ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

増えては困る猫ばかり拾ってた

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増えては困る猫ばかり拾ってた ◆Mu0X3TnxOM



――ちはやはあたしが自分だけで作った友達だ。あたしはせつながとても憎い、すぐに殺したい。
だけど、ちはやがいなくなる方が大もんだいだ。ちはやはどこだ。もっと遠くを探さないといけないのか。
でも、ことのはと別れるのはこわい。また、遠くからテッポウだまが飛んできて殺される。

鈴は杏の死体に駆け寄って叫んだ。
「ことのは、きょうのおはかを作ってもいいか。シーツを被せただけだと、カラスがイタズラしそうだ」
「そうですね。しっかりと埋葬しましょう。どうせ後で生き返るとは言え、誰かに誤解されたら困りますものね」

――ここの地面は岩だらけで、シャベルで穴をほるのはたいへんだ。
だから、大きいくぼみにきょうをしまって、近くの土をかぶせた。
そこに板きれをさして、おはかの完成だ。まだ、ちはやは戻ってこない。
あっちのほうにも、こっちのほうにも、ちはやはいない。

鈴は落ち着き無く動き回り、言葉に聞こえるように呟く。
「そうだ、おはかに花もかざろう。でも、この辺りには良いのがないな」
「…棗さん、本当は如月さんのことを待っているのでしょう?
 あの人が自分から戻ってくれば、裏切り者として断罪されずにすむと考えませんでしたか」

鈴はその言葉を聞いて、ビクッと硬直した。
まるで子供が隠した子猫にこっそり餌をやりにいくのがばれたかのように。
「ち、ちはやはきっと長いトイレだ。アイドルだから言うのがはずかしかったんだ」

言葉は厳しい口調で更に言葉を続ける
「理由はどうであれ、如月さんは棗さんを見捨てて逃げ出しました。
 彼女は私たちと共にくびきを負う資格を自ら捨ててしまったのです。
 もちろん、棗さんの如月さんを想う気持ちは分かっています。ですから、私が直接、彼女に手を掛けるような事はしません。それに、彼女が死んでいたとしても生き返らせてあげます。
 ただ、如月さんが私たちと同行することは許されません。足手まといを抱え込んでいたら、皆さんを生き返らせるという目的を果たせなくなるでしょう」

――こういう時のことのはは苦手だ。言ってる意味は良くわからんのに、
なにか説得力あるような気がしてくる。あたしはバカだから、きっとことのはの方が正しいんだな、うん。
そういえば、バッグの中にケータイがあったな。
あたしもリキに教えてもらってるから、ちょっとだけ使える。あたしがちはやを守れないなら、
誰かにちはやを任せよう。きょーすけたちなら、喜んで迎えてくれるはずだ。

     ◇     ◇     ◇     ◇

鈴がそう思考した刹那、今まで押さえ込んできた疑問が膨れ上がってしまった。
「ことのは、ひとつ聞いてもいいか…。きょうは他の世界からやって来たと言っていた。
 ことのはもあたしとは違う世界から来たみたいだ。じゃあ、他のリトルバスターズの
 メンバーも、違う世界から来たってことはあるのか?」

言葉は軽く目を閉じて質問に答えた。
「ええと、多元宇宙論でしたっけ。その可能性はあると思います。ここの清浦さんが間桐さんを殺したのは、私の知っている清浦さんとは別人だからかもしれませんね。
ですけど、西園寺さんはどの世界でも邪悪でしょう。ここでも嫌な臭いがします。私には全多元宇宙の秩序を保つため、あらゆる世界の西園寺さんを断罪する聖なる義務があります」

その時、鈴の持っていた疑念が強い不安へと変わる。
「…じゃあ、ここのくるがやは悪いくるがやなのか? ここにいる馬鹿兄貴やリキや筋肉馬鹿もみんな悪いやつなのか?
 こわっ! くちゃくちゃこわっ!」

――どうして、くるがやは謙吾を生き返らせたくないんだ? あんなにつらそうなきょうをいじめたんだ?
あいつは前から変わっていたけど、今度はさっぱりわからん。きっと、あたしの知らないくるがやなんだ。

言葉は混乱する鈴の手をぎゅっと握り、努めて穏やかに語りかけた。
「大丈夫です。たかが、世界が変わったくらいで何だって言うんです。
 私はどの世界の誠くんも格好よくて、優しくて、ユーモアのセンスのある人だと確信しています。
 だから、貴女も仲間を信じてください。彼らの本質が変わるはずがないと。
 来ヶ谷さんは兎も角、3人のことは、昔からよく知ってるんでしょう?
 変わったしまったみんなを本当に想像できますか?」

「うーん、なんかメチャクチャな理由だな。下半身魔人な真人や無愛想な兄貴は想像…」

――切ないんだ、鈴っ!
――人を殺したのは、これで二人目だが、やはり、何の感慨も浮かばないな。
――やっておしまい!

