ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

生きて、生きて、どんな時でも

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生きて、生きて、どんな時でも ◆UcWYhusQhw



いい天気だった。

……むかつくぐらいに。


空はただ。

蒼く。

蒼く。

ただ蒼く。

俺はそれを見上げる。

ただ広い。

広い空を。

それに手を伸ばす。

届くわけなんて無いけど。

でも。

俺は願う。

どうか。

どうか。

亡くなった人がやすらかにと。

そして誓う。

もう絶対繰り返させないと。
あの悲劇は、絶対。

もう片方の手にはリボン。

大きな、

大きな。

ただ大きなリボン。

そして空と真逆の色。

紅く。

紅く。

ただ紅く。

幼い笑みが思い出されそして儚く散った。
もう絶対彼女のような犠牲を出さない。

そして俺は生き延びる。

そう、あの時誓ったのだから―――





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






「……ここがいいかな」

治療が必要なトルタ達と一旦別れ、俺はトルタ達が治療している家のすぐ近くの公園にいた。
清浦を埋葬する為に。
埋葬しようと思った所は花壇の近くの木陰。
ここならやすらかに眠れると思って。

「……御免……御免な」

彼女はもう笑わない。

会ったのはほんの刹那。

たった一度きりの邂逅。

それでも彼女は儚く笑って。

それでも彼女は儚く笑って。

弱弱しいながらもしっかりしたピース。

あのとき

それでも

それでも

彼女は笑ってたんだ

確かに

わらってたんだ


でもそれは本当に刹那で。


彼女の命を奪ったほんの一発の銃弾。
でも充分だった。

彼女からスベテを奪うには。

なくなるヒカリ。
なくなるエガオ。

俺はただ見ることしか出来なくて。

あの時、気付いてれば。

あの時、

あの時と。
ただそればっかりが頭に浮かんで。
後悔だけしか。


だから。
だからこそあの2人組みは許せないと思った。
必ず倒す。
それは絶対だ。


俺はそう思い清浦を掘った穴に埋めようとする。
清浦はとても冷たく小さくなっていた。

なんだかそれが哀しくて。
それが死かとも思って。
目の前の現実が辛かった。

そして穴に横たえた瞬間こんな声が聞こえてきた。


―――どこを、間違えたのかな……?―――


それは幻聴かもしれない。
ただ俺が思っただけかもしれない。

でも。

確かに聞こえた。

彼女の悲痛な声が。

俺はその声が聞こえた瞬間咄嗟に口にした。

「違う! そんな訳無い!」

否定の言葉を。
彼女が間違ってるわけ無いんだ。

彼女は必死に救おうとした。
あの時俺たちを。

すぐに逃げ出す事もできたかもしれないのに。

そんな彼女が間違ってる訳なんか無いんだ。
彼女は命を亡くしたかも知れない。

でも彼女の決死の行動が俺たちを生かしたんだ。
それは事実なんだ。

だから。

だからこそ。

彼女の生は絶対に間違えたはずなんて無い。

誰かがそれを否定しても俺は絶対否定しない。
清浦刹那という人物は俺たちを救った。

例え本人が否定しても。
俺は肯定し続ける。

彼女の生が間違えたはずなんて無い事をそれを肯定し続ける為。

俺は新たに誓う。

そして俺は清浦の紅いリボンをとり声を出して。

「俺は生き続ける。そして清浦が生かした恭介たちを殺させない! 絶対だ!」

そう誓う。

強く。

ただ強く。

俺が生き恭介たちを守り抜く事。

それが彼女が命をかけて救ってくれたその生を肯定し続けることだから。

だから。

だから。

「絶対成し遂げる! そう誓う!」

成し遂げてみせる。
必ず。

だから見守ってくれ。

俺はやってみせる。

必ず

必ず……




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






「みてろよ……清浦」

手に持った彼女の遺品のリボンを見てそう言う。

俺は生き延びると。
そして恭介たちを生き残らせる。

どうやら……あの2人は恋人同士みたいだし。

……あの後戻ったらなにやら怪しげな声が。
……多分俺の予想通りの事をしていたと思うし。
治療にはとても聞こえなかったし。
元々近寄らない雰囲気が。
それに恭介は自分の力でやるといった。
俺が手伝えばすぐ出来たあろうに。
それを拒否した。
まあ治療となればトルタが非常に恥ずかしがる可能性がある。

……それにしても治療したばっかなのに元気だなあの2人……


だから空気を呼んでちょっと時間おいて戻ったつもりがやっぱり読めてなかったらしい。
だからこそ今こうして外に一人でいるのだが。


でも恋人同士ならなおさら護らないと。
そう思う。

だから。

俺は出来る限りのことをやるよ。
全力で。

生きて。

生きて。

生き延びて。

頑張ったと胸をはれるように。

だからそこで見守ってくれよな?

清浦。

あかく

あかく

大きなリボンに誓おう。



そう思った瞬間。


何故か。

何故か。

その刹那に。

はかなく

きれいな

きれいな

笑顔が見えた気がした。

おおきく

まっすぐな

まっすぐな

ピースサインと一緒に。

あおく

あおく

澄み切った空の向こうから。

そっと

そっと

ほんの

その刹那に




【G-6/カジノ裏手従業員用入口/1日目/昼(放送直前)】

如月双七@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹、双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録-、
 刹那のリボン@School days L×H
【所持品】:支給品一式×3(食料-2)、予備弾丸18、首輪(リセ)、刹那の制服と下着、良月@アカイイト
 ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、
【状態】:強い決意、肉体疲労(中)、精神疲労(中)、右膝と右肩に貫通射創(処置済み)、
 左肩裂傷(処置済み)
【思考・行動】
基本方針:仲間の確保と保護。
0:生きる!
1:恭介たちと同行、とりあえず提案は受け入れる。
2:九鬼先生と合流する。
3:向かってくる敵は迎撃。必要なら手を血で汚すことにも迷いはない。

【備考】
※双七の能力の制限は使い続けると頭痛がする程度です。
※首輪装着者の行動は主催者に監視されていると思っています。
※恭介達と情報交換しました。得たのは偽情報ではありません。
※首輪のカメラの存在について知りました。
※監視は『上空』『重要施設』『首輪』の3つから、カメラと盗聴器によって行なわれているという考察を恭介から聞きました。
※恭介&トルタを恋人同士と誤解、治療について何か致命的な勘違いをしています。



スターブライト@Strawberry Panic! はカジノの裏口に係留されています。



141:怪異なる永劫の内に 投下順 143:第二回放送 神は慈悲深く、されど人の子は
141:怪異なる永劫の内に 時系列順 143:第二回放送 神は慈悲深く、されど人の子は
133:満ちる季節の足音を(後編) 如月双七 150:絶望と救い、そして憎悪 (前編)

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