真・女神転生 年代記 金子一馬インタビュー

プロフィール

昭和39年9月20日生まれ。世界観設定と全キャラクターデザイン担当。『女神転生2』『真・女神転生』も同様。『魔神転生』『ラストバイブル』などはコーディネート程度とのこと。今回『真・女神転生デビルサマナー』においては、より強力なスタッフのもと、ディレクション的立場での仕事をした。いつも目標としているのは、“みんなの思い出に残るキャラクターをつくること”と語る。


――メガテンシリーズのグラフィックを担当されるようになったきっかけは?

金子:実は、ファミコン版『女神転生』のファンだったんですよ。あれってナムコさんだったんで、アトラスに入社してから、実際はここでつくっていたと聞かされて、ラッキーって思ったんです。どうせグラフィックをやるなら、思い入れの強いメガテンシリーズの仕事がしたいと。『女神転生2』から制作チームに参加するようになりました。

――男性キャラ・女性キャラに分けて、今までに一番気に入ってるのは誰ですか?

金子:今回『サマナー』をやって、麗鈴舫が1位に浮上しました。彼女のスットボケ度がたまらないんですよ。パートナーの中身が変わっても、全然気付かないしね(笑)。2位は、『真2』のベス。自分で描いてて、「すげぇ綺麗だなコイツ」とか思います。彼女は設定からしてすごいですよね。自分のために存在する女性っていう。で、キレイなんだけど、ある種洗脳されたロボットの悲哀があって。すごく愛着があります。

――なるほど。『if...』の女主人公がお気に入りという情報があるんですけど。

金子:ウッ!彼女のイメージは内田有紀なんです(笑)。3番目に好きかな。

――『デビルサマナー』ではどうですか?

金子:『デビルサマナー』だと如月マリーかな(笑)。僕、彼女の名前を最初は織田メイ子っていう名前を推してたんです。映画『ゴースト』の占い師オダ・メイが元ネタなんですけど…。しばらくそう呼んでいたらスタッフが署名集めてきて、やめてくれって言われちゃいました。ちょっぴりさびしかったですね(笑)。

――では、男性キャラは?

金子:男性キャラは、あんまり愛着がないんですよー(笑)。やっぱり女の子を描く方が楽しいですし。

――悪魔ではどうですか?

金子:悪魔は決めかねますねぇ、難しいです。描きすぎですかね(笑)。

――ルシファーは、いかがですか?

金子:彼は、気に入っているというより、大切にしているキャラクターですね。ルシファーは、まだ自分の中では完全体じゃないんです。本当は、翼が12枚だったりするんですけど、まだゲームだと6枚の姿しか出てないですよね。

――じゃあ、今度登場するときは、もっとグレードアップしているわけですね。そういえば、人間の姿でも登場しますよね。

金子:ルイ・サイファーのことですね。ヨーロピアンな感じのスーツを着込んで、胸元にシルクのポケットチーフを入れていて。自分で色々と想像しちゃうんですけど、牛丼とか食べたあと、最後に“ふぁさ~”っと取り出して、キュキュッと口元をふきながら、「ん、ごちそうさま」なんてやってんのかなぁとか(笑)。これって愛着があるのかな?

――普段イラストを描くとき、画材は何を愛用なさっているんですか?

金子:画材は、今はMACですね。やっと手の抜き方もわかってきたんで、時間もかかりませんし。ちょっと前の『真・女神転生2 悪魔大事典』は、一挙短期大量生産型だったので、Tooのコピックを使いました。ゲームパッケージのときは、リキテックスです。

――作業中は、何かBGMを流していらっしゃるんですか?

金子:ええ、クラブでかかるようなやつを聴いてます。ハウス系ですかね。ちなみに、ハードロックは全然聴きません。『真2』のときは、メタルっぽいイメージが欲しくて、レザーファッションが多くなりましたけど、それはただ彼らのファッションセンスを取り込んだ結果です。

――今回の『デビルサマナー』のキャラクター、葛葉キョウジのイメージは、ルパン三世なんですか?

金子:イメージのひとつにはありましたよ。一応キョウジには、テレビシリーズ第一作目の『ルパン三世』、テレビ版『探偵物語』、『エースベンチュラー』のペット探偵、『フォード・フェアレーン』のロック探偵などの要素が、自分の中でおりまざっている感じです。

――金子さんご本人が、ルパンに似てるとかって言われません?

金子:そりゃ、僕意識してますもん(笑)。漫画のキャラクターって、一年中同じ格好してますよね。すごく服装にこだわってるのかも……とか思うんですよ。タンスを開けると、同じ服がバーっとあるシチュエーションがあるじゃないですか。実際そこまでできないけど、イメージ的にはソレを狙ってます(笑)。

――金子さんの中の『サマナー』は、どんなイメージなんでしょうか?

金子:僕のイメージは『メガテン刑事』ですね。内容はずっこけハードボイルド……かな(笑)。ビジュアル面では、ハードボイルドのポイントである“こだわり”を、ライト・イメージで表現できればと思って。それで麗鈴舫は、六文銭のチョーカーをさせてみたんです。六文銭は、三途の川の渡し賃なんです。つまり「いつでも死ぬ覚悟がある」という心の現れですね。まぁそんなカッコイイ設定があるんですけど、それなのに、変な赤いヘアバンドしてたりとね。“ずっこけ”の象徴と申しましょうか(笑)。

――アームターミナルについてなんですが……。メガテンは、案外テクノロジーが進んだ社会なのに、なぜハード本体とモニターがケーブル接続なのでしょうか?

金子:あれは、ジャミング(電波妨害)を避けるためです。ケーブルなら、ハッキングされる危険も減りますからね。PHSやマイクロ波は、脳に悪いらしいし…なぁ~んてことは、あんまり考えてないんですけど(笑)。

――毎回モデルチェンジするのは?

金子:同じだとつまらないという、単純な理由です。今回の『サマナー』のコンセプトは『メガテン刑事』ということで、銃っぽくしました。あれはトリガーを引くと変形して、そのまま格好悪く操作する……みたいな(笑)。しまうときは、手首の動きひとつでガシャッと元に戻るはずなんですけど……できそうにないです(笑)。

――些細なことですが、『if...』の女主人公のモニターはゴーグルなのに、男主人公はレンズひとつですよね?

金子:ああ、あれはね、よく女の子がメガネを頭の上に乗せてるじゃないですか。あれがカワイイんで、女主人公は単純にゴーグルにしたんです(笑)。男は同じだとつまらないので、1個だけに……いやぁ~思い返してみると、本当に男性キャラは、ないがしろにされてますね(笑)。

――では最後に、シリーズの今後の構想について。『メガテン学園』『メガテン刑事』ときましたが、次はどんなジャンルなんでしょう?『メガテン野球団』とか……?

金子:……ああッ!今、もうヤラレタって感じ(笑)。いいですよね、『アストロ球団』!スポーツものもやりたいですね(笑)。まぁ毎回作品のコンセプトは、そのときのスタッフ間のノリなんで、どうなるかわからないんですけど(笑)。