天から舞い降りたシ者 ◆awaseG8Boo
茶色い髪の毛の異様に目付きが悪い男――古河秋生が眼を覚ました時、そこは見たこともないような石畳の洞窟のような場所だった。
軽く地面に触れてみる。返って来るのはザラザラとした砂と尖った小石が皮膚を引っ掻く感触。
神経はハッキリとその痛みを理解し、そして消化する。
軽く地面に触れてみる。返って来るのはザラザラとした砂と尖った小石が皮膚を引っ掻く感触。
神経はハッキリとその痛みを理解し、そして消化する。
これは現実。紛れもなく一辺の嘘偽りの含まれない本物だ。
『諸君らにはコレから互いを傷付け騙し犯し欺き――そして、殺し合って貰う』
「……チッ、何言ってやがる」
人が死んだ。
双子の少女、高校生程度の少年、そして少女。
合計して、四人もだ。
双子の少女、高校生程度の少年、そして少女。
合計して、四人もだ。
双子の方は身体が赤い霧を出したり、蛇を呼び出したりと明らかに妙な人種であることは確かだ。
とはいえ「はい、そうですか」と割り切れるほど自分は薄情でもないし、冷酷ではない。
眼の前で起きた惨事は正直信じたくないことだし、そもそも状況の変化が目まぐるし過ぎて意味が分からない。
とはいえ「はい、そうですか」と割り切れるほど自分は薄情でもないし、冷酷ではない。
眼の前で起きた惨事は正直信じたくないことだし、そもそも状況の変化が目まぐるし過ぎて意味が分からない。
「とりあえず、荷物か」
秋生はボリボリと頭を掻きながら、ひとまず荷物の確認を始めることとした。
出て来たものは食料や水、ランタンなどの必需品。
軽くパッケージを開けて確認してみたが、パンは一つもなかった。
パン屋である自分に、ソレに随する食物が一つも与えられなかったのは妙な気分だった。
出て来たものは食料や水、ランタンなどの必需品。
軽くパッケージを開けて確認してみたが、パンは一つもなかった。
パン屋である自分に、ソレに随する食物が一つも与えられなかったのは妙な気分だった。
「おいおいパンはねぇのかよ、パンは!? もしかしてコイツを準備した奴はパンが嫌い……ってか?
好き嫌いしてるとマトモな人間になれねぇぞ!!」
好き嫌いしてるとマトモな人間になれねぇぞ!!」
出て来たのはおにぎりだった。しかも秋生を嘲笑うかのような凄まじい数の。
梅干、カツオ、辛子明太子、シーチキン、焼きタラコ、シャケ、マヨネーズ明太子、昆布辛子明太子……、
「勘弁してくれ」と懇願したくなるような怒涛のおにぎり。
しかもコレだけの量のおにぎりがあるのに、パンは一つもない。
どう見てもこれは、自分に対してあの黒い二人組が喧嘩を売っているようにしか思えなかった。
梅干、カツオ、辛子明太子、シーチキン、焼きタラコ、シャケ、マヨネーズ明太子、昆布辛子明太子……、
「勘弁してくれ」と懇願したくなるような怒涛のおにぎり。
しかもコレだけの量のおにぎりがあるのに、パンは一つもない。
どう見てもこれは、自分に対してあの黒い二人組が喧嘩を売っているようにしか思えなかった。
秋生はため息を付きながら、海苔の黒で中身が見渡せないデイパックの中に乱暴に手を突っ込む。
が、瞬間彼の眼の色が変わった。
が、瞬間彼の眼の色が変わった。
指先が、触れたのだ。感じ取ったのだ。
明らかな異常、自らの頭をこの空気に馴染んだ――つまり「バトルロワイアル」へと切り替える存在を。
明らかな異常、自らの頭をこの空気に馴染んだ――つまり「バトルロワイアル」へと切り替える存在を。
「おいおい……マジかよ、こいつぁ……!」
現れたのは本物の銃だった。
M16A2(AR-15A2 モデルNo.645)M16A1改良型アサルトライフル。
装弾数は20発。これは通常の運用にも狙撃としての運用にも適している。
未だアメリカ合衆国軍制式ライフルとして名を馳せる、銃の中でもトップクラスの知名度を誇る一品だ。
M16A2(AR-15A2 モデルNo.645)M16A1改良型アサルトライフル。
装弾数は20発。これは通常の運用にも狙撃としての運用にも適している。
未だアメリカ合衆国軍制式ライフルとして名を馳せる、銃の中でもトップクラスの知名度を誇る一品だ。
「うぉおおおおおお!! すげぇえええ!! カッコよ過ぎだぜ、ちくしょー!!」
が、古河秋生に関しては違った。
彼は他のどんな大人よりも――いや、子供よりも非常に子供っぽい部分を多分に備えた大人だったからだ。
秋生は古河家のチャームポイントとでも言うべき頭部の触角を仔犬の尻尾のように震わせながら、年甲斐もなく喜びを露にした。
彼は他のどんな大人よりも――いや、子供よりも非常に子供っぽい部分を多分に備えた大人だったからだ。
秋生は古河家のチャームポイントとでも言うべき頭部の触角を仔犬の尻尾のように震わせながら、年甲斐もなく喜びを露にした。
例えば、この非常に心細い状態で銃を手にした場合。その魔力に取り付かれてしまう者がいるかもしれない。
他の人間を攻撃しようと考えてしまうかもしれない。
だが彼に関して言えばその可能性は皆無だった。
他の人間を攻撃しようと考えてしまうかもしれない。
だが彼に関して言えばその可能性は皆無だった。
「っとっと。まだ何かあんのか? 次は…………ぁん? 名簿?」
なぜなら彼は非常に強く、陽気で、そして少しだけ馬鹿な……、
「アイン……蒼井渚砂……はぁ"ナギサ"ねぇ。
吾妻玲二…………岡崎朋也? ったくだせぇ名前だ………藤林杏……ふむ。お、古河秋生。俺もちゃーんといる、と。
そして次が古河渚、か。へー似た名前もあるもんだ。んで次が間桐桜………………。
…………………………あ? …………な……ぎ……さ? …………ふふふ、ふ、る、か、わ……なぎさぁああっ!?
