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  • 涙はみせない(前編)

決闘バトルロイヤル @ ウィキ

涙はみせない(前編)

最終更新:2025年06月29日 21:10

zombi2baisoku

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「平気か?リリス、キバット」

ユキがある程度は落ち着いた後、歩みを再開し、いい加減にエルキア大図書館に戻らないといけない。
空の此れからの考えはエルキア大図書館で着いてから吐き出すと簡単に話した。
理由としては何時までも外にいたら、危険人物は疎かNPCまで襲撃される可能性が高まってしまうからだ。
エルキア大図書館を調査して、情報も今後の方針も図書館の中で一気に行った方が手っ取り早い。
もしかしたら、誰か訪れているかもしれないので、その機会をあの車のようなチャンスを不意にさせない。
空とキリトの動向もユキの件で話す暇もなく、共有すらしていない。
ユキと尊徳は気を紛らすべく、いつも通りに漫才をしていた。

目的地に到着までの間、ユキと尊徳抜きで片付けるべき問題の解決。
それはリリスとキバットの現状だ。
ユキと尊徳にはリリスとキバットにも家族や仲間、友人が殺し合いに巻き込まれたことも話せていなかった。
それ所か尊徳とユキとは交流すら皆無。
特に放送でリリスの家族の清子、知り合いの小倉が呼ばれてしまったからだ。
それ故、信頼構築済みのキリトと空だけで彼らのフォローに回さないといけなくなった。

「リリス、キバット放っておいて、ごめん」
「俺も悪かった。お前らも辛いのに。っつっても、キバットは通常運転か」

キバットは何も心配はない。
既に渡の死を受け入れて、前に進み続けていて、胆力も戻っている。
キリトと空は仕方なかったとは言え、ユキに気を取られすぎて、二人をほったらかしにしたのを謝罪する。

(俺は原点に帰れたぜ)

言葉は封じられていながらも空黒に渡の死を完全に吹っ切れたのをアピールする。
切っ掛けを作ったのはユキだ。
嘗て深央を誤って自分の手で殺めて絶望に覆われた渡を今のユキの有様と少し似ていた。
過去に行って来た事で渡は立ち直ったが、またあの時の渡のような人が苦しむ姿をキバットも見たくなかった。
だからこそ、ユキのような悲しみを出さない為にも渡の想いや遺志を継いで自分のやるべき事を再確認して、完全に心に熱を再燃した。
黎斗の放送で渡が呼ばれても悲しみを抱かなかったが、黎斗は何時見ても聞いても相変わらずムカつくのは変わらなかった。
しかし、一つ非情に許せない事がある。

(また渡の残した物まで汚すのかよ!!!)

置いて来てしまった渡の遺品が黎斗に場所をバラされた挙句、下手すれば危険人物に渡って悪用される事実を。
キバットはかなり憤慨したが、ユキが取り乱す現状を見て、一旦は冷静になれた。
本当は今直ぐにでも、空達とモーターボート経由でF-7に戻って渡の遺品を危険人物より先に回収したい。
でも、そんな勝手許さないだろうし、独断行動は身を滅ぼす。
渡の遺品は諦めようとした矢先、

「キバットは渡のデイパックを回収したかったんだな」
(どうして!)
「あそこで一瞬の間に怒った表情をしたのを気付かないと思ったのか」

殆どの者がユキを落ち着かせる為に誰もが意識を向く状況ではなかった。
だが、空は一人一人の状況を把握して、キバットとリリスの様子を片隅に置いていた。
キバットの激怒は空以外の者から見れば渡の死を愚弄したと推測していただろう。
空は違った。上記は勿論、黎斗が支給品の放置の情報を口外したタイミングでキバットが滅茶苦茶怒っていた理由を察した。

実は空はキバットがどの方角から来たのかとうの昔に確信していた。
南東方面からだと確かな根拠がある。
継国縁壱との鉢合わせしないよう飛行の特権を活かし、海上の移動は不測の事態が起きない限り、デメリットはない。
かと言って最初に行動していた士とレイを闇雲に探し回るよりは北東に移動して来た方がはるかに効率は良い。
最大の理由は余程の物好きでないとこの場所に来ないだろう。

「時間があれば一緒に渡の遺品取りに行ってやるよ」

確かに北東から南東にモーターボートで移動すれば、あるなら渡の支給品の回収が可能だ。
とは言ったが、色々と手いっぱいでそんな暇がない。
近場にあるエルキア大図書館に戻り、中を調査して、情報の整理などすべき事があるし、一番の案件であるユキのメンタルケアを欠かす訳にもいかなくなった。
キバットもその事は理解していて、割り切っている。

「ただなあ、リリスがな」
「無理もない。口封じされただけでなく、家族と知人の名前を出されて平気なはずがない」

キリトと空が知る中では、放送で呼ばれた人はニノンだけでない。
吉田清子と小倉しおんと言う家族と知り合いの名が挙げられてしまった。
リリスの表情を見るにまだ動揺しているのが、見受けられた。
更に一回目の放送後にキバット同様に言語も封じられる理不尽な目に遭っている。
平然としているほうが可笑しい。

(清子、小倉................)

