双子ならば、同じ夢を見るのか
1.始原
全ての始まりの時、人は何も持たなかった
体には苦痛、心には憎悪の他には何も
争い傷つけあいながら、
死ぬことすらかなわず
永遠の泥土の中に、人は絶望していた
2.誕生
ある男は太陽に蛇を捧げ、救いを祈り
ある女は太陽に葦を捧げ、喜びを願った
大地に蔓延する悲しみを憐れみ、
神はこの一組の男女から生まれた
3.救済
神は時間を作り、昼と夜を切り分けた
人に救いの道を示し、喜びを与え
そして人から無限の時間を預かった
4.創造
神は自分に従い、人を導く存在を作った
赤の神スチェルバラ
黄の神ロブセル・ビス
そして大勢の神達と天使である
最後に神は楽園を作り出そうとした
ただ人が在るだけで幸せに足る世界
5.約束
しかし神はそこで力尽きて倒れた
世界の誰もがそれを嘆き悲しんだが
神はそのまま息を失い、土へと還った
今一度、生まれてくることを人に約束して
6.信仰
神は失われたわけではない
私たちは信仰を忘れず、祈りを捧げる
楽園への道が開かれる日を
待ち望みながら
荒廃しきった旧校舎の廊下で、コツコツと反響する自らの足音と化物共の徘徊する気配を聞きながら、宮田は頭の中に微かな疼きを感じていた。
飛び散った血液の生臭さと、鉄錆の臭い。
長い年月完全に放置されていたかの様に、薄汚く変色している壁や天井。
この校舎内は――――いや、この世界は、自身の受け継いだ病院「宮田医院」の隠し地下施設を連想させるのだ。
宮田家は、羽生蛇村の有力者・神代家の為ならば合法、違法を問わず、どの様な汚れ仕事でも引き受けてきた一族。その地下施設は言わば、村の暗部の集積場。
生者に敵意を剥き出しにして牙を向いてくる異形の者の存在は、あの地下で隔離されている人の出来損ないの様な化物の事を思い出させた。
幻覚の中で見た鎖に雁字搦めにされていた人々は、村の為に、神代の為に、と地下に収監、排除してきた人間達の事を思い出させた。
決して陽の目を見る事のない、白日の下に晒してはならない掃き溜め。
そんな言葉こそが、あの地下施設に、そしてこの世界には相応しい言葉のはずだ。
それが。そのはずが。
「 このせかいは『らくえんへのとびら』なの 」
あの幻覚の中で、おかっぱ頭の少女は確かにそう言った。
『楽園への扉』。ここは、『楽園』とやらを創造する神が復活する為の世界だと言うのだ。
その言葉を思い返し、思わず宮田は嘲笑を零していた。
眞魚教での楽園と言えば、幻想的な赤い海が広がり、地面一面には深夜に一度しか咲かないはずの月下奇人が咲き乱れている、永遠の命が約束される幻想的な世界。
求導師が――――その一身に村人達からの期待と敬慕の念を集める存在が導く、神の世界だ。
そのイメージとこの世界の様相は、余りにもかけ離れ過ぎていた。
「こんな世界が、楽園へ繋がると言うのか? これが……神の御業だと言うのか?」
頭の中の微かな疼きの正体は、苛立ちだった。
こんな、暗闇に閉ざされた世界が。あの宮田医院の地下と大差ない世界が楽園への道だとは、宮田に対しては強烈な皮肉だ。
いや、この世界が眞魚教の楽園ではない事は理解している。これは異教の楽園。求導師の導く楽園とは違う世界だ。それは、充分理解している。
だがそれでも、宮田医院と重なる世界を楽園と呼ぶのは、気に食わなかった。
あんなものは楽園ではない。
羨望。空虚。憎悪。様々な感情を殺し、影に徹してきた自分の裏の行動全てが押し込められている場所が、あそこだ。あんな場所が楽園であって、たまるものか――――。
「…………………………ふん」
冷静さを欠いていた事にふと気付き、宮田は浮かべていた嘲笑を自身に向けた。
そして、すぐに口元の歪みを消し、作るのは一欠片の感情も読み取れぬ仮面の様な表情。
そうだ。感情的になるには早過ぎる。
今はまだ、少女から聞いた――――いや、少女『が』聞いた情報の全てが正しいと決まった訳ではない。