「きしょいわ! そうだ、バカどもはどこから来てもバカに違いない。リキはどんなリキも想像できたけど、そんなに悪いやつじゃなさそうだ」

「ふふ、それに来ヶ谷さんだって大丈夫ですよ。単に藤林さんの説明の仕方に問題があっただけだと思います。私が直接説明すれば、きっと理解してくれます。
 万が一、誰かが異世界の悪人だったとしても、その際は私が始末するので安心してください。さすがに、棗さんが仲間そっくりの相手を殺すのは躊躇われるでしょうし」

それを聞いて鈴の表情が柔らかくなった。
「うん、そうか…くるがやも大丈夫なんだな。安心したぞ」

――ことのははしっかりしてるな。年上のあたしの方がいもうとみたいで、ちょっと複雑だ。でも、ウチのバカ兄貴は変態だから、あたしよりもっと駄目だけどな。

鈴はデイバックから携帯電話を取り出し、期待と不安の入り混じった声で懇願した。
「ことのは、ちはやといっしょに行くのはあきらめた。でも、ちはやを見つけたときにあんぜんな場所に届けたり、それから、誰かにちはやを守ってくれとお願いするのは良い、よな」

言葉は千早の死を知ってか知らでか、南西の方角を一瞥し、ゆっくりと口を開いた。
「…ええ、仕方ありませんね。誰かを救いたいと言う気持ち、それは誰も汚してはならない素晴らしいものですから」

鈴はそれを聞いて、食いつくように携帯のふたを開いた。
「そうかいいんだな? お前は良いやつだ、ことのは」

     ◇     ◇     ◇     ◇

「なあぁぁああーーーっ! また、『この番号はげんざいつかわれておりません?』だぞ。 うっさい、ぼけー!」

鈴はアドレス帳を見ながら、手当たりしだい電話をかけたのだが、どれも通じなかった。
彼女は精神を集中しすぎて疲れてしまい、仰向けに寝転んでぐったりとしている。

言葉は腰を下ろして語りかけてきた。
「棗さん、ちょっと貸していただけますか。私も携帯はあまり詳しくないんですが…」
そして、彼女は携帯を拾い上げ、アドレス帳のメールを送信してみた。だが、やはりアドレス不在として送り返されてしまった。

鈴はその様子を見て、ポツリとつぶやく。
「やっぱ、駄目なのか…きょーすけなら、メンバーの番号を知ってると思うんだが、あたしはわすれた」

言葉は嬉しそうに自分の拳を握りしめた。
「棗さん、冴えていますよ。そうです、その方法がありましたね。
これは『羽藤さん』の携帯ですから、他の参加者の携帯が支給されていてもおかしくありません。試してみる価値はあります」
「そうなのか? ことのはの役に立てて、ちょっと嬉しいぞ」

もちろん、言葉が真っ先にかけるのは最愛の男の番号。
しばらくすると、彼女から顔から笑みがこぼれた。
「繋がりましたね」
「ことのは、つうじたのか、つうじたのか!?」

鈴は少し興奮しながら、彼女に近づいて携帯に耳をそばだてた。すると、受話器から我様とか雑種とか、謎の単語が漏れてくる。
「…この偉そうなヤツが、いとうまことなのか?」
「誠くんはこんな下品な人じゃありません! これは留守番電話サービスです」

留守録サービスにはメールを見るようにとだけ伝言しておき、メールで下記の内容の文章を送っておいた。送信相手が不明なので、情報の開示は最小限に留めてある。
1.桂言葉は死者の中から生き返ったこと
2.皆と団結して、主催者から生き返りの力を奪おうと考えていること
3.死人から取った首輪を持っていること
4.伊藤誠西園寺世界清浦刹那如月千早を探していること
5.参加者が元の世界で使っていた電話番号、メルアドを知りたいこと
6.魔術、特に魔道書の詳しい情報を求めていること

