コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

参加者の条件

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集
「何が…起こっている?わたしは何故……生きているのだ?」

一人の異形が呆然と立ち尽くしていた。
子供ばかりが集められているはずのこのゲームにおいてその異形は殊更異質な存在だった。
何しろ背丈は平均的な成人男性の身長を優に越えており、発する声も渋みのある男性の声だったからだ。

異形の名はセル。
かつて地球を震撼させ、セルゲームという名の武闘会を開き、最後には若き戦士・孫悟飯によって倒された人造人間だ。

セルには自分が間違いなく死んだという確信があった。
孫悟空と界王とかいう奴を巻き込んで自爆した時とは違う、頭の中の核ごと消し飛ばされた感覚を確かに味わっていた。
それなのに、18号抜きで完全体を超える力を手にした姿のまま生きていて、わけのわからないゲームの渦中にいる。

「あの小癪なガキの力と見るべきだろうな……」

ついさっきの乃亜のパフォーマンスを見れば、奴が自分を生き返らせたのは明らかだ。
集められた子供たちの最後尾からセルも見ていたが、ドラゴンボールで為す奇跡のような御業を操る力はなるほど確かに侮りがたい。
乃亜によって蘇生されたと確信する根拠は他にもある。
自爆で死にかけてから復活した時にはあった、サイヤ人の細胞を取り込んでいるが故の超パワーアップが今回は起こっていないのだ。
これは一度は完全に死亡したが故のことであろう。

何故乃亜がセルを蘇らせたのかも殺し合いのルールと照らし合わせれば簡単にわかる。
いくら浅慮な子供ばかりを集めたとは言っても、はいそうですかと即座に乗っかる者はそう多くないはずだ。
そういった主催に反抗的な子供を黙らせ、恐怖させるためのマーダー役として極めて強い力を持つ悪、つまりセルを必要としたのだろう。
「生き返らせてやったのだから言うことを聞いて殺し回れ」という思惑が透けて見えた。

「く……くっくっく……」

当然、参加者の一人であるセルの足元には支給品が詰まったランドセルが置かれている。
それが小さい子供の通学用鞄であるという知識はセルにもある。
なるほどなるほど。このセルをそこらの子供と同列に扱い、あまつさえゲーム進行のための小間使いをさせようとしているというわけか。
知らず笑いが零れる。……もっとも歓喜を示すものではなく、獰猛な怒りを示す笑いであったが。

「驚いたわ。参加者は小さな子供ばかりと聞いていたのだけど」

後ろの茂みから声を掛けられた。
思考に意識を費やしていたせいか気を感じられるはずのセルも気づかなかった。
姿を現したのは紫の髪色をした小柄な少女だった。
一般人とは段違いの気の大きさからして只者ではないようだがセルからすれば塵芥も同然だ。

「お嬢さん、話しかける相手はよく選ぶことだ。
わたしは今とても機嫌が悪い……今すぐ君をこのゲームの犠牲者第三号にしてしまいたいほどにね」

「心中お察しするわ、ミスタ。でも矛先を向ける相手が違うのではなくて?
あたしはエレナ・ブラヴァツキー。単刀直入に言って、ここからの脱出に手を貸してもらいたいの」

「わたしの名はセル。人造人間であり……人間どもに敵対する存在でもある。
君の勇気ある行いには敬意を表するが、生憎とわたしの一番の目的は君たち人間の恐怖に怯え、引きつった顔を見ることだ。
わかるかな?話し合いが通じる余地などこのわたしには存在しないということだ」

多少の威圧を込めたセルの脅しにもエレナは顔色一つ変えることはない。
何か策でもあるのか、それともただの馬鹿なのか。

「そうかしら?アナタにはあの乃亜という子に屈服させられているこの状況に対して強い怒りがあるはずよ。
何より、人類に敵対するのも恐怖に陥れるのも、アナタの信条に基づいてのことでしょう?
誰かに拉致され、恐怖なんて在って当然の場所で、戦う力があるかも怪しい子供ばかりを殺して回る。
そんなことで満足できるような安い矜持ならそれほどの頭抜けた力なんて必要ない……違うかしら?」

「ほう……言うではないか。
しかし人間が何人死のうとわたしの知ったことではないし、生きるためなら少しばかりプライドを曲げるぐらいのことは許容する。
正義や人情なんてものとは対極に位置する悪であるこのわたしが、一体何のメリットがあってガキどもの脱出に手を貸さなければならないというのだね?
もっとハッキリ言おうか。君はこのわたしに対してどんな利益を示せるのかな?勇気あるお嬢さん」