少女が見た――――少女が『見せてもらった』物が正しいのかどうか。それをこの目で確認し、裏付ける為に、自分は今ここに来たのだ。
苛立ちは、押し殺す。いつもの様に、感情は抑え込む。
怒りに打ち震えるのは、後でいい。この世界で何が起きているのか、確信を得たその後で。
一つの部屋の前で、宮田は足を止めた。
見上げた視線の先にあるのは、『図書室』と表記された今にも朽ち果てそうな木製のプレート。
少女が見知った情報は、ここにあるはず。ここが、この世界の謎を解き明かす為の第一歩のはずだ。
血液の生臭さと鉄錆の臭いに混じり、充満しているのは古書の特有の臭い。
通常の高等学校と同じく、それなりの量の本がこの図書室内には置かれていた。
一通り室内を回り、本棚に並べられている本の背表紙を眺めてみるが、特別に目立つ本はない。
ここに来ればすぐに目当ての本が見つかると思っていたが、その見通しは甘かったのか。
机に腰をかけて棚を見返し、一冊一冊調べなければならない作業を想像する。宮田の口から、溜息が吐き出された。
夕方に鳴り響いたものと同様の
サイレンが轟いたのは、その直後だった。
校舎全体が振動で震える中、世界はやはり夕方同様変わり行く。
血や鉄錆、その悪臭。生理的嫌悪感を醸し出すものが全て消え、残ったのは何処の高校にもある様な図書室と、古書の臭い。
既に真夜中である故に暗闇が晴れる事はないが――――『表の世界』に戻ったのだ。
「サイレンにより世界は裏返る…………か」
確かめる様に、宮田は周囲を見回す。世界が薄汚れていた痕跡は、綺麗に無くなっていた。
だからと言って、やる事が変わった訳ではない。宮田は諦めた様に机から立ち上がり、手前の本棚に手を伸ばした。
「 こっちだよ 」
背後から投げ掛けられた――――いや、脳内に響いたのか。
奇妙な、そして無邪気な声に振り向けば、いつの間にかそこには先程のおかっぱ頭の少女が立っていた。
「……こっち?」
少女は静かに手を持ち上げ、机の一つを指さした。
その上には、世界が変化する前には見当たらなかった幾つかの用紙や本が乱雑に積み重ねられている。
「……そうか。あなたは『裏の世界』には来れなかったのでしたね」
これも少女から聞いた情報だ。
世界はサイレンと共に裏返る。
一度目のサイレンが鳴り、世界は変貌した。――――その様に、宮田達には見えた。
だが、実際には少し違う。
世界はサイレンと共に『裏返る』
『表の世界』から『裏の世界』へと『裏返る』
すなわちそれは、『表』に対する『裏』が存在するという事。
世界は変貌を遂げるのではない。2つの世界は同時に存在しており、そしてサイレンでもう1つの世界へと移行するのだ。
とは言え、変貌だろうと移行だろうと、それが分かったところで宮田としては大差はない。
サイレンで世界が裏返れば、それに抗う術も無く、宮田はもう1つの世界へと引きずり込まれるのだから。
しかし、少女は少々違う。少女は、最初のサイレンで何故か『裏の世界』には移行出来ず、『表の世界』に取り残された。
そこに意味や理由があるのか――――分からないが、その後少女は『表の世界』の図書室で情報を集めたと言う。それが机の上に積まれている書物類なのだろう。
積み重ねられている山を、上から順に確認していく。
これらの用紙には、ハリー達と確認した時と同じ、或いは少女から聞かされた通りの情報が表記されていた為、目新しい情報は無い。
『呼ばれし者の名簿』
記載されている名前の中に『
牧野慶』『
神代美耶子』の文字を見つけた時、宮田は直ぐ様少女に問いかけた。
名前の上に引かれている赤い線。これは何を意味するのか、と。
答えを聞く前から、宮田にはある程度の想像はついていた。果たして少女の返答は、簡潔でありながらも宮田の想像通りのもの。
「 死んじゃった人 」
