MOMENT
【悲喜】
あれからミカは何度かバーからの脱出を試みたが、それは全て徒労に終わる事となった。
あの怪物はバー内にまでは押し入って来ないものの、ミカがどちらの出口から出ようとも必ず察知し、空から回り込んで来るのだ。
気付かれる理由は、はっきりしていた。
開く度に、周辺に何かの鳴き声のような音を奏でる、錆び付いた扉のせいだ。
どちらから出ようとも、どれだけ慎重に開けようとしても、扉はやかましく喚き出してしまう。
ミカがどちらから脱出しようとしているのかを、律儀に怪物に教えてしまう。
結局ミカに出来る事は無くなり、ムーディーなネオンでぼんやりとライトアップされている店内で途方に暮れる事二度目。その最中――――。
バー内に、アラーム音が響き渡った。
「ん、誰だ、これ……?」
ビクリ、と身体を小さく跳ね上げつつも、取り出した
ポケベルの緑色の液晶に点滅しているのは、心当たりの無い数字の羅列だった。
桁数と文字列から推測すれば、それは電話番号であるとは思うのだが『090』から始まる番号などミカはこれまでに見た事が無い。
訝しむミカの手の中で、ポケベルは二度目のアラーム音を鳴らす。今度は、メッセージがスクロールしてきた。
『フ゛シ゛ナラテ゛ンワシテ ユカリ』
『無事なら電話して』。ギリギリの容量16文字で書かれた簡潔な文章。
――――ユカリからの。
「センパイ!?」
送信者が誰かを理解し、ミカは声を弾ませた。
しかし、それも一瞬の事。ミカの全身はすぐに寒気に包まれた。
連想してしまったのは、チサトの事。
死者からの連絡は、電話だけではない。
まだ電話の無い時代には、それは手紙という形で届いたという。
要するに、連絡手段であるならば、それは何を媒質としても起こりうるはずなのだ。例えば、ポケベルでも。
「そんなワケ、ない……」
ミカは震える声で、その可能性を否定した。
ユカリがこの街に居る。
魂だけの存在となったチサトがわざわざ教えてくれたのだ。それは嘘や間違いではないはずだ。
そして、チサトからその話を告げられたのは、つい先程。
この短時間でユカリまでもが死んでしまったとは、考えられない。――――いや、考えたくない。
寧ろ逆だ。連絡が来るならば、生きているからこそと考えるのが普通ではないか。
この街に迷い込んだユカリが、何処かで手に入れた電話を使ってミカに助けを求めようとベルを鳴らした。
そう考える方が、ずっと自然だ。そうでなくてはならないのだ。何故死んでいるなどと思い付いてしまったのか。
「そんなワケ、ない」
期待を込めて。いや、不安を押し殺すように、ミカは受信した電話番号を、携帯に入力していく。
一つ一つ数字を押す毎に、胸の辺りに生じた圧迫感が増していく。
最後の数字を入力し、通話ボタンを押せば、呼び出し音が当たり前のように鳴り始めた。
携帯電話に記録されていた番号では、一つを除き、得られなかった反応だ。
この先に居るのは、ユカリのはず。
『この先』――――果たしてそれは、ミカの居る『こちら側』か、チサトの居る『あちら側』か。
呼び出し音が、止まった。電話の中に、人の気配が生まれる。
『…………ミカ?』
「…………センパイ?」
それは、確かにユカリ本人の声だった。
しかし、どこか覇気が感じられない。夕方に聞いた怒鳴り声とは程遠い、気弱な声。
ともすれば泣き出してしまいそうな、ミカの知るユカリらしからぬ声だ。
電話の声は再び、ミカだよね、と呟いた。今度は少し力強く。ただ、嗚咽を含んだ声で。
ミカはその声に、先程のチサトの時と同じ印象を受けた。
どうしても頭をもたげる最悪の事態に、どうにも視界がぼやけ出す。
思わずミカの口から漏れてしまった言葉があった。
「……センパイ……死んじゃっ………………てる?」
『…………は?』
「死んじゃって…………ないよね?」
溢れ出しかける涙を堪えながらのミカの切実な問いに、二度目の反応は返ってこない。
沈黙は肯定の意。そう何かで聞いた事がある。
まさか、本当に。
焦燥が胸の中の不安を大きなものへと変えていく。
ミカは、ユカリの答えを聞く為、耳に意識を集中させ――――――――。
『バカァッ!!!!!』
「ひゃっ!?」
時間にすれば、たかが数秒程度の間だったが、
嗚咽混じりの声は、一転、いつもながらの怒号に変わった。
