16日目の準備期間
聖晶石獲得数トップになったセイバー。
ライダー以外の全陣営と完全に敵対したが、そのタイミングとしては最高だろう。
そしてライダー陣営は現状を維持したまま戦争の終了を目論む。
しかしながら、秘匿の
勝利条件とライダーの性格が不一致のため、このまま大人しくしていることにはならないだろう。
逃げ切りに失敗したアサシン陣営。
圧倒的なアイテム保有数ではあるが、唯一孤立した状態になっている。
単純な戦闘であれば最強だろうが、他の陣営も宝具展開前のアサシンを狙う方法を編み出している。
殲滅勝利を狙うしかないバーサーカーとランサーは一蓮托生。
ランサーとそのマスターによる一撃必殺の可能性は残っている。
ただマスターすてらが令呪を3画全て残しているため、圧倒的に優位な立場にあると思われる。
また終盤の石の取り合いとなれば、セイバーのスキルでの誘導がある上に、アーチャーも動かせるので他の陣営は厳しいか。
まずこの日、セイバーを直接対決で退けて使い物にならなくすることが求められる。
16日目の夜
セイバー陣営の作戦は完璧だった。
自身とセイバーは『ありふれた高校』に行き、セイバーのスキルで敵ユニットを全て引き付ける。
そして聖晶石のある『普通の一軒家』にはアーチャーを配置し、石を獲得する。
案の定、聖晶石を獲りに来たアサシンがスキルに引っ掛かり『ありふれた高校』に向かう。
これはアーチャーからすれば最高の展開だ。
自身はアサシン特攻スキルを保持しており、マスターはスキル【天穹の弓】で狙撃を命じられている。
アサシンの強化された敏捷を更に上回る敏捷を備えており、宝具展開前に致命傷を与えられる。
つまりセイバー陣営は戦わずしてアサシンを退け、マスターはるの令呪を一画失わせることに成功する。
――はずだった。
GMも驚いた。
念のためにセイバーのスキルを確認した時のことである。
【麗しの風貌C】:使用
同じエリアに「移動」「索敵」してきた敵を全て自身のいる場所に引き寄せる。
お判りいただけただろうか?
そう。
このスキルは「探索」で移動してきた敵は引き寄せることができないのだ。
いやしかし、この終盤でまだ『普通の一軒家』を見つけていない陣営がいるのか?
いるのだ。
ランサー陣営、マスタータイター。
彼はマスター相馬から『普通の一軒家』が恐らく中心部エリアにあると教えられ、
聖晶石の獲得妨害のためにランサーを「探索」で派遣していたのだ。
まさか、情報が不足していることが有利に働く展開があるとは、GMも全く想定していなかった。
狙撃体勢に入ったアーチャーの背後に、隠密行動を成功させたランサーが近づく。
アーチャーとランサーというクラス相性以上に、そもそもサーヴァント性能的にランサーはアーチャーの天敵だった。
不意打ちがアーチャーの霊基を一撃で削り切る。
そして、アーチャーは何もできぬままに倒れた。
この展開は最終盤の現状、かなり大きなターニングポイントだったと思われる。
アタランテ獲得のために2日以上を費やしたマスターすてらからすると、正直な話、アタランテは役に立ってもらう前に殺されてしまった形になる。
他の陣営からしても、宝具を展開されれば手に負えないアサシンに対し、スキルだけで一方的に勝てるアーチャーが消えてしまった。
もっとも、ここでランサーがアーチャーを殺さねば、マスターすてらが聖晶石勝利の条件を満たしていたので、マスタータイターは御手柄と言えよう。
アーチャーは死ぬ間際に、宝具を発動した。
特に狙いは指示されておらず、サーヴァントの独断での発動だったので、狙う場所はダイスに任せることになった。
そして、選ばれたのは『山頂の寺院』だった。
これは、凄い確率である。
GMも思わず変な声が出てしまった。
何故なら、このターンにマスターはるが、マスタータイターに脅迫状を出して『山頂の寺院』に呼び出したからだ。
奇しくも自分を倒したマスター相手に、一矢報いるチャンスが生まれたアタランテ。
だが、しかし。彼女は本当に無念の内に消滅していっただろう。
セイバー陣営事態が不運に見舞われやすい戦争であったが、とりわけ、アタランテ自身は絶対幸運E以下だろうという不遇具合だった。
さて、アーチャーを失ったセイバーと、スキルで誘導されてきたアサシンの対決。
現在、聖晶石8個でトップを争っている二陣営の直接対決だ。そして、実は初めてのマッチアップでもある。
刑部姫はいつものように宝具を展開、超強力なステータス補強を得る。
そして一番厄介と言えるかもしれない、敵スキルの打ち消しでデオンのスキル発動を止めていく。
先制攻撃でデオンは160ものダメージを負い、折角回復した霊基をほとんど吹き飛ばされてしまった。
ここで、負けじとデオンは宝具を発動。
まずは強力なデバフ。さらに追加効果の判定だ。
しかし相手は幸運の高い刑部姫。
追加効果の回避率は70%を示している。
だが、ここでまさかの回避失敗。
刑部姫は更にスタンとデバフを追加された。
この2番目のデバフを掛けられたことが、セイバー陣営の唯一の救いだろう。
このデバフは明日のターン終了時に自動解除されるものの、スキルの使用を禁ずるもの。
刑部姫からすれば、明日はほぼ確実に機能停止せざるを得ない。
さらにこの戦闘中でも、スキル打ち消しを無効化され、デオンのダメージプラススキルをそのまま通される。
ただし刑部姫は宝具だけでもダメージカット30がついているので、デオンが与えられるダメージは10のみであった。
上手くいけば10ずつのダメージで刻み続けられるところだったが、そこまで幸運は続かない。
次なる刑部姫の攻撃で、デオンは致命の一撃を受けて、マスターすてらは令呪を消費して撤退した。
つくづく、アーチャーの元にランサーが辿り着いてしまったのが悔やまれる展開だ。
セイバーは深手を負った上に、正面から戦っては勝てない相手だと思い知らされた。
しかし、アサシンを機能停止に追い込んだのは大きい。
再び聖晶石勝利を宣言される可能性は皆無になったからだ。
マスター相馬と茨木童子は、呼び出された通りに埠頭に向かった。
そこにはアーチャーの宝具によって矢の雨が降り注いだ。
マスターごと巻き込む宝具なので、茨木童子はマスターを庇って追加でダメージを負った。
いざというときの為に、別の場所からスナイパーライフルを構えていたマスタータイターも空振りという形になる。
マスター二連とライダーは
本拠地で準備を万端にする。
ライダー、イスカンダルは決戦を渇望していた。このままセイバーを援護し続けての勝利は望まないようだ。
更に、アーチャーが消滅したことで、聖杯の器から聖晶石を一つ獲得した。
明日はセイバー、アサシンは動けないだろう。
よってバーサーカー、ランサー、ライダーのみの戦いになる。それは2対1を意味する。
GM視点からすると、明日はバーサーカー・ランサー同盟に聖晶石は渡してライダーも見に徹するべきだと思われた。
またマスター単独行動で、聖晶石をマスターすてらに渡しにいくのも強い行動だろう。
最終更新:2018年06月29日 13:49