「あ、あの、マサツグさん。ちょっと良いですか?」
決意新たにメグ捜索へ動き出した真嗣とクウカ。
道中は他の参加者との遭遇もなければ、NPCに襲われる展開もなく。
良く言えば平和、悪く言えば収穫の無い道行となった。
互いに殺し合いの場であると忘れてはおらず、緊張感も抜け落ちていない。
まして仲間の一人が何処かへ連れ去られたとあっては、呑気に雑談へ花を咲かせる程無神経でもない。
当然クウカも承知してはいるが、一つ疑問を抱けば時間と共に膨らみ続けるというもの。
意を決し前方を歩く彼に声を掛ければ、立ち止まらずに振り向いた。
道中は他の参加者との遭遇もなければ、NPCに襲われる展開もなく。
良く言えば平和、悪く言えば収穫の無い道行となった。
互いに殺し合いの場であると忘れてはおらず、緊張感も抜け落ちていない。
まして仲間の一人が何処かへ連れ去られたとあっては、呑気に雑談へ花を咲かせる程無神経でもない。
当然クウカも承知してはいるが、一つ疑問を抱けば時間と共に膨らみ続けるというもの。
意を決し前方を歩く彼に声を掛ければ、立ち止まらずに振り向いた。
「じ、実はクウカ、気になることがあって…。あ、で、でも若しかしたら気にし過ぎなだけかもしれないんですけど…や、やっぱり聞かなくても…」
「一人で勝手に解決するくらいなら、最初から口にするな。話してみろ、でなきゃ俺にも判断が付かん」
「そ、そうですね、ごめんなさい……」
「一人で勝手に解決するくらいなら、最初から口にするな。話してみろ、でなきゃ俺にも判断が付かん」
「そ、そうですね、ごめんなさい……」
目をあっちこっちに泳がせ謝る少女へ少々呆れつつ、しかし苛立ちをぶつける真似はしない。
性癖は特殊なれど対人スキルはお世辞にも良いとは言えない、だが先程自分へ真っ向から言葉を返した姿を見れば芯の強さを疑う気も無かった。
大っぴらに信頼だ何だのと言うつもりは無くとも、既に仲間と認めた間柄だ。
この状況で些事に時間を割く少女ではないと分かっているから、黙って続きを待つ。
性癖は特殊なれど対人スキルはお世辞にも良いとは言えない、だが先程自分へ真っ向から言葉を返した姿を見れば芯の強さを疑う気も無かった。
大っぴらに信頼だ何だのと言うつもりは無くとも、既に仲間と認めた間柄だ。
この状況で些事に時間を割く少女ではないと分かっているから、黙って続きを待つ。
「マ、マサツグさん。どうしてあの緑色の人は、メグちゃんをわざわざ攫って行ったんでしょうか?」
「…確かにな」
「…確かにな」
言わんとする具体的な内容はすぐに分かった。
放送の直後、マヤの死亡が原因で引き起こされたメグの暴走。
目まぐるしく変わる展開に少しばかり混乱したものの、落ち着いて考えればクウカの疑問は最もである。
何故緑の装甲を纏った怪人は、メグをすぐに殺さず攫って行ったのか。
放送の直後、マヤの死亡が原因で引き起こされたメグの暴走。
目まぐるしく変わる展開に少しばかり混乱したものの、落ち着いて考えればクウカの疑問は最もである。
何故緑の装甲を纏った怪人は、メグをすぐに殺さず攫って行ったのか。
あの時見せた異様な速さなら、奇襲と同時に一人くらいは容易く殺せる筈。
常人の数倍打たれ強いクウカとて、急所を不意打ちされれば無事では済まない。
真嗣も同じだ、「守る」スキルは自分自身を対象に使われるが真価を発揮するのは他者を守りたいと想った時。
自分を守るという想いだけでは緑の怪人の動きへ対処が間に合わず、何が起きたか知りもせずに殺されたかもしれない。
だが実際に緑の怪人の標的となったのはメグ。
しかも戦意喪失しディープスペクターの変身が解かれ、殺すにはまたとないチャンスだったにも関わらずあえて拉致だ。
常人の数倍打たれ強いクウカとて、急所を不意打ちされれば無事では済まない。
真嗣も同じだ、「守る」スキルは自分自身を対象に使われるが真価を発揮するのは他者を守りたいと想った時。
自分を守るという想いだけでは緑の怪人の動きへ対処が間に合わず、何が起きたか知りもせずに殺されたかもしれない。
だが実際に緑の怪人の標的となったのはメグ。
しかも戦意喪失しディープスペクターの変身が解かれ、殺すにはまたとないチャンスだったにも関わらずあえて拉致だ。
「少なくとも俺に妨害される前から、メグを無理やり連れて行こうとしていた」
「最初からメグちゃんを攫う気だったなら、こ、殺すつもりは無いんでしょうか…も、もも、もしかして、ドSさんみたいな鬼畜趣味をお持ちの方…!?で、でしたら、クウカがいつでも代わりますのに…!」
「その脳内ショッキングピンクはどうにかならんのかお前」
「最初からメグちゃんを攫う気だったなら、こ、殺すつもりは無いんでしょうか…も、もも、もしかして、ドSさんみたいな鬼畜趣味をお持ちの方…!?で、でしたら、クウカがいつでも代わりますのに…!」
「その脳内ショッキングピンクはどうにかならんのかお前」
涎を垂らし恍惚の表情で悶える仲間を尻目に、メグが攫われた理由を考える。
緑の怪人の迷いが無い行動から、ターゲットは最初からメグに絞られていたと見て良いだろう。
ではメグが選ばれたのは何故か。
自分とクウカ、そしてメグで違うもの。
性別等ではなく、恐らくは殺し合いに対するスタンス。
仮面ライダー鎧武程の率直な正義感を叫ぶ気は無いが、真嗣は当然殺し合いに乗る気は皆無。
クウカもまたアユミの死にショックこそ受けてはいるものの、他者を手に掛け生き残る気は無し。
しかしメグは違う。
出会った時の頃はともかく、放送直後はマヤが殺された現実を受け入れられず優勝を目指そうと牙を剥いた。
説得を受け取り敢えずは落ち着いたと思いきや、緑の怪人による連れ去りだ。
緑の怪人の迷いが無い行動から、ターゲットは最初からメグに絞られていたと見て良いだろう。
ではメグが選ばれたのは何故か。
自分とクウカ、そしてメグで違うもの。
性別等ではなく、恐らくは殺し合いに対するスタンス。
仮面ライダー鎧武程の率直な正義感を叫ぶ気は無いが、真嗣は当然殺し合いに乗る気は皆無。
クウカもまたアユミの死にショックこそ受けてはいるものの、他者を手に掛け生き残る気は無し。
しかしメグは違う。
出会った時の頃はともかく、放送直後はマヤが殺された現実を受け入れられず優勝を目指そうと牙を剥いた。
説得を受け取り敢えずは落ち着いたと思いきや、緑の怪人による連れ去りだ。
(……メグを利用して少しでもゲームを楽にクリアする、そういう理由か?)
優勝に迷いを見せたメグを言い包めて、緑の怪人自身が勝ち残るための駒に変える。
これならば分からんでもない。
やってる事は下衆の行いな上に、それはそれで新たな問題が生まれるが。
メグが殺し合いに乗るのを強く拒否すれば、利用価値無しと判断され今度こそ殺されるかもしれない。
或いは提案を受け入れ、やはりマヤを生き返らせようと優勝に動く可能性も低くは無い。
どっちにしても結果は最悪、急ぎメグを見付ける必要性が一段と増す。
これならば分からんでもない。
やってる事は下衆の行いな上に、それはそれで新たな問題が生まれるが。
メグが殺し合いに乗るのを強く拒否すれば、利用価値無しと判断され今度こそ殺されるかもしれない。
或いは提案を受け入れ、やはりマヤを生き返らせようと優勝に動く可能性も低くは無い。
どっちにしても結果は最悪、急ぎメグを見付ける必要性が一段と増す。
「全く…手間のかかる奴だ」
ため息と同時に移動速度を上げ、クウカも慌てて後を追う。
煙玉のせいで逃げた正確な方向は不明。
ただ常時高速移動が可能という訳でもないらしく、恐らく然程遠くには行っていない筈。
間に合うかどうかは、自分達が如何に早く見付けられるかに掛かっている。
内心の焦りに急かされるまま駆け出す。
煙玉のせいで逃げた正確な方向は不明。
ただ常時高速移動が可能という訳でもないらしく、恐らく然程遠くには行っていない筈。
間に合うかどうかは、自分達が如何に早く見付けられるかに掛かっている。
内心の焦りに急かされるまま駆け出す。
結果から言うと、再会は叶った。
但し、望んだ展開とは大きく異なると付け加えた上で。
但し、望んだ展開とは大きく異なると付け加えた上で。
市街地を進みどれくらい経った頃か。
走る二人の目の前に、民家の物陰からスッと現れた小柄な体躯。
驚き足を止めた真嗣達の目にハッキリ映る、探し人と一致する特徴の数々。
ツインテールに結んだ赤毛も、可愛らしい純白と桃色の衣装も、片手に持った杖も。
最初に会った時と何一つ変わらないメグが、目の前にいる。
走る二人の目の前に、民家の物陰からスッと現れた小柄な体躯。
驚き足を止めた真嗣達の目にハッキリ映る、探し人と一致する特徴の数々。
ツインテールに結んだ赤毛も、可愛らしい純白と桃色の衣装も、片手に持った杖も。
最初に会った時と何一つ変わらないメグが、目の前にいる。
「メ、メグちゃん…!?」
「うん、メグだよー。マサツグさんとクウカさんも久し振りー」
「うん、メグだよー。マサツグさんとクウカさんも久し振りー」
困惑を隠せないクウカと反対に、メグの態度から動揺の類は見られない。
喧嘩の仲裁目的で白シャツの中年との戦闘に割り込んだ時と同じ、いっそ能天気と言って良い程。
まるで自分が連れ去られた事も、親友が殺される光景をむざむざ見せられた事も頭から抜け落ちたかのよう。
喧嘩の仲裁目的で白シャツの中年との戦闘に割り込んだ時と同じ、いっそ能天気と言って良い程。
まるで自分が連れ去られた事も、親友が殺される光景をむざむざ見せられた事も頭から抜け落ちたかのよう。
「やれやれ…久し振りも何も別れて数時間程度だろう」
だからこそ真嗣は呆れを口にしながらも、警戒を強める。
今のメグは何かがおかしい。
攫われた筈がどうして自由に動いている?
