METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN
【めたるぎあそりっどふぁいぶ ざ ふぁんとむ ぺいん】
| ジャンル |
タクティカル エスピオナージ オペレーション |
ASINを正しく入力してください。 |
| 対応機種 |
PS4 / PS3 / Xbox One / Xbox 360 / PC |
| 発売・開発元 |
コナミデジタルエンタテインメント / 開発:小島プロダクション |
| 発売日 |
2015年9月2日 |
| 定価 |
8,400円 税抜 |
| レーティング |
CERO:D 17才以上対象 |
| 判定 |
賛否両論
|
「復讐の連鎖が刻む、史上最高峰の自由潜入」英雄スネーク最後の物語
概要
小島秀夫監督が手がけるメタルギアシリーズのナンバリング第5作にして実質的な最終作。
1984年のアフガニスタンとアフリカ大陸部を舞台に、前作で全てを失ったスネークことヴェノム・スネークが私設軍隊ダイヤモンド・ドッグズを率いて復讐を果たすストーリー。
シリーズ初となるオープンワールド制を採用し、プレイヤーが潜入ルートや時間帯、装備、相棒を選択して高度な戦略を組み立てられる自由潜入を実現している。
評価点
- ステルスアクションゲームとして極致に達した圧倒的な自由度と操作性
- 広大なオープンワールドのマップにおいて、どのようなルートから潜入し、いかなる手段で目標を達成するかをプレイヤー自身が自由に選択できる完璧なステルスシステム。
- レスポンスの良い操作感、プレイヤーの状況判断を補助するリフレックスモード、バディと呼ばれる相棒との連携など、アクションと潜入の面白さが極めて高いレベルで融合している。
- マザーベースの発展と兵士・資材フルトン回収の中毒性の高さ
- 戦場で敵兵士や兵器、資材をフルトン回収し、自分の拠点であるマザーベースを拡張・強化していくシミュレーション要素が非常に高い中毒性を誇る。
- ベースの発展に伴い新しい武器やガジェットが開発され、潜入の選択肢が爆発的に増えていくプレイサイクルが秀逸。
- FOX ENGINEによる圧倒的なグラフィックと緻密な空気感
- 自社開発エンジンによるフォトリアルな映像美と60フレーム動作の滑らかさが両立されており、時間経過や天候変化による視界や音の影響までリアルに再現されている。
- カセットテープによる世界観の深掘りと自由な情操鑑賞
- 無線会話の長尺化を避け、プレイ中に聞き流せるカセットテープ形式で背景設定や社会情勢を提示する手法が採用された。
- 80年代の名曲から劇中BGMまで様々なテープを収集し、潜入中やヘリ移動時に自由に再生できる演出がプレイヤーの没入感を高めている。
- バディシステムによる多様な戦術展開
- 言葉を持たない相棒クワイエットによる遠距離支援や、馬・犬・小型二足歩行兵器など用途に応じた相棒の切り替えにより、単独潜入とは一味異なる戦術の幅が生まれている。
- 直感的な潜入を支える高度な敵AIと攻略の柔軟性
- 敵兵士の視界や警戒レベルの調整が見事であり、一度発見された後もプレイヤーの行動パターンを学習して装備を強化していく学習機能が存在する。
- 夜間の潜入、昼間の強行突破、遠距離からの支援要請など、同じミッションであっても無数のアプローチ手段が保障されている。
- 洗練された武器カスタマイズ機能
- 拠点を発展させて熟練の技師を保護することで、多種多様な銃器のパーツを組み替えるカスタム機能が解禁される。
- サプレッサーの装着やスコープの換装、弾種の変更など、自分のプレイスタイルに特化したオリジナル装備を作成する楽しさが大きい。
- シリーズ過去作への緻密なオマージュと伏線回収
- メタルギアやメタルギア2、後のメタルギアソリッドにつながる年表上の欠落を埋める設定が盛り込まれており、シリーズを追い続けてきたファンに対する答え合わせとしての側面を持つ。
論争点
- シリーズの根幹を揺るがす真実の提示とプレイヤーの好みの乖離
- 終盤で明かされる主人公の正体や幻肢痛というテーマを象徴する衝撃的な結末について、シリーズの集大成として完璧な演出であると絶賛する層と、長年のヒーロー像を損ねられたと感じて失望する層で評価が激しく二分された。
- 従来の映画的カットシーンからテープ鑑賞中心への演出変化
