――朝日区――
高校の後輩:なにか変なのよ。
そこの家のあたりが、気味悪くて。
なにがどうとは、具体的には
言えないんだけど………
なんとなく悪い予感がするのよ。
近所の人:おい! おい!
この先、なぜか行けないんだ。
なんかヤバイぜ、なんかがよ!!
――吾妻教授宅周辺――
レイ:ここは……異界!
だれかが、異界の一部を現世に出している、
ってことね。
こんなこと、あんたがいつも相手にしてる
ザコじゃできないはず。
これは、あたしの「神降ろし」も要るわ。
先に笠置山へ行ったほうが、いいようね。
やはり、「神降ろし」をすませといて
正解だったわね。
レイ:街なかに、いきなり異界を出現させる
なんて、かなりの大物の仕業よ。
これは、あたしの「神降ろし」も要るわ。
先に笠置山へ行ったほうが、いいようね。
――吾妻教授宅――
レイ:ここが吾妻教授の家ね。
男の声:くそっ!吾妻のクソじじいめ!
どこに本をかくしやがったぁ!!
タカシ:せっかく、シドの先生が異界化まで
してくれて、誰にも邪魔されずに
探せるってのによぉ。
ン?誰だぁ?
ああっ!てっ、てめえは!
シドの先生に、やられたはずじゃねぇか?
生きていやがったのか!?
この、死にぞこないめ!
タカシさまが、引導渡してやらぁ!!
ヤコウ!
テナガ!
アシナガ!
出てきやがれっ!!
――幽鬼ヤコウ、邪鬼テナガ、アシナガと戦闘――
タカシ:な、なにぃ?
みんな、かたづけちまいやがった……。
なんて、やつだ……。
……くそっ、おとしまえは、
つけさせてもらうぜ……。
レイ:あいつ、自爆する気だよっ!!
タカシ:へへっ、まだ勝てねえのか。
まあ、こいつらと遊んでるのが、
おにあいだぜ。
タカシさまは、ズらからせてもらうぜ……。
……あっ、し、しまった爆発しちまう!
百地警部:葛葉!きさまの仕業か。
また、おれの仕事を増やしやがったな。
いつもいつも、怪しい事件には
きさまの影がチラついていたが
今日は現場で、きさまを捕まえた。
署までご同行ねがおうか。
はたして、シラを切り通せるかな?
よし、Tシャツ。連れて行け。
磯野刑事:はいっ!警部!
さあ、来るんだ!!
レイ:ひどいわ!
キョウジは、何もしてないわよ!!
百地警部:うるさいぞ。レイ・レイホゥ。
きさまも一緒にしょっぴかれたいか、ン?
――警察署――
百地警部:……まさか、ズル賢いきさまを
こうして留置場に、ぶち込めるとはなぁ。
きさまには、いろいろ聞きたいことがある。
人間業とは思えん、殺しの現場や
化け物騒ぎが起こった場所に、
必ずと言っていいほど、きさまが
姿を現している。なぜだ?
……まあいい、まずは吾妻教授宅
爆発事件について聞こう。
きさまは、確かに現場にいた。
いったい、何をしていたんだ?
声:警部!
磯野刑事:警部!たっ、たっ、大変です!!
きっ、北山大学で!
百地警部:バカモン!声がでかい。
磯野刑事:すっ、すいません!!
実は…………。
百地警部:……わかった。
すぐ、行こう。
きさまの取り調べは、後だ。
しばらく、そこで頭を冷やしてろ。
キョウジの声:……どうやら、
おれの身体は、無事のようだな。
それにしても、とんだヘマをやったな。
百地のオヤジに捕まるとはな。
お前には、まだしばらく、おれ、つまり
葛葉キョウジとして働いてもらうこと
になりそうだ。
だから、あまりみっともないマネは、するな
……くそっ、もう外にいられないのか……
あばよ。
警官:出ろ。釈放だ。
警官:今、身元引受人が来るからな。
そこで待っていろよ。
話し声:……で、例の教授の家の爆発。
吾妻教授は、いなかったんだって?……
……あい変わらず、行方不明のまま……
……現場にうろついてたのが、ほらあそこ
につっ立ってる、ドジな私立探偵……
……自称、私立探偵じゃないのか?……
……ところで、天堂組のチンピラ……
死体が全然見つからないんだって……
……爆発の時、ふっ飛んだはず……
磯野刑事が見たってよ……
……磯野?あのド近眼の話が
アテになるのかよ……
……百地警部は、北山大学に行ったのか?
……うん、スッとんでったよ。
たかが、怪物さわぎなのにね……
……でも、キャンパス内は
パニックらしいぜ……
マリー:お迎えに来たわよ。
どうだった?鉄格子つきの別荘は?
やっぱり、中身がニセもんだと、
百地にも捕まっちまうのかねぇ。
まぁ、あたしの裏のコネをもってすれば
あんたを釈放させるのも、この通りワケも
ないんだけどねぇ。
かかった手間の分は、今度のギャラから
引いとくからね。
マリー:なんで、わざわざ警察まで来て、
あんたを出してもらったかと言うと、
そう、仕事があるのよ。
当然、やってくれるわよね?
