無題(後編) ◆MY/vgjLh0A
「ガッ――!!!」
喉を伝わって吐き出された空気の塊が、意味のない言葉に変換されて漏れだす。 秋生の腹に矢が命中して、血がそこから噴出す。
心臓や脳を狙わなかったのは、玲二にまだ迷いがあったのか、それとも単に外しただけなのかは分からない。
ただ、秋生が撃たれる寸前、僅かに体を捻らせたこと、その行動が致命傷一歩手前に抑えることができたのだけは確かだ。
吹き出た血が、秋生の着ている衣服に赤い地図をジワジワと描く。 秋生の腹に生えたコンポジットボウの矢は内臓を破壊し、生きるための機能を停止させていく。
口からも赤い塊を吐血し、秋生は体外に流れ出ている血を押しとどめようと、腹と口に手を当てた。 だが、指の隙間から血はポタポタととめどなく地面に流れ落ちる。
秋生はそのままの体勢で蹲って、地面にゆっくりと傾き、うつ伏せに倒れそうになる。
気力と根性で足を動かして、足元に置いておいたコルトM16A2を掴もうとする。 が、そんなことをしていれば、格好の的だ。
秋生は玲二の射程圏内から逃げ出す。 追い討ちの矢に当たらなかったのは何かの奇跡か。 しかし、秋生の肝心の武器のコルトA16A2は玲二に奪われる。
では、野球道具など、武器でなくても他の道具が入っているデイパックは? これも玲二に奪われる。
交渉は決裂。 天秤は、玲二の方に傾いた。
例え、秋生がいくら玲二を説得しようとしても、玲二にその思いは伝わらない。
光の道を歩いてきた者と、闇の道を歩かざるを得なかった者の間に穿たれた溝は深かった。
心臓や脳を狙わなかったのは、玲二にまだ迷いがあったのか、それとも単に外しただけなのかは分からない。
ただ、秋生が撃たれる寸前、僅かに体を捻らせたこと、その行動が致命傷一歩手前に抑えることができたのだけは確かだ。
吹き出た血が、秋生の着ている衣服に赤い地図をジワジワと描く。 秋生の腹に生えたコンポジットボウの矢は内臓を破壊し、生きるための機能を停止させていく。
口からも赤い塊を吐血し、秋生は体外に流れ出ている血を押しとどめようと、腹と口に手を当てた。 だが、指の隙間から血はポタポタととめどなく地面に流れ落ちる。
秋生はそのままの体勢で蹲って、地面にゆっくりと傾き、うつ伏せに倒れそうになる。
気力と根性で足を動かして、足元に置いておいたコルトM16A2を掴もうとする。 が、そんなことをしていれば、格好の的だ。
秋生は玲二の射程圏内から逃げ出す。 追い討ちの矢に当たらなかったのは何かの奇跡か。 しかし、秋生の肝心の武器のコルトA16A2は玲二に奪われる。
では、野球道具など、武器でなくても他の道具が入っているデイパックは? これも玲二に奪われる。
交渉は決裂。 天秤は、玲二の方に傾いた。
例え、秋生がいくら玲二を説得しようとしても、玲二にその思いは伝わらない。
光の道を歩いてきた者と、闇の道を歩かざるを得なかった者の間に穿たれた溝は深かった。
「フカヒレー! 聞こえるか!」
はらわたを抉る灼熱の痛みを殺して、秋生がフカヒレの名前を呼ぶ。
しかし、返事は返ってこない。 もはやフカヒレは秋生と玲二のいる場所からは遥か遠くに逃げているのだから。
それを知らない秋生はフカヒレの身に何かあったのかと案じるが、玲二があえて助け舟を出した。
しかし、返事は返ってこない。 もはやフカヒレは秋生と玲二のいる場所からは遥か遠くに逃げているのだから。
それを知らない秋生はフカヒレの身に何かあったのかと案じるが、玲二があえて助け舟を出した。
「仲間なら逃げていったぞ」
「な!? ……ゲホッ!?」
「いい仲間を持ったな」
「な!? ……ゲホッ!?」
「いい仲間を持ったな」
玲二はフカヒレの行動を黙認していた。
大仰な剣しか持ってないのは分かったし、見たところ人を傷つける度胸もない臆病な人間のようだった。
そんな人間がキャルを殺すことはないだろう。 あれは丁度いいメッセンジャーになる、そう思った。
あの手の人間はまず単独行動はしない。 十中八九、集団の中にいないと自分を保てないタイプだ。
そうして、新たに出会った仲間に必ずやこう言うだろう。
「ツヴァイ――吾妻玲二と名乗った男がキャルという女の子を探している。 キャルの居場所を探しているが知らないかと聞かれ、
知らないと答えると殺されそうになった。自分はその男から逃げてきた」と。
