真・女神転生2座談会

新宿都庁前にて集合写真

合体シーンがアウシュビッツな感じ

 かつて『週刊ファミコン通信(現ファミ通)』誌上に掲載された「邪教の集い」。これは『真・女神転生2』がまだ制作中であった段階のものだ。ノスタルジーに浸るも良し、またはインタビュー記事と実際のゲームを照らし合わせ妄想に浸るも良し。GBA版真2発売記念、ということで、当時の記事を全文掲載。写真は左から金子一馬氏、岡田耕始氏、柴田亜美氏、御祗島千明氏、相原誠吾氏となっている。

注1)文章中のあきらかな誤字は修正しました。
注2)流星野郎こと相原誠吾氏はすでにアトラスを退社されています。
注3)岡田耕始氏もすでにアトラスを退社されています。

出席者
プロフィール
柴田亜美
超時空クラスの漫画家であり、多忙で美貌である。けして貧乏でマンボーではないので、要注意。また宇宙的ガバス収集家としても有名。最近は本誌の若手色白系の編集者をチャームの魔法で虜にしまくっている。どんどんやってもらいたいものだ。
御祗島千明
超魔界級美人丸ペン師。兄弟誌、月刊アスキーコミックにおいて『真・女神転生』を好評爆裂啓蒙連載中である。同誌編集者によれば14歳のころ、運命的な出会いを経験したそうだが、その相手はミカエルでないことはたしかなようだ。
岡田耕始
かの『真・女神転生2』のディレクター様。座談会出席者の中で唯一、アルコール飲料を摂取していない人であり、つまりは責任感の強いセメントな仕事人である。この人がいれば日本の将来は安泰だね。
金子一馬
かなりデンジャーなグラフィックを、魔界からチャネリングし、現世に送り出す、ドット絵師。世界各地の神話に造詣が深いのは、顔の彫りが深いのとなにか関係があるのだろうか。気になるところだ。
相原誠吾
夜魔ヘンシューシャが闊歩する魑魅魍魎の出版界に敢然と挑む、アトラスの広報マン。ラテン系のノリで女性編集者を口説くのが得意であるが、男性編集者の情報誘導操作には絶対にノラない。男の鑑だ。


柴田:前作ではまだ、カテドラにいるんですけど、かなり難しいですね。セーブできるところが限られていますし、とくに金剛神界ではよく死にました。『2』ではセーブできるところは増えているんでしょうか?

岡田:ターミナルはあまり増えてはいませんね。ただオートマッピングがさらに使いやすくなったと思いますよ。邪教の館などがオートマッピング上でマーキングされるようになりましたから。システム上は、かなり親切設計ですね。

御祗島:ヒロインがふたりいるのは、やはり理由があるんでしょうね?

相原:それをプレーするまえに教えちゃうとまったくおもしろくなくなるんですよ。知らないでやってみると、かなりショックを受けるハズですよ。

御祗島:ではイベントの質問にします。『2』でも選択によって、主人公の属性が変わっていくんですよね。

岡田:変わる変わる。属性はコロコロ変わっていきますね。

御祗島:前作では選択肢がふたつしか選べなかったですよね。もう少し選択の幅が広くてもいいんじゃないかと思ったんですけど……。

岡田:一本道という言葉は使いたくないんですけど、前半は世界観をわかってもらえるような、ストーリーにしたんですよ。でも『2』では、トールとゴトウのような究極の選択はないですね。

金子:こちらが思っていたほどニュートラルで終わった人が少ないよね。

御祗島:『ドラクエ』や『FF』のユーザーだと、ロウになっちゃうんじゃないですかね。

柴田:ロウヒーローは髪型も行動も中途ハンパな感じがしますね。カオスヒーローのほうがカッコイイですよ。

相原:今回発表した3人のキャラクターはそんな単純ではないです。

金子:個人的な意見ですけど、女の子を助けても、はたしてそれが本当に当人のためになったのか?ただプレイヤーの自己満足でしかないかもしれないし、殺してしまったほうが女の子のためになったのかもしれないですからね。やはり単純には判断できませんよ。

柴田:このゲームが好きな理由って、主人公が前世を引きずっていないところなんですよ。登場する悪魔もインド系が多いですし、ひょっとすると、アトラスの方って『ゴッドサイダー』のファンの方が多いんじゃないんですか?

