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騎英の手綱

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騎英の手綱 ◆WAWBD2hzCI



情報とは武器である。
事前情報も知らないまま行動することと、最初に情報を仕入れて行動することの違いは大きいのだ。
例えば暗闇の洞窟に落とし穴がある、と知っているかいないか。
前者はまず間違いなく穴の中へと飲み込まれるが、落とし穴を知っている後者なら警戒心があるので回避できる。

まあ、要するに。
力のない人間は情報を利用しましょう、ということで。
源千華留蘭堂りのユメイ。三人の少女はこうして一堂に会すことになったのだ。

「まずは自己紹介から始めましょうか。私は源千華留、この子は蘭堂りのちゃん」
「よろしくお願いします!」
「えっと……はい、よろしくお願いします。ユメイと申します」

揺れる電車の中で三人は自己紹介。
かなり強引に乗せられたユメイには分けも分からず、といったところなのだが、どうやら害意はない様子。
安心した、というのが正直なユメイの感想ではあった。
それと同時に、自分はこんなところで何をやっているのだろう、という自己嫌悪にも近い何かが彼女の心を締め付ける。

恐ろしいのは何だろう?
人を傷つけることか、人に傷つけられることか?
人を殺すことか、人に殺されることか?
それとも、自分の命よりも大切な存在に死なれてしまうことなのだろうか?

「あの……サクヤさんのお知り合い、と言ってましたね」
「ええ。この島で出逢ったわ。あの人は仲間を集めながら、羽藤桂という子を捜しているらしいの」
「ユメイさんのことも、サクヤさんから聞いたんですよー。信頼できる人だって」
「……そう」

信頼できる、と言えるだろうか。
桂のために、という免罪符を手に入れて誰かを傷つけようとして。
その結果、彼らに誤解させられるようなことをして……しかも、自分自身は何をするのにも恐怖している。
いっそ、どちらかの方向に吹っ切れてしまえば楽なのかもしれない。

だけど、それはどの方向へ?
サクヤのように桂を捜しながら仲間を集うか。
さっきまでのユメイのように人を殺してまで桂の生を肯定してみせるか。

(サクヤさんはこうして、私のフォローをしてくれるまで頑張っているのに……私は何をしているのかしらね)

恐らく、今のユメイにはできないのだろう。
生来の彼女は慈愛に満ちた優しい性格なのだから。自己犠牲の強い少女だったのだから。
確かに桂のためになら、鬼にでも悪魔にでもなろう。
だけど、それが結果として桂を悲しませてしまうことになると知っているからこそ、ユメイは修羅になることができない。

「ねえ、ユメイさん……電車の中、待っているのもなんだから、情報交換でもしない?」
「あ、私も知りたいです、ユメイさんのこれまでのこと!」
「……え、えっと……そうですね。あまり、聞かせられるようなものでもないんですけど……」

今までの自分の行動を思い返してみた。
遊園地、そこがスタート地点。
桂を捜すために夜の歓楽街を歩いていた。暗闇が不安を助長させていくのを感じていた。
そうだ、あの時から予兆はあったのだ、と今更ながらにユメイは思う。

キーワードは『変質者』

その他は『仮面』『諸行無常』『うぅまうぅー』『逞しいナニカ』と続いていく。
ユメイの瞳に何かが映った。
白いスーツに刳り貫かれた跡、筆で呪いのように刻まれた諸行無常の文字にビクリと震えてしまう。
あのシーツの中から、仮面に髭のあの男がにょろり、と出てきそうな気がしてきた。

「……………………」
「あ、ああっ、千華留さん! ユメイさんが生まれたての子羊のように震えています!」
「あらあら。よほど怖い目にあったかしらね……」

臆病者と笑うなかれ。
誰だって殺し合いに放り込まれ、夜の歓楽街で背後から巨漢の男に立たれては気絶もするだろう。
しかもその上、ターミネーターの如く追い掛け回され、死んだと思った人から『出たぞーーーっ』などと言われればトドメなのだ。
そもそも、出逢う人出逢う人が仮面の男に全裸の男と色物パーティーを繰り広げている。