はあああああああああああああああああっっっっっ!!??」
吾妻玲二…………岡崎朋也? ったくだせぇ名前だ………藤林杏……ふむ。お、古河秋生。俺もちゃーんといる、と。
そして次が古河渚、か。へー似た名前もあるもんだ。んで次が間桐桜………………。
…………………………あ? …………な……ぎ……さ? …………ふふふ、ふ、る、か、わ……なぎさぁああっ!?
はあああああああああああああああああっっっっっ!!??」
一人の少女の――父親だったからだ。
「おいおいおいおいマジかよ、コイツは!? 渚!? マジで渚!?
同姓同名の別人とかじゃねーのかよ!? いや、でもそんなある名前じゃねーぞ!? 早苗はいないみたいだけどよ……!!
つーことはアレか、この岡崎朋也もあの馬鹿……!?」
同姓同名の別人とかじゃねーのかよ!? いや、でもそんなある名前じゃねーぞ!? 早苗はいないみたいだけどよ……!!
つーことはアレか、この岡崎朋也もあの馬鹿……!?」
瞬間、秋生は理解した。
つまり、一番最初に神崎達が自分達に向けて「ゲーム」とやらの説明をした時、犠牲になった少年達の関係を。
彼らはおそらく、初めから知り合いだった。
互いを呼び合う名前や親密な態度、ある程度の顔見知りでなければあのような反応は考えられない。
つまり、一番最初に神崎達が自分達に向けて「ゲーム」とやらの説明をした時、犠牲になった少年達の関係を。
彼らはおそらく、初めから知り合いだった。
互いを呼び合う名前や親密な態度、ある程度の顔見知りでなければあのような反応は考えられない。
「参加させられてんのは幾つかの知り合い単位のグループ、って訳か……?」
頭がグルグル回る。
これは明らかにノンビリと支給されたおにぎりに文句を付けながら、パンvsおにぎり抗争をしている場合ではない。
少なくとも、やらなければならないことが出来た。
【この古河渚が本当に自分の娘である古河渚かどうか確認する】必要がある。
これは明らかにノンビリと支給されたおにぎりに文句を付けながら、パンvsおにぎり抗争をしている場合ではない。
少なくとも、やらなければならないことが出来た。
【この古河渚が本当に自分の娘である古河渚かどうか確認する】必要がある。
「こりゃあ、やべぇな……とにかく他の人間を探してみるしか――」
「きゃああああああああああああああ!!」
「なッ――!?」
「きゃああああああああああああああ!!」
「なッ――!?」
そして更に頭の中は混乱する。
女の悲鳴だ。それは良い。それはまだ理解出来る。
脅える女がいるならば、駆けつけて慰めてやればいいのだ。
それが男としての責務。一児の父親としてのプライドである。
女の悲鳴だ。それは良い。それはまだ理解出来る。
脅える女がいるならば、駆けつけて慰めてやればいいのだ。
それが男としての責務。一児の父親としてのプライドである。
だが、秋生が疑問を抱いたのは叫び声が起こった状況ではない。大切なのは"誰が"その声を出したのか、ということ。
なぜならこの声は、
なぜならこの声は、
「……渚? おいおいおい……いきなりかよっ!? ちくしょぉおお!! 俺の娘には指一本触れさせねぇええ!!」
彼の愛娘・古河渚のソレと全く同じだったのだから。
秋生はM16を陸戦兵士のように構えると、声がした方向に向けて走り出した。
秋生はM16を陸戦兵士のように構えると、声がした方向に向けて走り出した。
□
鮫氷新一ことフカヒレは、眼が覚めてからずっと悩み続けていた。
鮫氷新一ことフカヒレは眼鏡っ漢(こ)である。
それはもう、眼鏡が顔と同化しているのではないかというレベルの眼鏡ボーイだ。
だが、今はそんな眼鏡の奥の瞳にまるで輝きが見られない。まるで腐ったドブ川のようである。
それはもう、眼鏡が顔と同化しているのではないかというレベルの眼鏡ボーイだ。
だが、今はそんな眼鏡の奥の瞳にまるで輝きが見られない。まるで腐ったドブ川のようである。
苦悩の原因はもちろん、先程眼の前で行われた惨劇について、だ。
あの瞬間、爆破されたのが自分の首輪だったとしたら――そう思うだけで震えが止まらなくなる。
あの瞬間、爆破されたのが自分の首輪だったとしたら――そう思うだけで震えが止まらなくなる。
「レオぉぉぉぉ……スバルぅぅぅぅ、助けてくれよぉぉぉ……」
情けない泣き声をあげながら体育座りの体勢でガクガクブルブルするフカヒレ。
そしてその傍らにはやけに豪華な剣が置かれている。
そしてその傍らにはやけに豪華な剣が置かれている。
――エクスカリバー。
騎士王アルトリアが紆余曲折あって手にした伝説の聖剣である。
