白銀以外が取り除かれたが如き光景を、ただじっと眺める。
足早に暖を求める者も、はしゃいで走り回る子供の姿だって皆無。
人間どころか虫の一匹だって見当たりやしない、生命が根付かぬ雪に支配された光景。
耳を澄ましても、聞こえてくるのは時折吹く冷たい風の音だけ。
地面を彩る雪が粉のように舞い、ヒュオオオオと鳴る度に。
まるで、孤独を嘆く泣き声みたいだと思わずにはいられなかった。
足早に暖を求める者も、はしゃいで走り回る子供の姿だって皆無。
人間どころか虫の一匹だって見当たりやしない、生命が根付かぬ雪に支配された光景。
耳を澄ましても、聞こえてくるのは時折吹く冷たい風の音だけ。
地面を彩る雪が粉のように舞い、ヒュオオオオと鳴る度に。
まるで、孤独を嘆く泣き声みたいだと思わずにはいられなかった。
視線を頭上へ移し、瞳に映るは己が本体。
大地へ深く深く根を張り、巨人の胴さながらの太い幹が伸び。
四方八方へ捻子くれた枝の先端は、山姥の爪と見紛う鋭利さ。
芽吹く筈の花は一つもなく、枝同士が擦れる音が虚しく響くのみ。
大地へ深く深く根を張り、巨人の胴さながらの太い幹が伸び。
四方八方へ捻子くれた枝の先端は、山姥の爪と見紛う鋭利さ。
芽吹く筈の花は一つもなく、枝同士が擦れる音が虚しく響くのみ。
季節が廻り、芯まで凍える寒風が暖かき春風に変わったとて。
花は決して咲かず、雨風に晒された廃屋同然の佇まいが永劫続く。
花は決して咲かず、雨風に晒された廃屋同然の佇まいが永劫続く。
溢れんばかりの幸福が詰まった病室で出会った、三人の女の子と一人の少女。
4人が揃い、初めて満開の桜を実らせる。
創り上げた噂話は、やがて現実の存在と化し。
なれど再会が実現される事無く、三人の女の子は現世を去った。
4人が揃い、初めて満開の桜を実らせる。
創り上げた噂話は、やがて現実の存在と化し。
なれど再会が実現される事無く、三人の女の子は現世を去った。
自身の創造主たる者達を想えば想う程、目には見えぬ傷が刻まれる感覚を味わう。
争い合う関係になど、なって欲しくなかった。
お互いがお互いを悲しませる真似なんて、望む訳がない。
再会を喜び、もう二度と離れまいと共に未来へ歩む事を願ったのに。
例え自分が花を咲かせられずとも、彼女達の心の傷が僅かでも癒えてくれたら。
それだけで良かったと、思った所で現実を変えられはしない。
争い合う関係になど、なって欲しくなかった。
お互いがお互いを悲しませる真似なんて、望む訳がない。
再会を喜び、もう二度と離れまいと共に未来へ歩む事を願ったのに。
例え自分が花を咲かせられずとも、彼女達の心の傷が僅かでも癒えてくれたら。
それだけで良かったと、思った所で現実を変えられはしない。
不甲斐ない、情けない、悔しい。
皆の元へ駆け着け、直に声を届けられもしない。
遊戯盤の主が気まぐれで造った己では、共に抗う事すら出来やしない。
無力感を噛み締め、腕を擦る力が無意識の内に強まる。
皆の元へ駆け着け、直に声を届けられもしない。
遊戯盤の主が気まぐれで造った己では、共に抗う事すら出来やしない。
無力感を噛み締め、腕を擦る力が無意識の内に強まる。
|……うん、大丈夫。心配してくれてありがとう|
責める矛先が己自身へ向かうのを察してか、背後へ現れる複数の気配。
敵意や悪意は宿さず、純粋に案じる声を魂で感じ取る。
本体たる巨木と結合させられた、もう一本の巨大な木。
そこへ封じられた戦“極”時代の英傑達もまた、大なり小なり歯痒さがあった。
民の為にと良き世界を懸けぶつかり合った戦場と、似ても似つかぬ殺戮遊戯の舞台。
“原典”の戦士達とは違う存在なれど、無益な殺生を好む者は一人も無し。
何も出来ない悔しさを分からぬ者だって皆無だ。
敵意や悪意は宿さず、純粋に案じる声を魂で感じ取る。
本体たる巨木と結合させられた、もう一本の巨大な木。
そこへ封じられた戦“極”時代の英傑達もまた、大なり小なり歯痒さがあった。
民の為にと良き世界を懸けぶつかり合った戦場と、似ても似つかぬ殺戮遊戯の舞台。
“原典”の戦士達とは違う存在なれど、無益な殺生を好む者は一人も無し。
何も出来ない悔しさを分からぬ者だって皆無だ。
|……?どうかした?|
互いを慰め合い、無情にも時間だけが過ぎていくと思われた時。
彼らの一人が会話を求めてると気付き、コテンと首を傾げる。
人間で言えば10代後半だろう外見ながら、仕草は透明無垢な幼子そのもの。
何を言う気なのか不思議がっていると、ややあって意思を伝えられる。
彼らの一人が会話を求めてると気付き、コテンと首を傾げる。
人間で言えば10代後半だろう外見ながら、仕草は透明無垢な幼子そのもの。
何を言う気なのか不思議がっていると、ややあって意思を伝えられる。
|あなたは……それで良いの?|
告げられた内容に暫しの沈黙を挟み、問いを投げ掛ける。
向こうからの提案は悪いものではなく、有難いとも思うけど。
その選択を取って構わないかを、聞かない訳にはいかなかった。
向こうからの提案は悪いものではなく、有難いとも思うけど。
その選択を取って構わないかを、聞かない訳にはいかなかった。
返答は迷いの入り込まない肯定、力強く首を縦に振った。
遠慮も気遣いもない、本心から納得出来る決断。
考え直せだとか、言い縋るのは無粋でしかないと理解せざるを得ない。
遠慮も気遣いもない、本心から納得出来る決断。
考え直せだとか、言い縋るのは無粋でしかないと理解せざるを得ない。
|そう…………|
これで良いと決めたならば、後は自分が何をしたいかだけ。
そっと掌へ視線を落とし、思い浮かべるは唯一己と接触を果たしたプレイヤー。
異形の貌を貼り付けた剣士が、自身との約束を守ったかどうか次第であるも。
そっと掌へ視線を落とし、思い浮かべるは唯一己と接触を果たしたプレイヤー。
異形の貌を貼り付けた剣士が、自身との約束を守ったかどうか次第であるも。
|じゃあ、一緒に行こっか|
悩み続け留まるより、与えられた機会に飛びつくのを選ぶ。
頷き返し、伸ばされた手を掴むと。
打ち込まれた楔が、ほんの少し軋みを上げた。
頷き返し、伸ばされた手を掴むと。
打ち込まれた楔が、ほんの少し軋みを上げた。
◆◆◆
ガラス窓一枚隔てた向こう側で、景色は瞬き一つを終える度に変化を見せる。
軍馬に跨り駆けるのとも、地を踏みしめ歩くのとも全く違う。
大正の世にて、庶民階級の者では決して手の届かぬ代物。
選ばれし富裕層の、俗な言い方をすれば金持ちだけが乗り回せる移動用の足。
自動車の後部座席で揺られる黒死牟に、文明の利器への感動も喜びも無く。
襲撃の可能性を常に頭へ入れ、日が徐々に沈みつつある外を視界に収め続けた。
軍馬に跨り駆けるのとも、地を踏みしめ歩くのとも全く違う。
大正の世にて、庶民階級の者では決して手の届かぬ代物。
選ばれし富裕層の、俗な言い方をすれば金持ちだけが乗り回せる移動用の足。
自動車の後部座席で揺られる黒死牟に、文明の利器への感動も喜びも無く。
襲撃の可能性を常に頭へ入れ、日が徐々に沈みつつある外を視界に収め続けた。
汚さの権化も同然な男との戦闘を終え、目指す先は蛇王院空也率いる一団の集合場所。
聖都大学附属病院で分断を余儀なくされ、行方知れずとなった遊星と結芽。
一同にとっては初対面となる、海馬と明石。
デスゲームが激化の一途を辿り、星狩りや美しき肉食獣といった強敵が複数健在な中で。
仲間達と合流を果たし、改めて今後の対策を立てる。
反対意見は飛ばず、アクセルを吹かし目的地へ向けクラシックカーを走らせていた。
聖都大学附属病院で分断を余儀なくされ、行方知れずとなった遊星と結芽。
一同にとっては初対面となる、海馬と明石。
デスゲームが激化の一途を辿り、星狩りや美しき肉食獣といった強敵が複数健在な中で。