要はキャルを探している人間がいるということさえ伝わればいい。 その際、吾妻玲二という男の評判にいくら尾ひれがつこうとも構わない。
吾妻玲二は殺人鬼だ、なんてのは今更過ぎる話だ。 キャルは玲二の正体を知っていて、それでも玲二の傍にいてくれる事を選んでくれた少女だから。
大仰な剣しか持ってないのは分かったし、見たところ人を傷つける度胸もない臆病な人間のようだった。
そんな人間がキャルを殺すことはないだろう。 あれは丁度いいメッセンジャーになる、そう思った。
あの手の人間はまず単独行動はしない。 十中八九、集団の中にいないと自分を保てないタイプだ。
そうして、新たに出会った仲間に必ずやこう言うだろう。
「ツヴァイ――吾妻玲二と名乗った男がキャルという女の子を探している。 キャルの居場所を探しているが知らないかと聞かれ、
知らないと答えると殺されそうになった。自分はその男から逃げてきた」と。
要はキャルを探している人間がいるということさえ伝わればいい。 その際、吾妻玲二という男の評判にいくら尾ひれがつこうとも構わない。
吾妻玲二は殺人鬼だ、なんてのは今更過ぎる話だ。 キャルは玲二の正体を知っていて、それでも玲二の傍にいてくれる事を選んでくれた少女だから。
「ちくしょう……あの野郎……」
秋生の腹の痛みと出血は今も止まる事を知らない。
あの野郎とは言ったものの、フカヒレが逃げ出したことについては一切責める気はない。
説得するなんて無謀な話だったのにやると言ったのは自分で、しかも今はこの状態だ。
加えて、フカヒレは銃のような飛び道具は持っていない。
玲二と戦わせるのにはあまりにも荷が重い。
放送のせいで、フカヒレの精神状態が不安定だったことも関係しているだろう。
今の自分の怪我も、フカヒレの逃亡も、ある意味秋生自身が招いたことなのだ。
フカヒレを責めるなど、お門違いもいいところだし、何より今の秋生には他人の心配などしている暇はない。
今の秋生はまさに絶体絶命のピンチなのだ。 武器も奪われた今、秋生と玲二は対等ではなくなった。
そして、この先に待ち受ける運命を予想できないほど、秋生は馬鹿ではない。
あの野郎とは言ったものの、フカヒレが逃げ出したことについては一切責める気はない。
説得するなんて無謀な話だったのにやると言ったのは自分で、しかも今はこの状態だ。
加えて、フカヒレは銃のような飛び道具は持っていない。
玲二と戦わせるのにはあまりにも荷が重い。
放送のせいで、フカヒレの精神状態が不安定だったことも関係しているだろう。
今の自分の怪我も、フカヒレの逃亡も、ある意味秋生自身が招いたことなのだ。
フカヒレを責めるなど、お門違いもいいところだし、何より今の秋生には他人の心配などしている暇はない。
今の秋生はまさに絶体絶命のピンチなのだ。 武器も奪われた今、秋生と玲二は対等ではなくなった。
そして、この先に待ち受ける運命を予想できないほど、秋生は馬鹿ではない。
◇◇◇
場所は移る。
走って、走って、走って。
気がつけば、秋生と玲二の戦闘を行っている場所からは随分と離れていた。
フカヒレの目の前に廃れたスラム街が現れる。
すでに二人の怒声も届かないところまできていた。
だからだろうか、フカヒレはそこでようやく足を止めて、深く大きく息をつく。
走って、走って、走って。
気がつけば、秋生と玲二の戦闘を行っている場所からは随分と離れていた。
フカヒレの目の前に廃れたスラム街が現れる。
すでに二人の怒声も届かないところまできていた。
だからだろうか、フカヒレはそこでようやく足を止めて、深く大きく息をつく。
「ここ……まで……くれば……ハァッハァッ……大丈夫だろ…」
安堵したからだろうか、くぅくぅとお腹がなる。
あらかじめ支給されたパンをかじり、水を飲んで、ようやくフカヒレは落ち着いた。
落ち着くと、自分がやったことが如何に薄情で非道なものか理解できてくる。
あらかじめ支給されたパンをかじり、水を飲んで、ようやくフカヒレは落ち着いた。
落ち着くと、自分がやったことが如何に薄情で非道なものか理解できてくる。
「いや、俺さ……物語が後半にならないと本気になれないんだよね。 ほら、スロースターターってヤツ?
だからさ、今は単にエンジン温めてるだけ。 それにさ、元々あのオッサンは利用するつもりだったしさ、問題なし?
ハハハ、何だ、計画通りじゃん……」
だからさ、今は単にエンジン温めてるだけ。 それにさ、元々あのオッサンは利用するつもりだったしさ、問題なし?
