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ストロベリーミサイル

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ストロベリーミサイル ◆LxH6hCs9JU



【No.14――光坂学園の制服】

 クリーム色を基調としたライトな色感。襟と袖に入った赤のラインが際立ちます。
 胸元のポケットに縫われた校章の刺繍もとってもチャーミング。由緒正しい校風を印象づけてくれます。

 ……光坂学園。どんなところなんでしょうねぇ。
 制服はブレザータイプで、地味すぎず派手すぎず、バランスよくまとまっています。
 規律の整った名門進学校か、はたまたお嬢様たちの秘密の花園か――も、想像が膨らみます。

 こんな制服を着られる女の子がいたとするなら、その子はさぞ幸せ者でしょう。
 私もあとxx(ちょめちょめ)歳若かったら……ごほんごほん。


※【某芸能プロダクション所属『怪人ピヨピヨ』による支給品解説CD~①衣類編】より。


 ◇ ◇ ◇


 F-2駅は、駅にあるまじき寂寥感を纏う、隠れ里の如き辺境の施設であった。
 朝焼けと共に飛来する小鳩の群れがハーモニーを奏でる一方で、行き交う人々の姿は一切なかった。
 鉄車輪が鉄道を擦り火花をあげる。
 近代的な香りを漂わせる時計代わりの音は、一種の騒がしさと言えた。
 ただその程度の鉄が生み出す騒ぎでは、女三人揃って産み出される姦しさには敵わなかった。

 開花期を迎えた花弁には至らぬ、深紅の蕾が一厘。
 果実にも似た潤いと湿気を併せ持つ蕾は、花というよりも苺であった。
 小さく健気で、自ら存在感を主張しようとはしない。
 半透明でありながら真っ赤、という矛盾した姿が衆目の的となった。

 衆目の筆頭として躍り出たのが、とある学び舎で「お姉様」と慕われる少女であった。
 成績優秀、容姿も派手ではないが粒ぞろいの乙女たちが介する中、頭角としての役割を少女は担う。
 ごきげんよう、と挨拶を返せばちいさな下級生たちはきゅん、と胸を押さえた。
 お姉様は蟻塚における女王蟻、ハレムにおけるスルタンであった。

 苺は熟れ頃であった。
 収穫期を前にした苺に対し、衆目の頭に位置していたお姉様は目を背けようとも顔が硬直した。
 赤。
 真っ赤。
 紅薔薇色。
 バイオレントレッド。
 赤は心を擽る魔性の色彩であり、まだ少女であるお姉様は瞳の領域をあっさりと侵略された。

 苺自身に自覚はなかった。
 無自覚のまま醸し出される新鮮な香りが、お姉様の少女たる所以をやはり無自覚に刺激した。
 少女の本能は異臭を嫌う。
 空想の男性には憧れを抱きつつも、現実の男性には嫌悪感を抱く。
 汗と脂と精液と薄汚れたロマンチックの臭い。
 少女の幻想を嗅覚ごと木っ端微塵に破砕する、軽蔑すべき対象であった。
 お姉様が苺の香りに惹かれたのは、男性の放つ異臭とはまるで対局に位置する甘美であったからだ。

 お姉様のアプローチは苛烈を極めた。
 苺が発する扇情的な香りが、鼻腔を刺激する。
 お姉様は興奮している自分を見つめ、しかし暴走を諌めようとはしなかった。

 少女がなぜ少女を好くのか?
 少女はサムワンを求めるものである。
 少女は誰しも、心の中に珍獣の如き伝説の生き物を飼うものである。
 異性同性の隔てりはなく、少女は元々、幻を追い求める生き物であった!

 お姉様は、苺の震える姿態をじろりじろり舐め回した。
 着眼点は、服であった。
 苺は和装を好む。
 女としての体を慎ましく隠した衣は、新鮮味に溢れていたが物足りない。
 たとえ似合っていたとしても、お姉様はそれだけで満足できるような御利口さんではなかった。

 苺の耳元にお姉様の吐息と囁きが届く。
 ほぼゼロ距離の挑発は、苺にとっても、やられた!
 と頬を蒸気に包まなくてはならないほどであった。
 密接する体と体は、引力学に当てはまらない少女の法則であった。

 お姉様は勧めた。
 脱ぎましょう。
 苺は断った。
 いやです。

 交渉は決裂したが、お姉様にとって言葉は意味を成さぬものであった。
 いやいやする苺の態度に、また深く心をくすぐられる。
 ハート型の心臓をナイフの先端でちくちくちくちくと甚振られ、背筋に快感が走る。
 それは背徳の震えではない、まことの恍惚にほかならなかった。

