THE IDOLM@STER SP
【あいじるますたー えすぴー】
| ジャンル |
アイドル育成ライバルアドベンチャー |
&amazon |
| 対応機種 |
プレイステーション ポータブル |
| 発売・開発元 |
バンダイナムコゲームス |
| 発売日 |
2009年2月19日 |
| 定価 |
5,040円 税抜 |
| レーティング |
CERO:B 12才以上対象 |
| 判定 |
賛否両論
|
| アイドルマスターシリーズ |
「ライバル事務所961プロダクション参戦」PSPで展開するもう一つのプロデュース
概要
アーケードおよび家庭用据え置機で展開されてきたアイドルプロデュースゲーム『
THE IDOLM@STER』のプレイステーション ポータブル向け展開作品。
パーフェクトサン、ワンダリングスター、ミッシングムーンという3つのバージョンに分割して同時発売された。
今作最大の要素として、765プロダクションの敵対勢力である961プロダクションおよびライバルアイドルであるプロジェクトフェアリーの存在が導入され、彼女たちとのストーリーが展開する。
評価点
- 携帯機に最適化されたシステムとテンポの良さ
- 画面構成やレッスン、オーディションの仕様が携帯機向けに再構築されており、短時間でのプレイや周回プレイがやりやすくなっている。
- グラフィック面においてもPSPの描画性能を活かし、3Dモデルによるダンスや衣装の表現が高水準で纏められている。
- コミュイベントの大幅な増量とアイドル同士のかけ合い
- 新たなコミュイベントが多数追加されたほか、ストーリー上でライバルアイドルが明確に立ちはだかることで、事務所の垣根を越えたアイドル同士の会話ややり取りが大幅に増加した。
- 対立や交流を通じてアイドルの表情や新たな一面が見られるようになり、掛け合いの掛け算による会話の面白さが向上している。
- 魅力的なライバルキャラクターの登場とストーリー性
- ライバル事務所である961プロダクション社長の黒井崇男や、所属アイドルである我那覇響、四条貴音、そして765プロから移籍した星井美希というキャラクター設定が物語に緊張感をもたらしている。
- ライバルたちとの交流やオーディションでの直接対決を通じて、プロデュースの達成感やドラマ性が強化された。
- 新曲の追加と楽曲の質の高さ
- ライバル用の専用曲である「オーバーマスター」をはじめ、各バージョンや共通の新曲が追加され、サウンド面の評価が高い。
論争点
- 961プロダクション黒井崇男社長による極端な悪役描写と作風への影響
- 今作から登場した961プロダクションの黒井社長は、765プロダクションを目の敵にし、卑劣な妨害工作や所属アイドルへの偏った教育を平然と行う徹底した悪役として描かれている。
- 従来のアーケード版やXbox 360版では、アイドルとプロデューサーの泥臭い関係性や業界の厳しさが中心であり明確な悪人は存在しなかったため、勧善懲悪的なわかりやすい敵対構造を導入したことでストーリーの熱さや対立の緊張感が増したと評価する声が上がった。
- その一方で、悪巧みが裏目に出るコミカルな展開やあからさまな悪人ムーブに対して、従来の硬派なストーリー性を好む層からは世界観のノリが漫画的になりすぎているという指摘や、悪役の存在自体に不快感を覚えるという声も出され、作風の転換を巡って好みが分かれた。
問題点
- 星井美希の移籍動機とキャラ付けの変化
- 前作であるXbox 360版における星井美希は、恋愛に対してどこか疎く無頓着な描写から始まり、プロデューサーと二人三脚でアイドル活動の経験やコミュニケーションを積み重ね、信頼と絆を深めていく過程を経て覚醒美希へと至るドラマチックな成長が描かれていた。
- しかし今作では、765プロダクションからライバル事務所である961プロダクションへと移籍した理由の真相が、社長に自分の楽しみにしていたおにぎりを勝手に食べられたからという極めて拍子抜けなギャグ調のオチで処理されている。
- さらに移籍後の描写においても、出会ったばかりの主人公プロデューサーに対して唐突に一目惚れし猛アプローチを掛けてくるなど、Xbox 360版の丁寧なステップを踏んだ関係構築や成長劇とは大きくかけ離れたキャラクター描写となっている。
