◆
突如頭上から声が降って来たと思えば、背に衝撃が襲い掛かった。
立ち上がる筈が、再び地面に押し付けられうつ伏せに倒れる。
高まった筈の力も呆気なく霧散、決死の抵抗は全くの無意味に終わった。
立ち上がる筈が、再び地面に押し付けられうつ伏せに倒れる。
高まった筈の力も呆気なく霧散、決死の抵抗は全くの無意味に終わった。
「アォン……!?」
「こういう時にデッキがあると便利だよねー。あなたなんかを直接踏んだら、わたくしの靴が汚れちゃうもの」
「こういう時にデッキがあると便利だよねー。あなたなんかを直接踏んだら、わたくしの靴が汚れちゃうもの」
苦し気に藻掻く野獣先輩を、露骨に見下す少女の声。
どうにか首だけを動かし、正体を視界に入れる。
どうにか首だけを動かし、正体を視界に入れる。
見えたのは獣だ。
前脚にハサミを突き刺し、胴体から綿がはみ出た狼のぬいぐるみ。
子供達の友人とは言い難い、モンスターハウスの悪趣味な住人との表現がマッチする。
悪夢の世界から飛び出たような獣こそ、野獣先輩を踏み付ける存在だった。
前脚にハサミを突き刺し、胴体から綿がはみ出た狼のぬいぐるみ。
子供達の友人とは言い難い、モンスターハウスの悪趣味な住人との表現がマッチする。
悪夢の世界から飛び出たような獣こそ、野獣先輩を踏み付ける存在だった。
しかし、聞こえた声の主は別にいる。
狼…デストーイ・シザー・ウルフの背から軽やかに飛び降りる小柄な人影。
フリル付のスカートを揺らし、日傘片手に優雅に着地。
愛くるしさの中に冷徹さも交えた瞳で、自分達を見据えるのが誰か。
ねむだけが知っていた。
狼…デストーイ・シザー・ウルフの背から軽やかに飛び降りる小柄な人影。
フリル付のスカートを揺らし、日傘片手に優雅に着地。
愛くるしさの中に冷徹さも交えた瞳で、自分達を見据えるのが誰か。
ねむだけが知っていた。
「灯花……」
「やっと見つけたよー。わたくしが大変な時に、ねむってばどこで遊び惚けてたのー?」
「僕も僕で、色々と忙しかったんだけどね。苦労してるのが、自分一人だけだと思ってないかい?」
「やっと見つけたよー。わたくしが大変な時に、ねむってばどこで遊び惚けてたのー?」
「僕も僕で、色々と忙しかったんだけどね。苦労してるのが、自分一人だけだと思ってないかい?」
再会早々ぶー垂れる親友へ、小さなため息と共に呆れを返す。
言葉だけ聞けば嫌味の応酬と思われるかもしれないが、気の知れた仲故の反応だ。
入院時代から変わらない、ある意味二人にはお馴染みのやり取り。
加えて両者共に、アリナを止めようとして命を散らしたのが生前最後の記憶。
形はどうあれ、親友同士の再会に喜ばしさがないとは言えない。
言葉だけ聞けば嫌味の応酬と思われるかもしれないが、気の知れた仲故の反応だ。
入院時代から変わらない、ある意味二人にはお馴染みのやり取り。
加えて両者共に、アリナを止めようとして命を散らしたのが生前最後の記憶。
形はどうあれ、親友同士の再会に喜ばしさがないとは言えない。
「……灯花、少し見ない間に雰囲気が変わったんじゃないかな」
「えー?わたくしはいつも通りだけど?まさかボケちゃったのかにゃー?」
「えー?わたくしはいつも通りだけど?まさかボケちゃったのかにゃー?」
なのにどうしてか、ねむは妙な緊張感を感じずにはいられない。
自分の方針が灯花の目的と、食い違うと分かっているからだけでなく。
今の灯花は、数十体の魔女を集めても尚足りない程の。
酷く不吉なナニカを内包してると、そう思うのは果たして気のせいだろうか。
自分の方針が灯花の目的と、食い違うと分かっているからだけでなく。
今の灯花は、数十体の魔女を集めても尚足りない程の。
酷く不吉なナニカを内包してると、そう思うのは果たして気のせいだろうか。
いや、良からぬものを感じてるのはねむ一人じゃない。
鋼牙達もまた、危うい気配を察知し表情に険しさが宿った。
鋼牙達もまた、危うい気配を察知し表情に険しさが宿った。
『……イリヤさん、念の為にいつでも動けるよう気を張ってください』
「ルビー?わ、分かった」
「ルビー?わ、分かった」
普段のおちゃらけた態度は鳴りを潜め、硬い声で警戒を促された。
ルビーがそういう反応をするだけの理由を、疑うつもりはない。
戦闘へ発展してもすぐ対処出来るよう、言われた通りにしておく。
ルビーがそういう反応をするだけの理由を、疑うつもりはない。
戦闘へ発展してもすぐ対処出来るよう、言われた通りにしておく。
(いろはさんやねむさんと同じ魔法少女としての魔力、だけじゃないですね……どんだけ質の悪いモノを打ち込まれたんですか、彼女)
優れた感知機能を備えるルビーだからこそ、灯花が宿す力の危険性へ真っ先に気付けた。
最早魔力ではなく、呪いと言った方が正しい禍々しさ。
灯花が自分で植え付けたのか、それとも他者の介入があってのものか。
後者であれば、やった人物の悪辣さにただただ呆れを抱く他ない。
最早魔力ではなく、呪いと言った方が正しい禍々しさ。
灯花が自分で植え付けたのか、それとも他者の介入があってのものか。
後者であれば、やった人物の悪辣さにただただ呆れを抱く他ない。
「んー、やっぱりお姉さまはこっちに来てないか。もう、あのネコ娘さんが余計なことするからだよー」
「灯花?君はお姉さんに会ったのか?」
「灯花?君はお姉さんに会ったのか?」
自分に向けられる警戒に、気付いていないのか。
若しくは気付いた上で、どうでもいいと切り捨ててるのか。
どちらが正解にせよ、不満気に零した内容は聞き捨てならない。
誰ぞへの文句は一旦置いて、いろはの名前を出された。
もしや灯花は会場で、一足先にあの人と会っていたのだろうか。
問いを投げれば、途端に表情へ苛立ちが浮かぶ。
若しくは気付いた上で、どうでもいいと切り捨ててるのか。
どちらが正解にせよ、不満気に零した内容は聞き捨てならない。
誰ぞへの文句は一旦置いて、いろはの名前を出された。
もしや灯花は会場で、一足先にあの人と会っていたのだろうか。
問いを投げれば、途端に表情へ苛立ちが浮かぶ。
「…会ったよ。本当だったらお姉さまは、わたくしの所にいる筈だったのに。アイツが邪魔ばっかりするから……!」
瞳を吊り上げ、ここにはいない者への怒りを吐き捨てる。
親友がこうも露骨に激情を剥き出すのは、ねむから見ても珍しい。
余程腹に据えかねる事を、件の人物にされたのか。
いろはの動向を知らないねむには、想像しか出来ない。
親友がこうも露骨に激情を剥き出すのは、ねむから見ても珍しい。
余程腹に据えかねる事を、件の人物にされたのか。
いろはの動向を知らないねむには、想像しか出来ない。
「それに……」
視線をねむから眼下に移し、デストーイ・シザー・ウルフに踏み潰された男を見下ろす。
苦し気に藻掻く姿へ、死に掛けの害虫を重ねたとしか思えない。
汚らわしい存在への嫌悪を籠めた視線で、日傘を振り下ろす。
苦し気に藻掻く姿へ、死に掛けの害虫を重ねたとしか思えない。
汚らわしい存在への嫌悪を籠めた視線で、日傘を振り下ろす。
「オォンっ!?」