自力で脱出した線も無くはない、専用の杖や仮面ライダーとやらのベルトを持っていれば抵抗は可能だ。
しかし自分達が最後に見た時と今とでは、メグの様子が違い過ぎる。
ゲームマスターの甘言に乗る程追い詰められたというのに、こうも短時間で完全に吹っ切れるものなのか。
当たって欲しくない嫌な予想を意識せざるを得ず、強張る真嗣を嘲笑うようにメグが口を開いた。
今のメグは何かがおかしい。
攫われた筈がどうして自由に動いている?
自力で脱出した線も無くはない、専用の杖や仮面ライダーとやらのベルトを持っていれば抵抗は可能だ。
しかし自分達が最後に見た時と今とでは、メグの様子が違い過ぎる。
ゲームマスターの甘言に乗る程追い詰められたというのに、こうも短時間で完全に吹っ切れるものなのか。
当たって欲しくない嫌な予想を意識せざるを得ず、強張る真嗣を嘲笑うようにメグが口を開いた。
「心配かけてごめんなさい、二人とも…。でも、私はもう大丈夫だよ。いっぱい悩んだけど、チマメ隊としてやらなきゃいけないことも分かったから!」
「目標が出来て何よりと褒めてやっても良いが…具体的に何をする気だ?」
「目標が出来て何よりと褒めてやっても良いが…具体的に何をする気だ?」
杖を握り締める手に力を籠め、迷いが吹っ切れたと言わんばかりの瞳。
言葉だけ聞けば悪いものでは無い筈なのに、どうしてだろうか。
メグの瞳から、希望というポジティブな色が全く見えないのは。
言葉だけ聞けば悪いものでは無い筈なのに、どうしてだろうか。
メグの瞳から、希望というポジティブな色が全く見えないのは。
「うん!実はね、マサツグさんとクウカさんにも手伝ってもらえたら嬉しいなって思って…」
「少し会わない間に厚かましくなったか?内容を聞かない事には何も言えんぞ」
「じゃあズバリ言うよー!私が優勝するお手伝いを、お願い出来るかな?」
「少し会わない間に厚かましくなったか?内容を聞かない事には何も言えんぞ」
「じゃあズバリ言うよー!私が優勝するお手伝いを、お願い出来るかな?」
半ば予想できた答えが返って来た。
こんなもの外れてしまえと内心吐き捨てる真嗣の隣で、案の定クウカは絶句。
自分と真嗣の言葉を受けて、殺し合いに乗るのは思い直したんじゃなかったのか。
言葉らしい言葉が出ないクウカをどう思ったのか、平然と続ける。
こんなもの外れてしまえと内心吐き捨てる真嗣の隣で、案の定クウカは絶句。
自分と真嗣の言葉を受けて、殺し合いに乗るのは思い直したんじゃなかったのか。
言葉らしい言葉が出ないクウカをどう思ったのか、平然と続ける。
「私が優勝したら、死んじゃったプレイヤーさん皆をちゃんと生き返らせるの。それだけじゃなくて、恐い記憶も全部消してもらうから!」
「こ、恐い記憶、ですか…?」
「そう!殺し合いをさせられたことを皆が忘れちゃえば、誰も苦しい思いしなくて済むもん」
「こ、恐い記憶、ですか…?」
「そう!殺し合いをさせられたことを皆が忘れちゃえば、誰も苦しい思いしなくて済むもん」
蘇生させるだけでは駄目だ、マヤが生き返っても決して喜ばない。
むしろ悲しませ、苦しめてしまう。
だったら殺し合いが起きた事実を頭から綺麗さっぱり消してしまえば、その心配も不要。
殺し合いなんて最初から起きていない、ゲームマスター達の存在自体誰も知らない。
今までと同じ平和な日常を過ごせる。
むしろ悲しませ、苦しめてしまう。
だったら殺し合いが起きた事実を頭から綺麗さっぱり消してしまえば、その心配も不要。
殺し合いなんて最初から起きていない、ゲームマスター達の存在自体誰も知らない。
今までと同じ平和な日常を過ごせる。
「論外だ。お前は人の話を聞いていなかったのか?」
メグが掴んだ希望への片道切符を、真嗣は躊躇せず破り捨てる。
辛い記憶を消してしまいたい、その考えだけなら分からんでもない。
真嗣自身、両親やミヤモト達など異世界に来る前の生活で忘れたい記憶は少なくない。
が、それとこれとは話が全く別。
自信満々に記憶を消してもらうだとか言っているが、その為の大前提をメグは忘れてはいないか。
悪趣味極まるゲームに大勢を巻き込んだ、自称神の檀黎斗が素直に願いを叶えてくれる保障が一体どこにあるという。
むしろ優勝後もあれこれ理由を付けて約束を反故にし、新しい殺し合いに強制参加させる方が納得がいく。
辛い記憶を消してしまいたい、その考えだけなら分からんでもない。
真嗣自身、両親やミヤモト達など異世界に来る前の生活で忘れたい記憶は少なくない。
が、それとこれとは話が全く別。
自信満々に記憶を消してもらうだとか言っているが、その為の大前提をメグは忘れてはいないか。
悪趣味極まるゲームに大勢を巻き込んだ、自称神の檀黎斗が素直に願いを叶えてくれる保障が一体どこにあるという。
むしろ優勝後もあれこれ理由を付けて約束を反故にし、新しい殺し合いに強制参加させる方が納得がいく。
「ク、クウカもメグちゃんのお手伝いは、できません…。さ、最後に忘れるからって、それはやっちゃ駄目だと思います…」
当然クウカもメグの提案には賛同できない。
黎斗を信用していないのは勿論、何よりメグの行為は自分から大切な絆を捨てるに等しい。
仮にメグの望んだ通りの結果になったとて、その過程で無関係の参加者を殺して良い理由は一つも無い。
自分達の絆を取り戻す為に、他者の絆を踏み躙る。
そんなもの、メグ自身がチマメ隊の友情に泥を塗っているのと同じではないか。
一番最初に助けてくれた優しさをメグが捨ててしまうなど、悲しい真似はさせたくなかった。
黎斗を信用していないのは勿論、何よりメグの行為は自分から大切な絆を捨てるに等しい。
仮にメグの望んだ通りの結果になったとて、その過程で無関係の参加者を殺して良い理由は一つも無い。
自分達の絆を取り戻す為に、他者の絆を踏み躙る。
そんなもの、メグ自身がチマメ隊の友情に泥を塗っているのと同じではないか。
一番最初に助けてくれた優しさをメグが捨ててしまうなど、悲しい真似はさせたくなかった。
「マサツグさんとクウカさんは…私を手伝ってくれないってことかな……?」
快活な笑みに影が差し、寂しげな色が表れる。
自信満々に言ったけど向こうからの反応は芳しくない。
当たり前だろと返す少年、申し訳そうにしつつも首を横に振る少女。
態度は違えど答えは同じ。
メグの願いを彼らは決して認めない、叶える気は無い。
自信満々に言ったけど向こうからの反応は芳しくない。
当たり前だろと返す少年、申し訳そうにしつつも首を横に振る少女。
態度は違えど答えは同じ。
メグの願いを彼らは決して認めない、叶える気は無い。
「……そっか。じゃあ、仕方ない、のかな」
もうちょっと説得を頑張ろうかと思ったけど、二人の顔を見たら途端にその気も消え失せる。
これは絶対に頷いてくれないだろうなと察してしまったから。
これは絶対に頷いてくれないだろうなと察してしまったから。
真嗣とクウカのことは嫌いじゃない。
片方は捻くれててもう片方はちょっと変わってる、でもどっちも良い人だから。
最後にはマヤと同じように生き返るとはいえ、本当なら殺そうなんて思わない二人だから。
偶然真嗣達を見付けた時、説得させて欲しいと『同行者』に頼んだ。
自分の願いに納得してくれたら嬉しいなと思い、結果はご覧の通り。
片方は捻くれててもう片方はちょっと変わってる、でもどっちも良い人だから。
最後にはマヤと同じように生き返るとはいえ、本当なら殺そうなんて思わない二人だから。
偶然真嗣達を見付けた時、説得させて欲しいと『同行者』に頼んだ。
自分の願いに納得してくれたら嬉しいなと思い、結果はご覧の通り。
「うん…しょうがない、よね」
「お前と言いクウカと言い、一人で勝手に納得するのをやめろ。メグ、お前は――」
「もう出て来ていいよ、コッコロちゃん」
「お前と言いクウカと言い、一人で勝手に納得するのをやめろ。メグ、お前は――」