この武器が出て来た瞬間は思わず喜びを露にしたフカヒレであったが、ぶっちゃけ彼は剣など使えないのでそれもぬか喜びなのであった。
適当な銃なんかが入っていた方が何倍も心強かったのである。
騎士王アルトリアが紆余曲折あって手にした伝説の聖剣である。
この武器が出て来た瞬間は思わず喜びを露にしたフカヒレであったが、ぶっちゃけ彼は剣など使えないのでそれもぬか喜びなのであった。
適当な銃なんかが入っていた方が何倍も心強かったのである。
殺し合いなんて無理に決まっている。誰かを殺すのも殺されるのも自分には不可能だ。
このままずっと膝を抱えて隠れていようか。
そうだ、きっとソレが一番上手い手段に違いない。
大丈夫、必ずレオやスバルや乙女さんや館長が助けに来てくれる筈! ……椰子は多分無理だろうけど。
このままずっと膝を抱えて隠れていようか。
そうだ、きっとソレが一番上手い手段に違いない。
大丈夫、必ずレオやスバルや乙女さんや館長が助けに来てくれる筈! ……椰子は多分無理だろうけど。
などとフカヒレが非常に後ろ向きな結論を出した瞬間、事件は起こった。
「きゃああああああああああああああ!!」
「うわぁぁあああああ!! な、なんだっ!?」」
「うわぁぁあああああ!! な、なんだっ!?」」
なんと、フカヒレの頭上から女の子が落っこちて来たのである。
だが彼が座っていたのは遺跡の内部。
当然の如く天井が存在する施設の内部だ。
しかし、その天井がパカッと開き――まるで忍者屋敷のような感じで女の子が現れたのだ。
だが彼が座っていたのは遺跡の内部。
当然の如く天井が存在する施設の内部だ。
しかし、その天井がパカッと開き――まるで忍者屋敷のような感じで女の子が現れたのだ。
「い、痛たたたた……う……な、なんであんな所に穴が空いてたのかなぁ?」
それは、平たく言えば天使だった。エンジェルだった。
お尻を擦りながら首を傾げる少女――しかも何故かびしょ濡れだ。
おそらく、ここまで落ちてくる間に水路か水溜りでもあったのだろう。
全身が余すことなく水で濡れている。
お尻を擦りながら首を傾げる少女――しかも何故かびしょ濡れだ。
おそらく、ここまで落ちてくる間に水路か水溜りでもあったのだろう。
全身が余すことなく水で濡れている。
(小さな女の子……しかも全身ずぶ濡れ……だとぉっ!? そしてこのシュチュエーション!!
こ、これはぁあああ!! なんたる……なぁんたることかぁっ!? フラグ? もしかしてフラグ立ってる?)
こ、これはぁあああ!! なんたる……なぁんたることかぁっ!? フラグ? もしかしてフラグ立ってる?)
フカヒレの眼の色が変わった。
突然自分の目の前に女の子が現れたのである。
これに衝撃を受けずしていったい何に驚くというのだろうか。
突然自分の目の前に女の子が現れたのである。
これに衝撃を受けずしていったい何に驚くというのだろうか。
『空から女の子が降って来る』
これはギャルゲーにおける最もポピュラーな出会いの一つと言えるだろう。
並び証される物としては、
並び証される物としては、
『パソコンから女の子がいきなり出て来る』
『遅刻遅刻ー!!と叫びながらトーストを咥えて走って来る女の子と曲がり角でぶつかる』
『ある日、自分には十二人の妹がいた事が判明する。もしくは生き別れになった母親から十九人の姉妹が居る事を告げられる』
『大好きな姉と共に、とある三姉妹の下で執事として働く事になる』
『養子として引き取られた家には六人の姉が! 十年の時を経て甘々ライフが再スタートする。続編では更に二人の姉が!』
『遅刻遅刻ー!!と叫びながらトーストを咥えて走って来る女の子と曲がり角でぶつかる』
『ある日、自分には十二人の妹がいた事が判明する。もしくは生き別れになった母親から十九人の姉妹が居る事を告げられる』
『大好きな姉と共に、とある三姉妹の下で執事として働く事になる』
『養子として引き取られた家には六人の姉が! 十年の時を経て甘々ライフが再スタートする。続編では更に二人の姉が!』
など、そうそうたる顔ぶれだ。
まさに「それって極上だね!」と言ってしまいたくなる。
まさに「それって極上だね!」と言ってしまいたくなる。
ちなみにフカヒレは数多のギャルゲーを嗜むギャルゲーマスターである。
彼は日々クラスメイトのイガグリ(2-C所属、野球部)と共にギャルゲーについて語り合っているのだ。
そんな彼の上から女の子が降って来た――これを運命と言わずして何と言うだろう。
彼は日々クラスメイトのイガグリ(2-C所属、野球部)と共にギャルゲーについて語り合っているのだ。
そんな彼の上から女の子が降って来た――これを運命と言わずして何と言うだろう。
しかもその女の子の可愛さと来たら!