エルキア大図書館に一時、立った際、こんな嫌な胸騒ぎは清子と小倉の死を予感した悪兆だったと認めざるを得なかった。
それも、自分が寝ていた間に殺された現実も知る。
再序盤で呼ばれたのも、キリトと空のような保護してくれる人物にも巡り遭えなかったのが大体は想像が付く。
シャミ子同様に抜けている部分もあれど、テストで学年上位になる辺り、博識である為に察した。
清子は吉田家の母で一番権力を握っていて、自分が調子に乗ったり、小さな事でやらかした時は怒られたり、説教された。
それでもなお、自分やシャミ子、良子にとっては大切な家族の一員で、なくてはならない存在。
家族を支えてくれた大黒柱であった。
小倉はシャミ子達の友人で論理観がぶっ飛んだマッドサイエンテイスト。
シャミ子に対して、良からぬ事を考えるのを除けば有事の際は小倉がいなければ詰んでいた場面もあって、何だかんだで頼りにしていた。
二人はこんな殺し合いで死んでほしくなかった。
何より、自称神は予選落ちした雑魚だと言い放ち、二人の死を侮辱したのを許せない。

(今の余は役立たずで前に逆戻りだ)

本当は声に出して余裕をかましているだろう黎斗に鬱憤を晴らしたかったはずだった。
最悪な事に自称神によって口封じまでされて、キバットと同じ穴の貉となってしまった。
キバットの事情を知った際は他人事ないと思いつつ、ゾッとしていて仕方なかった。
今や全く笑えない現状でキバットの気持ちが分かる気がした。

止めを刺して来たのが、キリト達の手助けも至難の業という現実を突きつける。
遺体を発見する前のキリトと空との談笑でアドバイスくらいは試みようと思ったが、その役目すら叶わない。
そもそも、喋れなくなった時点でよりしろすら誰かのデイパックに入っているか怪しくなっていた。
仮に小倉が生きていたとしても、黎斗に妨害されて、等身大よりしろ作りも骨折り損のくたびれ儲けという結末だろう。
現時点のリリスの境遇はシャミ子がまぞくに覚醒する前のあの頃に戻ったとしか言いようのなさ。
シャミ子と再会出来たとしても、彼女にすら自分の声を聞けないよう余計な細工をしている。
封印空間は真っ暗でない分、幾分まだいい方だ。

ユキが馬鹿な事をしでかしかけた出来事で少しは冷静になれた。
参加者を脅してまで清子と小倉を生き返らせる気はこれっぽっちもないし、これからもない。
けれども、清子と小倉を失った喪失感があった。
こんな感情に浸るのは自分にとっての大切な日常だからだ。
だけど、立ち止まらないで突き進む。
停止してしまったら、シャミ子達と再会出来ず、清子と小倉が浮かばれないからだ

これより、どうするべきか。
キバットは飛べるし、偵察や見張りという大きな役割を果たせる。
彼と違って自分はまた役立たずになり、余計に苛立ち、焦りが出てしまう。

「リリス顔に出すぎだ。こんな仕打ちをされて、誰だってやるせないよな」

どうやら、清子と小倉の死を引きずらずに突き進むようだ。
しかし、リリスが無力感を抱き、虚しい気持ちになったのを表情に出しすぎて、二人は理解した。
同時に黎斗が余計な事をしたせいで問題が再浮上してしまった。

「よく聞け、可能性がまだ0じゃない限りはよりしろ探しを諦める気はない。喋れない分、より一層全力でお前をフォローしてやる」
「ひょっとしたら、家族はヴァイスフリューゲルのメンバーと合流出来たかもしれない」

キリトと空は結局、ユキの心を救えず、尊徳に任せっぱなしだった。
せめてリリスだけでもメンタルケアを決して忘れずに行う。

「何度も同じ事を言わせないでくれ。リリスの家族を保護すると約束する」

元々、リリスが封印中のごせん像を支給されたのはキリトである。
ユキ達と接触する前にリリスがあれだけ家族と知人の話題に談笑したと言うのに、故にニノンの死に悔やんでばかりで清子と小倉の死を気にも留めなかったのを反省する。
これをアスナ達が見たら叱責されても文句は言えない。
最低でもまだ生きている家族と知人を会わせる責任を果たす。

「お前がいたから吉田一家と二人の魔法少女を俺達に伝えてくれて、彼女らをより詳しく知った」
「キバットをNPCと誤解しなくて済めたのも、リリスがいたからこそだ」

キリトと空は打算も嘘もない。
キバットもそれに頷き、自分が勘違いしたままにならなかったのはその一つが彼女のお陰でもあるので、感謝している。

(余もまだまだだ)

二人の遺体を発見する前にキリトと空から頭を冷やしたばかりなのに、同じ事を繰り返してしまった。
黎斗のせいで更なる逆境に晒されて、何も出来ないと考えて、もどかしかしかった。
だが、あの二人とキバットに気を静めてくれて、見失いかけた自分を引き留めてくれた。
加えて一つ借りが増えたようだ。

(取り敢えず大丈夫だな)

空達の力強い説得と言葉でどうにかリリスは平常心を保てている。
正直、ユキに比べれば数十倍まだ可愛い方だ。
黎斗はいらない事をしたと空は内心、嫌悪感を抱く。

「話しは終わったようだな」
「美しいボクを差し置くなんてズルいな~♪」
「聞いてたのか」
「二人の会話が聞こえたら、気にならない訳ないだろ」

尊徳とユキはキリト達の話し声が気になって仕方なく、漫才を中断して、キリトと空の会話を耳にする。
内容は意思持ち支給品のメンタルケアだった。
リリスとキバットにも仲間や家族、知人が殺し合いに巻き込まれて、挙句に放送で呼ばれた事実を尊徳は初めて知る。