ハハハ、何だ、計画通りじゃん……」
必死に考えた言い訳を空しく空に向かってする。 レオやスバルが聞いたら問答無用で殴りそうな言い訳だ。
しかし、どれだけ言い訳しても、自身の惨めさは消えることはなかった。
分かっているのだ。 自分のやっていることがどれだけ情けないことなのか。
死にたくないのは誰だって同じだ。 なら、死にたくないのなら、同胞を見捨てていいのか? そんなはずはない。
結局、これが自分の本当の姿だ。 普段は実力者ぶって自分を大きく見せることで、矮小な自分を誤魔化し誤魔化し生きていただけ。
そんなはずはないと、自分にはいつも言い訳していた。 自分はいつもは怠けたりしているが、いざとなれば、仲間の為に身を挺する覚悟のある男だと、根拠もなく信じていた。
幻想だった。 そんなのは絵に描かれた餅と同じ。 極限状態に置かれた等身大の自分はこの上もなく醜く、卑怯だった。
玲二の殺意をその身に受けただけで、鮫氷新一という男のメッキは剥がれ、地金を晒すことになった。
しかし、どれだけ言い訳しても、自身の惨めさは消えることはなかった。
分かっているのだ。 自分のやっていることがどれだけ情けないことなのか。
死にたくないのは誰だって同じだ。 なら、死にたくないのなら、同胞を見捨てていいのか? そんなはずはない。
結局、これが自分の本当の姿だ。 普段は実力者ぶって自分を大きく見せることで、矮小な自分を誤魔化し誤魔化し生きていただけ。
そんなはずはないと、自分にはいつも言い訳していた。 自分はいつもは怠けたりしているが、いざとなれば、仲間の為に身を挺する覚悟のある男だと、根拠もなく信じていた。
幻想だった。 そんなのは絵に描かれた餅と同じ。 極限状態に置かれた等身大の自分はこの上もなく醜く、卑怯だった。
玲二の殺意をその身に受けただけで、鮫氷新一という男のメッキは剥がれ、地金を晒すことになった。
「うぅ……クソッ、何でだよ。 何でこんなことになったんだよ。 俺たちが何したって言うんだよ?
殺し合いなんかしたくないよ。 誰でもいい、助けてくれよ……」
殺し合いなんかしたくないよ。 誰でもいい、助けてくれよ……」
涙で汚れた顔を拭くこともせずに、ひたすら誰かの助けを乞うことしかできない。
秋生という保護者を失ったフカヒレは、自分の不甲斐なさと臆病さを自覚させられていた。
秋生という保護者を失ったフカヒレは、自分の不甲斐なさと臆病さを自覚させられていた。
デイパックを抱えなおして、フカヒレは朝焼けに包まれたスラム街へと足を運ぶ。
誰かに助けて欲しかった。 誰の手を借りなくても生きていけるほど強くなりたかった。
この不安を誰かに解消して欲しかった。 だが、今すぐ秋生の元に舞い戻って、一緒に戦うという考えが浮かばなかったのが、今のフカヒレの限界だった。
そう、夢を見る時間は終わり、いやでも現実を突きつけられるもの、それが放送である。
言峰綺礼の狙い通り、ここに自分の弱さをむき出しにされた少年が一人出来上がった。
誰かに助けて欲しかった。 誰の手を借りなくても生きていけるほど強くなりたかった。
この不安を誰かに解消して欲しかった。 だが、今すぐ秋生の元に舞い戻って、一緒に戦うという考えが浮かばなかったのが、今のフカヒレの限界だった。
そう、夢を見る時間は終わり、いやでも現実を突きつけられるもの、それが放送である。
言峰綺礼の狙い通り、ここに自分の弱さをむき出しにされた少年が一人出来上がった。
【C-2 森/一日目 朝】
【鮫氷新一@つよきす -Mighty Heart-】
【装備】:エクスカリバー@Fate/stay night[Realta Nua]、
【所持品】:支給品一式、きんぴかパーカー、シアン化カリウム入りカプセル
【状態】:疲労(小)、背中に軽い打撲、顔面に軽傷、恐慌状態
【思考】
基本方針:死にたくない。殺したくない。
1:スラム街へ行き、誰かに守ってもらう
2:知り合いを探す。
3:清浦刹那、ツヴァイを警戒
【備考】
※特殊能力「おっぱいスカウター」に制限が掛けられています?
しかし、フカヒレが根性を出せば見えないものなどありません。
※渚砂の苗字を聞いていないので、先ほど出会った少女が古河渚であると勘違いしています。
※混乱していたので渚砂の外見を良く覚えていません。
※パーカーのポケットに入っていたカプセル(シアン化カリウム入りカプセル)が毒だということに気づいていません。
【装備】:エクスカリバー@Fate/stay night[Realta Nua]、
【所持品】:支給品一式、きんぴかパーカー、シアン化カリウム入りカプセル
【状態】:疲労(小)、背中に軽い打撲、顔面に軽傷、恐慌状態
【思考】
基本方針:死にたくない。殺したくない。
1:スラム街へ行き、誰かに守ってもらう
2:知り合いを探す。
3:清浦刹那、ツヴァイを警戒
【備考】
※特殊能力「おっぱいスカウター」に制限が掛けられています?