条件反射でミカの身体が竦み上がる。抱いていた懸念は、その一喝で吹き飛ばされた。
『死んじゃってるぅ? それはこっちのセリフ! どんだけ心配したと思ってんの!?』
「ちょ、ちょっ……待って下さいよ~。センパイ何怒ってんの!?」
『あんたが怒らせてるんだろ! 何? あんたはあたしを怒らせるのが趣味なワケ?』
「そ、そんなワケないじゃないですかー。
センパイ怒らせるなんて素手でライオンと戦うくらいの危険性をトモナいますし。
あたし自殺ガンボーなんてないですよ」
『誰がライオンだっつーの。あんたねえ、ホンットに変わってな…………。
あ、ちょっ……何……オジ…………………………………………』
電話口から離れたのか、ユカリの声が遠くなる。
はっきりとは聞き取れないが、誰かと言葉を交わしている。
――――その様子が、何かおかしい。
何あれ。ユカリが叫んでいる。
走れ。男の声で、そう聞こえる。
何の前触れもなく緊張を孕んだ、あちら側の状況。
センパイ、とミカが呼びかけるも、ユカリは答えない。
何が起きた。ユカリは誰と居るのだろうか。
その疑問の半分は、新たに電話口に出た低めの声が解き明かしてくれた。
『もしもし、
岸井ミカくん、だね?』
「は……はい。……えっと、誰?」
『須未乃大学で講師をしている
霧崎水明と申します。君の無事が確認出来て良かった。
このまま感動の再会の余韻に浸らせてやりたいのは山々だが、申し訳ないが急用が出来てね』
キリサキと名乗った男の声からは、何故か焦燥が伺いとれた。
キリサキの後ろでは、慌てるように声を上げるユカリの気配。
電話口の向こうから、緊迫した様子が伝わってくる。
怪物と遭遇でもしたのか。それとも、殺し合いの
ルールを間に受けた人間に襲われているのか。
キリサキにそれを問いただそうとした、その時。
ミカの耳に、表からの金切り声のような音が届けられた。
ミカの鼻が、薄く漂い始めている嫌な臭いを感じ取った。
反射的に目が出口に向いた。外で、何か変化があったらしい。
『今の音は?』
「……分かりません。外で、何かあったみたいだけど……」
『つまり君は屋内に居るのか。地図は持っているか? そこの場所が分かるなら教えて欲しい』
「え? えーと…………あ、ヘブンスナイトっていうバーです! 趣味がイマイチな」
表への扉の横に、ネオンで描かれている文字『ヘブンスナイト』。
地図にも書かれている施設の名称。おそらくそれで正解のはずだ。
答えている間にも徐々に濃くなる臭いに、ミカは眉を顰めていた。
『ヘブンスナイト……B-5のこれだな。
丁度いい。これから長谷川と一緒にそっちに向かう。
出来る限りそのバーに隠れているんだ。
もしも逃げざるを得ない状況になったら、B-6のアルケミラ病院に向かいなさい。
そこに
式部人見という女性が居る。君を助けてくれるはずだ』
「はい。えっと、センパイは……?」
『連絡が取れたばかりだと言うのにすまないが、代わっている暇は無いんだ。手が空いたらまた連絡を入れる』
「はい。あ、あの――――」
ミカが次の言葉を紡ぐよりも早く、機械的な信号が耳に入った。通話は終了だ。
ユカリとはもっと話したい事があった。伝えなくてはならない事があった。
しかし、切羽詰っているらしいあちら側の状況を鑑みればそれもやむ無しか。
ユカリとキリサキに何があったのか。気にはなるが、ミカには案じる事しか出来ない。
祈る思いで携帯を閉じ、ミカは扉に身体を寄せた。
ユカリの事は心配だが、先程の金切り声のような音――――こちらはこちらで何かが起きている。
とりあえず扉の前で耳を済ませるが、表の様子は何も分からない。
ただ、何かが動いているような気配は感じられる。悪臭の方は時間と共に強くなる一方だ。
外で何が起きているのか、この扉を開ければはっきりする。であれば――――。
ミカは慎重に、扉を押し開けた。外から、強烈な悪臭が風に乗って入り込む。
一呼吸で、虫酸が走った。
胃の中を蹂躙する吐き気にどうにか耐え、扉を開き切ると、
バー内のネオンの光が外に漏れ、階段と前方の路地の様相が照らし出された。
「な、何、あの人達……!? 何、してんの……?」
そこに見えたのは、人だった。数人の人間が、地面に伏している。