そうよぉ、素直が一番。
で、仕事の説明なんだけど…………
朝日区の「カーサ乾」ってマンションに
悪魔が出たのよ。
どうやら、悪霊みたいなヤツらしいんだけど
最近、急に力が強くなったみたいね。
じゃあ、頼んだわよ。
退治が済んだら、あたしの「占いの館」まで
来てね。
何よ!せっかく、留置場から出してやった
のに、この恩知らず!
犬は、3日飼われたら恩を忘れないって
言うけど、あんた犬以下だよ。
ここまで、言われて悔しかったら、
あたしの「占いの館」まで来な。
レイ:キョウジ!釈放されたのね!
百地のオヤジに捕まるなんて、あんたらしく
ないけど、出られてよかったわね。
あのババァに、借りを作っちゃったのは、
ちょっとくやしいけど。
ところで、ババァの仕事は引き受けた?
ええっ、引き受けちゃったの!?
今、北山大学が大変な騒ぎよ。
吾妻教授が、大学にいるかも知れないって
聞いて、行ってみたら、キャンパス中に
悪魔が出てきたのよ。
しかたないわ、仕事のほうは、
さっさと済ませてから、笠置山の大学へ
行きましょう。
引き受けなかったのね。
今、北山大学が大変な騒ぎよ。
吾妻教授が、大学にいるかも知れないって
聞いて、行ってみたら、キャンパス中に
悪魔が出てきたのよ。
北山大学に行きましょう。
――中央区――
警官:きみ、そこのきみ。
ここで何やっとるんだ。
名前は? 職業は?
レイ:はいはい、ごくろうさま。
面倒だから、ほっといて先に行きましょ。
警官:あ、こら! どこにいくんだ。
待ちなさい、待てって言ってるのに!
警官:はいはい探偵さんね。
この辺りは、あんたが追いかける
ような事件は何もないよ。
市役所職員:ここ中央区は
公官庁街とも呼ばれておりまして、
市政の中心部にあたります。
臨海公園ほど広くはありませんが、
そこの中央公園の木々の美しさは
平崎市で1番ですよ。
OL:中央公園の林が、
立入禁止になっちゃったの。
どうしてなのかしら。
林の奥にある池のほとりで
ボーッとするのが好きだったのに。
あーあ、残念だなぁ。
――朝日区――
近所のおばさん:……あら?
ちょっとちょっと、あんた!
TVに出ていた人じゃないの?
確か、お昼のニュースに出てたでしょ。
再開発の話じゃなくて、
あらら、なんの話でしたっけ……
高校の後輩:この前、初めて、
銃の音を聞いたの。パーンて音だったわ。
とっても、こわかった。
銃犯罪とかって、もう
他人事じゃすまないのね。
近所の人:なんだかよぉ、
いきなりアパート値上げだぜ。
こいつも、なんたら議員のせいか?
近所の人:ふう、最近の若い者は、
礼儀ってもんを知らねえらしい。
仁義を忘れた奴は、ただのチンピラだ。
友人:そこの、おっさん!
俺のダチの家に何か用か?
下手な押売りはお断りだぜ。
友人:この辺りも物騒になったわ。
帰りが夜遅いときなんて、
つい振り向いちゃうの。
誰もいないとバカみたいだけど、
誰かいたらバカじゃすまないもの。
――図書館――
図書館利用者:し、しまった!
「日本古代文明論」がない………
あのとき借りておけば、よかった。
後悔先に立たず、天地相反することなし。
まいったまいった。
しかし、あんなカルトな本を
いったい誰が借りたんだろうか?
ふーむ………
図書館利用者:青白いブタさんが
ユラユラ浮かびながら眠っている………
そんな夢を見たの。
気持ちよさそうだったから、
私も一緒になって寝ようとしたら
目が覚めちゃった。
この夢分析の本によると、私には
誘惑されたい願望があるってことだけど、
それって本当なのかしら?
図書館利用者:最近の図書館って、
本だけじゃなくビデオとかも
貸し出してるのね。
このまえ「ファイナル・ガード」を観たの。
タイトルと同名のお守りを使って、
吸血鬼から逃げ回る、ホラーな映画。
SFXがすごくて、精気を吸われた人が
しなびていくシーンが超リアル。
ゾクゾク度200%もんよ。
――占いの館(仕事を拒否していた場合)――
マリー:「カーサ乾」の悪魔退治。
引き受けておくれよ。
>仕事を引き受けますか?
マリー:じゃあ。朝日区の「カーサ乾」に
行ってよ。
マリー:これだけ言ってもダメかい。
(*再度依頼を受けることができる)
――占いの館(事件未解決のまま、北山大学を先にクリアした場合)――
マリー:いったい、どういうつもりだい!
せっかくのもうけ話を、フイにしちまって!