「この首輪を外せるわ」

それは果たして大言壮語か、あるいは何某かの確信に基づく断言か。
セルにはエレナの毅然とした表情の裏にある心理まで読み取ることはできない。……だが、無視もできない。

「あたしには魔術の心得がある。旧きものも新しきものも手に取るようにわかる。
首輪のサンプルを手に入れることができれば、魔術的な見地から解析して外すことができるかもしれない。
それと対外交渉ね。あたしだけでこの首輪を外せなかったとしても、それが出来る知識や技術を持った子を探して仲間にする。
アナタにはそれらを為すための武力を提供してほしい」

「用心棒契約というわけか……よかろう、首輪を外せなければ乃亜を殺す算段も立たないからな。
君の度胸と聡明さに免じてこのセルの究極の力を貸し出してやろうではないか。よろしく頼むよ、お嬢さん」

何度目かのお嬢さん、という言葉にエレナはいささかバツが悪そうな態度になった。

「あー……実を言うと、あたし見た目通りの実年齢じゃないのよ。
詳しいことはおいおい話すけど、本当なら孫がいたっておかしくないぐらいのおばあちゃんよ、あたし」

「なるほど、道理で肝が据わっているはずだ。
こいつは失礼をした。ではミス・ブラヴァツキーと呼ばせてもらっても?」

「そうね。ミセスよりはミスの方が佳いわ。
……にしてもいくら見た目がそれらしいからってどうしてあたしを参加者にしたのかしら、あの子。
ミスタ・セル。気を悪くするかもしれないけどアナタには子供の一人としてここに呼ばれるような心当たりはない?」

言われて少しばかり考える。
力も頭脳も精神も完全、今やそれ以上とも言えるこのセルを何の根拠があって子供として扱いゲームに参加させたのか。
乃亜への怒りばかりが先行してそこを深く掘り下げてはいなかったことに気づいたのだ。

「……もしあるとすれば、活動日数だろうな。
わたしが人造人間として完成し、活動を始めてから数か月と経っていない。
無理矢理に人間に当て嵌めれば子供と呼べなくはない……不愉快な話だがね」

「つまり子供と呼べる要素をほんの僅かでも持っている者を集めている、という見方もできるわね。
……まああたしとミスタが例外なだけ、という可能性もあるから今は何とも言えないのだけど」

(子供、か……そう言えば孫悟飯はいるのか?ここに)

セルの脳裏に自分を破った、自分よりよほどこのゲームの主旨に似つかわしい少年の存在が過ぎった。
もし孫悟飯がいるならば、リベンジの機会にもなるか。……いや、こんな不本意な制限まみれの環境では満足いく戦いは望めまい。
奴と決着を着けるにせよ、忌々しい首輪を外し乃亜を殺してからでなければ。

(いるのかどうかは知らんが……つまらん死に方はしてくれるなよ、孫悟飯。貴様を倒すのはこのわたしなのだ)




(はあ……我ながら綱渡りもいいところね)

セルが孫悟飯の存在を意識している時、エレナは内心でこの怪物を相手に取引きが成ったことに安堵していた。
一目見た瞬間から、セルの異形の肉体に秘められた悍ましいまでの暴力に気づいていた。
この規格外の怪物の殺意を決して巻き込まれた罪なき子供たちに向けさせてはならない、そう感じた。
だから交渉し、セルの殺意を主催者である乃亜へと誘導した。セルのプライドの高さが功を奏したと言える。
自分が死ぬのはいい。この身はもとよりサーヴァント、人理に刻まれた影法師。
けれど、今を生きる子供たちは一人でも多く生きて帰さなければ。それをマスターも望んでいるはずなのだから。


【セル@ドラゴンボールZ】
[状態]:健康、超完全体
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:このわたしを子供扱いした乃亜を殺し、自由になる。。
1:エレナとの契約に基づき彼女を護衛する。だが首輪を外せないとなれば……?
2:孫悟飯が呼ばれているかどうかが気になる。
[備考]
死亡後からの参戦です。
殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。
超サイヤ人相当のパワーは一度使用すると十二時間使用不可、超サイヤ人2相当のパワーは一度使用すると二十四時間使用不可です。
瞬間移動は制限により使用できません。
制限により気を感知する力が低下しています。


【エレナ・ブラヴァツキー@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]基本方針:一人でも多くの子供たちを生還させる。(自身の生存は度外視)
1:セルに参加者を殺させないためにも首輪を外す手段を探す。
2:首輪のサンプルを入手できたら魔術による解析を試みる。
[備考]
カルデア所属ですが、現地に召喚された野良サーヴァントという扱いで現界しています。
宝具である「金星神・火炎天主」を使用するには他の参加者と仮契約を結ぶ必要があります。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー