操リ人形ノ輪舞(後編) ◆tu4bghlMIw
――二十分後。
「ふざけるなっ! 正気なのか!?」
怒髪天に達した玖我なつきの怒声が辺りに木霊する。
美希は不安そうな表情を造り、周囲をおろおろと見回した。少なくとも人が接近してくる気配は無い。
正面で大樹に凭れ掛かっている深優・グリーアは眉一つ動かさず、頬を紅潮させたなつきを興味なさげに一瞥。
如月双七も渋い顔付きで事の成り行きを見守っている。
……ふむ、彼女達が特別な行動を取らないのならば、外敵は無いのだろう。
美希は不安そうな表情を造り、周囲をおろおろと見回した。少なくとも人が接近してくる気配は無い。
正面で大樹に凭れ掛かっている深優・グリーアは眉一つ動かさず、頬を紅潮させたなつきを興味なさげに一瞥。
如月双七も渋い顔付きで事の成り行きを見守っている。
……ふむ、彼女達が特別な行動を取らないのならば、外敵は無いのだろう。
美希は加藤虎太郎と別れ、玖我なつきと共に行動する事になった直後の出来事を回想する。
虎太郎と尾花に怪物――鉄乙女の対処を任せ、戦闘区域から離脱した二人が最初に行った事は互いの情報交換であった。
しかし、美希にとって、なつきからは有力な情報は殆ど齎されなかったというのが本音である。
虎太郎と尾花に怪物――鉄乙女の対処を任せ、戦闘区域から離脱した二人が最初に行った事は互いの情報交換であった。
しかし、美希にとって、なつきからは有力な情報は殆ど齎されなかったというのが本音である。
玖我なつきが遭遇していた人間はたったの二名。
伊達スバル、若杉葛。共に前回の放送で名前を呼ばれた死人である。
同行していたらしい二人がどうして死亡したのか、彼女は黙して語らなかったが、おそらくは誰かに強襲され死亡したのだと美希は判断した。
当然、相手が誰であるしてもなつきが同行者を守れなかった事実は確かであり、美希は早くも"ハズレ"を掴んでしまった悲劇を嘆いていた。
伊達スバル、若杉葛。共に前回の放送で名前を呼ばれた死人である。
同行していたらしい二人がどうして死亡したのか、彼女は黙して語らなかったが、おそらくは誰かに強襲され死亡したのだと美希は判断した。
当然、相手が誰であるしてもなつきが同行者を守れなかった事実は確かであり、美希は早くも"ハズレ"を掴んでしまった悲劇を嘆いていた。
が、しかし彼女の持っていた支給品に関して云えば話は別だ。
彼女は自身の特殊能力(高次物質化能力というらしい)によって、虚空から拳銃を取り出し使用する事が出来る。
射程や反動などの扱いやすさにも優れている。
しかし、何よりも勝る利点といえば彼女の銃、ELERはリロードを必要としない無限の装弾数を誇っている点だろう。
故に彼女にとって他の武器、特に銃器は無用の長物なのである。
そんな訳で幸運にも美希は彼女に支給された銃を手に入れる事が出来た。
余っていた銃はベレッタM92と――イングラムM10。
さすがに両方を貰うのは気が引けたので、イングラムM10とその予備マガジンだけを譲り受ける。
今までの武装が小さなナイフだけだったのに対し、相当強力な武器を装備出来た訳だ。
彼女は自身の特殊能力(高次物質化能力というらしい)によって、虚空から拳銃を取り出し使用する事が出来る。
射程や反動などの扱いやすさにも優れている。
しかし、何よりも勝る利点といえば彼女の銃、ELERはリロードを必要としない無限の装弾数を誇っている点だろう。
故に彼女にとって他の武器、特に銃器は無用の長物なのである。
そんな訳で幸運にも美希は彼女に支給された銃を手に入れる事が出来た。
余っていた銃はベレッタM92と――イングラムM10。
さすがに両方を貰うのは気が引けたので、イングラムM10とその予備マガジンだけを譲り受ける。
今までの武装が小さなナイフだけだったのに対し、相当強力な武器を装備出来た訳だ。
加えて――荷物の中から破壊されたと思っていた詳細名簿のディスクを発見。
もちろん、自身がノートパソコンを所持しており、すぐにでもデータを読み取る事が出来るという事実は隠し通した。
そして、他愛もない会話の隙に彼女のデイパックからソレを盗み出す事にまで成功した。
もちろん、自身がノートパソコンを所持しており、すぐにでもデータを読み取る事が出来るという事実は隠し通した。
そして、他愛もない会話の隙に彼女のデイパックからソレを盗み出す事にまで成功した。
「わっ、玖我先輩、どうしたのです。急にそんな大きな声出して。びっくりです」
「美希、何を呑気な事を……それに、さっきの言葉は本当なのか!?」
「むーさっきの、ですか? もしやエロ大魔神の太一先輩に遭遇するともれなくセクハラされるという衝撃の事実でしょうか。
うーまぁ恥ずかしながら美希もファーストキスをぶちゅーと奪われてしまった訳ですが」
「ば、馬鹿、そんな訳あるかっ! というかそんな事を訊くのは初耳だ!
わ、私が云っているのは、そんなキ、キスなどとはまるで関係のない事でだな……!」
「美希、何を呑気な事を……それに、さっきの言葉は本当なのか!?」
「むーさっきの、ですか? もしやエロ大魔神の太一先輩に遭遇するともれなくセクハラされるという衝撃の事実でしょうか。
うーまぁ恥ずかしながら美希もファーストキスをぶちゅーと奪われてしまった訳ですが」
「ば、馬鹿、そんな訳あるかっ! というかそんな事を訊くのは初耳だ!