頭部への衝撃に、野獣先輩も堪らず悲鳴を上げた。
魔法少女に変身中で振るったのだ、年相応の腕力を遥かに超える。
目がチカチカと火花を散らすも、一発だけでは終わらない。
魔法少女に変身中で振るったのだ、年相応の腕力を遥かに超える。
目がチカチカと火花を散らすも、一発だけでは終わらない。
「あなたがふざけた真似をしたせいで!お姉さまのお傍にアイツがくっついたんでしょ!どうせならお姉さまだけわたくしの所に送れば良かったのに!ほんっとーに使えないんだから!この役立たず!役立たず!!役立たず!!!」
折檻か、或いはストレスをありったけぶつけるように。
罵声と共に日傘を叩き付け、その度に野獣先輩からはクッソ哀れな悲鳴が上がる。
なまじホモ特有の頑丈さがあるせいで、余計に苦痛が長く続く。
渾身の力で頭を打つと、一先ずは気が済み視線を外した。
罵声と共に日傘を叩き付け、その度に野獣先輩からはクッソ哀れな悲鳴が上がる。
なまじホモ特有の頑丈さがあるせいで、余計に苦痛が長く続く。
渾身の力で頭を打つと、一先ずは気が済み視線を外した。
「オォン……アォ、ン……」
「ふーんだ、いいもん。お姉さまはわたくしが自力で見つけ出すんだから。ねむ、これからはお姉さまの救済の為にちゃんと協力してよねっ」
「と、灯花……?君は……」
「ふーんだ、いいもん。お姉さまはわたくしが自力で見つけ出すんだから。ねむ、これからはお姉さまの救済の為にちゃんと協力してよねっ」
「と、灯花……?君は……」
癇癪を起こし暴力で当たり散らした挙句、魔法少女のではなくいろはの救済と強調した。
明らかに自分の知る灯花とは様子が異なり、ねむも困惑気味だ。
自分と会うまでに何があったか、一体誰と接触しこうも変わってしまったのか。
問い質したいが、こちらが聞くのを待たずに灯花の方から訝しく問われる。
明らかに自分の知る灯花とは様子が異なり、ねむも困惑気味だ。
自分と会うまでに何があったか、一体誰と接触しこうも変わってしまったのか。
問い質したいが、こちらが聞くのを待たずに灯花の方から訝しく問われる。
「ちょっとねむー?わたくしのお話が聞こえてないのー?」
顔を覗き込まれ、自身の聞きたい内容は一旦引っ込める。
いろはの救済に手を貸せと言うなら、無論断る理由はない。
あの人を魔法少女の運命から救いたい気持ちは、今も変わっていない。
いろはの救済に手を貸せと言うなら、無論断る理由はない。
あの人を魔法少女の運命から救いたい気持ちは、今も変わっていない。
「灯花、そのことで話がある」
だけど、これまで通りの方法を取るのはもう無理だ。
希望を信じさせてくれた魔戒騎士と、自分を受け入れてくれた者達。
そして己の本心を裏切る真似だけは、出来そうもない。
希望を信じさせてくれた魔戒騎士と、自分を受け入れてくれた者達。
そして己の本心を裏切る真似だけは、出来そうもない。
「魔法少女の救済を諦めたつもりはないよ。でも、今のやり方で良いと僕は思えない」
「……どういう意味ー?」
「僕達は焦り過ぎたんだ。生じる犠牲に目を瞑り、使い潰しても構わないと思っていた。…でも、それは間違いだったんだよ」
「……どういう意味ー?」
「僕達は焦り過ぎたんだ。生じる犠牲に目を瞑り、使い潰しても構わないと思っていた。…でも、それは間違いだったんだよ」
当然の話だ。
利用される側や切り捨てられる側にだって自分の意志があり、彼らを想う人達がいる。
ウワサの被害に遭った者の中には、羽の魔法少女と近しい人間だっていただろう。
鶴乃やマミをウワサと融合させた時、彼女らの仲間が何を思ったか。
自分の目で見て来たねむが、知らないなんて有り得ない。
利用される側や切り捨てられる側にだって自分の意志があり、彼らを想う人達がいる。
ウワサの被害に遭った者の中には、羽の魔法少女と近しい人間だっていただろう。
鶴乃やマミをウワサと融合させた時、彼女らの仲間が何を思ったか。
自分の目で見て来たねむが、知らないなんて有り得ない。
「誰も彼も利用し目的を果たしても……それは僕達自身の手で、いろはお姉さんを絶望させるのと同じだ。そんなものがういとの約束を守ることだなんて、僕にはどうしても思えない」
仮に大多数へ犠牲を強いて魔法少女を救済したとして、いろはは自分達を責めはしないだろう。
矛先は灯花とねむにそんな方法を取らせてしまい、止める事すら出来なかったいろは自身へ向かう。
あの人が喜ぶ筈がないと分かっても、自分達だけで泥を被って救済を果たす決意があった。
だが結果的にいろはの心を壊し、それでういとの約束を守ったと堂々と言えるのか。
結局自分達の行いは、環姉妹への裏切りと同じじゃあないか。
矛先は灯花とねむにそんな方法を取らせてしまい、止める事すら出来なかったいろは自身へ向かう。
あの人が喜ぶ筈がないと分かっても、自分達だけで泥を被って救済を果たす決意があった。
だが結果的にいろはの心を壊し、それでういとの約束を守ったと堂々と言えるのか。
結局自分達の行いは、環姉妹への裏切りと同じじゃあないか。
「だから灯花。僕達は――っ!?」
言葉の途中で感じたのは、魔力の収束現象。
自身が動き出すより早く、靡く白いコートが視界を覆い隠す。
頬を熱い風が叩き、思わず両手で庇う。
数秒の間を置いて下ろした時、目の前には剣を抜いた鋼牙が見えた。
自身が動き出すより早く、靡く白いコートが視界を覆い隠す。
頬を熱い風が叩き、思わず両手で庇う。
数秒の間を置いて下ろした時、目の前には剣を抜いた鋼牙が見えた。
「邪魔しないでよー。子供のやり取りに割り込むなんて、大人げないと思わないのかにゃー?」
「どういうつもりだ?何故ねむに手を出した?」
「どういうつもりだ?何故ねむに手を出した?」
小馬鹿にする態度を切り捨て、険しい瞳で問い質す。
会話の最中、ねむに向けて練り固めた魔力弾を撃ったのだ。
咄嗟に割って入り斬り落とさねば、どうなっていたやら。
会話の最中、ねむに向けて練り固めた魔力弾を撃ったのだ。
咄嗟に割って入り斬り落とさねば、どうなっていたやら。
「どうも何も、いきなり寝惚けたことを言うねむが悪いんでしょー?」
剣呑な鋼牙に射抜かれても、あっけらかんと鼻で笑う。
今しがたの行いへ何一つ疑問を持たず、ふざけたものを口にした親友を見やる。
今しがたの行いへ何一つ疑問を持たず、ふざけたものを口にした親友を見やる。
「何を言い出すかと思えば…前頭前野に致命的なエラーでも出ちゃってるんじゃないの?」
「灯花、話を最後まで聞いてくれ。魔法少女の救済をやめろと言ってるんじゃなくて……」
「あのねぇ、やり方を変えるも何も…いろはお姉さま以外のどーでもいい人達は、使ってあげるかポイーッて捨てるかの二つに一つなんだよ?ねむだってそれが分からない筈ないと思うんだけど」
「…そうだよ、そのせいで僕は間違いを犯したんだ。だからもうこれ以上は……」
「わたくしをあんまり失望させないでくれる?」
「灯花、話を最後まで聞いてくれ。魔法少女の救済をやめろと言ってるんじゃなくて……」