あんたが悪魔退治する前に、
「カーサ乾」の異界は解けて、
悪魔は出なくなっちまったよ。
「カーサ乾」の住人が、たくさん犠牲に
なったんだよ。まあ、死んじまったやつらは
ともかく、一度引き受けた仕事は、
ちゃんと、片づけておくれよ。
もう、次の仕事の依頼が来てるんだ。
今度は、笠置山のマンション「かさぎ荘」が
異界になっちゃったらしいのよ。
というわけで、「かさぎ荘」の悪魔退治、
やってくれるわよね?
マリー:「働かざる者、食うべからず」って
言うわよ。仕事しなさいよ。
(*再度依頼を受けることができる)
――矢来銀座――
グラサン:生体エネルギーの売買を
する時は、レートに注意することだ。
みみっちいと思うかもしれんが、
細心の配慮こそ、生き残る術だ。
何も考えずに交換すると後悔するぜ。
金髪黒男:彼はケンです。
ケンは私の友達です。
彼はマグを協会でお金に換えます。
また、その協会は彼のお金を
マグにもしてくれます。
だからケンは大喜びです。
――エゼキエル――
ピンクのワンピース女:あたし見たわよ、
朝日区の爆発事故。スゴかったわぁ。
紫服の常連:キョウジさん、
百地にパクられたんだって?
ヤなヤツだよね、あのオヤジ。
レッグウォーマー女:ねえねえ、探偵って
もうかるの?
青い服の女:あたしたちは、踊ってストレス
解消するけどぉ、年寄りは身体動かないから
そうはいかないわよねぇ。
せいぜい、散歩するぐらいね。
笠置山なんか、よく年寄りが歩いてるわ。
うちの大学の教授で、そんな人がいたわ。
あら、あたし、こう見えても女子大生よ。
ホント。
――イノセンス――
マスター
朝日区で家が爆発したそうですね。
やっぱり原因はガスでしょうか?
季節がら、私たちも
気をつけないと、いけませんね。
すみの おんな
あら、やっぱり生きていたのね。
死を偽装してまで、探偵さんが
追ってる事件て何かしら?
例えば、大学の化物騒ぎ………
クス…、どうやら図星みたいね。
大丈夫よ、邪魔はしませんから。
それじゃ、がんばってね、探偵さん。
――クレテイシャス――
長い髪の女:この店に来ると、イヤなことは
すべて忘れられるわ。
ボンデージ女:ねえ、聞いた?
朝日区のマンションに、幽霊が出るって話(*この台詞に「。」はない)
噂によると、呪い殺された人まで
出たらしいわ。
派手なカップル:朝日区のマンションは、
おはらいでもしたほうが、いいんじゃないか(*この台詞に「。」はない)
それより、幽霊退治でもしたほうがいいか。
ゴーストバスターでも、いればいいのにね。
そうだな。
――DDS-NET――
ID ########
NAME SCHUTZE
DDS-NET:ようこそ。
SCHUTZEさん。
SCHUTZEさんに
メールが届いています。
SCHUTZEさん
朝日区で、爆発事故があったらしいですね
SCHUTZEさんの家の近所ですが、
大丈夫でしたか?
爆発したのは、北山大学の吾妻教授の家で、
教授は、よく大学の研究室にこもるとか。
事件の時も留守だったらしいですね。
では、またメールを送ると思います。
今日は、この辺で失礼します。
レッドマン
――カーサ乾――
怨霊の声:……我が領域に進入するのは
誰か?
イヌイ:我らの眠りを邪魔する不らちな人間
許すまじ。
……乾小隊、突撃!!
――怨霊イヌイ、ぶたいへい×4と戦闘――
イヌイ:……無念の思いで自害した我らは
ただ、静かに眠りたかっただけ……
それを、わずか半世紀の後に、
かような金もうけのための建物が、
ここに建てられようとは……
そのいきどおりと、この地にあふれ出た力が
我らを怨霊となさしめたのだ……
マンション住人:ここって昔、兵隊さんが
おおぜい自殺した場所だったって、
聞いたわ。
幽霊でも出るのかしら、怖いわね。
ほかへ引っ越そうかしらね。
――イヌイ討伐後、朝日区――
友人:○○くん!?
あっ、ごめんなさい。
なんでもありません………
まさか、そんなわけないわよね。
あたし、どうかしてるわ………
友人:○○………じゃねえよな。
わりぃ、他人すぎる人違いだった。
………おっかしいなぁ、
全然、似てねえんだよな。
近所の人:いい眼をしてるな………
クローバージムの選手か? いや違うな。
まるで、あんちゃんだけが大事を
抱え込んでいるように見えるぜ。
………ときには息抜きも必要だぞ。
近所の人:あんた、いい服着てるな。
イカスよ、イカス。マジで。
高校の後輩:あの……もしかして、
TVドラマに出てる工藤優作さんですか?
え、違うの?
だったらよかったのに………
近所のおばさん:まったく、平崎市は
下水道の工事やってんのかしら。
このごろ水がキタナイのよ。
マンホールのフタから臭いは出るし、
ほんとに、どうなってるのかしら。
――占いの館――
マリー:「カーサ乾」の悪魔退治、
ご苦労様。
これはギャラの¥50000.
