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A.M.10:00。
MIDTOWN REDHOOK某所の裏路地。
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高層ビル群の立ち並ぶゴッサムと同じ場所とは思えない、ところどころに汚れの残った場所が目立つ。
そんな汚れを覆い隠すように、蔦が、花が、木が、あちこちを這って小規模な森を形成していた。
アメリカ屈指の経済都市にはあるはずのない植物群が、裏路地に降り立ったジェダの目に入ってくる。
だが、その光景は根付いている場所が衆愚の街であるからか、あるいは膨大な魔力の気配があるにも拘わらずそこには生命が感じられないからか、
死後の楽園とされるエリュシオンの野とは雰囲気があまりにもかけ離れているように感じた。
「魔力の発生源は…果実か」
ジェダは近くに成っていた紫色の果実を手に取る。
これ以上ない神秘を宿した魔力が、ジェダの肌に染みる。そして感知した魔力を、ジェダは眉一つ動かさず冷静に分析する。
どうやらこの魔力には、人間に対して食欲――それもこの果実を食べるように促す性質があるようだ。
己がマスターの
ミュカレならまだしも、魔術の素養がない人間がこの魔力に当てられれば、
余程精神が強靭でない限り齧りついてしまうことだろう。
まるで、イヴに禁断の果実を食べるようそそのかしたヘビが果実そのものになったようだ。
だが、これほどの魔力を秘めた果実のことだ。
まだまだ調べる余地がある。ミュカレとこれらの果実について解析を進めれば、これを有効利用することも視野に入ってくるだろう。
少しでも多くのサンプルを持ち帰ろうと、ジェダは次々に森の果実をむしり取っては、自身の体内に埋め込んで収納していく。
血液のような赤い液体だけで構成されたジェダの身体は、そもそも臓器という概念がない。
だから
ヘルヘイムの実をそのままの形で体内に埋め込んでも食したことにはならず、特に影響はない。突き詰めて言えば霊核に当たる心臓も脳もない。
また、ジェダは生前から魂や魔力といったものを吸収することに関しては絶対の自信があった。
それゆえに正体不明の果実を躊躇なく己の体内に入れることができたし、
得体の知れない魔力を持つ果実を大量に持ち帰ろうとするのも、マスターであるミュカレならばこの程度のものは危険の内に入らないだろうという信頼があったからだ。
「■■■――」
ジェダが念話でミュカレに報告しようとしたその時、不意に路地裏のさらに奥の方から、人間の言語とは思えぬ叫びに近い呻き声を耳にした。
声がした方へ目を向けると、そこには燃えるように赤い獅子の顔に長い爪、赤黒い翼を持った異形が、ヘルヘイムの実をもぎ取って貪っていた。
それを知る人間の間では、ライオンインベスと呼ばれていた。かつてクラスAのロックシードより召喚されたものの暴走した、人間の手に余る怪物。
一時とはいえ葛葉鉱汰を苦しめた強敵だ。
ライオンインベスがジェダの存在に気付く。
ジェダを見据え、威嚇とも取れる鳴き声を上げた。
それはジェダの手に入れた果実を全て寄越せ、と言っているようにも取れた。
「…なんと哀れなことか。この果実に浸食され、『森』の一部になるとは」
ジェダがライオンインベスを見て抱いた感情は、憐れみだった。
多くの魂を吸収してきたことにより、霊核(=魂)から発せられる魔力の質といった価値の識別には一際優れていたジェダであるからこそわかる。
ライオンインベスから感じた魔力は、手にしている果実――『禁忌の果実』と同質だったのだ。
加えて、使い魔のように外部から魔力を供給されている様子もない。
このことから導き出される結論は一つ。
ライオンインベスは本来はこの世に生まれ落ちた生命に過ぎず、この果実によって存在を根本から作り替えられたのだ。
「さぞ苦しいことだろう、駆り立てられる食欲から生まれる恒久的な飢えは。私と同化する祝福を以て君に安息をもたらそう」
理性の無いこの怪人は、争いしか生まない。
あの果実に無理矢理生かされているといっても過言ではない状態だ。
この哀れな怪人は、救済せねばならない。
「君はなんて幸せ者なんだ。『森』から解放されるだけでなく、魂の完全救済の手助けをできるのだよ」
ジェダは迫りくるライオンインベスを前に、静かに呟いた。
ライオンインベスはジェダに肉薄するとその鋭利な爪をジェダの胸元に突き立て強引に斜め下の方向へ引き裂く。
何故かジェダはそれを避けようともせず、ライオンインベスの爪をその身に受け入れた。
当然ジェダの胸につけられたのは傷で、そこからは大量の血が噴き出す。
だが、当のジェダは涼しげな余裕の表情を保っており、両手はポケットに手を入れていて敢えて攻撃を受けたようにも見える。
(…他者を傷つけることによって種を植え付け、生命を浸食していくのか)
