【設定】
ジオン公国軍の量産型モビルスーツ。
ザクIIの一年戦争最終モデルで、正式名称は『MS-06FZ 最終生産型
ザクII』。
マ・クベが0079年2月に提唱したとされる、今まで会社によってバラバラだった兵器のパーツ規格を統一化する大規模なMS改修計画「統合整備計画」で誕生した機体。
対核用装備を施したC型やC型から対核用装備を外して軽量化しF型に比べると性能はかなり向上しており、カタログスペック上は
ゲルググに、実際には
ドムやジム・コマンドに近い性能といったところ。
スラスター推力はかなり上がっているが効率は変わってないので最大出力だと稼働限界時間が短くなっている。
また、短時間だがドムのようなホバリングもできる。
バリエーションとして頭部がドイツ軍が使用したフリッツヘルムを被ったような外観のB型が存在する。
【武装】
ヒート・ホーク
接近戦用の斧型武装。
赤熱化させた刃で敵機の装甲を溶断する。
MMP-80マシンガン
本機の主兵装となる90mm口径の機関銃。
ザク・マシンガンの120mmから小口径化しているが、これは120mmマシンガンが非成形弾を低初速かつ地上等重力下では曲射弾道で放つ対艦兵器であるのに対し、MMP-80は成形炸薬弾を高初速で放つ対MS等高機動戦を意識したものになっている。
集弾性と精密性、貫通力が向上しているほか、マガジンを小型化しつつ装弾数も増加している。
また、オプションとしてグレネード・ランチャーの装着も可能となっている。
ハンド・グレネード
腰部右側に装備されている手榴弾。
シュツルム・ファウスト
使い捨て式の無誘導ロケット推進弾。
【原作の活躍】
バーニィ機が被弾による故障で不時着して機能停止、頭部も破壊されていたが、脱出を優先としたためそのまま放置。
その後攻撃目標である
ガンダムNT-1を先に破壊することでジオンの、サイド6リボーコロニーへの核攻撃を防ぐため、ジャンクパーツで修理して単機出撃、
アレックスと交戦した。
武装がヒート・ホークしかない中、サンタクロースや雪だるま等のアドバルーンによる撹乱作戦も功を奏し、中破させることに成功したが、同時に
アレックスのビーム・サーベルがザクのコクピットを貫き、バーニィは死亡した。
また、一年戦争から約16年後の
ラプラス事変の時期にはトリントン基地を襲撃したジオン残党軍の機体の一つとしてもザク・バズーカを装備したB型が投入されている
【搭乗者】
バーナード・ワイズマン
CV:辻谷 耕史
ジオン公国突撃機動軍伍長。
9月の高校卒業とともに、召集令状によって軍に徴兵され、短期間であるが正規の訓練は受けている。
初陣でサイド6に突入したが、被弾し公園の森林地帯へ墜落。
この時に追いかけて来た現地の小学生
アルフレッド・イズルハと知り合い、階級章とアルの持っていた映像ディスクを交換することで偶然得た情報から
連邦軍の新型がサイド6に運び込まれていたことが判明した。
それをジオン軍上層に知らせたためかその後に突然の転属命令、元々
アレックス強奪及び破壊任務を受けていたサイクロプス隊に配属、そのまま戦死したアンディ・ストロースの代わりに補充兵として配属された。
彼に与えられた任務はもともとはどのようなものかは不明だが、少なくともアルにサイクロプスを知られてしまったことにより情報収集という名のアルの監視(子守り)になった。
その過程でバーニィに憧れるアルについ「あと1機でエースだった」と大見栄を切ってしまったり、クリスと出会い、互いに好意を抱く。
その後アルとの潜入調査で工場に
アレックスがあることが判明、メンバーで奪取or破壊工作に赴くも、バーニィの不用意な発言で正体が露見し白兵戦が開始。
メンバーは彼を残して全滅してしまう。
上層部が「
アレックスの奪取及び破壊が不可能ならば、クリスマスに核攻撃でコロニーごと破壊する」と考えていることを知らされ、一時は一人で逃げようとするも、「このコロニーが好きだから」という理由で残るバーのマスター、クリスやアルを守りたいという想いから、