これからも頼むよ。
――笠置山――
警官:キミ! そこのキミ!
ここは警戒区域に指定されているんでね、
うろちょろ、されると困るんだよ。
白衣の女学生:なんなの?
この警官の多さ普通じゃないわ。
いったい何があったのかしら………
――北山大学正門――
警官:ここは、立入禁止だ。
百地警部:またお前か!葛葉!
いつの間に、ブタ箱から出てきた!?
何か事件があると、ノコノコ顔出しやがって
とっとと失せろ!!このクズ野郎!!
磯野刑事:そうだ!失せろ!クズ野郎!!
――北山大学本館――
教授:ななな、なんということだ。
恐ろしい、恐ろしいよキミ。
私の想像を超えた生物がいるんだよ!
自然のルールに従っていないんだ。
何かが、こ、壊れてるんだよ。
誰か400字以内で説明したまえ!!
学生:な、なんのよー。
イヤー、来ないで来ないでったら!
あなたが誰だか知らないけどイヤー!
わたしは化物になんか、
なりたくないのよ~~~!!
学生:黒ずくめの神父が、
教授の部屋に入って行くのを見たよ。
何か探してるようだったよ、うん。
……なんて冷静になってる場合じゃねえ!
あんたも早く逃げないと、怪物どもに
喰われちまうぞゥ、アヒャ~~~!
――北山大学1F研究室――
怪しい教授:ケケケ、ワテの造魔は、
もうすぐ完成や。
ワテって、つくづく天才やね。ケケケケケ。
ン?誰や?
ここは、天才ドクター・スリル様の研究室や
勝手に入りこんだらアカンでぇ。
そや、ワテのかわいい造魔ガルガンチュアの
完成前のテストしたろ。
おまえ実験台にしたるでぇ。
ほな、行けや!!
プロト・ガルガンチュア!!
プロト・ガルガンチュア:……ヴヴヴヴ、
ドクター・スリルサマ、メイレイ、
オマエ、コロス。
ドクター・スリル:ああっ、そんなアホな。
なんで、ワテの造魔くんが負けるんや。
造りかけだったんが、ワヤんなってもうた。
この借りは、いつか返したる。
今日のところは、この辺にしといたるさかい
覚えときや!!
>倒した造魔の中から、何か出てきた。
謎の人形を手に入れた。
――北山大学4F研究室――
シド:あなたハ、葛葉キョウジ……。
この私ガ、確かに殺したはずなのニ、
なぜ、生きているのですカ?
……信じられませン。何かの間違いでス。
葛葉キョウジ、あなたが生きているのハ、
間違いでス。
間違いハ、正さなければなりませン。
間違いを正すためニ、
死んでもらいましょウ。
――魔人シドと戦闘――
そんなに話したけれバ お話ししましょウ
フッフッフッフッフ
こんにちハ! おはようございまス!
シド:このまエ、戦ったときハ、もう少し
手ごたえがあったようでしたガ。
どうかしたのですカ?
でモ、お遊びはここまででス。
そろそロ、あなたを楽にしてあげましょウ。
「葛葉キョウジ」の魂ヨ!
その肉体を離レ、闇の彼方へト
ただよい去レ!
我が偉大なる魔王の御名の元に命ずル!
シド:……な、なゼ?効かないのですカ?
そんナ、バカなことガ、私の術が効かない
ワケがありませン!!
ここハ、ひとまず引き上げましょウ。
あなたの相手ハ、邪鬼シキオウジが
してくれまス。
頼みましたヨ。シキオウジ。
でハ、さようなラ。
――邪鬼シキオウジと戦闘――
レイ:……あんた、誰?
ヤツは、確かに「葛葉キョウジ」の魂に
術をかけたのに、あんたには効かなかった。
あんたは、本当のキョウジ、じゃない?
病院から連れ帰ってから、どうも
人が変わったような気がしたのは、
気のせいじゃなかったようね。
誰だか、わからない者とは、いっしょに
いられないわ……
と言いたいところだけど、今は別行動を
とれるような状況じゃないわね。
ただし、いっしょに付いてきてるからって
今のあんたを、完全に認めたわけじゃない。
勘違いしないことね。
――北山大学――
学生:いったい、なんだったの?
あれって妖怪? お化け?
もう、うまく説明できないわ。
そんなことよりゼミの発表会!
まったくもう、吾妻教授は
どこに行っちゃったのかしら?
研究室の連絡ボードには、
「置きガサはダメだよ秦野さん」って
書いてあるけど、いったい何のことかしら?
教授:きみきみ、
ここは本当に大学なのかね?
自然にかこまれて
学ぶというのも悪くはないが、
お祭り騒ぎは、よろしくないな。
警察の世話にまでなって……
まあ済んだことだから、かまわんがね。
学生:ここは大学だよな………
俺なんか変なもんでも食ったかな?
悪魔が襲ってきて壁はウネウネ………
幻覚にしては、みょうにリアルだった。
これから、合宿で使う山小屋の手配を
しなきゃならないのに、オエっ………
まいったな、まだ気持ち悪いぜ。
助教授:やっと静かになったね。
まったく吾妻教授にも困ったもんだ。
この騒動も教授のせいなんだろう?
