エル・ファシル脱出とは宇宙歴792年8月2日に自由惑星同盟が奪還した惑星エル・ファシルからイゼルローン要塞に帝国軍将兵一七名が生還した事件。帝国版「エル・ファシルの奇跡」ともいえる。

1 戦いの背景

 宇宙歴792年3月2日、エル・ファシル防衛部隊司令官ミヒャエル・ジギスムント・フォン・カイザーリング中将は自決し、惑星エル・ファシル攻防戦における帝国軍の組織抵抗は終結した。しかし、帝国軍残党の抵抗は根強く続いた。その残党にはラインハルト・フォン・ミューゼルジークフリード・キルヒアイスも含まれていた。

惑星エル・ファシル攻防戦ついてはこのページ参照。

2 両軍の指導者・指揮官


3 戦いの経過

 エル・ファシル西大陸の山中に潜伏していたミューゼル中尉は、部下とともに同盟軍の駆逐艦リンデン二二号を奪って宇宙空間へと脱出した。同盟軍が警戒網を敷いたことを知ると、ベジャイア宙域で遭遇した駆逐艦アマランス五号に降伏すると見せかけて乗っ取り、まんまと同盟軍の警戒網を潜り抜けた。
 宇宙歴792年8月2日、ミューゼル中尉一行はイゼルローン要塞に到着。

4 結果及びその影響

 同盟軍エル・ファシル駐留軍司令官ガブリエル・ポプラン少将は宇宙軍副司令官ラザール・ロボス大将の腹心の部下であったため、ロボス大将の威信は大きく傷つけられた。
 大敗北を喫したばかりの帝国軍は、ここぞとばかりにミューゼル中尉の快挙を宣伝し、フェザーンマスコミを通して、脱出作戦の情報を同盟に流しまくった。映画さながらの大胆な手口、首謀者ラインハルトの美貌と若さは、市民の興味を引くと同時に、エル・ファシル駐留軍に対する批判を呼び起こした。駐留軍幹部は全員更迭されて、リンデン二二号とアマランス五号の乗員とともに、査問委員会で事情聴取を受けることとなった。(12話)最終的にミューゼル中尉に乗っ取られた駆逐艦リンデン二二号の艦長は非難に耐え切れずに自殺し、アマランス五号の艦長は降格の上で予備役に編入された。(13話)
 奪った駆逐艦で数百光年を縦断し、帝国軍の英雄となったミューゼル中尉はわずか一六歳で巡航艦の艦長に抜擢された。(99話)
最終更新:2017年11月26日 12:28