ギャルゲ・ロワイアル2nd@ ウィキ

モノの価値は人それぞれ

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モノの価値は人それぞれ ◆S71MbhUMlM



「さて、適当に歩いていたらたどり着いてしまったのだが」

D-6地区、温泉宿。
奥ゆかしく古めかしい日本建築の前に立ち、黒須太一は一人呟いた。
先ほど勧誘した来ヶ谷何某というやたら手強い美少女との待ち合わせがこの温泉旅館。

正義の味方を集めるならやはり五人は欲しいよなー

とか、

そうなるとリーダーはレッドなのだが俺はレッドはイヤだし、かといってホワイトがリーダーというのもイマイチだな。

とかどうでも良い事を考えてぶーらぶーらと北に向かい、山間に見える家々に向かってみたらたどり着きしは温泉旅館。
確か約束だと次の放送くらいに落ち合おう、との事なのだが、時間はまだたっぷり二時間近くもある。

「さて、この黒須太一には三つの選択肢がある。
 一、純愛貴族の黒須太一は何か目的を見付けられる。
 二、来ヶ谷何某もしくは誰かがやってくる。
 三、放送まで寂しく待つ、現実は非情である。
 俺が丸を付けたいのは二番だが先ほど別れたばかりの来ヶ谷がそうそう早くにやって来るとも思えない。
 そして一番と三番良く見ると内容が同じ…つまり!」

バババッ!と大きな身振り手振りをしながら騒がしく目的を述べる。
何はともあれ目的は決まった。
というか元より一つしかないがそれはそれ。

「風呂でも入るかね~」


「い~い湯だ~な、はははん♪ い~い湯だな♪」 

十人中六人が下手くそという感想を持つであろう鼻歌を歌いながら、黒須太一は温泉を満喫していた。
怪我をした左肩には適当に見つけたシーツを切って巻いてあるためソコだけ多少痛々しい。
が、それ以外は全く綺麗なさらしている。

引き締まった……とはとても言えない気もする腕。
カモシカのような……気がする人間もいるかもしれない太もも。
余分な肉の無い腹……筋肉も無いが。

要するに、一般的な男子の体を存分に晒していた。

「う~む、湯を浴びて温まりながらも気分が悪いのも治る気がするし、その上俺の美声に誘われて誰か来るという可能性もありで…
 更に来ヶ谷との待ち合わせにも使えて…一石三鳥か四鳥くらいだな~♪」

そう、太一の右手に握られているのは『拡声器』
よりにもよってこの男、風呂に入りながら拡声器でもって鼻歌を周囲に披露しているのだ。
そんな事をして拡声器が壊れてしまったらどうするのか、など気にもしていない。

「さて、武器も無く服も無い状況でもしなごみんのような危険な相手が来たらどうするのか、などと思われるかもしれないがそこは素人の浅はかさ。
 俺は地上最強だ!どんな奴が来ても0,2秒で叩きのめす事ができるんだ! 武器は持たないカラデだ!
 しかし強すぎるって事も辛いもんだぜ、強すぎるせいで世界中から命を狙われ挙句の果てにこんな島。
 憎い!この俺の力が! この俺の強すぎる力が!!」

意味不明な事柄を大声で語る太一。
拡声器を通して付近に響き渡っているが彼にとっては望むところだ。
むしろ、きてくれた方が嬉しいなあと。

「さて、誰も来る気配が無いなあ…おーい、幾らカラデでもそんなに最強では無いですよ~だから隠れてないで出ておいで~」

そう呼びかけてみるがやはり反応は無い。
多分だが、この近くには本当に誰もいないのかもしれない。

「さて、そうなると寂しいな。
 ここを離れるわけにもいかず、そうなると探検するしかないのか?」

何時までも風呂に入っていてはのぼせてしまう。
何もせずに待っているのは暇だ。
ならば、することは一つ。
拡声器を横に置きながら、バシャリと湯船から立ち上がった。


「はあっくしょん!!
 う~、ず~~」

響きわたるくしゃみと、鼻水をすする音。
紛れも無く黒須太一より放たれたものだ。
だが、たっぷり二十分は温まった太一が、何故くしゃみをしているのか。

「やっぱ、冷たいわこれ……」

水に濡れた制服をそのまま着込んでいるからである。
浴衣に身を包む気もせず、かといって他に服も無いのでそのまま着ているのだった。

「うーん、これから暗くなる以上はどこかで篭城するのが最適なんだが…ここは向いてないなあ」

広い敷地に露天風呂、調理場に布団と必要な品は揃っているのだが、肝心の篭城をするにあたっては非常に不向きである。
広い敷地は見て周る場所を増やすだけであるし、バリケードなどを築くにしても入る場所は幾らでもある。
ついでに頑丈でもないし、火を付けたら良く燃えると思われる。

「来ヶ谷が来るかは知らないけども…と、そういえば本名は何ていうのだろう?
 えーと来ヶ谷来ヶ谷……あった、来ヶ谷…ゆい…こかな?ゆいみずうみでは語呂が悪いし。
 えーと、とにかく来ヶ谷が来るのをとりあえず待つとしてその後はどこか篭城できそうな場所…この場所からだと廃校かな?
 知らない場所だと寺か博物館か兎に角そのあたりの場所に移動して一晩過ごして…おおっと、一晩過ごすという単語にいやらしさを感じてはいないぞ。
 兎に角……おやっ?」

やたらとしつこく話し続けている太一の目に、飛び込んでくる不自然な光景。
木の根元に、明らかに不自然な石と、その下に盛られた真新しい土。
具体的に何か不明だが、それは恐らく、

「墓…かな?
 誰かが死んだ誰かを埋めたんだろうな」

死者を弔う為のもの。
墓碑銘は無いが墓であると考えていいだろう。

「……ふむ、墓…ねえ」

ちらり、右を見る。
誰も居ない。
ちらり、左を見る。
誰も居ない。
オドルナライマノウチ……ではなくて。

「やるなら、今か…。
 さてどうしよう」


墓、というなら、そこには半々くらいの確率で首輪がある筈だ。
丸のままの死体が残っている確率が半分。
既に切り離され、首輪の無い死体のある確率が半分。
暴いてみる価値はあるのだがー…

「切られていたら…不味いよなー…やっぱり」

無駄に骨を折るだけではなく、こびり付いた血を見ることにもなるかもしれない。
ついでにいえば、太一には人の首を切り落とせるような道具に心当たりも無い。
だからといって、折角のチャンスを無駄にするのも勿体無い。
墓など、所詮は生きている人間の自己満足に過ぎないのだから。

「うーむ、どうするか……」

考える、

考える、

考える、

考えて、

考えて、

考えて、

「……ぶえっくしょーーーん!!」

とりあえず、着替えを探してみようと心に誓う太一であった。


【D-6 温泉宿/1日目 夕方】

【黒須太一@CROSS†CHANNEL】
【装備】:サバイバルナイフ、拡声器
【所持品】:支給品一式、S&WM37エアーウェイト(5/5)、ウィルス@リトルバスターズ!
 S&WM37エアーウェイトの予備弾12、第1次放送時の死亡者とスパイに関するメモ
【状態】:疲労(中)、やや風邪気味(軽い発熱・めまい・寒気)、左肩銃創痕
【思考・行動】
基本方針:『人間』を集めて『エイリアン』を打倒し、地球の平和を守る。
 0:どうするかねー。
 1:拡声器を使って、人と交流する。
 2:『人間』や『エイリアン』と交流を深め、強大な『エイリアン』たちを打倒する。
 3:『支倉曜子』『山辺美希』や『殺し合いに乗っていない者』に出会えれば、仲間になるよう説得する。
 4:「この島にいる者は全てエイリアン」という言葉には懐疑的。
 5:温泉旅館に行き、来々谷を待つ。
【備考】
 ※第一回放送を聞き逃しましたが、死亡者のみ名前と外見を把握しました。
 ※太一の言う『エイリアン』とは、超常的な力を持った者を指します。
 ※登場時期は、いつかの週末。固有状態ではありません。
 ※直枝理樹(女と勘違い)、真アサシン、藤乃静留、玖我なつき(詳細は知らない)、深優・グリーアを  エイリアンと考えています。
 ※スパイに関するルールはでたらめです。
 ※士郎は死んだと思ってます。
 ※NYP兵器、ウィルス。相手に肉体的疲労を与えます。威力は個人差あり。
 ※来々谷と第三回放送頃に温泉旅館で落ち合う約束をしました。

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