仲間達と合流を果たし、改めて今後の対策を立てる。
反対意見は飛ばず、アクセルを吹かし目的地へ向けクラシックカーを走らせていた。
とはいうものの、アクシデントも無く真っ直ぐに到着とはいかないらしい。
移動中、真っ先に異変に気付いたのは万丈だった。
敵襲だとか、こちらとの接触を望む者が現れたといった類ではない。
助手席に座る少女が、いやに落ち着かずソワソワしている。
敵襲だとか、こちらとの接触を望む者が現れたといった類ではない。
助手席に座る少女が、いやに落ち着かずソワソワしている。
「なぁイリヤ」
「っ!な、なに?」
「っ!な、なに?」
先の戦闘での負傷が後を引き、痛みに身を苛まれてるのか。
いいや違う、これは恐らく――
いいや違う、これは恐らく――
「お前ひょっとして、トイレ我慢してんのか?」
「――――――」
「――――――」
直球だった。
頭にドが付くレベルのストレートな問い掛けに、イリヤは暫し硬直。
何なら車内の空気が凍り付き、時間が止まったような気さえした。
間違ってもどこぞのスタンド使いの仕業でなければ、ゲームマスターの介入があった訳でもない。
にもかかわらず石像同然に動きは完全停止、ピシッという擬音が聞こえた気さえする程だ。
痛々しい程の沈黙が数秒続き、我に返った時イリヤの顔はゆでだこのように赤一色。
一体全体、この筋肉馬鹿は何を抜かしやがるのだろうか。
頭にドが付くレベルのストレートな問い掛けに、イリヤは暫し硬直。
何なら車内の空気が凍り付き、時間が止まったような気さえした。
間違ってもどこぞのスタンド使いの仕業でなければ、ゲームマスターの介入があった訳でもない。
にもかかわらず石像同然に動きは完全停止、ピシッという擬音が聞こえた気さえする程だ。
痛々しい程の沈黙が数秒続き、我に返った時イリヤの顔はゆでだこのように赤一色。
一体全体、この筋肉馬鹿は何を抜かしやがるのだろうか。
「~~~~~~~~っ!!!??!!馬鹿!龍我さんの馬鹿!なんでそういうこと言っちゃうかなぁ!?」
「痛っ、ちょ、叩くなって!んなこと言ったってお前もじもじしてっからよ、漏らしでもしたら……」
「だからって!そこまでハッキリ言わないでよー!」
「痛っ、ちょ、叩くなって!んなこと言ったってお前もじもじしてっからよ、漏らしでもしたら……」
「だからって!そこまでハッキリ言わないでよー!」
羞恥の余り、両手でポカポカと叩き猛抗議。
間違った内容を言われてはいない、むしろ大正解と言って良い。
つい先程の戦闘の影響で喉の渇きがあり、支給品の水を喉奥へ流し込んだのだが。
少しばかり飲み過ぎてしまったらしく、尿意を催したのは否定出来ない。
だとしても、もう少し気を遣った物言いがあるだろうに。
百歩譲って同性だけの場ならともかく、万丈含め異性が二人もいるのにそれはあんまりだ。
小学生とはいえ、そこまで無頓着ではないのだから。
間違った内容を言われてはいない、むしろ大正解と言って良い。
つい先程の戦闘の影響で喉の渇きがあり、支給品の水を喉奥へ流し込んだのだが。
少しばかり飲み過ぎてしまったらしく、尿意を催したのは否定出来ない。
だとしても、もう少し気を遣った物言いがあるだろうに。
百歩譲って同性だけの場ならともかく、万丈含め異性が二人もいるのにそれはあんまりだ。
小学生とはいえ、そこまで無頓着ではないのだから。
『いやいや、流石に今のは龍我さんが悪いですって。ノンデリ扱いされても文句言えませんよ?チャック開いてますし』
「っ!?もう!もう!!本っ当に最低!変態!馬鹿!」
「わざとじゃねえって!つーかもっと早く言えよ……!」
「あ、あの!ハンドルから両手を離すと車が……!」
「っ!?もう!もう!!本っ当に最低!変態!馬鹿!」
「わざとじゃねえって!つーかもっと早く言えよ……!」
「あ、あの!ハンドルから両手を離すと車が……!」
狭い空間が一瞬で、てんやわんやの大騒ぎ。
慌ててチャックを閉めようとすれば、ハンドルを手放したせいで車はあらぬ方向へ。
何をやってるのかと、呆れを宿す六眼が後部座席から向けられたのは言うまでもなかった。
慌ててチャックを閉めようとすれば、ハンドルを手放したせいで車はあらぬ方向へ。
何をやってるのかと、呆れを宿す六眼が後部座席から向けられたのは言うまでもなかった。
殺し合いには不釣り合いな空気が流れる中、クラシックカーは一旦進路を変更。
到着まで我慢を強いるのは流石に酷、かといってそこいらの草むらで済ませろとも言えない。
草原を抜け再び雪原地帯に入り、偶然見付けたのは公園。
住宅街に作られた幼子の遊び場、とは言えない広々とした空間。
大型遊具を複数設置し、奥深くまで続く道の横へ植えた木々はアーチのよう。
休日の家族サービスで我が子を連れ出せば、日が暮れるまで遊んで過ごせるだろう。
そこかしこに雪が積もり、クジラを模した遊具も白い化粧を施されてるが。
不思議と、却って絵になっていた。
到着まで我慢を強いるのは流石に酷、かといってそこいらの草むらで済ませろとも言えない。
草原を抜け再び雪原地帯に入り、偶然見付けたのは公園。
住宅街に作られた幼子の遊び場、とは言えない広々とした空間。
大型遊具を複数設置し、奥深くまで続く道の横へ植えた木々はアーチのよう。
休日の家族サービスで我が子を連れ出せば、日が暮れるまで遊んで過ごせるだろう。
そこかしこに雪が積もり、クジラを模した遊具も白い化粧を施されてるが。
不思議と、却って絵になっていた。
クラシックカーを停車するも、勿論遊具で遊ぶ為なんかじゃあない。
イリヤと、ついでに万丈も折角だからと用を足しに園内奥の建造物へ直行。
後者はともかく前者は早足になっており、我慢の限界だったのか。
イリヤと、ついでに万丈も折角だからと用を足しに園内奥の建造物へ直行。
後者はともかく前者は早足になっており、我慢の限界だったのか。
『乙女の尊厳を守る為に、今こそ秘められた俊足を発動する時ですよ!』
「そこうるさい!」
「そこうるさい!」
茶化す相棒へ噛み付くのもそこそこに駆け、魔法少女と鬼がその場に残された。
戻ってくるまで見張りも兼ねて待機。
噴水前のベンチにいろはが腰掛ける横で、黒死牟は幽鬼さながらに佇む。
共に饒舌な性質とは言い難く、必然的に沈黙が流れるも。
居心地の悪さは感じず、互いの息遣いが鼓膜を擽る。
戻ってくるまで見張りも兼ねて待機。
噴水前のベンチにいろはが腰掛ける横で、黒死牟は幽鬼さながらに佇む。
共に饒舌な性質とは言い難く、必然的に沈黙が流れるも。
居心地の悪さは感じず、互いの息遣いが鼓膜を擽る。
青々とした草花が一面に広まるだろう広場は、分厚い雪が積もって見えない。
自分達以外に訪れた者は皆無らしく、足跡の類は皆無。
地面へ覆い被さる白へ、紅い夕日が降り注ぐ。
遠い昔、同じようなものを見た気がする。
自然が作り出す光景を六眼が映す中、毒にも薬にもならぬ些末な事をふと思う。
自分達以外に訪れた者は皆無らしく、足跡の類は皆無。
地面へ覆い被さる白へ、紅い夕日が降り注ぐ。
遠い昔、同じようなものを見た気がする。
自然が作り出す光景を六眼が映す中、毒にも薬にもならぬ些末な事をふと思う。
母の膝丈にも届かぬ幼き頃か、妻と子を連れ添い歩いた継国の家でか。
縁壱の強さを得る為に、鬼狩りへ明け暮れた日々の一片か。
確信を持って、何百年前の何時だと思い出せてはいない。
そういった過去が本当にあったとて、傍らにいたのが誰かも定かでなく。
記憶を何処まで遡っても、関わりを持った者達の顔はのっぺらぼうと変わり無し。
縁壱の強さを得る為に、鬼狩りへ明け暮れた日々の一片か。
確信を持って、何百年前の何時だと思い出せてはいない。
そういった過去が本当にあったとて、傍らにいたのが誰かも定かでなく。
記憶を何処まで遡っても、関わりを持った者達の顔はのっぺらぼうと変わり無し。
