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  • 大変態変、だゾ

etorarowa @ ウィキ

大変態変、だゾ

最終更新:2022年01月09日 19:09

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だれでも歓迎! 編集
この作品は性的表現が含まれています。
過激な性的描写が苦手な方には不快となる内容なのでご注意ください

















「「はぁ~い」」
「みんな楽しんでる?」

(え、えっ、何あれ……!?あんなところにお城あったの!?)

 リベッチオもまた、他の参加者と同じくモニターに映るオカマ魔女の放送を聞いていた。

(こんなことしてるの、あの細長いおじさんだけじゃないんだね――そんな、もう死んじゃった人がいるの……!?)

 直後に告げられたのは、死亡者の名前。8人もの命が、この短い時間でなくなってしまっていたのだ。
 リベッチオの見知った名前がなかったのはいいが、それでも呼ばれた者達にも親しい者がいたはずだ。なんだか、心がモヤモヤしてやるせなくなる。

(せめて……残っている人達と合流しなきゃ……!)

 気持ちを新たにして、リベッチオは走っている。
 まずは、自分と同じ境遇の人達と会わなければ。
 ただ、それと同じくらい気がかりなのはこのバトルロワイアルの参加者だ。先ほどの放送で呼ばれていないだけで、リベッチオの知る者も巻き込まれているかもしれない。
 ひとまず立ち止まり、リベッチオはデイバックから取り出した名簿を広げる――そうしたいところだった、が。

「ぶりぶり~!ぶりぶり~!ぶりぶり~!ぶりぶり~!んもおおおおおおっ!いつまでやる気なのぉっ!ぶりぶり~!」

 リベッチオは未だに身体の制御権を奪われ、お尻を見せつけたままケツだけ星人を踊っていた。
 両手両足がすべてケツだけ星人を踊るために絶えず動いているため、一時停止どころか満足にデイバックを広げることすらできない。
 結局、リベッチオはまともに参加者の確認もできないまま、ケツだけ星人の気の赴くままに走り続けていた。

「ぶりぶり~!うう……ぶりぶり~!」

 ああ、ケツだけ星人リベッチオよ、お前はどこへ行く。


§


「ケツだけ星人ぶりぶり~!ぶりぶり~!」
「……」
「ぶりぶり~!ぶりぶり~!」
「……」

 ふたば幼稚園の、ひまわり組の教室。
 ぺたんと座り休憩を取っているなのはの周囲を、しんのすけはケツだけ星人を披露しながら回っていた。
 その鮮やかなお尻の動きや幼稚園児とは思えぬ軽やかなステップには目を見張るものがある。

「しんちゃん……それ、何なの?」
「ケツだけ星人!オラの必殺技の一つ!なかなか鮮やかでしたでしょ~」
「にゃはは……うん、いいんじゃないかな……」
「いや~それほどでも~」

 ドヤ顔で振り返ってくるしんのすけに、なのはは苦笑いしながら返す。

(まあ、しんちゃんもまだ幼稚園児だし、男の子ならこのくらいやんちゃなところもあるよね)

 出会ってから眩いほどの強さを見せてくれたが、それでもしんのすけは5歳であり幼稚園児なのだ。むしろこれくらいはしゃいでいる方が自然なのだ、となのはは思い直すことにした。
 ……けれども、親友を失った悲しみがまだ癒えない中、気持ちが救われたのも確かだった。
 元々平凡な小学生3年生の女の子だったなのはにケツだけ星人は少々面食らったが、先の見えないこの状況でもマイペースな明るさを見せてくれるしんのすけを見ていると、元気を分けてもらえた気がした。

「しんちゃん、もう寝るのはいいの?」
「オラはもう大丈夫~。お昼寝して元気いっぱいだゾ!」
「昼じゃなくて深夜だよ!私が見張っておくから、もうちょっと寝てていいんだよ?」
「お構いなく~。なのはちゃん一人で寂しそうだから、話し相手になってあげるゾ」
「ありがとう、しんちゃん」

 そうなのはが微笑みながら礼を言った時、彼女の脳裏にあることが浮かんできた。

「……あ――――っ!?」
「おっ!?どうしたのなのはちゃん!」

 手をぱちんと叩いて、重要なことを思い出したと言わんばかりに叫ぶなのは。
 しんのすけはすぐさま丸出しの尻をしまって、なのはに駆け寄る。

「しんちゃん、私達まだ名簿みてないよ!」
「おおっ、そうでしたな!すっかり忘れてたゾ!」

 フェイトの死を知ってしまったことで失念していたが、自分達はまだ確定したという殺し合いの参加者名簿を確認していないのだ。
 フェイト以外にもなのはに近しい者が巻き込まれていないとも限らないし、しんのすけにとって身近な者がこの会場にいることも十分あり得る。
 なのはとしんのすけは、大急ぎでデイバックから名簿を取り出し、広げた。