ジェダは体内に何かが入り込み、そこから硬い蔦が樹状に広がっていく感覚から、集めた果実を実らせる植物の正体にある程度見当がついた。
怪物の攻撃により、自身の体内に入り込んだモノ(おそらく種子)。よくよく見れば、ジェダがここに降り立った時からも少しずつ緑の範囲を広げている『森』。
ジェダは、この植物がどうやって生息範囲を広げていくかを見極めるために敢えて攻撃を受け、『森』全体に視野を広げていた。
「実にいい知的刺激となったよ…。だが、君もそろそろ迎えが欲しいだろう?少々急な展開になってしまうことを許してくれたまえ」
ライオンインベスの攻撃を受けた一瞬だけで、この森で学べることは全て学んだ。
ならば目の前の怪物はジェダにとっては用済み…いや、フィナーレを迎えさせてやってもいい頃合いだった。
「■■■■■―――!?」
ライオンインベスの斬撃により噴き出したジェダの血が、突如鈍い紅に輝く針に変わり、ライオンインベスの硬い皮膚に突き刺さり、蜂の巣の如く穴が開いた。
当然その地に木霊するのは、痛みに悶えるライオンインベスの叫び声。
ジェダの血、もとい赤い液体は全てジェダの一部であり、その一滴一滴がジェダの思いのままに操れる。
先ほどのように噴き出した血飛沫を全て硬化、針に変えて攻撃に転用するという芸当も可能なのだ。
また、それは体内においても同様だ。
ジェダの肉体を蝕まんと広がっていた蔦は、体内の至る所に形成された刃にシュレッダーの如く種子ごと切り刻まれ、既に無力化されている。
無論、水を殴っても意味がないように、ジェダの身体は液体なので殆どの攻撃は無力化される。
仰向けに倒れ、足掻くライオンインベスを見下すジェダの身体には傷一つ残っていなかった。
「君の魂をその枷から解放して差し上げよう。死ぬことも許されずその肉体に縛り付けられているのは、君のあるべき姿ではない」
ジェダは地に這いつくばる異形に対して語った後に、自身の翼を変形させた鎌を冷徹な目で振り下ろした。
痛みで動けるはずもなかったライオンインベスはそのまま上半身と下半身を泣き別れにされ、亡き者となった。
そして、ライオンインベスだった骸の胸の辺りから、淡く光る光球のようなものが浮き出る。
ジェダが手を差し出すと、その手を取って導かれるようにその光球はジェダの手の平の上に乗った。
「我が肉体となって生きよ」
ジェダが胸元を広げると、その光球はブラックホールに吸い込まれるかのようにジェダの胸元に開いた大きな口へ飛び込んでいった。
魂喰いの上位互換に他ならぬ固有能力、魂同化によってジェダの保有する魔力量はさらに跳ね上がった。
ライオンインベスの骸は、魂が同化されたことに呼応したのかいつの間にか消えていた。
「怪物に造り替える果実に、種子を媒介するだけの怪物…」
ジェダ以外に生きている者がいなくなった森で、彼は独り思案を深める。
この植物はこのまま生息地を広げていくが、その過程で果実と怪物を媒介とした種子により生命を塗り替え、文明を侵食していく存在なのだろう。
実際に動物を利用して種子を運ぶ植物は存在し、例えばアケビは果実の中身をハトなどに食べてもらい、種子が排泄物に混じって各地に撒かれることによって種子を散布する。
だが、アケビのそれとは違い、この果実は食した生物を種子を媒介する死体同然の怪物にしてしまうのだ。
この果実が成っている森にはあの怪物のような種が多くいることであろうが、そんな死者が跋扈している森などエリュシオンの野などではない。
「『ヘルヘイム』…私でなくとも学のある者ならばそう呼ぶだろうな」
ジェダの口から出た、ユグドラシルに地下にあるという死者の国の名。
それこそが、この植物の、このサーヴァントの真名であろうとおぼろげながらも確信していた。
ジェダは生前、魔界三大貴族の長として6000年程生きてきた過程で、この植物と似た性質を持つ存在を耳にしたことがある。
宇宙を巡り、様々な世界に接触・侵食し、その文明に進化と滅亡を促すという、かのヘルストーム星の生命体とはまた別なる外来の侵略者。
その際、侵略した文明にはイヴに当たる「始まりの女」が選定され、それを経由して必ず「黄金の果実」がアダムに当たる何者かに手渡されるという。
ジェダは魔界にいたため、人間界で実際に何があったのかは分からぬが、旧約聖書の創世神話で語られる知恵の樹の果実にギリシア神話のアムブロシアー、そして北欧神話における黄金の林檎…。
それらは全て、その侵略者の「黄金の果実」そのものではないかとする説もあった。
それが、人々の伝承と逸話を基に具現化されたサーヴァントとなってゴッサムに召喚されているとなると、筋が通ってくる。
魔力を秘めた果実に世界と生命への浸食という要素から、ジェダはその存在を特定することができた。
尤も、その正体が植物であり、サーヴァントとなってこの世界を侵食しているとは流石のジェダにも予想外だったが。
【マスター。少しばかり取り合えるかな?】
【何だ。今は居眠りをしている阿呆にミョルニルの鉄槌を下す衝動を抑えつつ授業をしている。手短に頼む】