腹を痛めて我が子を産んだ母も、厳格ながら家を守って来た父も。
夫と共に人生を歩まんとした妻も、継国の名を背負う息子も。
この瞬間に眼前へ現れた所で、一体全体どこの誰だと己は訝しむに違いない。
お前の家族と告げられようとも、精々がこんな顔をしていたのかと恥知らずに零す程度。
夫と共に人生を歩まんとした妻も、継国の名を背負う息子も。
この瞬間に眼前へ現れた所で、一体全体どこの誰だと己は訝しむに違いない。
お前の家族と告げられようとも、精々がこんな顔をしていたのかと恥知らずに零す程度。
捨て去った過去でただ一人、鮮烈に記憶へ焼き付くのは今も昔も変わらない。
決して忘れられぬ、忘れる事など断じて出来ぬ血を分けた双子の弟。
絶えず我が身を焼き焦がす日輪だけが、幾年の時が経とうと継国巌勝/黒死牟を突き動かす原動力。
伸ばした手が燃え盛り、全身を火達磨にされて尚も背を追い掛けるのを止められない。
継国縁壱という男は真実そのまま、黒死牟の生へ直結していた。
決して忘れられぬ、忘れる事など断じて出来ぬ血を分けた双子の弟。
絶えず我が身を焼き焦がす日輪だけが、幾年の時が経とうと継国巌勝/黒死牟を突き動かす原動力。
伸ばした手が燃え盛り、全身を火達磨にされて尚も背を追い掛けるのを止められない。
継国縁壱という男は真実そのまま、黒死牟の生へ直結していた。
洗礼を施した始祖や、数百年顔ぶれの変わらぬ同胞。
生前最後の闘争を飾った三人の柱と、一人の鬼喰い。
そして、異界の屠り合いで出会った者達。
記憶する“だけ”なら、少なくない数であるも。
魂を消えぬ火炎で燃やし尽くす程の存在は、縁壱以外にあり得ない。
生前最後の闘争を飾った三人の柱と、一人の鬼喰い。
そして、異界の屠り合いで出会った者達。
記憶する“だけ”なら、少なくない数であるも。
魂を消えぬ火炎で燃やし尽くす程の存在は、縁壱以外にあり得ない。
「…………」
そう断言出来ない理由には黒死牟自身、腹立たしくも気付いている。
音もなく顔を動かし、視線は雪の白から桜色の少女へ。
雪の積もった遊具をぼうっと見つめるその顔は、会ってまだ一日すら経っていないのに。
一時傍を離れた時でさえ、不思議と彼女からは意識を外し切れない。
音もなく顔を動かし、視線は雪の白から桜色の少女へ。
雪の積もった遊具をぼうっと見つめるその顔は、会ってまだ一日すら経っていないのに。
一時傍を離れた時でさえ、不思議と彼女からは意識を外し切れない。
縁壱のような、灰も残らぬ灼熱ではない。
嫉妬と憎悪を煽り、強さへの執着に駆り立てるなど以ての外。
嫉妬と憎悪を煽り、強さへの執着に駆り立てるなど以ての外。
ただ、気付けばそれが自然であるかのように隣へ並び。
振り回される抜き身の刃をするりと抜け、恐れる必要は無いとばかりに指を絡める。
焼き滅ぼす熱さはそこになく、春の訪れを思わせる暖かさがあるだけ。
人間であれば身を委ねる温もりも、鬼には不要だ。
何処までも煩わしく、苛立ちを募らせる他ない。
寄り添って欲しいと頼んだ覚えはない、孤独を埋める手助けを求める筈がないだろう。
振り回される抜き身の刃をするりと抜け、恐れる必要は無いとばかりに指を絡める。
焼き滅ぼす熱さはそこになく、春の訪れを思わせる暖かさがあるだけ。
人間であれば身を委ねる温もりも、鬼には不要だ。
何処までも煩わしく、苛立ちを募らせる他ない。
寄り添って欲しいと頼んだ覚えはない、孤独を埋める手助けを求める筈がないだろう。
だというのに、自分は結局今に至るまで。
目障りだと振り払うでもなく、傍に置き続けて来た。
遥か頭上で燦々と熱を浴びせる日輪とは別に、桜色の光が常に視界の端で灯るのを。
心底不可解に感じ、なれど拒絶せぬまま生きる事を選んだ。
何故と、問うたところで答えに辿り着けぬのは今更言うまでもない。
目障りだと振り払うでもなく、傍に置き続けて来た。
遥か頭上で燦々と熱を浴びせる日輪とは別に、桜色の光が常に視界の端で灯るのを。
心底不可解に感じ、なれど拒絶せぬまま生きる事を選んだ。
何故と、問うたところで答えに辿り着けぬのは今更言うまでもない。
「あの、どうかしましたか?」
園内を見渡していたのがいつの間にやら、鬼を見上げ視線を合わせている。
すぐ隣でじっと見られていれば、流石に気付き当然だ。
何か話があるのだろうかと尋ねるも、返答らしい返答はなく。
沈黙と共に視線を寄越される。
黒死牟が寡黙な男だといろはも分かってるが、何の反応もないのは困ってしまう。
もしや自分で気付かぬ内に、怒らせる真似をしたのだろうかと。
眉を八の字に下げ、不安が表情に表れた。
すぐ隣でじっと見られていれば、流石に気付き当然だ。
何か話があるのだろうかと尋ねるも、返答らしい返答はなく。
沈黙と共に視線を寄越される。
黒死牟が寡黙な男だといろはも分かってるが、何の反応もないのは困ってしまう。
もしや自分で気付かぬ内に、怒らせる真似をしたのだろうかと。
眉を八の字に下げ、不安が表情に表れた。
「……」
この娘が感情を面に出すのを見るのは、今が最初に非ず。
時には頬を濡らし、時には眉を吊り上げ、時には飾らない本心の笑みを浮かべる。
ころころと変える表情を、見慣れたと感じるくらいには。
屠り合いで最も時間を共有した間柄故に、疑問が口を突いて出た。
時には頬を濡らし、時には眉を吊り上げ、時には飾らない本心の笑みを浮かべる。
ころころと変える表情を、見慣れたと感じるくらいには。
屠り合いで最も時間を共有した間柄故に、疑問が口を突いて出た。
「お前は……私から離れなかった選択を……悔やむ気ないのか……」
「えっ……?」
「私と共に来なければ……喪わずに済んだやもしれぬと……分からぬ程の……愚鈍ではなかろう……」
「えっ……?」
「私と共に来なければ……喪わずに済んだやもしれぬと……分からぬ程の……愚鈍ではなかろう……」
黒死牟との同行を選ばず、会場中を駆け回ってでも仲間の捜索に時を費やせば。
フェリシアやみふゆ、まどかの死を変えられたかもしれない。
もっと早くにやちよを見付け、今も彼女と共にいられた可能性は否定出来ない。
灯花が本格的に道を誤る前に引き戻して、ねむとだってとっくに再会が叶っていたとしたら。
魔法少女の仲間ではない、己と共に来た選択を悔やまなかったのか。
フェリシアやみふゆ、まどかの死を変えられたかもしれない。
もっと早くにやちよを見付け、今も彼女と共にいられた可能性は否定出来ない。
灯花が本格的に道を誤る前に引き戻して、ねむとだってとっくに再会が叶っていたとしたら。
魔法少女の仲間ではない、己と共に来た選択を悔やまなかったのか。
「……やちよさん達に生きて欲しかったって、今も思ってるのは嘘じゃないです」
戦う事を投げ出す気はない、喪失感に永劫打ちのめされたりもしない。
けれど、仲間の死がいろはに傷を遺したのもまた事実。
喪った経験は、助けられなかった苦痛はこれが初じゃあなくとも。
何度味わったって耐え難い痛みは同じだ、慣れたいと思える感覚とは決して違う。
けれど、仲間の死がいろはに傷を遺したのもまた事実。
喪った経験は、助けられなかった苦痛はこれが初じゃあなくとも。
何度味わったって耐え難い痛みは同じだ、慣れたいと思える感覚とは決して違う。
「だけど、黒死牟さんの力になりたいって思ったことも。あなたと一緒にいたことも全部、後悔なんてしてませんよ?」
「……」
「もしもあなたを助けたいって動かなかったら……きっとその方が、後悔してたと思います」
「……」
「もしもあなたを助けたいって動かなかったら……きっとその方が、後悔してたと思います」
生きて欲しかった者達を取り零し、悔やんだことは少なくない。
伸ばした手をすり抜け、届かぬ彼方へと去った彼女達を想い返す度に。
