Ex-Sガンダム Ex-S GUNDAM |
登場作品 |
ガンダム・センチネル |
型式番号 |
MSA-0011[Ext] |
全高 |
21.7m |
重量 |
69.2t |
所属 |
地球連邦軍 |
搭乗者 |
リョウ・ルーツ |
武装 |
バルカン砲 テール・スタビレーター・バルカン インコム・ユニット 背部ビーム・カノン 大腿部ビーム・カノン ビーム・サーベル ビーム・スマートガン リフレクター・インコム |
特殊装備 |
ALICE Iフィールド発生装置 コア・ブロック・システム |
【設定】
Sガンダム
Z計画における究極のMSを目指して開発された試作可変MS。
名前のSは「スペリオル(Superior)」と読む。
アナハイム内での初期開発コードは「I(イオタ)
ガンダム」。
ZZガンダムとは兄弟機とも再設計機とも言われる。
ただしZZが初代ガンダムの顔つきに似ているのに対し、本機はZのそれに近いので、Z直系の後継機とも言われる。
単独でも高い性能を持つが、基本となるコア・ブロック・システムおよび本体をコアとして多様なオプションの換装が可能となっており、下のEx-Sのほかに下半身を大出力ブースターに換装したSガンダム(ブースターモード)、ほぼデンドロビウムな「ディープストライカー」(後述)などの形態が存在する(ディープストライカーは設定のみで作中には登場せず)。
以上のように性能と拡張性、汎用性を兼ね備えた高性能機だが、その分機体構造は極めて複雑であり、オプションも含めた開発コストも桁外れとなってしまった。
この形態では単独での巡航形態への変形ができず、上半身(Gアタッカー)、コアファイター(Gコア)、下半身(Gボマー)への分離変形となる。
ZZと異なり、合体時の各パーツのコクピットは中央のコアブロックに集約されるようになっている。
ちなみに、本機(およびセンチネルの味方機全般)はガンダムシリーズでも比較的珍しくビームの色が青白い。
Ex-Sガンダム
Sガンダムに巡航形態であるGクルーザーモードへの変形機能を付与するためのオプションを装備した形態。
型式番号の「Ext.」は「Extra-ordinary」の略で、「常識外れの、桁外れの」の意味を持つ。
名前の「Ex-S」は「イクスェス」と読む。
正式名称は「エクストローディナリィー-スペリオルガンダム」と、やたら長ったらしい。
背部バックパックをより大出力のものに変更、両肩に大容量プロペラントタンクを増設、背部ビーム・カノンを2門から4門に増設、胸部Iフィールド発生装置の装着などを施した、Sガンダムのフルアーマー形態とも呼べる。
重量はノーマルのSガンダムの8割増しとなっているが、推力が11倍に強化されており、理論上は単独での大気圏離脱まで可能とされる程の絶大な推力を誇る。
さらに背部ビーム・カノンやリフレクター・インコムといった武装の増設による火力の増強、限定的ながらも通常サイズのMSでは初となる胸部Iフィールド発生装置による防御性能、コア・ブロック・システムによる生存性、ALICEのサポートによる操縦性の高さと攻守の面でも名前通り桁外れの性能を持つ。
余談だが、本機の完全変形を実現したプラモデルはMGが発売されるまで存在しなかった。そのことからも本機の変形機構の複雑さがうかがえる。
ちなみに、Ex-S以外にもSガンダムの強化案が存在する。その名もディープ・ストライカー。
アーガマの主砲と同レベルのビーム砲、IF発生装置、大型スラスター、そして機体と同サイズの2本のプロペラントタンクを装備した強化フレームをSガンダムに着込む形で装着する。コンセプトは敵陣に突撃し、ビーム砲の一撃で敵中枢を殲滅して即離脱の強襲型。試作3号機「デンドロビウム」や、宇宙世紀0081に起きた戦乱で活躍したガンダム7号機の武装強化型である、重装フルアーマー7号機の進化系とも言える機体。
ただし、その建造費も維持費もシャレにならないレベルであり、そもそもワンオフ機であり、換えが効かないSガンダムを使う意味が無いので、やはりプラン止まりとなっている。
メタネタを言うと、本機は重装フルアーマー7号機(Sガンダムのデザインとガンダム7号機のリファインは両方ともカトキハジメ)の元ネタでもある。
【武装説明】
バルカン砲
60mm口径の機関砲。
側頭部に4門が内蔵されている。
テール・スタビレーター・バルカン
テール・スタビレーターに内蔵された機関砲。
インコム・ユニット
頭部アンテナの付け根に装備された有線式準サイコミュ兵器。
ニュータイプでなくとも擬似オールレンジ攻撃が可能だが、本物のサイコミュ兵器のような複雑な制御は出来ない。
また、搭載されたビーム砲の出力が低いため敵を撃墜できるほどの威力はない。
背部ビーム・カノン
エネルギーCAP式の大口径ビーム砲。
