コンペロリショタバトルロワイアル@ ウィキ

嵐を呼ぶlust!

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だれでも歓迎! 編集
殺し合いの会場、街頭に照らされた表通りにて、二人の参加者が対峙していた。

「……」

「あぁ?何ですかこのガキは。はぁーーこんなのにも殺し合いさせるとかマジあの自意識過剰自称神様野郎マジ変態じゃねーですか!ぎゃはははは!!」

轟く下品な笑い声。声の主は下着同然の衣服を身につけている金髪の童女だ。

「何ですか何なんですかそんなに見つめちゃってぇ!あれ?もしかしてアタクシの豊満な体に見惚れちゃった発情しちゃった口ですかぁー! いやいや生存本能刺激されちゃって興奮するとかちんちくりんでも立派なオスガキですねぇ!まぁ当然じゃねーですか!アタクシの麗しく美しい体にクズ肉がオス汁撒き散らして興奮するのは止めようもない本能!抗えない自然の摂理に等しいですからね!ぎゃはは!」

外見の魅力を全て台無しにする下劣かつ不快な言動を繰り返す怪人。
それと対峙するのは一人の少年、赤いシャツに黄色い短パンを着た男児。
彼は呆然とした様子で、騒がしい童女を見ている。

「おいおいクズ肉、アタクシの愛らしい姿に悩殺されるのは当然として無視するなんてひでーですよぉ。アタクシ見た目に違わず繊細な心の持ち主なんですから傷ついちゃいます!なんちゃって!ぎゃは!」

男児の様子を揶揄し、本気かどうかも解らない嘲りを発する童女。
彼女の名はカペラ・エメラダ・ルグニカ。
魔女教大罪司教『色欲』担当である。
危険集団である魔女教、その中でも特級の厄災と言える大罪司教の一角。
マトモな感性を持つ者なら、絶対に関わりたくないと断言できる危険人物。

そんな彼女は意外にも、この場における方針を決めかねていた。
始めて遭遇した参加者を直ぐに殺さず、会話で済ましている事がその証拠だ。

(さーて……どうしましょうかね~このオスガキは。アタクシ悩んじゃいます!)

戯れの言葉を口にしながら、カペラは考えていた。己の取るべき行動を。
チラリと一瞥するのは、手元にある黒い装丁の本ーー『福音書』だ。
魔女教徒はその信仰の証として、必ず福音書を持っている。
己が辿るべき未来を示す、予言の書を。

この殺し合いにおいても、彼女の福音書は支給品という形で手元にあった。
魔女教徒の中でもカペラは信心深い方ではないが、大罪司教である彼女は福音書の指示に従っている。
しかし、彼女の福音書に新たな記述は出現せず、現状カペラが行うべき行動は白紙のままとなっている。
ならば、この場に招かれる前に書かれていた『水門都市プリステラの襲撃』を優先するべきだが、そのためにはこの場を脱出しなければならない。

既に試したが、忌々しい事に首輪は彼女の権能を持ってしても外せなかった。
カペラの持つ異能、色欲の権能は身体の変異・変貌である。
望めば絶世の美女にも、竜といった人以外にも、その性質をも再現した上で成る事ができる。
更に応用で不死身に近い再生すらも可能とする反則級の権能だ。
故に彼女は、殺し合いだろうが何だろうが自分が負けるわけがないと慢心していた。

優勝者が出ればあの主催の男も表に出ざるを得ないだろう。ならば、手っ取り早く皆殺しにするのもアリか。

カペラは自らを博愛主義者と考えている。
相手が生きている限り、己に愛を向ける可能性は零ではない。
だからこそ、死なせた方がマシな扱いはするが、殺そうとはしない。
ただ、必要ならば話は別だ。

そこまで考えた所で、カペラは眼前の男児に意識を向ける。
驚異の欠片も感じられない、明らかにただの一般人。毒にも薬にもならない取るに足らない相手。
無視するか、或いは”遊ぶ”のも良い。
しかし、カペラが実際に行動に移す前に、先に相手が動いた。