無力感への苦さを嚙み締める日々が、喪うだけ喪った自身が戻って来た日常だった。
伸ばした手をすり抜け、届かぬ彼方へと去った彼女達を想い返す度に。
無力感への苦さを嚙み締める日々が、喪うだけ喪った自身が戻って来た日常だった。
それでも、助けたいと思ったこと自体は間違いじゃない筈。
じっと待っているだけじゃない、助けようと動き出した選択は悔やんでいない。
弟を神の傀儡に変えられ、出口のない暗闇に取り残された迷子のような彼を見たから。
人に仇為す悪鬼ではない、癒す方法の分からない痛みを抱える兄の顔を間近で見たから。
彼をこのまま放って置けなくて、自分の心に従い支えたいと決めた。
じっと待っているだけじゃない、助けようと動き出した選択は悔やんでいない。
弟を神の傀儡に変えられ、出口のない暗闇に取り残された迷子のような彼を見たから。
人に仇為す悪鬼ではない、癒す方法の分からない痛みを抱える兄の顔を間近で見たから。
彼をこのまま放って置けなくて、自分の心に従い支えたいと決めた。
「それに黒死牟さんと一緒にいなかったら、縁壱さんのことだってちゃんと知らないままだったかもしれません」
全ての参加者にとっての敵である、運営が敵キャラクターと豪語する侍。
伝えられた情報だけが全てじゃないと、知る事が出来たのは。
継国縁壱が刃を振るう度に、掻き毟られる激痛に苛まれる兄を。
日輪の本当の顔を知る鬼の、一番近くにいたからに他ならない。
伝えられた情報だけが全てじゃないと、知る事が出来たのは。
継国縁壱が刃を振るう度に、掻き毟られる激痛に苛まれる兄を。
日輪の本当の顔を知る鬼の、一番近くにいたからに他ならない。
すっと立ち上がり、彼へ距離を詰める。
頭数個分も身長差があり、必然的に見上げる体勢へ。
人間達を慄かせる凶眼に射抜かれても、恐れを宿しはしない。
おっかなびっくりとは異なる、ごく当たり前のように手を伸ばした先で。
刀を握るごつごつと硬い鬼の手を包み込み、自分の目で見て来た彼の姿を思い出す。
頭数個分も身長差があり、必然的に見上げる体勢へ。
人間達を慄かせる凶眼に射抜かれても、恐れを宿しはしない。
おっかなびっくりとは異なる、ごく当たり前のように手を伸ばした先で。
刀を握るごつごつと硬い鬼の手を包み込み、自分の目で見て来た彼の姿を思い出す。
良好な仲とは口が裂けても言えない弟へ、忌々し気に悪感情を零して。
未だ燻る日輪への鬱屈した想いを言葉にし、自分自身へ見えぬ刀を突き刺すかの瞬間を。
黒死牟にとっては触れられたくない、最奥に閉じ込め幾重にも鍵をかけた想い。
最も柔らかく脆い部分を晒すのが、どれ程の苦痛を伴うかは。
孤独を押し隠した、不器用で寂しがり屋の魔法少女を知るだけに。
分からない筈が無いから。
未だ燻る日輪への鬱屈した想いを言葉にし、自分自身へ見えぬ刀を突き刺すかの瞬間を。
黒死牟にとっては触れられたくない、最奥に閉じ込め幾重にも鍵をかけた想い。
最も柔らかく脆い部分を晒すのが、どれ程の苦痛を伴うかは。
孤独を押し隠した、不器用で寂しがり屋の魔法少女を知るだけに。
分からない筈が無いから。
「ありがとうございます。あなたにとって一番大事なことを、教えてくれて」
「…………」
「…………」
柔らかく微笑み、礼を告げるいろはを前に。
黒死牟は呻き声すら忘れた有様で、沈黙を貫く以外に出来ない。
それを知り何の意味がある、到底頭を下げるに足る理由ではないだろうに。
憎たらしい弟への嫌悪を口にしたからといって、だからどうだというのか。
黒死牟は呻き声すら忘れた有様で、沈黙を貫く以外に出来ない。
それを知り何の意味がある、到底頭を下げるに足る理由ではないだろうに。
憎たらしい弟への嫌悪を口にしたからといって、だからどうだというのか。
思い付くまま吐き捨てれば良いものを、喉奥を通る前に言葉は消え失せる。
断じて明かす気の無かった、胸中に根を張る縁壱への憎悪を。
継国巌勝が、黒死牟という鬼に成り果てるに至った起源(オリジン)の一端を。
唯一、環いろはに明かしたのは紛れもない事実であるが故。
己自身への理解は、余計に混迷を極める。
断じて明かす気の無かった、胸中に根を張る縁壱への憎悪を。
継国巌勝が、黒死牟という鬼に成り果てるに至った起源(オリジン)の一端を。
唯一、環いろはに明かしたのは紛れもない事実であるが故。
己自身への理解は、余計に混迷を極める。
あえて付け加えるなら、悔いは無いと言い切った事に然したる動揺は抱かず。
何と答えが返って来るかが、予め分かっていたような納得があった。
理解出来ぬ、何故そう思えるのか疑問が尽きぬ一方で。
いろはの在り方をごく自然に受け止めるかの己が、絶対にいないと言い切れないこともまた。
余計に黒死牟を混迷へと誘う。
何と答えが返って来るかが、予め分かっていたような納得があった。
理解出来ぬ、何故そう思えるのか疑問が尽きぬ一方で。
いろはの在り方をごく自然に受け止めるかの己が、絶対にいないと言い切れないこともまた。
余計に黒死牟を混迷へと誘う。
「本当はわたしの方が黒死牟さんに助けてもらってばっかり、ですけど……」
軍服の男に殺され掛かった場面を、助けられて以来。
黒死牟のおかげで命を繋げられた場面は、一つや二つじゃない。
偉そうなことを言っておきながら、逆に自分の方が彼の世話になっている。
もっとしっかりしなきゃと思い、困ったような笑みを浮かべた。
黒死牟のおかげで命を繋げられた場面は、一つや二つじゃない。
偉そうなことを言っておきながら、逆に自分の方が彼の世話になっている。
もっとしっかりしなきゃと思い、困ったような笑みを浮かべた。
「…………」
見慣れた表情を作るいろはへ、細めた瞳が呆れを伝える。
言いようのない煩わしさを抱かせ、時折強気で頑固な態度を露わにし。
かと思えば、控え目で遠慮しいの顔も見せると来た。
そのどれもが偽らない、彼女の素顔だと分かる程度には。
一日に満たずとも浅くない時間を過ごしたと言う他なく、眉間に皺が寄り、
言いようのない煩わしさを抱かせ、時折強気で頑固な態度を露わにし。
かと思えば、控え目で遠慮しいの顔も見せると来た。
そのどれもが偽らない、彼女の素顔だと分かる程度には。
一日に満たずとも浅くない時間を過ごしたと言う他なく、眉間に皺が寄り、
「…………お前が枷にしかならぬならば……とうに見限っている……」
称賛でも慰めでもない、単に己が眼で捉え受け入れたに過ぎぬことを零す。
ボソリと、感情らしい感情を籠らせず。
誰ぞ彼ぞに向けたとは到底思えない、風が吹けば呆気なく掻き消される声量の。
小さく淡々とした呟きを、目の前の鬼が発したと。
分かったが為に、いろはの瞳が驚きで揺れ動く。
ボソリと、感情らしい感情を籠らせず。
誰ぞ彼ぞに向けたとは到底思えない、風が吹けば呆気なく掻き消される声量の。
小さく淡々とした呟きを、目の前の鬼が発したと。
分かったが為に、いろはの瞳が驚きで揺れ動く。
「あ……」
足手纏いと判断したら、捨て置く事に躊躇はなかった。
それをしなかったということは、連れ歩く価値無しと突き放さなかったのは。
一緒に戦っても構わないと、共に闘争へ臨んでも良いと。
脆くはあっても弱者に非ずと、そんな風に思うくらいには自分を認めてくれている。
それをしなかったということは、連れ歩く価値無しと突き放さなかったのは。
一緒に戦っても構わないと、共に闘争へ臨んでも良いと。
脆くはあっても弱者に非ずと、そんな風に思うくらいには自分を認めてくれている。
「ご、ごめんなさい!ちょっとビックリしちゃって……」
やけに遠回しで、愛想なんて欠片もない。
なれどいろはにとっては、黒死牟にそう言われただけで大きな意味がある。
なれどいろはにとっては、黒死牟にそう言われただけで大きな意味がある。
「嬉しい、です。とっても……」
