▽属性メモ
デモニカ ソーサルギア センチュリオン アルケミスト アークメイジ
男性 元軍人 戦闘狂 PKK 真実を知る者 DPS 天体時計 脳みそ筋肉 トラウマ
| 「世界樹のシート」所持数2 | |||||
| 「白き神の絵馬」獲得済 | 「霊験なる力」獲得済 | ||||
| 「奥義秘伝書・弐」獲得済 | |||||
| 「海開き報酬」3WP | |||||
| ★特技アタッチメント | ★セラフィックウィング | ||||
| Excel Character Sheet | |||||
ゼラニウム・ヴィランドリー。
紅赤の艶やかな長髪、モルダバイトの落ち着いた碧の瞳。一見は175cmという長身を除けば一般的な人間の男性。
しかしながら、感情が昂ぶり霊獣が励起されると髪は焔と溶け、瞳には金色が灯る。
金やゴールドベージュの縁取りを用いた、黒や褐色ベースのコートやスーツを好んで着る。
属性現出が強く、氷のような透き通った白肌を嫌い、露出はかなり控え目である。
竈の竜、スヴァローグを守護霊獣として抱く火属のデモニカ。
ある雪の世界の天空神にして主神。太陽の地位にあり、万物を創造する力を持っていたとされる巨大な翼竜。
その名は「清き輝き」の意味を持つ、霊獣としては強大すぎるパートナー。ゼラニウムが火に溶けるのは、霊獣に呑まれるという表現も強ち間違いではないと言える。
PlayerKillerKillerというプレイスタイルがある。
PlayerKillerが人殺しの無法人プレイを楽しむ事だとすれば──PKKとは即ち、そのようなPKを専門に狩る狩人の事である。
彼はフィルトウィズという世界で、PKK──いわゆる、赤ネーム狩りをプレイスタイルとしている。
「システムが裁くのではなくその世界に生きる人々が悪を裁く」の趣旨のもと、この世界では「赤ネーム」「裏切り者」の殺害が罪を問われない。
その為、合法的に対人、殺人が可能であるという理由からPKKの路を選んだ決闘や闘技場じゃ満足出来ない本気のバトルジャンキー。
──とはいえ、戦いの好みは超火力より、どちらかというと搦め手や場の掌握が好みであり、
紆余曲折の末、とうとうアタッカーメインである事を捨てた道も模索するようになった。
性根からの理性ある殺人鬼。飽くまで法の下で、法の許す場所で、対人行為を行い、果てには命を奪う事を好む
その為、法が許さなくても、自分の気が向かなくても殺さないと言った点では「処刑執行人」からは程遠い
但し若干高慢で高圧的で、それなりの実績も伴っているせいで、かなりの自信家にもなっており挑発に弱い側面もある
彼を監視しているレオンハルトからは狂犬扱いされており、本人も自身の異常性を認め、開き直っている節はあるようだ
しかし一方で全く常識が欠けているのかと言われればそうでもなく……
異常嗜好を除いた部分は寧ろ誠実なクール系お兄ちゃんのそれだったりして、本当に狂人か疑う声が上がるときは大体それが原因だろう。
フィーアを溺愛している他、ちょっとしたプライドの化学反応の結果、フィフスの事も特別可愛がっている姿が見受けられるようになった。
慕われる、懐かれる、自分だけがちょっと特別に見られている──なんて感覚は、案外彼の歪み切った欲望を満たしているのかもしれない。
恐らくロゼッタを積極的に引き剥がそうとしないのも、本人はその方が面倒くさいというだろうし、実際それも事実なのだろうが、なんだかんだ悪くないと思っているのだろう。
『紅蓮の旅団』内での交友関係は決して広くはない。PKKとして、"for
REGALIS"の一員として、現実世界の職員として、時間を彼方此方に割いているのもその原因ではある。
しかしながら、妹同然のフィーア、今自分にとって新しいものを教えてくれている存在であるフィフスを始めとして、
今の自分のまま気兼ねなく付き合える貴重な友人であるアナイアに、同じく飾る必要のない訓練相手であるイーハトーブ、
