目次
概要
| 状態 | 解決 |
| 犯人 | 林振華 |
| 被害者 | 2人死亡、1人負傷 |
| 罪状 | 強盗殺人、強盗殺人未遂、住居侵入、窃盗 |
| 判決 | 死刑(未執行) |
| 発生国 | 日本 |
| 発生年 | 2009年 |
| 残虐度 | ★★★☆☆ |
| 計画性 | ★★☆☆☆ |
| 影響力 | ★★★☆☆ |
十分に証拠隠滅が行われる前に警察が到着したため物証は複数存在したが、初動捜査の不手際により三年間未解決であった。そのため第二の世田谷一家殺害事件とも呼ばれた。
近鉄名古屋駅に移動し、同じ電車に乗り合わせた女性に強盗することを考え、女性の降車駅の近鉄蟹江駅まで追いかけたたが、こちらも失敗。
しかし、すぐに母親のY.K.さん(以下Kさん)と鉢合わせてしまう。「誰やお前」(「何やお前」)と声をかけられ、驚いた林は逃げようとしたが服をつかまれた。逃げようと思えば逃げることも可能だったが、大金を得る最後のチャンスだったことなどから、Kさんの頭部を複数回モンキーレンチで全力で殴り、外傷性脳挫傷により殺害。
Kさんの顔面は下あごの粉砕骨折を伴う挫傷と5か所の刺し傷、頭には19か所の傷があり、中には頭蓋骨を貫通し脳に達する傷すらもあった。
林はこの間に着けていたマスクが外れており、顔を見られたと思い、殺すしかないと考えた。そうして被害者宅にあった包丁を持ち出し、刃が折れ曲がるほど強い力で刺殺した。
世田谷事件でも犯人の異常性として事件後家に長い間滞在したことがよく話題に挙げられるが、案外こういった理由で留まっていただけかもしれない…。
捜査の迷走
これについてのちに設立される特捜本部副部長は「ミスはなかったと判断している」とコメントをした。現場保存やIさんの治療を優先するべきだと判断したからだという。
居間の床には血をぬぐった跡、室内に残されていたスパナにも血をふいた跡があり、Kさんの遺体は1階和室の押し入れの中で毛布をかけられていた。Mさんは、同じ和室の布団のうえで仰向けに倒れていた。凶器の包丁の柄は洗面所の洗面台の上で、刃は水を張った洗面台の中につかり、血を流し落とした跡があった。
洗面所隣の風呂場の浴槽にも水が張ってあり、中には血の付いた毛布とタオル、衣類が入っていた。水の濁りは薄く、その血液の量から、一度水洗いしたものをさらにきれいにしようとしたらしい。
証拠隠滅の形跡が現場に残されていたが、最も重要な証拠であるスパナと包丁、小刀はいずれも室内に残されていた。(*7)
これがなければ事件は未解決のままであった可能性が高く、犯人が判明したとしても林が中国へ帰国し行方が分からなくなる可能性は十分にあったと思われる。
裁判
第一審
第一審では法定刑が非常に重い強盗殺人罪の成立が主な争点となった。
さらに、永山基準に照らし、三男を刺したあとに暴行を止めていることなどにも触れ、「残虐とは言えない。前科も万引きだけで、犯行時は25歳と若い」として死刑の回避を求めた。
あらかじめ強盗や殺人を計画していなかったものの、現金を奪う目的で凶器を持ち、家人がいると知りながら侵入したことも指摘。「計画性がないことを理由に死刑が回避された事案と同列には考えられない」と判断した。(*12)
遺族への心情を問われると呻いたり証言台に頭をぶつけるなど、精神的に不安定な様子が見受けられた。最終陳述では「自分がやったこと、許せない。申し訳ありませんでした」と、か細い声で謝罪した。
判決を言い渡す間も、林はうつむき続け表情はうかがい知れなかったという。
林の母は林の退廷の際に嗚咽を漏らし、父は廷内に入ろうとして制止された。(*13)
控訴審
弁護側は一審同様殺人罪+窃盗罪の主張、および計画性のなさを主張し、一審の死刑判決の破棄を求め、検察側は控訴棄却を訴えた。(*14)
上告審
2018年9月6日に上告が棄却され、追って死刑判決が確定。