返答までに時間は掛かったが、彼の言葉はしっかりと伝わった。
羞恥とは異なる理由で頬が薄っすらと染まり、相も変わらず向こうは口を噤むも。
両者の間に流れる言葉無き時間すら、黒死牟に言われた事を噛み締める喜びに変わる。
羞恥とは異なる理由で頬が薄っすらと染まり、相も変わらず向こうは口を噤むも。
両者の間に流れる言葉無き時間すら、黒死牟に言われた事を噛み締める喜びに変わる。
「…………」
花開くようにはにかむいろはを、威圧感の隠せない仏頂面で見下ろす。
剥き出しの憎悪をぶつけ、悪鬼滅殺の刃を首へ奔らせる鬼狩りとは余りにも違う。
負の念以外の、純粋な歓喜を鬼に抱く娘への。
例えようのない、ざわめく感覚の正体にまるで理解が及ばずに。
寒風で冷えた互いの掌が、触れ合い温もりを取り戻すのすら意識を割けず。
身動ぎせず、六眼は桜色の魔法少女を映し続け、
剥き出しの憎悪をぶつけ、悪鬼滅殺の刃を首へ奔らせる鬼狩りとは余りにも違う。
負の念以外の、純粋な歓喜を鬼に抱く娘への。
例えようのない、ざわめく感覚の正体にまるで理解が及ばずに。
寒風で冷えた互いの掌が、触れ合い温もりを取り戻すのすら意識を割けず。
身動ぎせず、六眼は桜色の魔法少女を映し続け、
「……っ」
自分達以外の気配を察知し、体は即座の反応で振り向く。
別行動中の二人が戻って来たんじゃあない、万丈達とは明らかに違うナニカがそこにいた。
別行動中の二人が戻って来たんじゃあない、万丈達とは明らかに違うナニカがそこにいた。
「コウモリ……?」
いろはが思わず呟くのも、無理はないだろう。
身を守る為にも、或いは拘束具にも見える鎧を纏い。
黄色く輝く瞳部分は、正しく蝙蝠の翼を模した形状。
仮面で素顔を隠す戦士が何なのか、仲間の一人が変身するのもあり予想は付く。
疑問となるのは何の目的があり、こちらへの接触を図ったかだが。
身を守る為にも、或いは拘束具にも見える鎧を纏い。
黄色く輝く瞳部分は、正しく蝙蝠の翼を模した形状。
仮面で素顔を隠す戦士が何なのか、仲間の一人が変身するのもあり予想は付く。
疑問となるのは何の目的があり、こちらへの接触を図ったかだが。
「貴様は……」
敵意も無ければ悪意もなく、仕掛ける様子も見られない。
正体不明の戦士を訝しく思うも束の間、合点がいき警戒も解ける。
魔皇力の精密操作の影響で可能となった、魔力感知を用いれば疑問も瞬く間に氷解。
戦士が宿す力には、黒死牟も覚えがある。
正体不明の戦士を訝しく思うも束の間、合点がいき警戒も解ける。
魔皇力の精密操作の影響で可能となった、魔力感知を用いれば疑問も瞬く間に氷解。
戦士が宿す力には、黒死牟も覚えがある。
「あの娘が寄越した……使いの者か……」
沈黙を返答代わりにし、近付く者の姿を知るのは。
ファンガイアの若き王と絆を結んだ、世界の破壊者と閃刀姫のみ。
仮面ライダーキバと瓜二つながら、紅渡がキバの鎧を纏った戦士とは明確に異なる。
名を武神キバと言い、戦極時代で鎬を削った武神ライダーの一人。
此度は天下統一を懸けての参戦に非ず、あくまでデスゲームを彩る無数のサブイベントに過ぎない。
ファンガイアの若き王と絆を結んだ、世界の破壊者と閃刀姫のみ。
仮面ライダーキバと瓜二つながら、紅渡がキバの鎧を纏った戦士とは明確に異なる。
名を武神キバと言い、戦極時代で鎬を削った武神ライダーの一人。
此度は天下統一を懸けての参戦に非ず、あくまでデスゲームを彩る無数のサブイベントに過ぎない。
本来であれば武神ライダーもまた、自分達を封じたご神木から離れられないよう設定されたが。
数時間前、キャスター・リンボが全知全能の書のアクセスに成功した際。
会場へ生じた綻びの影響で、武神ライダー達を封じたご神木にも一部歪みが発生。
B-2エリアを黒死牟が訪れ少し経った後、ようやく一人分が封印を脱せる程度に穴が出来た。
数時間前、キャスター・リンボが全知全能の書のアクセスに成功した際。
会場へ生じた綻びの影響で、武神ライダー達を封じたご神木にも一部歪みが発生。
B-2エリアを黒死牟が訪れ少し経った後、ようやく一人分が封印を脱せる程度に穴が出来た。
そこからは、特別複雑な事も行っていない。
記憶を読み取る為に触れた際、ウワサの端末たる少女へ僅かに付与された魔族の力。
黒死牟が扱う魔皇力を、少女自身の魔力の欠片と共に武神キバへ譲渡。
原典のキングオブバンパイアがそうであるのと同じく、高度な追跡機能がキバの鎧には備わっている。
まして馴染み深い魔皇力とあれば、これ以上の適任もいないだろう。
記憶を読み取る為に触れた際、ウワサの端末たる少女へ僅かに付与された魔族の力。
黒死牟が扱う魔皇力を、少女自身の魔力の欠片と共に武神キバへ譲渡。
原典のキングオブバンパイアがそうであるのと同じく、高度な追跡機能がキバの鎧には備わっている。
まして馴染み深い魔皇力とあれば、これ以上の適任もいないだろう。
とはいえ、B-2エリアから然程離れていない場所に黒死牟達がいたこと。
道中で敵対的な参加者との遭遇を免れた等々、運に助けられた部分も大きいが。
道中で敵対的な参加者との遭遇を免れた等々、運に助けられた部分も大きいが。
求めた者達を無事に見付け、後は目的を果たすだけ。
数歩分にまで距離が縮まった時、武神キバの体は解け光に変化。
自身の意思とは無関係に吸い込まれ、身構える黒死牟の横で。
蛍のように小さな灯火が、いろはの指先に溶けて消えた。
数歩分にまで距離が縮まった時、武神キバの体は解け光に変化。
自身の意思とは無関係に吸い込まれ、身構える黒死牟の横で。
蛍のように小さな灯火が、いろはの指先に溶けて消えた。
「そっか、あなたなんだね……」
ドッペルの暴走で箱庭に閉じ込められた時、やちよと黒江が助けてくれた。
その際、再会を見守った“彼女”の存在も覚えている。
願いを籠めた物語(ウワサ)の下で、4人が揃う機会は訪れず。
満開の花を咲かせることも、最後まで無かった。
その際、再会を見守った“彼女”の存在も覚えている。
願いを籠めた物語(ウワサ)の下で、4人が揃う機会は訪れず。
満開の花を咲かせることも、最後まで無かった。
直接会いに来てはいない、声だって届いてない。
だけど今、春風の温もりにも似た想いを伝えられ。
小難しい理屈なんかじゃなく、“彼女”が自分の背をそっと押してくれたと。
「頑張って」と言ってくれたと、抱いた確信は偽りじゃない。
だけど今、春風の温もりにも似た想いを伝えられ。
小難しい理屈なんかじゃなく、“彼女”が自分の背をそっと押してくれたと。
「頑張って」と言ってくれたと、抱いた確信は偽りじゃない。
「…………」
開いた掌を見やったまま、黒死牟も自身の変化を感じ取った。
魔皇剣を生命の核に突き刺し得た力を、幾度となく活用して来たが。
武神キバと魔皇力の相性も言うに及ばず、少しずつ溶け合い馴染みつつある。
何を思ってこのような真似に出たか、答えを返せる者はいない。
己の力が増せばその分、結果的にいろはの危険を退けるのに繋がると。
あの少女が、判断を下した故か。
或いは屠り合いに積極的な輩に利用される可能性を危惧し、自分ならばまだマシとでも思ったか。
魔皇剣を生命の核に突き刺し得た力を、幾度となく活用して来たが。
武神キバと魔皇力の相性も言うに及ばず、少しずつ溶け合い馴染みつつある。
何を思ってこのような真似に出たか、答えを返せる者はいない。
己の力が増せばその分、結果的にいろはの危険を退けるのに繋がると。
あの少女が、判断を下した故か。
或いは屠り合いに積極的な輩に利用される可能性を危惧し、自分ならばまだマシとでも思ったか。
どちらにせよ、力の獲得に繋がった事に変わり無し。
不要と突っ撥ねるより、精々活用する方が賢いと分からぬ筈がない。
不要と突っ撥ねるより、精々活用する方が賢いと分からぬ筈がない。