「もう出て来ていいよ、コッコロちゃん」
質問を遮られた真嗣だが鼻白む事は無く、むしろ手間が省けたと言える。
メグが姿を見せた物陰のずっと奥より現れる、更に小柄な少女。
ピンと尖った両耳に透き通るような白い肌、幼いながらに整った顔立ち。
ここがコンクリートジャングルではなく緑に囲まれた森ならば、妖精と思われても不思議は無い。
生憎と真嗣は幼い異性を愛でる趣味を持ち合わせてはおらず、ましてこの状況で警戒以外に向けるものは皆無。
腰に差した日輪刀を意識し、コッコロと呼ばれた少女から目を離さない。
メグが姿を見せた物陰のずっと奥より現れる、更に小柄な少女。
ピンと尖った両耳に透き通るような白い肌、幼いながらに整った顔立ち。
ここがコンクリートジャングルではなく緑に囲まれた森ならば、妖精と思われても不思議は無い。
生憎と真嗣は幼い異性を愛でる趣味を持ち合わせてはおらず、ましてこの状況で警戒以外に向けるものは皆無。
腰に差した日輪刀を意識し、コッコロと呼ばれた少女から目を離さない。
「メグさま、そのご様子ではお話の方は余り上手くいかなかったのですね」
「えへへ…うん…やっぱり反対されちゃった」
「そうですか……では仕方ありません。ここからは事前に話し合った通りに」
「えへへ…うん…やっぱり反対されちゃった」
「そうですか……では仕方ありません。ここからは事前に話し合った通りに」
彼女達の間で話が纏まったのか、揃って真嗣達の方へと向き直る。
視線に含まれるのはとてもじゃないが、友好的とは言えない。
コッコロは元より、メグもまた今の今までにこやかに接していたのが嘘のよう。
戦いは避けられないと誰の目にも明らかな、一触即発の空気がたちまち充満。
ルビーを填め込んだように輝く瞳に射抜かれ、クウカはビクリと全身を震わせた。
視線に含まれるのはとてもじゃないが、友好的とは言えない。
コッコロは元より、メグもまた今の今までにこやかに接していたのが嘘のよう。
戦いは避けられないと誰の目にも明らかな、一触即発の空気がたちまち充満。
ルビーを填め込んだように輝く瞳に射抜かれ、クウカはビクリと全身を震わせた。
「そちらの方……初対面ではありますが何でしょう、この全くの他人とも思えない感覚は。…もしや、ランドソルの方では?」
「へっ?えっ、えっとぉ…そうですけど、でも…ク、クウカはあなたと会うのは初めてですし…あの…」
「ふむ…ということは主さまともお知り合い…?主さまの事ですから、その可能性の方が高いですね。むぅ、主さまは何人の女の子とお友達になれば気が済むのでしょうか」
「へっ?えっ、えっとぉ…そうですけど、でも…ク、クウカはあなたと会うのは初めてですし…あの…」
「ふむ…ということは主さまともお知り合い…?主さまの事ですから、その可能性の方が高いですね。むぅ、主さまは何人の女の子とお友達になれば気が済むのでしょうか」
何か気に障る事でも思い出したのか、不機嫌な顔色に早変わり。
ここにはいない誰かへ文句を言うコッコロに少しばかり空気が緩み、真嗣も思わず呆れる。
聞いた限りではクウカと同じ国、或いは並行世界の出身。
件の主さまが誰かは知らないし興味も抱かないが、長々と不満をぶつける気は無いらしい。
横のメグからの生暖かい視線を感じ、コホンと咳払いを一つ。
取り出した機械を腹部に押し付ければ、途端に場は引き締まる。
ここにはいない誰かへ文句を言うコッコロに少しばかり空気が緩み、真嗣も思わず呆れる。
聞いた限りではクウカと同じ国、或いは並行世界の出身。
件の主さまが誰かは知らないし興味も抱かないが、長々と不満をぶつける気は無いらしい。
横のメグからの生暖かい視線を感じ、コホンと咳払いを一つ。
取り出した機械を腹部に押し付ければ、途端に場は引き締まる。
「恨みも怒りもありません。こうなってしまい申し訳なく思います。ですがわたくし達の為に、どうか暫くお眠り頂くようお願いします」
『バナナ!』
「変身、でございます」
『ロックオン!ソイヤッ!バナナアームズ!ナイト・オブ・スピアー!』
ファンファーレのような音を響かせるのも束の間、コッコロの頭上にジッパーが開く。
クラックと呼ばれる次元を繋ぐ出入り口より、巨大バナナが落下。
民族衣装の上からインナースーツへを纏い、果実が胸部で展開。
黒いボディに明るい黄色の目立つ騎士へと変身完了。
アーマードライダーブラックバロン・バナナアームズ。
楽園の王から奪い取った装備は、コッコロが得意とする得物を操るライダーだ。
果実の特徴を持つ槍、バナスピアーを構える。
クラックと呼ばれる次元を繋ぐ出入り口より、巨大バナナが落下。
民族衣装の上からインナースーツへを纏い、果実が胸部で展開。
黒いボディに明るい黄色の目立つ騎士へと変身完了。
アーマードライダーブラックバロン・バナナアームズ。
楽園の王から奪い取った装備は、コッコロが得意とする得物を操るライダーだ。
果実の特徴を持つ槍、バナスピアーを構える。
「ふう、まあ薄々分かっていたが結局こうなるか」
メグが連れ去った犯人と協力関係になっていた場合、戦闘はまず避けられない。
覚悟が出来てなかったと言えば嘘になる、しかしいざ現実のものになれば愚痴の一つや二つは自然と零れる。
文句を言って解決するなら幾らでも続けるが、今必要なのは口では無く剣。
もう一度メグを説得するにしろ、コッコロ共々大人しくさせねば始まらない。
覚悟が出来てなかったと言えば嘘になる、しかしいざ現実のものになれば愚痴の一つや二つは自然と零れる。
文句を言って解決するなら幾らでも続けるが、今必要なのは口では無く剣。
もう一度メグを説得するにしろ、コッコロ共々大人しくさせねば始まらない。
それに、戦う理由ならば新たに一つ生まれた。
コッコロの腰に巻かれた機械、戦極ドライバーは葛葉絋汰が鎧武の変身に使ったのと同じ。
時を支配する神に抗ったヒーローの力を悪用する気ならば、止める以外に無いだろう。
絋汰とは赤の他人であれど、後を託された一人として知らん振りもできない。
コッコロの腰に巻かれた機械、戦極ドライバーは葛葉絋汰が鎧武の変身に使ったのと同じ。
時を支配する神に抗ったヒーローの力を悪用する気ならば、止める以外に無いだろう。
絋汰とは赤の他人であれど、後を託された一人として知らん振りもできない。
「全く、面倒ごとばかり押し付けてくれるな」
呆れ笑いもそこそこに日輪刀を引き抜く。
コッコロだけではない、守ると決めた少女もこちらを殺す気満々だ。
コッコロだけではない、守ると決めた少女もこちらを殺す気満々だ。
「ごめんね、マサツグさん…クウカさん…チマメ隊の為に、ちょっとだけ我慢してね」
謝罪とは裏腹の殺意が爆発し、本来ならば手を取り合えた者達の闘争が幕を開けた。
眠ってくれ、我慢して欲しい。
直接的な言葉を避けてはいても、結局のところ少女達が求めるのは一つ。
真嗣とクウカの死、優勝の為の礎。
無論お断りだ、こんな所で死ぬ気も無ければメグの手を汚させるつもりだって無し。
直接的な言葉を避けてはいても、結局のところ少女達が求めるのは一つ。
真嗣とクウカの死、優勝の為の礎。
無論お断りだ、こんな所で死ぬ気も無ければメグの手を汚させるつもりだって無し。
殺さずに無力化が最善であるが、そう簡単に終わらせられるかは別。
華奢な肉体を装甲で覆い隠し、ブラックバロンが得物を構えて突撃。
狙われたのは真嗣。
クウカよりも幾分冷静であり、優先的に殺すべきと判断したが故。
華奢な肉体を装甲で覆い隠し、ブラックバロンが得物を構えて突撃。
狙われたのは真嗣。
クウカよりも幾分冷静であり、優先的に殺すべきと判断したが故。
急所を一突きにすべく穂先が迫る中、真嗣も日輪刀で迎え撃つ。
真嗣であって真嗣ではないミーム汚染の怪物程で無くとも、「守る」スキルは自分自身を対象にも発動可能だ。
まずは己の命を守らなければ、仲間の守護など夢のまた夢。
