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THE IDOLM@STER Dearly Stars

【あいどるますたー でぃありーすたーず】
ジャンル トップアイドルアドベンチャー
対応機種 ニンテンドーDS
発売・開発元 発売:バンダイナムコゲームス / 開発:マイクロビジョン
発売日 2009年9月17日
定価 5,980円(税抜・パッケージ版)
レーティング CERO:B (12才以上対象)
備考 『アイドルマスター』シリーズ「2nd VISION」第1弾作品
ポイント プレイヤーがプロデューサーではなく「アイドル自身」を操作するドラマ重視のADV
新事務所「876プロダクション」を舞台とした3人の主人公の独立したストーリー
DSの機能を活かしたパネルタッチによるレッスンやアピールシステム
判定 力作
アイドルマスターシリーズ

輝きの向こう側へ――新しい私たちがはじまる!


概要

  • 『アイドルマスター』シリーズの新たな展開として始動した「2nd VISION」の皮切りとなったニンテンドーDS向け作品。
  • 従来の「プロデューサーとしてアイドルを育成・プロデュースする」形式から大きく変更され、プレイヤー自身が「アイドル」となり、トップアイドルを目指して成長していくドラマ重視のアドベンチャーゲームとなっている。
  • 弱小芸能事務所「876(バンナム)プロダクション」に所属する日高愛、水谷絵理、秋月涼の3名が主人公であり、それぞれ全く異なるストーリーが展開される。

評価点

  • 物語が多岐に分岐するマルチエンディング方式
    • 本作における最大の特徴は、ストーリーのテーマである「プロデュースではなくアイドル自身の成長劇」が、実際のゲームプレイやテキスト展開と密接にリンクしている点である。
    • アイドルランクの昇格に伴ってストーリーが章仕立てで進み、各章の締めくくりとなるオーディションの合否や特定の選択肢によって物語が多岐に分岐するマルチエンディング方式を採用。
    • 高ランクを目指す途中で敗退した場合は単なるゲームオーバーにとどまらず、低ランクのバッドエンド的な結末も含めて多彩なストーリー展開へと直結する。
    • 主人公たちの進む道も一筋縄ではいかず、バラエティタレントを目指す愛だけでなく、劇中で絵理がライバルであるサイネリアをネットアイドルからプロデュースするような異色展開や、ミュージカル俳優・舞台スターとして才能を開花させていく涼など、従来のアイドルの枠に収まらない豊かな進路と成長のドラマが描き切られている。
  • 完成度の高い熱いストーリー
    • 伝説的アイドルの娘という重圧を抱える日高愛、ネットアイドルからリアルアイドルへ進出する水谷絵理、男性であることを隠して女装アイドルとしてデビューする秋月涼という、三人三様の葛藤と成長を描いたストーリーは非常に完成度が高く評価されている。
    • 「アイマスに成長劇を求める層」からの支持が厚く、王道の熱血ドラマから異色の超展開まで、バラエティに富んだコミュやシナリオが用意されている。
  • 個性的で魅力的なキャラクター
    • 765プロダクションのアイドルたちは従来のプロデューサー視点からではなく、「他事務所のアイドル視点」から描かれるという新しいアプローチが取られており、既存キャラの新たな魅力や頼もしさが浮き彫りになっている。
    • 新登場のライバルアイドル(サイネリアや桜井夢子など)も物語に深く関わり、世界観をより魅力的に彩っている。
  • ゲームシステムと世界観の一体感
    • プロデューサー視点からアイドル本人の視点へ変更されたことで、オーディションやレッスン、営業におけるアイドルの緊張感や達成感をダイレクトに体験できるよう設計されている。
    • バッドエンドを含めエンディングの種類が豊富であり、単なる挫折やゲームオーバーにとどまらず、別の道へ前向きに進むなど味わい深い分岐シナリオが楽しめる。
  • ニンテンドーDSの機能を活かしたレッスン・オーディション
    • タッチペンを使用した直感的なレッスンミニゲームや、アピールパネルをタイミングよくタッチするオーディションシステムなど、DSハードの特性を上手く落とし込んでいる。
  • 高品質なBGMと魅力的な新曲
    • 『HELLO!!』をはじめ、各アイドルの持ち歌(『ALRIGHT』『プリコグ』『Dazzling World』など)のクオリティが非常に高く、後のライブイベントや別作品への移植でも高い人気を誇る。