ああしかし、何故だろうか。
弟へ追い付かんと修練を重ね、呼吸法を我が物へ変えた時とは違う。
全ての悲劇の元凶たる始祖へ魂を売り渡し、裏切りの見返りで短き人の生から脱却した時とは違う。
過去数百年で三桁を超える鬼狩りを手に掛け、血肉を喰らい糧にして来たのとは違う。
「あなたならば構わない」と、納得を経た上で譲渡されたことに。
宿業を植え付けたに等しい魂の悪鬼が、善なる者より託されたことに。
強さと勝利への執着に身を費やした男とは思えぬ、妙な居心地の悪さを覚えるのは。
全ての悲劇の元凶たる始祖へ魂を売り渡し、裏切りの見返りで短き人の生から脱却した時とは違う。
過去数百年で三桁を超える鬼狩りを手に掛け、血肉を喰らい糧にして来たのとは違う。
「あなたならば構わない」と、納得を経た上で譲渡されたことに。
宿業を植え付けたに等しい魂の悪鬼が、善なる者より託されたことに。
強さと勝利への執着に身を費やした男とは思えぬ、妙な居心地の悪さを覚えるのは。
ここにはおらず、されど存在を感じずにはいられない。
ウワサの少女へ心を馳せる魔法少女と鬼を、仄かに漂う桜の香りが包んでいた。
ウワサの少女へ心を馳せる魔法少女と鬼を、仄かに漂う桜の香りが包んでいた。
○
「だークソッ!いつまで追って来るんだよ……!」
『よもやお花を摘みに行くだけでも、ピンチに見舞われるとは……タイミングがズレてたら、乙女の尊厳も割れる!喰われる!砕け散る!って感じでしたねー』
「ああもう!一々ツッコむのも面倒になって来たなぁ!」
『よもやお花を摘みに行くだけでも、ピンチに見舞われるとは……タイミングがズレてたら、乙女の尊厳も割れる!喰われる!砕け散る!って感じでしたねー』
「ああもう!一々ツッコむのも面倒になって来たなぁ!」
喧々諤々、賑やかながらも足は止めずひたすらに駆ける。
舗装された通路を外れ、木々に囲まれた場へ飛び込み早数分。
雪道を走る万丈達の後ろには、牙を打ち鳴らす獣の群れがあった。
舗装された通路を外れ、木々に囲まれた場へ飛び込み早数分。
雪道を走る万丈達の後ろには、牙を打ち鳴らす獣の群れがあった。
用を足し、いろは達の元へ戻ろうとした矢先。
現れたのは会場中に放たれた、NPCモンスターの一種。
四足歩行で鋭利な牙を携えるも、自然界に生息する野生動物とは明らかに別物。
毛皮は存在せず、代わりにあるのはグリーンのメタリックボディ。
腹部に巨大な歯車を取り付けた、古代の機械猟犬(アンティーク・ギアハンウドドッグ)に何故追われているのか。
カレイドライナーと仮面ライダークローズ、双方の力を以てすれば複数体相手でも撃退は容易い。
しかし現実には戦闘どころか、逃走に専念する始末。
現れたのは会場中に放たれた、NPCモンスターの一種。
四足歩行で鋭利な牙を携えるも、自然界に生息する野生動物とは明らかに別物。
毛皮は存在せず、代わりにあるのはグリーンのメタリックボディ。
腹部に巨大な歯車を取り付けた、古代の機械猟犬(アンティーク・ギアハンウドドッグ)に何故追われているのか。
カレイドライナーと仮面ライダークローズ、双方の力を以てすれば複数体相手でも撃退は容易い。
しかし現実には戦闘どころか、逃走に専念する始末。
原因は古代の機械猟犬が持つ、モンスター効果。
戦闘終了時まで、相手の魔法・罠・効果を無効化する事が出来る。
今回の場合、フルボトルや魔術礼装のルビーが装備魔法の類と判定を受けたのだろう。
変身自体を封じられ、逃げの一手を打つ羽目に陥った。
戦闘終了時まで、相手の魔法・罠・効果を無効化する事が出来る。
今回の場合、フルボトルや魔術礼装のルビーが装備魔法の類と判定を受けたのだろう。
変身自体を封じられ、逃げの一手を打つ羽目に陥った。
『頑張ってくださいイリヤさん!イリヤさんがあの犬畜生どもに追い付かれ、肢体を舌という舌で舐られる光景を想像しただけで私はもう……!』
「嫌のものイメージさせないでよ!あと声が妙に弾んでるし、絶対期待してるでしょ!?」
「嫌のものイメージさせないでよ!あと声が妙に弾んでるし、絶対期待してるでしょ!?」
NPC達は参加者の殺害を禁止にプログラムされているが、攻撃そのものは可能。
いらぬ傷を増やすつもりはなく、甘んじでダメージを受け入れる気はない。
とはいえ現実問題、延々と鬼ごっこを続ける訳にもいかない。
いらぬ傷を増やすつもりはなく、甘んじでダメージを受け入れる気はない。
とはいえ現実問題、延々と鬼ごっこを続ける訳にもいかない。
「っ!おいあれ!一旦あそこに隠れんぞ!」
木々の間を縫うように駆けた先で、視界に飛び込んだのは木造の建築物。
ログハウスと言うには少々小さいが、深堀する箇所でもない。
一度身を隠し、猟犬達の追跡をやり過ごす。
去って行ってから外に出て、改めていろは達の元へ急げば良い。
ログハウスと言うには少々小さいが、深堀する箇所でもない。
一度身を隠し、猟犬達の追跡をやり過ごす。
去って行ってから外に出て、改めていろは達の元へ急げば良い。
反論せずに頷くイリヤを抱え、速度を引き上げ扉の前へ到着。
開けるや身を滑り込ませ、しっかりと鍵を閉めた。
後は向こうが何処かへ去るのを待つだけだが、とんとん拍子で事は進まない。
開けるや身を滑り込ませ、しっかりと鍵を閉めた。
後は向こうが何処かへ去るのを待つだけだが、とんとん拍子で事は進まない。
「な、なんだかここ暑くない?お風呂入ったのにもう汗が……」
「どうなってんだ?普通の小屋じゃねぇのか……?」
「どうなってんだ?普通の小屋じゃねぇのか……?」
雪の積もった外と違い、室内は温度が極端に高い。
暖を利かせ、体温の低下を防ぐ為。
と言うには幾ら何でも暑過ぎる。
猛暑の季節に豪雨が起きた日さながらの、異様な蒸し暑さ。
動かず立っているだけでも、ダラダラと汗が流れ出す。
暖を利かせ、体温の低下を防ぐ為。
と言うには幾ら何でも暑過ぎる。
猛暑の季節に豪雨が起きた日さながらの、異様な蒸し暑さ。
動かず立っているだけでも、ダラダラと汗が流れ出す。
加えて万丈の言うように、中は物置小屋ともまるで違う。
腰を下ろす長椅子が設置され、熱源たる石組みのかまど周辺は特に熱気が漂っている。
側らに置かれた木桶の水の使い道は、言うまでもないだろう。
腰を下ろす長椅子が設置され、熱源たる石組みのかまど周辺は特に熱気が漂っている。
側らに置かれた木桶の水の使い道は、言うまでもないだろう。
『むむむ!?もしやこの場所は……ロシア式蒸し風呂、バーニャで間違いありません!』
「は?ば、バニヤン?」
「ちょっと待って!?何でこんな所に蒸し風呂があるの!?色々おかしくない!?」
「は?ば、バニヤン?」
「ちょっと待って!?何でこんな所に蒸し風呂があるの!?色々おかしくない!?」
バーニャ、それはロシアの伝統的な入浴施設。
蒸気を用いて体を蒸らし、汗と共に老廃物を体外へ出す。
それから清潔な水で全身を洗い流すという、湯を沸かす風呂とは異なるスタイルの文化。
日本人にも馴染み深いサウナと似ているが、室温はバーニャの方が低いのも特徴だ。
蒸気を用いて体を蒸らし、汗と共に老廃物を体外へ出す。
それから清潔な水で全身を洗い流すという、湯を沸かす風呂とは異なるスタイルの文化。
日本人にも馴染み深いサウナと似ているが、室温はバーニャの方が低いのも特徴だ。
といったロシア文化の知識は、生憎現在の万丈達の求める所に非ず。
蒸し風呂と聞き暑さへ納得がいったが、問題解決には繋がらない。
蒸し風呂と聞き暑さへ納得がいったが、問題解決には繋がらない。
「クソッ……暑ぃな……!」
「あっつい……あ、頭がクラクラしてきた……」
「あっつい……あ、頭がクラクラしてきた……」
全速力で走ったばかりなのもあり、余計に熱が体力と冷静な判断を奪っていく。