【件の森のことだが…探索が完了した】
【…そうか。キャスターの陣地である可能性は?】
【限りなく小さい、と言っていいだろうね。周囲にはサーヴァントの気配はない。が――】
【何かあったのか】
周囲には果実の魔力しか感じず、一先ず安全であることを確認したジェダは、ミュカレに念話でこれまでの一部始終を報告する。
ちなみにだが、ミュカレは魔術の中でも召喚術を得意とする。
彼女の言うようにかのトールの使用していたミョルニルもオリジナルより劣化するもののその場に呼び寄せることが可能で、
それが常人の頭に直撃しようものなら当然即死である。
【ヘルヘイムの森…だと?なんと不吉な森である事か…。それがサーヴァントとなってこの世界を侵食しているというのか?】
それを聞いたミュカレは、彼女には珍しく酷く驚いた様子だった。
【そして、貴様が集めた果実は…】
【私の体内にそれなりの数を貯蔵している。かなりの魔力を内包している上に先に話した通りの性質を持っている。君ほどの魔術師ならば手に余る物でもないと思うが】
【それは実物を見ないことには分からん。貴様とも話したいことがある。一度大学にある我の個室へ戻ってこい】
【了解した―――む?】
【まだ何かあるのか?】
ジェダは念話の途中で、路地裏のライオンインベスのいた方向とは逆側から車のエンジン音が近づいてくるのが聞こえた。
優れた聴覚で向こうが気付く前に捕捉することができたが、この路地裏に何か用でもあるのだろうか。
エンジン音が止む。路地裏の出口には、車内を見えなくしている一台のバンが停車していた。
そして、その中からはアメリカという国には似つかわしくない槍を携えた足軽のような数人の鎧武者が出てきた。
サーヴァントの気配は感じない。恐らく、キャスターの生み出した何らかの道具で強化されたNPCだろう。
彼らがこの森に用があると判断したジェダは素早く霊体化する。
「ここか。あの果実のある森っていうのは」
「いいか、犬養さんが言っていたように集めるんだぞ」
「わかってるって」
【犬養…だと?】
【犬養といえばあの忌々しいグラスホッパーのリーダーだ。一体そこで何が起こっているか我に中継して伝えろ】
【鎧武者だ】
【……何を言っている?】
【鎧武者の姿をした人間が私のいる森に入ってきている。彼らがその犬養の名を出したのだ】
【…サーヴァントの気配は?】
【ない。恐らくはNPCと思われる】
【となるとグラスホッパーの団員か】
霊体化し、そこに入ってきた鎧武者には気付かれぬままジェダはミュカレに現況を報告する。
鎧武者の様子を見ると、1人は周囲の警戒をしながら、残りは「ここって果実の数が結構少ないなぁ」と愚痴をこぼしながら果実の採取にあたっている。
少ないのはジェダが既に殆どの果実を取ってしまったからであるが。
ミュカレの言うとおり、鎧武者達は全員、グラスホッパーの団員だった。
彼らはこの路地裏にあるヘルヘイムの森に成っているヘルヘイムの実を持ち帰る任務を言い渡され、バンと一緒にこの地に赴いてきたのだ。
もちろん、回収された果実はグラスホッパーの貸倉庫へ送られる手筈だ。
団員達が任務にあたっていると、突然「あっ!」という声が森に響き渡る。
団員達を纏める立場にあるらしき者が「どうした?」と聞くと、声を上げた団員の手にはヘルヘイムの実から変化したと思われる錠前のような物体が握られていた。
「だから犬養さんが言ってただろ、新入り?このベルトを着けて果実に触ったら果実のまま運べないんだよ。それは俺が預かっとくから、今度は気を付けろよ?」
「す、すいません!」
新入りの団員は、先輩らしき団員にペコペコと頭を下げて謝っている。
他の団員は直接触れないよう注意しながら、果実に袋を被せた上で採取していた。
あの黒いベルトをしている者が果実に直接触れると錠前のようなアイテムに変わってしまうようだ。
【錠前だ】
【……だから何を言っている?】
【鎧武者が果実に直接触れた途端、果実が錠前に変わった。どうやら彼らのつけている特殊なベルトによる効果らしい】
【ベルトをつけることで果実が錠前に変わるだと?随分と奇妙な話だな】
「もうそろそろ全部集め終わる頃かな。見張りの方は大丈夫か?」
「今のところ怪物はいないな」
「楽なところに来れてラッキーだったな。早く集めてこんなとこからずらかろうぜ」
すぐ近くにジェダが待機していることも露知らず、団員達は談笑しながら各々の仕事に取り組んでいる。
【この鎧武者達はこのまま果実を集め終わったらすぐに撤収するつもりらしい。マスター、判断を仰ごう。私はどうすればいい?】
それを聞いて、ミュカレ側からの念話が一時黙る。
そして、
【できる限り情報を聞き出した後、ヴァルハラに送ってやれ。その際、ベルトとその錠前も一緒に奪って来い】
【承知した】
淡々と救済という名の処刑命令が、ミュカレから下った。
【いつもの方法でいいかね?】
【そうしろ。その方がカモフラージュも容易だ】