しかし、フカヒレが根性を出せば見えないものなどありません。
※渚砂の苗字を聞いていないので、先ほど出会った少女が古河渚であると勘違いしています。
※混乱していたので渚砂の外見を良く覚えていません。
※パーカーのポケットに入っていたカプセル(シアン化カリウム入りカプセル)が毒だということに気づいていません。
◇◇◇
殺し合いをするようなクソ野郎は取っちめる。
秋生はこの地に放り込まれて最初にそう思った。
当然の帰結だろう。 良識のある人間なら、殺人という行為が如何に馬鹿げたものであるかを知っている。
娘や他の人間を守るためにも、殺意を漲らせた人間は無力化させるなりして、然るべき処置を取って当然である。
しかし、鈴に刹那を殺すと言われたときも、玲二に今殺されそうになっていても、秋生は戦うことを拒否していた。
理由はとても些細なことだ。 他の人間からすればどうでもいいと笑われてしまうような、そんなくだらない理由だった。
秋生はこの地に放り込まれて最初にそう思った。
当然の帰結だろう。 良識のある人間なら、殺人という行為が如何に馬鹿げたものであるかを知っている。
娘や他の人間を守るためにも、殺意を漲らせた人間は無力化させるなりして、然るべき処置を取って当然である。
しかし、鈴に刹那を殺すと言われたときも、玲二に今殺されそうになっていても、秋生は戦うことを拒否していた。
理由はとても些細なことだ。 他の人間からすればどうでもいいと笑われてしまうような、そんなくだらない理由だった。
「気にいらねぇんだよ……お前の目が!」
精細さを欠ける動きを見せながら、秋生が叫ぶ。
血は一向に止まることはない。 内臓を傷つけられたことにより、喉を伝わって吐瀉物と血が口から吐き出される。
率直に言って、今の秋生は緊急を要する重傷であった。
ポタポタと落ちる血液が、朝日を浴びて綺麗に光り、赤を地面に刻み込んでいく。
血は一向に止まることはない。 内臓を傷つけられたことにより、喉を伝わって吐瀉物と血が口から吐き出される。
率直に言って、今の秋生は緊急を要する重傷であった。
ポタポタと落ちる血液が、朝日を浴びて綺麗に光り、赤を地面に刻み込んでいく。
「……」
玲二はもはや一言も発する気はなかった。 秋生は、今まで玲二が戦ってきた連中と違って、特別な力があるわけではないようだ。
身体能力はたしかに高いようだが、常人の域をでるものではないし、静留の操っていた鞭のような特殊な力があるわけでもない。
ならば、様子見はもう必要ない。 殺せるときに殺すのが暗殺者のセオリー。 だが、少し前の自分は些か喋りすぎた。
その戒めのため、玲二はおしゃべりをやめて秋生を殺す行為に専念する。
身体能力はたしかに高いようだが、常人の域をでるものではないし、静留の操っていた鞭のような特殊な力があるわけでもない。
ならば、様子見はもう必要ない。 殺せるときに殺すのが暗殺者のセオリー。 だが、少し前の自分は些か喋りすぎた。
その戒めのため、玲二はおしゃべりをやめて秋生を殺す行為に専念する。
「その年で、そんな目ができることを悲しいと思わねぇのかよ!?」
秋生が戦いを拒否して説得を続けている理由。
それは、偏に鈴や玲二の目が気になっていたからだ。
復讐に凝り固まり、他のことは何も考えられなくなった鈴。 キャルという人物の為に、他の全てを犠牲にして戦う玲二。
二人の目は、暗く汚れ、冷たく、空虚で、奈落の底のように澱み、それでいて獣のようにギラギラとしていた。 秋生は、無性にそれが悲しかった。
鈴も玲二も、秋生が見る限り、中~高校生くらいの年齢だ。
高校生といえば、勉強に部活に友達との遊びにと、楽しいことがたくさんある時期。
程度の差はあれども、誰もが青春を謳歌し、人生を楽しんでいる時期ではないか。
秋生は鈴と玲二がそんな目とは程遠い、暗い目をするのを止めさせたかった。
年相応の目をして、幸せに生きろと、そう伝えたかった。
お前が感じている闇など、世界のほんの一部でしかない。 世界はもっと明るく、楽しいものなんだと、どうにかして伝えたかった。
自身の命の計算など、秋生の考慮には入っていない。 秋生の強すぎる正義感がまた仇となっていた。
それは、偏に鈴や玲二の目が気になっていたからだ。
復讐に凝り固まり、他のことは何も考えられなくなった鈴。 キャルという人物の為に、他の全てを犠牲にして戦う玲二。
二人の目は、暗く汚れ、冷たく、空虚で、奈落の底のように澱み、それでいて獣のようにギラギラとしていた。 秋生は、無性にそれが悲しかった。
