
俺は人は殺さない! その怨念を殺す!
ショウ・ザマがナの国の女王シーラ・ラパーナより賜り、ダンバインから乗り換えて愛機とした、ナの国で開発された新型オーラバトラー。機体性能はパイロットのオーラ力に左右され、高いオーラ力を持つ者が搭乗する事で底知れないパワーを発揮する。実際にビルバインを乗りこなせた人物は、聖戦士であるショウ・ザマのみであった。ウイングキャリバーへの変形機構、オーラソードライフルという他に類を見ない新装備を持つ。脚部にはオーラバトラーとしてはかなり珍しく、ロケットブースターが補助用として内蔵されている。このロケットブースター、実は諸事情から搭乗者ごとバイストン・ウェルに漂流したとある兵器のエンジンが参考にされているので技術的には相当古く、地上では現地製の物がいいパーツの使用箇所が多くなったとか。
スペック
分類 | オーラマシン、オーラバトラー |
生産形態 | ワンオフ機 |
全高 | 8.8メット(約8.8m) |
重量 | 8.6ルフトン(約8.6t) |
動力 | オーラコンバーター |
エネルギー | オーラ力 |
最高速度 | 360リル(約1,440km/h) |
巡航速度 | 290リル(約1,160km/h) |
装甲材質 | 強獣の装甲 |
オーラ係数 | 0.99 |
必要オーラ力 | 14オーラ |
適正オーラ力 | 19.8オーラ |
所属 | シーラ・エレ連合軍、ゼラーナ |
乗員人数 | 1名 |
パイロット | ショウ・ザマ(チャム・ファウ) |
初登場作品 | 聖戦士ダンバイン 第29話「ビルバイン出現」(1983年8月27日放送) |
パイロットプロフィール
- ショウ・ザマ
モトクロッサー志望のごく普通の高校生だったが、夜間のツーリング中、エ・フェラリオのシルキー・マウによって、異世界バイストン・ウェルに召喚された。顎の×印が印象的。アの国の地方領主・ドレイク・ルフトに迎えられ、同じ地上人のトッド・ギネスらと共に新型オーラバトラーダンバインを与えられて聖戦士となり、その潜在的オーラ力を発揮する。しかし、ドレイクに仇なすニー・ギブンやマーベル・フローズンとの出会いによって、この世界における正義を考え直して、ドレイクのもとを出奔しニーの率いるゼラーナ隊に加わった。
CV:中原茂
CV:中原茂
武装
- ワイヤークロー
オーラバトラーの標準装備である両腕に内蔵された射出式のワイヤー付き鉤爪。
- オーラ・キャノン
背面に装備されたオーラバトラーでは珍しい大型レール式の二門の大砲。
- オーラ・ソード
オーラバトラーの標準装備である長剣。
- オーラ・ソード・ライフル
オーラ・ショットとオーラ・ビーム・ソードの手持ち式複合武器。
- オーラ・ショット
2連装。単にオーラ・ソード・ライフルと言った場合これを指す。
- オーラ・ビーム・ソード
本体下部に装備された銃剣形式の武器。
必殺技
- オーラ斬り
オーラ力を纏ったオーラ・ソードで敵を斬る。命名はチャム・ファウ。
- ハイパーオーラ斬り
強大なオーラ力を纏ったオーラ・ソードで敵を斬る。命名は「オーラ斬り」と同じくチャム・ファウだが、原作において彼女がこう呼ぶ技は無く、ゲームオリジナルの技である。
ドラゴニュートの人形劇では…
登場キャラの1体。家にある人形大体登場ムービーでは、ダンクーガノヴァと共に武器を構えていた。撮影にはHGのプラモデルを使用している。
名台詞
- 「一体……ここはどこなんだ?」
第1話より。ダンバインによる初陣の後、マーベルの言葉を思い出し、バイストンウェルの空を見上げながら。中原茂氏も印象に残った場面に挙げている。
- 「すべてが、一方的なんだな…」