「……で、どんな人と逢ったのですか?」
「み、未開地民族の仮面を被った二mぐらいの巨漢の大男と、は、裸のまま気絶していた男の人と……」
「…………それは、トラウマにもなるでしょうね」

変質者は全世界の女の敵である。
女には負けると分かっていても、相手の急所を蹴り上げねばならないときがあるのである、まる。


     ◇     ◇     ◇     ◇


電車は進む、がたんごとん。
ユメイのこれまでの行動と、千華留とりののこれまでの行動を内容をまとめて語っていく。
内容は共通の知り合いである浅間サクヤの話題から、棗恭介、トルティニタ・フィーネ、そして全裸の男の件にも移っていく。

「その、裸の男の人、には心当たりがあるわね……」
大十字九郎さん、ですよね……あれ? あれれ? あのあの、ユメイさん、ちょっとお聞きしたいのですけど」
「……? はい、なんでしょう?」
「神宮寺奏……奏会長は、その人の傍にはいませんでしたか?」

サクヤの情報によれば、りのの捜し人である神宮寺奏は大十字九郎と一緒にいるらしい。
それなら、彼と出逢ったはずのユメイも、奏のことは目撃しているはずだ。
なのに、ユメイが出逢ったというのは二人の男性のみ。一人は話を聞く限り、殺し合いに乗っている可能性が高い。
ならば、奏は何処に消えてしまったのか。

「……ごめんなさい。私が見たのは、その二人だけなんです」
「っ……そ、そんな……」
「落ち着いて、りのちゃん。まだ何が決まったわけでもないわ。とりあえず、情報を整理してみましょう」

千華留は電車に備え付けられたシートに優雅に腰掛ける。
考えなければならないのは、今まで手に入れた情報を総合的に纏めることだ。
それが誰からの情報かどうかにも着目しながら、一人一人を考えなければならない。

「じゃあ、集めた情報から、参加者たちについて考えてみましょうか」

まずは神宮寺奏。
蘭堂りのと親しい間柄にある少女。千華留自身にも共感を覚えている。
殺し合い否定者。情報はりの自身による太鼓判と、実際に見たサクヤの情報から限りなく白と思われる。
無事の確認はできていないが、途中で別れたと考えるのが一番妥当だろう。

続いて大十字九郎。
神宮寺奏と行動を共にしていたはずの男性。特徴は全裸以外にないのはご愛嬌か。
殺し合い否定者。情報はこれまたサクヤと、更には目の前のユメイから。
ユメイが出逢った時点では仮面の男と共に気絶していた。奏の姿を見ていない以上、それよりも前に奏とは別れている。
仮面の男に襲われたまま、電車から飛び出したようだが……大怪我を負っていなければいい、と切に思う。

次は仮面の男。
ユメイに不気味な笑みを向けたり、奇声をあげて九郎に襲い掛かったり、と衝撃的な人物だ。
殺し合い肯定者の可能性が高い。気絶したユメイを攫うだけで殺さないのには、何かわけがあるのかも知れないが。
単純に殺し合いを肯定しているわけではない、と考えるのは甘いかも知れない。
とりあえずは要警戒対象ということで、限りなく黒に近いグレーに判断しておくことにした。

「あの仮面の人は、黒じゃない、と……?」
「判断しづらいわね。もしも彼が殺し合いに単純に乗っているのなら、今頃あなたは放送で名前を呼ばれているわ」
「あっ、あの……奏会長については……」
「落ち着いて、りのちゃん。サクヤさんからの情報を考えれば、第二回放送に合流することになってるのだから」
「あ、はい……」

続けよう、次は浅間サクヤ。
彼女のプロポーションは実に悔しいと言わざるを得ない……こほん、それは置いておいて。
彼女は積極的に仲間を集うと同時に、一人の少女を捜しているらしい。
羽藤桂、とても優しい少女らしい。ユメイの捜し人も彼女であることを踏まえれば、積極的に合流したい人物だろう。
彼女は当然、白。殺し合い否定者だ。

