——願いには代償が必要だ。
何の代償も無しに叶えられる願いなど早々ない。
何の代償も無しに叶えられる願いなど早々ない。
檀黎斗が何故、茅場が行った明らかな依怙贔屓——司波達也の復活を許したのか。
死者蘇生はよっぽどの理由でもない限り宝生永夢すら許さないのに、どうして司波達也は許したのか。
それはもちろん、達也自身の魔法も大きい。再生は達也を代表する魔法。首輪が外れた結果、その魔法が作用する——という理屈はある。
死者蘇生はよっぽどの理由でもない限り宝生永夢すら許さないのに、どうして司波達也は許したのか。
それはもちろん、達也自身の魔法も大きい。再生は達也を代表する魔法。首輪が外れた結果、その魔法が作用する——という理屈はある。
だが、それでも達也はゲームオーバーした人間だ。
檀黎斗本人は自身がコンティニューすることをなんとも思っていなかったが、ゲームの参加者が無断でコンティニューするのはあまり良く思わない。
それでも許容したことには一人の少女の犠牲がある。
檀黎斗本人は自身がコンティニューすることをなんとも思っていなかったが、ゲームの参加者が無断でコンティニューするのはあまり良く思わない。
それでも許容したことには一人の少女の犠牲がある。
「——NPCになった気分はどうだ?司波深雪」
「……正直、まだあまり実感がわきません。今の私の身体はどうなっているんですか?」
「まず君は人間ではなくなった。あくまでゲーム上に存在するデータだ。このゲームが終わればキミは消滅する」
「……わかりました。お兄様を蘇生させてもらった以上、文句はありません」
檀黎斗に問い掛けられた少女——司波深雪は最終的に死ぬという運命を、何の苦言も呈さず了承した。
深雪は度を超えたブラコンだが、別に自殺志望者ではない。死ぬことに対して恐怖は当然ある。だがそれ以上にお兄様——達也が死ぬという結末が許せなかった。
深雪は度を超えたブラコンだが、別に自殺志望者ではない。死ぬことに対して恐怖は当然ある。だがそれ以上にお兄様——達也が死ぬという結末が許せなかった。
普段ならば自身の魔法で再生するのに、この理不尽な殺し合いはそれすら許さない。魔法師である達也から魔法を奪い取るという凄まじいハンデを負わせて、死ねばそれで終わりだなんて——そんなことは間違っている。
そもそも勝負とは対等であるべきだと深雪は考えている。
いくらお兄様が凄まじい実力の持ち主——戦略級魔法師だからといって、魔法師から魔法を奪い去るなんてあまりにも理不尽だ。フェアじゃない。
もちろんお兄様が魔法抜きに強く、賢く、逞しいことを深雪はよく理解している。純粋な体術の腕で達也と張り合える者など、なかなかいないだろう。思考能力も当然、トップクラス。その才能を活かせば首輪の解除など容易いと深雪は思っていた。
いくらお兄様が凄まじい実力の持ち主——戦略級魔法師だからといって、魔法師から魔法を奪い去るなんてあまりにも理不尽だ。フェアじゃない。
もちろんお兄様が魔法抜きに強く、賢く、逞しいことを深雪はよく理解している。純粋な体術の腕で達也と張り合える者など、なかなかいないだろう。思考能力も当然、トップクラス。その才能を活かせば首輪の解除など容易いと深雪は思っていた。
しかし現実として、達也は殺された。
お兄様が息を引き取る瞬間を映像として深雪は見た。……否が応でも死んだことを理解してしまう。
お兄様が息を引き取る瞬間を映像として深雪は見た。……否が応でも死んだことを理解してしまう。
誰よりも“最強”に近い存在であるお兄様は、魔法を奪い去られた上で殺し合いの序盤に命を落としてしまった。
これは主催陣営からしても想定外だ。達也は終盤まで生き残ると、誰もが思っていた。首輪の解除も遊星、戦兎と並び彼が解除するのではないかと言われていた程だ。
もっとも檀黎斗としては、この想定外は面白かった。永夢の死もそうだが、想定外が続くのは楽しい。
これは主催陣営からしても想定外だ。達也は終盤まで生き残ると、誰もが思っていた。首輪の解除も遊星、戦兎と並び彼が解除するのではないかと言われていた程だ。
もっとも檀黎斗としては、この想定外は面白かった。永夢の死もそうだが、想定外が続くのは楽しい。
そして檀黎斗はここで悪魔的な発想が思い浮かんだ。
達也にはとても大切な妹——司波深雪が存在するという情報がある。
彼女は達也を溺愛しており、お兄様と非常に慕っているようだ。
その関係性はただの兄妹というにはあまりにも歪だという情報もある。
達也にはとても大切な妹——司波深雪が存在するという情報がある。
彼女は達也を溺愛しており、お兄様と非常に慕っているようだ。
その関係性はただの兄妹というにはあまりにも歪だという情報もある。
そこで檀黎斗は面白半分で茅場に深雪のことを教えた。
茅場は鉄仮面のような表情を崩さぬまま、深雪をこの場に呼び出すことに賛同した。
ただし深雪が嫌がるようなことをするならすぐに帰す、と。
……これは茅場の個人的な事情であり、どうして茅場が深雪の身を案じるような発言をしたのか引っ掛かったが、大したことないだろうと考える。
なにせ今の自分は神に等しき強さと技術があるのだ。茅場が何を企もうとも、どうにでもなる。茅場と檀黎斗は互いに腹を探り合いながらも、とりあえず深雪を主催会場に呼んだ。
茅場は鉄仮面のような表情を崩さぬまま、深雪をこの場に呼び出すことに賛同した。
ただし深雪が嫌がるようなことをするならすぐに帰す、と。
……これは茅場の個人的な事情であり、どうして茅場が深雪の身を案じるような発言をしたのか引っ掛かったが、大したことないだろうと考える。
なにせ今の自分は神に等しき強さと技術があるのだ。茅場が何を企もうとも、どうにでもなる。茅場と檀黎斗は互いに腹を探り合いながらも、とりあえず深雪を主催会場に呼んだ。
その後、達也の死亡映像を見せて諸々の説明をする。
「そんな……お兄様がこんなことになるなんて、そんなはずありません!」
「それが有り得る!それがデスゲームというものだァ!しかし司波達也には期待していたのだが、魔法が伝えなければ大したこと——」
パシンッ!