かつてからの悪友であるアルヘナ達やレオンハルトなど、なんだかんだ非常に周囲には恵まれている方であると言えるだろう。
自室はちっぽけなバーの様相をしている。黒を基調に、アンティークゴールドの装いはREGALISの支店かと思える程。
壁一面の本棚の何処かが隠し扉となっており、その裏にベッドだけのこぢんまりとした寝室がある。
因みに、"ゼラニウム"は肉体的には元より火属ではなかったらしい。どちらかというと──
かつて『ホワイトローブ』に名を連ね、執行員(R:クリムゾン)として戦っていた人物。
ある作戦中に、「赤ネーム」と死闘しているところをレオンハルトに発見され共闘、その後に決闘を挑まれ──決闘の結果として『紅蓮の旅団』に拉致られた経緯を持つ。
「イグニートの加護」はその際に返上しているので現在の所属は『紅蓮の旅団』のみ。
しかしながら、『ホワイトローブ』に知り合いがいるのは確かで、スクラッチエリア等に暮らすPKK仲間等にも知り合いは多い。
PKや悪徳プレイヤーの間では未だ名高い人物である事は否定できないだろう。
アルヘナ──もとい"転猫"とは元パートナー。本気の喧嘩をしたことも、一度や二度ではない。
旅団員である事からノルマの一環としてパーティ活動をするようになったが、ソロ活動の為に鍛えてきた道はパーティで挑む世界に対しては非常に中途半端だった。
火力は何処か物足りなさを覚え、回避は彼程度では到底及ばず。少人数の戦いでは幾度も倒れ、プライドを傷付け、苦しんできた。
後から旅団に入り、大きく生き方も戦い方も変えた"転猫"と酷く言い争ったこともあった。
「『銀の霊園』練習試合」にて風デモニカのジークルードを、「大型種討伐:斬尾竜」で火デモニカのフィーアを通し、
目の前で限界を、届かないその先の向こうを見せられた気がした、と彼は言う。
"あそこ迄割り切って動けない"──あのような色々と顧みない戦い方は自分には発想出来ないし向いていない現実、
純粋に火力だけをもって力を選ぶなら、という、力だけを求めるなら当然の思考が自分には存在しなかったのだという事実。
そして、トドメはひとりの自称一般人と男性メイドの言葉だった。
「傷つけたらすっごい申し訳ないんだけど、忌憚ない意見いっていい?」
「多分攻撃役(それ)より、補佐する側(こっち)の方が性に合ってるよ!多分ね!」
「フィーアの支援してるときの顔、よかった!」
「こちらは事実を言うのならば。少し、”気楽に名前を呼ぶように”なりましたね」
「表情が軽くなったかと、メイドはそう思います」
──狩人、或いは暗殺者、或いは、アタッカーに拘る自分自身が、何処か歪で自然ではなかったのではないかと。
認めざるを得ず、また、認めた後の自分はそれなりに気が軽くはなったのだ。
そうしてとうとう、ある「夢幻の迷宮」への冒険日。ゼラニウムは自身がアタッカーである必要を捨てた。
結果生まれたのは【エレメンタルフィールド:火】と【イグニートフィールド】双方を操る火の領域の王。
どういうことか環境トップの一角に返り咲いたのである。
本人はちょっと相手を甚振りにくくなったのが残念とは感じてはいるが、場を掌握する戦いはこれはこれで楽しいとの事である。
気張っていた感覚が薄れ、以前より冗談にも応じられるようになり、他者の名前も普通に呼ぶようにはなったが高慢さは健在。
「シャーデンフロイデに花束を」で出会ったアルテミスの少女を"小僧"呼ばわりするなど。
一方心の壁の強度自体が若干落ちたのか、「愛/破壊という名の真理」では自分と相容れない殺戮の求愛者に対し──
「いや、流石に生理的に無理」
「何が愛だよどう見ても押し付けじゃねえかァ!?頭一般的セルキーかリッチか何かかよ!?」
「大体骨と硝子の強度は一緒だぞ、それぶっ壊した手で握手しろとか無茶があんだろ!?」
そんなことも、あった。のだが──
「……は、なんてもの、隠してやがったんだ。一体何年前のだよ、それ……」