「悪かったな。お前達だけで彼ら?の面倒を見させて」
「別にいいよ。俺とキリトの方がこいつらの付き合いが長いだけだ」

空はそう言うが、実際は自分にも気を使ってくれたと薄々気付いていた。
自分とユキの為に気を遣わせていた事も含めて。

(俺は彼らについても半分も分かってなかったな)

そういえば、自分はユキにかまけてばかりでリリスとキバットは疎かキリトと空も何一つ理解してない。
これから、殺し合いから脱出して、黎斗の打倒を共にやっていく上で重要な要素を欠けていた。
不本意な行為であるが、キリト達の盗み聞きした中身によるとリリスがその黎斗のせいで会話もままならなくなったらしい。
リリスとは一言も語り合う事なく、今後の彼女との最初の交流も永遠に断ち切られてしまった。

(海斗なら、悔しいがあいつことだから割り切っていただろうな)

おまけに今なお、自分は内心では影山の死に感傷にふけている。
短い付き合いながらもこんな自分なんかの為にホッパーゼクターの力を託してくれて、後を任された。
どうしても吹っ切れない自分が情けなかった。
リリスとキバットは親しい者達の死を伝えられても彼女らですら前を向いているというのに。

(いいなあ。あの二人)

ユキもキリト達の会話を聞き、どうやらリリスとキバットも仲間、友人、家族が来ていたらしい。
放送で告げられてもリリスとキバットは曲げる事はなかった。
参加者を脅し、利用してでも責められないのに、自分と違ってはなから親しい人達を生き返らせる考えも絶無。
ユキは参加者でない彼女らが黎斗の誘惑に負けない心の強さが羨ましかった。

「リリスは意思疎通が困難で折角の紅一点なのに残念だが、仕方あるまい」

話を切り替えて、尊徳は今いる面子の中で女性はリリスだけと思い出した。
憐桜学園に在籍する男子は全員が職業にボディガードを希望する者達が集まっている。
男子は三年間ボディガードを育成する簡単に言えば専門学校みたいな場所。
最初の一年間は実践などをこなし、男子専用の寮で過ごすのが決まり。
故に尊徳は同行者が男だらけでも、気楽で構わなかったが、リリスが喋れずに華がないと物足りなさを感じていた。

「まるでユキが男みたいな言い方じゃないか。尊徳も冗談を言えるんだ」
「そうだった。お前らには話してなかったな」

尊徳はユキのあの事実を話し忘れていた。
色々な出来事があって機会がなかったが、他者に誤解が広まる前に公表するべき。

「伝え損ねたがユキは男だ」
「またまた冗談を」
「タカノリ君の言っている事は本当だよ。生物学上、ボクは男だよ」
「マジ?」
「冗談なんかじゃない。本当だ」
「「ええええええええーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」」

ユキの実情にキリトと空は声をだして驚愕する。
リリスもキバットも声を出さずとも目を洗われる思いだ。

「待って、空すら気付かなかったの!?」
「はあああ、言動が強烈すぎて、全くもって盲点だった」

大きく溜め息を吐いて、これしきで見抜けない自分自身にガッカリする。
我が強すぎるのと口調が中性的で胸の膨らみがある事から流石の空も見過ごす要因となった。
後の未来の正史にて、空は吸血種(ダンピール)の全権代理者プラム・ストーカーとのゲームにて、強烈な性癖に目に行きがちで彼が男だと見抜けなかった程。
ただし、プラムが男と先に気付いたのは妹の白である。

「僕も最初は目を疑った」

実は黎斗の最初の放送が始まる以前に尊徳と影山には男と告白された。
当然ながら、二人は信じていなかったが、尊徳には強制的に性別確認して貰い、認めるに至る。
この出来事は黒歴史として葬る事にした。

「男と知っても、この美しいボクの事を守ってくれるよね♪」
「誰がナルシストで変態の貴様なんかに」

そう言いつつ、尊徳はユキが男と知っても、護衛すると誓っている。
ユキも尊徳は本心ではツンデレで優しいと理解しているからこそ、信頼を置いている。
馬鹿げた行動を起こしかけた際は彼が叱責して、止めてくれた。

(多少は明るくなったけど.........)

ユキの秘密に確かに仰天するも、完全とは言えないけどユキが若干落ち着いて来てはいる。
尊徳の説得が功を奏して、仲がいいのは微笑ましいが、前よりも依存気味になっているのが懸念している。
大丈夫だと思いたいが、それでもまだ不安の種が尽きない。

(流石に遅れているし、巻き返さねぇとな)

ユキと尊徳のペースに合わせて来たが、いい加減に移動しないと始まらない。
当初の予定では第一回放送前には、エルキア大図書館に戻って、放送後には調査するはずだった。
放送前にはその二人と接触したが、アユミと影山が殺されて、ユキの精神が参ってしまう寸前もあり、直ぐに行動の足止めを余儀なくされた。
尊徳のお陰で何とかユキが落ち着いたが、予定が大幅に遅滞しまったのは事実だ。
ユキのメンタルケアを欠かせないし、そろそろエルキア大図書館とD-6の狐島の調査を始めなければならない。
空としてはF-7に出向いて、渡の遺品を回収したい。
いつの間にか雁字搦めになってしまった現状では、絶望的で匙を投げるしかなかった。
その渡を実験台にしたであろうテストの謎が不明だったが、先程の放送でそれらしき内容が半分くらい発表されたけど、手掛かりを握るであろう士とレイと接触しないと詳細が判明しない。
肝心な情報戦も依然として出遅れており、これ以上の時間の浪費は良くない。
もし、あの車との合流が遅れていなかったら、役割分担してこんな事にならなかったと確信している。