§


「そっか……私以外に参加させられてたの、フェイトちゃんだけなんだ」

 なのはは名簿を見つめながら、そう呟いた。名簿を読む限り、なのはの知る名はフェイト以外にない。彼女の家族と友人、仲間達は無事。かといって、喜ぶことはできない。なのはの大切な親友は、もうこの世にいないのだから。
 問題はしんのすけの方だ。

「とーちゃん!」

 隣で声を上げるしんのすけに、なのははハッとして彼の指す名前を見る。

――『野原ひろし』。

 苗字としんのすけの呼び名からして、恐らくは。

「もしかして、しんちゃんのお父さん……?」

 なのはの問いかけに、しんのすけは神妙な面持ちでこくりと頷く。

「そんな……」

 事態は、思ったよりも深刻だった。しんのすけの父親までもが、この催しに呼ばれている。大切な人が死ぬかもしれないと思うと、しんのすけの動揺は察するに余りある。親友を喪い、父が事故に遭ったことのあるなのはは、自分としんのすけを重ね合わせずにはいられなかった。

「オラ、とーちゃんが心配だゾ……」
「しんちゃん……」

 しんのすけを案じるなのは。なのははどうにか励まそうと声をかけようとした、が。

「んも~、とーちゃんってばすぐおねいさんにホイホイついていくから~。知らない人についていっちゃいけないって言われてるのに、おねいさんに手を出してないかオラ心配だゾ~」
「……そっちの心配なんだ」
「きっと今頃おねいさん見つけては鼻のしり伸ばしてるゾ」
「にゃはは……」

 この調子なら大丈夫そうかな、となのはは思った。
 なお、当のひろしはすごくきれいなおねいさん(しかもおムネがでかい)と絶賛行動中であることを、しんのすけはまだ知らない。

「お父さん以外にしんちゃんの知り合いはいるの?」
「この二人だゾ。リングおねいさんと、ハイグレ……――なんだっけ」
「――まおう、だね」

 漢字が読めず、口が止まったしんのすけに代わってなのはが読んであげる。
 しんのすけは、『リング・スノーストーム』と『ハイグレ魔王』の2つの名前を指さしていた。

「リングおねいさんは30世紀から来たタイムパトロールのおねいさんで、あのヒエールのおじさんと戦う時にお助けしてもらったゾ。さっきのおまたのおじさんの時が2回目だから……はじめて戦国時代にタイムスリップした時だゾ」
「え、しんちゃん2回も戦国時代に行ってるの!?」
「うん、1回目はタイムマシンだったけど、2回目は夢の中のお姫様のことを考えるといつの間にかオラだけ戦国時代にいたんだゾ。1回目の方もヒエールのおじさんだった雲黒斎のことで大変だったゾ」
「うんこ、くさい……」

 あまり言葉にしたくない名前だ。

「それで戻ってきたらヒエールのおじさんが力士改変してたから、野原家とリングおねいさんで巨大ロボットになってやっつけたの」
「それを言うなら多分歴史改変だよね……?」
「そーともいう~。リングおねいさん、すっごくきれいでしたな~」

 にへらと笑いながらリングにまた会えることを喜ぶしんのすけ。
 なのはとしても非常に興味深い話だったが、今は情報交換が先ということでそれ以上踏み込まなかった。2度もタイムスリップした人間、遥か未来から時間遡行してきたタイムパトロールに、巨大ロボ。ある程度魔法を嗜んだなのはからしても滅茶苦茶すぎる。

「このハイグレ魔王って人は?『魔王』ってあるくらいだから危なそうだけど」
「ハイグレ魔王は悪いヤツだゾ!アクション仮面がいない間にみんなをハイグレ人間にしていったんだ!」
「ハイ……グレ人間?一体何をどうするんだろう……?」

 これについても聞いたことのない単語だ。とにかくなのははハイグレ魔王には要注意だと認識し、しんのすけから詳しく教えてもらうことにした。
 しんのすけが言うには――話からなのはが理解できた範疇ではあるが――ハイグレ魔王は正義のヒーロー・アクション仮面の留守中にハイグレ星人を率いて地球を侵略しに来ていたらしい。その過程でハイグレ銃によって、人々を股間部を強調したハイレグ水着の姿に変えて洗脳して行ったが、最終的にはアクション仮面としんのすけによって打ち倒されたとのことだ。ちなみに、しんのすけは『おねいさんかと思ったらオカマだった』ことに何よりも憤っているようだった。