羽藤桂。
ユメイとサクヤの話を総合するに、何の変哲もない女の子らしい。
ただひとつ、贄の血と呼ばれる特異体質であることを除いて。
人外の者全ての力を増幅させる、ドーピングのような効力を発揮するらしい。もちろん、千華留たち人間には効力はないが。
これもまた、二人の話によれば白。人を殺すぐらいなら、自分の命を絶ってしまうほど優しい子らしい。

ふと、ここまで考えて。
聞き覚えのあるキーワードを聞きつけ、千華留が疑問の声を上げた。

「……贄の血? それじゃ、あの子が羽藤桂ちゃんなのかしら?」
「あれ、千華留さん、憶えがあるんですか?」
「ど、何処にいるんですか、桂ちゃんはっ!?」
「お、落ち着いて聞いて。私が逢ったのは会場なの……まだこの島に訪れる前のことよ、覚えてる?」

ノゾミとミカゲ、双子の鬼が主催者へと挑み……そして、アッサリと敗れた。
受肉、と彼らは言っていたが、それは置いておく。
とにかく、その彼女たちはツインテールの少女に向かって、確かに『贄の血』という固有名称を使っていたのだ。
彼女たちも人外、そして自分たちは人間。
生き延びる可能性は低い、と主催者に告げたが……改めてその通りだろう、と思ってしまう。

「そこでね、確かに可愛い子がいたの。多分あの子ね、姿を見れば分かるわ」
「……桂ちゃん、何処にいるのかしら……」
「ううーっ、奏会長も心配です……」
「焦らなくてもいいわ。大丈夫、きっと逢わせて見せるから……ね?」

それが、渚砂を助けられなかった自分の責務だと思うから。
彼女たちには、あんな苦しい思いをして欲しくない。
胸の奥がジクリと痛むほどの思いを……殴られる痛みなど、比べ物にもならないほどの悲しみを。
これが失う痛みだと知って……もう、誰にもそんな思いをしてほしくないと思った。

そのために必要なのは情報だ。
自分の身の安全を守るための情報と、捜し人をスムーズに捜しだすための情報。
このふたつが両立しなければ、きっと再会は有り得ないのだろう。

「さあ、後は恭介さんたちのことね」
「恭介さんとトルタさん……大丈夫でしょうか」
「…………大丈夫よ、きっと」

最後に、棗恭介とトルティニタ・フィーネ。
彼らを白とするか黒とするか、未だに千華留自身も判断がつかない。よってグレーとしておくが。
最後に彼らと別れてから、少し時間が経ってしまった。
一発の弾丸がどれほどの意味を持つのか、千華留でさえ見てないのだから分からない。

恐らく二人で組んでいることと、千華留たちと接触の際に襲い掛かってこなかったことを考えれば白に近いとは思う。
逆に『自分たちが生き延びるためなら誰でも切り捨てる』という方針のほうが納得がいく。
あれから民家に襲撃がなかったことを考えれば、そこまで深刻的なものではないかも知れない。
恭介たちの方がどうであれ、結果として千華留たちは危険人物に遭うことなく、こうしてユメイと合流できたのだから。

「……その、棗恭介さんとトルティニタ・フィーネさんは、危険なのですか?」
「少なくとも、直接的な害意はないはずよ。私もりのちゃんも、一緒にご飯を美味しくいただいて、この通りだもの」
「結局、恭介さんとトルタさんの不自然な行動、については?」
「うーん……特筆するべきは、短時間でのカップル成立は無理やり感があるかな、くらいで……っと」

がたんごとん、と進んでいた電車が停車する。
終点、F-2の駅へと到着の様子。
粗野な男のアナウンスが数分の停止後、改めて駅を出発することを告げた。

「どうしますか、千華留さん?」
「一度降りましょう。……あ、ユメイさん。とりあえず落ちているものは回収しましょうね」
「……ええ、そうですね。中には危険なものもありますから、気をつけてください」