「戻って来たな」

思考をあれこれ回す内にキリトの一言で空の馴染みのエルキア大図書館に帰って来た。
ユキと尊徳にとっては初めて目にする建物。

「二階堂家の屋敷といい勝負しそうだ」
「普通の図書館とは違うね。けど、ボクの美しさには敵わないけどね」

ユキと尊徳は初めて見るエルキア大図書館の大きさに驚きを露わにする。
金持ちの家柄に生まれた尊徳すら、二階堂彩の護衛役に指名されてからお世話になっている二階堂家の屋敷も負けないくらいの建物だ。
エルキア大図書館は一般の図書館とは入る前から違うと伝わって来る。

「ここを知っている俺が案内する」

エルキア大図書館を詳しく知る空を先頭に案内し、三人は付いていく。
中に入ると空間はかなり広く、上も下も無数の本が並べてある。

「普通の図書館とは訳が違うな」
「海斗が見たら夢中になってそうだ」

キリトは本の量に仰天するばかり。
尊徳も殺し合いにいない問題児の彼なら読書が趣味で無限にある本を読みふけるであろう。
三人は内部の空間でも驚きの連続だった。


△


「さて、情報交換や今後の方針について話しを進める。まずは俺達の経緯だ」
「そういえば、キリトと空の動向はまだ語ってなかったな」

4人で円陣を組んで情報の共有や色々な事柄を擦り合わせする。
特にユキは放送をやはり途中から殆ど頭に入って来なかったので、整理するには丁度良かった。
尊徳とユキはキリトと空が接触する前の行動を知らない。
それぞれ自分の事で頭が一杯で肝心の情報の共有も皆無。
黎斗の元に辿り着くには必要な情報も武器で取り入れなければならないのだ。

空はようやく尊徳達と出会う前の経緯は話し出した。
最初の位置が何とD-8の狐島という本島とは言い難い場所に配置された。
これには尊徳もユキも黎斗による嫌がらせ行為だと思う程、全く配慮されない事に同情を禁じ得ない。
偶然、島にいたキリトと遭遇するもこの後、パンツ一丁の露出魔の襲撃に遭うが、空の機転で追い詰める。
しかし、相手が持っていた支給品の効果で逃走した。
空の考えで、ほぼ全裸男は転移効果でほぼ確実に本島の何処かにいるとのこと。

その後、黎斗の放送を聞いた後は救済処置として用意されたモーターボートのお陰で本島に行けるようになった。
その前に海を渡る乗り物があるので地図の外の調査も可能になった。
会場外へ調査に乗り出すが、結果は外に出ると首輪の警告音が鳴った時点で到底出来ないのは想定内。
外の先に何があるかは不明のまま。

「まあ、奴らも普通に対策するよな」

地図外の調査報告を聞いた尊徳とユキはそう簡単に行かない事は想定済み。
それでも、調査をせずに見落としている部分があるのなら洒落にならない。
希望がなくとも確かめないと始まらない。

話しを切り替え、本島の北東に上陸し、参加者の捜索に東から進むと車を見つけてスタンスが不明でも接触出来ると思われたが、来た時には車は既にかなり豆粒みたいな遠い距離にいた故に間に合わなかった。
仮に追いかけても体力が無駄に消耗するだけなので断念した。

「もっと俺達が迅速に動けていれば・・・・・・」
「ごめんユキ。車に乗っている人と合流出来れば、いただろう仲間と再会が叶ったのに」
「美しいボクに免じて許してあげる。それに車に乗っている人がゲームに肯定派だったら、荒事に巻き込まれたくないしね」

スタート地点がD-8の狐島では仕方ない面もあり、責める理由も見当たらない。
万が一、殺し合いに乗っている側だったら、どの道戦闘は避けられなかったであろう。

あの後、エルキア大図書館を発見して、まだいるかもしれない参加者の捜索の為に後にする。
進み続けるとその途中でキバットと接触した。

「その後にボクらと遭遇したわけだね♪」
「ああ、それからキバットからの情報もな」
「キバットによるとーーーー」

キリトと空の動向を語り終えた後、直ぐにキバットの経緯を空が補足する。
キバットは最初からキリトと空と行動していたのではないのは情報交換で知った。
元々は渡、士、レイの三人の人物と一緒だったらしい。
しかし、継国縁壱の強襲によって、渡が殺されてしまったが、士とレイの二人は渡のお陰で撤退に成功したらしい。
運良く生き延びたキバットは大きく移動して、キリトと空と合流したとのこと。

「そうか。そんな事が..........」

空経由でキバットの事のあらましを聞いた尊徳は放送の最中に危険人物に襲われる理不尽さを知る。
半分違うがあたかも自分達と同じ立場になった感じがした。
同時に彼は渡と言う人物の想いを継いだだけでなく、前を向いて進み続けている事を再確認する。

「よく、その危険人物の名前を知れたね♪」
「何を言っているんだ?継国縁壱は放送で通達されていたじゃないか」
「そんなのあったか?」

縁壱をまるで存在すら知らない反応をする尊徳とユキ。
アユミが理不尽に殺されたショックで前回もユキがパニックになって頭に入らなかったであろう。
ユキはともかく、尊徳まで超重大な情報を取りこぼすとは思えない。