論争点

  • 「プロデュースゲーム」から「ストーリー重視のADV」への大幅な路線変更
    • 従来の『アイマス』の核であった「プロデューサーとしてアイドルを自分好みに育て上げる育成・シミュレーション要素」が薄れ、シナリオを読み進めるノベルADVに近いゲーム性になったことに対する賛否。
    • 「手軽に熱いストーリーを楽しめる」と好意的に受け止める層がいる一方で、「Pとしてアイドルと触れ合いたかった」という既存ファンからは物足りなさを指摘された。
  • 秋月涼の「女装男子アイドル」という異色の設定
    • シリーズ初となるグラフィック付きの男性アイドルであり、かつ「男であることを隠して女装アイドルとしてデビューする」という衝撃的な設定は賛否両論を呼んだ。
    • コミカルかつ丁寧に彼の苦悩を描いたシナリオ自体は高評価を得たものの、当時のアイマスファンの中には受け入れに抵抗を感じる層も一定数存在した。
  • 水谷絵理ルート(ランクC下位・アナザーエンド)における異色の鬱展開
    • ベストエンド以外の展開(アナザーエンド・アフター)の中でも、特に重苦しい結末を迎えるランクC下位ルートのシナリオについて賛否が分かれている。
    • このルートでは、ある理由から尾崎Pと決裂した絵理がアイドルを引退してネットアイドル(ネトア)へ戻るという異色の展開を辿る。「尾崎Pを信じられなくなった絵理」と「絵理を失って迷走する尾崎P」の歪んだ関係を軸に、サイネリアや秋月涼が絡み合う重厚なドラマが展開されるが、最大のポイントは尾崎Pと最後まで和解できない点にある。
    • 特に同ルートの敗退エンドは、シリーズ全体を見渡してもトップクラスと言えるほど後味の悪い陰惨かつ悲劇的な結末を迎えるため、その圧倒的な描写力を絶賛する声がある一方で、「アイマスでここまで重く胸糞悪いシナリオを見たくなかった」と難色を示す声もあり評価が大きく割れている。

問題点

  • 容量都合による収録曲数の少なさ
    • ゲーム内に収録されている楽曲数は全10曲(うち新曲は4曲、残り6曲は旧作からの引き継ぎ曲)となっており、従来の据え置き機版シリーズや音ゲー・音楽作品として期待した層からは「曲数が少ない」という不満が上がった。
    • ただし、これはDSのROMカセットという非常に限られた容量の中に、メインキャラ群の膨大なフルボイスや3Dライブ演出、緻密なストーリーデータを限界まで詰め込んだ結果であり、ハードのスペック仕様上いたし方ない側面も大きかった。
  • 一部サブキャラクターのボイス欠如による浮き彫り
    • 主人公勢や765プロの面々が豪華にフルボイスで喋る反面、日高舞や桜井夢子、サイネリア(鈴木彩音)といった物語の核心に関わる重要なライバル・サブキャラクターたちには全くボイスが当てられていない。
    • 主要キャラがフルボイスで展開されるだけに、ボイスの有るキャラクターと無いキャラクターが会話する際のギャップや不自然さが際立ってしまい、演出上の物足りなさを与えてしまった。
  • テンポを阻害する中途半端な育成・レッスン要素
    • ストーリー重視のADVへとシフトした一方で、旧来のようなレッスンやオーディションの作業が残されており、シナリオをテンポよく読み進めたいプレイヤーにとってはテンポを削ぐ要素となってしまった。
  • 周回プレイのしづらさとテキストスキップ機能の使い勝手
    • 複数エンディングや分岐を回収するための周回プレイが前提の作りでありながら、未読・既読スキップ機能のテンポが重く、快適な周回プレイを阻害している。
  • ハード(DS)のスペック限界によるライブ演出の制限
    • 3Dグラフィックの表現力がDSの性能上限に影響されており、据え置き機版のような迫力あるライブパフォーマンス演出を期待すると見劣りしてしまう。
オーディションシステムの劣化)
    • 従来のシリーズ作におけるオーディションの駆け引きや戦略性が大幅に削ぎ落とされ、非常に単調なゲーム性へと退化している。
    • 対戦相手の傾向の読み合いやコンディション(テンション)によるステータス補正、流行の推移といった要素がほぼ存在せず、純粋なステータス数値の高さのみで勝敗が大きく左右される大雑把なバランスとなった。
    • また、従来のキー要素であった「思い出アピール」も、本作ではルーレットのようにタイミングを合わせてパネルをタッチするだけの単なる「目押しミニゲーム」と化しており、オーディションにおける緊張感や戦術的面白さは大幅に損なわれている。

総評

  • 「アイドル本人の視点でトップアイドルを目指す」というシリーズでも異色の挑戦を行ったアドベンチャー作品。
  • プロデュースシミュレーションとしての要素が減少した点や周回プレイのテンポ感といったシステム面での課題・好みの分かれる要素はあるものの、876プロの3名が繰り広げるドラマチックな成長ストーリーと楽曲の完成度は非常に高く、現在でも多くのファンから愛されている一作である

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最終更新:2026年10月03日 14:15