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Trek to Yomi

【とれっく とぅ よみ】
ジャンル 白黒時代劇アクションアドベンチャー &amazon
対応機種 PS5 / PS4 / Xbox Series X S / Xbox One / Nintendo Switch / PC
発売・開発元 Devolver Digital / 開発:Flying Wild Hog
発売日 2022年5月5日
定価 2,310円 税抜
レーティング CERO:Z 18才以上のみ対象
判定 良作

「黒澤明映画への愛が詰まった、モノクロの黄泉巡り」若き侍ヒロキの復讐と誓いの物語

概要

黒澤明監督のクラシック時代劇映画に対する深いリスペクトを込めて制作された横スクロール主体の侍アクションアドベンチャーゲーム。
悪名高い盗賊の襲撃によって師匠と故郷の村を失った若き侍ヒロキが、愛する人々を守るという誓いを果たすため、現世から黄泉の国へと至る過酷な旅を描く。
全編が白黒映像で構成されており、固定カメラによるシネマティックな構図やフィルムノイズ演出、本格的な日本語音声によって、クラシック日本映画の雰囲気を完璧に再現している。

評価点

  • 黒澤映画を徹底的に再現した美しく圧倒的なビジュアルアート
    • モノクロ映画の質感を完全再現した光と影のコントラスト、光線や煙の表現、縦横無尽に切り替わる固定カメラのアングルが美しく、どこを切り取っても一幅の絵画や映画のワンシーンのように映える。
    • 雨の質感や風に揺れる竹林、燃え盛る村の炎、黄泉の国における超自然的な景観の描き込みが凄まじく、時代劇世界への没入感が極めて高い。

  • 本格的な時代劇を演出する音響と豪華声優陣
    • 雅楽や和楽器を用いた重厚で雰囲気のあるBGMが劇中の緊張感を際立たせている。
    • 主人公ヒロキ役に加瀬康之、ヒロイン愛子役に内田真礼といった実績ある日本人声優陣を起用しており、演技の質やセリフ回しが自然で映画的完成度を高めている。

  • 手軽に時代劇の殺陣を楽しめる分かりやすいアクションの骨組み
    • 基本となる攻撃、ガード、パリィ(受け流し)、回避を組み合わせたシンプルな操作体系であり、ジャストガードからのカウンター決殺やフィニッシャー演出の爽快感が味わえる。
    • 難易度設定が細かく用意されており、ストーリーを静かに楽しみたい層から、一撃死の緊迫感を求める層まで幅広く対応している。

論争点

  • ビジュアル最優先の固定カメラが与えるゲームプレイへの影響
    • 映画的なアングルや引きの構図を最優先しているため、背景の美しさに感動する声が多い一方で、キャラクターや敵の動きが見づらく戦闘時の距離感が掴みにくいという指摘が相次いだ。

  • 黄泉の国を中心とした後半のダークファンタジー展開
    • 前半の泥臭く凄惨な現実の侍劇から、後半は黄泉の国を彷彿とさせる超自然的な怪異や妖怪的要素が強まるストーリー構成となっている。
    • 純粋なリアル時代劇を期待した層からは好みが分かれ、世界観の変遷に対する受け止め方で意見が二分した。

問題点

  • 大味で単調になりがちなアクションバランス
    • コンボ技や遠距離武器が複数用意されているものの、実用性が高い技が一部に偏っており、特定の強攻撃やパリィからのカウンターを繰り返すだけで攻略できてしまう。
    • 敵の種類や攻撃パターンが少なく、序盤から終盤まで戦闘の立ち回りややるべきことが変化しないため、途中で作業感が強まりやすい。

  • コンボ入力のレスポンスと操作感の重さ
    • アニメーションの再生を優先しているためか、ボタン入力の受付タイミグや操作の応答性に独特の硬さや遅延感がある。
    • 敵に囲まれた際や素早い連続攻撃を繰り出す場面で意図通りのアクションが出にくく、アクションゲームとしての洗練度や手触りの良さには課題が残る。

  • 探索要素の乏しさと一本道すぎるレベルデザイン
    • ステージ上の脇道や分岐が非常に少なく、収集アイテムやステータス強化アイテムが置かれている部屋を少し探す程度に留まっている。
    • パズル要素も単純な記号合わせ程度であり、全体として一本道の廊下を歩いては敵を倒すサイクルの繰り返しになりがちである。

  • ボリュームに対して物足りなさを感じるストーリーの掘り下げ
    • クリアまで約4時間から6時間程度と短めであり、定価を考慮してもあっさりしすぎているという感想が多い。
    • 主人公の葛藤や敵役との因縁などのドラマが描写不足のまま進むため、感情移入し切る前にエンディングを迎えてしまう。

総評

  • 黒澤明風の時代劇映画に対する並々ならぬ情熱とグラフィック表現の美しさ、音響の拘りに関してはインディーゲームの枠を超える高い評価を獲得した作品。
    • しかし、ビジュアル演出を優先した結果として戦闘の距離感の掴みにくさやアクションの単調さ、操作の硬さ、探索の浅さといったゲーム部分の粗が目立つ格好となった。
    • 圧倒的なモノクロビジュアルと時代劇の雰囲気を手軽に味わう映像体験として割り切れるか、骨太なアクションゲームとしての完成度を求めるかによって評価が大きく分かれる一作となっている。

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最終更新:2026年09月22日 21:04