ガンダムに挑むことを決意する。
アルと一緒に最初に落ちたザクを修理し、飛び道具がない分ダミーバルーンや罠を周到に用意し立ち向かった。
結局、核を搭載したジオン艦隊は途上で連邦軍に遭遇、核攻撃隊も核使用に対する軍司令部への反発から交戦後に意図的に投降したため、サイド6への核攻撃は回避される。
しかし、バーニィはこれを知らないまま
アレックスと交戦、破壊こそ出来なかったが中破、戦闘不能に追い込んだ。
しかし、自身は
アレックスのビーム・サーベルで機関部を貫かれ、「(核攻撃はもうないので)戦わなくてもいい」と駆け寄るアルの目前で爆散し、バーニィも戦死した。
現場検証を行った連邦兵曰くミンチより酷いとのことらしい。
アレックスのパイロットが好意を抱いているクリスであったことは最後の最後まで知らないままであった…。
アルの協力があったとはいえ実質敵地の真っただ中でザクを修理して稼働状態まで持って行き、バルーンや罠を駆使したゲリラ戦法で攪乱し性能で圧倒的に勝る
アレックスにザク単独で挑み相打ちとはいえ中破に持ち込むなど、学徒動員された新兵とは思えないレベルの作戦を立案・遂行しており、(嘘が下手という致命的な欠点を除けば)特殊工作員としてはかなりの素質を持っていたと言えるかもしれない。
【原作名台詞】
- 「最高だね、今頃街は雪で真っ白だろうな」
- シドニー育ちと自称するが、季節の違いから嘘が見抜かれてしまう。
コロニー育ちのスペースノイドにとっては縁がないことかもしれない。
- なお、この時シドニーはコロニー落としで消滅しているが、後付け設定であるため突っ込んではいけない。
- 「俺はな!モビルスーツなんて、一機も落としたことがないんだ!」
「ああ怖いね、怖くない方がどうかしてる。臆病とでも何でも言えよ!」
- 「楽勝!」
- アルにガンダムに勝てるかと聞かれて。
無論本当に楽勝だと思っていたのではなく、この時点でほぼ死ぬ、よくて相打ち程度だということは把握していたようである。
- 「アル……オレはたぶん死ぬだろうが、そのことで連邦軍の兵士や、ガンダムのパイロットを恨んだりしないでくれ。
彼らだって、オレと同じで、自分がやるべきだと思ったことをやっているだけなんだ。
無理かもしれないけど、他人を恨んだり、自分のことを責めたりしないでくれ。
これはオレの、最後の頼みだ……」- アルに託したビデオに収録されたバーニィからの最後のメッセージであり、アルへの最終指令。アルと一緒に泣いた人も多いはず。
【VS.シリーズの活躍】
VS.シリーズでは原作と異なり
アレックスをロックするとクリスに気付く。
そして
アレックスと組むと強い信頼を感じる掛け合いがアツい。
ガンダムVS.ガンダム
ガンダムだらけの中
アレックスを差し置いてプレイヤー選択枠の1枠目やタイトル画面に収まっており、事実上の主役扱い。
唯一のジオン系でザク系に乗っている主人公機である。
基本性能は満遍なくいまひとつだが、コスト1000としては破格の攻撃力を持つ起爆型ハンドグレネードを持っており、これを活用し劇中さながらの撹乱作戦を展開することで勝利は見える。
原作ではジオン系のMSとしては素直な機体なのだが、時限グレネードを利用した癖のある機体で、どちらかというと熟練者向け。慣れないまま使うと余裕でミンチになれる。
余談だが、頭を抱えて屈み込む爆破モーションやダイビングヘッド等、コミカルなモーションを持つおちゃめさん。
ガンダムVS.ガンダムNEXT
前作より改善されているが、それはみな同じで時限グレネードが当てづらくなった。そのかわり基本性能が多少向上しているので、なんともいえない。
ガンダムVS.ガンダムNEXT PLUS
NEXT-PLUSモードでは主人公機というカテゴリーに入っている。
EXVS.