わ、私が云っているのは、そんなキ、キスなどとはまるで関係のない事でだな……!」
なつきが何故か美希の「キス」という単語に過剰な反応を示し、頬を赤らめる。
微妙なドモリが彼女の心境を表しているのか、両手をあたふたと動かし勝手な暴走は続く。
どうも、その手の話題には相当奥手なタイプのようだ、と日々太一との紙一重なエロトークに身を置いていた美希は理解する。
微妙なドモリが彼女の心境を表しているのか、両手をあたふたと動かし勝手な暴走は続く。
どうも、その手の話題には相当奥手なタイプのようだ、と日々太一との紙一重なエロトークに身を置いていた美希は理解する。
「……もう一度尋ねる。美希……考え直す気はないのか?」
「いいえ、こう見えても美希の意志は意外と固いのです。
ごめんなさい。美希は、玖我先輩ではなく、深優さんと如月さんに付いていくです」
「いいえ、こう見えても美希の意志は意外と固いのです。
ごめんなさい。美希は、玖我先輩ではなく、深優さんと如月さんに付いていくです」
こくり、と大きく首を縦に。薄っぺらい胸を張り、妙に自信げに。
表情は相変わらずのにへら、という感じの笑顔。
そう、嘘偽りは一切無しの本音として――美希はなつきではなく、深優と双七を選択した。
表情は相変わらずのにへら、という感じの笑顔。
そう、嘘偽りは一切無しの本音として――美希はなつきではなく、深優と双七を選択した。
「妥当な判断でしょう。チャイルドを召喚出来ない貴女と私では戦力に明確な差異が存在します。
目的地も定まらず、フラフラと行動し続けるだけでは何の解決策も導き出せません」
目的地も定まらず、フラフラと行動し続けるだけでは何の解決策も導き出せません」
なつきが茹で蛸のように顔を真っ赤に染めているのに対し、相対する深優はすまし顔だ。
まるで、ソレが当然の事のように淡々と事実だけを口にする。
まるで、ソレが当然の事のように淡々と事実だけを口にする。
「……おい、なつき。考え直すとしたら今しかないぞ。つまらない意地を張っていないで……その、だな」
この場での唯一の男性たる双七がぼそぼそとした声でなつきに再考を求める。
今回の争いが深優となつきの個人的な因縁に基づくモノであるため、部外者である彼は踏み込んだ言葉を掛けられずにいた。
彼も深優との同行を希望した。
カジノに棗恭介とトルティニタ・フィーネという人間が篭城しているらしいが、深優をこのまま放置して帰還する事は出来ないと云うのだ。
今回の争いが深優となつきの個人的な因縁に基づくモノであるため、部外者である彼は踏み込んだ言葉を掛けられずにいた。
彼も深優との同行を希望した。
カジノに棗恭介とトルティニタ・フィーネという人間が篭城しているらしいが、深優をこのまま放置して帰還する事は出来ないと云うのだ。
「クッ……何故、こんな……!?」
様相は完全なる一対三。俗に言う八方塞、四面楚歌。
なつきは回帰する。どうしてこんな事態になったのかを…………。
なつきは回帰する。どうしてこんな事態になったのかを…………。
▽
事の起こりは深優となつきが武器を収め、若干息が詰まった感覚はあったものの情報交換を始めた席での出来事だった。
美希、深優、なつき、双七と四人がそれぞれ人間の知り合いを挙げ、出会っていないかを確かめる作業。
ある種のルーチンワークにも似た行いではあるが、決して蔑ろにする事は出来ない重要な行程である。
既に情報交換を済ませていた美希となつきはともかくとして、深優と双七の齎した情報は二人にとっても非常に有益なものだった。
美希、深優、なつき、双七と四人がそれぞれ人間の知り合いを挙げ、出会っていないかを確かめる作業。
ある種のルーチンワークにも似た行いではあるが、決して蔑ろにする事は出来ない重要な行程である。
既に情報交換を済ませていた美希となつきはともかくとして、深優と双七の齎した情報は二人にとっても非常に有益なものだった。
「纏めると……深優が出会った人間は黒須太一、源千華留、大十字九郎、ユメイ、蘭堂りの、直枝理樹。
俺が会ったのは九鬼耀鋼、支倉曜子、棗恭介、トルティニタ・フィーネ、アル=アジフ、羽籐桂。
美希が対馬レオ、杉浦碧、大十字九郎、直枝理樹、加藤虎太郎、源千華留、大十字九郎、ユメイ、蘭堂りの。
なつきが伊達スバル、若杉葛……って所か」
俺が会ったのは九鬼耀鋼、支倉曜子、棗恭介、トルティニタ・フィーネ、アル=アジフ、羽籐桂。
美希が対馬レオ、杉浦碧、大十字九郎、直枝理樹、加藤虎太郎、源千華留、大十字九郎、ユメイ、蘭堂りの。
なつきが伊達スバル、若杉葛……って所か」
取り出した紙に各自が遭遇した人間を書き出し、双七は小さく頷いた。
「明確な危険人物が黒須太一、支倉曜子、そして"怪物"か。あと、腕に外套を巻いた茶髪の男……と。そうだ、深優」
「はい。何でしょうか、如月さん」
「例の……集団の中に潜んだ殺人鬼、だったか。候補ぐらいはいないのか?
ダメな意見だとは思うけど、深優の勘違い……というのが一番俺としては望ましいんだけど」
「はい。何でしょうか、如月さん」
「例の……集団の中に潜んだ殺人鬼、だったか。候補ぐらいはいないのか?
ダメな意見だとは思うけど、深優の勘違い……というのが一番俺としては望ましいんだけど」
我ながら本当に愚かな意見だ、双七は思った。
実際に言葉を交わした深優と美希が揃って証言している以上、下手な希望は持たない方が好ましい筈なのに。
それでもまだ自分は人を信じたいと、狂言に踊らされ殺人鬼になってしまった者など居ないと――そう、思っていたいのだ。
実際に言葉を交わした深優と美希が揃って証言している以上、下手な希望は持たない方が好ましい筈なのに。
それでもまだ自分は人を信じたいと、狂言に踊らされ殺人鬼になってしまった者など居ないと――そう、思っていたいのだ。
「そう、ですね。確かに七分の一という言い方には語弊がありました。数名に限定するとすれば、怪しいのはやはり『源千華留』彼女でしょう」
「源……千華留」
「千華留さん、ですか? むー美希の眼には面倒見が良くて茶目っ気のある方にしかみえませんでしたが……」
「あくまで可能性、です。断定は出来ていません、心の中に留めて頂くだけでも」
「源……千華留」
「千華留さん、ですか? むー美希の眼には面倒見が良くて茶目っ気のある方にしかみえませんでしたが……」
「あくまで可能性、です。断定は出来ていません、心の中に留めて頂くだけでも」
シン、と空気が静まる。四人が情報を交換しているのは木々に囲まれた芝生の上。
双七と美希だけが地面に座り込み、深優となつきだけが互いを牽制しあうかのように向かい合う形で数メートル離れた樹木に寄り掛かる。
双七と美希だけが地面に座り込み、深優となつきだけが互いを牽制しあうかのように向かい合う形で数メートル離れた樹木に寄り掛かる。
「黒須太一、支倉曜子……あ、この二人は美希の知り合いなんだっけ?」
「はいです。二人とも美希と同じ学校の先輩でして。あ……それと、名前は分からないんですがもう一人、危険そうな人に心当たりが」
「心当たり?」
「私と対馬先輩が一緒にいる所へ襲い掛かって来て散り散りに逃げたのですが…………次の放送で、対馬先輩は名前を呼ばれてしまいました」
「……そいつに殺されたのか」
「はいです。二人とも美希と同じ学校の先輩でして。あ……それと、名前は分からないんですがもう一人、危険そうな人に心当たりが」
「心当たり?」
「私と対馬先輩が一緒にいる所へ襲い掛かって来て散り散りに逃げたのですが…………次の放送で、対馬先輩は名前を呼ばれてしまいました」
「……そいつに殺されたのか」
美希達と離れた所で一人、不満げな表情のまま事の成り行きを見守っていたなつきが右の拳でドン、と樹の幹を叩いた。
梢が擦り合う音が響き、数枚の落ち葉がヒラヒラと舞い遊ぶ。
一瞬の静寂。顔を伏せ、悔しさや己の無力さに心を憤らせる――深優・グリーアと山辺美希を除いた二人だけ、の話ではあるが。
梢が擦り合う音が響き、数枚の落ち葉がヒラヒラと舞い遊ぶ。
一瞬の静寂。顔を伏せ、悔しさや己の無力さに心を憤らせる――深優・グリーアと山辺美希を除いた二人だけ、の話ではあるが。
「美希……その危険そうな奴の特徴とかは分からないのかい? 男か女か、獲物は何を使っていたかとか……」
「特徴、ですか? そうですね……考えてみると、結構独特な格好をしていたような気がしますです」
「独特?」
「はい。男の人で……歳は美希達と同じくらい。武器は刀で、物凄い腕前でした。あとは上下、白の学生服を着ていたような」
「――ッ!?」
「特徴、ですか? そうですね……考えてみると、結構独特な格好をしていたような気がしますです」
「独特?」
「はい。男の人で……歳は美希達と同じくらい。武器は刀で、物凄い腕前でした。あとは上下、白の学生服を着ていたような」
「――ッ!?」
美希の言葉を訊き、極端な反応を見せたのは双七だった。
紙に名前を書き込んでいたため座っていた彼であったが、思わず立ち上がり眼を大きく見開きながら驚愕の声を漏らした。
紙に名前を書き込んでいたため座っていた彼であったが、思わず立ち上がり眼を大きく見開きながら驚愕の声を漏らした。
「それって……まさか、愁厳……!?」
双七の脳裏に浮かぶのは自身の親友であり、神沢学園生徒会会長である一乃谷愁厳、その人であった。
男性、同じぐらいの年頃、凄腕の刀使い、白い学生服。
何もかもが彼が知る親友の特徴と一致する。いや、逆に否定するべき材料の方が少ないのでは……?