深雪の平手打ちが、鳴り響いた。
その形相は怒りに満ち、瞳が揺れている。
大切なお兄様を愚弄されたことが、よっぽど気に入らなかったようだ。
その形相は怒りに満ち、瞳が揺れている。
大切なお兄様を愚弄されたことが、よっぽど気に入らなかったようだ。
「お兄様は偉大な存在です!そもそも魔法師から魔法を奪うなんて、そんな卑劣なこと自体が間違っています!」
「ほう。ならばキミの自慢の“お兄様”は魔法が使えたらもっと活躍出来るということだな?司波深雪」
「当然です。魔法が使えるお兄様なら、あなたのような卑怯者はすぐに倒せるに違いありません!あなた達はお兄様を恐れて卑劣な手段に出たのでしょう!?」
「なるほど。司波達也は随分とキミに評価されてるようだ。ならば——魔法を使えるようにした上で蘇生するチャンスを与えると言ったら、キミはどうする?」
檀黎斗の言葉に、茅場の眉毛がピクリと動く。顔が自然と険しくなる。
しかし下手に口出しすることは難しい。そんなことをしたら計画は台無しだし、達也の生存は茅場の計画に間違いなく必要だ。
しかし下手に口出しすることは難しい。そんなことをしたら計画は台無しだし、達也の生存は茅場の計画に間違いなく必要だ。
……深雪を巻き込みたくない気持ちは強いが、どうすることも出来ない。
「チャンスの条件次第です」
「ふむ。司波達也の妹というだけあって、馬鹿ではないようだな。条件はキミがこのデスゲームのNPCとなってプレイヤーと戦うことだ。具体的にはキミの肉体をアバターにして、司波達也以外のプレイヤーを積極的に襲ってもらう。もしもキミが誰も襲わなければ——利口なキミならわかるだろう?」
檀黎斗は世間話をするかのように、とんでもない条件を深雪に提示する。
そして深雪はその意味を持ち前の頭脳で理解し、頷いた
そして深雪はその意味を持ち前の頭脳で理解し、頷いた
「わかりました。お兄様が魔法が使える状態で生き返るなら、私はNPCになりましょう」
深雪の答えに迷いも、躊躇もない。
お兄様が生き返るならそれくらい惜しくないとばかりに。
しっかりと返事をする様を、茅場は複雑に思いながら見ていた。
お兄様が生き返るならそれくらい惜しくないとばかりに。
しっかりと返事をする様を、茅場は複雑に思いながら見ていた。
「交渉完了だ。司波達也が自身の魔法で一度だけ再生することを認めようじゃないか!」
——こうして達也は本人も知らない間に妹の犠牲によって復活していた。
そして深雪は会場を彷徨う。お兄様を生かすために、他人を殺す。それは心苦しいが、お兄様のためなら仕方ないと割り切れる。
そして深雪は会場を彷徨う。お兄様を生かすために、他人を殺す。それは心苦しいが、お兄様のためなら仕方ないと割り切れる。
……深雪はこれまで何人もテロリストなどを殺してきた。
その行為に慣れすぎて、殺すことにもあまり躊躇いがなくなったのかもしれない。
それに……殺した相手はお兄様の再生で復活するだろう。なにも、躊躇する必要はない。それよりもお兄様が死んだ方が危うい
その行為に慣れすぎて、殺すことにもあまり躊躇いがなくなったのかもしれない。
それに……殺した相手はお兄様の再生で復活するだろう。なにも、躊躇する必要はない。それよりもお兄様が死んだ方が危うい
——こうして史上最悪のブラコンNPCが誕生した
【???/一日目/昼】
【司波深雪@魔法科高校の劣等生】
[状態]:健康、NPCとしてアバター化
[装備]:司波深雪のCAD@魔法科高校の劣等生
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:お兄様を生かすために、他の人を殺します
1:躊躇はしません。殺した人達は後でお兄様に再生してもらいましょう
2:檀黎斗や主催連中はお兄様ならなんとか出来ますよね
3:最後に死ぬのは怖いですが、それがお兄様のためなら成し遂げます
[備考]
※肉体がアバター化してNPCになっています
【司波深雪@魔法科高校の劣等生】
[状態]:健康、NPCとしてアバター化
[装備]:司波深雪のCAD@魔法科高校の劣等生
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]基本方針:お兄様を生かすために、他の人を殺します
1:躊躇はしません。殺した人達は後でお兄様に再生してもらいましょう
2:檀黎斗や主催連中はお兄様ならなんとか出来ますよね
3:最後に死ぬのは怖いですが、それがお兄様のためなら成し遂げます
[備考]
※肉体がアバター化してNPCになっています