まずは一つ目、地方妖怪マグロのシーツ。
これは元々ユメイが所持していたのだが、りのが欲しがったために譲渡することにした。

「出ーたーぞー!」
「あらあら、りのちゃん、可愛いわ」
「……………………」
「ああっ、ユメイさんが猫を前にしたハムスターのように震えてますっ!?」
「……よっぽどのことがあったのね。トラウマになっちゃってる」

続いて電車に落ちているものを回収していく。
物干し竿と呼ばれる、異様に刀身の長い刀。先端には若干の血が……九郎の血が付着している。
自分がやったことを思い出してしまい、ユメイは俯きながらこの刀を千華留に渡した。
千華留自身、撃つつもりはないが銃がある。
よって、この刀は使える人が現れるまでデイパックの中へ入れておくことにする。

「次は、次は……あわわ、大砲ですよ大砲!?」
「バズーカ、かしら……しかも二挺も。危険といえば危険ね……ひとつはユメイさんに持ってて貰おうかしら?」
「なら、こっちのほうを。……こちらのランチャーは使える人と使えない人に分かれているそうです」

メガバズーカランチャーはユメイが預かることにする。
NYPに覚醒しているのがユメイだけだとは限らない。もしかしたら、千華留やりのも使用できる可能性はある。
ただ、ここで試し撃ちをするようなことは(りのはやりたかったらしいが)馬鹿げてるので却下。
轟音で人が寄ってくる可能性があるからだ。
自分たちはあくまで戦闘などは不得手な少女三人。銃を持った殺し合い肯定者が現れれば、どうなるかなど分からない。

もうひとつの取り扱い危険物、RPG-7は大事に千華留が封印することにした。
バランス的にりのにも、何か護身用を渡してやりたいのだが、生憎と長刀にバズーカなど自分たちでも扱えるかどうか。
少なくとも小柄な彼女では使いこなせないと判断し、自分たちで分担することにする。

「うう、ドッちゃん……なんだか私、蚊帳の外だよ……」
「ドッちゃん……?」
「あのドリルの名前よ、ユメイさん。……と、ごめんね、りのちゃん。後でたっぷりお相手してあげるから……」

その他、九郎のデイパックから零れたドッチボールの処遇を巡っての会議。
正直、どうでもいい気が心の底からするので、これをりのに渡すべきか、などと考えてみたりする。
もちろん、りのがどうでもいいのではなく、出来ればスタンガンなど女性でも扱える武器があれば、りのに所持してもらいたい。

「ひ、暇ですー。そうだ、ユメイさん! 九郎さんってどんな人だったんですか? もちろん裸以外で!」
「は、裸以外で……?」

裸以外の彼の印象を、ユメイは必死に手繰り寄せようとする。
りのは、彼女は何処か羽藤桂に雰囲気が似ていて、ユメイ自身も何故か拒みきれなかったのだ。
そうして、一生懸命に彼女の期待に答えるべく、思い返してみる。

裸。
黒髪。
裸。
逞しい筋肉。
裸。
そして蹴り上げてしまった、男の人の急所。

「…………………………きゅう」
「あ、あああっ!? ユメイさんが茹で上げられたタコさんのように真っ赤に!」
「りのちゃん、話が進まないからもう勘弁してあげなさいね」

くすくす、と微笑みなが千華留の興味は次に移る。
続いては壊れているデイパックとその中身についてだ。一体何があったのかは知らないが、中身が零れている。
とりあえずデイパックそのものは破棄せざるを得ないだろう、と考えてまずひとつ。

「…………手綱?」
「……手綱ですね……」
「…………光る手綱、なんてあるんですねぇ」

神秘的な何かが放置されていた。
説明書と共に壊れたデイパックから出てきたそれは、馬などを操るために使う手綱だ。
魔術に詳しい者ならば、そこから溢れ出す魔力と秘められた力に嫌な予感すら憶えるだろう。
一般人の千華留には分からなかったが、霊力を持つユメイや神宮寺の力を持つりのには、何となく理解した。