ふと、かつての記憶が甦った。
あの日の雪の冷たさ。きっと宮田はあの日の事を忘れられはしないのだろう。
牧野怜治。先代求導師の葬儀の日。それは同時に、求導師の代替わりの儀式の時でもあった。
兄は新しい求導師として、彼の義父の葬儀を執り行った。
凍て付く寒さと極度の緊張で震えていた兄に、宮田は無表情を装いながらも羨望と憎悪のまなざしを向けていた。
何度、あの場所に立つ事を望んだだろう。自分と兄と、一体何が違ったのだろう。
赤ん坊の時。牧野怜治と宮田涼子が自分達を見つけた時。何が運命を分けたのだろうか。
牧野怜治が自分を選んでくれていれば、あの場所に立っていたのは自分だったというのに。
ただ2分の1の確率。それだけで決まってしまった地獄の様な日々。それだけに、あの場所への想いは大きくて。
同じ顔をしながら、人々の尊敬を集める兄の立場に憧れていた。
同じ顔をしながら、悪意に塗れるしかない自分の運命を呪っていた。
同じ顔をしながら、自分の苦しみを知らない兄を憎んでいた。
それでも――――宮田が何を望もうと、何を思おうと、突き付けられたのは、あの場所に立つのは兄だという現実。
側に立つ求導女に支えられ、葬儀を執り行う新しい求導師。
あの日に見た兄の姿は、それまで以上に憎く、同時に、眩しく映った――――。
その牧野慶が、死んだ。この世界で、生命を落とした。
宮田の胸中には何とも言えぬ息苦しさが広がっていた。
それは、やり場を無くした憎悪が渦巻いているのだろうか。それとも単純に唯一の肉親を失った悲しみか。或いは、これで何の躊躇いもなく求導服を纏える事への歓喜なのだろうか。
宮田には、分からない。だが、何にしても。
「……これで求導師は、代替わりですね。………………牧野さん」
誰に語りかけるでもなく、宮田は言葉を漏らした。感情の読み取れない視線を『牧野慶』の名前に落としたまま。
束の間の静寂。宮田は一つ息を吐き出し、視線を動かした。
名簿に記載されているその他の知人の名前は、この街で出会ったハリー、ジム、風間と彼等から聞いた
シビル・ベネットや
逸島チサトの名を除けば求導女『
八尾比沙子』のみ。
とりあえずそれだけを記憶に留めて、宮田は次を手に取った。
それは、とあるページが最初から開かれている一冊の本だった。
タイトルには『礼賛文書』と書かれている。この街、サイレントヒルに根付いていた土着信仰から発展した独自宗教の聖典らしい。
開かれていたページに書かれているのは――――サイレントヒルに伝わる神話と、神を目覚めさせる方法。
それは、この街で起きている異変の正体として、おかっぱの少女が宮田に伝えた情報だった。
その神話は『全ての始まりの時、人は何も持たなかった』の一文から始まり――――。
「『――――祈りを捧げる。楽園への道が開かれる日を待ち望みながら』……か。
……なるほど。少なくともあなたがあの幻覚の中で言っていた事は全てが本当だった。
という事はあそこに囚われた人々も、実際の形はどうあれ存在するのでしょうね」
「 あのお姉ちゃんも、いるよ 」
「……そうですね。ここであなたにこれらの情報を与えた『がいこくのお姉ちゃん』も実在するのでしょう。
そして……『
メトラトンの印章』、でしたね?」
宮田は最後の本『異界の法則』と『少女が受け取った』という地図を見比べながら、幻覚の中で聞いた単語を反芻した。
おかっぱの少女は、単独でこれまでの情報を探り当てたわけではない。少女に情報を提供した者は別に存在する。
それが、少女曰く『がいこくのお姉ちゃん』だ。
『がいこくのお姉ちゃん』はここで少女に情報の他に手書きの地図と
ペンダントを託した。
その手書きの地図に記されているのは、このサイレントヒルでメトラトンの印章――――魔封じの力を持つ強力な魔方陣――――を描くべき幾つかの場所。
それを完成させれば、この怪異を終わらせる事が出来るというのだ。