男性、同じぐらいの年頃、凄腕の刀使い、白い学生服。
何もかもが彼が知る親友の特徴と一致する。いや、逆に否定するべき材料の方が少ないのでは……?
「そんな馬鹿な! あの会長が殺し合いに乗って無抵抗の人を殺すだなんて、そんな……っ!」
当然のように、双七は自身の中に芽生えた疑惑の種を摘み取ろうとする。
会長が人殺しを? そんな馬鹿な事が……ある訳がない。
あの人は自分が心から尊敬出来る凄い人だ。自分が知る限りあの人ほど、仲間の事を考えて行動する人間はいない。
そしてこんな「ゲーム」などという下らない催しに進んで乗ることは無い強い意志の持ち主だ。
会長が人殺しを? そんな馬鹿な事が……ある訳がない。
あの人は自分が心から尊敬出来る凄い人だ。自分が知る限りあの人ほど、仲間の事を考えて行動する人間はいない。
そしてこんな「ゲーム」などという下らない催しに進んで乗ることは無い強い意志の持ち主だ。
「如月さん、お言葉ですが」
「……えっ!?」
「この世の中に"絶対"などと云う言葉は有り得ません」
「…………深優、君は会長が人殺しだとでも云うつもりなのかい」
「誰よりも強く、彼が殺人者である事を否定したがっているのは如月さん、貴方なのでしょう。
人間とは脆い生き物です。特に、このような簡易的な集団が形成される場合、その団結力には些かの疑問を感じずにはいられません。
それに……如月さんならば――一乃谷愁厳が人殺しに乗るその動機に心当たりがあるのではないですか?」
「なっ……!」
「……えっ!?」
「この世の中に"絶対"などと云う言葉は有り得ません」
「…………深優、君は会長が人殺しだとでも云うつもりなのかい」
「誰よりも強く、彼が殺人者である事を否定したがっているのは如月さん、貴方なのでしょう。
人間とは脆い生き物です。特に、このような簡易的な集団が形成される場合、その団結力には些かの疑問を感じずにはいられません。
それに……如月さんならば――一乃谷愁厳が人殺しに乗るその動機に心当たりがあるのではないですか?」
「なっ……!」
人は重要な選択を行う時に決して、安易な気持ちでその足を踏み出す事はない。
大切な事象であればあるほどその前提は確固たるモノへと変わり、別れ道で立ち止まる旅人に決断を迫る。
大切な事象であればあるほどその前提は確固たるモノへと変わり、別れ道で立ち止まる旅人に決断を迫る。
――殺し合いに乗るか否か。
白か黒か、これほど重要な事柄について思考を放棄する人間はおそらく存在しないだろう。
一乃谷愁厳のように、厳格で聡明な人物であれば尚更の事。
会長が、殺し合いに乗る動機、だって?
そんなモノある訳がな――――
一乃谷愁厳のように、厳格で聡明な人物であれば尚更の事。
会長が、殺し合いに乗る動機、だって?
そんなモノある訳がな――――
「あ…………」
刀子、さん?
「でも……あ…………そ、そんな、訳が……!」
一乃谷愁厳は誰よりも仲間を重んじる男だ。
そして、非常に強い責任感を持つ人物でもあり、背中を預けたとして彼ほど頼りになる相手はいない。
自分と会長は親友なのだ。だから、彼の心も痛いほど分かる。
そう、一乃谷愁厳が何よりも自身の妹を大切に思っている事を、確かに双七は知っている。
そして、非常に強い責任感を持つ人物でもあり、背中を預けたとして彼ほど頼りになる相手はいない。
自分と会長は親友なのだ。だから、彼の心も痛いほど分かる。
そう、一乃谷愁厳が何よりも自身の妹を大切に思っている事を、確かに双七は知っている。
それどころか――彼ならば、生徒会のメンバーを護るために自ら"殺人鬼"の十字架を背負う事さえ厭わないかもしれない。
「思い当たる節があったようですね」
「いや、ち、違う! ほんの気のせいだ! そんな訳がない、会長には殺し合いに乗る動機なんて……っ!」
「いや、ち、違う! ほんの気のせいだ! そんな訳がない、会長には殺し合いに乗る動機なんて……っ!」
それは、まるで小さな子供が割ってしまったガラスについて親に詰問され、必死で言い訳をするような仕草だった。
双七以外の人間は完全に悟ってしまっていた。
深優や美希は当然の如く、なつきでさえ心の中の備忘録に『一乃谷愁厳』の名前を刻み込む。
殺し合いに高い確率で乗っている危険で少なくとも簡単には信用出来ない人物として――
双七以外の人間は完全に悟ってしまっていた。
深優や美希は当然の如く、なつきでさえ心の中の備忘録に『一乃谷愁厳』の名前を刻み込む。
殺し合いに高い確率で乗っている危険で少なくとも簡単には信用出来ない人物として――
「……すいません、如月さん。美希がいけない事をいってしまったみたいで」
「いや……美希、君が謝る必要は無いよ。本当さ、これっぽちも申し訳なく思う必要なんて、無い」
「殺し合いに乗った知り合いか。難しい問題だな」
「なつき……会長が人殺しだと決まった訳じゃない。そんな決め付けるような台詞は止めて欲しい」
「あ、……ッ……すまない」
「いや……美希、君が謝る必要は無いよ。本当さ、これっぽちも申し訳なく思う必要なんて、無い」
「殺し合いに乗った知り合いか。難しい問題だな」
「なつき……会長が人殺しだと決まった訳じゃない。そんな決め付けるような台詞は止めて欲しい」
「あ、……ッ……すまない」
重い静寂が辺りを支配する。誰もが手持ち無沙汰で今、何をすればいいのか分からない。
それでも、もうすぐ放送がある事だけは意識の隅に引っ掛かったまま残っている。
このままあのノイズが流れ出すまで、頭の中を整理したい気持ちも強かった。
それでも、もうすぐ放送がある事だけは意識の隅に引っ掛かったまま残っている。
このままあのノイズが流れ出すまで、頭の中を整理したい気持ちも強かった。
「……湿っぽいのは性に合わない。……そろそろ行くぞ、美希」
「なんと」
「なんと」
眼を見開き、両手を上げる驚きのアクション。
美希は大きな瞳をパチクリと数回瞬かせる。
美希は大きな瞳をパチクリと数回瞬かせる。
「……冗談じゃないぞ。ほら、立て!」
「ぎにゃー。ど、どしたのですか玖我先輩? いきなり、そんな」
「情報交換は終わった。もう十分だ。しっかりと協力はしたつもりだ。
それに……そろそろ放送だろう。私は自分の知り合いが命を落とした事を喜ぶような奴と一緒に放送を迎えたくない」
「ぎにゃー。ど、どしたのですか玖我先輩? いきなり、そんな」
「情報交換は終わった。もう十分だ。しっかりと協力はしたつもりだ。
それに……そろそろ放送だろう。私は自分の知り合いが命を落とした事を喜ぶような奴と一緒に放送を迎えたくない」
なつきはキッと強い眼差しで深優を睨み付ける。
無理やり座っていた美希を立たせて腕を引っ張っているのだ。
無理やり座っていた美希を立たせて腕を引っ張っているのだ。
一方で、表情を変える事無く考え込んでいた深優は反論する気も無いのだろうか、彼女の視線を受け流す。