「あのねぇ、やり方を変えるも何も…いろはお姉さま以外のどーでもいい人達は、使ってあげるかポイーッて捨てるかの二つに一つなんだよ?ねむだってそれが分からない筈ないと思うんだけど」
「…そうだよ、そのせいで僕は間違いを犯したんだ。だからもうこれ以上は……」
「わたくしをあんまり失望させないでくれる?」
ゾッとする程に冷え切った声で、会話を無理やり打ち切った。
灯花からすれば、ねむの言う全てが全く理解出来ない。
及第点すら与えられない、落第生の言い分を延々と聞かされる気分だ。
使える参加者は使い尽くして、邪魔な参加者は排除。
ただそれだけの話だろうに、何が分からないという。
灯花からすれば、ねむの言う全てが全く理解出来ない。
及第点すら与えられない、落第生の言い分を延々と聞かされる気分だ。
使える参加者は使い尽くして、邪魔な参加者は排除。
ただそれだけの話だろうに、何が分からないという。
「もしかして、そこの白剣士さん達に頭の悪い話でも吹き込まれたのかにゃー?」
「…っ、鋼牙お兄さん達は僕に気付かせてくれたんだよ。灯花、僕はただ――」
「あー…………もーいいや」
「…っ、鋼牙お兄さん達は僕に気付かせてくれたんだよ。灯花、僕はただ――」
「あー…………もーいいや」
最後まで聞かずに、天を仰ぎため息を吐き出す。
怒りと、失望と、落胆と、その他諸々が籠められた。
一言では言い表せない、鬱屈としたものが多大に含まれたため息だった。
怒りと、失望と、落胆と、その他諸々が籠められた。
一言では言い表せない、鬱屈としたものが多大に含まれたため息だった。
「要するにねむは、お姉さまの救済よりも白剣士さん達の方が大事ってことなんでしょ?」
「…どうしてそういう話になるんだい?お姉さんのことを諦めたつもりはないって、そう言ってるだろう?」
「だったら!そんな奴らに現抜かさないでよ!わたくし達にとっての一番は!いつだって優先しなきゃいけないのは!たくさんの愛をくださった、お姉さまのことでしょう!?」
「…どうしてそういう話になるんだい?お姉さんのことを諦めたつもりはないって、そう言ってるだろう?」
「だったら!そんな奴らに現抜かさないでよ!わたくし達にとっての一番は!いつだって優先しなきゃいけないのは!たくさんの愛をくださった、お姉さまのことでしょう!?」
冷めた表情から一転、昏く淀んだ瞳を吊り上げ責め立てる。
悪しき陰陽師の暗示と、精神汚染の完了で以て灯花の方針はゲーム開始当初より変化した。
肥大化の止まらないいろはへの独占欲は、たとえ親友であっても場合によっては殺害を決意させる程。
しかし今のねむはそれよりも更に、灯花の怒りを強く引き出す。
悪しき陰陽師の暗示と、精神汚染の完了で以て灯花の方針はゲーム開始当初より変化した。
肥大化の止まらないいろはへの独占欲は、たとえ親友であっても場合によっては殺害を決意させる程。
しかし今のねむはそれよりも更に、灯花の怒りを強く引き出す。
「お姉さまを助けることよりも…ういとの約束よりもそいつらの方が大事だなんて、ふざけないでよ!」
ねむならばきっと、自分と同じでいろはを救う為に動く。
最優先を見誤らない、そう確信を持っていたのに。
どこぞの連中に絆され、己の為すべき事に亀裂が生まれる始末。
親友だからこそ、見ていられない有様へ激しい憤りがあった。
最優先を見誤らない、そう確信を持っていたのに。
どこぞの連中に絆され、己の為すべき事に亀裂が生まれる始末。
親友だからこそ、見ていられない有様へ激しい憤りがあった。
平時の灯花であったら、また違った結果になったろう。
素直に頷くかはともかく、いろはとういの名を出された以上。
ねむの話に、最後まで耳を傾けるくらいはした。
だが現実はそうならず、膨れ上がる悪意を爆発させ殺害を決断。
キャスター・リンボに会ったその時点で、こうなる事態は避けられなかったのかもしれない。
素直に頷くかはともかく、いろはとういの名を出された以上。
ねむの話に、最後まで耳を傾けるくらいはした。
だが現実はそうならず、膨れ上がる悪意を爆発させ殺害を決断。
キャスター・リンボに会ったその時点で、こうなる事態は避けられなかったのかもしれない。
「いーよ、結局ねむもお姉さまには相応しくなかったんだね。親友のよしみで、わたくしが終わらせてあげる」
『ARK O`?>+*!#$%&%$N+`*?#&E#''&%$』
自分こそが捻じ曲げられたと気付きもせずに、決別を宣言。
引き抜いた悪意の鍵は、ノイズが大量に混じった声を響かせた。
本来のプログライズキー以上に、負の念を大量にブレンド。
正史には存在しなかった、支配者(アーク)がここに産声を上げる。
引き抜いた悪意の鍵は、ノイズが大量に混じった声を響かせた。
本来のプログライズキー以上に、負の念を大量にブレンド。
正史には存在しなかった、支配者(アーク)がここに産声を上げる。
「へーんしんっ!」
『SIIIIIIINGUUU RIIISUUUUUUUUUZZZZZZZZZZZZZZZZUUUUUUUZZZUU』
鼓膜を掻き毟るようなエラー音は、まるで悲鳴にも聞こえた。
魔法少女のコスチュームたるドレスを引き裂き、赤黒い流体金属に覆い隠される。
しかしそこから先は、本来のアークワンと異なる形状へ変化。
魔法少女のコスチュームたるドレスを引き裂き、赤黒い流体金属に覆い隠される。
しかしそこから先は、本来のアークワンと異なる形状へ変化。
レオタードに似たボディスーツが、肉付きの薄い肢体にピッタリと貼り付く。
四肢と胸部へ純白の装甲を纏い、血管を思わせるエネルギーラインが走る。
頭部を隠すフルフェイスマスクは、左目周辺を残し消失。
悪魔の角を思わせるブレード状の部位の下で、鮮血色に瞳が輝いた。
四肢と胸部へ純白の装甲を纏い、血管を思わせるエネルギーラインが走る。
頭部を隠すフルフェイスマスクは、左目周辺を残し消失。
悪魔の角を思わせるブレード状の部位の下で、鮮血色に瞳が輝いた。
「名付けるなら、アークマギウスってとこかにゃー。ま、名前なんてどーでもいいけどー」
軽い口調で変身完了を告げるも、相対する面々は到底軽く見れない。
灯花から発せられた異様なオーラが増大し、危険度が急上昇。
自身に集まる警戒を鼻で笑い、真紅のレンズで射抜く。
灯花から発せられた異様なオーラが増大し、危険度が急上昇。
自身に集まる警戒を鼻で笑い、真紅のレンズで射抜く。
「一応言っとくけど、わたくしが用があるのはねむだけだよ。邪魔しないなら、見逃してあげる」
「聞けない話だな」
「聞けない話だな」
最初で最後の警告を短く切り捨て、鋼牙がねむを庇い前に出る。
聞いた以上に危険性を秘めた少女だと分かり、かといって臆する気配は欠片も無し。
ねむを手に掛ける気なら、例え彼女の友だろうと受け入れはしない。
他の者も同様だ、黙ってねむを殺させるなどお断り。
それぞれ構える中、灯花の視線があからさまに侮蔑を籠めたものに変わっていく。
聞いた以上に危険性を秘めた少女だと分かり、かといって臆する気配は欠片も無し。
ねむを手に掛ける気なら、例え彼女の友だろうと受け入れはしない。