「パンストを被った人の持ってる銃の光線に撃たれたら、みんなハイグレ水着にされてハイグレ♡ハイグレ♡と叫ぶようになっちゃうんだゾ!」
「えっ、えぇ……!?」

 しんのすけはかつてハイグレにされた人達の踊りを真似て、「ハイグレ」の部分をやたらセクシーに発音してなのはの前で実演してみせる。

「本当にそんなことさせられるの……!?」
「うん、しかも身も心もハイグレ魔王の物になっちゃって、スパイ活動までこなしちゃうんだゾ!もしなのはちゃんが住んでるとこに侵略してきたら……!」
「やめてー!変なこと考えさせないでー!」
「当たったら終わりだからなのはちゃんも気を付けて!」
「う、うん!気を付けるね!」

 なのはは思わずハイグレ水着にされてハイグレハイグレと言う自分や知人の姿を思い浮かべてしまい、赤面しながらもしんのすけに強く肯定する。
 正直なところ、そんなふざけたことをする輩がいるとは思いたくなかったが、やはり疑う気にはなれなかった。聞いただけでもしんのすけは相当な修羅場を潜り抜けているようで、畏怖の感情さえ抱いた。
 また、考えてみれば確かに恐ろしい。聞くところによれば、1発でも被弾すれば洗脳されてしまうらしい。それまで背負っていた想いも何もかも忘れ、恥ずかしい水着を着たままハイグレ魔王に忠誠を誓わされるなど、断じて受け入れられない。

――ひとまず、なのはとしんのすけは殺し合いに巻き込まれた互いの知人について情報を共有した……しんのすけからの情報は密度がすごかったが。次は、これからどうするかだ。

「私はしばらく休んだ後に幼稚園を出ようと思うけど、しんちゃんはどう思う?」
「そうですな、リングおねいさんととーちゃんを探さないといけないし」

 安全地帯であるふたば幼稚園に留まっているのも悪くないが、自分達の身の安全だけを確保しても状況は悪くなるばかりだ。
 まずは、しんのすけの父親である野原ひろしに、ヒエールと因縁のあるリング・スノーストームとの合流だろう。

「うん、まずはその二人に会わないとね。リングさんなら何か知ってるかもしれないし、しんちゃんのお父さんも――『まだ間に合う』から」
「そうだゾ!とーちゃんのくっさ~い足のニオイが誰かに盗まれる前に見つけ出さないと!」
「そ、そういう意味で言ったわけじゃ――」

 マイペースを貫くしんのすけに思わず突っ込みそうになるが、なのはは出かかった言葉を呑み込む。
 そう、『間に合わなかった』なのはとは違って、しんのすけの父はまだ生きているのだ。

(頑張らなきゃ……これ以上、同じ悲しみを生み出さないために……!)

 なのはは、心の中でそう固く誓うのであった。




――ぶ……ぶ……。




「っ!?」

 すると、突如としてなのはの耳にどこからともなく微かな声が届いた。

「しんちゃん、何か言った?」
「……お?オラ何も言ってないゾ……」
「……」

 この声はしんのすけではない――となると、なのはでもしんのすけでもない誰かということになる。

――け……り……。

 耳を澄ませば、この声は幼稚園の外からしていた。
 一転して、なのはの表情に緊張が走る。
 外は未だ深夜の暗闇が支配しており、そんな中で響く正体不明の声は不気味と言う他ない。

「……私がちょっと見てくるからしんちゃんはここにいてね」
「わ、わかったゾ……」

 しんのすけを教室に留め、なのははデイバックを手に忍び足で幼稚園のグラウンドに出る。ここに来るということは他の参加者か、あるいはNPCか。

(話の通じる人だといいんだけれど……)

 年相応に怯える心を奮い立たせながら、なのははいつでも魔法が使える準備をしておく。と言っても、レイジングハート無しでは大した魔法は使えないが。
 音源は幼稚園を出てすぐにあるようだ。なのはは門の影に身を潜めて声の主を確認する。

「……!?!?!?!?!?」

 その姿を見たなのはは絶句して固まった。なぜなら――。

「ぶりぶり~!ぶりぶり~!ケツだけ星人ぶりぶり~!」

 なのはの視線の先で、尻が踊っていたのだから。
 否、尻ではない。ツインテールの髪をした小麦色の肌の女の子が、お尻を露出しながら既視感のあるステップを踏んでなのはに尻を見せつけていた。

「ぶりぶり~ぶりぶり~ぶりぶり~」
「…………」

 顔を真っ赤にしつつしばらく見つめていたが、まるでこちらを挑発しているかのように、小麦肌の女の子は延々と穢れのない艶やかなお尻を上下させている。
 女の子がなのはに気付いているか気付いていないかもわからない。なのははふたば幼稚園の門から女の子がしている痴態ともいえる汚れ芸を覗き見ながら、思考をぐるぐると駆け巡らせる。

「…………」
(こ、これってもしかしてしんちゃんがやってたケツだけ星人だよね多分絶対そうというかあの子って女の子だし多分私と同じくらいなんだけどケツだけ星人ってしんちゃんみたいな小さい男の子だけじゃなくて女の子も踊るものなの私が知らないだけで意外とメジャーだったりするのかないや私は外でそんな踊りしたくないし仮にやってるところ見られたら恥ずかしくてもう人前に出られな――)

「ぶりぶり~ぶりぶり~ぶりぶり~」

 しんのすけが発していたケツだけ星人の掛け声を、女の子らしい高い声がノリよく発音する。

「……」
(いや、これどうしたらいいの……!?)