確かにメモリーチップの記憶から考えれば、なつきと深優の敵対関係は明確。
そしてどう態度を取り繕おうとも藤乃静留、杉浦碧の死が訪れた場合、深優・グリーアはそれを歓迎する筈なのだから。
確かにメモリーチップの記憶から考えれば、なつきと深優の敵対関係は明確。
そしてどう態度を取り繕おうとも藤乃静留、杉浦碧の死が訪れた場合、深優・グリーアはそれを歓迎する筈なのだから。
「如月。お前はどうするつもりだ? 深優・グリーアとの同行はお前の首を絞める事になると思うが?」
「……俺は深優に着いて行くよ。ああ、勿論なつきと一緒に行くのが嫌だって訳じゃない。
俺には帰りを待っている仲間が居るのも確かだしな。情報だけを拠点に持ち帰る選択肢もある……だけど、」
「だけど?」
「……守れなかった娘がいてさ。ほんの少しの間だけしか一緒には居なかったけど、本当に悔しくて……。
だから、倒れていた深優を見つけた時に思ったんだ。今度こそ絶対に守ってみせるって……!」
「……俺は深優に着いて行くよ。ああ、勿論なつきと一緒に行くのが嫌だって訳じゃない。
俺には帰りを待っている仲間が居るのも確かだしな。情報だけを拠点に持ち帰る選択肢もある……だけど、」
「だけど?」
「……守れなかった娘がいてさ。ほんの少しの間だけしか一緒には居なかったけど、本当に悔しくて……。
だから、倒れていた深優を見つけた時に思ったんだ。今度こそ絶対に守ってみせるって……!」
一字一句正確に記憶している九鬼耀鋼からの教えがある。それが『殺す覚悟』
だが、結果はどうだ? 誰一人殺めることもなく、ただ死者だけは増えていく。
他の人間を護るためにこの力を使うと決めたのだ。今度こそ、絶対に。
だが、結果はどうだ? 誰一人殺めることもなく、ただ死者だけは増えていく。
他の人間を護るためにこの力を使うと決めたのだ。今度こそ、絶対に。
心の中で亡くなった人達の姿を思い浮かべながら、双七は強く、強く、その掌を握り締める。
「き、如月さん」
「……え?」
「あの、そのですね。傍目からすると愛の告白にしかきこえないのですがっ。きゃー♪」
「へ、こ、告白!? いや、ち、違うっていや、本当に!」
「またまた、そんなに照れなくても。男と女が不可思議な環境に押し込まれて、何も起こらない方がどうかしてるっす」
「だ、だから、そんな事は……!」
「……え?」
「あの、そのですね。傍目からすると愛の告白にしかきこえないのですがっ。きゃー♪」
「へ、こ、告白!? いや、ち、違うっていや、本当に!」
「またまた、そんなに照れなくても。男と女が不可思議な環境に押し込まれて、何も起こらない方がどうかしてるっす」
「だ、だから、そんな事は……!」
強固な決意と共に己の考えを口にしただけなのに、にこにこと笑みを浮かべる美希にからかわれてしまった。
全然そういう意味で云った訳ではないのだが。……弁解の余地はないのだろうか?
深優は相変わらず無表情で何を考えているか分からないし……。
全然そういう意味で云った訳ではないのだが。……弁解の余地はないのだろうか?
深優は相変わらず無表情で何を考えているか分からないし……。
実際、なつきの言葉も尤もだと思うのだ。
なぜならば、深優の記憶の中には確かに他の参加者を殺害したモノが含まれていた。
断片的なデータだったために、事の起こりは分からない故に判断が難しいのだが。
なぜならば、深優の記憶の中には確かに他の参加者を殺害したモノが含まれていた。
断片的なデータだったために、事の起こりは分からない故に判断が難しいのだが。
しかし、双七にはどうしても深優を見捨てる事など出来なかった。
お人好しと云われても構わない。だけど、自分は少女の死体を抱きしめる深優の姿をを見てしまった。
それは、まるで絵画のように美しく、そして――哀しい光景だった。
お人好しと云われても構わない。だけど、自分は少女の死体を抱きしめる深優の姿をを見てしまった。
それは、まるで絵画のように美しく、そして――哀しい光景だった。
「きめました」
「…………何を、だ?」
「これは、如月さんの恋の道を応援しない訳にいきますまい」
「……は?」
「つまり、です」
「…………何を、だ?」
「これは、如月さんの恋の道を応援しない訳にいきますまい」
「……は?」
「つまり、です」
双七が訝しげな表情で尋ねた。
美希は薄っぺらい胸を張りながら、妙に人懐っこい笑顔を浮かべる。
そしてコホン、と咳払いを一つ。
美希は薄っぺらい胸を張りながら、妙に人懐っこい笑顔を浮かべる。
そしてコホン、と咳払いを一つ。
「美希は玖我先輩ではなく、お二人に付いていきたいと考えているのです」
▽
「……クソッ」
なつきは憤っていた。
結局、双七の言葉を承諾する事など出来る訳も無く、なつきは一人で行動をする羽目になってしまった。
単独での活動自体に文句がある訳ではない。
それに、美希や双七が自分ではなく深優を選んだ事に嫉妬しているかといえば、それも違う。
結局、双七の言葉を承諾する事など出来る訳も無く、なつきは一人で行動をする羽目になってしまった。
単独での活動自体に文句がある訳ではない。
それに、美希や双七が自分ではなく深優を選んだ事に嫉妬しているかといえば、それも違う。
深優の行動にある種の芯が通り、頭から信用こそは出来なかったもののそれなりに納得は出来た。
だが、やはり心の中にシコリは残る。
深優は美希の心の怯えに付け込んだだけではないのか――と。
だが、やはり心の中にシコリは残る。
深優は美希の心の怯えに付け込んだだけではないのか――と。
そして、彼女の心を揺さ振るのは一乃谷愁厳が殺人者ではないか、という疑いを抱えた双七についてだ。
空気を伝い、胸が痛くなるような想いが伝播する。
その苦悩は見ているこちらさえ不安にさせるような種類のものだった。
強く信じていた人間が殺し合いに乗っている――その悲しみは一体どれほどのモノなのだろう。
空気を伝い、胸が痛くなるような想いが伝播する。
その苦悩は見ているこちらさえ不安にさせるような種類のものだった。
強く信じていた人間が殺し合いに乗っている――その悲しみは一体どれほどのモノなのだろう。
"会長"と双七は愁厳の事を呼んでいた。
なつきの知り合いの中にも同様の呼称で周りから呼ばれている人間がいる。
震える肩を抱きしめながら一人なつきは思う。
なつきの知り合いの中にも同様の呼称で周りから呼ばれている人間がいる。
震える肩を抱きしめながら一人なつきは思う。
――静留は何をしているのだろう、と。
「……こんな場所で出来た集団の信頼に意味なんて無い、か」
深優の発した言葉は双七だけではなく、なつきの心にまで深々と突き刺さった。
なつきは自身の心が草臥れて来た事を意識する。