「……これは、バズーカやランチャーよりも危険かも知れません」
「あの、私も……なんだろう。凄く危ない気がします」
「……そうなのかしら?」

説明書を拾い上げる。
『騎英の手綱(ベルレフォーン)』という名を付けられた手綱は一種の魔術武装だというらしい。
効果は魔獣、神獣を強化させ、操るというものらしい。
ユメイは首をかしげた。ここに集められたのは人間と人外、あわせて63名だ。その中に獣がいるとは思えない。

なら、これは主催者側の嫌がらせか何かだろうか。
あの地方妖怪マグロのシーツだって、殺し合いには何の役にも立たない代物。なら、これもそのひとつなのだろうか。
それとも、何か抜け道があると考えるべきなのかも知れない。

例えば参加者以外に自立的に行動するような存在。
それは馬であったり……もしくは猫や猪、果てはスライムまで『獣』と評されるものなら一時的な強化が見込めるのでは。
それがどの程度のものかは分からない以上、あくまで仮説程度に留めておくべきだろうが。

「千華留さーん、人外って言うのはあの双子の鬼さんも入るんですよね?」
「? ええ、恐らく。サクヤさんとユメイさんの情報から考えても、私たち以外に人を超えた存在がいることは間違いないわ」
「じゃあ、じゃあ、その人たちにこの手綱をビシッ! ってやったら、どうなるんでしょうか!」
「…………つまり、人以外の存在に対する可能性、ってことでしょうか?」

超人たる存在を操る武装……有り得る、のだろうか?
確かにそれができるのなら、一般人の自分たちにとっては大きなアドバンテージになるかも知れない。
だが、その超人とは『魔獣』や『神獣』にあたるか否か、ここは大きな焦点となってくると考える。
この手綱は、獣の因子を持つ存在を操り、そして強化させる武装と書いてある。よって、その超人に『獣』の要素がなければならない。

もちろん、全てが仮説の粋を出ない。
実際に使ってみなければ効果は期待できないし、もしかしたら全ての仮説が間違いである可能性もあるのだ。

「……とにかく、保留ね。これはりのちゃんに預けておくわ」
「わ、私ですか!? はわわわ、大切なものだからしっかりお預かりしておきますね!」
「…………っ、千華留さん。そろそろ電車が出てしまうようです」
「あら、本当ね。とりあえず最後の支給品を確認しながら、降りるとしましょうか」

最後はユメイのもうひとつの支給品だったので、電車から回収するまでもなく降りながらのお披露目だ。
ランチャーやら物騒なものを仕舞い込んでいるため、少し取り出すのに苦労しているらしい。
ユメイが悪戦苦闘している間に、千華留とりので今後のことを相談する。

「千華留さん。これから、どうするんですか?」
「そうね……もうすぐ第二回放送が始まる時間よ。サクヤさんとの約束、憶えてる?」
「えっと、それぐらいの時にF-7の駅でおちあう、です!」
「ええ、そうよ。そこにはサクヤさんが召集をかけた人たちが集まってくるわ。もちろん九郎さんや奏さんも」

生きていれば、などという無粋な言葉は飲み込んだ。
サクヤとも約束したのだ。『死なないで』と約束したのだから、自分たちも生きてそこに辿り着かないといけない。
とりあえず電車は行ってしまったのだから、次の電車を持ってから駅へと行くべきだろう。

今後の方針は決まった。
自分たちはこのゲームに向かって反逆しよう。数多くの同士を連れて、必ず後悔させてやろう。
蒼井渚砂を奪ったこの島で、私たちは結束する、と。


「……ユメイさん? 最後の支給品って何だったのですか?」
「ええと、制服です。光坂高校という高校の制服らしいのですが……やはり、あまり意味のないもので」
「…………ねえ、ユメイさん? 和服もいいのだけど、他の服にも興味はないかしら?」
「えっ……と?」