「うっかり聞き落としたなら、前回と今回の放送の情報を一斉に振り返るぞ」
「俺も賛成だ」

空がそう持ち掛けた直後にアイコンタクトが送られる。
内容は影山の死因の真実。
今回で自分も薄々察しており、ある程度は原因を絞り込んだ。
恐らく、キバットと同様に危険人物の襲撃或いは不快な運試しのどちらかだろう。
自分の場合はまだ確証が得られない故に断定できない。
だが、空は既に解答を導き出したであろう。
後で空と二人きりで順に追って話そう。
それから、影山に関する件はまだ本人達の口から話すのはまだお預けになりそう。
最悪、言いたくないのなら、仕方ない面もある。

(間違いねえ。影山って男が死んだ理由が)

キバットは影山の死の真相に行き着いた。
確実に渡共々、運試しに選ばれてしまい、命を散らした以外考えられない。
それが発端で自分は黎斗の放送の後半の内容を聞き逃している。
尊徳とユキの反応から決定的になった。
同じ目に遭った者同士だからこそ理解してしまったのだ。
ただし、渡と違い、影山は上げて落とされる事はなかっただろう。
この事を空に伝えたいがもどかしいのは言うまでもない。
それでも、空はとっくに真相に行き付いたのを信じている。

「まずは前の放送からだな」

空は後半部分の重要な要点を簡単に共有した。
運営のジョーカー的存在の継国縁壱と人質にされた少女の二点を話した。

「縁壱は一二を争う要警戒対象だ。キバットが身をもって俺達に教えてくれた」
「そんな奴らに僕達は勝つしかないか」

縁壱の強さはキリトと空の説明だけで尊徳は戦慄する。
青髪の少女を殺した金髪の男もアプリでの映像越しでは不明瞭だったが、空から絶対に遜色ないと断言された。
上記の二人は別格で、PoHと言う奴やパンツ一丁の全裸男、全貌が不明の気狂いの変態、美遊の関係者とヤバいのがいるのは明らか。
ついでに危険人物の情報も共有した。
憐桜学園では学年首席の肩書きを背負い、武術とパンチポッパーを合わせても決して弱くはないが、この場は一時的に捨てなければならなかった。
尊徳とユキは仲間と協力しないと勝ち目が上がらない猛者がいる。
だからと言って、諦めるのも希望を捨てる気も更々ない。

「こうして見るとボク達かなり出遅れているね」
「俺らも決して多くないけどな」

ユキはここで尊徳共々、情報は膠着状態と現実を知る。
しかしながら、友好的な参加者はヴァイスフリューゲルだけでなく、空達の情報を合わせるとリリスの家族と知り合い、キバットの前の同行者を含めると地味に少なくない。
尊徳は自分達がいかにもたついていたか痛感する。
彼らと合流していなかったら不用意な現状だっただろう。

「次に今回の放送の内容だ」
「ソラ君、ごめんね。ニノンさんが呼ばれてから後半部分を何も聞いてなくて」
「別にいいよ。どっちにしろ重要な情報量が多かったから俺の考えや皆の見解を聞く必要がある」

ユキはニノンの名を死亡者として上げてからの放送の内容を聞き漏らしていた。
何も聞いていない彼の為にも、そして、デスゲームを潰すこれからの事も加えて。

「最初に、死亡者の名を特定の奴だけ感情的に読み上げられた」
「そう言えば様子がおかしかったな。何故だ?」
「違和感を覚えたのは宝条永夢と言う人物だけだった。と言っても答えは一つだけだろうな」
「宝条永夢は檀黎斗を知る人物だったという事か」

空は宝条永夢の名が感情を込めて読み上げた事で一秒も見逃さずに永夢と言う人物は黎斗と深く関わっているのは明白だ。
敵か味方かは不明だが、黎斗に対抗する人物を死んだ事実に衝撃を受ける。
キリトも四十人も犠牲が出たのに気を取られていて、黎斗の引っ掛かりのある言葉を見落としてしまった。
並行して、その人も接触出来ずに目が届かない間に死なせた事に悔いがある。

「それじゃ、手掛かりは差し引きゼロか」
「いや、まだ宛てはある。檀黎斗が運営を仕切っている奴が関係のある人物を数人は招いているだろうな」
「確かにボク達のように関係者が全員来ているかもしれないね♪」
「その人達から洗いざらい聞くしかない」
「よって、檀黎斗の関わりを持つ人物も手当たり次第捜す。もしかするとモニカとクウカも吉田姉妹もそいつらと一緒だといいな」

まだ希望は潰えた訳ではない。
勿論、まだ生きている関係者もスタンスが乗っていないとは一括りにしない。
複数人の内、まともな人物なら黎斗に関する知っている情報を渡してくれる。
黎斗の打倒への足掛かりに諸悪の根源と関わる人物を追加で捜索対象を増やす。
しかし、肝心な居所は不明で今は虱潰しに捜し出して会うしかない。

最も、自分のような頭脳派や勘の鋭い人物は今回の件を受けて気付く人も少なくないかもしれない。
悟った者は注視をしているであろう。
それだけかなり目立つヒントを残したのだ。
これを機に優勝狙いの輩が脱出の根を断つべく、黎斗の関係を持つ者を優先して狙われる可能性も有り得る。