時限グレネードの投擲バリエーションが増え、移動先を読んで投げる、セルフカットを狙って停滞させるなど新たな利用法ができる。また、Gクロスオーバーだったサンタが単独での武装として追加。その場に設置するダミー武装のようなもの。
覚醒中はグレネードを一度に3個投げるため、最大9個のグレネードが爆発し戦場を火の海に変えるだろう。
グレネードの火力も高く追撃に適した武装も多く、
ヒルドルブと並んで低コストの星として大暴れした。
余談だが、僚機がザク系(
ガナーザクウォーリアも含む)の場合、戦闘開始前に愚痴る。
もう開始前から負けが確定してるかの如く愚痴る。
また、勝利時に(おそらく)相方に機体の交換を提案するが間違いなくしない方がいい。
本作より登場した称号だが、本機の称号が「少年の英雄」と原作理解度が高くファンを喜ばせた。
ガンダムの白い悪魔(
ガンダムで20連勝)などの自演でもしないと無理なものが多い中、100戦中に20勝とかなり条件が緩いのも評価された。
EXVS.FB
前作で大暴れしたため覚醒時のサブの3個投げが一回で弾数全消費扱いになり、マシンガンの収束撃ちも廃止されるといった弱体化が目立つが、自衛力は相変わらず高い。覚醒技はグレネードで手前から5回火柱を上げる。
EXVS.MB(ON)
ほかの1000同様コスト1500に引き上げられた。今作では06タイプのMSが「
ザクII」と表記されるようになったのに合わせ本機も「
[[ザクII]]改」と改称された。アシストの
ハイゴッグがリロードされるようになったり、覚醒中のサブ(グレネード3個投げ)が2回できる様になるなど、随所に嬉しい強化が施された。
EXVS.2
アシストが
ハイゴッグから
ケンプファーになり、覚醒技がヒートホーク連続攻撃に変更。
旧覚醒技は射撃CSになり1回のみ使用可能となった。使用後は射撃CSがシュツルム・ファウストに変化する。
更に覚醒中に投げれるハンド・グレネードの数がEXVSと同じく9個になった。
この他にも前格闘やBD格闘が新規モーションに。
【勝利・敗北ポーズ】(ガンVSガン、NEXT)
勝利ポーズ
親指を立てて楽勝!!左手は腰に当てている。
パイロットのバーニィが原作でこのポーズをとったこともある。
敗北ポーズ
頭を抱えてしゃがみ込む。特格のモーションに似ている。
「あんな化け物、どうすりゃ倒せるんだ…!」
【勝利・敗北ポーズ】(EXVS.以降)
勝利ポーズ
- 右手で親指を立てる。前作と違って少し押さえ目
- ヒート・ホークを抜刀してモノアイ発光。(FB.で追加された格闘〆時のポーズ)
敗北ポーズ
- 首無しで仰向けに地面に倒れ込んでいる。原作で墜落したときの再現
【その他の活躍】
スーパーロボット大戦
バーニィが仲間になると一緒に加入するが、所詮は一年戦争時代のザクなので性能はお察し。
バーニィは初期の作品だと何故かザクを愛するザクマニアというキャラ付けをされたり、初登場時にナンパしているなどのファン憤慨物の扱いをされていた。
後の作品ではオールドタイプ筆頭級の能力になる、
ノリスを説得して仲間に引き入れる、未参戦の作品でも
ヒイロから「ザクでガンダムと戦った男を知っている」と語られるなど扱いはよくなっていった。
【余談】
当初は
シャア専用ザクIIと同型の”
ザクII”のリニューアルデザイン、後の設定でマイナーチェンジという設定になった機体。
色使いが原色よりに変わり、デザインもちょっとスマートになっている。
相打ちに終わったものの、ガンダムタイプを沈黙させたザクとしても有名。
上記のようにバーニィはOVAでは死亡しているが、小説版では奇跡的に助かったことが示唆されている。
「一流の悲劇と三流のハッピーエンド」と小説版のあとがきにあるが、多くのゲーム作品ではバーニィの死が回避されているところを見ると、三流のハッピーエンドを望むファンも決して少なくなかったようであるが、この流れは一流の悲劇があったからではないかと一部では言われている。
バーニィは
ガンダムの映像作品において、完全などこにでもある量産型MSを駆ってガンダムタイプのMSを撃破または戦闘不能にした唯一の人物として挙がる事がある。
カスタム量産機でガンダムと渡り合う、
非ガンダムのワンオフ機で
ガンダムと渡り合うなど色々あるが、未カスタムの量産機でワンオフ機の
ガンダムを単機で落とす例は非常に稀。
一応
リーオーで
ウイングガンダムを撃退したゼクス、
ムラサメ三位一体攻撃で
カオスガンダムを落としたイケヤ・ニシザワ・ゴウの三人と、純粋な量産機で「ガンダム苦戦」以上に持ち込んだ例がないわけではないが、それらは全て「もともとパイロットが凄い」か「数で勝る」という設定が為されている。
そこらへんにごろごろいる名もなき一般兵がカスタム無しの量産機で、それも単機で
ガンダムを倒したのは現状バーニィと
ザクII改を除けば、本当に例が無い。
ガンダムに乗っていたのがただのテストパイロットだったことや相打ちだったことを加味しても奇跡的な戦果である。
ジム・コマンド等のジャンク品から起動不可状態のザクを修理し、格闘戦へ持ち込みやすい森林地帯への誘い込みとバルーンやグレネードを使用したトラップ、更に最大出力の20%程度で弾薬補給もまともに行われていないという状況下で、当時連邦軍最高性能のMSであるNT-1相手に新兵がヒート・ホーク一本で相討ちに持ち込む等、実戦経験以外ではバーニィは非常に優秀な兵士だったともいえる。
最終更新:2024年06月24日 21:52