「ことのは、魔道書ってちはやが持っていた、きしょい本のことか?」
「ええ、『妖蛭の秘密』ですね。私も『ネクロノミコン』の紙片を持っています。私は良くホラー映画や小説を楽しむんですけど、こういう書物がたまに出てくるんですよ。でも、使い手がその力を扱いきれずに自滅する、って展開が多いんです」
「ことのは…そういう話が好きだったな。でも、ちはやは使っていないから安心だ」
「でも、私、ある程度知識が集まったら、思い切って使ってみようと思うんです。誠くんを守るためには、それくらい努力しなきゃ駄目かなって」
「そうか…ことのはならきっと大丈夫だ。それで、頑張ると魔法少女になれるのか? あのバカが喜びそうだな」
「いえ、そういうのとはちょっと違うと思いますが…」

言葉は続いて、自分と世界の番号にも掛けてみたが、それらの携帯は存在しないようだ。言葉は鈴に携帯を返しながら言った。
「そうそう、この島の誠くんに、私が死んでいたかを聞く必要がありますね。もし、私が他の世界の誠くんと付き合ったら、私の世界にいる誠くんを裏切りになってしまいます。
もちろん、他の誠くんであっても、私の誠くんと同じように尽くすつもりですよ。それでここの誠くんが喜んでくれたら、私の誠くんも取り戻せるかなって…あら?」

鈴は欠伸をし、眠たげに目をこすっている
「スマン、聞いてなかった。緊張の糸が切れてなんか眠い…」

言葉は幼子を見つめる母親のように優しく微笑む。
これまでと同じように目の光を失ったまま…
「でしたら、しばらく仮眠をとっても構いませんよ。
 正午になれば収穫の鐘が鳴り響きます。きっと、迷える多くの子羊が私の元に集まってくるはずです。その時のために精気を養ってください」

「じゃあ寝る。放送前になったら起こしてくれ」

――ちはやはこれでひと安心だな。ちはやは覚悟がないから、あたしがその分頑張って、せつなやあのふたりを殺さないと。あとはリキだ、アイツに覚悟が出来ているかちょっと心配だぞ。

言葉は肝心なことを見落としている。自分が死んだ世界はひとつでないこと。そして、誠が来た世界でも言葉が死んでいることを。

     ◇     ◇     ◇     ◇

この島ではたくさんの人が思い人のために頑張っています。それはとても素晴らしくて、心が揺さぶられました。

私、あの時は飛び降りるしか方法がないと思ったけど、それじゃいけなかったんだなあ、と反省しています。

私は伝説の魔法使いでも、龍殺しの英雄でもないけれど、もういちど頑張りたいんです、誠くんの笑顔を見たいから。

だから、誠くんを助ける方法をいっぱいいっぱい考えて、それで誠くんと会うのが遅れちゃっています。

誠くんのことを考えるだけで身体が熱くなってきます。本当はすぐに誠くんに会いたい、少しでもお話したい。

でも、今はほんの少し、我慢しなくちゃいけないんです。愛と夢に満たされた美しい物語を作るために…



【C-4/採石場南西部/1日目/昼】
【桂言葉@School Days L×H】
【装備】:小鳥丸@あやかしびと-幻妖異聞録-、アーチャーの騎士服@Fate/stay night[Realta Nua]
【所持品】:支給品一式×2、Love&Spanner@CLANNAD、、ニューナンブM60(1/5)、ニューナンブM60の予備弾15発、アルのページ断片(シャンタク)@機神咆哮デモンベイン、首輪(杏)、ハンドブレーカー(電源残量5時間半)@現実
【状態】:健康。言葉様に覚醒中(異常に勘が冴える) 、手が血塗れ
【思考・行動】
基本方針:西園寺世界を最大の苦痛とともに殺す。あらゆる平行世界の西園寺世界も断罪する。誠と共に島を脱出する、もしくは二人だけでこの島でずっと一緒に暮らす。主催の万能の力を手に入れる。誠が別の世界の誠なら、元の世界に帰還した後、世界から誠を奪い返す。
0:誠くん、誠くん、誠くん。ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずー……っと、一緒ですよ……。
1:伊藤誠を探す。ずっと一緒に行動。仮に別の世界の誠でも、自分の世界の誠と全く同じように大切に扱う。
2:世界の臭いのする西部、爆発音のした南西部、襲撃者の気配のする北東部の何処に行くかを考える。
3:情報収集して移動。誠を探す為に対主催陣と同盟を組む。最終的には殺す。
4:利用出来る人間は利用して、襲撃者や足手纏いは容赦無く排除。ただしリスクは考慮。
5:ただし、利用できる人間や高リスクな相手でも誠を誘惑するそぶりを見せれば即排除。
6:大切な人を失った人間に対しては寛大に接し、自らの持論を説いて仲間に引き入れるつもり。拒否すれば殺す。また、足手まといになるようなら殺す。
7:鈴をサポート。裏切り者の千早は生きていたら誰かに押し付ける。
8:千羽烏月を警戒。
9:椰子なごみを自分が生き返ったことのメッセンジャーとして利用。
10:ウエストが生きているなら探し、杏の首輪を『杏に託されたもの』として渡して解析させる。
11:謙吾と杏と朋也と千早を生き返らせてあげてもいい。
12:鈴のくずかごノートをじっくり読みたい。
13:携帯電話の持ち主と連絡を取る。新たな電話番号やメルアドを手に入れる。
14:魔道書などの魔術の知識を得たい。
【備考】
※参戦時期は『永遠に』エンド、言葉死亡後です。
※殺人にタブーがありません。
※主催者は死んだ人間を生き返らせられると信じています。
※女性だけで行動しているグループとの交流においては、特に攻撃的になります。
 ただし、ヤンデレに対しては、そうではないかもしれません。
※死者の復活を信じ、大切な人を失った人間に対して自らの持論を説いて回ります。
※勘の冴えは主に戦闘絡みであり、それ以外に関しては万能ではありません。
※杏と情報交換し、彼女の人脈などについて知りました。
※ハンドブレーカーは採石場で調達したものです。
※伊藤誠の携帯(所持者不明)にメールと伝言を送りました。
※言葉に魔力があるかは今のところ不明です。
※言葉がどちらへ向かうかは次の書き手さんにお任せします。