身体能力が強化されたのを感じ取り、槍を力任せに弾く。
真嗣であって真嗣ではないミーム汚染の怪物程で無くとも、「守る」スキルは自分自身を対象にも発動可能だ。
まずは己の命を守らなければ、仲間の守護など夢のまた夢。
身体能力が強化されたのを感じ取り、槍を力任せに弾く。
穂先は左胸より位置をズラされ、明後日の方向を突いた。
再度真嗣に狙いを合わせ突き刺すには、一度腕を引き再び伸ばす工程が必要不可欠。
二撃目を律儀に待ってはやらず、日輪刀が風を斬り接近。
手早く気絶ないし無力化に持ち込み決着を付けたいところだが、ブラックバロンは自身の敗北を跳ね退ける。
隙が生まれる瞬間くらい十分理解している、慌てることなく刃を回避し反対に腕を振るった。
再度真嗣に狙いを合わせ突き刺すには、一度腕を引き再び伸ばす工程が必要不可欠。
二撃目を律儀に待ってはやらず、日輪刀が風を斬り接近。
手早く気絶ないし無力化に持ち込み決着を付けたいところだが、ブラックバロンは自身の敗北を跳ね退ける。
隙が生まれる瞬間くらい十分理解している、慌てることなく刃を回避し反対に腕を振るった。
「むっ…!」
今度はバナスピアーのシャフト部分が襲い来る。
アームズウェポンの例に漏れず強度は非常に高い。
ましてブラックバロンの腕力が加わり、直撃を受ければ一撃殴殺も有り得る威力。
甘んじて受け入れる選択は真っ先に外し、ここは回避へ移行。
アームズウェポンの例に漏れず強度は非常に高い。
ましてブラックバロンの腕力が加わり、直撃を受ければ一撃殴殺も有り得る威力。
甘んじて受け入れる選択は真っ先に外し、ここは回避へ移行。
リーチが日輪刀よりも長い分、少し離れ過ぎているくらいが丁度良い。
後方へ跳び退き今の今まで立っていた位置を槍が通過、殴られた空気の悲鳴に耳を貸さず集中。
真嗣の方から仕掛ける必要は無い、地を蹴り飛ばしブラックバロンが距離を詰める。
狙われたのはまたもや急所、死が迫る薄ら寒い気配にスキルが発動。
自分の腕とは思えない強さと速さを乗せ、真一文字を書く刀。
防御成功を喜ぶ暇も無く、痺れる指先へ真嗣は顔を顰めた。
後方へ跳び退き今の今まで立っていた位置を槍が通過、殴られた空気の悲鳴に耳を貸さず集中。
真嗣の方から仕掛ける必要は無い、地を蹴り飛ばしブラックバロンが距離を詰める。
狙われたのはまたもや急所、死が迫る薄ら寒い気配にスキルが発動。
自分の腕とは思えない強さと速さを乗せ、真一文字を書く刀。
防御成功を喜ぶ暇も無く、痺れる指先へ真嗣は顔を顰めた。
(やはり仮面ライダーというのは面倒だな…)
果実を被る奇抜な変身方法には開発者のセンスを疑うが、発揮する力は油断ならない。
小学生程の年齢のコッコロが変身しているからだろう、ブラックバロンの身長は真嗣よりも低い。
だからといって身体機能までひ弱な少女かと言えば、残念ながら違う。
刀身から伝わる衝撃は重く、気を抜けば日輪刀がへし折られ兼ねない。
動きの一つ一つにも無駄が見られず、装甲を着てるとは思えない身軽さ。
ディープスペクターとも小競り合いを行ったが、メグの時より危険度は上。
スペック差がどうこう以上に、コッコロの動きは明らかに戦い慣れている。
小学生程の年齢のコッコロが変身しているからだろう、ブラックバロンの身長は真嗣よりも低い。
だからといって身体機能までひ弱な少女かと言えば、残念ながら違う。
刀身から伝わる衝撃は重く、気を抜けば日輪刀がへし折られ兼ねない。
動きの一つ一つにも無駄が見られず、装甲を着てるとは思えない身軽さ。
ディープスペクターとも小競り合いを行ったが、メグの時より危険度は上。
スペック差がどうこう以上に、コッコロの動きは明らかに戦い慣れている。
(随分物騒なちびっ子だ。異世界出身、というのなら珍しくは無いのだろうが…)
コッコロがどういった生き方をしてきたかはともかく、楽に勝てる敵では無いのだろう。
何せブラックバロンだけでない、恐らくコッコロには別のライダーの力がある。
メグを連れ去った緑色の怪人、アレの正体もコッコロなら今一度気を引き締めなばならない。
「守る」スキルが無ければ、奇怪な速さには反応も許されなかったのだから。
何せブラックバロンだけでない、恐らくコッコロには別のライダーの力がある。
メグを連れ去った緑色の怪人、アレの正体もコッコロなら今一度気を引き締めなばならない。
「守る」スキルが無ければ、奇怪な速さには反応も許されなかったのだから。
幸い、現状は自身を対象に発動中のスキルだけで対抗出来ている。
決して落とさぬよう柄を両手で握り、バナスピアーと斬り結ぶ。
シャフト部分を刀身が何度叩いても、折れず曲がらず砕けない。
刀鍛冶の里の職人の腕も勿論あるとはいえ、スキルの影響で日輪刀の強度も上昇したらしい。
でなければ真嗣本人を「守る」のは不可能。
決して落とさぬよう柄を両手で握り、バナスピアーと斬り結ぶ。
シャフト部分を刀身が何度叩いても、折れず曲がらず砕けない。
刀鍛冶の里の職人の腕も勿論あるとはいえ、スキルの影響で日輪刀の強度も上昇したらしい。
でなければ真嗣本人を「守る」のは不可能。
しかし攻めに移れない、現状はブラックバロンの槍を真嗣が防ぐ構図が延々と続く。
体躯の違いもあってかコッコロではパラダイスキングのアクロバティックな戦法も、シュラのような力で押す戦い方も難しい。
だが彼らと違い槍の扱い方はコッコロの方が心得ている。
普段使っている武器とは勝手が違い重量も上、その問題はアーマードライダーの機能で大部分解決済み。
となれば武器に振り回される危惧も解消、、自分の手の如く巧みに操り真嗣を攻め立てる。
体躯の違いもあってかコッコロではパラダイスキングのアクロバティックな戦法も、シュラのような力で押す戦い方も難しい。
だが彼らと違い槍の扱い方はコッコロの方が心得ている。
普段使っている武器とは勝手が違い重量も上、その問題はアーマードライダーの機能で大部分解決済み。
となれば武器に振り回される危惧も解消、、自分の手の如く巧みに操り真嗣を攻め立てる。
(ふむ、まだ少々慣れないですが問題ありません。基本はこちらの姿を使うべきですね)
もう一つのライダーも強力な能力を有すが、使い易さならば槍を持つブラックバロンが勝る。
パラダイスキングにはトドメを刺すのみで終わった力を、本格的に試す良い機会だ。
まだまだ先は長い、優勝への道のりは険しい。
一人殺した程度で満足するようでは、己の望む結末は絶対に手に入らないだろう。
パラダイスキングにはトドメを刺すのみで終わった力を、本格的に試す良い機会だ。
まだまだ先は長い、優勝への道のりは険しい。
一人殺した程度で満足するようでは、己の望む結末は絶対に手に入らないだろう。
冒険者と従者が鎬を削る一方で、残る二人の少女も戦闘を行っていた。
杖から放たれるは魔力を籠めた光弾。
ファンタジーとも争いとも無縁の世界に生きたメグに力を授ける、別世界の彼女の専用武器。
『練習台』相手に撃った甲斐もあり、光弾の発射に手間取る様子は見られない。
先端に埋め込んだ宝石が輝き、桃色の殺意が放たれた。
杖から放たれるは魔力を籠めた光弾。
ファンタジーとも争いとも無縁の世界に生きたメグに力を授ける、別世界の彼女の専用武器。
『練習台』相手に撃った甲斐もあり、光弾の発射に手間取る様子は見られない。
先端に埋め込んだ宝石が輝き、桃色の殺意が放たれた。
「メ、メグちゃん…!こんなことやめましょう…!」
既に何度も戦闘中止を訴えてはいるが、一向に聞き入れてはもらえない。
これが答えだと言わんばかりに光弾に襲われては避け、時には防ぐ。
説得を簡単に諦めはせずとも、無抵抗のままでは本当に殺される。
普段ならば魔物の攻撃は大歓迎、思う存分辱めて欲しい。
が、本気で自分を殺しに来ているのを馬鹿正直に受け止める気は流石に皆無。
まして万が一メグの攻撃が原因で死んだら、彼女を人殺しにしてしまう。