合点したジェダは、すぐに行動に移した。
霊体化を解き、実体を団員に囲まれた形で浮き上がらせる。
突然、森の内部に血飛沫が沸き起こる。
やがてそれが人の形をして学ランのような恰好をした顔色の悪い怪人の姿が完全に現れるまで、団員たちは仮面の下で阿然としていた。
「か、怪物だ!!」
「いつの間に!?」
一人の団員が叫ぶとともに、他の団員もジェダに向けて槍を向ける。
しかし、その槍を握る手は皆震えていた。
突然自分達の周囲に怪物が出たことへの驚きもそうだが、それ以上に先ほどの姿を現す過程を見て、今まで見てきた怪物とは格が違うと肌で感じ、恐怖していたからだ。
「ぐがっ!?」
ジェダは、戦極ドライバーによって強化された常人でも到底見切れないスピードで、最も近くにいた団員の首を掴む。
「……ひぃっ!!」
他の団員は、仲間が殺されそうになっているのにも関わらず、足がすくんでその場から凍ったように動けなかった。
ジェダに攻撃すれば何をされるかが想像もできない上に、心を恐怖によって支配され、グラスホッパーに志願した勇気ごと折られてしまっていた。
――ドクン、ドクン、ドクン。
静まり返った森。ジェダを囲んで動けない団員。団員の一人の首を掴んだジェダ。そこには心臓の心拍音のような効果音が木霊していた。
――ドクン、ドクン、ドクン。
それを聞いて目の前の光景を目の当たりにした団員の恐怖は最高潮に達した。
その心拍音が鳴るごとに、首を掴まれた団員の身体がみるみる膨れ上がっていくではないか。
「ぐ…る……ぎ……ガああアアア……!!!」
顔は本来の5倍ほどにまで膨れ上がり、身に纏った黒影の装備のところどころからは生身が露出していた。
兜にあるゴーグルアイの部分が割れ、団員の眼球がそこから視神経に繋がった状態で飛び出た。
顎が外れて兜の下側から下あごが力なく垂れ下がっていた。
後頭部は膨れ上がった頭を抑えきれず、ヒビが入っていた。
首はカエルが鳴いた時のようにぷっくらと巨大なコブにしか見えなくなっていた。
胴体は風船のように丸くなり、皮肉にも本当にマツボックリになったようだった。
もちろん装備は既にヒビが割れて至る所に欠けた部分が発生していた。
手足は―――――。
もはや、団員の肉体は口にもできぬほど、人間の原型を留めていなかった。
「ダ……ズ……ゲ……デエェェェェェェアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
「爆ぜよ」
ジェダが冷淡に呟くと、団員の身体は文字通り破裂し、赤い液体がその勢いに任せて噴水のように湧き上がった。
それは団員の血も混ざっていたが、殆どはジェダの肉体を構成していた可変液体だった。
敵の身体に液体をありったけ送り込み、その身体を破裂させる技―――サングェ=パッサーレ。
ジェダは魂同化をする際、ミュカレの指示によりNPCはこの方法で殺害するようにしていた。
それは、ゴッサムで話題となっている、内部から破裂させたような形で人を殺めている殺人鬼が理由の一つだ。
ジェダは、この殺人鬼と同じ殺し方をその液体によって再現できる。相違点といえば黒いタール状の物質が残っているかいないかの違いだけだ。
このように殺すことで、全てを件の殺人鬼の仕業にカモフラージュすることができ、ミュカレとジェダの存在が明かされることを防止できるのだ。
果たして、数多くの死体の中に黒いタール状の物質が残されていない例外があることをどれだけの者が把握しているのであろうか。
「さて……君たちに少しばかり聞きたいことがあってね――」
散っていったNPCの魂と同化し終わり、ジェダは残りの団員たちの方へ向いて優しく語り掛ける。
しかしそれは団員の恐怖をさらに煽るだけであり、皆「正直に言えば見逃してもらえる」という一抹の希望に縋るしかなかった。
無論、そんな希望もむなしく全員が破裂させられてジェダと同化したのは言うまでもない。
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A.M.11:45。
ゴッサム大学――ミュカレの研究室。
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ゴッサム大学に限らず、大学の教員には必ず研究室が割り当てられる。
研究室とは、教授を始め大学院生のような学生が出入りをしてそれぞれの分野の調査・研究を行うための部屋で、
理系の研究室は試薬・実験器具が大きなスペースを占める一方、文系のそれでは書籍が大量に積まれている。
ミュカレの研究室に入り、そこに通うゴッサム大学の生徒もいるにはいるが、ミュカレは基本的にそういった学生は放置して自分の研究だけに没頭しているかのように振る舞っていた。
放任主義で生徒に研究その他諸々を丸投げするような大学教員はミュカレに限らず両手に余る程おり、学生を放置しても別段問題はなかった。
余談だが、あのサフィールもその一人だ。
