「やれやれ、随分と物騒なことに巻き込まれたな」
金髪の少年が、やれやれとくたびれた様子でため息をつく。
その様子には、少年らしからぬ大人びた余裕と風格が備わっていた。
彼の名はフィン。
とある世界の神、ロキの眷族であり、ロキを旗印とするファミリア、その団長である。
その様子には、少年らしからぬ大人びた余裕と風格が備わっていた。
彼の名はフィン。
とある世界の神、ロキの眷族であり、ロキを旗印とするファミリア、その団長である。
「あの乃亜という少年、神を名乗っていたが…」
神という存在を知るフィンは、最初の場所に現れた乃亜について考える。
あの少年からは神威のようなものは感じられなかった。
神威を隠していたという可能性も自らが神を名乗っている以上、可能性は低い。
単なる自称か、それとも…
あの少年からは神威のようなものは感じられなかった。
神威を隠していたという可能性も自らが神を名乗っている以上、可能性は低い。
単なる自称か、それとも…
「誰か来たね」
前方に足音を確認したフィンは、支給された槍を構えつつ慎重に歩く。
やがて見えてきたのは、一人の少年の姿。
やがて見えてきたのは、一人の少年の姿。
(!この少年は…)
フィンは軽く驚く。
その少年の見た目は幼く、ファミリア入団直後のアイズと同じくらいかちょっと上くらい。
自分のような小人族ではなくヒューマンのようであるし、フィンの知らない人外でなければ、見た目相応の年齢だと思われる。
しかし、その見た目にそぐわず、その実力は…見ただけで分かる。
その少年の見た目は幼く、ファミリア入団直後のアイズと同じくらいかちょっと上くらい。
自分のような小人族ではなくヒューマンのようであるし、フィンの知らない人外でなければ、見た目相応の年齢だと思われる。
しかし、その見た目にそぐわず、その実力は…見ただけで分かる。
(僕と同等…あるいはそれ以上か。彼は…強い)
「うおおおおおお!」
少年は叫び声をあげながら切羽詰まった様子でこちらに近づいてくる。
それに対し、フィンは警戒を強めるが、
それに対し、フィンは警戒を強めるが、
「うおおおおおお!」
「……え?」
「……え?」
少年はこちらを見向きもせず、すぐそばにあった家に入った。
呆気に取られつつフィンも後を追って家に入る。
しばらくして、少年を見つけると、
呆気に取られつつフィンも後を追って家に入る。
しばらくして、少年を見つけると、
「ふー、間に合ったあ」
少年はトイレで小便をしていた。
どうやら走っていたのはこの家のトイレを借りるためだったらしい。
どうやら走っていたのはこの家のトイレを借りるためだったらしい。
「…ん?トイレ待ってるのか?俺は終わったからもういいよ」
「…いや、遠慮しておくよ。それより、話がしたいんだけどいいかな?」
「…いや、遠慮しておくよ。それより、話がしたいんだけどいいかな?」
フィンの中で、この少年への警戒はほとんど消えていた。
毒気を抜かれたといっていい。
毒気を抜かれたといっていい。
「うん、いいよ」
「僕はフィン、まずは君の名前を教えてくれるかな」
「俺はコロッケ、バンカーのコロッケだ!」
「バンカー?」
「僕はフィン、まずは君の名前を教えてくれるかな」
「俺はコロッケ、バンカーのコロッケだ!」
「バンカー?」
こうして、ロキ・ファミリア団長フィン・ディムナと、バンカー・コロッケは邂逅を果たしたのだった。
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「なんでも願いを叶える神、ね…」
「うん、禁貨ってコインをバンクって貯金箱にいっぱいにしたら、なんでも願いを叶えてくれるんだ」
「うん、禁貨ってコインをバンクって貯金箱にいっぱいにしたら、なんでも願いを叶えてくれるんだ」
フィンは、コロッケからバンカーとそれにまつわる話を聞いた。
どうやら彼は、自分とは全く常識の異なる世界の住人らしい。
そして信じられないことに…フィンが感じた彼の強さは、神の恩恵によるものではなく素の実力らしい。
どうやら彼は、自分とは全く常識の異なる世界の住人らしい。
そして信じられないことに…フィンが感じた彼の強さは、神の恩恵によるものではなく素の実力らしい。
(世界が変われば強さの常識も変わる、か…この幼さで神の恩恵もなしにとは、恐ろしいものだ)
まあコロッケの世界の住人の強さについてはひとまず置いておくとして。
それよりも重要なのは、バン王という存在。
なんでも願いを叶える神…それはこの殺し合いを仕組んだ海馬乃亜も言っていたこと。
この情報についてもう少し聞く必要がある。
それよりも重要なのは、バン王という存在。
なんでも願いを叶える神…それはこの殺し合いを仕組んだ海馬乃亜も言っていたこと。
この情報についてもう少し聞く必要がある。
「コロッケ、君の意見が聞きたい。この殺し合いの背後にバン王が関わっている可能性はあると思うかい?」
「うーん、俺、難しいことはよく分かんないよ」
「…そうか」
「うーん、俺、難しいことはよく分かんないよ」
「…そうか」
どうやら彼は、強さはともかく知能については見た目相応らしい。
「あ、でも、前にバン王が捕まったことがあるんだ」
「神が…捕らえられた?」
「うん、俺がバンクいっぱいにして願いを叶えようとしたら、スズキって奴が、帽子の中にバン王を封印したんだ」
「神を封印する魔道具、か…」
「神が…捕らえられた?」
「うん、俺がバンクいっぱいにして願いを叶えようとしたら、スズキって奴が、帽子の中にバン王を封印したんだ」
「神を封印する魔道具、か…」