この話題が終えた後は特殊なNPCの存在について。
会場に放り出されたNPCはただ単に襲い掛かるだけではないらしい。
アイテムや情報の交易を経営する者も存在するとの事。
お互いそれらしいNPCとは遭遇していない。
他にも特殊なNPCがいるらしいので頭の片隅に入れるだけとなる。

次に放置された支給品の提供。
二つ内F-7にある一つは渡の物でキバットがかなり憤慨した最大の原因。

「本当に取りに行かなくていいのか?」
「今更向かっても、無駄足を踏むだけだしな」

モーターボートで向かえばギリギリ間に合うかもしれないが、ユキ達の事もあって別れて大きく動けないし、幾らエリアの端っこでも支給品を巡る危険人物同士の乱戦に巻き込まれるだけだ。
渡の遺品を取りに行きたいのは山々だが、今からでは無理だろう。
もう一つ放置されたE-5は激戦区となる時間帯で乗っていない参加者なら、まともな判断を下すだろう。
危険人物に戦力を増やしたくないけど、死に行くようなリスクを冒す必要はない。

「次はここからが本題だ」

いよいよ、例の話題に入る。
キバットにも残酷かもしれない事実を伝える必要がある。
あくまで推測だが、それでも、また辛いだろうが受け止めてくれると信じる。

「使えない力やアイテムを手に入れる現象が起こっているらしい。俺らはそういうのには遭遇していない」
「尊徳達は何か知らないのか?」
「僕らも右に同じだ」

参加者との戦闘が少ない4人+リリスはそういった事象が発生するはずがない。
ただ、一匹を除いて。

「ところがキバットはその現象を目撃した証人だ」
「何だと?」

この場にいる全員が驚くべき事実であろう。
確かにキバットの戦闘は縁壱のみで早々に謎の現象を眼前にしたというのか。
空はその事にも見抜いたようだ。
それが本当なら早い所、デスゲームを潰す為にも詳細を聞くべき。しかし・・・・・・

「残念ながら、口封じされて喋るのはままならないからなぁ」
「折角、キバットが重要な情報を持っているのにこれでは.........」

支給品扱いとは言え、この面子で唯一謎のシステムを知るキバットは発声が出来ずに共有が不可能。
またしても、振り出しに戻ってしまった。
しかし、空は二つの妙案を考え付く。

「まだ目当てはある。現象に立ち会っている奴らに聞いてみるか。或いは門矢士と閃刀姫ーレイに詳しく話して貰うしかないな。俺としては聞いて回るより、後者の方がお勧めだけどな」
「その二人がそんなに重大なの?」

ユキが疑問の声を上げる。
当然の反応で事の重要さを知らない者にとっては当たり前だ。
これから話す事はキバットとしては残酷で後味が悪い内容だから。

「そうだ。同時に今から話す事は胸糞悪いからだ。キバット辛いが覚悟はいいか」

空が嫌悪感を露わにする程の酷い物なのだろう。
この場にいる全員がこの先が恐いと思わせる不快感ある話なのは想像が付く。
キバットはどんな内容だろうと受け止める覚悟はある。

「最初に言っておくが、渡は運試しに選ばれてしまった」
「ばんなそかな!?」

空から発した事実はキバット以外の全員が衝撃を受けた。

(辻褄が合わないな。ん?待てよ..........)

ただ、キリトは疑問を抱く点がある。
だが、運試しに選ばれたのなら、何故、渡はあの後、縁壱と戦闘を行ったのだろうか?
余りにも矛盾が生じるのだが、考えれば考えるほど縁壱絡みとなると話しは別。
ただ一つだけの理不尽な答えが浮かんだ。

「まさか、選ばれたのは継国縁壱と戦わせる為だというのか」
「その通りだ。大方モルモット扱いとして渡を殺させるよう仕向けたのだろうな。間違いないな、キバット」
(空の言う通りだ)

キバットはそう頷いた。
尊徳とユキはキバットも本当に自分達と同じ目に遭い、ペクトルが違う方向での理不尽に仲間を失ったのを知り、何も言えなくなった。
影山は絶望一直線だったが、渡と言う人は希望から絶望に叩き落とされてしまった。
序列が最上位の者とやらせるなど強すぎて倒すのがほぼ詰みで戦わせた感じにしか見えない。

「ここで矛盾が起きたのは確実に戦闘の真っ只中だ」
「それが例の現象だね♪」
「キバットが見たと思われる現象。あれはただの偶然じゃねえ」
「偶然ではないだと?」

まるで『必然』と言わんばかりにキリトは新たな疑問が生まれた。
縁壱が渡と戦わせたのは間違いなく、必然と言える。
空が言いたいのはそれだけでは片付けられない気がした。
すると、空本人は表情には出さないが口にするのも嫌というくらいが伝わって来る。

「現象を生じたのが渡本人で確信している。しかし、これも全部仕組まれている可能性がかなり高い」
(あの奇跡がまやかしだと言うのか!?)

知らなかった奥底の真実にキバットは動揺を隠せないでいる。
エンペラーフォームへの強化変身は幻だと一ミリも思っていない。
システムによるものと理解しているが、あれは明らかに本物。
根本的な真実がまだ隠されているのか?

「真の目的は渡を利用して、謎のシステムの実験台にはなから故意で決めたのだろう。その上で中身は分からんが、継国縁壱相手に考えられないような大きな実験を行っただろうな。ただし、あの侍が勝つ前提でな」
「嘘だろ!?こんなことって」
(突然、エンペラーフォームに変身出来たのは.........クソッ!!あのヤロー!!!!!)