ある日現実世界の妹から頼まれた案件。スクラッチゾーンにあったという、彼女の拠点の焼却処分。
自分と違い、自分以外には優しく法を護る意識のあった彼女が何故そのような場所を拠点に選んでいたのか……兄は訝しみながらも約束を果たそうとした。
しかし、今の兄は紅蓮の旅団の一員であり、同時に有名なPKK/イリーガルキラー。
単身での潜入に失敗し、応急処置の為に戻ってきたところを一行に見付かったのが事の始まりであった。
イリーガルを退け、小屋を護っていた『日喰狼』スコルルを撃退、小屋の中を覗き込んでみたものは──
幼い頃、未だ実妹が隣にいた頃詠った声色を封じた蓄音機。その傍らに咲き誇る、禁制の花……。
そして妹は戻らずとも、傍らに帰る彼女の霊獣。
何も語らずとも、兄もまた同じ種を選ぶと信じていたのだろうか。何時か、此処に、帰ってくると──
「……僕にはこれだけあればいい」
兄は、彼女が自分を想ってくれていた、ただその思い出ひとつだけを残して、この小屋を燃やし尽くす決意をする。
「僕は、確かに間違えたんだ。此処を知ることも、帰ることもなかった。与えるだけ与えて、それっきり」
「要求の向こうに、物以外の望みがあることに気付けなかった」
「──ただ、"兄"さえ帰/返ってきて欲しいと」
何時しか──『天追う旧神と焔抱く幼竜』で、彼は言った。
"彼女に日常が無いのは堪えられない"と。嗚呼、帰る日常がなかったのは──彼自身もそうだったのだと。
「……こんなことで実の妹を失っておいて、傲慢なことなのかもしれない。だが、恥を承知で言わせてほしい」
「フィーアを、僕自身、妹のように──想っても、いいだろうか。僕にはほかに家族が居ない」
「帰る場所が、ないんだ」
そうして、ようやっと。
彼は狂い果てた末路が"悲しいこと"であることを。何もかも手放した独りが、それでも望んでやまない気持ちを。
認め、口にしたのであった。
「……此処にあいつは帰らない。僕も此処から旅立つべきだろう」
「何時かとは逆になるが、力を貸してくれないか?」
「はい」
「勿論です。終わった物語の、次にいかないと」
『防衛戦線:シーリンク』および、『αタイプ』アルファウェポン破壊作戦で
基本的に『紅蓮の旅団』内で日常を過ごす事はそう多くない。BAR "for REGALIS"での勤務、PKKや赤ネーム狩りの日々、
更に言えば一週間に半日を2回ほど、ゼラニウムには現実の仕事がある為フィルトウィズの時間にして6日間程いない事もある。
「君を、大事な親友だと思っている。気持ち自体は前からだったかもしれない、最近思い知らされた」
「僕だって生きている。拠り所くらいは作る」
限られた時間の中で、幾つか拠り所を見付けられるよう、努力は始めているようである。
「天使計画」の生まれのロシア籍軍人。高額を掛けられて生み出されたデザイナーチルドレンだが、本人にその自覚はない。
「天使計画」の為の専用の胎で生まれ、同じ胎から生まれたのは年の離れた妹一人。他の親族は二人も覚えていない。
その為、2人に初めは戸籍などなく──容姿や才能は恵まれてこそいたが、世界としては底辺の生まれである。
特に、物心ついたアレクサンドルにとって、妹はたったひとりの家族であり、そして唯の幼子であった。
妹の為に様々なものを奪って過ごしていた彼を、目に留めたのが軍である。罪を不問とする代わり、少年を兵士として戦場へ追いやったのである。
「天使」の子の少年は反射神経、判断力、物覚えの良さ、どれをとっても優れていた。
戯れに教えられた技術でクラッカーとしても活躍を見せるようになった。ユージーンの名は割と悪名高く残っていることだろう。
自らが撃った相手をきちんと自らで"始末"することで有名だったが、僅か数人ではあるが始末し損ねた人間も──いない、わけではない。
その資金で妹を育ててきたのだが、それは多くの戦場を生き、人を殺し、非道を働き、奪い、また、同僚の死を見送る事でもあった。