鈴も玲二も、秋生が見る限り、中~高校生くらいの年齢だ。
高校生といえば、勉強に部活に友達との遊びにと、楽しいことがたくさんある時期。
程度の差はあれども、誰もが青春を謳歌し、人生を楽しんでいる時期ではないか。
秋生は鈴と玲二がそんな目とは程遠い、暗い目をするのを止めさせたかった。
年相応の目をして、幸せに生きろと、そう伝えたかった。
お前が感じている闇など、世界のほんの一部でしかない。 世界はもっと明るく、楽しいものなんだと、どうにかして伝えたかった。
自身の命の計算など、秋生の考慮には入っていない。 秋生の強すぎる正義感がまた仇となっていた。
これはいつかのバスジャックの再現に近い。 秋生が乗っていた高速バスをバスジャックした少年。
その少年を説得しようとして、腹部を刃物で刺されたときと今の状況は似ている。
秋生はなんとかして玲二を笑わせようと、殺し合いを止めさせようとし、玲二に撃たれた。
あの時は危機一髪で説得に成功し、救急車で病院に搬送され一命を取り留めた。
だが、今回は救急車などない。 万が一の際の警察もいない。 今回も説得が成功する保証はない。
そして最大の違い、それはバスジャックをした少年に秋生を殺すつもりがなかったが、玲二には秋生を殺すつもりはあるということだ。
それでも秋生は諦めない。 背中合わせの死に耐えながら、秋生はそれでも笑えと、玲二に言葉を投げる。
岡崎朋也がどうやっても追いつけないと、あの人はやっぱりすごいと認めた人間像がここにあった。
誰かの心を救うために、自分の命を平気で白刃と銃弾に身を晒すことができる人間、それが古河秋生。
いつも無茶をして、妻の古河早苗に「秋生さんはしょうがないですね」と言われるような男だ。
誰から見ても立派な人物だが、その無茶っぷりが時折、妻の早苗を悲しませていることが、古河秋生最大の罪でもあることに本人は気づいていない。
その少年を説得しようとして、腹部を刃物で刺されたときと今の状況は似ている。
秋生はなんとかして玲二を笑わせようと、殺し合いを止めさせようとし、玲二に撃たれた。
あの時は危機一髪で説得に成功し、救急車で病院に搬送され一命を取り留めた。
だが、今回は救急車などない。 万が一の際の警察もいない。 今回も説得が成功する保証はない。
そして最大の違い、それはバスジャックをした少年に秋生を殺すつもりがなかったが、玲二には秋生を殺すつもりはあるということだ。
それでも秋生は諦めない。 背中合わせの死に耐えながら、秋生はそれでも笑えと、玲二に言葉を投げる。
岡崎朋也がどうやっても追いつけないと、あの人はやっぱりすごいと認めた人間像がここにあった。
誰かの心を救うために、自分の命を平気で白刃と銃弾に身を晒すことができる人間、それが古河秋生。
いつも無茶をして、妻の古河早苗に「秋生さんはしょうがないですね」と言われるような男だ。
誰から見ても立派な人物だが、その無茶っぷりが時折、妻の早苗を悲しませていることが、古河秋生最大の罪でもあることに本人は気づいていない。
「……」
次々と玲二に浴びせられる言葉。
それをひたすら受け流しながら、玲二は淡々と、黙々と、奪ったコルトM16A2で銃弾を撃ち込む。 バースト機能は使わずに、あくまでも単発だ。
恐らく、秋生の唯一の武装であると思われるコルトM16A2も奪った今、秋生と玲二は殺し、殺されるという対等の立場ではない。
玲二が勝負の圧倒的主導権を握っている以上、秋生の言葉は命乞いとなんら変わりはしない。
しかし、この茶番ももう終わりだ。 コンポジットボウからコルトM16A2に武器を持ち替えて発射された弾丸が、秋生の大腿部を貫いたのだから。
秋生が恥じることではない。 玲二の暗殺者としての戦闘経験が生んだ結果だ。
それをひたすら受け流しながら、玲二は淡々と、黙々と、奪ったコルトM16A2で銃弾を撃ち込む。 バースト機能は使わずに、あくまでも単発だ。
恐らく、秋生の唯一の武装であると思われるコルトM16A2も奪った今、秋生と玲二は殺し、殺されるという対等の立場ではない。
玲二が勝負の圧倒的主導権を握っている以上、秋生の言葉は命乞いとなんら変わりはしない。
しかし、この茶番ももう終わりだ。 コンポジットボウからコルトM16A2に武器を持ち替えて発射された弾丸が、秋生の大腿部を貫いたのだから。
秋生が恥じることではない。 玲二の暗殺者としての戦闘経験が生んだ結果だ。
「グッ――!?」
腹部に受けたダメージだけでも重傷だったのに、さらに大腿部に突き刺さった弾丸というダメージが加わる。