全身水浸しの少女はワインレッドの髪を後頭部で結い、若干短めのポニーテールにしている。
目鼻立ちは幼く童顔で、クリッとした大き目の瞳がやけにチャーミングだ。
身に纏っているのは明らかに何処かのお嬢様学校の物と思われる黒色ベースの制服。
そして、その、黒い制服がグッショリと水で湿り、未成熟な股体のラインをクッキリと浮き上がらせている。
全身水浸しの少女はワインレッドの髪を後頭部で結い、若干短めのポニーテールにしている。
目鼻立ちは幼く童顔で、クリッとした大き目の瞳がやけにチャーミングだ。
身に纏っているのは明らかに何処かのお嬢様学校の物と思われる黒色ベースの制服。
そして、その、黒い制服がグッショリと水で湿り、未成熟な股体のラインをクッキリと浮き上がらせている。
フカヒレは息を呑んだ。
そして興奮する自身の一部を宥めながら、おもむろに自らの"力"を解放する。しかし、
そして興奮する自身の一部を宥めながら、おもむろに自らの"力"を解放する。しかし、
(…………な、なにぃ……見えない!? ま、まさか……ッ!?)
フカヒレに衝撃が走った。
なんと、彼の持つ特殊能力『眼鏡の渕を押すことで、女の子のバストサイズを観測する』能力が発動しないのである。
何度、クイッと眼鏡の渕を指先で押してみても特別な変化は起こらない。フカヒレは戦慄した。
なんと、彼の持つ特殊能力『眼鏡の渕を押すことで、女の子のバストサイズを観測する』能力が発動しないのである。
何度、クイッと眼鏡の渕を指先で押してみても特別な変化は起こらない。フカヒレは戦慄した。
どうやら主催者がルールを説明していた時に言っていた『超常的な力には制限が掛かっている』という条項に触れてしまったらしい。
流石に竜鳴館高校の影の実力者と称される自分に、制限が掛からない筈がなかったという訳か。
流石に竜鳴館高校の影の実力者と称される自分に、制限が掛からない筈がなかったという訳か。
(だがっ……まだだ、まだ終わらんよ!! 俺の力……眼力を甘く見られては困る!!)
しかし、フカヒレは諦めなかった。
能力が何だ? 制限が何だと言うのだろう?
自分にはこの眼鏡があって、そして両の眼はハッキリとすぐ側で怪訝な顔付きをしている女の子を捉えている。
二人を阻むものはメットリとした空気と濡れた衣服だけ。
条件は万全で最善で最良だ。つまり……やるしか、ない。
能力が何だ? 制限が何だと言うのだろう?
自分にはこの眼鏡があって、そして両の眼はハッキリとすぐ側で怪訝な顔付きをしている女の子を捉えている。
二人を阻むものはメットリとした空気と濡れた衣服だけ。
条件は万全で最善で最良だ。つまり……やるしか、ない。
――――おっぱいスカウター、発動。
(バスト…………72…………74…………76…………クッ…………まだか……まだ上がっていくのかぁっ!?)
瞬間、フカヒレの頭に凄まじい痛みが湧き上がった(ような気がした)
思わず、コメカミを抑える。眼鏡のフレームが指先に触れた。
つまりこれは自らの力を酷使し過ぎた代償。これ以上の負担は身体にとっても毒だ。しかし、
思わず、コメカミを抑える。眼鏡のフレームが指先に触れた。
つまりこれは自らの力を酷使し過ぎた代償。これ以上の負担は身体にとっても毒だ。しかし、
(俺は……見たい!! そして触りたい!! 女の子に!! 女の子の身体に!!! この程度の痛みで参る訳には……!!
うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!! 燃え上がれ俺の小宇宙!!
…………78…………79…………80!! 捉えたっっっっ!!!!!)
うぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!! 燃え上がれ俺の小宇宙!!
…………78…………79…………80!! 捉えたっっっっ!!!!!)
臨界点を、彼は突破した。
そして、フカヒレは歓喜した。
彼は達したのだ。遙かなる遠き理想郷(アヴァロン)へと。
続けざまに自らの脳裏に少女の姿(全裸)をリアルに思い描く。
すなわち――頭の中に投影する。
そして、フカヒレは歓喜した。
彼は達したのだ。遙かなる遠き理想郷(アヴァロン)へと。
続けざまに自らの脳裏に少女の姿(全裸)をリアルに思い描く。
すなわち――頭の中に投影する。
――――観測完了。
――――同調(トレース)、開始(オン)
――――基本骨子、想定。
――――基本骨子、解明。
――――構成材質、解明。
――――全工程(トレース)、完了(オフ)
――――同調(トレース)、開始(オン)
――――基本骨子、想定。
――――基本骨子、解明。
――――構成材質、解明。
――――全工程(トレース)、完了(オフ)
………………………………、
…………………………、
…………………、
…………、
……。
楽園、
桃源郷、
エデンの園。
桃源郷、
エデンの園。
理想郷を表す言葉はいくつも存在する。
しかし、フカヒレの妄想は留まることを知らない。
それは、天にも昇るかと思うような至上の幸福だった。
しかし、フカヒレの妄想は留まることを知らない。
それは、天にも昇るかと思うような至上の幸福だった。
「あの……? 大丈夫、ですか?」
少女の声を聞いた瞬間、フカヒレは我に返った。
おずおずと少女が首を傾げながら彼に尋ねた。
フカヒレは再度、彼女をしげしげと舐めるように見つめた。
おずおずと少女が首を傾げながら彼に尋ねた。
フカヒレは再度、彼女をしげしげと舐めるように見つめた。
歳はおそらく高校生程度だろう。身に纏っている制服から十分に推測出来る。
だがその容姿は非常に幼く、中学生と言ってしまっても十分に通用する。
しかしそこに何の問題があるだろうか?