彼はやがて戦いそのものを、楽しみとするようになる。死線の向こうに快楽を見出すようになる。法の下で、国の為と称して行われる悪逆へも、また。
それはもはや狂人のそれであり、犯罪者予備軍のように扱われていた。戦場に居れば英雄、現実に居れば大罪人というわけである。
──そんなわけで、軍としては優秀な駒であり危険な爆弾であった。
一方、彼の妹は彼がもたらした資金と家の庇護もあり、医学を修め、医師となっていた。
カウンセラーの資格までも取得した彼女はやがてあるプロジェクトのリーダーを任される。
ロシア軍籍救護艦「Русалка」(ルサールカ)。宇宙のロシア製コロニーへ、最新鋭医術を運ぶ船。
また、船内で治療も行う為の医療スタッフの為の施設兼住まいでもある。
その船に少数精鋭の護衛が必要である、ということで膨大な退職金を条件に実質軍部を退職させられ、アレクサンドルは「Русалка」の護衛となった。
金銭問題で納得はあったとはいえ、殺しの世界から無理やりに引きはがされた彼は対人ゲームなどで衝動を凌ぐ日々を過ごしていたが
やがてある切っ掛けでフィルトウィズに出会い、ホワイトローブの存在を知って、其処に自らの渇きへの癒しを求めるようになったのである。
ロシアを出て宇宙に飛び出した「Русалка」であるが、移動を始めて一カ月も経たない内に星の死に出逢う。
仕事先の筈だったロシア製コロニーが音信不通になり、地球に帰る事も出来ず、取り敢えず自給は出来て生き繋ぐ事は出来るので答えが見つからないまま漂っている。
『日常をあなたへ』の案件以後、一週間に半日、週二回ある自らの仕事の日の終わりに、船長室の実妹の処へ行くようになった。
アレクサンドルが実妹に会う為には立会人が必要な上、分厚い硝子越しであり、触れる事も叶わない。
妹が忙しい時であれば、話す事も出来ない事も少なくない。
目の前の"兄"を否定する言葉を聞きながら、それでも自分の今をぽつりぽつりと語るだけの、懺悔の時間。
今は唯、その12倍の時間、いつかの日を、待ち続けるだけ。
空を眺めるだけで今が何月何日何時何分何秒で、方角がどちらかもわかります。
屋外である限り、道に迷うことはありません。〔先制〕にも+1のボーナスを得ます。
仲間の判定にも加算可能です。
「──光は、火は照らすだろう。歩むべき、道筋を」
この特異点を持つキャラクターは、フィルトウィズの外部からログインしているプレイヤーです。
「負ければ死ぬ。殺される。そんな地獄さえ此処では何度も味わうことが出来る。
本当の死は其処には無い。いや、だからこそ気兼ねなく──いや─」
聴覚に関する[感覚]判定に+4のボーナスを得ます。「☆暗闇」の効果も受けません。
この特異点は2回まで獲得可能です。仲間の判定にも加算可能です。
(──帰る場所、心の余裕、か。落ち付いて見回すと、この世界は鮮明で、鮮烈で。艶やかな情報に満ちている)
自らを強くて有能だと思っており、考えるより先に行動してしまいます。
侮辱や挑発、戦いの誘いを受けるとすぐに乗ってしまいます。
[意志]判定に成功すれば血管をピクピクさせながらも耐えることができます。
「言ってられるのも今の内だ、直ぐ、焼かれる事になるだろう」
「──Svarog Plamya、竈の龍よ。此処に開拓されるべき世界があります、貴方の焔で我ら冬の民をお導きください」
デモニカの持つ属性励起能力【エレメンタルフィールド:火】とマナート/セルキーの魔術【イグニートフィールド/コールドフィールド】を掛け合わせた、火属+50 or 火氷+25の支援型。
【奥義:Svarog Plamya/Snezhnyy
Tsvetok】によって味方の物理/魔法属性攻撃に火/氷を灯す事も出来、物理攻撃であれば更に+10。
紛うことなきバッファーの環境トップのひとつである。お前本当にフルアタッカー向いてなかったんだな