いや――――目を凝らせてよく見れば、その中心にはあの空飛ぶ怪物が倒れている。
倒れている怪物に、人が群がっているのだ。
ミカはその異常な光景を、唖然と眺めていた。その人間達の一人が、ゆっくりとミカを振り返る。
「っ……!」
その人間の顔は、腐り落ちていた。
そいつは怪物の肉を喰らいながら、崩れた顔で、白濁した眼球で、ミカを捉える。
ゾンビ――――その言葉が脳裏に浮かび上がるよりも早く、ミカは扉を閉めていた。
喉まで迫り上がっていた吐き気を、首筋に精一杯の力を込めて抑え込む。
「……っはぁ…………何……あれ……」
少なくとも、人間とは思えない。ゾンビとしか言いようのない見た目だ。
そんなものまで、この街には居るというのか。
カツン。表から、音が響く。
――――階段を、上る足音だ。
カツン。カツン。と、一段ずつ、ゆっくりと、上ってくる。
一人だけではない。ニ人か、いや、少なくとも三人分の足音。
ミカは胸のむかつきを押し殺し、扉から距離を置いた。
足音が、扉の前まで上がってくる。扉を荒々しくノックする音が、バー内を揺らす。何度も、何度も、ノックは繰り返される。
キリサキは、出来る限り隠れていろと言った。
ミカも出来る事ならば、そうしたい。
このままやり過ごせるならば、諦めて何処かへ行ってくれるならば、断然それがいい。しかし――――――――。
幾度目かのノックで、扉の一部が突き破られ、
生え出した不気味な腕がミカを探し求めるかのように蠢き出す。
「……無理だって!」
バーに入り込まんとする恐怖に押し出されるように、
ミカは廊下へと駆け出していた。
【B-5/ヘブンスナイト裏口付近/一日目真夜中】
【岸井ミカ@トワイライトシンドローム】
[状態]:左掌に擦り傷、腕に掠り傷、極度の精神疲労、挫け気味の決意、吐き気
[装備]:携帯電話(非通知設定)
[道具]:黄色いディバッグ、筆記用具、小物ポーチ、三種の神器(
カメラ、ポケベル、MDウォークマン)
黒革の手帳、書き込みのある観光地図、オカルト雑誌『月刊Mo』最新号
[思考・状況]
基本行動方針:
長谷川ユカリを優先的に、生存者を探す。
1:逃げる。
2:何かあったら病院に向かう。
※90年代の人間であるため、携帯電話の使い方は殆ど知りません。
※携帯電話の発信履歴に霧崎水明の携帯番号が記録されました。
※バーから何か道具を持ち出しているかどうかは後続の方に一任します。
【逢魔】
「あれ……何だったの!? 恐竜!?」
「……さあな。悪いがそっちは俺も専門外だから、確かなことは何も言えんが……。
何にしても、UMAを見つけたからと言ってはしゃいではいられんぞ」
「そんなの分かってるよ! ミカじゃあるまいし!」
「とにかく、君はここに居るんだ。俺は一つ試したい事があるんでね」
息を切らせて問いかけるユカリに、同じく息を切らせて水明は答えた。
今二人が居るのは、ウィルソン通り沿いの、一つの住宅の塀の陰だ。
ユカリの友人と連絡が取れて喜んでいられたのは、束の間の事だった。
ウィルソン通りも間もなく終わりを迎えるであろう地点。
『研究所』ないしは『病院』が存在するはずの場所を目前にして。
一年ぶりとなる友人との会話で集中を欠くユカリよりも先に、その変化に気付いたのは水明だった。
響く足音と、僅かに鳴動する地面。そして鼻を刺激する異臭。闇の中から感じられるのは、何かが近付いてくる気配。
――――懐中電灯を向けた先に見つけたのは、これまでには見た事も無い巨大な生物だった。
ユカリの言うように、その姿から連想するのは恐竜だった。あくまでも、強いて言えば、だが。
全長は6~7mはあるだろうか。身体の三割程を占める巨大な頭には、目や鼻等のパーツは見られない。
水明達を見つけた狂喜からか、その生物は頭の全てを縦に裂き、咆哮を上げた。
その中に見えるのは、太く、槍のように長い牙。どうやらそれが口らしい。
人間程度の大きさならば、数人は纏めて飲み込めそうだ。
ホッチキスと融合した、のっぺらぼうの大蜥蜴。大雑把に形容すれば、そんなところだ。
すぐに二人は通りを北に走った。
大蜥蜴は二人を追ってくるが、その速度は、精々が人間の歩行と同程度のもの。
振り切るのは、容易い事だった。だが、それを確認した水明は、一つのテストを思い付く。