「そこのエッチで綺麗なお姉さーん。オイラとお茶しなーい?」

幼児の口から飛び出したのは、単純明快な誘い文句だった。
鼻血をダラダラと出しながら、奇妙に体をクネクネと動かす男児ーー野原しんのすけ。年齢5歳。

「ーーはぇ?」

カペラは固まった。

ーーーー



「ぎゃはははははは!!!何だよ何ですかアタクシの魅力分かっちゃってんじゃねーですかチビガキ!見所ありやがりますね!」

「ほっほーい!」

数分後、その場は意外な程に和気藹々とした雰囲気となっていた。

カペラは上機嫌だった。
彼女は人から愛されたい、全人類から等しく愛を捧げられたいし、そうなるのが当然と思っている。
カペラの卓越した観察眼は、見ただけで人の好む趣向、性癖が解る。
例え被り物をしていても、相手の呼吸や立ち振舞い、動作だけで好みのタイプを正確に割り出せる程だ。
故に嘘偽りの類は容易く看破する。

もししんのすけが生きるためだけに媚を売っていたのなら、殺されはしないものの、かなり悲惨な状態にされ、そのまま放置されるパターンも充分に有り得た。
カペラの権能は、他人にも影響を及ぼせる。故に死よりも惨い状態を簡単に作り出せてしまう。
しかし、カペラを綺麗だといったしんのすけの言葉に嘘偽りは一切なかった。
歳に似合わぬ好色なれど、根の無垢が高じた生々しさのない好意。
その無垢の称賛が、カペラの心にクリティカルしたのだ。

(このお姉さん……スケベすぎるゾ!)

一方のしんのすけは、あまりにも過激な服装のカペラにある意味畏怖を抱いていた。
良くも悪くも純粋なしんのすけは、大罪司教の持つ歪みや異質さを感じる前に、そのビジュアルで警戒すら吹き飛んでいた。
沈黙を保っていたのは、カペラの異質さに恐怖していたのではなく、単に衝撃が強すぎて茫然自失していただけだ。
カペラの言っていた見惚れている、という表現も今回ばかりは的を得ている。
そして、綺麗なお姉さんには目がないしんのすけの言動は、「人間は外見が100%」と断言する彼女の主張と奇跡的に合致した。

「さてさてさて、しんのすけ、アタクシはそろそろあの勘違い短小キ○ガイ野郎に抗議しにいきてーんですが、お前はどうしやがるつもりですかね?アタクシはアタクシを愛する者には等しく慈悲深く接しちゃう尽くす女でありやがりますから、来たいんだったらついてくるがいいですよ!」

このように気紛れとは言え、自発的に保護まで申し出るほどカペラはしんのすけを気に入っていた。
大罪司教の恐ろしさを知る者がいれば、目を見開き驚愕するだろう。
カペラの言葉に、しんのすけは暫し黙り込んだ。やがて、意を決した表情でカペラを正面から見上げる。

「オラ、カペラお姉さんにお願いがあるんだゾ」

「カザマくんやボーちゃん、ネネちゃんにマサオくん、オラの友達もここに居るかも知れないんだゾ…もしそうなら、オラ、皆をお助けしたい!そのために、手を貸して欲しいんだゾ!」

しんのすけの助力を求める言葉を聞き、カペラは暫し黙り込んだ。
数秒の沈黙の後、顔を上げたカペラは満面の笑みで答えた。

「ぎゃははは!!!ちんまいナリで随分とまぁ傲慢な事で!しかしアタクシこう見えて慈悲深い女!肉欲まみれのオスガキの頼みでも、アタクシを愛する限りはちょーーーっとばかし手伝ってやるのも吝かじゃねーですよ!」