また、ゴッサム大学のようにあらゆる学問の学部を設置し、なおかつ施設も最新鋭のレベルにまで整った大学となると、
専属教員には研究室とは別に個人のオフィスルームのような自身の研究に耽るための個人の研究室が、研究室とは別に与えられる。
ミュカレも、考古学という一学問の権威であり、そのために自室を持つことを許されるという好待遇を受けていた者の一人だった。
「この果実か…」
ミュカレはヘルヘイムの果実を手に取り、皮を剥く。
そこから出てきた錠前のような形をした果肉をただ見つめていた。
「濃密な神秘の宿る魔力が凝縮されている。噂に聞く怪物とやらもこの果実によって生み出されていたというわけか」
「ヘルヘイムの果実、と呼ぶのが妥当だろうね」
ヘルヘイムの果実を全て個室の隅にあった籠に入れ終わったジェダが、デスクに座るミュカレの方へ向く。
ミュカレも、ヘルヘイムの果実から発せられる魔力に気付いていた。
この果実への食欲を誘発させる、性質の悪いものだ。
ジェダの先見性もあってか、ミュカレはその果実を食すことなく冷静に分析することができている。
ミュカレは転生を繰り返し、マスターという立場にも拘わらず700年以上の時を生きてきた。
下手をすればこのゴッサムにキャスタークラスとして召喚されてもおかしくない実力と魔力を持っており、
そんな存在にとってヘルヘイムの果実の魔力は全く影響を及ぼさなかった。
「利用できなくもないが、安易に手を出すには少々危険が過ぎるな。魔力源に使おうにも魂喰いをすれば済むことだ」
だが、ヘルヘイムの果実が未だに得体の知れないものであるのは事実。
何の確証も得ずに手を出せばミュカレといえどどうなるかはわかったものではない。
また、解析を進めれば如何様にも利用できるとはいえ、使いどころに困ることもまた事実であった。
というのも、まず用途として第一に浮かぶのは魔力源としての運用だが、
魔力を抽出する以前にジェダの魂同化スキルによる魔力効率が良すぎて果実に頼らなくとも十二分の魔力を得られるのだ。
リスクを犯してまで果実から魔力を抽出するには、とてもではないがリターンの割が合っていない。
「確かに、君も魔術師として優れているし、私としてもその場で魂を一人分救済すればそれだけで本来以上の力が出せる。
キャスターのように何らかの仕掛けを用意しているならばその運用も考えるだろうが」
ジェダの言うように、この果実に気付いている主従は現時点でも少なくはないだろう。
ともすれば、これを既に利用しようと動いているサーヴァントもいるかもしず、警戒に値するだろう。
一応、ミュカレ自身も召喚術によって呼び出した生物に果実を利用するというのも考えてはいるが、実用の前にはまず実験が必要だ。
ゴッサム大学で実験をするには目立ってしまうため、死んでも誰にも気付かれないスラム街辺りで行うべきか。
幸い、今日の授業は午前までで終わり、後は少しだけ学生や教員の相手をし終われば何をしようが自由であることが幸いだ。
ようやく大学の執務から抜けられると思うと、ミュカレの気も少し和らぐ。
「して、セイヴァー。そのベルトと錠前とやらは手に入れてきたのであろうな?」
「もちろんだとも。…ここに」
ジェダが胸――人間でいう心臓のある部位――に手を突っ込むと、そこからジェダの体液にまみれた戦利品をミュカレのデスクに置いた。
一つはベルト。黒いメタリックな質感で中央にはマツボックリのマークがプリントされた錠前がはめられている。
その左にはマツボックリを叩き斬ることを心待ちにしているかのように黄色い刀身の剣がちょこんとついている。
もう一つは錠前。マツボックリの錠前と同じ形をしており、唯一違う点は基部にプリントされているマークが果実になっていることくらいだ。
「このベルトと錠前からも魔力を感じる。恐らくはキャスターの造った道具だろう」
「…キャスターの製造したことには間違いはないな。となると、犬養のサーヴァントかその同盟にキャスターが少なくとも一人いるということになるのか」
ミュカレはまだジェダの体液で濡れているベルトに目をしかめながらそれを手に取る。
マツボックリの描かれた錠前を外して、裏側を見たりしてそのベルト――戦極ドライバーをその目でじっくりと確かめる。
「それを装着した上で、剣で錠前を開けば、鎧武者の姿になれるらしい。その姿になれば肉体面で大幅な強化が成されるようだ――本来のペルソナをさらなるペルソナで隠してしまうとは、理解に苦しむよ。
それはステレオタイプによる認識の画一化を助長し、そして民との力の差は埋められぬルサンチマンを呼びさらなる争いへと昇華される未来しかないというのに――」
「――成程、これは最初に装着した所有者にしか扱えない代物だ。ご丁寧に製造者の意思でいつでも使用不能にできるようになっている」
ジェダの講説的な語りは無視し、ミュカレは戦極ドライバーにプログラムされた安全装置をいとも容易く見抜く。
ミュカレは大戦時、アガルタの先史文明の遺産を予め知り尽くし、後に電光機関となる技術を第三帝国に提供した過去を持つ。