 なのは自身、こういったふざけた方面に特化した相手に対処した経験はなく、ケツだけ星人を踊る女の子にどう声をかけたらいいか分からない。そして、こういう時に限ってレイジングハートがいない。
 あまりに突飛した光景に思考が追い付かず、なのはの瞳には渦巻きが回り始める。

(そ、そうだ!しんちゃんなら……!)

 先ほど自分にケツだけ星人を披露してくれたしんのすけならば、何かわかるかもしれないと思い、なのはは縋るようにひまわり組の教室を見た――が、そこにしんのすけの姿はなく、もぬけの殻だった。

「ぶりぶり~ぶりぶり~!いやあお嬢さん、なかなかのステップですな~」
「ぶりぶり~!ぶりぶり~!やだああっ、見ないでええっ!ぶりぶり~!見てないでこれ止めてぇ!!」
(しんちゃん―――ッ!?)

 しんのすけはなのはが考えている間に教室を抜け出し、女の子と一緒にケツだけ星人に興じていた。
 幼稚園の外で踊るケツだけ星人が2体に増え、女の子としんのすけは2人で輪を描くように動き回る。
 女の子――ケツだけ星人をさせられたままふたば幼稚園まで来たリベッチオの身体は、仲間を見つけたことを喜ぶかのようにその動きを激しくする。

「でもまだまだのりしろがありますな~。こうして右と左のおケツを交代して上げ下げするともっとケツだけ星人らしくなるゾ」
「ぶりぶり~!それを言うなら伸びしろ……って何!?言うこと聞かなくていいからぶりぶり~!」

 すると、しんのすけのアドバイスを受けてか、リベッチオは左右の尻たぶを上下させて踊るようになり、ケツだけ星人のキレがさらに増した。

「それでこうしておケツを触れ合わせるのがケツだけ星人流の仲直りだゾ!これでオラ達おシリ合いですな~」
「ひ~ん……どこでそんなの学んだのぶりぶり~!」

 しんのすけのお尻と、セーラー服のスカートと紅白の縞パンツから露出したリベッチオの色違いのお尻が、ぶにゅ、ぶにゅ、と何度も触れ合う。

「宇宙から来たケツだけ星人の皆と仲直りしたとき~。思えばあの時もシロのおケツに爆弾ついちゃって大変でしたな~」
「ぶりぶり~ちょっとまってケツだけ星人って実在するのケツだけ星人ぶりぶり~!」

 ケツだけ星人をするリベッチオの身体は、何故か考案者のしんのすけには従順で、かつ動きをシンクロさせてブレのないケツだけ星人のデュエットを完成させていた。

「…………はっ」

 変態の精神的結界ともいえる光景の前にポカンと口を開けたまま固まっていたなのはだったが、正気を取り戻す。

(あの子の口ぶりからしてきっと無理やりやらされているんだ……なら、止めてあげてお話を聞かないと!)

 本心を言えばケツだけ星人をするしんのすけとリベッチオの間に入るのは若干躊躇われたが、勇気を出してなのはは飛び出した。

「――えーいっ!!」
「ぶりぶり~……あっ!?」
「おお?」

 なのははリベッチオの背後からその身体をガシッと掴み、その動きを無理やりにでも止めようとする。

「止まってー!」
「わーっ!なのはちゃんが抱きついたー!恋人どーしだ!」
「「違うから!!断じて!!」」

 しんのすけの言葉を猛烈に否定するなのはとリベッチオ。
 余談だが、背後からリベッチオを掴むなのはの姿勢は傍から見れば交尾姿勢のようになっていたことを付け加えておく。


§


 幸いなことに、なのはがリベッチオを止めに入ってからすぐにリベッチオのケツだけ星人は収まった。
 なのはとしんのすけにとってはようやく出会えることのできた他の参加者である。
 できれば話し合って協力を取り付けたいところであったが、そう簡単にはいかなかった。