- この極端な展開やキャラ付けに対して、前作で描かれた成長ドラマやプロデューサーとの絆の重みが軽視されていると感じる層や、移籍理由のあまりの軽さと一目惚れ展開の唐突さに納得がいかない層との間で評価が激しく分かれることとなった。
- また、一人だけプロデュースできないのも批判されている。
- 3バージョン分割販売に伴うプロデュース可能アイドルの削減
- 1パッケージにつきプロデュース可能なアイドルが3人(双海亜美・真美は1枠扱い)に絞られてしまったため、前作のように一ソフトで全アイドルを自由にプロデュースすることができなくなった。
- 担当できるアイドルが一気に削減されたことや、全アイドルを遊ぶための金銭的負担が大きいという批判が強く上がった。
- 星井美希の961プロ移籍理由と性格・展開の変貌
- 前作から961プロへ移籍した星井美希のキャラクター描写について、移籍の動機が社長に自分のおにぎりを食べられたからという非常に拍子抜けなオチであったことや、いきなり主人公プロデューサーに一目惚れする極端な性格変更がなされた。
- この突飛な展開やシナリオのノリについて、ギャグや彼女らしいコミカルさとして受け入れる層と、移籍の動機や恋愛的な一目惚れ展開が唐突で受け入れがたいとする層で好みが激しく分かれた。
- オーディションにおけるライバルの強さと難易度傾斜
- ストーリー進行上、特定のオーディションで非常に強力なライバルが登場するため、初心者やパラメータ育成が不十分な状態ではクリアが非常に困難となる。
- オーディションのCPU挙動に一部極端な点があり、立ち回りを知らないと理不尽な敗北を喫しやすい。
- 約束システムや思い出消費の調整
- アイドルとの約束やテンション管理のシステムにおいて、タイミングや選択肢の猶予がシビアな場面があり、テンションダウンから復帰するのが難しいケースが存在する。
- Xbox 360版と比較した大幅なグラフィッククオリティ低下
- 携帯機への移植に伴う描画能力の差から、据置機版であるXbox 360版と比較してグラフィック全般のクオリティが大きく低下している。
- 特にキャラクターの髪の質感表現や肌の質感表現、全体のモデリングおよびライティング精度が著しく劣化しており、ビジュアル面の魅力が大幅に損なわれている。
- メインストーリー世界観設定の破綻と矛盾
- 今作のメイン軸である大会アイドルアルティメイトの設定構造に著しい矛盾が存在する。
- そもそも多種多様なアイドルが存在する中で年に一度開催される単一の大会で真のトップを決めること自体に疑問符がつく上、一度でも落選したら即引退という異常なルールが設定されている。
- 5回の予選と3回の本戦が行われ、各試合6人中1人のみが勝ち上がるトーナメント形式であるため、逆算すると参加総数は27万9936人に達する。
- 愛情と資金を注ぎ込んだ新人アイドルを敗退即引退という過酷な大会に28万人近くも参加させること自体が非現実的であり、1年間の出生人口と比較しても同世代の約4人に1人がアイドルになってIUに出場し1年で引退している計算となる。
- さらにそれほどの大人数が参加して敗退している設定であるにもかかわらず、一度敗退したはずのNPCが同一名義で再びオーディションに現れるなど、シナリオおよびシステム上の整合性が完全に破綻している。
- 前作からの仕様変更による制限
- 携帯機への移植に伴い、一部のカメラワークや演出、ダンスのバリエーションなどに制限が生じている。
総評
- ライバル事務所やプロジェクトフェアリーという強烈なキャラクターを導入し、コミュの増量やアイドル同士の掛け合いによって世界観を広げたPSPでの意欲作。
- 携帯機でのプレイアビリティやコミュの充実は評価された一方で、3バージョン分割によるプロデュース対象の削減や、星井美希の移籍経緯・性格変更に対する好みの分かれ、オーディションにおけるライバルの高い難易度設定など、プレイ面および設定面での賛否両論を呼ぶ一作となった。
最終更新:2026年09月26日 01:36