他の者も同様だ、黙ってねむを殺させるなどお断り。
それぞれ構える中、灯花の視線があからさまに侮蔑を籠めたものに変わっていく。
「これだから嫌なんだよねー。頭の悪い連中の相手は!」
「っ!?」
「っ!?」
両手を掲げると同時に、3Dプリントの生成機能を使用。
掌の照射装置が光線を発し、一瞬で十数丁に及ぶ武器を宙へ配置。
青い散弾銃、アタッシュショットガンが鋼牙達を取り囲み一斉に発射。
掌の照射装置が光線を発し、一瞬で十数丁に及ぶ武器を宙へ配置。
青い散弾銃、アタッシュショットガンが鋼牙達を取り囲み一斉に発射。
「全員そこから動かないで!」
そこら中に肉片が散らばる末路を回避すべく、ねむが咄嗟に対処へ動く。
大量の紙片を魔力でコーティングし、全方位を覆う盾に使用。
散弾が雨あられと襲うも、間一髪防ぎ切った。
大量の紙片を魔力でコーティングし、全方位を覆う盾に使用。
散弾が雨あられと襲うも、間一髪防ぎ切った。
「へぇー…本気でそこのお馬鹿さん達を守る気なんだ」
つくづく自身を失望させる親友へ苛立ちつつ、アタッシュショットガンを遠隔で撃つ。
アークワンの引力操作機能を用いれば、直接手に持つ必要もない。
だが、相手も大人しく的になるつもりはない。
ねむが稼いだ僅かな猶予で、必要な工程を終えた。
先陣を切り飛び出した鋼牙が、黄金騎士の鎧を纏い銃火器を切り裂く。
アークワンの引力操作機能を用いれば、直接手に持つ必要もない。
だが、相手も大人しく的になるつもりはない。
ねむが稼いだ僅かな猶予で、必要な工程を終えた。
先陣を切り飛び出した鋼牙が、黄金騎士の鎧を纏い銃火器を切り裂く。
続いてプライムローグが駆け、本体を直接叩きに行く。
敵は未知のドライバーを使っているが、怯んでばかりもいられない。
格上相手はエボルトで慣れており、警戒しつつも尻込みはしなかった。
敵は未知のドライバーを使っているが、怯んでばかりもいられない。
格上相手はエボルトで慣れており、警戒しつつも尻込みはしなかった。
「こっちだよー、ノロマさーん」
「なに…!?」
「なに…!?」
伸ばした手が触れる寸前、蜃気楼のように灯花が消失。
声の聞こえる方へ振り向くと、複数の銃口が待ち受けていた。
拳銃タイプの変身ツール、ショットライザーが火を噴く。
50口径弾の連射を、持ち前の防御性能で耐える。
声の聞こえる方へ振り向くと、複数の銃口が待ち受けていた。
拳銃タイプの変身ツール、ショットライザーが火を噴く。
50口径弾の連射を、持ち前の防御性能で耐える。
「ぬ、ぐ……!」
しかし予想に反して、一発一発の威力がやけに高い。
フェーズ1のエボルの猛攻にも耐えたプライムローグでなければ、危険と感じる程にだ。
フェーズ1のエボルの猛攻にも耐えたプライムローグでなければ、危険と感じる程にだ。
「夢幻召喚(インストール)――キャスター!」
男達に続き、イリヤもアークへの対抗策に打って出た。
移動中、鋼牙から譲ってもらった支給品。
キャスターのクラスカードを使い、英霊の力を我が身に降ろす。
移動中、鋼牙から譲ってもらった支給品。
キャスターのクラスカードを使い、英霊の力を我が身に降ろす。
「少し痛くするけど、文句は聞かないから!」
杖を振るい魔法陣を出現。
充填される魔力の奔流で、ローブと長髪が靡く。
下手な宝具以上とも称される威力で以て、早期決着へ持って行こうとし、
充填される魔力の奔流で、ローブと長髪が靡く。
下手な宝具以上とも称される威力で以て、早期決着へ持って行こうとし、
「好きにすれば?どうせ勝つのはわたくだもの」
『"Progrise keyconfilmed.Ready for buster."』
デイパックから取り出したオーソライズバスターを、遠距離形態で装備。
アークワンプログライズキーを装填し、エネルギーを充填。
イリヤの放った砲撃と、赤い稲妻の迸る光線が激突。
熱線同士の衝突でエネルギーが撒き散らされ、余波で周囲が破壊される中、
アークワンプログライズキーを装填し、エネルギーを充填。
イリヤの放った砲撃と、赤い稲妻の迸る光線が激突。
熱線同士の衝突でエネルギーが撒き散らされ、余波で周囲が破壊される中、
「一発目終わりー。じゃあ次とその次も、精々頑張ってねー」
「えっ!?」
「えっ!?」
頭上からの声に思わず見上げたイリヤを、凍り付かせる光景が広がっていた。
複数本の日傘が宙に配置され、先端が地上を睨み付ける。
その全てに膨大なエネルギーを付与し、発射まで一刻の猶予も無い。
複数本の日傘が宙に配置され、先端が地上を睨み付ける。
その全てに膨大なエネルギーを付与し、発射まで一刻の猶予も無い。
『めちゃくちゃしてくれますねぇあのチビっ子!衣装が醸し出すエロスは、称賛ものですけど!』
「言ってる場合じゃないでしょ!?」
「言ってる場合じゃないでしょ!?」
相棒のトンチキな反応へ律儀にツッコミつつも、魔法陣を複数展開。
日傘が放つ魔力弾と撃ち合い相殺。
が、手数に優れるのは灯花も同じだ。
同時に生成したアタッシュショットガンとショットライザーからも、次々弾が降り注ぐ。
日傘が放つ魔力弾と撃ち合い相殺。
が、手数に優れるのは灯花も同じだ。
同時に生成したアタッシュショットガンとショットライザーからも、次々弾が降り注ぐ。
「……っ!そうか…灯花、自分の魔法を組み合わせたのか……!」
背に遊戯を庇い、紙片を幾枚も重ねるねむが絡繰りに気付く。
灯花はただ単に生成した武器を撃つだけではない。
悪意を変換した特殊な波動、スパイトネガによる威力の上昇。
そこへ更に変換の固有魔法で、周囲の物質を魔力に変え強化に充てているのだ。
保登心愛がマスクドライダーシステムと、専用ソードの技を併用し使えたように。
灯花もまた、アークと魔法少女の能力を組み合わせたのである。
灯花はただ単に生成した武器を撃つだけではない。
悪意を変換した特殊な波動、スパイトネガによる威力の上昇。
そこへ更に変換の固有魔法で、周囲の物質を魔力に変え強化に充てているのだ。
保登心愛がマスクドライダーシステムと、専用ソードの技を併用し使えたように。
灯花もまた、アークと魔法少女の能力を組み合わせたのである。
ひっきりなしに銃弾と魔力弾が飛び交う戦場を、防御力に秀でた二人が駆ける。
牙狼剣を構えた鋼牙に並び、プライムローグもドライバーに手を伸ばす。
敵が高火力で来るなら、こちらも大技で反撃に出るまでのこと。
とはいえ、その動きも灯花には『予測』済だ。
エーデルフェルト邸を訪れるまでに、移動用の足で召喚したモンスター。
デストーイ・シザー・ウルフを、プライムローグへ差し向ける。
たかがモンスター一匹程度で、勢いを止められると思ったら大間違い。
拳を叩き込み、ぬいぐるみの体は哀れ爆散。
牙狼剣を構えた鋼牙に並び、プライムローグもドライバーに手を伸ばす。
敵が高火力で来るなら、こちらも大技で反撃に出るまでのこと。
とはいえ、その動きも灯花には『予測』済だ。
エーデルフェルト邸を訪れるまでに、移動用の足で召喚したモンスター。