そのため、そういった科学方面にも非常に明るく、大戦当時は「ミュカレ博士」とも呼ばれていた。
また、ヘルヘイムの果実の養分を人体に安全に供給する戦極ドライバーは、人体のエネルギーを搾取して電力に変換する電光機関と性質が似ていたのもドライバーの理解に一役買っていた。
「ふむ、NPCが使用できるのならマスターもあるいは…とも思っていたが流石に簡単には行かせてくれないか」
「我を誰だと思っている。解析してこちらで作り替えればすぐにでも利用できる。イナゴ共と同じ道具を使うというのも癪だが…いつまでも大学に居座る奴等を放置しておくわけにはいかんからな」
「確かに…『死』こそがグラスホッパーにいる迷い子達の飢えを満たす極上のぶどう酒だ。彼らにも分け与えて差し上げなければ」
このベルトと錠前を有効活用できるようになれば、大学にいるグラスホッパーの団員を一掃する糸口に繋がるかもしれない。
そのためにも、早急にこのベルトの解析を進めなければ…そうミュカレが頭の中で思考を巡らした、その時だった。
「やあ、初めまして。そしてようこそゴッサムシティへ、救世主達」
そのどこかの民族の服装をした中年の男が、あたかも初めからそこにいたかのようにミュカレの個室の入り口付近に立っていた。
「…グングニル!!」
侵入者を見たミュカレの反応は早かった。すぐに得意の召喚術を発動、男の背後に魔法陣を設置し、かのオーディンの所持していた槍が魔法陣から飛び出した。
その様はまるで英雄王ギルガメッシュの『王の財宝』から射出した宝具のようであった。
飛び出したグングニルの槍は男の心臓のある左胸を寸分の狂いもなく突き刺し、突如現れた男は瞬時に絶命する、はずだった。
…その男が普通の人間であれば、の話だが。
「ハハハ、いきなり手荒い歓迎だねぇ。こっちはそこのお嬢ちゃん…いや、"完全者"サマに耳よりな情報を教えに来てやっただけだっていうのに」
ミュカレの目には、確かにグングニルの槍は男の左胸を貫いているように見えるが、不思議なことに全く手ごたえがなかった。
男は戦う意思がないことを示すかのように両手を上げて一歩だけ、横に移動する。
ミュカレ達の目からは、グングニルの槍が男の身体をすり抜けたように見えた。
そして、ミュカレとジェダは悟る――この男には、実体がない。
「貴様、何者だ」
「俺か?俺は"監視者"だ。ゴッサム中で動いてる聖杯戦争の参加者を見張っている。もちろん、お前達もな」
ミュカレの問いかけに男――サガラは、答える。
現在は時間にして正午の少し前。聖杯戦争参加者全員に等しく伝達される定時通達よりも、少々早い参加者への接触だった。
「監視者だと…?その実体なき肉体に加えてあの果実と同じ魔力…よもやマスターではあるまい。貴様は――」
「私が思うに、あの森の一部だよ…いや、あの森の意思を別の存在に置き換えたモノ、とでもいった方がいいか」
ミュカレを遮り、ジェダがサガラの存在について考察した結論を述べる。
この男はゴッサム中の参加者を見張っている、と言った。
森で手にかけた鎧武者によると、森はゴッサムシティ各地で確認できるようだ。
今この瞬間もゴッサムを侵食している森…それら全てが目と耳になっているのであれば、それも不可能ではない。
また、ミュカレの言ったようにサガラからは先のライオンインベスから感じた魔力が確認できる。
だがこの男はライオンインベスとは違って理性があり、なおかつ「自分はそういう存在だ」と言わんばかりのアンデンティティを確立した態度。
まるでヘルヘイムの森から生み出されたかのような存在だ。
「創生神話の伝承が真であると仮定すれば…君は『森』が文明に干渉するための道具――つまり、ヘビに当たるわけだ。違うかね?」
「…まあ、否定はしないさ。仮にあんたのいた魔界に姿を現していたら、こんな姿を取っていたかな?」
そう言うとサガラは自身の姿を禍々しい翼の生えた魔人のような姿に変えて見せ、すぐ元に戻る。
接触した文明の文化に合わせてその姿を度々変えられるようだ。
サガラがジェダから聞かずとも魔界出身であることを見抜いているあたり、こちらの情報は向こうに筒抜けになっていると見た方がいいとミュカレは察した。
「…貴様がセイヴァーの言っていた、文明に進化と滅亡をもたらすという侵略者か?」
「おいおい、俺は監視者だって言っただろ?言い換えれば、お前さん達参加者がどこへ行くのか、何を選択するかを見届けるのが俺の役目なのさ」
「世界を今も侵食している輩が何を言う…」
ミュカレはこれ以上ない憎悪を込めた目線をサガラに向けるが、サガラは意に介した様子はなく、わざとらしく驚いた表情を浮かべながら後ずさるフリをしている。
「ゆめ忘れるな。人類はいずれ、肉体を排すことによって貴様らの手を借りずとも新たなる段階へ進むことになる」
「それがお前さんの選択だっていうなら一向に構わないぜ。むしろそのために聖杯を勝ち取って欲しいくらいだ。それもまた破滅であり、進化だからな」