「うえ~~~~~~ん!!あの踊り見られちゃったよぉ……もう人前に出れないよぉ……」

 リベッチオはふたば幼稚園の中に場を移すこともなく、その場にへたり込んで泣き喚いていた。
 なのはも気持ちはすごくよくわかる。幼稚園児のしんのすけならばともかく、下品な踊りをさせられているのを見ず知らずの他人に見られるなど恥ずかしいどころではない。

「だ、大丈夫だよ!私、ここで見たこと誰にも言わないから……ね、しんちゃん!」
「やれやれ……これだから子どもは困りますなあ」
「キミも子どもだし一緒に踊ってたよね!?」
「ま、まあまあ……」

 しんのすけに怒るリベッチオを、なのははどうにか宥める。

「その……話せればでいいから一つだけ聞いていいかな?どうしてアレを踊ってたのかなーって……しんちゃんとは知り合いじゃないよね?」
「うん、その子とははじめて会ったよ。なんでアレをやってたかっていうとね――」

 そうして、リベッチオは時限バカ弾の罠によって自分がバカな真似をさせられていたことを、言葉を詰まらせながら語った。

「うぅ~……自分で言うのも恥ずかしいよぉ~」
「あ、ありがとう……。それにしても、バカなことをさせられる爆弾……か。それって――」
「……エロトラップってやつだと思う」

 悪趣味にも程がある。
 なのはも同じ目に遭っていたかもしれないと思うと、とても他人事とは思えない。

「でも、なんでその子もアレができたんだろ」
「オラ、野原しんのすけだゾ!ピッチピチの幼稚園児なの♡しんちゃんって呼ぶといいゾ!」
「……しんちゃん」
「それに、アレじゃなくて『ケツだけ星人』だゾ。オラが考えた必殺技~」
「必殺……技……?」
「しんちゃんは、あのヒエールやマカオとジョマって人を倒したことがあるみたいなの。もしかしたらその影響かも……」
「おおっ、オラの必殺技コピーされた!?」

 謎は絶えないし、騒がしく衝撃的すぎるファーストコンタクトだった。だが、これまでのやり取りで分かったことがある。

「えっと……殺し合いには乗ってない、よね」
「うん。すごく恥ずかしい思いはしたけど……しんちゃんもちょっとヘンだけど仲良くしたいと思ってくれてるみたいだし」
「お互い、警戒する必要なくなっちゃったね」
「おシリ合いになりましたからな~」

 なのは、リベッチオ、そしてしんのすけは笑い合う。
 リベッチオはすっかり落ち着きを取り戻したようで、立ち上がり改めてなのはに向き合った。

「とにかく、さっきは止めてくれてありがとう。グラッチェ!」
「オラはオラは~!?オラ達もうおシリ合いなのに~」
「あはは……そうね。もう知り合いだもんね!ありがとう、しんちゃん」

 改めて、リベッチオはなのはとしんのすけに微笑みながら礼を言った。

「そういえば色々とありすぎて、まだあなたの名前聞いてなかったね。聞かせてくれる?」
「あ、そうだったね!名前はリベ――」

 そう、リベッチオが自己紹介しようとした時だった。


――ドスン!!


 突然、轟音と共に地面が揺れ、3人の身体が地面から跳ねた。

「ッ!?」
「おおっ!?」

 辺りの空気が一変する。
 反射的に、リベッチオとなのははしんのすけを庇うように前に出て、警戒態勢に入る。

「今の地響き……なんだろう」
「分からない……もしものことがあるから、2人とも下がってて。リベは艦娘だから、いざとなったら――」
「かんづめ?」
「艦娘!」

 即座にしんのすけの言い間違いをリベッチオが訂正する。
 なのはもリベッチオも、もっと互いのことを知りたかったのだが今は自己紹介をしているような状況ではない。

「おおっ……2人とも見て!」

 すると、しんのすけは宵闇の中から何か見つけたのか、目を輝かせる。

「でっかいロボットがいるゾ!」
「「えっ」」

 素っ頓狂な声を上げながらしんのすけと同じ方向を見ると――本当にいたのだ。
 夜空に紛れてそびえたつ黒い影から浮き上がる、なのは、しんのすけ、リベッチオとは比べ物にならない巨体が。そこから微かに光るメタリックなボディ。扇状の盾を身体に貼り付けたかのような外見が目立つ。

「ほ……本当にロボット……」
「……すごいことに巻き込まれちゃったんだね、リベ達……」

 なのはもリベッチオも、漫画とかアニメのようなフィクションでしか見たことのない、男の子が憧れるような、巨大な人型の機械が、自分たちを見下ろしている。あまりにも現実離れした光景に呆然としていた。

