人類統治政府 Sanctuary
Sanctuaryとは、500年前の第一次大攻勢で壊滅寸前まで追い込まれた人類がイギリス ロンドンに作った新たな政府と、それと同時期に建設された対クリーチャー用防衛拠点の総称である。当初、Sanctuary政府には元々世界連合政府という正式名称があったが、政府組織がSanctuaryに集中していたことから政府そのものがSanctuaryと呼ばれるようになった。
Sanctuaryの特色は、徹底した人民管理社会である。徹底した管理統制を敷くことによって、残り僅かとなった人類を守ろうとする当初の思想が垣間見える。500年経った現在でも、この徹底した管理統制は維持されているが、人類生存区域が多種族化するにつれて管理統制に反感を持つ種族も多く存在し、新たな火種となりつつある。また、人間の一般市民も管理社会に(特に食料関係において)不満を持つものが一定数存在し、Sanctuaryに反抗するレジスタンスの台頭を許してしまっていたりもする。
上層部以外には人類以外のコラボレイターも一定の割合で配属されており、少しずつSanctuary内も多種族化してきている。当然、人類による地球解放を目指している派閥からは反感を買っているが、他種族の力無しでクリーチャーに対抗できるわけでもないため、声を上げて主張できないでいるのが現状である。
- Sanctuaryの主要な部門構成(他にも細かいものが存在する。)
・上層部 (主に政府高官などが在籍する部門。この上層部の意向 = 国の意向となる。)
・軍司令部 (人類生存区域の拡大を行う軍隊を総括する部門。)
・管理統制部 (主に憲兵のような働きをし、Sanctuaryの徹底管理統制社会を実現するための部門。)
・開発部 (Magicによる新技術開発を行う部門。)
・農業部 (農業生産物を接収し、管理体制の下に分配、販売する部門。)
・工業部
・漁業部
1.上層部の背後に垣間見える宗教の存在
現在、Sactuary上層部に属する者はそう多くなく、約500人ほどである。この上層部500人の意向によってSanctuaryならびに国の意向が決定されるが、最近では新興宗教であるネオユナイトが裏で上層部を操っているという噂が絶えない。実際、ネオユナイト信者の上層部が一定数存在することは事実である。しかしネオユナイトが人類を危機的状況に追い込んだような話は今までにはなく、ネオユナイト信者の存在が人類にとって不利益をもたらすと決まったわけでもないため放逐しづらい状況となってしまっている。
2.軍司令部内の統率問題
現在、多種族軍となっている解放軍を統括する軍司令部であるが、種族間の対立や価値観、死生観の違いなどから来る軋轢が生まれている。特にクリーチャー側に属する同種族と戦うことになる種族にとっては非常に戦闘による精神的負担が大きく戦闘を忌避する場合もあり、解放軍の士気を高め続けることに限界が見えつつある。また、徹底統制下のSanctuary軍司令部を嫌い、独自に軍隊を組織する民間組織なども現れつつあり、軍司令部の支配力の及ばないところで戦闘が開始されてしまうなど新たな問題も発生しつつある。
3.農業部への強い反感
現在、農業生産物の大部分が金銭と引き換えに一旦農業部に接収された後、適正価格で再販売されるという形が取られており、戦闘が始まると価格が高騰する傾向にある。この農業部の政策により極貧層はほぼ減ったものの、貧困層自体の割合が増加する結果となった。この政策に生存区域各地の農民が反発することも少なくなく、各地で一揆が発生している。これに対し管理統制部が徹底的な弾圧を行うため、その時々では一揆は鎮圧されるが根本的な不満解消には至っておらず、むしろ弾圧に対する不満がさらに増してしまうこととなっている。
この点を見逃さないレジスタンスが、過激派農民をレジスタンスへと勧誘しMagicianにする動きが最近多くみられるようになり、一揆も散発的な銃撃戦から組織的なMagicの撃ち合いへと変化するに至っている。
4.多種族政府となったがゆえの諸問題