空の導き出された実態に全員が眉間にしわを寄せる。
特にキバットは真相を知り、怒りを露わにする。
全て茶番だったと考えると何もかも笑えない。
尊厳すら通り越して、見世物にしたような感じがして侮辱されていた。

(ぜってえ、許さねえぞ!!!檀黎斗!!!!!!)

渡を弄んだ黎斗の打破をより一層、強くする。
もう仮に奴が命乞いしても許しはしない。元からそのつもりはないが。
キバットは怒りに震えながらも皆の力になり、渡の想いと遺志を忘れないと決意を再確認させた。
全員がキバットを心配していたが、ユキの件を通して、完全に胆力が戻った彼にとってはあっさりすぎた。
尊徳は内心はキバットが受け入れるのが速すぎて困惑気味になったのは内緒だ。

士とレイと再度合流出来た際、空達からあの一連の出来事が意図的にされた物だと伝えられるのは辛い。
それでも、彼らも簡単に折れないと信じているから。

「悪いニュースばかりだったが、良いニュースもある」

先程までスッキリしない不愉快な内容のみで一気に朗報が上がって来る。

「謎の現象は士もレイも目撃者だ。言うまでもなく、二人もシステムの仕組み自体は知らねえ。だが、派手な行為を行ったお陰であの二人には手掛かりが残ったのは救いだ」
「士とレイって人達が例のシステムをよく知らないだろうし、そこはどうなの?」
「彼らが見当付かないのも織り込み済みだ。そうであっても、極僅かな足掛かりでも掴めば自ずと答えは出てくる」
「正にそうだな」

どちらにせよ謎のシステムの解明は士とレイが意図せずに情報を握っている。
彼らを捜して見ないと始まらない。
勿論、色々な人達に聞いて回るのも忘れない。

「聞いて回るのが早いだろうが、現時点での謎のシステムの情報量を一番持っているだろう士とレイの二人組も優先すべき捜索対象に追加。異論はないな」
「俺は空の意見に賛成する」
(俺も当然同じ)
(余もだぞ)
「僕も同意見だ」
「右に同じ♪」

新たに捜し人を増やし、今後の方針に加える。
やる事が山積みになって行くが今は一つ一つをこなすべき。

「キリトとリリスには事前に話してあるが、エルキア大図書館を調査した後にD-6の狐島に向かおうと考えている」
「北辺りじゃなくて?」

空は尊徳とユキには未だに話せていなかったもう一つの指針の話題を出す。
前のリリスと同様に疑問に思うのも当然なので根拠を語る。

「まだ推測にすぎないが、あの島には、主催を打倒に近づく為の何かがあると怪しんでいる」
「こんな小さな島に?そもそも、そんな物があるのか?」
「檀黎斗の最初の放送で『ラスボスとして君臨する』の発言で俺なりに色々と考えた末、カウンター的何かするかもしれねえ」
「俺も信憑性があると思う。檀黎斗もほんのちょっとくらいはハンデを与えてもおかしくない」

キリトは黎斗がヒースクリフこと茅場と同類と見抜いたからこそ言える。
茅場よりタチが悪いのは確実だが、その本質は同じ。
公平にするべく否定派にほんの少しだけ施すであろう。
役割が推定主催への多少のカウンターが本島は兎も角、D-6の狐島くらいに設置しても不思議に思わない。

「お前らがそう言うなら」
「それと島に行く目的は別にある。島に留まって拠点にしているだろう、参加者と接触する為だ」
「でも、あの島に行くのは労力がいるよ」

その話が現実なら、向かう価値は大いにある。
同時進行で殺し合いに否定的な者達と出会えれば、目当ての捜し人も見つけたら一石二鳥だ。
難があるとすればD-6の狐島に行くには地図の中央へ経由して、遠回りせざるを得ない。

「その様子を見るとお前らも気付けなかったか」
「地図を見てくれ」

如何やら、尊徳達『も』地図の引っ掛けに嵌っていた。
キリトは地図を取り出し、彼らに見せた。

「何処に見落としがあるんだ。ちゃんと確認したぞ」
「よく見て見ろ。北東からD-6の島に行ける橋がギリギリで描かれている。太い黒線で覆われて気付かないのも仕方ないが」

殺し合いが始まって直ぐに地図の把握は満遍なくした。
どの角度から見ても抜けている点はない。
そしたら、太い黒線で見え辛いが、凝視するとD-6の狐島に足を運ぶもう片方の橋をようやく確認出来た。

「あっ、本当だね♪」
(は、恥ずかしすぎる)

やってはいけない大失態に尊徳は悔いる。
こんな事でも気付けないようでは尊徳の二番目の兄である直人を始めとした兄弟達からまだ甘いと説教は確実にされる。
逆に空達は引っ掛からずに読み取っていた。

「これで理解したな。見落とさなかったのは俺だけか」
「実は俺も気付けなかったんだ」

実はキリトも人のことは言えなかったりする。
D-8の島に離れる以前に当初はキリトも尊徳達と同じミスを犯す。
ゲーマー失格と言葉を浴びせられても仕方なかった。
でも、空からの指摘で遂に北東にもD-6に渡る橋を認識したのだった。

