Day 0: Reason of Being
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概略:
ENの”木更城零”パーソナリティにて収録。
登場人物:
木更城研究所の地下。打ちっぱなしのコンクリートの殺風景な平面に囲まれた部屋の中、木更城零は一人うずくまっていた。冷たい首輪の感触が己の無力感を駆り立てる。
金属が軋む音をたて、部屋の上部が開かれた。「エサ」の時間か。零は顔を上げることもなく、それを待った。程なくして部屋には一人の少年が放り込まれ、部屋はまた閉じられた。忌々しいヤツによく似た、透き通るような白髪に、死への恐怖に染まった碧い目。何度となく見た光景だ。それだけに厭になる。あいつらのくだらないお遊びのために産み落とされたこのゴミどもを、あと何度掃除すればいいのやら。
考えるだけ無駄なのはわかっている。暫く経ってようやく重い腰をあげた。目の前の少年を冷たく見下ろす。衰弱しきったそいつは、その視線に気づくのにかなりの時間を要した。しかし、一度それに気づくとガタガタと震えだし、言葉にならない嗚咽を漏らす。
こいつめ、俺の眼を見てやっと自分の運命を悟ったか。こんなノロマにあの野郎が期待することは何もないだろうな。零はゆっくりとそのか細い首に手を伸ばした。
「い……いやだ……いや……」
その手が近づくにつれて、少年の声はようやく明瞭さを取り戻してくる。なんとなく頭にかかるモヤを振り払いながら、首に手をかけ、ゆっくりと力を込めていく。
その手が近づくにつれて、少年の声はようやく明瞭さを取り戻してくる。なんとなく頭にかかるモヤを振り払いながら、首に手をかけ、ゆっくりと力を込めていく。
「っ……はっ……、どう……して」
息すらも詰まる中、少年は縋るように問いかけ、その首を絞める手を掴む。
それが俺の存在意義だからだ――そう答えようとした刹那、零は自らに起きた異変に気づく。息苦しい。とても苦しい。まるで何者かに首を絞められているような――
「な……あ、おな······じ、....だろ?」
目の前の少年の眼は、いつの間にか血溜まりのような赤黒い色に変わっていた。手を掴む力が強くなっていくのを感じる。
息苦しさが増していく中、更に強く首を絞める。早く終わってくれ。そう念じながら。「俺たちは……っ、どうる……い……」
みるみるうちに少年の髪色は漆黒に染まっていき、不気味な笑みを浮かべる。この顔、どこかで見たような――
遠のく意識の中、最後に零が見たのは、少年の瞳に映る、真っ白な自分自身だった。
「……!」
その刹那、目が覚めた。久々に寝ざめの悪い夢を見てしまったものだ。
「零、大丈夫かい? だいぶうなされていたようだけど」
隣にはエトルがいた。なぜか零の首元にスポーツドリンクのボトルを当てて。これが首の冷たさの正体か。
「……お前には関係ねぇよ」
「ふーん。あ、そうだ。零に預かり物」
「ふーん。あ、そうだ。零に預かり物」
エトルが渡したのは封筒だった。頼んでおいた情報が届いたようだ。
「また面白いことになりそうだね?」
「さぁてね。今日の俺は気分が悪い。少しばかり派手にやらせてもらうぜ」
「さぁてね。今日の俺は気分が悪い。少しばかり派手にやらせてもらうぜ」
首をさすりながら零は部屋を出て行った。――今の俺には力がある。