コラボレイターとして認可される種族が増え多種族国家となったユートピアであるが、当然ながら種族間対立や異文化の受け入れなどの問題は多く存在し、そのほとんどが解決されていない。あまりにも問題が多すぎるため、細かい事案に関してはSanctuaryも当事者間でのバランス取りを要請するしかなく、管理統制部の手に負えない状況となっている。この問題点をSanctuaryの管理統制の限界であると指摘するものも多く、Sanctuary批判点の最たるものとなっている。
クリーチャー軍組織 RUINER
500年前の第一次大攻勢の後に誕生した組織。死神族と呼ばれる種族の王であるリガル7世が創設、総司令官を務めている。RUINERの目的は、地球先住民である人類を駆逐した上で、クリーチャー各種族に領地を分け与えるというものである。この目的を果たすべく、地球上に居住区域を確保することを目標とする高い知能を持つ種族が多く所属している。RUINERが本格的に人類駆逐のために動き出したのは第二次大攻勢からであり、クリーチャーによる戦術行動は人類にとっても衝撃的で大きな痛手を受けることとなった。
現在のRUINERの規模は相当に大きく、200万体とも1000万体とも、それ以上とも言われている。しかしリガル7世が如何にカリスマ性に優れていると言えど、大規模過ぎる組織を完全に管理するには至っておらず、RUINER軍内部での種族間対立や末端部隊の士気の改善には至っていない。それでも現在においても人類にとって最大の障害であり、RUINERに対してどう対抗するかはSanctuary軍司令部も頭を悩ませている。
RUINERの大きな特徴に、部隊長より上の階級のクリーチャーは、リガル7世が作り出したダークルーラーと呼ばれる種類のMagicの一部を習得しているというものがある。特にダークルーラーの中でも"コントローラー"と呼ばれるMagicは、人類やクリーチャーを見境なく攻撃するような低知能クリーチャーを従えることができるために非常に厄介であり、人類側がRUINERに対して苦戦を強いられる要因ともなっている。
レジスタンス集団 ストレートフラッグ
Sanctuaryの掲げる徹底管理統制社会に異議を唱える集団の中で最大勢力とされ新暦115年に設立され、現在は本部をベルリンに構えているのが、このストレートフラッグである。会員数は50万とも100万とも言われており、特に農民や商人の会員が多いのが特徴である。軍司令部や開発部しか生産していないはずの、人類がMagicを使用できるようにする装置ZPCを密かに生産または確保しており、ZPCでMagicの使用できないはずの一般市民をMagicianにすることで、農民一揆などの戦闘力向上につなげている。
人類の生存区域拡大は前提として、多種族国家としてSanctuaryの国策とは真逆の自由な世界の構築を目的として活動しており、Sanctuary管理統制部との対立は激しく、時には内乱寸前にまでなることも多々ある。とはいえクリーチャーの大攻勢の際などはSanctuary軍司令部ならびに解放軍に協力するほかなく、レジスタンスの存在が人類の地球解放の妨げになっていることも事実で、一般市民もどちらが善か悪かを判断しづらくなっている。
国立Magician養成学校 エムターナル (EMternal)
通常の学業と同時並行で既存の開発されているMagicの操作や修練を行う学校。本校はロンドンつまりSanctuary内にあるが、各主要都市に分校やサテライトが存在する。 主にMagic使用にZPCが必要な人間が多く所属しているが、他種族もそれなりに所属している。特に年齢制限などは無いが、12~22歳までの生徒が大半を占めている。(他種族は寿命がそもそも異なるので、この限りではない。)
エムターナルには難関と名高い卒業試験があり、この試験をクリアすることでエムターナル卒業という肩書が得られる。エムターナルの卒業証書さえ持っていれば、面接なしで所属できる会社や組織も多いほどには価値のある経歴となっている。
エムターナルの生徒はEM生と呼ばれ、一般学生とは区別される。これは一般学生とEM生をハッキリと区別することでEM生の地位を相対的に高めようというSanctuaryの意図がある。
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