だがその容姿は非常に幼く、中学生と言ってしまっても十分に通用する。
しかしそこに何の問題があるだろうか?
否! 断じて否だ!!
愛し合う二人を隔てるものは歳の差や体格の差などではなく、その想いの深さ。そして薄っぺらい衣服だけ!
そもそも――彼はロリコンである。
もとい、ロリコン"でも"ある。
基本的に彼の趣味はノーボーダー。顔が良くて穴が空いていればそれでいいのだ。
「つるぺた幼女から爆乳お姉さんまでドンと来い! でもブサイクだけは簡便な!」なのである。
愛し合う二人を隔てるものは歳の差や体格の差などではなく、その想いの深さ。そして薄っぺらい衣服だけ!
そもそも――彼はロリコンである。
もとい、ロリコン"でも"ある。
基本的に彼の趣味はノーボーダー。顔が良くて穴が空いていればそれでいいのだ。
「つるぺた幼女から爆乳お姉さんまでドンと来い! でもブサイクだけは簡便な!」なのである。
初対面の印象は非常に大切だ。
フカヒレは万全の体勢から、最上の自己紹介の言葉で彼女に応じる意思を固めた。
フカヒレは万全の体勢から、最上の自己紹介の言葉で彼女に応じる意思を固めた。
「私、"ナギサ"って言いま――」
□
「私、"渚砂"って言いま――」
「俺は鮫氷新一。フカヒレなぁんて呼ぶ奴もいるが、それは仮の姿さ。シャークって呼んでくれ。
おっと大丈夫だぜ? 鮫だからって決して君を食べたりしないよ? あ、もちろん変な意味じゃなくてね」
「……あの」
「趣味は天体観測。割と自然好き。好きな昆虫はコーカサスオオカブト。あの威風堂々とした角になんか親近感覚えるよね」
「…………………………」
「いやさぁ、こんな所であったのも縁って言うかさ。あ、もしかして俺達、運命のアカイイトで結ばれているのかもしれないな」
「俺は鮫氷新一。フカヒレなぁんて呼ぶ奴もいるが、それは仮の姿さ。シャークって呼んでくれ。
おっと大丈夫だぜ? 鮫だからって決して君を食べたりしないよ? あ、もちろん変な意味じゃなくてね」
「……あの」
「趣味は天体観測。割と自然好き。好きな昆虫はコーカサスオオカブト。あの威風堂々とした角になんか親近感覚えるよね」
「…………………………」
「いやさぁ、こんな所であったのも縁って言うかさ。あ、もしかして俺達、運命のアカイイトで結ばれているのかもしれないな」
蒼井渚砂は、とりあえず悟った。
眼の前にいる少年は凄まじい、と。色々な意味で。
少なくとも自分を殺そうという意志はなさそうだが……?
眼の前にいる少年は凄まじい、と。色々な意味で。
少なくとも自分を殺そうという意志はなさそうだが……?
「だ、だからさぁ……ハァハァ……ちょっと俺と……さ。お話……しないかい? こ、怖かっただろう?」
「えと……その……」
「ハァハァ……あ、そうだ。君、今ずぶ濡れだよね? さ、さすがにその格好じゃ風邪を引いちゃうぜ? 幸いにも俺にはこれが……」
「えと……その……」
「ハァハァ……あ、そうだ。君、今ずぶ濡れだよね? さ、さすがにその格好じゃ風邪を引いちゃうぜ? 幸いにも俺にはこれが……」
鼻息を荒くしながら、一歩また一歩と鮫氷新一は自分の下へと迫ってくる。
ズボンのポケットをゴソゴソとやると、
ズボンのポケットをゴソゴソとやると、
「ほ……ほら……ナイスなブルマだろ? あ、礼には及ばないよ。俺は漢として当然の事をしたまでだからね」
そこから取り出したブルマを渚砂へと差し出した。
そしてあまりにも自然な動作でポン、と彼女の掌の上にソレを置く。
そしてあまりにも自然な動作でポン、と彼女の掌の上にソレを置く。
(な、なんなんだろう……この人)
渚砂は完全にパニック状態になりつつあった。
遺跡の外を肩を震わせながら歩いていたら、突然足元が開き、遺跡の内部へと吸い込まれた――
しかも落っこちる最中に湧き水か何かの噴出口を経由したため、全身ずぶ濡れだ。
遺跡の外を肩を震わせながら歩いていたら、突然足元が開き、遺跡の内部へと吸い込まれた――
しかも落っこちる最中に湧き水か何かの噴出口を経由したため、全身ずぶ濡れだ。
加えて鮫氷新一という眼の前の少年。彼の言葉、動作、何もかもが理解の範疇を超えている。
彼女は基本的に男に免疫がない。
もちろん、生粋の女子高育ちである。故に、
彼女は基本的に男に免疫がない。
もちろん、生粋の女子高育ちである。故に、
「へ…………変態さん?」
こんな台詞が漏れてしまったのも仕方がないことだろう。
鮫氷新一、フカヒレと名乗った少年は――自分にブルマを履かせようとしている。
これだけでも、この言葉を送るには十分過ぎる。
鮫氷新一、フカヒレと名乗った少年は――自分にブルマを履かせようとしている。
これだけでも、この言葉を送るには十分過ぎる。
「なにおぉぅ!? おいおい、君。言って良い事と悪い事があるんじゃないかい?」
「え……いえ、私は別にそんな……」
「え……いえ、私は別にそんな……」
しかし彼は渚砂の台詞が気に入らなかったらしい。
途端に高圧的な態度で(それでもどこかに漂う情けなさは抜け切らないのだが)彼女を恫喝する。
が、その時だった。
途端に高圧的な態度で(それでもどこかに漂う情けなさは抜け切らないのだが)彼女を恫喝する。
が、その時だった。
「ハァハァ……まったく、君はいけない子だなぁ……。そんな悪い子にはオシオキ――」
渚砂のデイパックの中から『白い影』が飛び出して来たのは。
「き、狐!? ど、動物だとぉっ!?」