「大多数の参加者は考えが及ばないと思われるので、あの島には数人は残るであろう」

D-6の狐島からのルートが2カ所確認出来ていない参加者が沢山いると完全に理解した。
北東から狐島のルートが地図からは黒線に際どい位置で包み隠されてしまったのだ。
橋が一方しかないと思い込み、拠点にする考え出す人も少なくないだろう。
しょうがない面もある・・・・・かもしれない。

「この話しはさておいて、俺達はもう一つの島で友好的な人達と接触を図ると共に何かの回収も行う」
「檀黎斗のからくりが用意されるだろうが、安全に確保するには苦労しそう」
「万が一、柄の悪い奴らが『あれ』の存在価値を知られたら、悪い方向へと進んでしまう前に先に手にする」

からくりと言っても、隠される程度の物であろうと思いたい。
それなりに工夫を凝らす必要があるが。
難しい問題はまだある。
推定主催のカウンター的な存在が危険人物に渡って、悪用する最悪な事態。
一部のデスゲームの肯定派も否定派でも害悪な連中も喉から手が出るのも言うまでもない。
危険人物が先に手にした場合は何をしでかすにしてもマイナスしか働かないだろう。

まあ、島に留まっている奴らが『あれ』を所有しているだろうが、念入りに突き止める」

現在の時刻を想像すると流石に条件を満たして、推定主催のカウンターを掴んでいると確信している。
まだ難航している可能性もあるかもしれないので、自分達も手伝う。
『あれ』が何なのか分からないので判明するまで『あれ』と呼ぶ事にした。

「『あれ』の存在自体が俺の思い違いだったとしても、もう一つの目的さえ達成すればいいんだ」

推測が間違いであっても、本来の目当ての優先捜索対象を見付け出さなければならない。
参加者の接触が叶えばそれはそれで問題ない。

「今後の予定はエルキア大図書館の調査した後は、D-6の島に行く」
「全部話し終わったしな」

先の方針を立てた空達は情報の整理を終える。
ユキが聞いていなかった内容も渡の死の真実もすべて。
更に時間を喰う訳にもいかないので、只今から『二人』だけで本腰の作業に移る。

「俺とキリトは今からエルキア大図書館の調査を始める。ユキと尊徳はその合間に休んで貰う」
「この量だと二人だけで大丈夫なのか?」
「空黒だけで充分。二人には無理はさせられないからな」

あくまでキリトと空だけで調査をすると言い張った。
尊徳はその意味を薄々、理解していた。
ユキは言うまでなく、自分も何時までも感傷に浸るせいで外れたのだと。
このような状態で調査の身に入らないのも頷ける。

「まだ話せていない事がある。確かキリトは剣、空はカードで戦うのだな」

ユキが馬鹿な真似を仕出かしかけた際、二人の武器を見て少しだけ理解している。
尊徳はまだ言いそびれた事があった。
自分の支給品にキリトと空には無くてはならない物だ。
自分では使わない或いは使えないからだ。
彼らなら、巧みに扱える。

「キリトと空に譲る。二人なら使いこなせる」

デイパックから漁り出し、尊徳が握られたのは黒い片手直剣とカードデッキの二つ。
一つ目はブラックプレートと言う剣であった。
元々は旧ALOでのキリトの愛用の剣でアスナを救出するまでも共に戦って来た得物。
二つ目は文字通り、デュエルモンスターズのカードデッキ。
エクストラデッキ付きでカードが紺色という事はリンク入りのデッキらしい。

(また使える日が来るとはな)

旧ALOでオベイロンの悪行を暴くまで使用し、片が付いた後は役目を終えたはずだった。
こんな形で自分の手元に戻るとは思ってもみなかった。
否、ALOアバターがチェンジ出来なかった時点でブラックプレートも誰かに支給された事は想定済み。
まさか、尊徳が所持していたようで彼には感謝しきれない。

「デッキだけなのか?デュエルディスクはないんだな?」
「何度も確認したが、あったのはデッキのみだ」
「そうか」

このリンク入りのデッキはデュエルディスクと一緒に渡されなかったらしい。
デュエルディスクとデッキの両方を配布された者は公平として、他の支給品を没収される。
逆に片方のどちらかに配布した場合は論外と見なされている。
現に尊徳の他の支給品は押収されていない。

実は元々はリンク入りの某テーマデッキを真月零に支給する予定だった。
しかし、会場にはリンクを知る決闘者は皆無。
故に真月では使いこなす可能性は不可能に近く、茅場のお情けで某デッキと一式にせずに遊馬のデュエルディスクのみになった原因。
本来であればデッキをセットにしないでデュエルディスクだけの支給は有り得ない話である。
黎斗は勿体ないと考えて、面白半分でこのデッキだけ『唯一』デュエルディスクなしで誰でも良かったのでランダムで配布するようにした。
その結果、尊徳のアプリには試運転も不要と判断されて、一切配られなかったのだ。
そういう事情から尊徳の支給品の没収は免れる。
因みに尊徳とユキもルールの時点で最初から頭がパンクして、お手上げだったのだ。
有効活用できずにそのままにしていくはずだった。
巡り巡って、天才ゲーマーの片割れの空の元に渡る。

「有難うな尊徳」

素直に尊徳に感謝し、彼が所持していたデッキを借りる事を決める。
蟲惑魔と某リンク入りデッキを組み込んで混合デッキにしたい。

キリトと空は尊徳から各々の道具を譲った。
すぐさま調査する者と休息を取る者に分かれて、一旦、解散した。

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