あの人、ホント変わっててね。
この前も、とつぜん登山靴とか
寝袋とか買い込んできて、
それで講義もスッポかして、
そのまま行方不明なんだから。
まったく、どこへ行ったのやら……
――笠置山――
女子大生:失敗したわ。
しばらく学校サボってたら、
話題に乗り遅れちゃったじゃない!
ねえねえ、いったい大学で何があったの?
教授は見つかったの? もーくやしいなぁ。
すぐに、友達から情報収集しなきゃ。
学生:やっと騒ぎもおさまったか。
まったく化物やら悪魔やらが、
出たとか出ないとか、あーアホらし。
しっかし学食ぐらいなら、
入れてくれても、よかったんじゃねえか。
ビンボな俺にはこたえたぜ。
白衣の女学生:いったい、警察は
何のために大学を封鎖してたのかしら?
噂では、吾妻教授の研究が事件のカギを
握っているみたいだけど、あの
「日本古代文明論」にどんな謎が……?
研究室には、まだデータが残っているし、
教授はここ平崎市にこだわっていたから、
そう遠くには行かないはず………
やっぱり、本人に聞かないと、
事件の真相はわからないわね。
もっとも、教授が
まだ生きていればの話だけど………
――矢来銀座――
姉:知ってる? 新しい
セルフ・ディフェンスのプロテクター。
すっごくクールなのよ。
妹:あっ!なんだ、
もうトライシールド持ってるじゃない。
やっるー、流行に敏感なのね。
妹:私たちには、まさに
タカネの花なんだけど欲しいなあ、あれ。
姉:我慢することも時には必要なのよね。
バイトでもして、お金ためましょう。
――イノセンス――
マスター
大学のあたりが騒がしいようですが、
何か事件でも、あったのでしょうか?
すみの おんな
あら探偵さん、あなたも探し人?
吾妻教授ならシドという神父さんも
探していましたわよ。
神父さんは、教授は平崎市の外に
いると、考えていたようでしたが
私はまだ大学の近辺にいると思います。
なんとかの元は暗しって言いますでしょ。
真実って、わりと単純だったりするのよね。
――クレテイシャス――
情報屋の男:行方不明の吾妻とかいう
大学教授の噂を聞いたぜ。
大学の北、笠置山に入っていくのを
見たやつがいる。
山の奥に隠れてるらしい。
ボンデージ女:この前、雲雀ヶ丘で悪魔を
見たってヤツがいたよ。
でも、あたしに言わせりゃ、
雲雀ヶ丘に住んで、お高くとまってる
やつらなんて、悪魔みたいなもんだよ。
――業魔殿――
ヴィクトル:おおっ、ついに手に入れた
ようだな。
造魔の中にあったという、これこそまさに
原初の人型たる「ドリー・カドモン」、
生命の息吹を吹き込まれし土塊。
私の悪魔合体の技術をもってすれば、
ここに再び、息吹かせることも
できるであろう。
しかし、神の禁忌に背く
このような品を造ったのは、
一体、何者であろうか………。
――DDS-NET――
ID ########
NAME SCHUTZE
DDS-NET:ようこそ。
SCHUTZEさん。
SCHUTZEさんに
メールが届いています。
SCHUTZEさん
吾妻教授は、よく笠置山に登っていた
らしいですよ。研究のためか、単に好きな
場所なのかは、分かりませんが……。
実は、前に吾妻教授の書かれた本を読んで
感動したんですよ。
それ以来、教授のファンなんです。
だから教授のことは、いつも注目してます。
では、またメールを送ると思います。
今日は、この辺で失礼します。
レッドマン
――矢来区地下水道――
ランタン:ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
ランタン:アクマをいじめる、ワルいニンゲン、デビルバスターをやっつける!
フロスト:やっつけるー!
ランタン:オレたち、デビルバスター・バスターズ!
フロスト:バスターズ!
ランタン:おまえ、ニンゲンだろ?
フロスト:だろー?
ランタン:おまえデビルバスターだろ?
フロスト:だろー?
ランタン:だったら、すぐやっつけてやる!
フロスト:やるー!
>どうしますか?
ランタン:ヒーホー!おれたちに、はむかうなんて
イイどきょうだな!
フロスト:だなー!
ランタン:ようし、やっつけてやる!
フロスト:やるー!
ランタン:ようし、かわいそうだから、きょうは、
このへんにしといてやる。
じゃあな!ヒーホー!ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
ランタン:ややっ、ヒキョウなニンゲンめ!
シッポをまいてにげるのか!?
フロスト:のかー!
ランタン:やあい、ヒキョウもの!ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
ランタン:ちがうのか?じゃあ、
デビルサマナーだな!
フロスト:だなー!
ランタン:だったら、
すぐやっつけてやる!
フロスト:やるー!
>どうしますか?
ランタン:ヒーホー!おれたちに、はむかうなんて
イイどきょうだな!
フロスト:だなー!
ランタン:ようし、やっつけてやる!
フロスト:やるー!