「お、尾花ちゃん……?」
「お、尾花ちゃん……?」
現れたのは全身を白い体毛で覆った子狐だった。何とも妙にモフモフしている。
デイパックの中になんと動物が入っているのを見た時、渚砂は相当に驚いた。
付属していた紙には『名前は尾花です。可愛がってあげてください。決して食べたりしないでください』とだけしか書いてなかったのだ。
……さすがに言われなくても、食べたりはしないと思ったものだが。
足場が悪かったため、可愛そうにも思ったがしばらくの間デイパックの中に入っていて貰っていたのだ。
デイパックの中になんと動物が入っているのを見た時、渚砂は相当に驚いた。
付属していた紙には『名前は尾花です。可愛がってあげてください。決して食べたりしないでください』とだけしか書いてなかったのだ。
……さすがに言われなくても、食べたりはしないと思ったものだが。
足場が悪かったため、可愛そうにも思ったがしばらくの間デイパックの中に入っていて貰っていたのだ。
尾花はフカヒレを敵と見なしたのか、それとも渚砂を一時的な飼い主と認めたのか。
全身の毛を逆立てフカヒレを威嚇する。
赤い瞳に白い毛、鋭い爪と牙――ぶっちゃけなくてもその場にいた二人の人間は竦みあがった。
全身の毛を逆立てフカヒレを威嚇する。
赤い瞳に白い毛、鋭い爪と牙――ぶっちゃけなくてもその場にいた二人の人間は竦みあがった。
しかしフカヒレは僅かな勇気を振り絞り、渚砂を守るように身体を震わせている尾花へと啖呵を切る。
その右手には自らに支給されたエクスカリバー。
戦場で蛮勇を誇った騎士王の魂がフカヒレを後押しする。
その右手には自らに支給されたエクスカリバー。
戦場で蛮勇を誇った騎士王の魂がフカヒレを後押しする。
「はっ! まさかこのシャークこと鮫氷新一が四足歩行動物如きにビビる訳が……」
「――――――――」
「――――――――」
鳴き声は、ない。
だが眼の前の狐が全身から凄まじい威圧感を放っていることはフカヒレにも容易く理解出来た。
基本臆病な彼は非常にその手の感覚に優れていたのだ。
だが眼の前の狐が全身から凄まじい威圧感を放っていることはフカヒレにも容易く理解出来た。
基本臆病な彼は非常にその手の感覚に優れていたのだ。
「…………ビビる……わけ……」
「――――――――――――――――」
「――――――――――――――――」
押し――負ける。
「う……く……ち、ちくしょう!! きょ、今日はこの辺で勘弁してやるよ! お、覚えてやがれ!!」
結局、数秒間の睨み合いの結果「勝者・尾花-敗者・フカヒレ」という形で決着した。
生物体系の頂点に位置するはずの人間がいとも容易く動物に、しかも子狐に敗れ去ったのである。
なんとも情けない話だ。加えてフカヒレの眼は少しだけ潤んでいたようにさえ渚砂には見えた。
生物体系の頂点に位置するはずの人間がいとも容易く動物に、しかも子狐に敗れ去ったのである。
なんとも情けない話だ。加えてフカヒレの眼は少しだけ潤んでいたようにさえ渚砂には見えた。
フカヒレはどこかの負け役のような捨て台詞を残して一目散に逃げ出していく。
いや、しかし彼の行動は自らの能力を考えれば真に賢明なものだ。
もしこれがどこぞの宇宙人を相手にしていた場合「戦闘力たったの5……ゴミめ」と一瞬で殺されていた筈なのだから。
相手との力の差を理解することは生物にとって欠かせない力だ。
今にも襲い掛からんとばかりに牙を光らせる動物を前にして逃亡することは単なるヘタレ的行為では決してない。
たぶん。
いや、しかし彼の行動は自らの能力を考えれば真に賢明なものだ。
もしこれがどこぞの宇宙人を相手にしていた場合「戦闘力たったの5……ゴミめ」と一瞬で殺されていた筈なのだから。
相手との力の差を理解することは生物にとって欠かせない力だ。
今にも襲い掛からんとばかりに牙を光らせる動物を前にして逃亡することは単なるヘタレ的行為では決してない。
たぶん。
「……フカヒレさん?」
状況を完全に飲み込めずにいた渚砂が彼の名前を呼んだ時、既に彼は脱兎の如く逃げ出した後だった。
渚砂は少しだけ難しい顔をしながら数秒の間思索を巡らせる。
そして「よく分からないけど、まいっか」という結論を出し、足元で自分を見上げている尾花に向けて小さく微笑んだ。
渚砂は少しだけ難しい顔をしながら数秒の間思索を巡らせる。
そして「よく分からないけど、まいっか」という結論を出し、足元で自分を見上げている尾花に向けて小さく微笑んだ。
「どうしよっか、尾花ちゃ――ん……どうしたの? わ、鞄引っ張っちゃ駄目だよ」
尾花が渚砂のデイパックを咥え、何かを指し示すような行動を取った。
この中に何が入っているのだろうか。
自分はまだ大して名簿すら確認していない筈だ。
この中に何が入っているのだろうか。
自分はまだ大して名簿すら確認していない筈だ。
「道具、違う。もしかして名簿?」
渚砂が問い掛けると、小さく尾花は頷いた。
言われるがままにデイパックから参加者の名簿を取り出すと、渚砂は地面にソレを広げる。
言われるがままにデイパックから参加者の名簿を取り出すと、渚砂は地面にソレを広げる。
「若杉……葛? それと羽藤桂? ……もしかして尾花ちゃんの飼い主?」
再度尾花は頷く。渚砂は正直な話、驚きを隠せなかった。
とにかくこの子狐はとんでもなく頭が良い。
完全にこちらの言葉を理解している節もあるし、まるで感情まであるようだ。
というかそもそも文字も読めている……?
