十二国記の世界の人々
世界の住人
天帝を頂点に、仙人・人間、麒麟や妖魔などが存在する。
- 天帝(天)
- 世界の創造主にて最高神。麒麟に王の選定をさせたり(麒麟が王を選ぶのは天の意思である、が、麒麟も直接「聞いている」訳ではない)、天綱(太綱)を定めて今も世界の全てを監視している、と言われている。「存在」自体は全く確認されていないので、「何なのだ、この天帝ってやつは」という状態。
- 天神(神)
- 天帝もその一人。他にもいろいろといて、それぞれ世界の役割に応じて存在している。が、「人」は接することはできない。
- 天仙
- 仙人の最高格。どうやったらなれるのかは不明。天界と人間を繋ぐ役目や子供の卵果に関わる役目など、人界に密着した役目を持つ者が多い。 だが、普通の人は接することはできない。王と麒麟に対しては同等以上。神と同じ扱い。
- 神籍
- 王と麒麟の戸籍を言う。仙とはまた別格になるが、総称として「神仙」と呼ばれている。死ぬまで外れることはない。
- 地仙
- 仙の多くはこれ。 仙籍と呼ばれる戸籍に名前を記載された人間のこと。官吏は国や州の文官・武官全て仙籍に登録される。仙籍に入ると不老となり病気にならない(当然だが)。武器によって死ぬ場合はある。また、海客や山客(日本語・中国語)と普通に会話できる。官吏を辞めれば、仙籍から外される。また、自ら辞退することもできる。地仙は海客・山客でもなることはできる。
- 飛仙
- 官吏を辞めた者、王の妾など、現官吏以外に仙籍を入れたまま王宮を離れた者達などを言う。これ以上はややこしいので割愛。
- 人間
- 十二国に住む者。蓬莱・崑崙から来た海客・山客もいる。
- 半獣
- その名の通り、半分が獣で半分が人間。簡単に言えば麒麟も半獣。獣姿になったり人間の姿になったりと自由。
獣の種類はいろいろ。鼠や熊、狐など。
親は卵果を祈る際に、半獣を選ぶ・避けることはできない。それも運命。
半獣の立場・地位はあまり高くない。むしろ低い。また、差別もかなりある。仙籍に入れないこともある。これに関しては、天の法律である「天綱」には触れられていないので、それぞれ国独自の法に委ねられる。
差別が一番少ないのは雁。それでも人々の差別の目は根強く残っているのが現実。
- 麒麟
- 神獣。人と麒麟の二形を持つ。基本的に鬢の色は金色。それでもいろんな金色があり、個性がある。稀に黒色が生まれる。麒麟から人に転化(てんげ)する時は裸体になり恥ずかしい。
慈悲深い仁の塊の麒麟にしてみれば、血は大の苦手。故にベジタリアン。血が身体についただけで動けなくなるデリケートな獣。
最初は麒麟→人、人→麒麟に変わることや妖魔を下して「使令」にすることなどを蓬山で習得。そして、「王気」を基に王を探し、仕えることが生涯の仕事。王は麒麟自身の意思で決めるのではなく、『それは「天意」である』と言われていて、麒麟にしてみても王に向いていようが向いてなかろうが、「あ、この人だ」という直感式のもの。ごく稀に王を見つけられずに天寿を迎える麒麟もいる。王のいない麒麟の寿命は約三十年。
麒麟は王を見つけると叩頭して儀式を行う。ただし、麒麟は自分の王にしか叩頭できない。他国の王に対して自国の王からするよう言われてもできない。無理。
以降、王の臣下となり、王がいる首都の州侯と同時に国の「宰補(畏れ敬い台補と言う)」の役職に就く。「宰補」は王の補佐の役目で、王が民に対して無慈悲な行いを諌める立場だが、この役職に対しての実権はほとんどない。
■麒麟の一生
麒麟は黄海の蓬山の捨身木から生まれ、先に生まれた「女怪」の乳を飲み蓬山に住む女仙達によって育てられる。ある一定まで来ると成長は止まる(成獣)が、どれくらいかは麒麟によって様々。
王が仁道から外れると失道の病にかかる。王が立ち直るか死ねば治る。失道の病にかかったら1年未満で亡くなる。死体は王と共に「葬られる」が、棺の中に死体はない。麒麟に下った「妖魔達」の餌になるのだ。
-
これが儀式。日本(蓬莱)にいた陽子の前に景麒がひざまずいたところ。
この時点で陽子は人ではなくなった(神籍に入った)。
-
王となった陽子が麒麟となっている景麒に騎乗しているところ。
麒麟は一番足が速い獣で、空を駆けることもできる。
ちなみに、麒麟にまたがれるのは王のみ。
- 女怪
- いくつかの種類の動物が入り混じった妖人の女性で捨身木から生まれた者を言う。麒麟の乳母のち使令。捨身木の枝(十二本しかなくそれぞれ国を示す)に麒麟の卵果が生ると同時に、対する捨身木の根に女怪の卵果が生る。一日で孵り女怪が生まれる。麒麟が生まれたら乳を与えて、王を見つけた以降は使令となって麒麟の命令に従い麒麟を守る。それゆえに麒麟が危険だと判断すると無茶をする傾向にある。
麒麟が死ぬと女怪も死ぬ。
- 妖魔
- 天の理から外れる生き物。基本的に人を襲うこともあり、飼うことはできない。
- 使令
- 麒麟が下した妖魔のこと。
麒麟は蓬山にいる間に妖魔を下す。妖魔とにらめっこして精神的に駆け引きを行う。妖魔が下れば使令となり、以降「名」を与えられて、麒麟に従う。
使令になった妖魔は簡単な人語を話せるようになる。
麒麟の言うことに従うので、麒麟が命令すれば王が扱うこともできる。
血を嫌う麒麟に替わり、血生臭いことを担当する。普段は遁甲していて姿は見せない。
麒麟が死んだら死体を食べ、使令から解放される。
- 妖獣
- 妖魔と区別しにくいが、人が飼ったり乗ったりすることができる騎獣(きじゅう)がその部類。妖魔との区別は、人が飼うことができるかどうか、くらいのもので、かなり曖昧。
最終更新:2010年02月02日 20:57