「おおーっ!オラにも乗せてー!」
「……はっ!しんちゃん、ダメっ!」

 リベッチオは無邪気にロボットの方へと向かおうとするしんのすけの身体を、咄嗟に抱きかかえて止める。

「えー!なんでー!?」
「あのロボット……なんだか、うまく説明できないけどすごくヤな感じがするの」

 嫌な汗を掻きながら、リベッチオが言う。
 このロボットを見ていると、理由もない恐怖感に晒されるのだ。それは理屈で片づけられるものでもなく、もっと本当的なものだった。

「私もそう思う。あれ……多分だけど、NPCだから」

 リベッチオはハッとしてなのはの方を見る。
 確かに、リベッチオからしても巨大ロボットは『強すぎる』。そんな強すぎるモノを支給してゲームを破壊されるような真似を主催がするとは思えない。あのロボット(を操縦している誰か)はNPCと見て間違いないだろう。
 NPCはヒエール曰く「そいつらは率先して君たち参加者を性的な意味で襲いかかるように細工している」存在。少なくとも、参加者の味方ではない。
 やがて、大勢の足音がロボットのいる方面から聞こえてくる。

「あの人達……銃を持ってる」

 リベッチオが声を震わせながら言葉を絞り出す。
 足音のする方面を目を凝らしてよく見ると、フルフェイスのメットと暗い色の戦闘服に身を包んだ兵が、こちらに向かっていた。

「……どうしよう?リベ達のデイバックをひっくり返してる暇なんてないし……まともな武器もないし……」
「……逃げよう。あのロボットや武装した兵相手に私達が敵いそうもないよ!」

 そう言って、なのはとリベッチオはそれぞれしんのすけと手を繋いで、ロボットのいる場所とは反対方向に駆け出そうとする。
 武器と言えばしんのすけのSPタイムスーツと金属バットがあるにはあるが、流石に巨大ロボットと武装兵を相手にしんのすけを宛がう気にはなれない。

「えー!やだやだっ!オラあのロボットとお近づきになりたいゾ!」
「しんちゃん今は我慢して!」
「リベだってまだ名簿すら見てないんだから!」

 なのはとリベッチオは駄々をこねるしんのすけを宥めながら、走る。

「やれやれ……最近の子どもは落ち着きがありませんなあ~」
「「それはしんちゃんでしょ!」」

 年上の少女2人に手を引っ張られながら、しんのすけも渋々走り出した。

――しかしその瞬間、巨大ロボットの一部分が発光したかと思うと、なのは、しんのすけ、リベッチオのすぐ後ろで爆発の如き衝撃が起こり、3人とも吹き飛ばされたのだ。

 直撃は免れたが、全員が地面に倒れ伏す。

「う……一体何が……」

 なのははすぐに顔を上げ、しんのすけとリベッチオの無事を確認する。後方では、地面が大きく穿たれていた。

「大丈夫!?えっと……ナノハだよね?」
「うん、それで合ってるよ!私は大丈夫!」

 リベッチオは既に立ち上がっており、目立った傷もない。ひとまず、なのははリベッチオの呼びかけに首を縦に振る。

「しんちゃん!大丈夫……しんちゃん!?」
「う~ん……」

 だが、しんのすけのでこには流血はしていないものの傷があり、軽い脳震盪を起こしているようだった。

「……頭を強く打っただけだから、大丈夫だと思う」
「よかった……」

 リベッチオの言葉になのはは安堵する。しかし、まだ緊張を解くには早い。
 なのは、リベッチオはしんのすけの前に出て、険しい表情で巨大ロボットの方を見る。ロボットにはその巨体に見合うサイズの銃が握られており、3人は恐らくあれで攻撃されたのだろう。

「あのロボット……多分リベ達から敢えて狙いを外したんだと思う」
「え……それって……」
「リベ達を殺すんじゃなくて足止めしてる。きっと、捕まえるつもり」

 リベッチオは一応、艦娘としての実戦経験もあるからか、なんとなく分かる。
 あのロボットと兵の正体が何かは分からないが、自分達に近づいてくる兵が銃撃してこないあたり殺すつもりがないのは確かだ。

「……」
「……」

 顔を見合わせるなのはとリベッチオ。
 兵の軍勢は急速に距離を詰めてきており、あのロボットも地面を揺らしながらこちらに向けて歩を進めてきている。
 足止めを食らったためか、このまま走って逃げることは不可能だろう。こうなっては、残された手段は一つ。

――誰かが囮になるしかない。

「ナノハ、しんちゃんをリベのデイバックに入れて、このまま逃げて。リベの姉妹に、マエストラーレ、グレカーレ、シロッコって言う子がいるんだけど、もしも巻き込まれていたらその子達を頼って!」

 早口で挙げられたその名前を聞いて、なのはは息を呑む。なのはは知っていた。リベッチオの姉妹、マエストラーレ、グレカーレ、シロッコという名が名簿にあったことを。

「そんなことできないよ!私が残るからあなたがしんちゃんと逃げて!えっと、リベ……」
「リベッチオ。リベでいいよ。もう時間がないから!早く!」
「駄目だよ!リベちゃんだって家族がいるのに……」

 どちらかがここに残って敵を引き付けなければいけないこと、そしてこのままではしんのすけを含む全員が助からないことは分かっていた。
 だが、なのはとリベッチオは平行線を辿る。片や同じ悲しみを繰り返さない、片や守りたいという強い想いが邪魔をして、互いに譲らない――否、譲れなかった。

――ドスン!!