こんな意味の分からない施設が原因で、力尽きるのは御免被りたい。
だが今出て行けば古代の機械猟犬に見付かって、待ってましたと襲われるのが確実。
どうすれば良いのかと、頭を働かせようにも暑さのせいで考えが纏まらない。
こんな意味の分からない施設が原因で、力尽きるのは御免被りたい。
だが今出て行けば古代の機械猟犬に見付かって、待ってましたと襲われるのが確実。
どうすれば良いのかと、頭を働かせようにも暑さのせいで考えが纏まらない。
「チクショウ……考えんのは苦手だってのに……!」
「あ、暑過ぎる……こういう時は……こういう時は……!!」
「ああ……!こうなったら……!」
「あ、暑過ぎる……こういう時は……こういう時は……!!」
「ああ……!こうなったら……!」
暑さで決断を逸らせたのか否かはさておき、ややあって同じ答えに辿り着く。
迷う暇はない、最早これだけが正解と顔を上げ、
迷う暇はない、最早これだけが正解と顔を上げ、
『バーニャ!!』
「…………う、うわーーーーーん!!!勢いに流されて脱いじゃったよー!龍我さんこっち見ないで!!あっち向いて!!」
「痛ぇっ!?おまっ、痛ぇって!何だよその葉っぱみたいなの!?」
『あっ、これはヴェーニクと言って白樺の枝葉を束ねた物ですね。叩くことで血行促進を促してくれます』
「解説は良いから止めるの手伝えよ!」
「痛ぇっ!?おまっ、痛ぇって!何だよその葉っぱみたいなの!?」
『あっ、これはヴェーニクと言って白樺の枝葉を束ねた物ですね。叩くことで血行促進を促してくれます』
「解説は良いから止めるの手伝えよ!」
半ばパニック状態となりながら、自身への視線を逸らすべく手に取った枝葉を振り回す。
すっかり涙目のイリヤを万丈がどうにか宥めようし、室内はてんやわんやの有様へ。
すっかり涙目のイリヤを万丈がどうにか宥めようし、室内はてんやわんやの有様へ。
「えっと、どうしましょう……?」
「…………」
「…………」
そんな蒸し風呂での騒ぎは、外の二人にも確認出来た。
武神キバとの接触後、待てども待てども仲間達は戻って来ず。
もしやトラブルに巻き込まれたのかと、公園奥へ向かってみれば。
合流を遅らせた原因の猟犬が、新しい獲物を発見し殺到。
例によっていろはも魔法少女の変身を封じられた一方で、黒死牟には無問題。
魔皇力こそ発動不可能だとはいえ、純粋な剣術のみで十分事足りる。
30秒と掛からずに殲滅、細切れになった残骸には目もくれずイリヤの魔力を辿り建造物を発見。
小窓越しに中の様子を見て、今に至る。
もしやトラブルに巻き込まれたのかと、公園奥へ向かってみれば。
合流を遅らせた原因の猟犬が、新しい獲物を発見し殺到。
例によっていろはも魔法少女の変身を封じられた一方で、黒死牟には無問題。
魔皇力こそ発動不可能だとはいえ、純粋な剣術のみで十分事足りる。
30秒と掛からずに殲滅、細切れになった残骸には目もくれずイリヤの魔力を辿り建造物を発見。
小窓越しに中の様子を見て、今に至る。
緊張感を明後日の方向に投げ飛ばしたが如き光景を、こうも見てしまっては。
つい先程まで、鬱々と考えていたのさえ馬鹿らしく思えて来る。
困り顔のいろはを余所に、デイパックから這い出た棺桶がタオル持参で蒸し風呂へ入室。
かまどに水を追加し室温を更に上げられ、思わず抗議するイリヤと万丈の姿に。
鬼となって初めてやもしれぬ、極めて純粋な呆れの宿ったため息を漏らさずにはいられなかった。
つい先程まで、鬱々と考えていたのさえ馬鹿らしく思えて来る。
困り顔のいろはを余所に、デイパックから這い出た棺桶がタオル持参で蒸し風呂へ入室。
かまどに水を追加し室温を更に上げられ、思わず抗議するイリヤと万丈の姿に。
鬼となって初めてやもしれぬ、極めて純粋な呆れの宿ったため息を漏らさずにはいられなかった。
◆◆◆
少しだけ切り離した自分の力が、溶けるように消えたのが分かった。
自然消滅ではない、何者かの手で消されたのとも異なる。
良く知る少女の一部と化したと、そう察しは付く。
直接会いに行けない今、想いを届かせる為の方法は失敗に終わらなかったらしい。
自然消滅ではない、何者かの手で消されたのとも異なる。
良く知る少女の一部と化したと、そう察しは付く。
直接会いに行けない今、想いを届かせる為の方法は失敗に終わらなかったらしい。
|……|
彼女と、自分をこの世に生み出してくれた皆と。
この地で会える時は、本当にやって来るだろうか。
『万年桜のウワサ』と名付けられた、本物の自分では無く。
神を騙る狂人が作った仮の器では、やがて必ず限界が訪れる。
それまでに、彼女達は会いに来てくれるのか。
或いは、唯一自身と言葉を交わした剣鬼が彼女達を連れて来て。
自分との約束を、果たすのだろうか。
この地で会える時は、本当にやって来るだろうか。
『万年桜のウワサ』と名付けられた、本物の自分では無く。
神を騙る狂人が作った仮の器では、やがて必ず限界が訪れる。
それまでに、彼女達は会いに来てくれるのか。
或いは、唯一自身と言葉を交わした剣鬼が彼女達を連れて来て。
自分との約束を、果たすのだろうか。
そうなって欲しいと信じながら、ただじっと待ち続ける。
風に吹かれ枝が揺れる様は、己が意思を代弁するかのようにどこか寂し気だった。
風に吹かれ枝が揺れる様は、己が意思を代弁するかのようにどこか寂し気だった。
【B-4/一日目/夕方】
【環いろは@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、魔力消費(大)、やちよの魔力継承、悲しみと怒り
[装備]:ストライクマーク@テイルズオブアライズ、ジャコーダー@仮面ライダーキバ
[道具]:基本支給品一式×2、グリーフシード(約半分穢れが蓄積)@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:会場北部を調べながら、C-4で蛇王院さん達と一旦合流する。
2:黒死牟さんを放って置けない、助けになりたい。
3:もし灯花ちゃんとねむちゃんがまた間違いを起こすのなら、絶対に止める。灯花ちゃんのあの様子は…。
4:やちよさん達を殺されて怒ってる。でも、我を忘れたりはしない。
5:真紅の騎士(デェムシュ)を警戒。
6:縁壱さんは、黒死牟さんの弟さん……。
7:キャルちゃん、一体何があったの……?
8:わたし達を知ってるウワサ……。
[備考]
※参戦時期はファイナルシーズン終了後。
※ドッペルを受け入れ制御可能になりました。
※やちよの魔力を受け継ぎました。魔法の出力上昇や槍の生成が可能などの影響が出ています。
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、魔力消費(大)、やちよの魔力継承、悲しみと怒り
[装備]:ストライクマーク@テイルズオブアライズ、ジャコーダー@仮面ライダーキバ
[道具]:基本支給品一式×2、グリーフシード(約半分穢れが蓄積)@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、ランダム支給品×0~1
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを止める。
1:会場北部を調べながら、C-4で蛇王院さん達と一旦合流する。
2:黒死牟さんを放って置けない、助けになりたい。
3:もし灯花ちゃんとねむちゃんがまた間違いを起こすのなら、絶対に止める。灯花ちゃんのあの様子は…。
4:やちよさん達を殺されて怒ってる。でも、我を忘れたりはしない。
5:真紅の騎士(デェムシュ)を警戒。
6:縁壱さんは、黒死牟さんの弟さん……。
7:キャルちゃん、一体何があったの……?