自分も真嗣も、きっとメグ自身だって本当は望んでいない筈だ。
これが答えだと言わんばかりに光弾に襲われては避け、時には防ぐ。
説得を簡単に諦めはせずとも、無抵抗のままでは本当に殺される。
普段ならば魔物の攻撃は大歓迎、思う存分辱めて欲しい。
が、本気で自分を殺しに来ているのを馬鹿正直に受け止める気は流石に皆無。
まして万が一メグの攻撃が原因で死んだら、彼女を人殺しにしてしまう。
自分も真嗣も、きっとメグ自身だって本当は望んでいない筈だ。
「で、ですので、クウカは絶対に攻撃を受けたりしません…!今だけドMは封印します…!」
真嗣が聞いたら確実に呆れるだろうが本人は大真面目。
宣言通り回避と防御に集中し、間違ってもメグが手を汚す事態にはさせない。
運が良いのか支給されたのは短剣、クウカの使い慣れた武器。
おまけに短剣を持っていると、心なしか体が軽くなったような気がする。
当りの支給品を逆手に持ち、光弾を斬り落とす。
宣言通り回避と防御に集中し、間違ってもメグが手を汚す事態にはさせない。
運が良いのか支給されたのは短剣、クウカの使い慣れた武器。
おまけに短剣を持っていると、心なしか体が軽くなったような気がする。
当りの支給品を逆手に持ち、光弾を斬り落とす。
「うぅ~全然当たらないよー…。練習が足りなかったのかな…?」
数十発は撃っているのにクウカにはまるで命中せず。
パラダイスキングで練習したとはいえ、ほとんど動かない的と俊敏に動く人間では当たる難易度も別物。
加えてクウカはヴァイスフリューゲルの一員として、それなりに荒事も経験済み。
ギルド結成前は戦闘のド素人だったが最早過去の話だ。
オーエド町の騒動は勿論、カイザーインサイトによるランドソル襲撃でも魔物討伐に参加し事件解決に貢献。
元々一般人のメグよりも戦闘には慣れている。
パラダイスキングで練習したとはいえ、ほとんど動かない的と俊敏に動く人間では当たる難易度も別物。
加えてクウカはヴァイスフリューゲルの一員として、それなりに荒事も経験済み。
ギルド結成前は戦闘のド素人だったが最早過去の話だ。
オーエド町の騒動は勿論、カイザーインサイトによるランドソル襲撃でも魔物討伐に参加し事件解決に貢献。
元々一般人のメグよりも戦闘には慣れている。
仮にコッコロとの二人掛かりなら苦戦は免れなかったろうが、仲間がいるのはクウカも同じ。
そちらは真嗣が引き受けており、メグの相手に集中できる。
どうにかメグを無力化させれば自分も真嗣の支援に迎えるだろう。
手荒な真似はお断り、何とか傷付けずにメグを捕えるしかあるまい。
そちらは真嗣が引き受けており、メグの相手に集中できる。
どうにかメグを無力化させれば自分も真嗣の支援に迎えるだろう。
手荒な真似はお断り、何とか傷付けずにメグを捕えるしかあるまい。
「ま、まさかクウカが縛る側になるなんて…ドSさんに知られたら、『調子の乗るなよ、一から躾け直してやる』なんて言われそうです…フヒッ、フヒヒヒヒヒ…!」
「えっと、どうしてクウカさんは笑ってるのかな…?」
「えっと、どうしてクウカさんは笑ってるのかな…?」
涎を垂らし悶え始める姿に困惑を隠せない。
その間も杖から光弾を撃ち続けるが案の定躱され、短剣に斬られる。
チマメ隊の絆を守る為に優勝すると決意したというのに、現実は厳しい。
もどかしさを感じるメグへ少しずつ距離を詰め、クウカが拘束するのは時間の問題。
その間も杖から光弾を撃ち続けるが案の定躱され、短剣に斬られる。
チマメ隊の絆を守る為に優勝すると決意したというのに、現実は厳しい。
もどかしさを感じるメグへ少しずつ距離を詰め、クウカが拘束するのは時間の問題。
二人の様子はブラックバロンにも見えていた。
メグには杖以外にも戦う力がある、だが捕われ支給品を没収されでもすれば無意味。
自分が助けに行こうにも真嗣が見逃してはくれない。
メグには杖以外にも戦う力がある、だが捕われ支給品を没収されでもすれば無意味。
自分が助けに行こうにも真嗣が見逃してはくれない。
「ふむ、ではこちらもあの方を使うとしましょう」
使える戦力が他に無い訳じゃない。
むしろこういう時の為に潜ませておいて正解だったと言える。
後方へと跳び一旦距離を取る、警戒してか真嗣は直ぐには接近せず。
好都合だ、バナスピアーを掲げた後にクウカへ穂先を向けた。
むしろこういう時の為に潜ませておいて正解だったと言える。
後方へと跳び一旦距離を取る、警戒してか真嗣は直ぐには接近せず。
好都合だ、バナスピアーを掲げた後にクウカへ穂先を向けた。
攻撃の合図は“三人目”にしかと伝わり、指示通りに動く。
『ブドウスパーキング!』
威勢の良い声は人間が発したものに非ず。
コッコロの腰に巻かれたのと同じ、戦極ドライバーの電子音声。
コッコロの腰に巻かれたのと同じ、戦極ドライバーの電子音声。
「伏兵か…!?」
察しが付くのに時間は掛からない、しかし手遅れ。
何故他にも仲間が隠れている可能性を考え、周囲にもっと警戒しておかなかったのか。
悔やんだってどうにもならない、攻撃は既に放たれた。
光が一点に収束したかと思えば銃声が鳴り、殺意が形となって現実に姿を見せる。
眩い輝きを発する龍がクウカに牙を剥く。
開いた大口に飲み込まれ、骨まで焼き潰す最期を迎えること間違い無し。
何故他にも仲間が隠れている可能性を考え、周囲にもっと警戒しておかなかったのか。
悔やんだってどうにもならない、攻撃は既に放たれた。
光が一点に収束したかと思えば銃声が鳴り、殺意が形となって現実に姿を見せる。
眩い輝きを発する龍がクウカに牙を剥く。
開いた大口に飲み込まれ、骨まで焼き潰す最期を迎えること間違い無し。
「ヒィッ!?さ、流石にクウカも、これは本当に死んじゃいますぅ~~~!?」
辱めを受けるのは大歓迎でもこれは無理だ。
快感へと変換できないレベルの激痛だろうし、何より冗談抜きに死ぬ。
頑丈さが取り柄のクウカとて耐えられない、急ぎ避けようにも龍の方が速かった。
短剣一本で防御は無謀と分かっているが、何もしないで死ぬよりはマシ。
涙目で短剣を翳し来る衝撃と熱さに思わず目を瞑る。
快感へと変換できないレベルの激痛だろうし、何より冗談抜きに死ぬ。
頑丈さが取り柄のクウカとて耐えられない、急ぎ避けようにも龍の方が速かった。
短剣一本で防御は無謀と分かっているが、何もしないで死ぬよりはマシ。
涙目で短剣を翳し来る衝撃と熱さに思わず目を瞑る。
ヴァイスフリューゲルの仲間も、ドSさんと呼び他の異性とは違う感情を向ける少年もいない。
彼女を救うギルドメンバーは現れず、仲間になれた筈の少女の手で命を奪われる。
数秒と経たずにアユミと同じ場所へ旅立ち、白翼が無残にもむしり取られる末路。
彼女を救うギルドメンバーは現れず、仲間になれた筈の少女の手で命を奪われる。
数秒と経たずにアユミと同じ場所へ旅立ち、白翼が無残にもむしり取られる末路。
「クウカ…!!」
神の遊戯に相応しい展開へ、断固として否を唱える者が一人。
紫水晶の如く輝く龍がクウカを喰らい殺す。
ほんの少し先の未来に訪れるだろう光景を、真嗣は決して認めない。
暑苦しく友情だのと言う気はない、面と向かってどこぞの少年漫画のような台詞を叫ぶなど真っ平御免。
素直になれない捻くれ気質なのは自分でも分かっていて、そう簡単には変えられない。
だけど、真嗣はクウカを仲間だと本心から思っている。
ヴァイスフリューゲルという居場所を守りたいと決意し、自分を支える為に真正面から言葉をぶつけた。
そんなクウカが、仲間が危機を迎えているのなら冷めた態度など取れるものか。
ほんの少し先の未来に訪れるだろう光景を、真嗣は決して認めない。
暑苦しく友情だのと言う気はない、面と向かってどこぞの少年漫画のような台詞を叫ぶなど真っ平御免。
素直になれない捻くれ気質なのは自分でも分かっていて、そう簡単には変えられない。
だけど、真嗣はクウカを仲間だと本心から思っている。