気力だけで体を動かしていた秋生も、ついに地に伏すことを抑えられなかった。
二つの傷が焼けるように熱く、痛い。 意識が朦朧としている。 意識を今にも失いそうだ。 玲二がナイフを取り出して近づいてくる。
玲二のゆっくりとした歩みが、勝負は決まったということを物語っていた。 だが、それでも玲二を説得することはやめない。
気力だけで体を動かしていた秋生も、ついに地に伏すことを抑えられなかった。
二つの傷が焼けるように熱く、痛い。 意識が朦朧としている。 意識を今にも失いそうだ。 玲二がナイフを取り出して近づいてくる。
玲二のゆっくりとした歩みが、勝負は決まったということを物語っていた。 だが、それでも玲二を説得することはやめない。
「いいから……聞け、俺は……お前の敵じゃない。 キャルなら……みんなで、探せばいい……」
「続きはあの世で言ってくれ。 俺はあの世なんて信じてないがな」
「続きはあの世で言ってくれ。 俺はあの世なんて信じてないがな」
秋生は言葉を搾り出すのも億劫になってきた。 体全体が今すぐ治療して安静にしろと警告を発するが、後回しにする。
仰向けになって空を仰ぎ見た。 息が荒い。 衣服はもう、赤い絵の具を混ぜたバケツの水をひっくり返したかのように真っ赤だった。
秋生の頭にグルグルと様々なことが浮かんでは消える。
今もこの島のどこかでおびえているかもしれない渚。 いつまでも帰ってこない夫と娘の身を心配する妻の早苗。
公園でいっしょに野球をして遊ぶチビッ子たち。 いつもパンを買ってくれる近所の知人達。
もう会えないのかと思うと、泣きたくなってきた。 自分が死ぬのは分かっていた。 それでも玲二を助けたかった。
鈴を助けられなかったからこそ、玲二だけはと思っていた。
死ぬのは怖い、けれど、ここで意地を張らない男など古河秋生ではない。
仰向けになって空を仰ぎ見た。 息が荒い。 衣服はもう、赤い絵の具を混ぜたバケツの水をひっくり返したかのように真っ赤だった。
秋生の頭にグルグルと様々なことが浮かんでは消える。
今もこの島のどこかでおびえているかもしれない渚。 いつまでも帰ってこない夫と娘の身を心配する妻の早苗。
公園でいっしょに野球をして遊ぶチビッ子たち。 いつもパンを買ってくれる近所の知人達。
もう会えないのかと思うと、泣きたくなってきた。 自分が死ぬのは分かっていた。 それでも玲二を助けたかった。
鈴を助けられなかったからこそ、玲二だけはと思っていた。
死ぬのは怖い、けれど、ここで意地を張らない男など古河秋生ではない。
「お前……人殺しは、好き……か?」
「そんなことない」
「だったら――」
「ただ、人を殺さないと生きていけない世界で生きてきただけだ」
「そんなことない」
「だったら――」
「ただ、人を殺さないと生きていけない世界で生きてきただけだ」
ナイフを構えた玲二が、秋生の横たわっている場所のすぐ近くまでくる。
朝日を背に受けて、玲二が秋生にナイフを尽きたてようと構えた。
致命傷となる怪我、それでなくともチェックメイトを掛けられているこの状況。
誰も助けにこない。 自業自得だが、仲間には見捨てられた。 武器もない。 すでに致命傷を受けた肉体はもう限界を迎えている。
なんという孤独な戦い。 なんという絶望的な戦いだろうか。
常人なら泣き叫んでもおかしくない光景だ。 だが、秋生の精神の状態は驚くほど安定していた。
そうしないと生きていけなかったと、玲二が初めて本音を漏らしてくれたのが純粋に嬉しかった。
玲二も人を殺したくなんかなかったのだ。 それを知ることができたのならば、秋生がまだ説得を続ける意味はある。
朝日を背に受けて、玲二が秋生にナイフを尽きたてようと構えた。
致命傷となる怪我、それでなくともチェックメイトを掛けられているこの状況。
誰も助けにこない。 自業自得だが、仲間には見捨てられた。 武器もない。 すでに致命傷を受けた肉体はもう限界を迎えている。
なんという孤独な戦い。 なんという絶望的な戦いだろうか。
常人なら泣き叫んでもおかしくない光景だ。 だが、秋生の精神の状態は驚くほど安定していた。
そうしないと生きていけなかったと、玲二が初めて本音を漏らしてくれたのが純粋に嬉しかった。
玲二も人を殺したくなんかなかったのだ。 それを知ることができたのならば、秋生がまだ説得を続ける意味はある。
「いいか……道を間違えたら、引き返せばいい……お前は…人を…殺したくなんかねぇんだろ? だったら……簡単じゃねぇか」