出会ってからそれなりの時間が経過していた筈なのに、美希は自分ではなく深優を選んだ。
彼女は恋のキューピッドだのと訳の分からない事を言っていたが、素直に考えれば――選択したのだと思う。
なつきは自身の心が草臥れて来た事を意識する。
出会ってからそれなりの時間が経過していた筈なのに、美希は自分ではなく深優を選んだ。
彼女は恋のキューピッドだのと訳の分からない事を言っていたが、素直に考えれば――選択したのだと思う。
なつきと深優は決して相容れる事の出来ない存在だ。
今回は戦闘にこそ発展しなかったものの、HiMEを排斥しようとするシアーズ財団の手先である彼女と手を握り合う未来が来るとは考え難い。
今回は戦闘にこそ発展しなかったものの、HiMEを排斥しようとするシアーズ財団の手先である彼女と手を握り合う未来が来るとは考え難い。
伊達スバル、若杉葛。
その名前を出すだけで胸の奥がズキズキと痛んだ。
スバルは対馬レオを生き返らせるために、若杉葛を殺害した。
美希と対馬レオを襲ったらしい一乃谷愁厳が間接的に、スバルを狂気に走らせ、葛を殺した――そう考える事も出来るかもしれない。
スバルは対馬レオを生き返らせるために、若杉葛を殺害した。
美希と対馬レオを襲ったらしい一乃谷愁厳が間接的に、スバルを狂気に走らせ、葛を殺した――そう考える事も出来るかもしれない。
単純な協力関係の筈だったのだ。
殺し合いに乗った者を許すわけにはいかない。だから、なつきはスバルを撃った。
もう一人のHiMEである杉浦碧も美希を見捨てて何処かに行ってしまったらしい。
常日頃から「正義」を謳っていた彼女に一体どのような心変わりが訪れたのだろう。
殺し合いに乗った者を許すわけにはいかない。だから、なつきはスバルを撃った。
もう一人のHiMEである杉浦碧も美希を見捨てて何処かに行ってしまったらしい。
常日頃から「正義」を謳っていた彼女に一体どのような心変わりが訪れたのだろう。
ぼんやりと、黄昏色が消えていく空を見つめる。オレンジは薄れ、少しずつ漆黒に近付いて行く。
闇は少女の疑念を更に色濃いものへと変えていく。
これから始まるのは長い永い暗闇の時間。
まるでマリオネットが歩いているかのように、少女の足音は心細く小さい。
闇は少女の疑念を更に色濃いものへと変えていく。
これから始まるのは長い永い暗闇の時間。
まるでマリオネットが歩いているかのように、少女の足音は心細く小さい。
夜が、来る。
【F-8/1日目 夕方】
【玖我なつき@舞-HiME 運命の系統樹】
【装備】:ELER(二丁拳銃。なつきのエレメント、弾数無制限)
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THE IDOLM@STER、
、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、双眼鏡、首輪(サクヤ)、
ベレッタM92@現実(9ミリパラベラム弾 15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3
七香のMTB@CROSS†CHANNEL ~to all people~、クルーザーにあった食料
【状態】:中度の肉体的疲労、疑心暗鬼
【思考・行動】
基本:静留と合流する
1:見知らぬ人間と交流する事に対する疑問
2:静留を探す
3:黒須太一、支倉曜子、腕に外套を巻いた茶髪の男(衛宮士郎)を危険視。源千華留を警戒。
【備考】
※人探しと平行して、ゲームの盲点を探し本当のゲームの参加者になる。
※『本当の参加者』、もしくは『主催が探す特定の誰か』が存在すると考えています。
※劇場にてパソコンを発見しました。何か情報が隠されているようです。見るにはIDとパスワードが必要です。
※深優、双七、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
※美希に詳細名簿のディスクを盗られた事に気付いていません。
【装備】:ELER(二丁拳銃。なつきのエレメント、弾数無制限)
【所持品】:支給品一式×2、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THE IDOLM@STER、
、カードキー(【H-6】クルーザー起動用)、双眼鏡、首輪(サクヤ)、
ベレッタM92@現実(9ミリパラベラム弾 15/15+1)、ベレッタM92の予備マガジン(15発入り)×3
七香のMTB@CROSS†CHANNEL ~to all people~、クルーザーにあった食料
【状態】:中度の肉体的疲労、疑心暗鬼
【思考・行動】
基本:静留と合流する
1:見知らぬ人間と交流する事に対する疑問
2:静留を探す
3:黒須太一、支倉曜子、腕に外套を巻いた茶髪の男(衛宮士郎)を危険視。源千華留を警戒。
【備考】
※人探しと平行して、ゲームの盲点を探し本当のゲームの参加者になる。
※『本当の参加者』、もしくは『主催が探す特定の誰か』が存在すると考えています。
※劇場にてパソコンを発見しました。何か情報が隠されているようです。見るにはIDとパスワードが必要です。
※深優、双七、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
※美希に詳細名簿のディスクを盗られた事に気付いていません。
▽
「……なつきの奴。大丈夫かな」
「むぅ、やはり無理やりにでも引っ張ってくるべきだったのでは」
「アイツが納得すると思うか?」
「ぜんぜん思いません」
「だろ」
「むぅ、やはり無理やりにでも引っ張ってくるべきだったのでは」
「アイツが納得すると思うか?」
「ぜんぜん思いません」
「だろ」
なつきとまるで喧嘩別れというか、あまり好ましくない別れ方をした後、美希と双七は互いに腕を組みながらウンウンと唸っていた。
沈み込む太陽を背に謎のポージング。
一見、美希は大人しそうに見えたのだが、ああ見えて中々愉快な性格をしているようだ。
沈み込む太陽を背に謎のポージング。
一見、美希は大人しそうに見えたのだが、ああ見えて中々愉快な性格をしているようだ。
「で、深優。君はどうするつもりなんだ? 望むのなら、恭介達のいるカジノへ案内するけど……」
「その心配には及びません。話を聞く限り、棗恭介というのは中々のキレ者のようです。
貴方が放送までに戻らなくても、不用意な行動取る事はないでしょう。おそらくこちらの意志を察してくれるかと思います」
「……そうか」
「その心配には及びません。話を聞く限り、棗恭介というのは中々のキレ者のようです。
貴方が放送までに戻らなくても、不用意な行動取る事はないでしょう。おそらくこちらの意志を察してくれるかと思います」
「……そうか」
双七が僅かに俯いた。