ヴァイスフリューゲルという居場所を守りたいと決意し、自分を支える為に真正面から言葉をぶつけた。
そんなクウカが、仲間が危機を迎えているのなら冷めた態度など取れるものか。
死なせたくない、守りたい。
自分では無く他者への想いが強まった時こそ、真嗣のスキルは本領を発揮するのだ。
孤児達を守った時と同じ感覚に身を任せ、日輪刀を龍目掛けて振るう。
仲間に牙を剥く悪しき力を消し去り、大元に刃が届いた。
自分では無く他者への想いが強まった時こそ、真嗣のスキルは本領を発揮するのだ。
孤児達を守った時と同じ感覚に身を任せ、日輪刀を龍目掛けて振るう。
仲間に牙を剥く悪しき力を消し去り、大元に刃が届いた。
「ひぎゃんっ!?」
まさか攻撃が破れるとは思いもせず、しかも自分まで斬られるとは予想外。
内心の驚愕をも上回る痛みに悲鳴を上げ、戦場へと己が姿を晒す羽目となる。
姑息な手に出たのはブラックバロンと同じく、戦極ドライバーを用いた戦士。
但しコッコロよりも更に小柄なアーマードライダーであった。
内心の驚愕をも上回る痛みに悲鳴を上げ、戦場へと己が姿を晒す羽目となる。
姑息な手に出たのはブラックバロンと同じく、戦極ドライバーを用いた戦士。
但しコッコロよりも更に小柄なアーマードライダーであった。
「また子供か……」
一体どんな奴かと思えばまたもや子供、しかも背の低さや声の高さからコッコロよりも年下。
小学生のコスプレをしたクッソ気色悪い男に始まり、本物の幼児まで現れるとは。
躊躇なく攻撃に出たということは、もしやこの子供も異世界出身なのだろうか。
警戒は解かずに内心首を傾げる真嗣へ、立ち上がった子供が怒りをぶつける。
小学生のコスプレをしたクッソ気色悪い男に始まり、本物の幼児まで現れるとは。
躊躇なく攻撃に出たということは、もしやこの子供も異世界出身なのだろうか。
警戒は解かずに内心首を傾げる真嗣へ、立ち上がった子供が怒りをぶつける。
「どいつもこいつも…!ここにいるのは僕の価値が分からないおバカさんばっかりなんですかぁ~!?」
アーマードライダー龍玄ことタラオは血走った目で、仮面越しに許し難き少年を睨む。
デスノートとかいうふざけた道具で生与殺奪の権を握られ、嫌々ながらもコッコロ達に同行。
真嗣達を見付けた際には合図をしたら攻撃、それまでは隠れて待機の指示を受けた。
パラダイスキングがやったのと同じだ、最初から全員で戦うよりは伏兵を忍ばせておく方が良い。
この隙に逃げようとも思ったがデスノートの効果が本物だった場合、離れて行っても名前を書かれてゲームオーバー。
仕方なく合図を待ち撃ったは良いものの、命中どころか打ち消された挙句自分の方が攻撃される羽目に遭った。
デスノートとかいうふざけた道具で生与殺奪の権を握られ、嫌々ながらもコッコロ達に同行。
真嗣達を見付けた際には合図をしたら攻撃、それまでは隠れて待機の指示を受けた。
パラダイスキングがやったのと同じだ、最初から全員で戦うよりは伏兵を忍ばせておく方が良い。
この隙に逃げようとも思ったがデスノートの効果が本物だった場合、離れて行っても名前を書かれてゲームオーバー。
仕方なく合図を待ち撃ったは良いものの、命中どころか打ち消された挙句自分の方が攻撃される羽目に遭った。
殺し合いで傷付けられるのは今に始まった事で無いとはいえ、腹立たしいのは変わらない。
何故誰も彼もが世界の、いや地球の宝であるフグ田タラオに手を出すのか。
全自動卵割り機とかいうタマの餌にも劣るガラクタを買って来た波平のように、真に価値ある物の判断も出来ないのか。
何故誰も彼もが世界の、いや地球の宝であるフグ田タラオに手を出すのか。
全自動卵割り機とかいうタマの餌にも劣るガラクタを買って来た波平のように、真に価値ある物の判断も出来ないのか。
「僕の価値を理解出来ないクソゴミ共はこの世から消えてく~ださ~い!地獄で僕に詫び続けるですよ~!」
「やれやれ…異世界でもここまで性悪な子供はいない気がするな」
「やれやれ…異世界でもここまで性悪な子供はいない気がするな」
お前は一体年幾つなんだよと言ってやりたい、とても幼児とは思えない暴言。
さしもの真嗣も引き気味になりつつ、殺到するエネルギー弾に対処。
クウカを守った時程の爆発的な効果は無いが、防げない訳でも無い。
さしもの真嗣も引き気味になりつつ、殺到するエネルギー弾に対処。
クウカを守った時程の爆発的な効果は無いが、防げない訳でも無い。
(…何だ?あっちのバナナほど手強くはないのか?)
エネルギー弾を斬り落とし直ぐに気付く、同じアーマードライダーでもブラックバロン程の手強さは感じないと。
武器が違うのでそう比べるものでも無いのだが、バナスピアーの猛攻よりはやり易い。
というか龍玄の狙いが拙く、弾の数に反し外れているのも少なくなかった。
言動こそ子供らしからぬ邪悪さであっても、戦闘は素人なのだろうか。
武器が違うのでそう比べるものでも無いのだが、バナスピアーの猛攻よりはやり易い。
というか龍玄の狙いが拙く、弾の数に反し外れているのも少なくなかった。
言動こそ子供らしからぬ邪悪さであっても、戦闘は素人なのだろうか。
「ウギィイイイイイイイイ!避けないで当たりやがれですぅ~!」
サザエ相手に駄々を捏ねる時のように癇癪を起こすも、命中率は上がらない。
むしろこれまでの戦闘時よりも低下しており、タラオ自身もそれは認めざるを得なかった。
むしろこれまでの戦闘時よりも低下しており、タラオ自身もそれは認めざるを得なかった。
現在戦場にいる参加者の中で、最も疲弊が激しいのがタラオだ。
冴島邸での戦闘からそう間を置かずに此度の闘争が始まったせいで、ロクに体力も回復できていない。
如何に幼児らしからぬ下衆な性根の持ち主とて、肉体的には普通の3歳児と同じ。
体にはやちよや小鳩に攻撃を受けた際のダメージも蓄積し、更にはコッコロに踏み付けられ小指を骨折。
痛みは集中力を奪い、ただでさえ小さな手の内の指一本が使い物にならなくなり、銃を構えるのにも一苦労。
先程のような範囲の広い大技ならまだしも、龍玄本来の射撃精度は低下を免れない。
冴島邸での戦闘からそう間を置かずに此度の闘争が始まったせいで、ロクに体力も回復できていない。
如何に幼児らしからぬ下衆な性根の持ち主とて、肉体的には普通の3歳児と同じ。
体にはやちよや小鳩に攻撃を受けた際のダメージも蓄積し、更にはコッコロに踏み付けられ小指を骨折。
痛みは集中力を奪い、ただでさえ小さな手の内の指一本が使い物にならなくなり、銃を構えるのにも一苦労。
先程のような範囲の広い大技ならまだしも、龍玄本来の射撃精度は低下を免れない。
「困りましたね…タラオさまは思った以上に、戦力としてはご期待できない方であられましたか」
「もぅ、ダメだよ~タラちゃん。一緒に頑張るって約束したんだから、えいやーっ!って本気を出さないと」
「もぅ、ダメだよ~タラちゃん。一緒に頑張るって約束したんだから、えいやーっ!って本気を出さないと」
辛辣な評価は敵だけでなく、一応の味方からも容赦なく下される。
見付けた時に変身していた為、戦極ドライバーとブドウロックシードのみは返却。
アーマードライダーの力で役に立ってもらう気であったのに、蓋を開ければこの始末。
少々落胆気味に言うコッコロとメグへ、タラオのストレスは留まる所を知らない。
見付けた時に変身していた為、戦極ドライバーとブドウロックシードのみは返却。
アーマードライダーの力で役に立ってもらう気であったのに、蓋を開ければこの始末。
少々落胆気味に言うコッコロとメグへ、タラオのストレスは留まる所を知らない。
(舐めてんじゃねえですよメスブタども!こうなったのはそもそも、僕の指を折ったお前のせいじゃないですかぁ!好き勝手言ってないで、さっさと手を貸すですよ~!でないとお前らの骨全部砕いた後磨り潰して、お魚さんの餌にしてやるです~!)