バックパックにムーバブル・フレームによって接続されているので射角は見た目より広く、照準はALICEが行うため命中精度も高い。
通常は2門だが、Ex-Sは4門に増設される。
なおZZなどとは異なり、ビーム・サーベルとしての機能はない。
Gクルーザーモードの主砲でもある。
大腿部ビーム・カノン
腰部サイド・アーマーの代わりに装備されたビーム・カノン。
通常のライフルに比べ有効射程・命中精度が向上している。
機体本体とムーバブル・フレームで接続されているため、射角は広い。
本来はビーム・スマートガンとの択一だが、Ex-Sでは同時使用が可能となっている。
ビーム・サーベル
近接戦闘用のビーム兵器。
両膝部アーマー内側に計2基が装備されている。
ビーム・スマートガン
Sガンダムのオプション兵装。
長銃身のビーム・ライフルといった見た目だが、メガ・バズーカ・ランチャーに匹敵する威力を誇る。
銃口部にビーム偏向装置が装備されており、発射体勢をとった後でもある程度ビームの軌道を変更できる。
また、ディスク・レドームとセンサーアレイが機体のセンサーとリンクしており、長距離からの精密射撃も可能。
リフレクター・インコム
膝部アーマー(ニークラッシャー)に装備された特殊兵装。
通常のインコムと異なり、Iフィールドを形成する機能を持つ。
これを展開した上でビーム・スマートガンなどのビームを反射させる事で疑似オールレンジ攻撃を行う。
サイコガンダムMk-IIのリフレクター・ビットのインコム版といったところ。
元になるビーム・スマートガンやビーム・カノンの攻撃がそのままオールレンジ攻撃になるため威力面では並のサイコミュ兵器よりも高いが、極めて正確な動きの先読みが必要であり、ALICEを搭載した本機ならではの装備と言える。
【特殊装備】
ALICE
CV:朴璐美
本機に搭載された人工知能。開発者は後に本機のパイロットとなるリョウ・ルーツの母親、ミズ・ルーツ博士。
名前は「Advanced Logistic&In-consequence Cognizing Equipment(論理・非論理認識装置)」の略。
その名が示すように論理では説明ができない不可思議な感情をパイロットから学習することで、戦況を自律的に判断する能力を獲得し、最終的には本機を単独で完全に制御する能力を持つように設計されている。
ちなみに教育のために「常識では計り知れない、不条理な男」という基準に選定された男達が集められたが、これは「人間のわがままを受け入れた上で自律的に行動する」という矛盾した要求に対応するためであり、人格も女性的なものとなっている。
Sガンダムのサポートシステムどころか機体制御のほとんどを担っており、新米のリョウが複雑怪奇な本機のシステムをフルに使えるのは彼女(?)のおかげともいえる。
実戦配備時には封印されていたはずだったが実際は稼働しており、しばしば戦闘中に覚醒して窮地を切り抜けている。
作中初期は「チェシャ猫」のコードネームで呼ばれていた。
ちなみにGジェネシリーズ及びVSシリーズでは、EXAMシステムと同じくALICEが起動すると通常は緑のカメラアイが赤くなる演出がある。
【原作での活躍】
月面都市エアーズ奪還作戦に投入され、ニューディサイズ首領ブレイブ・コッドが駆るガンダムMk-Vと激闘を繰り広げる。
機体性能では優位に立ちながらもコッドの技量に翻弄され、撃墜一歩手前というところまで追い詰められるが、リョウの死への恐怖を感知したことでALICEが起動、Mk-Vを撃破する。この戦闘でニューディサイズが首領を失ったことで、戦いの流れは連邦側に傾いていく。
なお、この戦闘でEx-Sのオプションのほとんどが破壊されてしまったため、これ以降Ex-Sとして登場することはなかった。
ちなみにこの戦闘シーンはGジェネZEROにてCGムービー化されている。
【パイロット説明】
リョウ・ルーツ
CV:藤原啓治
本機の専任パイロット。
父は一年戦争で戦死、母はALICE開発に全てを捧げる余り謀殺された経緯から組織の枠組みを嫌うとことん反抗的な性格に育った。
手に職をつけるつもりで軍に入隊したが、協調性に欠ける上にプライドが高く、士官学校でも有名な問題児だった。
その後ALICEに感情を学習させるためのサンプルとしてSガンダムの専任パイロットに選ばれる。
配属後も上官であるストール・マニングスや同僚のパイロット達と何度となく衝突したが、幾度の死の恐怖や、超えるべき壁でもあったマニングスの死を経験し少しずつ成長していく。
名前の由来は坂本龍馬(リョウ=「龍」馬、ルーツ=坂「本」)から。
【原作名台詞】
【ゲーム内での活躍】
EXVS.FB