仲間達と連絡を取る手段が無いのがどうも気になっているらしい。
彼らがカジノに篭城しているのならば、何処かに電話が使える設備があれば連絡が取れると思うのだが……。
仲間達と連絡を取る手段が無いのがどうも気になっているらしい。
彼らがカジノに篭城しているのならば、何処かに電話が使える設備があれば連絡が取れると思うのだが……。
「ひとまずここより北、大学のある場所へと向おうかと思います。
郊外の施設ならば、大規模な研究施設が設置されている可能性もありますから。首輪の解析も出来るかもしれません」
「……なるほど、分かった」
「いえっさー」
郊外の施設ならば、大規模な研究施設が設置されている可能性もありますから。首輪の解析も出来るかもしれません」
「……なるほど、分かった」
「いえっさー」
双七が小さく頷く。
そして、美希は右手を額に当てる敬礼のようなポーズを取る。
そして、美希は右手を額に当てる敬礼のようなポーズを取る。
万事は順調である。
身体の具合は少しずつ戻って来た。少なくとも一人で歩行するのには問題は皆無。
他の参加者の煽動自体は十分に行えるが、一刻も早く万全な状態を取り戻したいという気持ちも強い。
玖我なつきを排除する事は出来なかったが、十分な煽動は行えたと自負している。
身体の具合は少しずつ戻って来た。少なくとも一人で歩行するのには問題は皆無。
他の参加者の煽動自体は十分に行えるが、一刻も早く万全な状態を取り戻したいという気持ちも強い。
玖我なつきを排除する事は出来なかったが、十分な煽動は行えたと自負している。
(如月双七は見るからにお人好しな人物として……。山辺美希……彼女はいったいどういう人間なのでしょうか)
深優の中に現状、唯一存在する疑問といえば山辺美希についての問題だけと云ってしまって構わないだろう。
少なくとも今の所は彼女はただの能天気な人間にしか見えない。
少なくとも今の所は彼女はただの能天気な人間にしか見えない。
しかし、先ほどのやり取りには……若干の疑問点を覚える。
彼女は加藤虎太郎と共に、玖我なつきを除けば一番最後に源千華留達のグループに合流した。
そして彼女達と言葉を交わしたのは僅か十五分。
……十五分、これだけの時間で何処まで相手の事を理解出来るだろう。
彼女は加藤虎太郎と共に、玖我なつきを除けば一番最後に源千華留達のグループに合流した。
そして彼女達と言葉を交わしたのは僅か十五分。
……十五分、これだけの時間で何処まで相手の事を理解出来るだろう。
とはいえ、残念ながら深優には『普通の女子高生』とやらの気持ちがあまり理解出来ない。
どのような場面で怯え、涙を流し、相手に恐怖感を覚えるのか……実際、確証はない。
その場の意見に流され深優に賛同してしまった可能性もあり、危険人物と一概に断定する事も難しい。
どのような場面で怯え、涙を流し、相手に恐怖感を覚えるのか……実際、確証はない。
その場の意見に流され深優に賛同してしまった可能性もあり、危険人物と一概に断定する事も難しい。
だが、なつきを容易く切り捨てた点にはある種のリアリスト的な側面を垣間見たようにも思える。
もしや、生存する事に関して何らかの拘りがあるのだろうか。
少なくとも、特別な力を持たない一般人である事は確かなのだが。
もしや、生存する事に関して何らかの拘りがあるのだろうか。
少なくとも、特別な力を持たない一般人である事は確かなのだが。
(……とはいえ、現状ではただの少女と認識してしまって構わないでしょうが。警戒は怠らずに)
虚ろな身体を引き摺り、深優は小さな疑念を振り払う。
(先生……あなたは……?)
深優の視線は前方を歩く双七の腰に下げられた無骨な剣へと注がれる。
彼の支給品の一つ、星繰りの者の家系に伝わる宝剣――クサナギである。
本来の所持者は深優とそしてアリッサの理解者である高村恭司。
彼の武器を他の人間が持っている事に対して、特別な想いが湧いてくる訳でもなかった。
彼の支給品の一つ、星繰りの者の家系に伝わる宝剣――クサナギである。
本来の所持者は深優とそしてアリッサの理解者である高村恭司。
彼の武器を他の人間が持っている事に対して、特別な想いが湧いてくる訳でもなかった。
少しだけ彼が今、何をしているのか気になった。ただ、それだけの話。
今はまだ深優・グリーアは空虚な人形に過ぎない。
プログラムに書かれた命題を実行するだけの、操り人形だ。
彼女が自立的に行動し、感情というものを芽生えさせるためには未だ、幾つものプロセスが足りない。
プログラムに書かれた命題を実行するだけの、操り人形だ。
彼女が自立的に行動し、感情というものを芽生えさせるためには未だ、幾つものプロセスが足りない。
▽
如月双七の周囲には暗雲が立ち込めている。
今まで彼は、やけに仲の良いカップルに適当な扱いをされたり、美少女二人組に気絶させられたりとまるでいい事がなかった。
とはいえある程度信頼の置ける仲間は出来たし、何よりも元の世界の知り合いに一人も未だ犠牲者が出ていない点は快挙と云えるだろう。
今まで彼は、やけに仲の良いカップルに適当な扱いをされたり、美少女二人組に気絶させられたりとまるでいい事がなかった。
とはいえある程度信頼の置ける仲間は出来たし、何よりも元の世界の知り合いに一人も未だ犠牲者が出ていない点は快挙と云えるだろう。
(……会長……ッ!)
美希から齎された一乃谷愁厳が殺し合いに乗っている可能性がある、という情報。
今すぐにでも美希が彼を見かけたという場所に急行したい所だが、どうもそれは半日近く前の話らしい。
加えて遭遇したD-5エリアは既に禁止エリアになっており、何か証拠となるものを探す事も出来ない。
今すぐにでも美希が彼を見かけたという場所に急行したい所だが、どうもそれは半日近く前の話らしい。
加えて遭遇したD-5エリアは既に禁止エリアになっており、何か証拠となるものを探す事も出来ない。
(嘘だと云ってくれ……! あなたが殺し合いに乗ってどうするんだ……!?
刀子さんが一体どういう気持ちになるのか考えられない訳じゃないだろ!?)
刀子さんが一体どういう気持ちになるのか考えられない訳じゃないだろ!?)
胸の内で激しく炎のような感情を燃やす双七。
何が何でも愁厳を見つけ出し、事の真相を暴く必要があるだろう。
そして、もしそれが本当の事だった場合――――彼は己の拳でケジメを付けなければならない。
何が何でも愁厳を見つけ出し、事の真相を暴く必要があるだろう。
そして、もしそれが本当の事だった場合――――彼は己の拳でケジメを付けなければならない。
加えて深優・グリーアの問題もある。
彼女は本当に殺し合いに乗っていないのだろうか?
少女を銃で撃ったのは、本当に殺人鬼の炙り出しのためなのか?
彼女は本当に殺し合いに乗っていないのだろうか?
少女を銃で撃ったのは、本当に殺人鬼の炙り出しのためなのか?