また自身は〔命中〕に高いボーナスを持つ【サンライトスピアー】一本に絞る事で確実に〔命中〕〔回避〕への妨害能力を確実に当てる事へ重きを置いている。
その代わり自身の攻撃火力自体は大分オマケなのだが。本人は楽しそうに悪戦苦闘する様を眺めているので問題はないだろう。
「さあ──無様に斃れるその時だ」
より【サンライトストリーム】の拘束力を活かす為、ナイフ投擲を用いた【ディスアームメント】を採用した「センチュリオン」。
本人は決して認めはしないが予告された襲来に、備える為の選択のひとつでもある。
【白き神の束縛】の「腕の束縛」と合わせて、合計で〔命中〕に最大-25のペナルティを与える事が出来、【グローリーフラッグ】の採用で火力支援も火属+55orあらゆる攻撃+20 と決して低くはない。
属性付与が出来ない為、取り回しとしては確実に劣るのだが。
やはり本人は最速で動いて後はふんぞり返っているのが仕事のようなものである。
つまらなくはないのか?と聞かれるとちょっと気にするので言わないであげてあげよう。
奥義の【奥義:Posvyashchayetsya
koroleve】の意味はロシア語で「女王に捧ぐ」。とはいえ、ゼラニウムにとって"女王"にあたるのは──
「幼子が皆、竜の恐怖を忘れるまで。人が皆、星々を違う名で呼ぶまで──唯祈り、待ち続けようと誓った竜がいたという。
其れに僕も倣おうと思う。夜は長いが、明けぬものではない。何時かは、僕も──」
『復讐者』フルーフとの接触、フィーアとアナイアという、ふたつの拠り処の存在。飽くまで火デモニカであるゼラニウムとして。
戦場の殺戮天使である自分自身を飽くまで否定しない、戦鬼と守護者の両立を目指した結果。
本人は独りで習得すると豪語したものの、フォートレスの習得に際してはREGALISの経営者ネブラを始め、打ち合いの練習相手として名月、レオンハルトなどの旧友、悪友を始め──
食事を対価にロゼッタやフィーネ、今後の有事の際の協力を代価にイーハにも、と自身の出せる様々な対価を使って色んな戦友に訓練の相手を頼んだ事実が彼の本気を伺わせる。
その癖練習相手にフィーアやアナイア、ジークルード等を選ばないあたりもこいつの性格らしいといえばらしいのだが。
性能としては【ジャグラーパリイ】を用いたパリイ回数最大5回に、【ワードシールド】という他者防衛手を足した最大6手の防衛手段を持つフォートレス。
属性付与こそできないものの、【Sacrament:Angelus
Tristi】による他者強化と、【サンライトスピアー】による拘束力も健在。
伸縮自在こそメインで使用しないものの、近接攻撃の射程が5あることもあって、低敏捷のカウンター型の懸念も随分とカヴァーされている。
しいて言うならば難点は自身より高速の相手に対する策が不足している点と、命中の低さだろうか。
「これより先──何人の命も失わせやしない。……と、あいつなら言うのだろうか」
蓄音機の中に収められていたのだというクリスタルソード和音《Akkord》、そして、かの地より連れ帰った地霊『日喰狼』スコルルに重きを置いたビルド。
パティシエの【魔法】である【ギブユーチョコ】と[知力]を用いた防衛魔法【ワードシールド】により本来火デモニカには不向きな防衛役を無理やり熟す。
とはいえ単身での達成は難しく、その対応として妹の霊獣を励起させ、その力を借りる事を考えた──其処までは良かった。
「……???えー……あー……?」
力の励起、制御までは成功したものの、それを行使する肉体がスコルルにはない。霊獣の力は行使者であるゼラニウムに流れ込み──
異貌ともいえる変貌を齎した。但し、励起そのものがほんのわずかな時間しか維持できないらしく、この異貌もそれに伴う短期間に限られる。
新緑の長髪は蔦となり若葉が茂り、瞳の碧も明るさと輝きを強めたものとなる。
原理が理解できるか、安定して運用できるまでは実戦に出す予定はないとの事。