舐め腐った真似をしでかしたやちよ、自分の可愛い口調をこき下ろした挙句殴り飛ばした小鳩、そして内心で徹底的にこき下ろす最中のコッコロとメグ。
宇宙の神秘にして唯一無二の宝であるフグ田タラオを悉く苛付かせる連中へ、怒りが燃え上がる。
おまけに自分の支給品を勝手に取った挙句、龍玄の変身に必要な道具しか返さないのも納得がいかない。
磯野家の食卓に図々しく上がり込むノリスケのような、薄汚いハイエナどもだ。
きっと将来はあの男のようにろくでもない大人になるのだろうと、仮にも親戚をボロクソに貶す。
宇宙の神秘にして唯一無二の宝であるフグ田タラオを悉く苛付かせる連中へ、怒りが燃え上がる。
おまけに自分の支給品を勝手に取った挙句、龍玄の変身に必要な道具しか返さないのも納得がいかない。
磯野家の食卓に図々しく上がり込むノリスケのような、薄汚いハイエナどもだ。
きっと将来はあの男のようにろくでもない大人になるのだろうと、仮にも親戚をボロクソに貶す。
「相手はマサツグさんだけじゃないですよ…!ど、どうせ撃つならクウカに撃ってください…こんな小さな子に辱められるなんて…フヒヒッ…!」
「お…おねえちゃん変なおクスリでもやってるんですか?」
「お…おねえちゃん変なおクスリでもやってるんですか?」
間一髪真嗣に助けられたクウカも戦線復帰し、自ら龍玄の的になる。
敵は一人では無い、もっと優先せねばならない相手は未だ健在。
龍玄のみに意識を割いている場合ではない、故にクウカが相手を引き受けた。
敵は一人では無い、もっと優先せねばならない相手は未だ健在。
龍玄のみに意識を割いている場合ではない、故にクウカが相手を引き受けた。
狙いは拙く、しかしエネルギー弾の威力は決して馬鹿にできない。
クウカもその点は勿論理解しており、メグの時同様回避と防御に重点を置き動き出す。
持ち前の頑丈さと魔物退治で培った経験を活かし、エネルギー弾の嵐を耐え凌ぐ。
真嗣に続きまたしてもしぶとい敵へタラオの苛立ちが募る。
クウカもその点は勿論理解しており、メグの時同様回避と防御に重点を置き動き出す。
持ち前の頑丈さと魔物退治で培った経験を活かし、エネルギー弾の嵐を耐え凌ぐ。
真嗣に続きまたしてもしぶとい敵へタラオの苛立ちが募る。
仲間が近くで戦っているのなら真嗣も自分のすべきことをやり遂げるまで。
ブラックバロンへと疾走、馬鹿正直に突っ込んで来る敵へ向ける慈悲は無い。
急所を一突きにすべく腕を伸ばし、読んでいたとばかりに真嗣が跳躍。
やや危ういタイミングながらシャフト部分に足を乗せ更に跳ぶ。
ブラックバロンの頭上を跳び越え、着地するや否や再度駆け出す。
ブラックバロンへと疾走、馬鹿正直に突っ込んで来る敵へ向ける慈悲は無い。
急所を一突きにすべく腕を伸ばし、読んでいたとばかりに真嗣が跳躍。
やや危ういタイミングながらシャフト部分に足を乗せ更に跳ぶ。
ブラックバロンの頭上を跳び越え、着地するや否や再度駆け出す。
「っ!メグさま!」
向こうは焦り振り返るも誰が止まってやるか。
慌てて杖を振り被るメグをしかと瞳が捉えた。
余計な抵抗に出るよりも自分の方が速い、今度こそ馬鹿な考えを止める。
メグの「心を守る」為にも、間違った決意は砕かせてもらう。
慌てて杖を振り被るメグをしかと瞳が捉えた。
余計な抵抗に出るよりも自分の方が速い、今度こそ馬鹿な考えを止める。
メグの「心を守る」為にも、間違った決意は砕かせてもらう。
「メグ――――!」
「っ!!」
「っ!!」
見開いた両目に真嗣の姿が映る。
傷付ける為でなく守る為の手を伸ばし――
傷付ける為でなく守る為の手を伸ばし――
「あっ、そういうのいいっすから」
メグに触れる直前で、何者かに殴り飛ばされた。
「ぐっ!?」
咄嗟に刀を翳した、というよりは「守る」スキルが発動し真嗣が頭で考えるより先に剣を持つ手が跳ね上がった。
刀身越しより腕へ伝わる痺れ、身体能力が強化中であるにも関わらず殺し切れない威力。
よろけた体をどうにか立て直し襲撃者を睨む。
横槍を入れたのはブラックバロンでも龍玄でもない、闘争の空気に誘われた乱入者だ。
刀身越しより腕へ伝わる痺れ、身体能力が強化中であるにも関わらず殺し切れない威力。
よろけた体をどうにか立て直し襲撃者を睨む。
横槍を入れたのはブラックバロンでも龍玄でもない、闘争の空気に誘われた乱入者だ。
視界に閉じ込めた相手はおよそ常識からかけ離れた人間だった。
分厚く張った筋肉を惜しげも無く晒し、身に着けているのは豹柄のブリーフのみ。
夜明け前の寒空の下には不釣り合いな露出狂の類に、真嗣もこれには面食らう。
小学生のコスプレ男とそいつを甚振っていた細身の中年、トドメに逞しい体のほぼ全裸男。
子供は揃って血の気盛ん、大人はどいつもこいつも変質者。
一体全体マトモな参加者はどこに行ってしまったのだろうか。
分厚く張った筋肉を惜しげも無く晒し、身に着けているのは豹柄のブリーフのみ。
夜明け前の寒空の下には不釣り合いな露出狂の類に、真嗣もこれには面食らう。
小学生のコスプレ男とそいつを甚振っていた細身の中年、トドメに逞しい体のほぼ全裸男。
子供は揃って血の気盛ん、大人はどいつもこいつも変質者。
一体全体マトモな参加者はどこに行ってしまったのだろうか。
「あなたは…」
「細かい自己紹介は後回しっすね。隠れて様子見てたけど、アンタらは殺し合いに乗ってるんでしょ?なら、ここらで恩を売って置こうと思ったまでっすよ」
「細かい自己紹介は後回しっすね。隠れて様子見てたけど、アンタらは殺し合いに乗ってるんでしょ?なら、ここらで恩を売って置こうと思ったまでっすよ」
乱入者へ困惑をぶつけるのは真嗣以外の面々も同じ。
警戒交じりに尋ねるコッコロへあっけらかんと返す男…肉体派おじゃる丸が戦闘に加わった理由は、たった今口にした通り。
虐待おじさんとの淫夢ファミリー同士による死闘で勝利を収め、暫しの休憩を挟んで移動すること数十分。
ホモ特有の鋭敏な感覚が参加者の気配を察知、好みの少年を見付けた悶絶少年専属調教師の如くねっとり接近。
身を潜め真嗣達の争う様子を見ながら考えた。
殺し合いに抗う者と優勝を目指す者、複数人が入り交じるこの状況は好都合ではないかと。
警戒交じりに尋ねるコッコロへあっけらかんと返す男…肉体派おじゃる丸が戦闘に加わった理由は、たった今口にした通り。
虐待おじさんとの淫夢ファミリー同士による死闘で勝利を収め、暫しの休憩を挟んで移動すること数十分。
ホモ特有の鋭敏な感覚が参加者の気配を察知、好みの少年を見付けた悶絶少年専属調教師の如くねっとり接近。
身を潜め真嗣達の争う様子を見ながら考えた。
殺し合いに抗う者と優勝を目指す者、複数人が入り交じるこの状況は好都合ではないかと。
憎き一軍の淫夢キャラを殺せたと言っても綱渡りの結果だ、この先同じように幸運が続くとは限らない。
むしろ一人殺すのに手間取るようなら、「人間の屑」「タドちゃん」「イキスギウス810世」「人類悪」「ホモビに出ただけでバトルロワイアルに参加する男」等々数多くの異名を持つ淫夢王、野獣先輩に勝つのは不可能に近い。
故に必要なのは協力者、自分だけでは足りない戦力を補える者。
最終的に殺し合う関係であっても、ある程度参加者が脱落するまでなら問題無い。
むしろ一人殺すのに手間取るようなら、「人間の屑」「タドちゃん」「イキスギウス810世」「人類悪」「ホモビに出ただけでバトルロワイアルに参加する男」等々数多くの異名を持つ淫夢王、野獣先輩に勝つのは不可能に近い。
故に必要なのは協力者、自分だけでは足りない戦力を補える者。
最終的に殺し合う関係であっても、ある程度参加者が脱落するまでなら問題無い。
その点で言うとコッコロ達は正に都合の良い人材だ。
殺し合いに乗っている子供など、どうぞ悪い大人に利用されてくださいと言っているのと同じ。
ノンケのメスガキとレズっぽいメスガキ、ついでに性悪そうなガキ。
忌々しい淫夢厨のホモガキとはまた別の意味でクセの強い面々、なれど問題は無い。
これでも二軍の中ではBB先輩劇場への出演回数が多いのだ、アクの強い者の扱い方くらいは心得ている。
BB先輩シリーズといいホモガキのクッソ寒いお遊びが己の役に立っているのは不快だが、優勝するまでの我慢だと内心言い聞かせる。
殺し合いに乗っている子供など、どうぞ悪い大人に利用されてくださいと言っているのと同じ。
ノンケのメスガキとレズっぽいメスガキ、ついでに性悪そうなガキ。
忌々しい淫夢厨のホモガキとはまた別の意味でクセの強い面々、なれど問題は無い。
これでも二軍の中ではBB先輩劇場への出演回数が多いのだ、アクの強い者の扱い方くらいは心得ている。
BB先輩シリーズといいホモガキのクッソ寒いお遊びが己の役に立っているのは不快だが、優勝するまでの我慢だと内心言い聞かせる。
「つまり…わたくし達に手を貸してくださると仰るのですか?」
「だからそう言ってるでしょ。(俺が協力すればあいつらにも勝てる可能性が)濃いすか?」
「だからそう言ってるでしょ。(俺が協力すればあいつらにも勝てる可能性が)濃いすか?」
名前も知らないパンツ一丁の不審者による共闘の提案、それ自体はコッコロ達にとっても別段悪い内容でもなかった。
真嗣達には少々梃子摺っていたが数で有利に立ち、一気に追い詰められる。
その後で協力を続けるかは状況次第。