 その時、なのはとリベッチオの譲り合いに喝を入れるかのように強い地響きが辺りを襲う。

「「ッ!!」」

 なのはとリベッチオが気づいたときには、あの巨大ロボットと武装した兵がすぐ近くに迫っていた。それは、タイムリミットが来たということでもあった。

「リベちゃん、せめてしんちゃんだけでも!」
「うん!」

 咄嗟に、リベッチオは未だに意識が朦朧としているしんのすけの身体を無理やり自分のデイバックの中に詰め込み、なのはとしんのすけのデイバック共々、明後日の方向に放り投げた。空を舞ったデイバックの塊は彼方へと飛んでいき、宵闇の中へと消えていった。
 せめて、しんのすけには無事でいてほしい――この想いは、なのはもリベッチオも同じだった。

「……結局、2人とも残っちゃったね」
「しんちゃん、大丈夫かな」
「……大丈夫だよ。しんちゃんはああ見えてすっごく強い子だから」
「……ゴメンね、付き合わせちゃって。リベ、艦娘としてしんちゃんやナノハみたいな小さい子だけは守らないとって思ってたのに」
「リベちゃんが気を遣わなくっていいよ。私……これでも魔法使いだから」
「えっ、ナノハって魔法使いなの!?」

 リベッチオは驚いてなのはを見るが、それ以上の話はできなさそうだった。
 丸腰のなのはとリベッチオを、兵達は取り囲み、銃を向ける。
 不幸中の幸いか、敵はデイバックの中に入ったしんのすけに興味はないらしく、リベッチオの投擲したものを探しに行く兵はいなかった。

「……お話は後になりそうだね」
「っ……」

 なのはとリベッチオは背中合わせになり両手を上げた。


§


――それから、さらに数十分の時が経った。

「なのはちゃーん!リベちゃーん!」

 ふたば幼稚園のある区画で、しんのすけが3つのデイバックを担ぎながら、殺し合いの会場で出会った2人の少女――なのはリベッチオを捜索していた。……ちなみに、リベッチオについては直接名乗られていないが、自分をリベと呼んでいたのでしんのすけも「リベちゃん」と呼んでいる。
 ふたば幼稚園の他にも民家が点在しているが、人の気配は全くと言っていいほどない。

「んも~、2人とも方向音痴なんだから~」

 しんのすけはボヤいているが、なのはとリベッチオが心配なのは本当だ。目覚めてから死に物狂いでデイバックから這い出たと思ったら、あの巨大ロボットは勿論のこと、自分達を追っていた兵隊さんも、なのはとリベッチオもみんな姿を消していた。

――なのはちゃん……オラが起きてからも辛そうなカオを時々見せてたゾ。フェイトちゃんが死んじゃって一人ぼっちだから、オラがいてあげないと……。
――リベちゃん。せっかくおシリ合いになったのに、まだリベちゃんのことなんにも知らないゾ……リベちゃんの言ってた『かんづめ』って何なのか、オラ知りたいゾ……。

「――そんなだとキレイなおねいさんになれないゾ!ずっと子どものままだゾ!」

 わざと周囲に聞こえるように大きな声を上げてみる。しかし、返答はない。もしかしたら2人とも怒って出てきてくれるかも、という淡い期待を込めたのだが、空回りに終わった。

「もー!どこにいるの!オラをこんな袋に詰め込んでおいてゴメンの一言もないなんてチョコビ分けてあげないゾ!」

 そう言って、しんのすけは駆け回りながら更に念入りに探してみる。目につく民家の中はもちろん、その軒下も探したし、ふたば幼稚園に戻ってひまわり組以外のの教室も探した。女子トイレは流石に中を覗くだけに留めたが、男子トイレには入ってついでに大きい方の用を足しておいた。

「うーむ、困りましたな~」

 しんのすけはひまわり組の教室に戻り、考え込む。とにかく探すだけ探して、見つかったものと言えば、何かが爆ぜた跡のようなクレーターと――。

「これ、なのはちゃんとリベちゃんが着てた服に似てるような……?」

――その付近にあった服の残骸とも言える布の切れ端の山だった。かなり乱雑に破かれたようで、もはや服の原型を留めていない。しんのすけの言う通り、色合いや布の質感がなのはの私服やリベッチオのセーラー服に似ていた。

