第一次:戦評:7日目

7日目


昨日の結果アナウンス、そして7日目のイベントが告知されると、一気に情報戦が加速する。

セイバー(本当はているだが)に呼び出されたランサー陣営はいよいよ、自分が窮地に追い込まれていると自覚した。
そこで共闘を持ち掛けたのは、よりによって聖堂教会のている。
最もランサー陣営の退場を願い、ランサーを仕留めるために指揮を取っている相手だった。
もちろんマスターているは共闘を断る。

続いてマスタータイターが共闘を申し込んだのは、よりによってマスターているの協力者であるマスター相馬であった。
全ての情報はバーサーカー・キャスター組で共有されており、ランサー陣営は完全に掌の上で踊らされていた。
しまいには泳がせるために、マスター相馬はランサー陣営と共闘するフリをすることになった。
ランサー陣営がマスター相馬に話したことは、そのままキャスター陣営にも伝えられてしまう。
いよいよランサーを狩り獲る段階に入ったように思えた。

ランサー陣営以外の6陣営3組がすでに共闘関係にあるので、6日目から共闘を持ち掛けるのは流石に厳しかった。
まだ目があるのは、他2陣営より弱い自覚のあるアーチャー・アサシン陣営だが、周りから狙われているランサーを匿うとは考えづらかった。
どの陣営からしても、ランサーを助けるメリットがないのだ。

マスターすてらのもとに、何故か同時に2つの短信が届いた。
一つは匿名(ている)から「明日ランサーがお前の本拠地に行くから、追撃で仕留めたらいいんじゃね?」という内容。
一つはマスターはるから「明日は魔術協会の支部に行くから邪魔しないでくれ。お前のサーヴァントのスキルは知っている」
という内容であった。
二つの短信ともに言っていることは事実でブラフではないのだが、マスターすてら視点は怪しくてしょうがない。
どちらにせよ、ランサーを倒すために明日のイベントを全て無視するメリットがセイバー陣営にあるのか? というところだろう。

そしてマスター相馬がランサーから情報を引き出すことで、ついにあの誤解が解けることになった。
そう、敵ユニットを誘導するスキルを持つのが、ランサーではなくセイバーだということに辿り着いたのだ。
マスタータイターが嘘などつける立場ではないと、マスター相馬も理解しているのだろう。
自分の仕業ではないというマスタータイターの主張を信じた。

やはり情報戦では圧倒的にバーサーカー・キャスター組が強い。ただバーサーカー陣営がアイテム、特に石が少ないのは気になるか。

ここでマスターすてらが動く。
実はマスターすてらが匿名(ている)の返信を匿名(相馬)のものと勘違いして短信を返したのだ。
バーサーカー・キャスター陣営は情報を共有しているものの、互いにそれぞれ別陣営とも密談している。
よって、こういう混線が起きたのだ。
問題はこれに対してマスターているが返信をしなかったことだ。
マスターすてらからすれば、散々にランサーへの攻撃を迫っておきながら、一方的に返事が切られたように思ったのだろう。
これを敵対行為と見なして、マスタータイターへと連絡を取ったのだ。

ずばり「挑戦状を送ったのは自分ではないし、敵対するつもりもない。お前は誰かに騙されていないか?」と。

最初は相馬サイドを信じ「あれだけ敵対しておいて今さら何を」と一蹴したタイターであった。
しかし、すてらの主張を聞いて考え直した。
あれだけ明確に敵対しておいて、突然に「敵対する意思はない」と短信する違和感に気付いたのだろうか?
タイターは相馬とすてらの二人と情報交換をしていき、誰か第三者が自分をハメているのだと理解した。
その相手は相馬の同盟相手のているなのだが、タイターは相馬・ているの繋がりには気付いていないようだった。

ここにきてバーサーカー・キャスター陣営の情報戦略の巧みさが浮き彫りになる。
相馬は堂々と名乗ってタイターやすてらと接触を図る。
ているは匿名の短信を送るなどして攪乱していく。
これで、相馬とているがまさか組んでいるとは誰も考えつかないだろう。

しかし思いのほか、みんながみんな正直に得た情報を相手に話すことで、この4陣営間での情報量がかなり増えた。
ただタイターが「すてらとも連絡を取っている」と相馬に話してしまったことは痛いと思った。
相馬・ているサイドでは、上手い事ランサーとセイバーをぶつけられていると確信していただろう。
だがタイターとすてらが繋がっていると知ってしまえば、自分たちの悪だくみが露見している可能性も視野に入れるはずだ。
警戒心はあがりランサーを生かす価値がなくなるのではないかと思われた。

一方で、タイターがすてらから得た話を全部相馬に流すことで、相馬たちにも混乱が生じた。
マスターはるがすてらに一方的に短信で宣言した「魔術師協会の支部攻め」の話を相馬がまた訊きした結果、
すてらとはるも繋がっているのではないかと思ったのだ。
そう考えると自分たち以外の3陣営以上が内通している可能性も浮上してくる。

絶望的に思われたランサー陣営のタイターだったが、彼を軸にしたセイバー陣営とバーサーカー陣営の探り合いの形になったことで、
牽制のためにしばらくキープされる可能性が出てきた。

混沌とした情報戦は危険な領域へと突入していく……。
最終更新:2018年06月29日 13:33