記憶のページで見た光景が確かならば、彼女の力が借りられれば相当な戦力になる事は確かである。
これもまた、明らかにしなければならない事象。
これもまた、明らかにしなければならない事象。
どちらも、双七にとっては絶対に信じたくない情報だ。
弱い者を護る事こそが、彼の流儀である。いったい何のために、自身が九鬼流を会得したというのだろう。
そうだ。そのために、誰かを殺す覚悟は出来ている――とはいえ。
弱い者を護る事こそが、彼の流儀である。いったい何のために、自身が九鬼流を会得したというのだろう。
そうだ。そのために、誰かを殺す覚悟は出来ている――とはいえ。
それでも、やはり、その拳を身近な人に向けるのは嫌な事なのだから。
▽
クルクルと円を描くように、ゴールとスタートが連結して存在する世界、というものが存在する。
平たく言えばそれは美希や太一達が合宿明けに閉じ込められた世界の事。
閉鎖空間。永遠の世界。繰り返し。リセット。
平たく言えばそれは美希や太一達が合宿明けに閉じ込められた世界の事。
閉鎖空間。永遠の世界。繰り返し。リセット。
それを、山辺美希は『ループ』と呼んでいる。
延々と、
延々と、
延々と、
一体何回繰り返したのかは覚えていない。
数式で表せば7×Xだから意外と多くの時間が経過している。
それはもう、成長期の少女である彼女の低い背が少しだけ高くなり薄っぺらい胸が微妙に大きくなるくらいの期間なのだ。
数式で表せば7×Xだから意外と多くの時間が経過している。
それはもう、成長期の少女である彼女の低い背が少しだけ高くなり薄っぺらい胸が微妙に大きくなるくらいの期間なのだ。
山辺美希は固有の存在である。
彼女の群青色は黒須太一や宮澄見里ほど強烈な適応係数を叩き出す訳ではない。
ただ何よりも自分が大事である、という明確な意志。
生き物にとって当たり前の気持ちが人よりも少しだけ、前に出過ぎているだけ。
彼女の群青色は黒須太一や宮澄見里ほど強烈な適応係数を叩き出す訳ではない。
ただ何よりも自分が大事である、という明確な意志。
生き物にとって当たり前の気持ちが人よりも少しだけ、前に出過ぎているだけ。
自分が自分でなくなるのが怖い。
他の何かに押しつぶされ、汚染され、ナニカ別のモノへと変わっていくのが恐ろしい。
ただただ、純粋で、澄み切った泉のような崇高な感情。生きたいという想い。
他の何かに押しつぶされ、汚染され、ナニカ別のモノへと変わっていくのが恐ろしい。
ただただ、純粋で、澄み切った泉のような崇高な感情。生きたいという想い。
美希はこの閉鎖的な空間、そして世界を見て一つの仮説を打ち立てた。
材料は極端に虫や鳥、野生動物が少ないこの島に覚えた違和感と肌に感じる微妙な既視感。
だから、何の取り止めもなく思ったのだ。
いや、もはや確信していると云ってもいいかもしれない。
材料は極端に虫や鳥、野生動物が少ないこの島に覚えた違和感と肌に感じる微妙な既視感。
だから、何の取り止めもなく思ったのだ。
いや、もはや確信していると云ってもいいかもしれない。
――参加者の中に、この殺し合いにおいて『固有』した存在がいるような気がする。
ループ世界の祠のような場所があるのか。
もしくは、優勝=祠という考え方も出来るかもしれない。
だが、漠然とした衝動でありながら、ある種の自信に満ちた思いでもって、この結論を美希は自身の胸の中へと仕舞う。
もしくは、優勝=祠という考え方も出来るかもしれない。
だが、漠然とした衝動でありながら、ある種の自信に満ちた思いでもって、この結論を美希は自身の胸の中へと仕舞う。
(玖我先輩には悪いけど……仕方ないよね。如月さんは見るからにお人好しだから問題なしとして……深優さんは……)
深優は、あまりにも無表情で感情がまるで読めない。
しかも美希が彼女の事を「ロボット」と呼んでいた事が気になったのか、後から「私はアンドロイドです」と訂正して来た始末だ。
確かに腕から剣が生える者を"ヒト"として括るのは難しいのかもしれない。
しかも美希が彼女の事を「ロボット」と呼んでいた事が気になったのか、後から「私はアンドロイドです」と訂正して来た始末だ。
確かに腕から剣が生える者を"ヒト"として括るのは難しいのかもしれない。
とりあえず、彼女を利用する事にする。
それにあちらの目的が煽動ならば、あくまで『普通の女子高生』である自分は使い易い駒だろう。
まぁ、問題ない。こちらが生き残るためならば、好きなだけ利用"も"されてやる。
それにあちらの目的が煽動ならば、あくまで『普通の女子高生』である自分は使い易い駒だろう。
まぁ、問題ない。こちらが生き残るためならば、好きなだけ利用"も"されてやる。
とはいえ、深優・グリーアの動向には細心の注意を払わなければ。
それに如月双七とコミュニケーションを取る事も大切だ。
やらなければならない事は、沢山ある。
それに如月双七とコミュニケーションを取る事も大切だ。
やらなければならない事は、沢山ある。
「おい、美希。ぼんやりしてると危ないぞ」
「……如月先輩……その……」
「え、ど、どうかしたのか?」
「いえ、少しだけお腹が減ったな、と。晩御飯の時間ですし。それに、如月さんは美希よりも深優さんの心配をした方がいいのではっ」
「……だから、どうして……。勘違いだって云ってるだろ……」
「えへへー隠しても無駄です。美希には分かるのです、えへん」
「……如月先輩……その……」
「え、ど、どうかしたのか?」
「いえ、少しだけお腹が減ったな、と。晩御飯の時間ですし。それに、如月さんは美希よりも深優さんの心配をした方がいいのではっ」
「……だから、どうして……。勘違いだって云ってるだろ……」
「えへへー隠しても無駄です。美希には分かるのです、えへん」
双七が頭を抱えながら、小さく嘆息。美希はとりあえずニコニコと。
もちろん、美希はなつきから双七と深優に寄生先を乗り換えたのである。
戦士としての気質もそうであるし、杉浦碧の事を考えるとHiMEという連中はどうも信用出来ない。
ただ盾としては、あまり役には立たなかったが、彼女から入手した道具は非常に有用だ。
戦士としての気質もそうであるし、杉浦碧の事を考えるとHiMEという連中はどうも信用出来ない。
ただ盾としては、あまり役には立たなかったが、彼女から入手した道具は非常に有用だ。
虎の子の詳細名簿の入手。これはあまりにも大きい。
さっさとパキン、と割ってしまっても良かったのだが、そこは発想の転換である。
そりゃあ、中身をしてから処理した方がよっぽど賢い。
データの形式によっては、美希の情報だけを書き換えるのも悪くないだろう。
さっさとパキン、と割ってしまっても良かったのだが、そこは発想の転換である。
そりゃあ、中身をしてから処理した方がよっぽど賢い。
データの形式によっては、美希の情報だけを書き換えるのも悪くないだろう。
罠を仕掛けて何百分の一もの確立に掛けるのも悪くない。
隙を見て他の人間を殺しに行くのも否定はしない。
隙を見て他の人間を殺しに行くのも否定はしない。
だけど、ここは八人だけの七日間の繰り返しではないのだ。
当たり前だが支倉曜子も黒須太一も未だに存命である。ループによって蓄積された経験が少しは役に立つ。
あの二人の怪物が暴れだしたら、美希には対処方法など無くなる。だから、二人に出くわす前に対抗策を整えるのだ。
当たり前だが支倉曜子も黒須太一も未だに存命である。ループによって蓄積された経験が少しは役に立つ。
あの二人の怪物が暴れだしたら、美希には対処方法など無くなる。だから、二人に出くわす前に対抗策を整えるのだ。
(太一先輩は太一先輩のままならともかく……支倉先輩はどう考えてもヤバイですよね)
ふぅ、と美希も溜め息。
不用意な行動など出来る訳がなく。
それでも生き残るためにそれは必要な行為で。
不用意な行動など出来る訳がなく。
それでも生き残るためにそれは必要な行為で。
グルグルと円を描くように踊り続ける輪舞。
円環に囚われた少女は沈んでいく空に、いつかの一週間で見かけた空を重ね合わせる。
円環に囚われた少女は沈んでいく空に、いつかの一週間で見かけた空を重ね合わせる。
【E-7 平原(マップ上方)/1日目 夕方】
【チーム名:INVISIBLE MURDERS+如月双七】
【山辺美希@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:イングラムM10@現実(32/32)
【所持品】:支給品一式×2、木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、投げナイフ4本、ノートパソコン、MTB、