「おおっ?……おパンツは無事、と」

 しかし、その布の残骸の中でも下着だけは無事に残っていた。しんのすけの発掘した下着は、2つ。そのうち1つは、赤と白の横縞模様のパンツだった。

「……どっちもみさえのスケスケ下着よりかは健康的ですな~」

 しんのすけは、極めて正直な感想を言った。
 そして気付く。しんのすけの持つ縞パンツは、リベッチオと『おシリ合い』になった時に垣間見えていたパンツと同じであることに。

「これ……ホントになのはちゃんとリベちゃんの服……!?」

 それを悟ったしんのすけは、いつでも2人に服を返せるようにと、服の残骸とパンツをまとめて、自分のデイバックに突っ込んだ。
 しかし、まだ疑問が残る。なぜあそこになのはとリベッチオの服が捨てられていたか、だ。

「うーむ……あれがなのはちゃんとリベちゃんの服だったとして、どうしてこんなビリビリに破かれてるんだ……お風呂に入りたくってついビリビリに破いちゃったとか……?でも近くにお風呂なんてないし……ケツだけ星人やぞうさんをするにしてもすっぽんぽんにならなくていいゾ……」

 しんのすけなりに推理してみるも、答えは見えてこない。なぜなのはとリベッチオがロボットごと姿を消したのか、しんのすけには理解できないままだった。

「……考えてるとお腹空いて来たゾ」

 しんのすけは考えることをやめ、ひとまず食事にありつくために適当なデイバックに手を突っ込んで、手当たり次第に抜き取る。
 しかし、出てきたのは参加者名簿と基本ルールをまとめた紙に、媚薬。苛つきながらも、しんのすけはめげずにデイバックから手についた物を取り出した。

「おお?」

 しんのすけの手が握っていたのは、透き通るような赤い玉だった。

「おおー……」

 しんのすけは赤い玉をじっと見つめる。

『失礼、マスターの居場所をご存知ですか?』
「お、おねいさん!?どこどこ?」

 突然、教室内に大人の女性の声が響く。しんのすけは興奮して教室中を見回すも、しんのすけ以外に誰もいない。

「何だったんだろ……?まいいや」

 気のせいだと思い、しんのすけは再び赤い玉を輝いた瞳で見つめる。
 そして――赤い玉を口に運ぼうとした。


§


 しんのすけの取り出した赤い宝玉――リベッチオのデイバックに支給されていたレイジングハートがしんのすけにまず聞いたのは、主である高町なのはの居場所だった。

「何だったんだろ……?まいいや」

 しかし、声の主が赤い宝玉だとは露も思われていないようだったため、再びレイジングハートはしんのすけに声をかけようとする。
 が、その瞬間にレイジングハートはしんのすけから自身に向けられている視線に気づいてしまう。
 輝く瞳に微かな腹の音。「どんな味がするんだろう」とでも言いたげな、未知のお菓子に対する期待の眼差し。

「……」
『……』

 徐々に、レイジングハートを握る手と目の前の少年の口の距離が狭まってくる。

――まさか。

『……私はキャンディではありません』

 少しずつ、少しずつしんのすけの口が近づいてきて、しんのすけが大口を開ける。

『……私はキャンディではありません!』

 必死にレイジングハートが呼びかけるも、しんのすけには届かない。

『私はキャンディではありません!!!』
「んん!?」

 すると、レイジングハートの叫びにしんのすけは驚いて。

――ごくん。

 哀れ、レイジングハートはしんのすけに呑み込まれてしまったのだった。


§


「呑んじゃった……イチゴ味のアメかと思ったら味しなかったゾ……」
『……仮のマスター』
「あ、おねいさんの声!誰もおねいさんをキャンディだなんて思ってないからオラの前に出てきてほしいゾ!」

 よりにもよって、高町なのはの相棒とも言えるレイジングハートを呑み込んでしまったとは思わず、レイジングハートの音声にデレデレしながら返答するしんのすけ。
 一応、声自体は聞こえていたが、呑み込むその時まで赤い玉が声を発しているとは気づかなかったようだ。

『私はここです。あなたの胃の中です。あなたが呑み込んだ赤い宝石です』
「おおっ!?おねいさんあのタマタマだったの!?」

 ようやく気付くしんのすけだったが、こうなっては何もかも遅かった。

『仮のマスター、一言だけ言わせてください』
「仮のマスターじゃないゾ。オラ、野原しんのすけ5さい!しんちゃん、って呼んで」
『……では、しんちゃん』
「ほーい」
『――何ということをしてくれたのでしょう』
「いや~それほどでも~」
『褒めてません』


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