女子向・腐女子向編

ここは、男子禁制…とは言わないが、男性が見ても楽しいものかどうか分かりかねるので、とりあえず注意だけ。
女性向け、そして男性と男性の恋愛を楽しむ「腐女子向け」の作品を取り扱っております。
ご注意ください。

三国志自体は女性向けのものではないし、作品も男性向けのお硬いものばかりでなかなか入口が見つからない。
だが、最近は女性向けの作品も意外と多く出てきている。
なので、ここではそういった作品を紹介。



旋風(かぜ)は江を駆ける : 朝香 祥



コバルト文庫で出た「断金コンビ(孫策・周瑜)」の小説。
孫策が父親を失ってから周瑜と再会し、こじれて離れた後までを書いている。
ちょうど孫策が袁術の元を離れていく孫呉創成期の頃だから、物語にも躍動感があふれる一方で、二人のすれ違う暗い部分も描いている。
また、物語の基盤は正史に基づいているので、正史に書かれていない「穴」の部分を作者の創作で記されている。
何故、周瑜は一度孫策の元を離れたのか。そして、再び孫策の元に向かった理由は。
呂蒙や呂範らの若き呉の将達も出てくる。

最初に出たこの本のタイトルから、以下このシリーズは「旋風江(かぜこう)」と呼ばれている。
ちなみに管理人はこの方の同人誌を買ったことがある。



江東の暁 : 滝口琳々



これは「断金コンビ」のマンガ版。
二人の出会いから断金コンビと言われるまで描かれている。
毎回、事件が起きて「孫策の行動力」と「周瑜の機知」で解決。
オリジナルキャラの孫策の妹(でも孫権の姉)も出てきて、兄譲りの武勇を見せている。
作者本人はもっと描きたかったんだろうなぁ、という巻末付録が哀しい。



三国志断簡-空明の哥 : 桑原祐子



「旋風江」シリーズでのイラスト担当だった桑原祐子氏の漫画。
コバルトとは一切関係ない。作者の完全オリジナル。
郭嘉、陸遜、姜維(+おまけで趙雲が少しだけ出てくる漫画あり)の短編漫画。
さらりと読めるが、「三国志」を知る人には物足らないだろう。
三国志でつられて買うと損だが、絵や人物で買うなら損はない。



三国志烈伝 破龍 : 長池とも子



短編集。
基本的には少女漫画路線。
でも、そう思わせないのが、この作者の魅力だろう。
曹操が格好いいので、管理人はそれだけで良し。
残念なのは、少女漫画の中では、やはり三国志は長続きしないことだろう。




以下、腐女子向け





私説三国志 天の華・地の風 : 江森 備



諸葛亮が主人公。美貌の持ち主で、「演義」に絡む人々(周瑜・魏延など)との身体での絡みがある。
享年など歴史上の出来事としては何も変わらないが、そこまでに至る経緯は色々と違う。
血沸き肉躍るものはないが、人との人との絡みは物凄く濃厚。
陰険であり誠実さの欠片もない諸葛亮が、自分の気持ちに揺れ動く様は哀しいものがある。



赤壁の宴 : 藤 水名子


「断金コンビ」周瑜が主人公。
周瑜は孫策を想いつつも絶対に口にしない。
孫策もまたそんな周瑜を知りつつ、つい意地悪をする。それが楽しく愛おしい。
しかし、孫策の死でそれが終わり、周瑜の想いは昇華しきれないまま赤壁へと向かう。
はっきり言うと、これは周瑜・孫策ファンでも好き嫌いが分かれるだろう。

同じ作者で、曹操や曹植の小説もある。
こちらは「断袖(男色)」ではない。
  • 公子風狂―三国志外伝・曹操をめぐる六つの短篇
  • 公子曹植の恋
最終更新:2010年01月19日 13:24