 お姉様は苺の和装に手をかける。
 帯に、袖に、襟に、うなじに、ふとももに、乳房に、布から肌へと侵略していった。
 苺は口では嫌がっても、体では嫌がっていない。
 と、お姉様は合理的な解釈を持ち出した。
 苺にとってはまったく合理的などではなかった。

 苺の毛細血管が青く光る。
 雫を帯びた果実のように、食欲をそそる程度の潤いが、お姉様の視点をぐりぐりと嬲った。
 これはもはや、殺傷事件の域であった。
 弱肉強食の世を提唱する神父に反抗心を持つ程度には、お姉様は正義を重んじる。
 故に、これは苺の重大な呵責であるとまたもや合理的に解釈した。
 苺にとってはまったく合理的などではなかったが、お姉様は断罪をやめてはくれなかった。

 布擦れの音が激しく響き渡る。
 イギリスのダウンタウンの如く、駅構内は夜と霧の空気に包まれた。
 やんややんやと声を荒げる少女二人は、どっぷりと、その空気に浸り沈んでいった。

 やがて苺は、清らかな裸身を包む鉄壁を剥がされてしまった。
 下手人はもちろんお姉様であった。
 目尻に僅かな涙の跡すら浮かべる苺を見ても、お姉様は情けをかけたりはしなかった。
 委ねなさい、と教えを説き、だんだんと苺に少女としての本質を理解させていった。
 そして苺は、柔肌以上にクリーム色が濃厚な、某高校の制服に着替えることとなった。

 本来、苺は人間という枠から一センチほどずれ、此度の催しのためにまた一センチ枠に戻された。
 その特異性から、着替えという行為自体が久方ぶりの感触であった。
 それも自らの四肢を持って服を纏うのではなく、他人に、立場を同じくする同性に、脱がされ着せられ。
 表向きの感想は涙であった。
 内面の嫌悪感は薄かった。
 苺はやはり、少女であったのだ!

 苺の泣き顔が少女としての体裁である一方、心中の喜悦もまたどうしようもなく少女である!
 そう察した瞬間、お姉様はまた嬉しくなって、恍惚と身を捩るのであった。
 丈の短いスカートに身を包み、頬を真っ赤に染める、果実以上に果実らしい苺に少女として嫉妬する。
 同時に、そんな苺に恋をした。
 お姉様は真性のエスというわけではないが、世間一般の少女よりは、同性への恋情を燃やしていた。
 お喋りは楽しい。
 ふれあいはもっと楽しい。
 アレやソレやコレは愉悦の極みだ。
 故に、やはりお姉様も少女であったのだ!

 苺は少女であり、お姉様も等しく少女であり、つまり結論はこうなる。
 地球は丸い。
 だからこそ、少女は少女に恋をするのだ!

 そんな二人きりのふれあいを、羨望に近い児童の眼差しで見つめる姿があった。
 給仕服に身を包み、世界の全貌を知り終えていないような若輩者の雰囲気を纏う、やはり少女。
 彼女もお姉様が見定めた苺の一種であったが、今お姉様が標的としている苺とは種が違う。
 目の前の苺がストロベリーだとするならば、後ろの苺はラズベリーであった。

 苺と木苺、甘みと酸味を併せ持った果実が二種。
 垂涎も仕方がない両手に花、状態。
 着眼点を服とするお姉様は、さらなる喜色を求めんがため、舌なめずり。

 この中でもっとも幼い木苺は、期待する反面、恐れた。
 お姉様の野望に近い目論みに、虎視眈々とした欲望が透けて見える挙動に、身構えてしまう。
 ただ無為だ。
 お姉様にとっても、木苺にとっても、抵抗は愚かすぎた。
 少女が三人集えば物理法則などまるで役に立たない。
 ふれあいを求める指先は、自然と肌を手繰り寄せた。
 お姉様が木苺の給仕服をひっぺがすのも、法則無視の必然性によるものなのだ!