そして秋生は玲二の方へ震える手を伸ばした。 伸ばされた手の意味は玲二にも分かる。
助けてくれ、という意味じゃない。 お前を助けたい、だからこの手を掴めと、そう言っているのだ。
誰かの手を掴むことは弱さなんかじゃないと、そう語りかけているのだ。
自分を傷つけ、殺そうとしている男さえも救いたいという思いが、その手にはが篭められていた。。
それは真に玲二のことを気にかけた思いの発露。
ファントムとしての言葉ではなく、吾妻玲二としての本音を聞けた秋生が差し出した手。
手は差し伸べられた。 後は玲二がこの手を掴むだけで、玲二はファントムでもツヴァイでもなく、普通の吾妻玲二になれるのだ。
残るは玲二の気持ち一つ。 玲二は長い――本当に長い時間をかけて秋生に答えを返した。
助けてくれ、という意味じゃない。 お前を助けたい、だからこの手を掴めと、そう言っているのだ。
誰かの手を掴むことは弱さなんかじゃないと、そう語りかけているのだ。
自分を傷つけ、殺そうとしている男さえも救いたいという思いが、その手にはが篭められていた。。
それは真に玲二のことを気にかけた思いの発露。
ファントムとしての言葉ではなく、吾妻玲二としての本音を聞けた秋生が差し出した手。
手は差し伸べられた。 後は玲二がこの手を掴むだけで、玲二はファントムでもツヴァイでもなく、普通の吾妻玲二になれるのだ。
残るは玲二の気持ち一つ。 玲二は長い――本当に長い時間をかけて秋生に答えを返した。
「お断りだ」
重力に従って落とされた玲二のコンバットナイフが秋生の胸を刺す。
そして、腕を捻ることでナイフが完全に心臓を抉り破壊する。
秋生は最期に大きな血の塊を吐いてから痙攣した後、二度と動かなくなった。
秋生の胸からナイフを抜いた後は、秋生の衣服でナイフの血を拭く。
そして、腕を捻ることでナイフが完全に心臓を抉り破壊する。
秋生は最期に大きな血の塊を吐いてから痙攣した後、二度と動かなくなった。
秋生の胸からナイフを抜いた後は、秋生の衣服でナイフの血を拭く。
秋生の気持ちは本物だったのだろう。
一発だけしか使われたなかったコルトM16A2が、何よりの証拠だ。 玲二が秋生からこの銃を奪ったとき、弾倉には気前のいいことに19も弾丸が残っていた。
戦う気はないと言っていたのも、玲二を助けたいと言っていたのも本当だろう。
秋生は最期まで自分の身を案じる事をしなかった。 玲二には仲間になれとは言ったが、だから俺を助けろ、とは一言も言わなかった。
馬鹿な男だとは思わない。 その馬鹿な行為をするのに、どれだけの勇気がいるかを知っている。
秋生に差し伸べられた手を取ることは、最後までしなかった。 玲二には初めから他者と協力する考えなどないから。
一発だけしか使われたなかったコルトM16A2が、何よりの証拠だ。 玲二が秋生からこの銃を奪ったとき、弾倉には気前のいいことに19も弾丸が残っていた。
戦う気はないと言っていたのも、玲二を助けたいと言っていたのも本当だろう。
秋生は最期まで自分の身を案じる事をしなかった。 玲二には仲間になれとは言ったが、だから俺を助けろ、とは一言も言わなかった。
馬鹿な男だとは思わない。 その馬鹿な行為をするのに、どれだけの勇気がいるかを知っている。
秋生に差し伸べられた手を取ることは、最後までしなかった。 玲二には初めから他者と協力する考えなどないから。
「古河秋生……か……」
今まで、玲二に殺しを止めろと言った人間は秋生が初めてだ。
上司にあたるクロウディアも吾妻玲二ではなく、ツヴァイとしての力を欲していたし、愛するキャルも人殺しをする玲二のそばに居たいとは言ったが、玲二に殺しを止めろとは言わなかった。
だからだろうか、初めて自分に殺しを止めろと言ってきた男を殺した感想は、今までにないほど後味が悪いものになった。
今まで玲二が殺してきたマフィアの人間やゴロツキなどは、良くも悪くも殺す覚悟、殺される覚悟を持っている。
銃を持つものが大半だし、殺されても文句を言えないようなことばかりやってきた人間ばかりだった。
思えば、敵意を持たない人間を殺したのも初めてかもしれない。
銃を向ける敵は容赦なく葬ってきたし、玲二が銃を向けた相手もまた玲二を殺し、あるいは撃退せんと銃を握り立ち向かってくる。
それが正常なのだ。 戦場では薄っぺらい倫理観や道徳観などは、すぐに剥がれ落ちるのだから。
だが、銃を向けても、敵意も怯えも見せずに対話を試みてきた人間は初めてだったかもしれない。
秋生の言うとおりだ。 誰も殺さなくても住む世界があるのなら、ぜひとも行きたい。