それは、先程のビルで行ったものと同じテストだ。
シビルから聞いた情報に寄れば、彼女がかつて遭遇した怪物は犬や鳥等の動物が変貌したようなものだったという。
それならあの大蜥蜴も、恐竜や蜥蜴をモチーフに生まれた怪物である可能性は充分にある。
つまりそれは、アレッサ・ギレスピーの創り出した怪物だという事。
その読みが当たっているのならば、大蜥蜴には
太陽の聖環が通用するはずなのだ。
読みが外れて聖環が通用しないとしても、走って振り切る事が可能な相手ならば試すだけの価値はある。
大蜥蜴の気配が感じられなくなる程度の距離を開けると、
水明はユカリに適当な住宅のブロック塀の陰に隠れるように指示を出し――――そして、今。
「試したいコトって……?」
「あいつを退治してみるのさ。
念の為に君にこいつを渡しておく。もしも俺に何かあったらすぐに逃げるんだ。いいな」
水明は『太陽の聖環の印刷された紙』をユカリに渡すと、彼女の返事を待たずに通りに戻る。
背後から声を投げかけ、こちらに出てこようとするユカリを片手で制し、懐中電灯を前に向ける。
――――大蜥蜴が、来る。しかし、まだ距離には余裕がある。
隣接する住宅まで走り、今していたように塀の陰へと入り込んだ。
後は、ここで大蜥蜴が近付いてくるのを待つだけだ。
奇妙な咆哮。歯を打ち鳴らす音。地面を揺らす足音。真夏のごみ捨て場のような臭気。
暗闇の中、大蜥蜴の気配は一定のペースで確実に大きくなってくる。
冷たい汗が、水明の背中に滲んだ。
塀一枚向こうに巨大な怪物が居るのだ。一応は勝算があるとは言え、流石に落ち着いてはいられない。
酷く長い時間が経過したような、そんな錯覚すら覚え始める。
やがて――――怪物の上げる咆哮の様子が変わった。
怪物の歩むペースが遅くなる。いや、どうやら足を止めているのか。
通りを覗き込むと、水明から10m程離れた位置で、大蜥蜴が悶え苦しむように頭を振っていた。
――――ギャンブルは、成功のようだ。
「……ふむ。やはりこいつは、神の生み出した怪物には効果が高いということか」
シャツの下の聖環を軽く叩き、水明は苦しむ大蜥蜴に一歩一歩、慎重に近付いていく。
近付くにつれ、大蜥蜴は膝をつき、躯体を伏し、衰弱していく。
ふと思い付き、水明は逆に巨体からゆっくりと距離を開けてみるが、大蜥蜴が力を取り戻す様子は無い。
聖環の呪いで与えたダメージは、聖環から離れたからといって回復する事は出来ないようだ。少なくとも、短時間では。
しかし――――水明の脳裏で、一つの疑問が形を成す。
聖環の効力は本物だ。神の生み出した怪物に対しては強力な呪いになる。
だとするならば何故、聖環の力は神の創り出したこの空間には効力を発揮しないのか。
聖環は怪物への呪いではない。神への呪いなのだ。
神の創り出した怪物に効果があるならば、神の創り出した空間にも効果が無くては辻褄が合わないはずだ。それなのに、何故――――。
水明は背後を振り向き、ユカリがまだ出て来ない事を確認すると、名簿を取り出した。
先程確認した時よりも、名簿の赤い線は増えている。
この名簿も、イベントの主催者が創り出した物のはずなのだが、こうして聖環に近づけても異常は起こらない。
ならば――――このイベントには、神の力を持つアレッサ・ギレスピーは関わっていない、という事だろうか。
いや、と水明は頭を振った。
神の力は、今のところ怪物の存在のみとは言え、確かに働いている。
である以上、アレッサ・ギレスピーが関わっていないとは言えない。
では、神の力を使用しないでこんなイベントを引き起こす方法があるのだろうか。
――――ある。一つだけ、水明はその術を知っている。
それはユカリの持つオカルト雑誌に書かれていた情報だ。
『
サイレントヒルは、人の心を吸収し、その潜在意識、妄想を具現化する性質を持つ』
つまり元凶となっているのは神の力ではなく、街の力の方だというセンだ。
これならば、名簿にも空間にも聖環の力が通用しない理屈にはなる。
問題は、それが何者の潜在意識なのか、だが――――流石にそこまでを推理出来る情報は無い。
「……とりあえず、純也に連絡をしておくか」
水明は名簿をしまい、代わりに携帯電話を取り出した。