とにかくこの子狐はとんでもなく頭が良い。
完全にこちらの言葉を理解している節もあるし、まるで感情まであるようだ。
というかそもそも文字も読めている……?
「…………んー考えても仕方がないのかな?
分かった、それじゃあとりあえずその二人を探してみよう! よろしくね、尾花ちゃん!」
分かった、それじゃあとりあえずその二人を探してみよう! よろしくね、尾花ちゃん!」
ひとまず複雑なことは置いておいて、現実的に物事を考えることとする。
彼女の思考を支配するものは二つ。
完全に水が染み込み、非常に気持ちの悪いこの服をなんとかすること。
そして――
彼女の思考を支配するものは二つ。
完全に水が染み込み、非常に気持ちの悪いこの服をなんとかすること。
そして――
(千華留様……千華留様は……大丈夫、ですよね?)
名簿の中で唯一見掛けた知り合いの名前。
大好きで大好きで堪らない――憧れの先輩の笑顔だった。
大好きで大好きで堪らない――憧れの先輩の笑顔だった。
眼の前で人が死んだのはとても悲しくなった。
私もあの時死んでしまったとしてもおかしくなかったのだ。恐怖を覚えない訳がない。
だけど、私は生きている。それに千華留様がいる。
千華留様さえいれば絶対にこんな状況だって解決してくれる筈だ。
私もあの時死んでしまったとしてもおかしくなかったのだ。恐怖を覚えない訳がない。
だけど、私は生きている。それに千華留様がいる。
千華留様さえいれば絶対にこんな状況だって解決してくれる筈だ。
だから、私は怖くない。大丈夫だ。絶対に負けたりしない。
【D-3 遺跡周辺/一日目 深夜】
【蒼井渚砂@Strawberry Panic!】
【装備:尾花@アカイイト】
【所持品:ランダム不明支給品x2、ナイスブルマ@つよきす -Mighty Heart-】
【状態:健康、全身びしょ濡れ】
【思考】
基本方針:殺し合いには乗らない。知り合い、頼りになる人間を探す。
0:濡れた服をなんとかする
1:源千華留、若杉葛、羽藤桂を探す
2:信頼出来そうな人を探す
【装備:尾花@アカイイト】
【所持品:ランダム不明支給品x2、ナイスブルマ@つよきす -Mighty Heart-】
【状態:健康、全身びしょ濡れ】
【思考】
基本方針:殺し合いには乗らない。知り合い、頼りになる人間を探す。
0:濡れた服をなんとかする
1:源千華留、若杉葛、羽藤桂を探す
2:信頼出来そうな人を探す
【備考】
※参戦時期は千華留ルートより、明確な時期は未定。
※フカヒレは渚砂のバストを80と断定しましたが、それが合っているかどうかは定かではありません。
※尾花が頭の上に乗っています。
※参戦時期は千華留ルートより、明確な時期は未定。
※フカヒレは渚砂のバストを80と断定しましたが、それが合っているかどうかは定かではありません。
※尾花が頭の上に乗っています。
【尾花@アカイイト】
【状態:健康】
【思考】
基本方針:葛と桂を探す。それまで渚砂のことを守る。
【状態:健康】
【思考】
基本方針:葛と桂を探す。それまで渚砂のことを守る。
【尾花@アカイイト】
『名前は尾花です。可愛がってあげてください。決して食べたりしないでください』
『名前は尾花です。可愛がってあげてください。決して食べたりしないでください』
【ナイスブルマ@つよきす -Mighty Heart】
ナイスなブルマ。紺。
これを見た男子は「ナイスブルマ!」と叫ばずにはいられない。
Nice Boatとは遠縁の親戚である。
ナイスなブルマ。紺。
これを見た男子は「ナイスブルマ!」と叫ばずにはいられない。
Nice Boatとは遠縁の親戚である。
□
「はぁっ……はぁっ……クソッ、ここまで来れば……!! な、なんなんだあの狐は……!!
