒な世界、その上Cleaning&Clearingのリーダーという荒事には慣れきった立場ではあるものの、命を奪うという行為は何よりも重く、何よりも許されないもの。

「(あの場所にはだいたいあたしと同じ様な背丈の奴しか居なかったな……てことは他のC&Cのメンバーはいないと考えた方がいいな)」

 Cleaning&Clearing。通称C&C、メイド服を装うミレニアムのエージェント集団。メンバー間のコンビネーションから生まれる力は大いなるものだが、それが単独では弱いという事にはならない。

「…………首洗って待ってろ、海馬乃亜」

 ランドセルに入っていた愛銃を天に向け、呟く。荒くれた性格だが、その正義感は確か。海馬乃亜はネルの“掃除”対象となった。
 直後ランドセルを配られていることもチビ扱いされてると感じて蹴り飛ばしかけたがすんでのところで止まった。

「(……しっかし、ここからどうするか)」

 名簿を確認しようとしてみたものの、第一放送まではロックという設定にされている。知り合いが居ようとも知る術はまだ無い。かといってカイバノアへ挑む方法も無し。

「(……取り敢えずここら動き回って、誰か見つけるか)」

 そう思い辺りを見回す。高低差のある地帯。深夜、辺りは暗いものの何か建物がある様子は無い。だが、静か。

「(……ん?)」

 だから微かに聞こえる足音も、聞き逃すことはなかった。
 目を凝らすと、何者かがこちらに近づいているのが見えた。だがこちらの存在に気付いている様子はない。背丈はやはり低く、スカートを装っている。少しコンタクトを取ってみる事にした。

「おい、そこのチビ」

 目を凝らし、様子を見る。少女は少し驚いた様に立ち止まったが、すぐにこちらへ駆けてきた。
 やがて姿がはっきり見えてくる。そこで気付いたが、おそらくキヴォトスの人間ではない。よく考えてみれば海馬乃亜も、ルフィもエースもキヴォトスの人間には見えなかった。恐らくキヴォトス外の人間も多く集められている、むしろ逆にキヴォトスから来た自分が珍しい側だと考えることにした。それにルフィには腕を伸ばすと言う特殊な能力がある所を目撃している。未知なる力を相手にする万が一に備え、銃をいつでも構えれる体勢になるが――

「す、すみませんっ!えっと、お姉……あっ、吉田優子って人を見ませんでしたか!?」

 見た目通りの、幼なさそうな声と、単なる人探しの質問。まず敵意はないものと捉えた。

「ここで会ったのはあんたが初めてだ」
「そ、そうですか……ありがとうございますっ」
「ん、おい待て」

 そのまま立ち去ろうとする少女をネルは引き止める。

「こんな場所なのに1人で行動しようとするな。それに、人探ししてんだろ?」
「え、えっと……はい」
「名前、私は美甘ネルだ。あんたの名前を教えな」
「美甘さん……えっと、良は吉田良子って言います」

 少女、吉田良子はそう名乗り、ぺこりとお辞儀をした。

◇◇◇


 良子の心は穏やかではなかった。小学生の身にこの状況、当然と言えば当然だが何よりこの殺し合いには最愛の人物が巻き込まれている可能性があるのだ。
 最愛の人物、自らの姉、吉田優子。彼女自身、誘拐され殺し合いを命じられる様な行動は普段からしていないはずだった。だが心当たりがあるといえばあり、それは姉になる。姉は立派なツノを備えた偉大なまぞく。まぞくという性質は多魔市では珍しくはないもののそこらにありふれている存在という訳ではない。悪者に狙われる可能性は存分にある。何せそのまぞくの妹である自分がここに居る以上姉も巻き込まれている可能性が存分にあるのだ。

 だから、名簿も見れない今は姉をひたすら探し回るしかない。あまり居てほしくはないものの、姉の友人である桃さんやミカンさんが居れば心強いし、正直こんな状況小倉さんみたいな親しい人が隣にいて欲しい。しかしその恐怖も姉への感情でなんとか誤魔化し、歩みを進めていた。
 そこでかけられた声。暗闇の中、突然だった為驚きはしたもののこちらに害を与える者がわざわざ声をかけることはないと認識し、姉のことを尋ねた。
 良子にとって、その後のネルの反応は予想外ではあったが。

「こんな状況で姉の心配して話しかけてくるってよ、結構度胸いる事だろ」
「あ……う、えっと」
「まだチビの癖にやるじゃねえか。ははっ、ぜってえ良い妹を持ったって思われてるぜ。あたしも手伝ってやるから、一緒にあんたの姉ちゃん探しに行くぞ」

 笑顔を向けながら、ネルは良子の頭を軽く撫でる。
 ネルはミレニアム最強のエージェント。その名を聞いた者はたちまち怒りっぽい性格と恐ろしいほどの実力に圧倒されるばかり。
 だがただ強いだけの人物ではない。強き心は認め、弱き心は守る。自らが持つ力を、ネルは正しく使う。
 良子にはネルの様な力はない。だがその姉を想う気持ちと勇気をネルは認め、素直に褒めた。護ると決めた。

「……はいっ、ありがとうございます。美甘さん!」
「あー……堅苦しい。ネルって呼びな」
「あっ……じゃあネルさん!」
「おうよ!」

 良子の心も焦燥感から徐々に解放されていく。姉と同じくらいの身長の、姉と同じくらい頼りにできそうな人。そんな人が自分の助けになってくれる安心感。

「良も……出来ることをやります!」
「ははっ、あたしだけで十分……って言いたいところだがその言葉貰っとくぜ」

 まず、姉探し。姉が居たとも居ずとも次には打破。ミレニアムの不良と町角の良い子2人、手を取り合った。


【美甘ネル@ブルーアーカイブ-Blue Archive- 】
[状態]:健康
[装備]:ツイン・ドラゴン@ブルーアーカイブ-Blue Archive-
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いの打破
1:良子と行動。良子の姉を探す。
2:首洗って待ってろ、海馬乃亜。
3:キヴォトス外の力に警戒。
[備考]
※参戦時期は少なくともメインストーリーvol.2『時計じかけの花のパヴァーヌ編』第2章終了後。

【吉田良子@まちカドまぞく】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:無事に帰る。お姉(吉田優子)やみんながいれば勿論一緒に。
1:ネルさんと行動。お姉を一緒に探してもらう。
2:お姉……。
[備考]
※参戦時期は原作6巻終了後。


【ツイン・ドラゴン@ブルーアーカイブ-Blue Archive- 】
美甘ネルに本人支給。
ネルが扱う2丁のサブマシンガン。黄金の龍の文様が特徴的。

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