こちらはまだキックホッパーを隠しており、最悪クロックアップを使いメグとついでにタラオを連れて逃走も不可能じゃあない。
仮にこのパンツ一丁の不審者が真嗣達に殺されても、参加者が一人減るのだから自分達に大きな損は無い筈。
真嗣達には少々梃子摺っていたが数で有利に立ち、一気に追い詰められる。
その後で協力を続けるかは状況次第。
こちらはまだキックホッパーを隠しており、最悪クロックアップを使いメグとついでにタラオを連れて逃走も不可能じゃあない。
仮にこのパンツ一丁の不審者が真嗣達に殺されても、参加者が一人減るのだから自分達に大きな損は無い筈。
「…分かりました。では取り敢えず、あちらのお二人にお眠り頂く事への協力を承諾致します」
「クキキキキ…(喜)」
「クキキキキ…(喜)」
作戦成功を悪役染みた笑いで喜ぶ。
そうと決まれば、優男と痴女のような格好のメスにはさっさと死んでもらう。
先の一撃は防がれたが無問題、得物は同じでも虐待おじさん程の尋常ならざる剣術は敵に無し。
いつまで自分の拳を凌げるか見物であると、右腕に力を籠める。
そうと決まれば、優男と痴女のような格好のメスにはさっさと死んでもらう。
先の一撃は防がれたが無問題、得物は同じでも虐待おじさん程の尋常ならざる剣術は敵に無し。
いつまで自分の拳を凌げるか見物であると、右腕に力を籠める。
「叩き潰してやるっすよ!」
筋肉が一層盛り上がったばかりか、肥大化し鉄塊の如き形状へ変形。
格闘派おじゃる丸BBというスターターパックに収録済の一つ、『右利きだから右の方が若干大きいおじゃる丸』だ。
数少ないバトル淫夢系のBBの力を付与し、真嗣へと剛腕を叩きつける。
格闘派おじゃる丸BBというスターターパックに収録済の一つ、『右利きだから右の方が若干大きいおじゃる丸』だ。
数少ないバトル淫夢系のBBの力を付与し、真嗣へと剛腕を叩きつける。
「問答無用かこの露出男は…!」
「守る」スキルの恩恵で反射神経と日輪刀の強度、両方を強化し迎え撃つ。
熱した岩を固めたようにも見える腕は見掛け倒しに非ず、一撃が非常に重い。
日輪刀と言えどもマトモに打ち合っていては、破壊も時間の問題となっただろう。
真嗣だけに許されたスキルのお陰で、武器の損失を免れているが。
熱した岩を固めたようにも見える腕は見掛け倒しに非ず、一撃が非常に重い。
日輪刀と言えどもマトモに打ち合っていては、破壊も時間の問題となっただろう。
真嗣だけに許されたスキルのお陰で、武器の損失を免れているが。
「メグさま、こちらはわたくし達に任せてください。あなた様はタラオさまの方へ…」
「う、うん。タラちゃんさっきから外してばっかりだし、お手伝いして来るね!」
「う、うん。タラちゃんさっきから外してばっかりだし、お手伝いして来るね!」
肉体派おじゃる丸との共闘が始まり状況に置いて行かれたものの、メグも再び戦闘へ参加。
コッコロのように真嗣と渡り合っているなら、自分はこれまでと同じくクウカを担当すべき。
言われた通りコッコロ達に任せて、癇癪を起こしエネルギー弾をばら撒く悪童の元へ走る。
メグの杖も龍玄のブドウ龍砲も捌いたクウカへ、二人掛かりで光弾を見舞う。
元々両名共に争いとは無縁、しかし数で勝れば敵も余裕が徐々に剥がれ落ちて行く。
コッコロのように真嗣と渡り合っているなら、自分はこれまでと同じくクウカを担当すべき。
言われた通りコッコロ達に任せて、癇癪を起こしエネルギー弾をばら撒く悪童の元へ走る。
メグの杖も龍玄のブドウ龍砲も捌いたクウカへ、二人掛かりで光弾を見舞う。
元々両名共に争いとは無縁、しかし数で勝れば敵も余裕が徐々に剥がれ落ちて行く。
「あわわわ…こ、これはちょっぴりマズい気も……」
狙いが拙いと言っても、光弾の数が多ければ自然と動ける範囲も狭まる。
短剣で斬り身を捩るが四肢を掠める回数が増え出す。
簡単にダウンはせずとも弾幕を張られ、対処が追い付かなくなる。
数発耐えたとて更に数十発、今度は数百発と当たればどうなるかは考えるまでもない。
短剣で斬り身を捩るが四肢を掠める回数が増え出す。
簡単にダウンはせずとも弾幕を張られ、対処が追い付かなくなる。
数発耐えたとて更に数十発、今度は数百発と当たればどうなるかは考えるまでもない。
「これならいけるかも…!タラちゃん!もう一息だよー!」
「了解したですぅ!(命令してんじゃねぇですよ、ノーテンキラキラのアホ女が)」
「了解したですぅ!(命令してんじゃねぇですよ、ノーテンキラキラのアホ女が)」
悪態は直接口に出さず引き金を引き、メグもまた光弾を連射し勝負を決めに掛かる。
クウカは良い人だし本当は傷付けたくないけど、優勝する為には仕方ない。
全部終われば痛いことも忘れて、仲間の所へ変えれるのだから少しだけ我慢してもらおう。
心の闇に囚われた思考は殺人への躊躇を薄れさせ、手を汚せと甘く囁く。
クウカは良い人だし本当は傷付けたくないけど、優勝する為には仕方ない。
全部終われば痛いことも忘れて、仲間の所へ変えれるのだから少しだけ我慢してもらおう。
心の闇に囚われた思考は殺人への躊躇を薄れさせ、手を汚せと甘く囁く。
「悪ふざけじゃ済まなくなってきたぞ…!」
忘れるなかれ、仲間のピンチは真嗣のスキルが最大限に活用されるトリガー。
クウカを死なせない、メグの手を汚させない。
二人の少女への想いの強さが、そのまま「守る」スキルの効果へ直結。
横薙ぎに振るった刀から広範囲へ衝撃波を放ち、敵対者達を吹き飛ばす。
幾らか距離があったメグ達にも届いたのだ、至近距離で殴り掛かっていた肉体派おじゃる丸も地面を転がる。
即座に立ち上がるが剣聖に付けられた傷に響き、鋭い痛みが怒りへ油を注ぐ。
クウカを死なせない、メグの手を汚させない。
二人の少女への想いの強さが、そのまま「守る」スキルの効果へ直結。
横薙ぎに振るった刀から広範囲へ衝撃波を放ち、敵対者達を吹き飛ばす。
幾らか距離があったメグ達にも届いたのだ、至近距離で殴り掛かっていた肉体派おじゃる丸も地面を転がる。
即座に立ち上がるが剣聖に付けられた傷に響き、鋭い痛みが怒りへ油を注ぐ。
「(舐めた真似されて)笑っちゃうんすよね」
変態面接官に自慢の肉体を見せ付けた時を思わせる笑い顔。
なれど額に浮かぶ青筋が苛立ちの証拠。
怒れるホモからの殺気を受け流し、真嗣はクウカの横に並ぶ。
掠めた箇所に多少血が滲んでいるも、死に至る程の負傷は見当たらない。
シーがいれば「女の子のお肌は大切にしてあげないとダメよっマーくん!」と、小言を言われたに違いない。
なれど額に浮かぶ青筋が苛立ちの証拠。
怒れるホモからの殺気を受け流し、真嗣はクウカの横に並ぶ。
掠めた箇所に多少血が滲んでいるも、死に至る程の負傷は見当たらない。
シーがいれば「女の子のお肌は大切にしてあげないとダメよっマーくん!」と、小言を言われたに違いない。
「あ、ありがとうございますマサツグさぁん…!」
「礼は後で聞く。それより警戒しておけ、また妙なのが増えたぞ」
「は、はい…。どうしてあんな恰好してるんでしょう?ま、まさか…クウカまですっぽんぽんにされちゃうんじゃ…!」
「そんな誰得な絵面を妄想してる場合か?」
「礼は後で聞く。それより警戒しておけ、また妙なのが増えたぞ」
「は、はい…。どうしてあんな恰好してるんでしょう?ま、まさか…クウカまですっぽんぽんにされちゃうんじゃ…!」
「そんな誰得な絵面を妄想してる場合か?」
緊縛した状況でもブレない姿へ呆れとある種の安堵を抱くのも束の間、おふざけが延々と許される場ではない。
日輪刀を構え直す真嗣に倣い、クウカも身を強張らせ短剣を強く握る。
敵は4人、メグを連れ戻す筈が事態はどんどん悪化するばかり。
だからといって諦め逃げるつもりは毛頭ない
日輪刀を構え直す真嗣に倣い、クウカも身を強張らせ短剣を強く握る。
敵は4人、メグを連れ戻す筈が事態はどんどん悪化するばかり。
だからといって諦め逃げるつもりは毛頭ない
「ふむ、中々に手強いですがこちらも負けてはいられません。皆さま、準備は宜しいでしょうか?」
戦意を失っていないのはコッコロ達とて同様。
奇妙な力を使う真嗣は厄介だが数の有利を活かせば、勝てない戦いでは無い。
槍を敵へ突き付ける騎士の言葉に、言われるまでも無いと各々得物を向ける。
奇妙な力を使う真嗣は厄介だが数の有利を活かせば、勝てない戦いでは無い。
槍を敵へ突き付ける騎士の言葉に、言われるまでも無いと各々得物を向ける。
空気は再び張り詰め、破裂寸前の風船の如く互いに緊張感が高まる。
爪で軽く突くだけで割れ兼ねない、ほんのちょっぴりの動きだけで戦闘再開は確実。
開戦の合図は刃か、銃弾か、拳か。
或いは敵意と信念、目に見えぬそれらの衝突こそが開始を告げるのか。
最初に動くのは誰か、己が先行の手札を切るべきかを見極め――
爪で軽く突くだけで割れ兼ねない、ほんのちょっぴりの動きだけで戦闘再開は確実。
開戦の合図は刃か、銃弾か、拳か。
或いは敵意と信念、目に見えぬそれらの衝突こそが開始を告げるのか。
最初に動くのは誰か、己が先行の手札を切るべきかを見極め――
「ンンンンン…お待ちください皆々様。宴の音頭はどうかどうか、拙僧にお任せ頂きたい」
全てを木端微塵に破壊し、黒一色に塗り替え、台無しにする最悪の到着を以て。
今宵第二の幕が上がる。
今宵第二の幕が上がる。