「…その言い回しがつくづく癪に障るな、蛇め」
ミュカレは思う。このような蛇に進化の過程を牛耳られるなど、なんとこの世は不完全な世界であることか。
やはり全人類の魂を完全なる霊的世界へ昇華させることを残して、他に道は残されていない。
ミュカレは教団の悲願を成就するため、そして肉体の枷のみならずヘルヘイムの呪縛から人類を救うために願いを叶えると改めて意を固めるのであった。
「さて、そろそろ本題に入らせてもらおうか。さっきも言ったようにミュカレちゃんだけに教えてあげられる耳寄り情報だ」
「ちゃん付けはよせ」
「お前さんが習得している転生の法のことだ。お前さんは元からNPCに転生する気はない。そうだな?」
「無論だ。NPCの肉体は人間同然とはいえ、聖杯の手が入っているのかその格はマスターより断然低い。我の転生の器には向かん」
「そう!だからお前さんは必然的に別のマスターの肉体に転生することになるだろうが…残念なことに、サーヴァントと契約している人間の肉体は乗っ取れないんだ」
「…なんだと?」
ミュカレが僅かに目を見開く。元より、ミュカレは転生のことは後回しにしていた。
例え肉体を失っても別人の体を奪い甦ることのできる秘跡『転生の法』により、いつミュカレの肉体が死してもマスターの肉体を奪えると考えていたからだ。
聖杯戦争に参加しているマスターの数は時を経るごとに減っていくことになるため、迂闊に死ねないことには変わりないが、
そうなったらなったで捕捉したマスターの肉体を奪えばいつでも復活できる。
これまでのロールの立場を利用できなくなるというデメリット以外はミュカレに何の損もなく、むしろマスターを消滅させてその主従を壊滅状態にできるメリットもある。
だが、それが思うようにできなくなると話が違ってくる。
「厄介なことをしてくれる…!」
「まあまあ、そんなに睨まないでくれ。不可抗力か聖杯によるものか、あるいは他の誰かがお前さんの使える力が気に入らなかったのか。
俺は別に構わないんだが、俺の知らないところでそういう
ルールが作られちまったんだ。そもそも、何度死んでも生き返られるなんて、フェアじゃないだろ?」
「フン…」
「とにかく、それがルールになっちまったからには従ってもらわないと困るな。難しいことじゃないさ。逆に言えばサーヴァントがいなくなったら何してもいいってことだからな」
忌々しげな目線を再びサガラへ向けるミュカレ。
確かにサガラの言うとおりだ。一組の主従にいるサーヴァントを仕留め、そのマスターを生け捕りにさえすれば済む話だ。
だが、それはベルトの解析、ヘルヘイムの果実の実験とすべきことの見えてきたミュカレに対する時間的な拘束具に他ならなかった。
午後からは自由に動けるとはいえ、わざわざ出向いて転生の器の確保のためにサーヴァント一人を滅ぼし、そのマスターを生け捕りにしておく必要性が出たのだ。
――手間をかけさせおって…。
ミュカレの苛立ちが噴火寸前の火山のように溜まっていく。
それを少しでも紛らわすかのように大きな溜め息を吐いた。
「言いたいことはそれだけか。貴様の顔はもう見たくない。とっとと失せろ」
「おっと、そろそろ時間だ。そうさせてもらうよ。聖杯戦争の参加者全員へのアナウンスに、お前さんとそう年の変わらないお嬢ちゃんを激励しに行かないとな。
――ああ、もちろん肉体年齢的な意味だ」
ミュカレの乗り移った肉体の持ち主の年齢も把握しているかのような台詞を吐くと、すぐにサガラの身体を構成した立体映像が崩れ、どこかへと消えていった。
そしてその数分後、聖杯戦争の参加者全員が聞くことになる通達が放送された。
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P.M.12:15。
ゴッサム大学――ミュカレの研究室。
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今時の若者が聞くラジオのようなノリでなされた通達を、眉間に皺を寄せながらミュカレは聞いていた。
まだサガラへの苛立ちは消え去っていないらしい。
既に3組の主従が脱落し、現在残っている主従はミュカレ達を含めると23組。
本格的な聖杯戦争の火蓋が切って落とされた。
「やはりあの連続殺人鬼はサーヴァントであったか。薄々そうだとは思っていたがな」
ミュカレにとっては魂喰いをする際にはその殺し方を模倣させてもらったありがたい相手だ。
おかげで今まで足取りを掴まれることなく魔力を確保できている。
「それよりも、ミュカレ…我々は君の新たな依代となるマスターを探す必要性が出てきたわけだが、今一度怪しい人物を私の口から話しておいた方がいいかね?」
「…話せ」
ミュカレがデスクの椅子に深く座りなおしてジェダに促すと、ジェダはそれまでに捕捉した人物を挙げていく。
怪しい人物といえば夜に活動しているというヒーローもそうだが、まず挙げるべきなのはやはりグラスホッパーの代表となっている