デストーイ・シザー・ウルフを、プライムローグへ差し向ける。
たかがモンスター一匹程度で、勢いを止められると思ったら大間違い。
拳を叩き込み、ぬいぐるみの体は哀れ爆散。
「ぐぉ……っ!?」
瞬間、デストーイ・シザー・ウルフの内部から無数の刃が飛び出す。
四方八方へ飛び散ったアタッシュカリバーは、至近距離にいたプライムローグへ直撃。
火花を散らしたたらを踏む横で、鋼牙が得物を振るって刃のトラップを弾く。
僅かなりとも動きを止めたその隙へ、遠慮なしに灯花が仕掛ける。
四方八方へ飛び散ったアタッシュカリバーは、至近距離にいたプライムローグへ直撃。
火花を散らしたたらを踏む横で、鋼牙が得物を振るって刃のトラップを弾く。
僅かなりとも動きを止めたその隙へ、遠慮なしに灯花が仕掛ける。
「ねむが誑かされるなんて、一体どんな手を使ったのかにゃー?」
「何の話だ!」
「何の話だ!」
軽口を叩きながら、両手にアタッシュカリバーを装備。
二刀流での猛攻へ、牙狼剣を駆使し的確に防ぐ。
身体機能は少女らしからぬ高さだが、技術はそれ程高くない。
押し切るのは難しくないと冷静に考えた時、急に灯花の動きが変化。
鋼牙の剣がどこから来るのか、予め分かってるとばかりに捌く。
二刀流での猛攻へ、牙狼剣を駆使し的確に防ぐ。
身体機能は少女らしからぬ高さだが、技術はそれ程高くない。
押し切るのは難しくないと冷静に考えた時、急に灯花の動きが変化。
鋼牙の剣がどこから来るのか、予め分かってるとばかりに捌く。
「っ!」
受け流されたと思いきや、灯花の姿が消失。
目で追うより早く、背後からの殺気を察知。
後ろを見ないまま剣を振るうも、手応えは無し。
赤い閃光を視界が微かに捉え、次の瞬間には大きく距離を離された。
目で追うより早く、背後からの殺気を察知。
後ろを見ないまま剣を振るうも、手応えは無し。
赤い閃光を視界が微かに捉え、次の瞬間には大きく距離を離された。
現在の灯花はアークドライバーワンのみならず、リンボに埋め込まれたアナザーウォッチの力も引き出した状態だ。
既に知っての通り、アナザーゼロワンウォッチは運営側の手で細工が施されている。
ゲームにおける飛電或人がそうだったように、悪意が強ければ強い程アナザーゼロワンを超える形態。
リアライジングアナザーゼロワンへ、進化が可能となる。
暗示の影響も含まれるが、灯花が抱く悪意もまた並程度では収まらない。
嫉妬と憎悪、独占欲に支配された心はウォッチの負の可能性へ辿り着くのに十分過ぎた。
よって起こるのが今の状態。
アークワンでありながら、リアライジングホッパーの劇的な走力をも発揮可能という悪夢染みた脅威だった。
既に知っての通り、アナザーゼロワンウォッチは運営側の手で細工が施されている。
ゲームにおける飛電或人がそうだったように、悪意が強ければ強い程アナザーゼロワンを超える形態。
リアライジングアナザーゼロワンへ、進化が可能となる。
暗示の影響も含まれるが、灯花が抱く悪意もまた並程度では収まらない。
嫉妬と憎悪、独占欲に支配された心はウォッチの負の可能性へ辿り着くのに十分過ぎた。
よって起こるのが今の状態。
アークワンでありながら、リアライジングホッパーの劇的な走力をも発揮可能という悪夢染みた脅威だった。
「やっぱりこういう泥臭いのは、わたくし向きじゃないんだよねー」
双剣を投げ捨て、代わりにアタッシュアローを複数個生成。
例によって遠隔操作で一斉に撃ち、鋼牙を近付けさせまいとする。
無論、棒立ちで見てるだけでは終わらない。
左腕の装甲と一体化を果たした、デュエルディスクの出番が来た。
アークワンの一部に取り込む事で、モンスターにも干渉が可能。
デストーイ・シザー・ウルフの体内に、アタッシュカリバーを仕込ませたのが良い例だ。
例によって遠隔操作で一斉に撃ち、鋼牙を近付けさせまいとする。
無論、棒立ちで見てるだけでは終わらない。
左腕の装甲と一体化を果たした、デュエルディスクの出番が来た。
アークワンの一部に取り込む事で、モンスターにも干渉が可能。
デストーイ・シザー・ウルフの体内に、アタッシュカリバーを仕込ませたのが良い例だ。
「くふふっ。普段よりも脳内ドーパミンの分泌が活性化してるのが、自分でも分かるよー」
アークワンの演算に加え、大量数の武装の操作を同時並行で行う。
如何に天才的な頭脳を持つ灯花と言えども、相応の負担が圧し掛かるのは抑えられない。
だというのに顔を歪めるどころか、爛々と目を輝かせ思考を高速回転。
リンボの術で増幅した悪意が燃料となり、脳の働きに普段以上のキレを齎す。
如何に天才的な頭脳を持つ灯花と言えども、相応の負担が圧し掛かるのは抑えられない。
だというのに顔を歪めるどころか、爛々と目を輝かせ思考を高速回転。
リンボの術で増幅した悪意が燃料となり、脳の働きに普段以上のキレを齎す。
五枚の手札を引き抜き、必要な手順を一瞬で導き出す。
耳当てをして跳ねるペンギン、ファーニマル・ペンギンを通常召喚し効果を発動。
フィールドに表側表示で存在する時、同名カード以外のファーニマルモンスターを特殊召喚出来るのだ。
眼鏡を掛けたフクロウ、ファーニマル・オウルを呼び出す。
続けてファーニマル・オウルの召喚成功がトリガーとなり、デッキから融合の魔法カードを手札に加える。
更にデストーイ・シザー・ウルフの素材に使い墓地に置いたままの、エッジインプ・シザーの効果も使用。
手札を一枚デッキトップに戻し、代わりに墓地から特殊召喚を行う。
完全に無駄を排除し準備を終えた。
耳当てをして跳ねるペンギン、ファーニマル・ペンギンを通常召喚し効果を発動。
フィールドに表側表示で存在する時、同名カード以外のファーニマルモンスターを特殊召喚出来るのだ。
眼鏡を掛けたフクロウ、ファーニマル・オウルを呼び出す。
続けてファーニマル・オウルの召喚成功がトリガーとなり、デッキから融合の魔法カードを手札に加える。
更にデストーイ・シザー・ウルフの素材に使い墓地に置いたままの、エッジインプ・シザーの効果も使用。
手札を一枚デッキトップに戻し、代わりに墓地から特殊召喚を行う。
完全に無駄を排除し準備を終えた。
「手札から融合を発動して、デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーをしょうっかーん!」
エッジインプ・シザーと二体のファーニマルを素材に、上級モンスターを呼び出す。
くすんだ金髪が揺れ動く、巨大な人形が出現。
虚ろな瞳で宙を見つめ、時折呪詛を呟く。
開けた白いドレスの奥には、先の見えない闇が広まっていた。
くすんだ金髪が揺れ動く、巨大な人形が出現。
虚ろな瞳で宙を見つめ、時折呪詛を呟く。
開けた白いドレスの奥には、先の見えない闇が広まっていた。
「デュエルモンスターズ…!?それにあんなカードは見たことがない…!」
「灯花なら使いこなせるのも納得だけどね……」
「灯花なら使いこなせるのも納得だけどね……」
獏良了のオカルトデッキを思い出させる、異様な風貌のモンスター。
デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーに遊戯が息を呑むも、長々と怯む余裕はない。
こちらもデュエルモンスターズで対抗すべく、ねむと頷き合った。
ウワサの使い魔を三体出現させ、再びオシリスの召喚に繋げる。
デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーに遊戯が息を呑むも、長々と怯む余裕はない。
こちらもデュエルモンスターズで対抗すべく、ねむと頷き合った。
ウワサの使い魔を三体出現させ、再びオシリスの召喚に繋げる。
「わたくしのターンが終わったなんて、まだ言ってないでしょー?」
「っ、マズい…!」
「っ、マズい…!」
小癪な抵抗を封じるべく、巨大人形が身を震わせ波動を放つ。
呼び出した使い魔を三体とも消し飛ばされ、フィールドはがら空きに。
何より、この瞬間にデンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーの効果が発動。
モンスターを破壊した時、同じ枚数分デッキから指定カテゴリのモンスターカードを墓地に送る。
呼び出した使い魔を三体とも消し飛ばされ、フィールドはがら空きに。
何より、この瞬間にデンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーの効果が発動。
モンスターを破壊した時、同じ枚数分デッキから指定カテゴリのモンスターカードを墓地に送る。
「それじゃあ続けて攻撃ー!」
墓地の天使族・悪魔族モンスターの数だけ攻守を強化。
テキスト上のステータスをあっという間に超え、広範囲に波動攻撃を繰り出す。
留まるところを知らない灯花の暴虐へ、待ったを掛けるべくねむも新たな手に出た。
テキスト上のステータスをあっという間に超え、広範囲に波動攻撃を繰り出す。
留まるところを知らない灯花の暴虐へ、待ったを掛けるべくねむも新たな手に出た。
『Perfect Puzzle』
『What's the next stage?』
「上手く使えるかは分からないけど…変身…!」
『Dual up!Perfect Puzzle』
デイパックではなくポケットに仕舞っておいた為、奪われずに済んだ唯一のアイテム。
ガシャットギアデュアルを起動し、軽快な音楽を背に変身。
青い腕部装甲と、フクロウを思わせる頭部が特徴の戦士。
仮面ライダーパラドクス・パズルゲーマーLv.50が何を出来るか、送られて来るデータで即座に把握。
ガシャットギアデュアルを起動し、軽快な音楽を背に変身。
青い腕部装甲と、フクロウを思わせる頭部が特徴の戦士。
仮面ライダーパラドクス・パズルゲーマーLv.50が何を出来るか、送られて来るデータで即座に把握。
「皆!これを受け取って!」
『高速化!』
『鋼鉄化!』
『反射!』
ゲームエリアの展開と同時に配置された、エナジーアイテムを操作。
仲間達の能力上昇に宛がうのは灯花にも見え、つまらなそうに眼を細める。
ポッピーとの戦闘であれを使われたのは、記憶に新しい。
放置しては後々面倒と、排除のルートを組み立て、
仲間達の能力上昇に宛がうのは灯花にも見え、つまらなそうに眼を細める。
ポッピーとの戦闘であれを使われたのは、記憶に新しい。
放置しては後々面倒と、排除のルートを組み立て、
「逃げていいなんて誰も言ってないよー?」
「おぶぇっ!?」
「おぶぇっ!?」
どさくさに紛れて逃げようとしたクッソ姑息なホモ、野獣先輩の元へ一瞬で移動。
背中を踏み付け動きを封じ、腹部の機械に手を伸ばす。
ブレイバックルを左目のレンズが読み取り、ややあって雑に放った。
ついでにアタッシュカリバーを一本生成、左足に向け突き刺す。
足元で聞こえる悲鳴は無視し、得たばかりの力を使う。
背中を踏み付け動きを封じ、腹部の機械に手を伸ばす。
ブレイバックルを左目のレンズが読み取り、ややあって雑に放った。
ついでにアタッシュカリバーを一本生成、左足に向け突き刺す。
足元で聞こえる悲鳴は無視し、得たばかりの力を使う。
「ラーニング完了っと」
『TIME』
アークドライバーゼロがそうだったように、アーク系列のドライバーには高度な学習(ラーニング)機能が搭載してある。
殺し合いにおいては幾つか制約も設けられてるが、使用自体は禁止にされていない。
ブレイバックルのデータを収集し、新たな装備の生成を可能に。
白銀の剣、ブレイラウザーにラウズカードを読み込ませアンデットの能力を発動。
タイムスカラベの力で、戦場の時間を停止。
もしもDIOがまだここに残っていれば、時の止まった世界でも唯一動けたろうがたらればだ。
オーソライズバスターを近くに浮遊させ、空いた手で別の武器を作り出す。
殺し合いにおいては幾つか制約も設けられてるが、使用自体は禁止にされていない。
ブレイバックルのデータを収集し、新たな装備の生成を可能に。
白銀の剣、ブレイラウザーにラウズカードを読み込ませアンデットの能力を発動。
タイムスカラベの力で、戦場の時間を停止。
もしもDIOがまだここに残っていれば、時の止まった世界でも唯一動けたろうがたらればだ。
オーソライズバスターを近くに浮遊させ、空いた手で別の武器を作り出す。
『JACK RISE』
「なに、が……!?」
時間停止解除と同時に、サウザンドジャッカーを突き刺す。
対象はガシャットギアデュアルだ、内包されたデータを残らず頂く。
ねむからすれば、いきなり目の前に現れた灯花に混乱し動きが止まるのは避けられない。
まさか時を止められる力が、DIO以外にもまだいたと。
即座に気付けというのも酷な話だ。
対象はガシャットギアデュアルだ、内包されたデータを残らず頂く。
ねむからすれば、いきなり目の前に現れた灯花に混乱し動きが止まるのは避けられない。
まさか時を止められる力が、DIO以外にもまだいたと。
即座に気付けというのも酷な話だ。
『"Progrise keyconfilmed.Ready for buster."』
「うあああああっ!?」
迎え撃つ余裕も与えられず、零距離で高出力の銃撃を受けた。
装甲から大量に火花を散らし、転がった先で変身解除。
苦し気に呻くも、灯花の攻撃はまだ続く。
装甲から大量に火花を散らし、転がった先で変身解除。
苦し気に呻くも、灯花の攻撃はまだ続く。
「ねむ!?」
「っ、遊戯お兄さん…!こっちに来たら駄目だ……!」
「っ、遊戯お兄さん…!こっちに来たら駄目だ……!」
咄嗟に駆け寄ろうとするが、血相を変えたねむの言葉に背を冷や汗が落ちた。
マズいと、頭で考えるのを待たずに体が本能的に反応。
飛び退いた瞬間、猛烈な熱さが襲った。
マズいと、頭で考えるのを待たずに体が本能的に反応。
飛び退いた瞬間、猛烈な熱さが襲った。
「がっ……」
膝を付き、腹部を押さえるも赤い液体が滲み出る。
背後へ浮遊させたショットライザーで撃たれ、50口径弾が貫通。
即死は免れたが重体なのは変わらず、放って置けば失血死は確実。
体が異様に重くなり、自分を呼ぶ相棒の声さえ遠い。