人見から連絡があるまでは試す事もしなかったであろうが、今は携帯が使える事を知った。
純也もこの街に来ている。純也は純也なりに調査を進めているだろう。情報の共有は、必要だ。
「……オジサン? それ……倒したの?」
メールを作成しようと携帯を操作する水明の背後から、ユカリの声がかけられた。
振り向けば、彼女は不安気な様子で大蜥蜴を眺めていた。
「……いや、まだ生きているから気をつけろ。
……そうだな。動物虐待のようで気が引けるが、止めは刺しておくか。
こんなやつが徘徊していたら、この街に居る皆が危険だ」
水明はメールを打つ手を止め、拳銃を構えた。
ユカリの顔が、ほんの少し引きつった。
「……それは、撃つんだ」
「俺もわざわざ撃ちたくはないんだが、やむを得んさ。普通の生物ではない以上はな……。
長谷川、耳を塞いでた方がいい。まあ、君のライオンのような怒鳴り声よりはマシかもしれないが」
「だ、誰がライ――――」
ユカリが顔を赤くして何かを言おうとするのを尻目に、
水明は殆ど動かない大蜥蜴の口の中を狙い、拳銃の引き金を引いた。
その表情を、悲痛さで強張らせながら。
【スプリットヘッド@サイレントヒル 死亡】
【E-3/ウィルソン通り/一日目真夜中】
【霧崎水明@流行り神】
[状態]:精神疲労(中)、睡眠不足。頭部を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)。右肩に銃撃による裂傷(小。未処置)
[装備]:10連装変則式
マグナム(0/10)、携帯電話、懐中電灯
[道具]:
ハンドガンの弾(15発入り)×2、宇理炎の土偶(?)
紙に書かれた
メトラトンの印章、自動車修理の工具
七四式フィルム@零~zero~×10、
鬼哭寺の御札@流行り神シリーズ×6、食料等、他不明
[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し、サイレントヒルの謎を解明する。
1:
風海純也にメールを送る。
2:地図に表記されている『研究所』の位置に何があるかを確認後、
街の南西へ向かい岸井ミカと式部人見を保護する。
3:アレッサ・ギレスピーと関係した場所を調査する。
4:そろそろ煙草を補充したい。
※ユカリには骨董品屋で見つけた本物の名簿は隠してます。
※胸元から腹にかけて太陽の聖環(青)が書かれています。
神の力で創り出されたクリーチャーに対しては10m以内に近付けば衰弱させられるという効果を持ちます。
※純也の持つ御札が鬼哭寺の御札かどうかは後続の方に一任します。
【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]:精神疲労(中)、頭部と両腕を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)
[装備]:懐中電灯
[道具]:(水明が書き写した)名簿とルールの用紙
太陽の聖環の印刷された紙@サイレントヒル3、地図
サイレントヒルの観光パンフレット
ショルダーバッグ(パスポート、オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、食料等、他不明)
[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:ミカを助けに街の南西に向かう。
2:とりあえず水明の指示に従う。
3:チサトを探したい。
4:シビルが心配。
※ミカの持つ携帯電話は非通知設定です。現状では水明に番号は伝わっていません。
【鬼哭寺の御札@流行り神シリーズ】
一見は何の変哲もない御札。
流行り神2にて、鬼哭寺の住職が書いた御札は、黒闇天の絵に込められた呪いを封印していた。
また、犬童蘭子は退魔師としての修行をこの住職の下で積んでおり、
流行り神3では『四角に御札を貼る』という方法で編纂室内に悪霊の入ってこれない結界を作り出している。
書かれている文字次第ではあろうが、流行り神世界の御札は力のある者が使えば割と万能らしい。
その為、神に対抗する為に水明が書いてもらった御札も、
霊的な存在、或いは神に対してはそれなりには通用するものだと思われる。
最終更新:2013年01月10日 19:59