バン王が関わっているのか、あるいは他の超常存在が関わっているのかは現状分からない。
しかし、あの海馬乃亜が神を名乗るほどの強力な力を手に入れている可能性が十分にあるということだけは分かった。
まあ、自分やコロッケのように別世界の存在同士を引き合わせている時点でやばいことは分かってはいたが。
しかし、あの海馬乃亜が神を名乗るほどの強力な力を手に入れている可能性が十分にあるということだけは分かった。
まあ、自分やコロッケのように別世界の存在同士を引き合わせている時点でやばいことは分かってはいたが。
(こちらの世界の神も、普段は力を抑えているとはいえ、アルカナムを使えばあっさり世界なんて滅ぼしてのけるほどの力を持った存在だ。乃亜の言う神という自称が嘘偽りないものならば…神を捕らえ、その力を手にしているというのならば…なんとしても止めなければならない)
「コロッケ、僕はこの殺し合いを止めたい。協力してくれないかな?」
今のフィンには頼りになるファミリアの仲間はいない。
屈強なドワーフも、王族のエルフもいない。
故に、この場で新たな仲間を見つけなければならない。
故に目の前の少年、コロッケに力を貸してくれるよう頼む。
屈強なドワーフも、王族のエルフもいない。
故に、この場で新たな仲間を見つけなければならない。
故に目の前の少年、コロッケに力を貸してくれるよう頼む。
「ああ、勿論協力するよ!」
フィンの申し出にコロッケはあっさりと応じる。
その様子に、フィンはいささか拍子抜けした。
正直、コロッケの世界の話を聞いて、断られる可能性を疑っていたのだ。
その様子に、フィンはいささか拍子抜けした。
正直、コロッケの世界の話を聞いて、断られる可能性を疑っていたのだ。
「…こちらから頼んでおいてなんだけど、いいのかい?君には叶えたい願いがあるんじゃないのかい」
「だからってこんな殺し合い、俺はしたくない!父さんを生き返らせるのは絶対に叶えたい願いだけど、友達を殺してまでそんなことしたくない!」
「…この殺し合いには、君の知り合い…友達は呼ばれていないかもしれない。それでもかい?」
「だからってこんな殺し合い、俺はしたくない!父さんを生き返らせるのは絶対に叶えたい願いだけど、友達を殺してまでそんなことしたくない!」
「…この殺し合いには、君の知り合い…友達は呼ばれていないかもしれない。それでもかい?」
フィンは食い下がる。
このコロッケという少年は、フィンの見立てではかなり強い。
参加者の全体像も不明な今、状況の変化によって方針を突然変えられ裏切られてはたまらない。
故に、今のうちから揺さぶっておく。
もしもそれで心変わりするようなら…ここで倒す。
そんな決意を固めるフィンであったが、しかしコロッケの返答は予想を超えたものであった。
このコロッケという少年は、フィンの見立てではかなり強い。
参加者の全体像も不明な今、状況の変化によって方針を突然変えられ裏切られてはたまらない。
故に、今のうちから揺さぶっておく。
もしもそれで心変わりするようなら…ここで倒す。
そんな決意を固めるフィンであったが、しかしコロッケの返答は予想を超えたものであった。
「何言ってるんだよ。友達ならもう目の前にいるよ」
「…なんだって?」
「俺はフィンのこと、もう友達だと思ってるよ」
「…なんだって?」
「俺はフィンのこと、もう友達だと思ってるよ」
フィンは一瞬驚いた後、ふっと笑った。
どうやら自分は、彼のことを見くびっていたらしい。
彼は自分が思っていた以上に幼い。
幼くて…だけども真っ直ぐな少年なのだ。
どうやら自分は、彼のことを見くびっていたらしい。
彼は自分が思っていた以上に幼い。
幼くて…だけども真っ直ぐな少年なのだ。
「分かった、探るような真似をして悪かった、コロッケ。改めて…共に戦おう」
「おう!」
「おう!」
こうして小人族の団長とバンカーの少年は、手を握り合い、共に殺し合いの打倒を誓い合うのだった。
「…しかしコロッケ、僕は君が思っているだろうよりも歳寄りなんだが、それでも友達でいいのかい?」
「別に年齢なんて気にしないけど…何歳なんだ?」
「42だよ」
「ええええ!?」
「別に年齢なんて気にしないけど…何歳なんだ?」
「42だよ」
「ええええ!?」
【コロッケ@コロッケ!】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
[備考]
※参戦時期はビシソワーズ編終了後、バーグを生き返らせる前です
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
[備考]
※参戦時期はビシソワーズ編終了後、バーグを生き返らせる前です
【フィン・ディムナ@ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか】
[状態]:健康
[装備]:グーングニル@テイルズオブファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
[備考]
※参戦時期は異端児編終了後(本編11巻・ソードオラトリア10巻)
※乃亜の背後に神やそれに準じる超常存在がいるのではと考えています。
[状態]:健康
[装備]:グーングニル@テイルズオブファンタジア
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本方針:殺し合いを止める
[備考]
※参戦時期は異端児編終了後(本編11巻・ソードオラトリア10巻)
※乃亜の背後に神やそれに準じる超常存在がいるのではと考えています。