ランタン:ようし、かわいそうだから、きょうは、
このへんにしといてやる。
じゃあな!ヒーホー!ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
ランタン:ややっ、ヒキョウなニンゲンめ!
シッポをまいてにげるのか!?
フロスト:のかー!
ランタン:やあい、ヒキョウもの!ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
――バスターズ2回目以降――
ランタン:また、あらわれたな!
ジャアクな、ニンゲンめ!
オレたち、デビルバスター・バスターズが、
タイジしてやるぞ!
フロスト:やるぞー!
ランタン:いのちがおしくば、もうにどと
アクマをいじめないと、ちかえ!
フロスト:ちかえー!
>ちかいますか?
ランタン:ヒーホー!そうか、そうか!
やったー、ジャアクなデビルバスターを
こらしめたぞ!
フロスト:しめたぞー!
ランタン:ヒーホー!ヒーホー!おれたち、
むてきのデビルバスター・バスターズ!
ヒーホー!ヒーホー!
フロスト:ヒーホー!
ランタン:ヒーホー!
おれたちに、はむかうなんて
イイどきょうだな!
フロスト:だなー!
ランタン:ようし、やっつけてやる!
フロスト:やるー!
ランタン:ようし、かわいそうだから、
きょうは、このへんにしといてやる。
じゃあな!ヒーホー!ヒーホー!
――笠置山――
おじさん:どうやら、
無断で山小屋を使っている
人がいるみたいなんだがね。
そういうの困るんだよねぇ、
管理してる私が後から怒られるんだよ。
ま、君にグチをこぼしても仕方ないがね。
吾妻教授:だっ、誰だ!?
……た、頼む。命だけは、命だけは、
助けてくれ。私には、やり残した研究が
まだまだたくさんあるんだ。
お、おねがいだ……命だけは……。
き、君は、探偵の葛葉くんじゃないか!?
生きていたのか。
まさか、君が生きていたとは……、
よかった……。
君が殺されたと聞いて、怖くなって
すぐに身をかくしたんだよ。
君に、私のボディガードを依頼しておいて
何の知らせもせず、すまなかった。
だが、君が殺されたと思いこんでいたので
次は、自分の番だと思い、
ずっと逃げ回っていたんだ。
君が、約束通り、私の家に来てくれても
ずっと留守にしていて、すまなかった。
レイ:でも、先生。自分の家にいたら
命はなかったわよ。
先生のボロ家は、あとかたもなく
爆破されちゃったから。
吾妻教授:な、なんだって!?
あ、あの家には……私が集めた……、
貴重な古文書……まだ未研究のものが、
まだ手もつけていない……。
私の命の次に大切な……ああ……、
なんてことだ……。
レイ:まあ、命までなくしたら研究どころ
じゃないんだから……。
吾妻教授:そうだ!!今のうちに
君たちへ話しておこう。私の長年の研究から
わかった真実を!!
私が死んでしまったら、
誰にも知られずに、真実は失われ、
私の研究は、すべて無に帰してしまう。
私がこの世に、
生を受けた意味が、生を成した意義が、
すべて失われてしまう。
葛葉くん、レイくん、聞いてくれたまえ。
この、平崎市一帯には、今まで知られて
いなかった、古代史上の事件があったのだ。
古代日本において、大和王朝による統一が
進んでいたころ、各地に存在していた国々は
2つの選択を突きつけられていた。
すなわち、大和王朝の強大な武力の前に
戦わずして服従し、生き長らえるか。
あるいは、屈することをいさぎよしとせず、
最後の一人まで、戦いぬいて滅びるか。
平崎の地には、戦うことを選択した
小さな国があった。
この国を開いたのは、大陸からやって来た
秦氏の一部だとも、伝えられている。
この名も知らぬ国こそ、私が説いた古代に
存在した魔法の国だったのだ。
その力によって、大軍を苦しめたらしい。
使ったのは、魔法ばかりではなく
後の世に言う、悪魔を使い戦わせていた。
さらに、驚くべきことには、
自分たちで悪魔を造り出していた、
というのだ。
……「日本古代文明論」を発表した時、
私は、あたかも正気ではないような言われ方
さえした。
今、君たちに話している内容を公にしたら、
それこそ学会から追放されるだろうな……。
さて、大軍に囲まれ、国は最後を迎える。
そして、女王の娘である一人の姫が
とらわれの身となった。
姫は、言うもはばかられる無残な方法で
処刑された。
だが、姫の無念の思いが怨霊として、
この地に残った。そのため、封印をほどこし
怨霊をしずめた、という。
私が知ったのは、ここまでだ。
この地に、ほどこされた封印について
調べようとした所で、身の危険を感じた。
だが、私のような異端の学者をねらって
どうしようというのだ。
さっぱりわからん……。
封印については、メモを残しておいたが、
今、手元にないので思い出せない。
メモは確か、私の「日本古代文明論」の本に
はさんでおいたはずだが……そのまま、
図書館に返してしまったかもしれん。
私の本は、異端扱いされたあげく
すぐ絶版になり、数が非常に少ない。
私でさえ、自分で持ってないほどだ。
確か、私のゼミの学生……秦野久美子が
図書館から借りた、と言っていたが。
レイ:何、ぐずぐずしているのよ!?