8:わたし達を知ってるウワサ……。
[備考]
※参戦時期はファイナルシーズン終了後。
※ドッペルを受け入れ制御可能になりました。
※やちよの魔力を受け継ぎました。魔法の出力上昇や槍の生成が可能などの影響が出ています。
【黒死牟@鬼滅の刃】
[状態]:魔皇力継承、陽光克服、精神的疲労、縁壱への形容し難い感情(大)、エボルトへの不快感(大)、黎斗への怒り、いろはへの…?、首輪解除
[装備]:虚哭神去@鬼滅の刃、木彫りの笛@鬼滅の刃、ザンバットソード@仮面ライダーキバ
[道具]:基本支給品一式×2、闇@遊戯王OCG、アーカードの棺桶@HELLSING、環いろはの写真@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、首輪(渡、黒死牟)
【思考・状況】
基本方針:分からない。……が、少なくとも縁壱以外の者に殺される気は失せた。
1:この娘は、本当に………………。
2:縁壱……お前は…………。
3:無惨様が……そう、か…………。
4:日を克服したとて……鬼を滅ぼせる者は最早珍しくもない……
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※無惨の呪いが切れていると考えています。
※魔皇力が使用可能になりました。キバット族のサポート無しで活性化出来るようです。
また精密なコントロールが可能になった影響で、魔力や類する力を感知出来るようになりました。
※サガークは破壊されましたが、ククルカンはある程度手を貸すようです。
※心意システムにより太陽を克服しました。また肉体の崩壊時に首輪が外れた為、実質的に首輪解除者となりました。
※武神キバから力を譲渡されました。
[状態]:魔皇力継承、陽光克服、精神的疲労、縁壱への形容し難い感情(大)、エボルトへの不快感(大)、黎斗への怒り、いろはへの…?、首輪解除
[装備]:虚哭神去@鬼滅の刃、木彫りの笛@鬼滅の刃、ザンバットソード@仮面ライダーキバ
[道具]:基本支給品一式×2、闇@遊戯王OCG、アーカードの棺桶@HELLSING、環いろはの写真@マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝(アニメ版)、首輪(渡、黒死牟)
【思考・状況】
基本方針:分からない。……が、少なくとも縁壱以外の者に殺される気は失せた。
1:この娘は、本当に………………。
2:縁壱……お前は…………。
3:無惨様が……そう、か…………。
4:日を克服したとて……鬼を滅ぼせる者は最早珍しくもない……
[備考]
※参戦時期は死亡後。
※無惨の呪いが切れていると考えています。
※魔皇力が使用可能になりました。キバット族のサポート無しで活性化出来るようです。
また精密なコントロールが可能になった影響で、魔力や類する力を感知出来るようになりました。
※サガークは破壊されましたが、ククルカンはある程度手を貸すようです。
※心意システムにより太陽を克服しました。また肉体の崩壊時に首輪が外れた為、実質的に首輪解除者となりました。
※武神キバから力を譲渡されました。
【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大・治療促進により回復中)、悲しみと悔しさ、エボルトへの警戒心(極大)、黎斗への怒り(大)
[装備]:マジカルルビー@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『セイバー』@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『バーサーカー(マグニ)』(1時間30分使用不可)@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『キャスター』(1時間30分使用不可)@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『ライダー』@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、光の主霊石@テイルズオブアライズ
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。元の世界に帰ってやることがある
1:会場北部を調べながら、C-4で蛇王院さん達と一旦合流。遊戯さんもいるのかな?
2:仮面ライダーの参加者(駆紋戒斗、深海マコト、花家大我、)とチノ、遊戯、凌牙の仲間を探す
3:ミユを必ず助けに行く。会場のどこにいるのかな……。
4:エボルトを最大限に警戒。ミユに手を出す気なら許さない。
5:シロウさん……。
6:ジャンヌを警戒。
7:橘さんならミユの体がどうなってるか知ってるかも。
[備考]
※参戦時期はドライ!!66話、6千年前に向かった直後
※心意システムによりバーサーカー(マグニ)のクラスカードを創造しました。
[状態]:疲労(大)、ダメージ(大・治療促進により回復中)、悲しみと悔しさ、エボルトへの警戒心(極大)、黎斗への怒り(大)
[装備]:マジカルルビー@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『セイバー』@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『バーサーカー(マグニ)』(1時間30分使用不可)@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『キャスター』(1時間30分使用不可)@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、クラスカード『ライダー』@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ、光の主霊石@テイルズオブアライズ
[道具]:基本支給品一式
[思考]
基本:殺し合いには乗らない。元の世界に帰ってやることがある
1:会場北部を調べながら、C-4で蛇王院さん達と一旦合流。遊戯さんもいるのかな?
2:仮面ライダーの参加者(駆紋戒斗、深海マコト、花家大我、)とチノ、遊戯、凌牙の仲間を探す
3:ミユを必ず助けに行く。会場のどこにいるのかな……。
4:エボルトを最大限に警戒。ミユに手を出す気なら許さない。
5:シロウさん……。
6:ジャンヌを警戒。
7:橘さんならミユの体がどうなってるか知ってるかも。
[備考]
※参戦時期はドライ!!66話、6千年前に向かった直後
※心意システムによりバーサーカー(マグニ)のクラスカードを創造しました。
【万丈龍我@仮面ライダービルド】
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中・処置済)、怒りと決意
[装備]:グレートドラゴンエボルボトル+グレートクローズドラゴン@仮面ライダービルド、スクラッシュドライバー+ドラゴンエボルスクラッシュゼリー@仮面ライダービルド、白鳥号@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品一式×8、フルボトルバスター@仮面ライダービルド、火炎剣烈火&聖剣ソードライバー@仮面ライダーセイバー、ガトリングフルボトル@仮面ライダービルド、ブラックハサミロストフルボトル@仮面ライダービルド、ブラックシマウマロストフルボトル@仮面ライダービルド、レモングミ×1@テイルズオブアライズ、みーたんの抱き枕(破損)@仮面ライダービルド、パンドラパネル(北都)@仮面ライダービルド、ステフの手作りドーナツ×5@ノーゲーム・ノーライフ(アニメ版)
[思考・状況]
基本方針:主催の奴ら全員倒して殺し合いを潰す。
1:こいつらと一緒に調べて回る。
2:遊戯って奴が心配。今は一人じゃねぇみたいだけどよ
3:檀黎斗はもう絶対に許さねぇ。
4:リンボって野郎は必ずぶっ倒す。
5:エボルト、DIOを警戒、特にエボルトとは今度こそ決着を付ける。
6:他にも仮面ライダーがいるのか……。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』以降。
※キャルと情報交換しました。
※ドラゴンエボルボトルをグレートドラゴンエボルボトルに再創造しました。それに伴いクローズドラゴンも進化を果たしました。
※クレートドラゴンエボルの成分を流し込んだ事で、ロボットスクラシュゼリーをドラゴンエボルスクラッシュゼリーに再創造しました。
※基本支給品の食料はラッコ鍋でした。
[状態]:疲労(大)、ダメージ(中・処置済)、怒りと決意
[装備]:グレートドラゴンエボルボトル+グレートクローズドラゴン@仮面ライダービルド、スクラッシュドライバー+ドラゴンエボルスクラッシュゼリー@仮面ライダービルド、白鳥号@仮面ライダー剣
[道具]:基本支給品一式×8、フルボトルバスター@仮面ライダービルド、火炎剣烈火&聖剣ソードライバー@仮面ライダーセイバー、ガトリングフルボトル@仮面ライダービルド、ブラックハサミロストフルボトル@仮面ライダービルド、ブラックシマウマロストフルボトル@仮面ライダービルド、レモングミ×1@テイルズオブアライズ、みーたんの抱き枕(破損)@仮面ライダービルド、パンドラパネル(北都)@仮面ライダービルド、ステフの手作りドーナツ×5@ノーゲーム・ノーライフ(アニメ版)
[思考・状況]
基本方針:主催の奴ら全員倒して殺し合いを潰す。
1:こいつらと一緒に調べて回る。
2:遊戯って奴が心配。今は一人じゃねぇみたいだけどよ
3:檀黎斗はもう絶対に許さねぇ。
4:リンボって野郎は必ずぶっ倒す。
5:エボルト、DIOを警戒、特にエボルトとは今度こそ決着を付ける。
6:他にも仮面ライダーがいるのか……。
[備考]
※参戦時期は『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』以降。
※キャルと情報交換しました。
※ドラゴンエボルボトルをグレートドラゴンエボルボトルに再創造しました。それに伴いクローズドラゴンも進化を果たしました。
※クレートドラゴンエボルの成分を流し込んだ事で、ロボットスクラシュゼリーをドラゴンエボルスクラッシュゼリーに再創造しました。
※基本支給品の食料はラッコ鍋でした。
『NPC解説』
【古代の機械猟犬@遊戯王OCG】
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻1000/守1000
①:このカードが召喚した場合に発動する。
相手に600ダメージを与える。
②:このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
③:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、
「アンティーク・ギア」融合モンスター1体を融合召喚する。
効果モンスター
星3/地属性/機械族/攻1000/守1000
①:このカードが召喚した場合に発動する。
相手に600ダメージを与える。
②:このカードが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法・罠カードを発動できない。
③:1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。
自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、
「アンティーク・ギア」融合モンスター1体を融合召喚する。
『施設解説』
【ロシア式蒸し風呂バーニャ@ゴールデンカムイ】
B-4エリアに設置。
ロシアの伝統的な入浴施設。
谷垣ら一行が南樺太でクズリに追われた際、咄嗟に逃げ込んだ場所でもある。
大変蒸し暑いので全裸となり、ヴェーニクを用いて互いの肌を叩き合うのが作法と言えよう。
B-4エリアに設置。
ロシアの伝統的な入浴施設。
谷垣ら一行が南樺太でクズリに追われた際、咄嗟に逃げ込んだ場所でもある。
大変蒸し暑いので全裸となり、ヴェーニクを用いて互いの肌を叩き合うのが作法と言えよう。
| 168:ウィッチクラフトの齎した勇気 | 投下順 | |
| 152:decided by myself(1) | 時系列順 | |
| 152:decided by myself(1) | 環いろは | |
| 黒死牟 | ||
| イリヤスフィール・フォン・アインツベルン | ||
| 万丈龍我 |