『全参加者情報』とかかれたディスク@ギャルゲロワ2ndオリジナル、イングラムM10の予備マガジンx3(9mmパラベラム弾)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本方針:とにかく生きて帰る。集団に隠れながら、優勝を目指す。
0:詳細名簿のデータを見て、状況に応じた処置をする。
1:自身の生存を何よりも最優先に行動する
2:最悪の場合を考え、守ってくれそうなお人よしをピックアップしておきたい。
3:バトルロワイアルにおける固有化した存在(リピーター)がいるのでは?という想像。
4:太一、曜子を危険視。深優を警戒。
【山辺美希@CROSS†CHANNEL ~to all people~】
【装備】:イングラムM10@現実(32/32)
【所持品】:支給品一式×2、木彫りのヒトデ7/64@CLANNAD、投げナイフ4本、ノートパソコン、MTB、
『全参加者情報』とかかれたディスク@ギャルゲロワ2ndオリジナル、イングラムM10の予備マガジンx3(9mmパラベラム弾)
【状態】:健康
【思考・行動】
基本方針:とにかく生きて帰る。集団に隠れながら、優勝を目指す。
0:詳細名簿のデータを見て、状況に応じた処置をする。
1:自身の生存を何よりも最優先に行動する
2:最悪の場合を考え、守ってくれそうなお人よしをピックアップしておきたい。
3:バトルロワイアルにおける固有化した存在(リピーター)がいるのでは?という想像。
4:太一、曜子を危険視。深優を警戒。
【備考】
※千華留たちと情報交換しました。深優、双七、なつきと情報を交換しました(一日目夕方時点)
※ループ世界から固有状態で参戦。
※理樹の作戦に乗る気はないが、取りあえず参加している事を装う事にしました。
※把握している限りの名前に印をつけました。(但しメンバーが直接遭遇した相手のみ安全と判断)
※千華留たちと情報交換しました。深優、双七、なつきと情報を交換しました(一日目夕方時点)
※ループ世界から固有状態で参戦。
※理樹の作戦に乗る気はないが、取りあえず参加している事を装う事にしました。
※把握している限りの名前に印をつけました。(但しメンバーが直接遭遇した相手のみ安全と判断)
【深優・グリーア@舞-HiME 運命の系統樹】
【装備】:ミサイル(1/2)、遠坂家十年分の魔力入り宝石、グロック19@現実(8/7+1/予備48)、Segway Centaur@現実
【所持品】:支給品一式、拡声器
【状態】:肩に銃創(治療済み)、刀傷(治療済み)、全参加者の顔と名前は記憶済み
【思考・行動】
基本方針:アリッサを救うために行動する。
1:"優勝を目指すが、積極的な殺しはしない"。
2:できるだけ"殺し合いが加速するように他の参加者を扇動する"。
3:ここにいるHiME(玖我なつき、杉浦碧、藤乃静留)を殺す。殺す時はバレないようにやる。
4:必要に応じて内通者は複数人いると思わせる。
5:美希を警戒。
【備考】
※参加時期は深優ルート中盤、アリッサ死亡以降。
※場合によってはHiME能力に覚醒する可能性があります。
※アリッサが本物かどうかは不明。深優のメモリーのブラックボックスに記録されたジョセフ神父の独白にその事実が保存されています。
しかし現在のプログラムのまま動いている深優では検索不能です。
※双七に記憶を読まれた事に気付いていません。
※万全の状態で戦闘可能になるまでは若干の時間を要します。
※なつき、双七、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
【装備】:ミサイル(1/2)、遠坂家十年分の魔力入り宝石、グロック19@現実(8/7+1/予備48)、Segway Centaur@現実
【所持品】:支給品一式、拡声器
【状態】:肩に銃創(治療済み)、刀傷(治療済み)、全参加者の顔と名前は記憶済み
【思考・行動】
基本方針:アリッサを救うために行動する。
1:"優勝を目指すが、積極的な殺しはしない"。
2:できるだけ"殺し合いが加速するように他の参加者を扇動する"。
3:ここにいるHiME(玖我なつき、杉浦碧、藤乃静留)を殺す。殺す時はバレないようにやる。
4:必要に応じて内通者は複数人いると思わせる。
5:美希を警戒。
【備考】
※参加時期は深優ルート中盤、アリッサ死亡以降。
※場合によってはHiME能力に覚醒する可能性があります。
※アリッサが本物かどうかは不明。深優のメモリーのブラックボックスに記録されたジョセフ神父の独白にその事実が保存されています。
しかし現在のプログラムのまま動いている深優では検索不能です。
※双七に記憶を読まれた事に気付いていません。
※万全の状態で戦闘可能になるまでは若干の時間を要します。
※なつき、双七、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
【如月双七@あやかしびと -幻妖異聞録-】
【装備】:クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹、双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録-
【所持品】:支給品一式×3(食料-2)、予備弾丸18、首輪(リセ)、
刹那の制服と下着、ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、良月@アカイイト
【状態】:強い決意、肉体疲労(小)、精神疲労(小)、右膝と右肩に貫通射創(処置済み)、桂の血に惹かれている。
【思考・行動】
基本方針:仲間の確保と保護。愁厳を探し出し、真相を確かめる。
0:深優の動向を見守り、彼女が人を殺めようとするならば阻止する。
1:愁厳が殺し合いに乗っているかどうか確かめる。
2:九鬼先生、刀子、トーニャ、虎太郎と合流する。
3:恭介たちと連絡を取りたい(電話が使えないかと考えている)
4:向かってくる敵は迎撃。必要なら手を血で汚すことにも迷いはない。
【備考】
※双七の能力の制限は使い続けると頭痛がします。
※金属との意思疎通が困難になっていますが、集中すれば聞くことができます
※贄の血に焦がれています。見える範囲に居なければ大丈夫です
※深優のメモリーチップを読み取りましたが、断片的な情報しか読めていません。
(対ウィンフィールド戦、対HiME戦withアリッサ・シアーズ、OP前のグリーア神父による最終整備)
また現段階では集中力が高まらず、これ以上の情報の入手は難しいようです。
※深優、なつき、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
【装備】:クサナギ@舞-HiME 運命の系統樹、双身螺旋刀@あやかしびと -幻妖異聞録-
【所持品】:支給品一式×3(食料-2)、予備弾丸18、首輪(リセ)、
刹那の制服と下着、ファルの首飾り@シンフォニック=レイン、良月@アカイイト
【状態】:強い決意、肉体疲労(小)、精神疲労(小)、右膝と右肩に貫通射創(処置済み)、桂の血に惹かれている。
【思考・行動】
基本方針:仲間の確保と保護。愁厳を探し出し、真相を確かめる。
0:深優の動向を見守り、彼女が人を殺めようとするならば阻止する。
1:愁厳が殺し合いに乗っているかどうか確かめる。
2:九鬼先生、刀子、トーニャ、虎太郎と合流する。
3:恭介たちと連絡を取りたい(電話が使えないかと考えている)
4:向かってくる敵は迎撃。必要なら手を血で汚すことにも迷いはない。
【備考】
※双七の能力の制限は使い続けると頭痛がします。
※金属との意思疎通が困難になっていますが、集中すれば聞くことができます
※贄の血に焦がれています。見える範囲に居なければ大丈夫です
※深優のメモリーチップを読み取りましたが、断片的な情報しか読めていません。
(対ウィンフィールド戦、対HiME戦withアリッサ・シアーズ、OP前のグリーア神父による最終整備)
また現段階では集中力が高まらず、これ以上の情報の入手は難しいようです。
※深優、なつき、美希と情報を交換しました(一日目夕方時点)
169:操リ人形ノ輪舞(前編) | 投下順 | 170:モノの価値は人それぞれ |
時系列順 | 170:モノの価値は人それぞれ | |
玖我なつき | 179:運命はこの手の中廻り出すから | |
山辺美希 | 184:想いの果て | |
深優・グリーア | ||
如月双七 | ||
ジョセフ・グリーア | 203:死闘 |