次にねらわれるのは、その秦野って学生
でしょ。
吾妻先生、秦野久美子の家はどこ?
吾妻教授:確か、雲雀ヶ丘の高級住宅地に
住んでいたはず……。
レイ:さあ、雲雀ヶ丘に行くわよ。
吾妻教授:葛葉くんか。私は、当分ここに
かくれているつもりだ……。
ところで、平崎にかくされていた
真実の話をまた聞きたいのかね?
――DDS-NET――
ID ########
NAME SCHUTZE
DDS-NET:ようこそ。
SCHUTZEさん。
SCHUTZEさんに
メールが届いています。
SCHUTZEさん
高級住宅地のヒバリヶ丘(すいません漢字
が難しくて…)に、悪魔が出たそうですね。
大変なことになりましたが、一体どうやって
悪魔が出現するのか、興味があります。
でも、恐くて見に行けませんが……。
では、またメールを送ると思います。
今日は、この辺で失礼します。
レッドマン
――イノセンス――
マスター
私も雲雀ヶ丘あたりに、
店をかまえてみたいものです。
でもそれって、遠い遠い
夢物語なのでしょうねぇ。ふう……
最近の土地の値上りには参りますよ。
ホワイトレディ
カーサ乾に引っ越すのやめたわ。
私、幽霊とかの話、苦手なのよね。
アパートでもいいから、心から休める
部屋が欲しいのよ。緑も欲しいから、
最近は笠置山のアパートを下見してるの。
おくの ふたり
銃犯罪の裏には一部の
米軍兵士が、からんでいるらしい。
ネタの出どころは不明だがね。
――エゼキエル――
ボブカット男:パソコン通信始めたんだぜ。
これで、おれもネットサーファーさ。
情報のゲットも、早いんだぜ。
紫服の常連:変な事件が多くて、
キョウジさんも、忙しいんじゃないの?
事務所、お留守にしてダイジョウブ?
ボーダーシャツ男:氷川神社をぶっ壊す工事
で、事故がやたら多くて、なんかのタタリ
じゃねぇかって、ダチが言ってたよ。
青い服の女:ええっ、大学で封鎖騒ぎ?
知らないわぁ。
あたし、しばらく行ってないからぁ。
――占いの館――
マリー:いいところへ来たね。
新しい仕事が入ってるよ。
今度は、笠置山のマンション「かさぎ荘」が
異界になっちゃったらしいのよ。
というわけで、「かさぎ荘」の悪魔退治、
引き受けとくれよ。
マリー:じゃあ、すぐ笠置山の「かさぎ荘」
に行っとくれ。
マリー:「働かざる者、食うべからず」って
言うわよ。仕事しなさいよ。
(*再度依頼を受けることができる)
マリー:「かさぎ荘」の悪魔退治、
まだ終わんないの?
――占いの館(一度「かさぎ荘」の仕事を拒否している場合)――
マリー:「かさぎ荘」の悪魔退治、
お願いだから、頼まれておくれよ、
ね?
マリー:じゃあ、すぐ笠置山の「かさぎ荘」
に行っとくれ。
マリー:「働かざる者、食うべからず」って
言うわよ。仕事しなさいよ。
(*再度依頼を受けることができる)
――イノセンス――
マスター
近頃、治安が悪くなりましたね。
だからといって警察の方々に
文句を言って、どうにかなるとは……
警部さんは熱心な方なんですが、
あの人だけでは、どうにもこうにも……
ふう、困ったものです。
すみの おんな
かさぎ荘に何かがいるわね。
占い師なら、妖気があふれていて
危険だ、とでも言うのかしら?
ともかく、あなたの出番なんでしょ?
ねぇ、探偵さん。
――かさぎ荘――
声:オレの写真は、芸術だ!!
オレは、写真家にして芸術家なのだ!!
なのに、どいつもこいつも、シノハラだ、
アラキだと、この天才のオレを認めようと
せん!!
カシヤマ:芸術のわからん愚か者どもには、
死あるのみ!!
――怨霊カシヤマ、幽鬼エンクと戦闘――
カシヤマ:もっと、いい写真をとりたかった
…………オレは天才写真家……。
――占いの館――
マリー:「かさぎ荘」の悪魔退治、
ご苦労様。
これはギャラの¥50000.