だが、これはあくまでも少女が『がいこくのお姉ちゃん』から聞いた情報に過ぎない。
幻覚の中での少女との会話は事実。それは証明出来たと言える。
それでも、肝心要の『神の復活による楽園の創造』、そして異変を終わらせる為の『メトラトンの印章』に関する話の裏付けは取れていない。
『がいこくのお姉ちゃん』の存在は確かなものなのだろうが、情報自体の信憑性は不明だ。
仮に『がいこくのお姉ちゃん』が彼女にとっての真実を話しているとしても、その情報そのものが間違っている可能性は無くはない。
そもそも彼女は何者なのか。何故少女に情報、地図、ペンダントを託したのか。託した後は何処に消えたのか。そして、メトラトンの印章とは、どう描けばいいのか。
新たに生まれたそれらの疑問を解き明かす為にも、まずは『がいこくのお姉ちゃん』と接触する必要がある。
「一応聞きますが、『がいこくのお姉ちゃん』が何処に居るのかは……」
宮田の問いに、少女は首を横に振った。どうやら、手がかりは無いらしい。
『異界の法則』でメトラトンの印章の情報を確認し終えると、宮田は本を机の上に戻し、少女に向き直した。
「もう1つ聞きます。地下にあった羽生蛇村。あれは現在の下粗戸ではない。
27年前に土砂崩れで埋まったはずの……大字波羅宿と呼ばれていた頃の下粗戸でした。
何故27年前に土砂崩れの被害にあった村の一区画が当時のままの姿でこの街に在るのです?
27年前の儀式の失敗が、この街と何か関係しているんですか?」
少女は、もう一度首を振った。これも、少女には分からないのだ。
いや、そもそも少女に分かるのは『がいこくのお姉ちゃん』よりもたらされた事だけなのだろうが。
少女の申し訳なさ気な表情を受け止めると、そうですか。と、宮田は頷いた。
確認したい情報はこれで全て確認した。この図書室には、もう用はない。
「時間はいくらあっても足りない。俺は行きます」
礼を告げて身体を翻す宮田を、「 まって 」と少女は引き止めた。
振り向くと、少女は今度は宮田の身体を指さしている。
「……何です?」
「 悪いお水、こっちには来れないよ 」
少女が指しているのは、白衣のポケットの容器だった。
蓋を開け、中を覗く。中は、透き通る水になっていた。
「……なるほど。それを先に教えて頂きたかった」
「 お薬は、悪いお水や悪いかみさまをこらしめるの 」
一度聞いた情報だ。
それを再び口にする少女の真意が分からず、宮田は怪訝な顔を向けるが、続いて紡がれた言葉にその表情は得心のものと変わった。
「 悪いお水のあとにのむと、死んじゃうよ 」
「……効果を打ち消す訳ではないのですか?」
「 死んじゃうよ 」
繰り返される否定。
容器を一瞥し、宮田はそれを机の上に置いた。使えぬ物ならば持っていても邪魔なだけだ。
宮田は再度少女に礼を告げ、図書室の引き戸を開けた。
何処に居るかも分からぬ『がいこくのお姉ちゃん』を見つけ出し、情報の真偽を証明する。
ここから先は、図書室内の調べ事とは比べ物にならない程の労力が必要とされるが、投げ出す訳にはいかない。
幼い頃からずっと、誰よりも強く憧れていたあの求導服を纏う資格は、真実を明らかにして初めて得られるはずなのだから。
人々を導く役目は、何よりも自身が成すべき事を理解せずして全う出来るはずがないのだから。
それが、求導女の操り人形と成り下がっている牧野慶をずっと見てきた――――ずっと否定してきた、宮田なりの解釈。双子であろうとも、自分は、兄とは違う。
地下にある『過去の羽生蛇村』を目指すのは――――その後だ。
廊下は、奇妙な程に静けさを増していた。
図書室に入る前までは確かに聞こえてきていたはずの化物共の蠢く気配。
何故かは分からないが、それが今はまるで聞こえて来なかった。
それ故に――――宮田の耳は、その音を正確に拾っていた。確かな意志を持って、長く暗い廊下の奥から宮田の元へと近付いて来る、その足音を。