 ……姦しい。
 誰かが呟いたが、それは少女たちの世界にとっては空耳ほどの価値もない、希薄な音未満であった。
 お姉様は木苺の服を剥ぎ、苺の服もまた剥ぎ、互いの服を着せ替えあった。
 眼福の境地に至ったお姉様は、失神もやむないほどの快楽を得て、失神などしていられないと踏ん張った。
 メイド姿の苺さんに制服姿の木苺ちゃんだ。
 サイズの関係上、和装姿の木苺ちゃんがクリエイトできなかったのが残念でならない。

 かしまし大騒動の間、F-2の駅を何本か電車が行き来したが、三人は乗り込まなかった。
 幻の衝動を追い求める行為に、三者三様の心持で、ある意味、没頭していたからであった。
 約束の刻は正午十二時。
 間に合えば問題はない、とお姉様なりの合理的解釈に二人のベリーが服従した。

 少女は時間を厳守せず、享楽に励む。
 なぜか、なぜだ、なぜなのか。
 少女は少女である以前に、女、おんなであったから!

「ふぅ……まんぞく」
「うう……しくしく」
「はは……なははは」

 ――苺に和装を、木苺に給仕服を戻し、三人の少女は物語に帰結する。
 他を顧みない姦しさは潰えず忘れず、本来の役割を胸に刻み直す。
 次なる楽園を求めて、新たな電車の到来を待った。


 ◇ ◇ ◇


  • キャスト

 源千華留――『お姉様』

 ユメイ――『苺の少女』

 蘭堂りの――『木苺の少女』


※この作品には、若干の誇張が含まれています。



【F-2/駅/1日目/昼】

【源千華留@Strawberry Panic!】
【装備】:能美クドリャフカの帽子とマント@リトルバスターズ!、スプリングフィールドXD(9mm×19-残弾16/16)
【所持品】:支給品一式、エクスカリバーの鞘@Fate/stay night[Realta Nua]、
      怪盗のアイマスク@THE IDOLM@STER、物干し竿@Fate/stay night[Realta Nua]、
      RPG-7V1(1/1)@現実、OG-7V-対歩兵用弾頭x5
【状態】:健康、強い決意
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。りのちゃんを守る。殺し合いからの生還。具体的な行動方針を模索する。
 0:さあ、お楽しみはこのくらいにして待ち合わせ場所に向かうわよ!
 1:りのちゃんと一緒に行動。何としてでも守る。
 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。
 3:恭介とトルタに若干の違和感。
 4:神宮司奏に妙な共感。
 5:とりあえず次の電車を待って、【F-7】の駅へ向かう。
【備考】
 ※浅間サクヤと情報を交換しました。
 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。
 ※G-4の民家に千華留とりのがF-2の駅に向かう、というメモが残されています。


【蘭堂りの@極上生徒会】
【装備】:メルヘンメイド(やよいカラー)@THE IDOLM@STER、ドリルアーム@THE IDOLM@STER
【所持品】:支給品一式、ギルガメッシュ叙事詩、地方妖怪マグロのシーツ@つよきす -Mighty Heart-
      騎英の手綱@Fate/stay night[Realta Nua]、ドッジボール@つよきす -Mighty Heart-
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本:殺し合いはしない。ダメ、絶対。
 1:千華留さん、ユメイさんと一緒に行動。
 2:奏会長、プッチャン、桂ちゃん、クリス、リトルバスターズメンバーを探す。
 3:とりあえず次の電車を待って、【F-7】の駅へ向かう。
【備考】
 ※浅間サクヤと情報を交換しました。
 ※恭介からの誤情報で、千羽烏月を信用に足る人物だと誤解しています。
 ※騎英の手綱の効力については、後続の書き手氏にお任せします。


【ユメイ@アカイイト】
【装備】:なし
【所持品】:支給品一式×3、メガバズーカランチャー@リトルバスターズ!、光坂学園の制服@CLANNAD
【状態】:健康
【思考・行動】
 基本方針:桂を保護する
 0:うう…………きゅう
 1:桂を捜索する
 2:烏月、サクヤ、葛とも合流したい
 3:誰かを傷付けるのが怖い
 4:とりあえず千華留たちに付いていき、桂やサクヤと合流する
【備考】
 ※霊体化はできません、普通の人間の体です。
 ※月光蝶については問題なく行使できると思っています。
 ※メガバズーカランチャーを行使できたことから、少なからずNYPに覚醒していると予想されます。
 ※仮面の男(平蔵)が殺し合いに乗っていると思っています。



138:再起 投下順 140:調教
138:再起 時系列順 118:I am me
119:騎英の手綱 源千華留 147:明日への翼 (前編)
119:騎英の手綱 蘭堂りの 147:明日への翼 (前編)
119:騎英の手綱 ユメイ 147:明日への翼 (前編)


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