第3話でリムル・ルフトに会い地上に帰る方法を訊いてみたが、「オーラロードが開かなければ帰れない、それはシルキー・マウしか開けないし、月が満ちて彼女がその気にならなければ無理」と言われて。
- 「ドラムロ型である限り!」
第11話でガラリアの駆るドラムロと相対して。直後に一撃で戦闘不能にしてしまう。激戦を潜り抜け技量とオーラ力が高まり、最早ドラムロではショウを止める事ができない。
- 「速い…流石聖戦士!」
第13話でトッドと対峙した際に。成長しパワーアップして自分を追い詰めていく彼を敵ながら賞賛する。
- 「あまりにも身勝手じゃないか!」
「あたし達に犯罪人の親として生きてゆけというの!」とヒステリーを起こしたチヨに拒絶された事に失望し、こう叫ぶ。
- 「南無三!」
ガラリアと共にオーラロードを開こうとした際に覚悟を決める。
- 「マーベル、下がれ! こいつは目晦ましだ!」
第37話「ハイパー・ジェリル」にて。目の前で行われているハイパー化があまりに信じられない光景過ぎてすぐに受け入れることができない。
- 「俺は人は殺さない! その怨念を殺す!」
ショウ最大の名台詞と言っていいだろう。最期の決戦でバーンと刺し違える直前の台詞。人と人の戦いの中で多くの憎しみを見てきたショウが辿りついた一つの答え。「怨念を殺す!」とは、まさに富野節全開。まさに主人公といったところ。
- 「シーラ・ラパーナ……浄化を…!」
バーンと刺し違えたショウの最期の台詞。
余談
- ビルバインは「聖戦士ダンバイン」後半のストーリーをビルド(構築)するダンバイン」という意味を込めて名付けられた。
- 作中のオーラバトラーは昆虫をモチーフにした生物的なフォルムで統一されているが、ビルバインだけはメカニカルなフォルムをしている。これは当時「聖戦士ダンバイン」のメインスポンサーであった玩具メーカー「クローバー」の強硬な意見が取り入れられた結果、生まれてしまったものである。なお、この頃既にクローバーは破産寸前で、番組放映中に倒産してしまった。
- ビルバインのメカニックデザインを担当した湖川友謙氏(*1)によるラフ稿段階のビルバインは、機体の腹部が蛇腹状になっている点が見られる等、依然として(*2)昆虫風の外見を留めていた。
- なお、上記のラフ稿段階では「ダンバイン強化タイプ」「ダンバード」「オーラバード」という仮称が与えられていた。
- 準備稿段階でのビルバインの顔は、人間で言う「目」に相当する部分がわかりづらいものになっている。しかし、上記のデザインでは「視聴者(*3)から怖がられてしまう」と判断された為か、「黄色の目」を持つ現行のデザインに変更されている。
- 後年同作品のメインのメカニックデザインを担当していた出渕裕氏により本機をリデザインした「ヴェルビン」が発表されている。こちらはメカニカルなフォルムを押さえられている(*4)のが特徴で非変形の設定がある。元々、ヴェルビンを描く以前により力強いデザインのビルバインを提示していたがやむなき事情もあって果たせなかった背景がある。ちなみにそのデザインはメカニカルなフォルムを極限まで抑え、ダンバインの延長線上にあるようなデザインだった。
- 上記のようにデザインに紆余曲折があったビルバインだが、「ぱちんこCR聖戦士ダンバイン」ではTV版の要素を保ちつつ生物と鎧要素などヴェルビンの要素を取り入れリファインされたデザインとして登場した。
- オーラキャノンのアイディアは、「聖戦士ダンバイン」放送当時のメインスポンサーであった玩具メーカー「クローバー」からの要請によるものである。ただしこのクローバー製のビルバインの玩具には、何故かオーラキャノンは1門しか付属していない。
添付ファイル