【アルのページ断片(シャンタク)@機神咆哮デモンベイン】
魔道書アル・アジフの抜け落ちたページで、シャンタクについて記されている。
魔術として使用すると、翼で空を飛ぶなどの効力が現れる。


【棗鈴@リトルバスターズ!】
【装備】:ハルバード@現実
【所持品】:支給品一式×2、草壁優季のくずかごノート@To Heart2、コルト M1917(1/6)、秋生のバット、コルトM1917の予備弾28、桂の携帯@アカイイト
【状態】:疲労(中)、背中と四肢の一部に火傷(小)、空腹、刹那への復讐心、精神不安定、言葉への盲目的な信頼、血塗れ
【思考・行動】
基本:理樹を探し出し、守る。『清浦刹那』への復讐。
0:安全そうな場所でちょっとだけ休む。
1:刹那を殺す。自分、理樹、千早、言葉を襲う敵は、例外として殺す。
2:理樹を探し、守る。
3:謙吾と桜と杏を生き返らせるため言葉と同行する。
4:言葉の目的を手伝う。
5:リトルバスターズメンバーを探し、同行する。
  ただし、来ヶ谷に対してはやや警戒。
6:衛宮士郎を探し、同行する。
7:千早を誰かに預けたい。
8:爆発現場に行って刹那を殺す。
9:服を着替えたい。
【備考】
※参戦時期は謙吾が野球に加入する2周目以降のどこかです。故に、多少は見知らぬ人間とのコミュニケーションに慣れているようです。
※くずかごノートの情報に気付きました。
※衛宮士郎の身体的特徴や性格を把握しました。
※『清浦刹那』に関しては、顔もまともに見ておらず、服装や口調、ピースサイン程度の特徴しか認識していません。
※言葉の話を完全に信用しました。盲目的に信頼しています。
※杏と情報交換し、彼女の人脈などについて知りました。
※くずかごノートには様々な情報が書かれています。現在判明している文は、
 『みんなの知ってる博物館。そこには昔の道具さん達がいっぱい住んでいて、夜に人がいなくなると使って欲しいなあと呟いているのです』
 『今にも政略結婚が行われようとしたその時、秘密の抜け穴を通って王子様は大聖堂からお姫様を連れ出すことに成功したのでした』
 『山里のお寺に住む妖怪さんは物知りだけど一人ぼっち。友達を欲しがっていつもいつも泣いています』
 『古い、古い昔の遺跡。そこにはドロボウさんなら誰でも欲しがる神秘のお宝が眠っていたのです』
 です。

※採石場には電動工具やダイナマイトが置かれている他、ショベルカー、トラックのような重機が存在しています。
 また、近辺には鴉が多く生息しています。



119:騎英の手綱 投下順 121:戦う理由は人それぞれ、戦う方法も人それぞれ (前編)
119:騎英の手綱 時系列順 121:戦う理由は人それぞれ、戦う方法も人それぞれ (前編)
104:Worldend Dominator 桂言葉 123:ただ深い森の物語/そして終わる物語
104:Worldend Dominator 棗鈴 123:ただ深い森の物語/そして終わる物語

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