背後へ浮遊させたショットライザーで撃たれ、50口径弾が貫通。
即死は免れたが重体なのは変わらず、放って置けば失血死は確実。
体が異様に重くなり、自分を呼ぶ相棒の声さえ遠い。
「柊…!武藤……!」
崩れ落ちる少年と少女の元へ、プライムローグが急ぐ。
マントで銃弾を防ぎながら、飛来するアタッシュカリバーを力任せに突破。
それさえ、灯花の予測を超えるには至らない。
マントで銃弾を防ぎながら、飛来するアタッシュカリバーを力任せに突破。
それさえ、灯花の予測を超えるには至らない。
「大人のくせに学習能力ゼロなんて、恥ずかしいと思わないわけー?」
『"Progrise keyconfilmed.Ready for buster."』
「がっ、ああああああああああああっ……!!??!」
瞬間移動もかくやの速度で先回りし、オーソライズバスターを振り下ろす。
プログライズキーから引き出すエネルギーに加え、固有魔法で変換した魔力を上乗せ。
トドメとばかりに複数本のアタッシュカリバーを生成、その全てを魔力とスパイトネガで強化。
全身各部を削り取るかの痛みが走り、プライムローグの防御性能が却って苦痛を長引かせる。
血飛沫のような火花が散り吹き飛ばされ、ようやく解放。
プログライズキーから引き出すエネルギーに加え、固有魔法で変換した魔力を上乗せ。
トドメとばかりに複数本のアタッシュカリバーを生成、その全てを魔力とスパイトネガで強化。
全身各部を削り取るかの痛みが走り、プライムローグの防御性能が却って苦痛を長引かせる。
血飛沫のような火花が散り吹き飛ばされ、ようやく解放。
「これ、は……マズ、い、か……」
想定以上のダメージに変身解除し、生身で地面に横たわる。
傷を負った体からは粒子が溢れ、幻徳が非常に危険な状態であると知らせた。
尤も、灯花が攻撃を躊躇するだけの効果は全く発揮されない。
いらぬ抵抗ばかりに出る者達を、纏めて消し飛ばす時が遂に来た。
傷を負った体からは粒子が溢れ、幻徳が非常に危険な状態であると知らせた。
尤も、灯花が攻撃を躊躇するだけの効果は全く発揮されない。
いらぬ抵抗ばかりに出る者達を、纏めて消し飛ばす時が遂に来た。
「圧倒的な火力で掃除してあげるのが、わたくしらしいやり方だよねー」
『PERFECT CONCLUSION』
『LEARNING FIVE』
ドライバー上部のスイッチを押し込み、悪意の段階を一つずつ上げていく。
本来は全方位にスパイトネガを放つ技だが、灯花の場合は違う。
先程手に入れたガシャットギアデュアルのデータは、今が使い時。
サウザンドジャッカーを振るい解放。
ゲームエリア展開に伴うエナジーアイテム選択を、自身も使用可能に。
本来は全方位にスパイトネガを放つ技だが、灯花の場合は違う。
先程手に入れたガシャットギアデュアルのデータは、今が使い時。
サウザンドジャッカーを振るい解放。
ゲームエリア展開に伴うエナジーアイテム選択を、自身も使用可能に。
『分身!』
『分身!』
『分身!』
選んだのは分身、名前の通り使用者の複製体を生み出す。
三つを一気に使い、本体と合わせ計24体の灯花が出現。
引力操作で宙に浮かぶや、空中へ大量の日傘を生成。
一本残らず先端へ大技(マギア)級の魔力と、スパイトネガを充填してあった。
三つを一気に使い、本体と合わせ計24体の灯花が出現。
引力操作で宙に浮かぶや、空中へ大量の日傘を生成。
一本残らず先端へ大技(マギア)級の魔力と、スパイトネガを充填してあった。
『いやいやいやいや!?もしかしなくても大ピンチじゃないですかやだー!』
「嘘でしょ…こんなの撃たれたら……!」
「嘘でしょ…こんなの撃たれたら……!」
数の暴力などと、そんな言葉すら生温い。
殲滅の二文字を実現させる為の、悪意の流星群が降り注ぐ。
殲滅の二文字を実現させる為の、悪意の流星群が降り注ぐ。
「――っ!来るぞ!」
腹を括り鋼牙が牙狼剣を構えた直後、地上を爆撃が襲った。
最早エーデルフェルト邸周辺に収まらない、大規模な魔砲。
魔法陣を幾つも束ね、片っ端から打ち消していくイリヤ。
豪快に振り回した牙狼剣で、仲間達には届かせまいとする鋼牙。
片やクラスカードを使い、片や進化した黄金騎士の鎧を纏うからこそ抗えている。
遠くない内に限界が来るのは、誰の目にも明らかだが。
最早エーデルフェルト邸周辺に収まらない、大規模な魔砲。
魔法陣を幾つも束ね、片っ端から打ち消していくイリヤ。
豪快に振り回した牙狼剣で、仲間達には届かせまいとする鋼牙。
片やクラスカードを使い、片や進化した黄金騎士の鎧を纏うからこそ抗えている。
遠くない内に限界が来るのは、誰の目にも明らかだが。
「あなたもちゃんと働いてよー」
追い打ち掛けるように、デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーをけしかける。
空中からは数えるのも馬鹿らしい程の魔砲が、地上からは波状攻撃が狙う。
逃げ場を奪い去り、死体一つ残らない末路を作り上げんとする。
空中からは数えるのも馬鹿らしい程の魔砲が、地上からは波状攻撃が狙う。
逃げ場を奪い去り、死体一つ残らない末路を作り上げんとする。
「まだ……俺達のターンは終わりじゃない……!」
足音を立てて近付く最期の時に、立ち上がった遊戯が否定を叩き付けた。
ゲームオーバーになどさせるものか、どんな絶体絶命の決闘(デュエル)だろうと諦めない。
傷口を片手で必死に押さえ、息を荒げながら勝利への道を生み出す。
ゲームオーバーになどさせるものか、どんな絶体絶命の決闘(デュエル)だろうと諦めない。
傷口を片手で必死に押さえ、息を荒げながら勝利への道を生み出す。
「手札からティマイオスの眼を発動!黄金騎士・牙狼と融合させる……!」
「これは……!?」
「これは……!?」
宣言と同時に、鋼牙に変化が起きた。
牙狼翔の鎧はそのままに、巨大な蒼竜へ跨る。
イリヤに使った時との最大の違いは、蒼竜も各部へ黄金の装甲を纏っていること。
黄金騎士を背に乗せ、戦場へ咆哮を轟かせた。
牙狼翔の鎧はそのままに、巨大な蒼竜へ跨る。
イリヤに使った時との最大の違いは、蒼竜も各部へ黄金の装甲を纏っていること。
黄金騎士を背に乗せ、戦場へ咆哮を轟かせた。
「更に魔法カード、結束 UNITYを発動!受け取ってくれ!冴島さん……!」
「ああ!任せろ!」
「ああ!任せろ!」
守備力が限界まで引き上げられるのを感じ、支援を行った遊戯に礼を返し飛翔。
勝利を託された以上、負ける事など断じて許されない。
竜騎士・牙狼が天を駆け、複製体の灯花を熱線諸共切り裂いていく。
小賢しい羽虫を撃ち落とさんと、魔力の砲撃が殺到するも止められない。
勝利を託された以上、負ける事など断じて許されない。
竜騎士・牙狼が天を駆け、複製体の灯花を熱線諸共切り裂いていく。
小賢しい羽虫を撃ち落とさんと、魔力の砲撃が殺到するも止められない。
「まだだ…!ガーディアン・エアトスを召喚…!エアトス!その剣を掴め……!」
エアトスの再召喚を行い、即座に命令を飛ばす。