好意的な返答に、しんのすけの表情が明るくなる。

「お助けしてくれるの!ありがとうお姉さん!」



「でもね、でもでも!なぁーんでアタクシが見知らぬクズ肉どもの為に働かなきゃならねーんです?」

「ーーえ?」


カペラは、笑っていた。それはもう楽しそうに。
しかし、目だけは笑っていなかった。

「アタクシは確かに優しく慈悲深い女ですがね、あの短小野郎はぶっ殺すにしても、『福音書』の記述もやらなきゃいけねーし、アタクシはとっとと脱出したいんですよね。アタクシを愛する奴はアタクシも大好きですが愛さねー奴は嫌いです。
そもそも、しんのすけはアタクシを愛していますが一番じゃねーですよね?ダメですよ駄目駄目、ダメダメダメダメダメ、愛せよ、アタクシを一番に愛さねーとダメなんですよ。アタクシに頼むってことは最低限の誠意を見せろよ愛せよ、讃えて崇めて這いつくばって愛を捧げろよアタクシに、クッセェクッセェオス汁撒き散らして愛を捧げろよ」

(な、何だかカペラお姉さん怖いゾ……)

平和的な雰囲気は消し飛んでいた。
ヒートアップするカペラの様子に、漸くしんのすけは危機を実感した。
野生の勘、というべきか。
カペラの地雷を踏みかけたしんのすけは、最適な返答を行った。

「でも、カペラお姉さん、とっても強いでしょう? お助けを手伝ってくれたら、きっと、カペラお姉さんをみーんな好きになるゾ!」

『愛』、カペラは度々しんのすけにそう語っていた。
しんのすけは幼いが、それでも『愛』が何なのかは漠然と知っている。
しんのすけはカペラが言っている事の半分も理解していなかったが、彼女が他人に何を求めているのかだけは理解していた。
物怖じないしんのすけの言葉に、カペラは一瞬虚を突かれたように怯んだ。

「……なる程、確かにそういう考えもありっちゃアリじゃねーですか」

その純粋さ故に引き出されたストレートな言葉は、奇跡的に通じた。
カペラの脳裏に浮かんだのは、少なくとも怒りではなかった。

殺し合いに右往左往する憐れで幼稚なクズ肉どもに颯爽と手を差しのべれば、憐れな連中は彼女を愛し崇め尽くし愛するようになる可能性は、確かにある。

暫し考えて、カペラはしんのすけの頼みを受け入れる事にした。

しかしそれは正義感からの選択ではない。見知らぬ参加者の為でも、犠牲となった兄弟の為でも、ましてや、しんのすけのためでもない。
自分を愛させるためだけに、彼女は対主催の道を歩むことを決めた。

色欲の化身と永遠の5歳児がこれからどんな嵐を呼ぶのか、それはまだ解らない。


【カペラ・エメラダ・ルグニカ@Re:ゼロから始める異世界生活】
[状態]:健康
[装備]:福音書
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:危険対主催
1:アタクシを愛するクズ肉は保護してやるのもいーかもですね。
2:しんのすけは見所がありやがりますので、慈悲深いアタクシがしょうがなく面倒見てやりますかねぇ!
[備考]
参戦時期は水門都市プリステラ襲撃直前。
しんのすけとの交流で対主催の方針に舵を切りましたが、福音書に新たな記述が成された場合、其方を優先します。
殺し合いが破綻しないよう、色欲の権能は制限をかけられています。
(具体的な制限については、当選した場合、後続の書き手様にお任せします)

【野原しんのすけ@クレヨンしんちゃん】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:対主催、友達と合流したい
1:殺し合いなんて駄目なんだゾ
2:綺麗なお姉さん(カペラ)と行動する
[備考]
具体的な参戦時期は当選した場合、後続の書き手様にお任せします。

【福音書@Re:ゼロから始める異世界生活】
カペラの福音書。
黒い装丁の本。魔女教徒にとっての経典。
一種の予言書のようなもので、所有者の辿るべき未来の行いを記述する。
現時点でカペラの方針に関する指示は記載されていないが、これから追加されるかは未定。

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