「お前、さっきの…………いや、違う奴か?」
警戒する宮田の視界に、その姿が朧気に浮かび上がってきた。
巨大な三角錐の金属で完全に覆われた顔を宮田に向けて、そいつは廊下をゆっくりと歩いてきた。
手に持つのは先程の巨大な鉈とは異なり、長槍。
レッドピラミッドシング――――異形の者でありながら罪人を裁く、断罪者。
図書室の用紙には、確かそうあった。
「俺を裁く為に来たのか?」
三角頭は、答えない。
宮田も、答えを求めようとは思っていない。
「『
宮田司郎』を……裁きに来たんだな。……ふん、それはそうだな」
宮田が羽生蛇村で行ってきた事は、それが幼い頃より定められた宿命だったとしても、それが決して抗えない運命だったとしても、言ってしまえばただの犯罪だ。
求導師とは真逆の、光の当たる事の無い、闇に染まりきった人生。本来ならば裁かれない道理がない。裁きを受けて当然の身なのだ。それは宮田も嫌という程自覚している。だが――――。
一発の銃声が、廊下に響き渡った。
宮田の手の中から硝煙が立ち昇る。
槍を持つ巨人の歩みが、止まった。
「だがな、それはお前の仕事じゃない」
そう。宮田を裁く者は、既に決まってる。
あの幻覚を見せられた時から――――求導師としての役目を意識した時から、既にそれは決まっていた。
それが、『医師・宮田司郎』としての最後の役目だ。その役目は、譲れない。
「お前など必要ない。『宮田司郎』は――――俺が殺す……!」
断罪者が、確かに一歩、退いた。
【A-3/雛城高校旧校舎2F・廊下/二日目深夜】
【宮田司郎@SIREN】
[状態]:健康
[装備]:拳銃(4/6)、
ネイルハンマー、
二十二年式村田連発銃(5/6)
[道具]:懐中電灯、ペンダント@サイレントヒル3、
ハンドガンの弾(30/30)
花子さんから受け取った手書き地図、ルールと名簿の用紙、クリーチャー情報の記載された用紙
[思考・状況]
基本行動方針:生き延びてこの変異の正体を確かめ、此処に捕われたものを救済する。
0:断罪者(三角頭)を撃退する
1:『がいこくのお姉ちゃん』を探し出して話を聞く
2:変異についての情報が真実だと確認出来たら地下の羽生蛇村へ向かう
※花子さんから様々な情報を得ました。
※花子さんから受け取った手書き地図には、『メトラトンの印章』を配置する場所が記されています。
※『神の復活』、『メトラトンの印章』の情報が正しい物なのかは現時点では不明。後続の書き手さんに一任します。
メトラトンの印章@サイレントヒルシリーズ
強力な魔除け、魔封じの力を持つ魔方陣の名称。
サイレントヒル1にてアレッサ・ギレスピーが神の復活を阻止しようとサイレントヒルの至る所に描いた印章。
この印章を描いた場所を線で結んだ図形が、巨大なメトラトンの印章となるように配置をする事で初めて効力を発揮する。
ただし、原作内でこの魔方陣が実際に発動した事は無いので、効果の程は不明。
(ダリア・ギレスピーが何としてもアレッサを止めようとしていたので、効力の信憑性はあるにはあるが)
サイレントヒル3にてタリスマンのメトラトンの印章も登場したが、こちらでは(少なくとも一つでは)効力は発揮出来ない。
書:異界の法則@サイレントヒル3
ヴィンセントがヘザーに渡した本。
メトラトンの印章について以下のように書かれている。
これは強力な魔除け・魔封じの力を持つ魔法陣で、“ヴィルンの第七紋章”、あるいは“メトラトンの印章”と呼ばれる。
対象の善悪を問わず効果を及ぼし、その強力さ故に使用者に対しての負荷も非常に高い。扱いも難しいので、普通に使われることはない。
だからこそ、“神の代理人”とも呼ばれる、天使メタトロン(メトラトンは彼の別名である)の名がつけられているのであろう。
最終更新:2016年03月13日 15:40