誰も笑っている世界があるのなら行きたい。
上司にあたるクロウディアも吾妻玲二ではなく、ツヴァイとしての力を欲していたし、愛するキャルも人殺しをする玲二のそばに居たいとは言ったが、玲二に殺しを止めろとは言わなかった。
だからだろうか、初めて自分に殺しを止めろと言ってきた男を殺した感想は、今までにないほど後味が悪いものになった。
今まで玲二が殺してきたマフィアの人間やゴロツキなどは、良くも悪くも殺す覚悟、殺される覚悟を持っている。
銃を持つものが大半だし、殺されても文句を言えないようなことばかりやってきた人間ばかりだった。
思えば、敵意を持たない人間を殺したのも初めてかもしれない。
銃を向ける敵は容赦なく葬ってきたし、玲二が銃を向けた相手もまた玲二を殺し、あるいは撃退せんと銃を握り立ち向かってくる。
それが正常なのだ。 戦場では薄っぺらい倫理観や道徳観などは、すぐに剥がれ落ちるのだから。
だが、銃を向けても、敵意も怯えも見せずに対話を試みてきた人間は初めてだったかもしれない。
秋生の言うとおりだ。 誰も殺さなくても住む世界があるのなら、ぜひとも行きたい。
誰も笑っている世界があるのなら行きたい。
「それでも生きる。 今は、キャルのためだけにな」
誓いは己の胸に。 神にも悪魔にも誓う気はない。
そして玲二はその場を去る。 秋生の方を振り返ることはしなかった。
そして玲二はその場を去る。 秋生の方を振り返ることはしなかった。
「なんでこんなに空が青いんだろうな……」
空に描かれた清々しい青の色とは裏腹に、玲二の気持ちはいつまでも晴れることはなかった。
◇◇◇
古河秋生は昨日より今日が好きだった。
今日よりも明日が好きだった。
だから、明日に行きたかった。
明日も、生きたかった。
大切な人と、笑い合いたかった。
大切じゃない人とも笑い合いたかった。
かくして願いは叶うことなく、また一つこの悲しみの島に遺体が増える。
今日よりも明日が好きだった。
だから、明日に行きたかった。
明日も、生きたかった。
大切な人と、笑い合いたかった。
大切じゃない人とも笑い合いたかった。
かくして願いは叶うことなく、また一つこの悲しみの島に遺体が増える。
【古河秋生@CLANNAD 死亡】
【C-3 森/一日目 朝】
【吾妻玲二(ツヴァイ)@PHANTOM OF INFERNO】
【装備】:コンポジットボウ(2/20)、コルト・ローマンの予備弾(21/36)、コルトM16A2(15/20)@Phantom-PHANTOM OF INFERNO-
【所持品】:支給品一式×3。コンバットナイフ、レザーソー@School Days L×H、おにぎりx30、ランダム不明支給品x1、野球道具一式(18人分)
【状態】:疲労(大)、右手に小さな蚯蚓腫れ、右腕の骨にヒビ、頭部から出血
【思考・行動】
1:キャルを見つけ出して保護する
2:アインはなるべく敵にしない
3:他の参加者から武器を奪う、可能ならば殺すが無理はしない
【装備】:コンポジットボウ(2/20)、コルト・ローマンの予備弾(21/36)、コルトM16A2(15/20)@Phantom-PHANTOM OF INFERNO-
【所持品】:支給品一式×3。コンバットナイフ、レザーソー@School Days L×H、おにぎりx30、ランダム不明支給品x1、野球道具一式(18人分)
【状態】:疲労(大)、右手に小さな蚯蚓腫れ、右腕の骨にヒビ、頭部から出血
【思考・行動】
1:キャルを見つけ出して保護する
2:アインはなるべく敵にしない
3:他の参加者から武器を奪う、可能ならば殺すが無理はしない
※身体に微妙な違和感を感じています。
※アインが生きていることに疑問。
※時間軸はキャルBADENDです。
※真アサシン(外見のみ)を強く警戒しています。
※理樹を女だと勘違いしてます。
※静留を警戒しています
※玲二がどこに行くかは次の書き手氏に任せます
※アインが生きていることに疑問。
※時間軸はキャルBADENDです。
※真アサシン(外見のみ)を強く警戒しています。
※理樹を女だと勘違いしてます。
※静留を警戒しています
※玲二がどこに行くかは次の書き手氏に任せます
085:無題(前編) | 投下順 | 086:1/6の夢旅人 |
時系列順 | 086:1/6の夢旅人 | |
吾妻玲二(ツヴァイ) | 104:禽ノ哭ク刻-トリノナクコロ- | |
古河秋生 | ||
鮫氷新一 | 089:影二つ-罪と罰と贖いの少年少女- |