これからも頼むよ。
――イノセンス――
マスター
アメリカではミサイルが誤って
発射されそうになったらしいですね。
近頃の米軍は何を考えているのやら……
おくの ふたり
平崎市長と天堂組の親分の間には、
交友関係があるらしい。
これは確かな情報ではないがね。
だが市長は市議会員の操り人形だし、
なんらかの裏組織があることは、
十分、考えられることだな。
わかい おんな
秦野家って旧家なんでしょう。
由緒ある家系って、うらやましいわ………
べ、別にお金が欲しいんじゃないのよ。
なんか、お嬢様っていうだけで、
ロマンス感じちゃうのよ、ワタシ。
――雲雀ヶ丘――
どこぞの令嬢:ちかごろ、
秦野家の様子が、おかしいのよ………
あちらも、折り紙つきの良家。
俗っぽいこととは、無縁のはず。
いったい、なにをしているのかしら。
そういう好奇心って、
一般人みたいで、はしたないけど、
ちょっと興味あるわね。
少女:何不自由ない生活。
豊かな自然と、あたたかい陽の光。
これで、友人の愛まであったら、
わたしは、だめになってしまうわ。
老紳士:秦野家のまわりが
騒がしいようではある。
うむ、何かあったんだろうか?
老婦人:心配いりませんわ。
何かあっても、あの冷静な秦野家の奥様が
いらっしゃれば大丈夫ですよ。
老紳士:うむ。
なら、いいのだが……
とはいうものの、気にはなる。うむ。
――秦野家――
ストリゲス:この家にいる、久美子とかいう
女をさらってくれば、いいんだよねぇ。
シド様にしては、楽な仕事を
お言いつけだねぇ。
ストリゴイイ:誰だ?おまえは?
さては、シド様の邪魔をするデビルサマナー
とは、おまえのことか?
シド様は、邪魔するものは殺せと言われた。
おまえは、邪魔者だ。殺す。
ストリゲス:あたしたちが、戦ってる間に
他の者が女をさらっていくからねぇ。
――幽鬼ストリゴイイ、鬼女ストリゲスと戦闘――
久美子の父:たっ、大変だ!!
久美子が!私の娘がさらわれた!!
化け物が、家に飛びこんで来て
娘をさらっていった!!
久美子の母:あなた、落ち着いて!
今、警察に電話しましたから。
声:ガタガタ騒ぐな!
タカシ:あんたらの娘は、無事だ。
この、タカシ様が助けてやったぜ。
ありがたく思いな。
ほらよ、娘は確かに返したぜ。
あばよ。
レイ:あれは……まさか……。
今のヤツ、何かの霊に取りつかれて動いてる
みたいだった……。
もしかすると、本物のキョウジの……。
ちょっと、気になるわ。ヤツを追ってみる。
あんたのオフィスで待ってて。
何か分かったら、行くから。
百地警部:このクズ野郎!!
また、きさまがいやがる。
拉致事件の通報を受けて来たら、これだ。
なんで、きさまは事件ある所に
必ずいるんだ!!
だが、今度はきさまが犯人じゃないらしい。
ガイ者も無事に戻っているし、
おれの仕事じゃないな。
……Tシャツ、帰るぞ。
磯野刑事:はいっ!警部!
――秦野家――
>秦野久美子の家。
久美子:あなたは……?
確か、探偵の葛葉キョウジさんですよね。
あなたは、臨海病院で生き返られた
そうですね。
……○○くんは、全然意識が戻らない……
葛葉さん、あなたとは、ずっと前から
知り合いだったような気がします。
不思議ですね。なぜかしら?
――雲雀ヶ丘――
老紳士:秦野家は旧家の一つ。
老婦人:久美子お嬢さんは、
本当のお嬢様と呼ぶに相応しい
素敵なレディになりましたわ。
老紳士:うむ、たしかに。
はたしてどんな紳士と結ばれるのか、
これからが楽しみだな。
どこぞの令嬢:何かご用ですか?
もう失礼ね! 用もないのに
気安く声を、かけないでちょーだい。
私は、この雲雀ヶ丘に住んでいますのよ。
それがどういうことか、わかって?
極めて、お嬢様なのよ、あたくしは。
もっとも、あなたなんかには
一生かかっても、わからないでしょうね。
話すだけ時間のムダ、ほんとムダですわ。
――葛葉探偵事務所――
レイの声:戻ってたわね。
レイ:あたしのほうは、空振りよ。
チンピラのタカシを追ったんだけど、
見失ったわ。
とても、普通の人間と思えないほど
すばしっこかったのよ。
まるで、何かに取りつかれたような……。
あの動きなら、パートナーにすれば、
正体不明の今のあんたより、頼もしいかも
しれないわね。
……ところで、最近になって急に
悪魔の出現が増えだしてるわよね。
どうやら、吾妻教授の言ってた封印に
関係がありそうなのよ。
この平崎に、封印がほどこされているって
吾妻教授が言ってたけど、封印はいくつも
あるらしいのよ。
その封印に関係するらしい場所が、
市の再開発計画や地上げで、次々に壊されて
いるのよ。
たとえば、笠置山の南東にあった祠が、
取り壊されてるんだけど、いつまでも更地の
ままになっているのよ。
不景気で、マンションを建てる計画が中止に
なったって話なんだけど、どうも怪しいね。
単なる偶然じゃないような気がする。
今度の一連の事件は、封印をめぐって関係
あるような気がするわ。
こんな時に、あんたが本物のキョウジ、
デビルサマナーとして信頼できるかどうか
疑わしいのは、不安よね。
まあ今のところ、封印に関係する場所を
回ったり、情報を集めたりして様子を見る
しかないようね。