ずささ、っとユメイが本能的な危機を察知して退却。
それを前進することで距離をつめ、口元を優雅に歪ませながら千華留は笑う。
りのが妙なデジャヴを憶えながら、自分が着ているメイド服へと視線を向けるのだった。

「け、結構です……遠慮しておくます……!」
「大丈夫、痛くはしないから一瞬よ? さあ、その制服を渡して、そして私に委ねてしまいなさい……」
「せ、性格が妙にさっきと違うのは気のせいでしょうか……!」

どたんばたん、と駅の中で少女たちは騒ぐ。
こんなことわざがあるのであげておこう。女は三人寄れば姦しいものである、まる。




【F-2/駅/1日目/昼】


【源千華留@Strawberry Panic!】
【装備】:能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、
     スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16)
【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]、
      怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER、物干し竿@Fate/stay night[Realta Nua]、
      RPG-7V1(1/1)@現実、OG-7V-対歩兵用弾頭×5
【状態】:健康、強い決意
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。りのちゃんを守る。殺し合いからの生還。具体的な行動方針を模索する。
 0:さあ、大人しく着替えさせられなさい!
 1:りのちゃんと一緒に行動。何としてでも守る。
 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。
 3:恭介とトルタに若干の違和感。
 4:神宮司奏に妙な共感。
 5:とりあえず次の電車を待って、【F-7】の駅へ向かう。

【備考】
 ※浅間サクヤと情報を交換しました。
 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。
 ※G-4の民家に千華留とりのがF-2の駅に向かう、というメモが残されています。


【蘭堂りの@極上生徒会】
【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER
【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩、地方妖怪マグロのシーツ@つよきす -Mighty Heart-
      騎英の手綱@Fate/stay night[Realta Nua]、ドッジボール@つよきす -Mighty Heart-
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。
 1:千華留さん、ユメイさんと一緒に行動。
 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。
 3:とりあえず次の電車を待って、【F-7】の駅へ向かう。

【備考】
 ※浅間サクヤと情報を交換しました。
 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。
 ※騎英の手綱の効力については、後続の書き手氏にお任せします。


【ユメイ@アカイイト】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式×3、メガバズーカランチャー@リトルバスターズ!、光坂学園の制服@CLANNAD
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本方針:桂を保護する
 0:ち、千華留さん、ちょっと落ち着いて……!
 1:桂を捜索する
 2:烏月、サクヤ、葛とも合流したい
 3:誰かを傷付けるのが怖い
 4:とりあえず千華留たちに付いていき、桂やサクヤと合流する

【備考】
 ※霊体化はできません、普通の人間の体です。
 ※月光蝶については問題なく行使できると思っています。
 ※メガバズーカランチャーを行使できたことから、少なからずNYPに覚醒していると予想されます。
 ※仮面の男(平蔵)が殺し合いに乗っていると思っています。



【RPG-7V1@現実】
RPG-7 は、ソ連の開発した歩兵携行用対戦車擲弾(ロケット弾)発射器。
名称は、ロシア語で「対戦車擲弾発射筒」を意味する「ручной противотанковый гранатомёт(ルチノーイ・プラチヴァターンカヴィイ・グラナタミョート)」の頭文字をとった略称から作られた。
英語でRocket-Propelled Grenade(ロケット推進擲弾)と綴られ、対戦車擲弾が砲身から射出後に弾体の固体ロケットに点火し飛翔する。



118:I am me 投下順 120:増えては困る猫ばかり拾ってた
117:おはよう朝ごはん 時系列順 120:増えては困る猫ばかり拾ってた
105:源千華留は大いに語り大いに推理を披露する 源千華留 139:ストロベリーミサイル
105:源千華留は大いに語り大いに推理を披露する 蘭堂りの 139:ストロベリーミサイル
105:源千華留は大いに語り大いに推理を披露する ユメイ 139:ストロベリーミサイル

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