犬養舜二という男だろう。
先ほど手に入れたベルトと錠前から察するに間違いなくキャスターが絡んでいるとみて間違いはない。
あのベルトを独自に改造すれば、グラスホッパーに所属している鎧武者の一人として紛れ込むことも不可能ではないかもしれない。
そして
ヤモト・コキ。
現在も逃亡中の殺人を犯した少女。
多額の懸賞金をかけられた指名手配犯だ。
一体この聖杯戦争で何を思って指名手配犯になったのかは不明だが、このゴッサムで目立っている以上、マスターである可能性は十分ある。
「――その犬養という男やヤモト・コキから派生して数多の日本人名と思われる名前を発見した。
…尤も、その数が多すぎる上に逆に敵に捕捉される可能性もあったので深入りしていないことが難点だがね」
犬養舜二にヤモト・コキ。マスターの可能性が高いこの二者に通じることはまず「日本人あるいは日系」であることだ。
そこに着目したミュカレは、数日前からジェダに街の地理や様子を見させる傍らで、日本人を見つければ危険を冒さない範囲で詮索するように命じた。
その結果明らかになったのは、ここがアメリカとは思えぬほどの日本人の人口だ。
日本は世界的に見ても治安のいい国だと言われるが、その国の人間がなぜ衆愚の街と呼ばれるゴッサムにここまでいるのかを説明できないほどに、異常ともいえる日本人の数だった。
ここに挙げるだけでも、島村、高司、多田、中村、凰蓮、前田、湊、呉島、美城、御剣と日本人の姓に事欠かない。
「346プロ、だったかな?まるでシンデレラに登場する城のような建造物だったね。あそこにはそれなりの数の日本人がいたよ」
346プロジェクト。本来は日本にある芸能プロダクションらしいが、米国内に支社を設け、事業展開を始めたとのことだ。
そこに所属するアイドルのファンはゴッサム大学にもそれなりの数がおり、ファンサークルまで作られている始末だ。
ミュカレの肉体年齢に近いアイドルも所属しているが、当のミュカレはアイドルのような偶像になど微塵の興味も示しておらず、ましてやそんな偶像そのものになるなど死んでも御免だった。
「346プロか…幸い、ゴッサム大学のあるRED HOOKの隣り――WEST SIDEにある。取りあえず足を運んでみるならそこになるが…他にすべきこともある」
為すべきことは3つ。奪取したベルトの解析。ヘルヘイムの果実を使った召喚術の実験。転生の器の確保。
特に最後はサーヴァントの撃破が必須であるため、非常にリスクが高くなる。
「さて、どうしたものか…」
【MID TOWN RED HOOK ゴッサム大学内、ミュカレの個人研究室/1日目 午後】
【ミュカレ@アカツキ電光戦記】
[状態]健康、平常
[令呪]残り三画
[装備]黒マント、カティが着ていた服
[道具]元帥杖(懐に忍ばせている)、ヘルヘイムの果実(それなり)、量産型戦極ドライバー、ロックシード(マツボックリ&果実系)
[所持金]現金十万程と、クレジットカード
[思考・状況]
基本:聖杯戦争、負けるつもりはない
1. ヘルヘイムの森の呪縛からも人類を解き放たねばならない
2. 煩わしい事だが、ゴッサム大学には足を運んでやる
3. サフィール教授には会いたくない
4. 手に入れたベルト(量産型戦極ドライバー)を改造して我にも使えるようにする
5. あの果実は召喚術の補助に利用できそうだが、魔力に関しては魂喰いで間に合っている
6. サーヴァントのいないマスターを転生の器として生け捕りにせねば
7. あの蛇(サガラ)の顔はもう見たくない
[備考]
※犬養舜二、ヤモト・コキが聖杯戦争の参加者だろうとあたりをつけています。
※所持している果実系のロックシードが何かは後続の書き手さんにお任せします。
※サーヴァントのいるマスターに転生できないことをサガラから教わりました。
※ヘルヘイムの森とサガラの正体をジェダから教わりました。
※グラスホッパーが団員を鎧武者に変身させていることを知りました。
※グラスホッパーには道具作成に優れたキャスターが噛んでいると見ています。
【セイヴァー(
ジェダ・ドーマ)@ヴァンパイアセイヴァー】
[状態]健康
[装備]万全
[道具]万全
[所持金]私には何の価値もない代物だ
[思考・状況]
基本:全ての魂の救済
1. この街には良識の欠片もない
2. 果実に浸食されたインベスは何とも哀れだ
[備考]
※ヘルヘイムの森とサガラの正体に見当がついています。これをミュカレに教えました。
※ゴッサムに在住する日本人の姓をそこそこの数把握しています。
※魂喰いをする際は、NPCをサングェ=パッサーレで破裂させて殺害し、キャスター(
デスドレイン)が殺したように見せかけています。
※ジェダが魂喰いをした際は、アンコクトンは残りません。
※グラスホッパー団員から情報を収集しました。他にもグラスホッパーについて何か知っているかもしれません。
最終更新:2016年08月21日 18:29