- 過去作のような長大で映画的なカットシーンや無線対話が劇的に増加せず、主要な背景説明がカセットテープへ集約された点について、テンポが良いと肯定する声とストーリー展開があっさりしすぎているという批判で意見が割れた。
- マイクロトランザクション(課金要素)の存在
- ゲーム内通貨や前線基地の構築時間を短縮するための課金要素が導入されており、フルプライス作品におけるゲーム内課金の可否についてプレイヤー間で物議を醸した。
- ダンボールアクションのコミカルさと重厚なストーリーのギャップ
- シリーズ名物のダンボールを用いた多彩なアクションや滑稽なポスターによる敵の惑わしが今作でも健在である一方、ストーリー自体が非常にシリアスかつダークであるため、世界観のトーンに対する受け止め方に差が生じた。
問題点
- ミッション構造の重複と単調なサイドオプス
- サイドオプスと呼ばれるサブミッションの数が非常に多いものの、やるべき内容が敵兵の回収や特定目標の排除などに偏っており、次第に作業感が強くなる。
- メインミッションにおいても、同一エリアでの類似した潜入タスクが指定されるケースがあり、マップの広さに対してシチュエーションのバリエーションが不足している。
- マザーベース内の移動の手間と空間の空虚さ
- 巨大化したマザーベースは各プラットフォーム間が物理的に離れすぎており、徒歩や車両での移動に無駄な時間がかかる。
- 基地内で発生するイベントやインタラクションの数が少なく、広大な構造物に対して内部の密集感が薄い。
- クワイエットの離脱に伴う育成リソースと戦力のリセット
- ストーリーの進行に伴い、強力なバディであるクワイエットが強制的に使用不可となる展開が存在する。
- 彼女の育成や装備開発に多大な費用と時間を投じていたプレイヤーにとっては、戦力的な損失だけでなくゲームプレイ上のストレスとなった。
- 第2章における未完成感と未完のシナリオ
- ストーリー第1章の完成度に比べて第2章は過去ミッションの難易度上昇版による水増しが目立ち、物語の展開が急に失速する。
- 作中で重要な伏線であった特定の登場人物に関する最終決着イベントであるエピソード51が本編に収録されておらず、限定版の特典映像に未完成映像として収録されたのみであったため、未完成品として出荷されたという強い批判を受けた。
- 長大すぎる移動時間と広大さを持て余すオープンワールド構造
- マップが広大である反面、拠点間の移動やヘリからの降下・離脱演出の待ち時間が長く、ゲームテンポを損ねている。
- 潜入エリア以外は殺風景な荒野やジャングルが広がっており、オープンワールドとしての探索の面白さは乏しい。
- オンライン要素であるFOBの強制とリソース奪い合いの仕様
- 基地を拡張していく過程でオンラインの前線基地機能が組み込まれ、他プレイヤーからの侵入や資材・兵士の強奪が発生するため、ソロプレイを静かに楽しみたい層から不満が噴出した。
- 静かなスネークと描写不足な敵役の存在感
- 主人公であるスネークの発言数が過去作に比べて極端に少なく、受動的な態度に終始するため感情移入しづらい。
- 宿敵であるスカルフェイスとの決着があっけなく、ボスの魅力や掘り下げが不十分であるという指摘が多い。
- 直感的とは言い難い操作体系と煩雑な操作手順
- 武器やガジェットの切り替え、姿勢変更、障害物へのカバー移動など、アクションの選択肢が多い反面でボタン割り当てや操作手順が煩雑である。
- 局面ごとに要求される操作が多く、咄嗟の判断で意図しないアクションが誤爆しやすいため、慣れるまでに強い戸惑いを覚えるプレイヤーが少なくない。
- 過度なカメラ追従とブレによる酷い3D酔い
- 肩越し視点でのカメラ追従が非常にシビアであり、キャラクターのダイナミックな動きに合わせて画面が頻繁に揺れ動く。
- 設定でカメラブレを無効化・軽減した場合でも、近接した視点位置や急激な追従挙動自体は変わらないため、短時間のプレイでも深刻な3D酔いを引き起こしやすい。
総評
- 潜入アクションとしての完成度、自由度、操作性の高さはあらゆるステルスゲームの中でも頂点に位置する傑作である。
- しかし、開発遅延や開発者とメーカー側の対立報道が背景にある中で浮き彫りとなったストーリー後半の未完成感や未回収の伏線が大きな爪痕を残し、至高のアクション性と未完のドラマという二面性を持った賛否両論の一作となっている。
最終更新:2026年09月20日 13:23