PS3版の初回生産特典のプロダクトコードで使用可能となるが、電撃オンラインでのインタビューによれば後日の有料配信の予定はないとの事…。実はダウンロードしなくてもアーケードモードのC-7EXで普通に登場する&DL時の容量が100Kしかなくいわゆるアンロック方式で、ディスク内にはデータが入ってたりする。コスト3000の射撃寄り万能機。
ローゼン・ズールのサブのような移動撃ちできるインコムやケルディムのメインに似た超高弾速射撃、ZZのサブような幅の広いダウン属性のビームというように、原作よろしく様々な射撃兵器を装備する。
公式によると機動力は控えめとのことだが、
サザビーのようにチャージの速いCSのキャンセルで自由落下できるため、実質的な機動力は未知数である。
覚醒するとALICEシステムが完全に起動し、機動性だけでなく格闘の性能も上昇、完全な高機動万能機となる。
しかし、本作ではNEXTの
ユニコーンガンダム同様パイロットのリョウ・ルーツは登場せず、無人の状態で出撃する。原作でのALICEの完全制御と思えばよいかと。
……と言うのは建前で、実際はファンの間では有名な版権の複雑さ故に
キャラクターを出すことができないから(バンダイナムコゲームスでも詳細は延べず、「諸事情」と言っている)であろう。リョウ役の藤原啓治氏が
サーシェス役で出演しているだけに色々と勿体無い…。
電撃オンラインでのインタビューによれば、あえてパイロットなしで登場させて、それでユーザーの反応を見たいと述べている。
なお、PVでは覚醒時にリョウらしきパイロットのシルエットがカットインとして挿入されている。
2014年2月13日には、アーケード版にもプレイヤーとして解禁された。
EXVS.MB
今作でもパイロットのリョウは登場しない。
作中でも各パイロットの反応から所謂中の人が居ない状態らしい。
EXVS.MB.ON
リフレクター・インコムが撃ち切りリロード式となり、特射のビーム・スマートガンに照射が追加された。
EXVS.2
パイロットグラフィックが完全に削除され、リョウの登場は絶望的となった。
またデフォルト
BGMがこれまでの「Superior Attack」から「New Desides」に変更された。何故敵のBGMに……
削除ではないので購入すれば使用できる。
【勝利・敗北ポーズ】
勝利ポーズ
- 通常時:ビームスマートガンを地面に突き立てる。
- 覚醒時:ビームスマートガンを両手で腰の前に水平に構える。カトキハジメ氏のイラストを再現。ALICEが発動しており、よく見るとカメラアイが赤くなっている。
敗北ポーズ
【その他の活躍】
ガンダムトライエイジ
エクバシリーズと同じくガンダムのアーケードゲームだが、こちらは諸事情をクリアしているらしくリョウが顔出しで登場する。
Ex-Sの必殺技は「ALICE・コンフェッション」。リフレクター・インコムで背部ビーム・カノン4発を反射させて当て、ビーム・スマートガンでの狙撃で締める。
SD戦国伝 風林火山編
駄舞留精太を師に持つ、武者江須(エス)として登場する。
デザインラインだと兜の頭頂部が本機の頭部インコムになっているなど分かりやすい。
忍法を使った描写もあるが、忍者としての素質があるのかは不明。
恐らくS(エス)とEx-S(
エクストラ
スペリオル)のダブルニーミングと思われる。
SDガンダム外伝
元々は武者頑駄無真悪参だった
バーサル騎士ガンダムとネオブラックドラゴンが融合した光の騎士にしてスダ・ドアカワールド十二の神の一柱である「スペリオルドラゴン」として登場している。
スーパーロボット大戦
「第4次」において機体のみ登場。
物語の終盤でSガンダムが改修される。
Sガンダムの入手には何故か
ガンタンクを放棄する必要がある(逆に言えばガンタンクを残したければSガンダムを諦める必要がある)。
曰く、コクピット周りのパーツに使うらしいのだが、生産時期も技術も全く違う地球連邦軍最初のMSのしかも全機体を通しても珍しい頭部コクピットであるガンタンクの部品の何がSガンダムに必要なのかは謎である。
コア・ブロック・システムなら分からないでもないが
ガンキャノンや
ガンダムではダメらしい。
しかしその前のイベントでガンタンクを破棄して金に変えてしまっていてもSガンダムは普通に入手できたりする。
Sガンダムは主人公の系統によっては入手が不可能で、Ex-Sガンダムに強化するには
フォウ・ムラサメの加入を諦める必要があった。
また、この機体の登場には色々と問題があったようで、以後のシリーズには登場していないが、『第2次α』では参戦予定があったのか、Ex-Sガンダムのみならず『ガンダムセンチネル』の大半の機体が没データとして残っていた。センチネル出典の
バーザム改が通常の
バーザムとして参戦しているのはその名残だろうか?
最終更新:2023年08月08日 14:45