地面に突き刺さった無数のアタッシュカリバー、その内の一本を持たせた。
振るった所で、戦況に然したる変化は起こせないだろう。
しかしこれでいい、エアトスが武器を装備したという事実こそが重要なのだから。
地面に突き刺さった無数のアタッシュカリバー、その内の一本を持たせた。
振るった所で、戦況に然したる変化は起こせないだろう。
しかしこれでいい、エアトスが武器を装備したという事実こそが重要なのだから。
「この瞬間、エアトスの効果が発動!装備カードを破壊し、相手の墓地のモンスターを3体除外!更にこの効果を発動した時、除外したモンスター一体につき500P攻撃力を上げる!」
アタッシュカリバーが砕け散り、モンスター効果が発動される。
灯花の墓地に置かれた三体のモンスターが除外され、それに伴いデンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーのステータスが低下。
反対にエアトスは1500Pアップし、攻撃力は4000に到達。
灯花の墓地に置かれた三体のモンスターが除外され、それに伴いデンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーのステータスが低下。
反対にエアトスは1500Pアップし、攻撃力は4000に到達。
「バトルだ!ガーディアン・エアトスで、デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーを攻撃!」
翼を広げ、猛威へ終止符を打つべくエアトスが急接近。
近寄らせまいと悪足掻きに出るも無駄だ、振り下ろした剣が真っ二つに切り裂く。
波動諸共両断され、絶叫を上げながら爆散。
デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーの破壊を受け、LP減少に伴う消耗が灯花を襲う。
圧し掛かる倦怠感に体がグラ付き、僅かだが砲撃に穴が生まれた。
近寄らせまいと悪足掻きに出るも無駄だ、振り下ろした剣が真っ二つに切り裂く。
波動諸共両断され、絶叫を上げながら爆散。
デンジャラス・デストーイ・ナイトメアリーの破壊を受け、LP減少に伴う消耗が灯花を襲う。
圧し掛かる倦怠感に体がグラ付き、僅かだが砲撃に穴が生まれた。
「お前の悪意は、ここで断ち切る!!」
「――っ、ああもう!邪魔なんだから!」
「――っ、ああもう!邪魔なんだから!」
分身を斬りながら迫る鋼牙へ向けて、残る日傘を集め一点集中で砲撃を行う。
エーデルフェルト邸を飲み込んでもまだ足りないレベルの規模へ、牙狼剣一本で対抗。
鋼牙の戦意に呼応し蒼竜も咆え、前に前にと突き進む。
なれど此度の相手は、悪意を糧に進化し続ける支配者(アーク)。
ドライバー上部のスイッチへ手を掛け、更にエネルギーを引き出した。
エーデルフェルト邸を飲み込んでもまだ足りないレベルの規模へ、牙狼剣一本で対抗。
鋼牙の戦意に呼応し蒼竜も咆え、前に前にと突き進む。
なれど此度の相手は、悪意を糧に進化し続ける支配者(アーク)。
ドライバー上部のスイッチへ手を掛け、更にエネルギーを引き出した。
だが忘れるなかれ、闇を祓う光は一人だけではないことを。
「僕に向けて手を翳して…!」
「うん……!」
「うん……!」
負傷を噛み殺したねむがウワサに乗り、イリヤの元まで飛翔。
翳した掌同士を合わせ、魔力を一つに纏め上げる。
託されたと、そう分かったイリヤの瞳に迷いはない。
魔法陣を一つに集結、特大の術を叩き込む。
翳した掌同士を合わせ、魔力を一つに纏め上げる。
託されたと、そう分かったイリヤの瞳に迷いはない。
魔法陣を一つに集結、特大の術を叩き込む。
「絶対に――ぶち破る!!!」
太陽さながらに照らす魔法陣は門となり、何百か、何千に届くやもしれぬウワサがなだれ込んだ。
複製体の灯花が蹴散らしに動くも数が数だ、次から次へと逆に圧し潰される。
やがて標的は本体へ移り、ウワサ達は一体の巨大な怪鳥に姿を変え突撃。
黄金騎士と共に悪意を砕かんとした。
複製体の灯花が蹴散らしに動くも数が数だ、次から次へと逆に圧し潰される。
やがて標的は本体へ移り、ウワサ達は一体の巨大な怪鳥に姿を変え突撃。
黄金騎士と共に悪意を砕かんとした。
「鬱陶しい……なぁ……っ!!!」
執拗に死を跳ね除け、自身へ敗北をチラ付かせる。
ねむも、ねむを誑かした剣士達も本当に目障りだ。
勝てるなどという思い上がりごと、消し去るべく出力を高め、
ねむも、ねむを誑かした剣士達も本当に目障りだ。
勝てるなどという思い上がりごと、消し去るべく出力を高め、
『クラックアップハウンド!』
「あぐっ!?こん、の……!」
獲物へ喰らい付く鰐のように、地中から飛び出た顎に挟み込まれた。
剥き出しの右目で睨み付ける先には、パープル色のライダー。
肩で息をし、今にも倒れそうな有様だと言うのに。
プライムローグが拳を振り上げ、灯花を勝利から引き離す。
剥き出しの右目で睨み付ける先には、パープル色のライダー。
肩で息をし、今にも倒れそうな有様だと言うのに。
プライムローグが拳を振り上げ、灯花を勝利から引き離す。
「いい大人が一人だけ寝たままじゃ……ジャガイモの奴に笑われるからな……!」
もとより一度死んだ身、二度目の終わりへ近付こうとも恐怖は無い。
この地のどこかで力尽きた戦友(とも)、一海もきっとそうだったように。
リスクを捨て置き再変身を実行、仲間の力になれるなら魂の一欠片まで焼き尽くしても惜しくなかった。
この地のどこかで力尽きた戦友(とも)、一海もきっとそうだったように。
リスクを捨て置き再変身を実行、仲間の力になれるなら魂の一欠片まで焼き尽くしても惜しくなかった。
「どいつも…こいつも……!邪魔だって言ってるでしょ……!!!!!」
苛立ちが、憎悪が、悪意が奥底から溢れ出す。
自分の道を阻む連中が、心底鬱陶しくて仕方ない。
悪意こそがアークワンの糧であり、土壇場でスパイトネガの出力が急上昇。
暗黒を断つ剣と、闇を掻き消す光を押し返さんと力を籠める。
されど、勝利を譲る気が無いのは鋼牙達も同様。
勝つ、その二文字が決して後退を許さず進み続け、
自分の道を阻む連中が、心底鬱陶しくて仕方ない。
悪意こそがアークワンの糧であり、土壇場でスパイトネガの出力が急上昇。
暗黒を断つ剣と、闇を掻き消す光を押し返さんと力を籠める。
されど、勝利を譲る気が無いのは鋼牙達も同様。
勝つ、その二文字が決して後退を許さず進み続け、
『――――――――――――――――――――っ!!!!!!!!!』
打ち勝たんと激突した両者の力は、やがて限界を迎えた。
弾け飛んだ衝撃が双方に叩き付けられ、視界も光と漆黒で覆い隠される。
自分達が何処まで引き離されて行くかなど、考える余裕もない。
後に残るは、焦土と化した戦場跡地のみだった。
弾け飛んだ衝撃が双方に叩き付けられ、視界も光と漆黒で覆い隠される。
自分達が何処まで引き離されて行くかなど、考える余裕もない。
後に残るは、焦土と化した戦場跡地のみだった。