金子:あれはおもしろかったですね。でもじつは『2』でエジプト系とギリシア系の悪魔が加わる予定なんですよ。

岡田:グラフィックはかなり期待できますよ。

金子:まだ全部できてないんですけどね。

御祗島:ところで仲魔になる悪魔は増えるんですか?

相原:種族の数が増えますね。

岡田:それにメニューを見なくても、会話だけで好きな悪魔を仲魔にできるようになったんです。

柴田:前作で登場した悪魔は全部出てくるんですか?

岡田:トータルで200体登場するのですが、新しい悪魔が増えるんで、人気のないものは削られます。フケイやクーフーリンなどの人気のあるキャラは、また登場しますよ。

金子:そうそう。あのジャック兄弟(ジャックフロストとジャックランタン)も増えるんですよ。今度のはジャック・ザ・リパーっていうんですけど、グラフィックはかなりカッコよくなっていますね。

柴田:ケルベロスは?

岡田:最初はいれる予定はなかったんですが、登場させます。

柴田:『2』でも家族愛っていうのはないんでしょうね。私はそういうところが好きなんですけど。前作でも主人公の母親がいきなり殺されたりしましたもんね。

岡田:じつは当初、前作には母親を殺す選択肢もあったんですよ。

御祗島:ちょっと違うけど、他のゲームにはない演出がゲームオーバーの画面にも見られましたよね。あれは変わっているんですか。

金子:ええ変わっていますけど、ノリは同じ感じですね。

御祗島:たとえばお金を半分払えば復活できるとか?

相原:あれ、そういうのなかったっけ?

岡田:…………。

相原:同じ会社の人間なのに、鋭いつっ込みを入れちゃった。まあ、何回も死にたくなるようなグラフィックですよ。

御祗島:じゃあ死ぬのを楽しみにしてます(笑)。カジノがあるんですよね。カジノでしか手に入れられないアイテムとかあるんですか?

岡田:言っていいんだっけ……?まあ、アイテムはべつにしても、カジノはありますよ。

柴田:カジノだったら、とうぜんバニーガールもいるんですよね。

金子:バッチシです。ただ色っぽい系のキャラクターですが、たとえばボディコニアンなどはスカートの丈が長くなったりするかもしれません。あとマーラも『2』では出せないかもしれませんね。

御祗島:それは残念だわ。じゃあルのつく人やスのつく博士はどうなるんですか?ナビゲーターとして登場するのかな?

金子:ルの人は前作と同じ名前で登場します。スのつく博士はもしかすると早い段階で出会えるかもしれませんね。

柴田:『2』でもやはり建物のなかとかの、3D画面が中心になるんですかね?

岡田:まあ、そうですね。

相原:フィールドは斜め見下ろしにしたのには意味があるんですよ。建物に隠れた……あれ?

岡田&金子:おまえがバラしてどーするんだ!

御祗島:前作は精神世界のような別次元のフィールドにもいけたりしましたよね。

岡田:それはないですね。あくまでトウキョウ・ミレニアムが舞台の中心ですから。

柴田:ああいう場面がどんどん出てくると、ドラッグソフトのようになっていくんじゃないですかね。それから操作方法には変更点はないんですか?

岡田:そういう質問を待っていました。『2』はお店でアイテムをまとめて売り買いができるようになるんですよ。それに今回初めて、コンフィグモードがついたんです。ウインドー内でのアイテムや魔法の位置を自由に動かせるのはもちろん、戦闘方法もオートとリピートのふたつを選択することができるんですよ。

相原:システムは簡単に、そしてストーリーはますます奥深くなっているってわけです。


最終更新:2019年04月21日 19:06