ドロシア ソウル
概要
本作のラストボスであるドロシアの第二形態「ドロシア ソウル」との戦いで流れるBGM。
第一形態である「
ドロシアソーサレス」撃破後の連戦となり、この第二形態撃破でエンディングとなる。
エンディング後はサウンドテストにおいてドロシア関係の曲が解禁され、いつでも聞けるようになる。
この曲はポップな世界観と曲で知られる星のカービィシリーズにおいて、最も異端な曲の一つとして知られている。
第一形態戦と似たフレーズのイントロから始まるが、その先はパイプオルガンを主旋律とした第一形態戦とはまるで別物。
サイケデリックトランスを彷彿とさせる、すべて電子音源で構成された超ハイテンポなリズムで音を連打する「
狂気」としか表現しようのない曲である。
またこの曲はステレオ効果が特に凄まじく、イヤホンで聞くと脳に響くような甲高い音色が左右から次々と入ってきて、音色に振り回される感覚を覚えるほどである。
なぜここまで異質極まりない曲となったかというと、今作は時代の変化に合わせるため『
星のカービィ3』以来となる全ての音源等の組み直しを行ったこと、人工的な音や規則性をあまりもたないリズムをとことん追求しようとしたことを、石川氏は「キーボード・マガジン 2017年7月号 SUMMER」や「星のカービィ25周年記念オーケストラコンサート」のパンフレットで明かしている。
これら様々な実験的な試みを行った今作だからこそ生まれた曲だと言えるだろう。
このとんでもない曲調に違わず「ドロシア ソウル」の姿は、五つの目と巨大な口を持つ紫色の絵の具の塊の化け物というおぞましいもので、イントロ終了後の大咆哮や暴力的な数々の攻撃が合わさり、曲と共に多くのプレイヤーに強烈な印象を刻み付けた。
そしてこの「ドロシア ソウル」のキャラデザインは、後の作品で「ソウル」の名を冠する裏ボス「
マルク・ソウル」「
マホロアソウル」「
セクトニア ソウル」「
星の夢.Soul OS」「
ソウル オブ ニル」、更には「ソウル・フォルガ」の変異体「
カオス・エフィリス」に多大な影響を与えている。
また「狂気」をテーマとした曲は、後年「
Crazy Rolling in Money」「
La Follia d'amore」が作曲されているが、どちらも作曲者は石川氏である。
この狂気的な曲が何を間違ったのか、「The Sound of Kirby Café」において「王様と魔女のランデヴー/カービィシリーズ番外編メドレー」の名で「
CROWNED」「
ダーククラフターとの戦い」とのジャズ・ボサノバアレンジメドレーが作曲されてしまった。
大原萌氏により音数を大幅に減らしたテンポの良いフレーズに直されたことで狂気的なイメージが鳴りを潜め、原曲の面影を残した洒落た曲になっている。
『
カービィのグルメフェス』でもこのアレンジに寄せられた、イチゴの奪い合いのわいわい賑やかなアレンジをされている。
『
星のカービィ スターアライズ』では「ドロシア ソウル/スターアライズ ショート ver.」として、イントロをカットした原曲が使われたのだが、使われた場所がなんと「Theアルティメットチョイス」難易度S Extraでの三魔官戦直前の休憩所である。
このような使われ方には、さすがに石川氏も
サントラの座談会でゼネラルディレクターの熊崎信也氏にツッコんでいるが、これに熊崎氏は以下のように語っている。
あれは……休ませたくなかったんです(笑)。休む間もなく戦いが続くという、一種のトランス状態のような感覚に浸ってほしかったので。無料アップデートによる最難関の追加モードですし、シリーズの中でもパンチの効いた曲を入れたい意図もありました。あの曲は、石川さんの秘めたる作家性がもっとも表れているような1曲ですから、活かせる機会をうかがっていました。
熊崎氏は『タッチ!カービィ』でのシナリオやラスボスのディレクション担当を経て、デザイナーからディレクターに転向しており、初のディレクター関係の仕事となった作品のラスボス曲だからこそより印象深く、このようなインパクトある使い方をしたのかもしれない。
最も、パンチの効いた強烈な曲であるのは間違いなく、石川氏も「これは熊崎流のやり方だな」とも語っているように、プレイヤーのみならずスタッフすらも驚くような手法はどうも日常茶飯事のようである。
過去ランキング順位
サウンドトラック
The Sound of Kirby Café
KIRBY STAR ALLIES THE ORIGINAl SOUNDTRACK(初回限定生産盤)
KIRBY STAR ALLIES THE ORIGINAl SOUNDTRACK(通常盤)
最終更新:2025年04月09日 22:48