野生だとか生物としての本能だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
野生だとか生物としての本能だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……」
どこまで逃げて来たのだろう。少なくともまだ遺跡の内部に彼はいた。
肩で息をしていたフカヒレが顔を上げると、
肩で息をしていたフカヒレが顔を上げると、
「うぉぉぉおおおおおおお!!!! "ナギサ"どこだぁあああああああ!!」
「はっ――――!?」
「はっ――――!?」
前方から凄まじい叫び声を上げながら一人のおっさんがこちらに向けて突っ込んで来る。
手には……ライフル!?
手には……ライフル!?
「見つけたぜ、こらぁああああっ!! てめぇかナギサを泣かせたのはっ!?」
「ひぃぃぃいいいいい!! ぼぼぼぼ暴力反対!!!」
「てめぇが素直に喋れば撃ったりしねぇ。いたのか!? 俺の娘は、ナギサはここにっ!?」
「ひぃぃぃいいいいい!! ぼぼぼぼ暴力反対!!!」
「てめぇが素直に喋れば撃ったりしねぇ。いたのか!? 俺の娘は、ナギサはここにっ!?」
顔に銃口を押し付けられたフカヒレは必死に頭を働かせる。
確かにさっきまでいた少女の名前は……ナギサ!
というか、つまり、彼女はこのおっさんの娘ということか?
確かにさっきまでいた少女の名前は……ナギサ!
というか、つまり、彼女はこのおっさんの娘ということか?
「す、すいません、お父さん!! 僕が情けないばかりに娘さんに辛い思いを……!!」
「誰がお父さんだ、誰が!?」
「誰がお父さんだ、誰が!?」
フカヒレは地面に頭を擦り付け、土下座しながら考える。
……ああ、運命ってあるんだなぁ、と。
……ああ、運命ってあるんだなぁ、と。
【D-3 遺跡内部/一日目 深夜】
【鮫氷新一@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:エクスカリバー@Fate/stay night[Realta Nua]】
【所持品:ランダム不明支給品x1(本人確認済み・銃ではない)】
【状態:疲労(小)】
【思考】
基本方針:死にたくない。殺したくない。
0:目の前のおっさんにとりあえず謝る。
1:知り合いを探す
【備考】
※特殊能力「おっぱいスカウター」に制限が掛けられています?
しかし、フカヒレが根性を出せば見えないものなどありません。
※渚砂の苗字を聞いていないので、先ほど出会った少女が古河渚であると勘違いしています。
※混乱して渚砂の外見を良く覚えていない可能性があります。
【鮫氷新一@つよきす -Mighty Heart-】
【装備:エクスカリバー@Fate/stay night[Realta Nua]】
【所持品:ランダム不明支給品x1(本人確認済み・銃ではない)】
【状態:疲労(小)】
【思考】
基本方針:死にたくない。殺したくない。
0:目の前のおっさんにとりあえず謝る。
1:知り合いを探す
【備考】
※特殊能力「おっぱいスカウター」に制限が掛けられています?
しかし、フカヒレが根性を出せば見えないものなどありません。
※渚砂の苗字を聞いていないので、先ほど出会った少女が古河渚であると勘違いしています。
※混乱して渚砂の外見を良く覚えていない可能性があります。
【古河秋生@CLANNAD】
【装備:コルトM16A2(20/20)@Phantom -PHANTOM OF INFERNO-】
【所持品:5.56mm NATO弾x40、おにぎりx30@現実、ランダム不明支給品x1】
【状態:健康】
【思考】
基本方針:主催者の野郎をぶっ飛ばす。家族を守る。
0:フカヒレから渚の情報を聞き出す。
1:渚を探し出して守る
2:岡崎朋也も探してやらんことはない
3:殺し合いに乗った奴は取っちめる
【備考】
※遺跡内部には様々な仕掛けが施されている可能性があります。
【装備:コルトM16A2(20/20)@Phantom -PHANTOM OF INFERNO-】
【所持品:5.56mm NATO弾x40、おにぎりx30@現実、ランダム不明支給品x1】
【状態:健康】
【思考】
基本方針:主催者の野郎をぶっ飛ばす。家族を守る。
0:フカヒレから渚の情報を聞き出す。
1:渚を探し出して守る
2:岡崎朋也も探してやらんことはない
3:殺し合いに乗った奴は取っちめる
【備考】
※遺跡内部には様々な仕掛けが施されている可能性があります。
【おにぎり@現実】
日本人の主食・米をまとめて、中に具材を入れたもの。種類は様々。心なしか明太子が多い。
支給されたのはコンビニで売っているタイプ。賞味期限は約二日。消費期限ではない。
パン屋とおにぎり屋はまさに犬と猿の関係と言えよう。
日本人の主食・米をまとめて、中に具材を入れたもの。種類は様々。心なしか明太子が多い。
支給されたのはコンビニで売っているタイプ。賞味期限は約二日。消費期限ではない。
パン屋とおにぎり屋はまさに犬と猿の関係と言えよう。
013:Let's Play? | 投下順 | 015:激突!?究極の筋肉VS至高の筋肉! |
時系列順 | ||
古河秋生 | 036:To hell ,you gonna fall | |
鮫氷新一 | ||
蒼井渚砂 | 049:胸には強さを、気高き強さを、頬には涙を、一滴の涙を。 |